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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
終わり良ければとにかく良し、最終話ァ! ラストを締めるテーマソングの使い方が素敵よね。4部のメインテーマは「Great Days」ってことでいいッスね。ジョジョ関係のシンガーもどんどん数が増えているので、7部の最終回とか「We Are The World」みたいな状態で歌ってそう。 きっちりと原作通りに決着と余韻を持たせたエンディング。本当に「終わり良ければ」の精神であり、これを見せられたらここまで色々と抱えてきた不満も「まぁいいか」って感じで許せる気がする。原作もこの4部の終わり方は格別の達成感があったしねぇ。「こんな面倒な事件をどうやって世間的に収束させるのか」っていうのは、ぶっちゃけ漫画原作者なら投げ出してもいいくらいの部分だとは思うのだが、荒木先生は(この時代は少なくとも)そのあたりが律儀で、きちんとバイツァダストの発言条件として女性救急隊員に名前を「自白」させ、その後で救急車に轢かせて顔を粉砕、身元不明死体だけど身元が分かっている、というアクロバティックな状況を実現させた。普通はそれだけなら警察の身元捜査で違和感が出るところなのだが、一応吉良は行方不明になっているし、身体の表面こそ川尻浩作だが、体組織レベルまでいけば吉良であることは分かるわけで、おそらく司法解剖でも問題無く吉良と断定されるに到るだろう(「顔の皮が剥がれた」だけなので、一番手っ取り早いのは歯科治療記録との照合だと思う)。ご丁寧に、彼が抱えていた通勤鞄はちゃんと早人が確保してる描写が入ってるんだよね。吉良だって名乗ってるのに川尻の荷物持ってたら流石に混乱しちゃうからね。それにしても、吉良が轢かれる瞬間の描写、思ったよりもはっきりやったな。「ゴリッ」って……うへぇ。 決着のシーンはもちろん原作通りに「バイツァダストが発動した?!」と思わせてからの回想で表現。そのあたりの構図とかポーズのギミックも原作のデザインを意識しながらアニメならではのおしゃれ表現になっており、映像面でも吉良の感極まった勃起表情やらポーズやらがいちいち丁寧。そのあたりは津田さん自らのコンテ・演出でガッツリ見せてくれているので安心だ。突然川尻フェイスが吉良に戻るところとか、アーノルドのダイビングとか、細かいところが「最終回だから」という意識で全部インパクトのある映像に仕上がっている。毎回このクオリティだったら最高だったんだけどなぁ。 そして、アニメならではのお楽しみは、オリジナル要素も盛り込んでお送りするエピローグ部分。わざわざオリジナルでここを付け足すために頑張って尺を削ってきたのだなぁ。なんと、(存命の)スタンド使いはオールスターが集合するという贅沢なもので、「玉美と間田はなんで仲良くなってるんだよ」とか、「結局億泰の親父は街中を堂々と歩いていいのかよ(しかも飲食店)」とか、突っ込みどころも多いが楽しいので無問題。あと吉良の同僚(女性)とか、一般市民でもちょこちょこ関係無いのが映ってるのが面白い。吉良の同僚のシーンの直前に出てきた女の子って、辻彩のところに来てた「幸せなブス」だよね? 彼氏と続いてるんだねー。 猫草が虹村の家で飼われていることは原作でも触れられていたが、あんな風にして平気で外に持ち出しちゃうあたり、流石の億泰である。まぁ、彼の能力なら空気弾で暴れられてもそこまで怖くないからね。親父さんに猫草と、虹村家は人外のものが増えていくのね。そして露伴のエピローグにはなんとあの「準備運動」が登場。こういうの見てると、やっぱり4クールにしてそのまま「岸部露伴は動かない」と「デッドマンズQ」をやっちゃえば良かったのでは? って気になりますよね。いや、あれだけ劇的な勧善懲悪の後に突然デッドマンズQが始まったら原作知らない人はポカーンとするだろうけども。「動かない」の方は一応1話だけOVA化されるわけだが、いっそ「死刑執行中」で1シリーズアニメやるってのはどうですかね? とにもかくにも大団円。天晴れな空気の中に少しの寂しさを残したエンディングは、個人的にはやっぱりジョジョシリーズで一番好きなのです。しのぶがポロッと漏らす「最近背ぇ伸びた?」は、全シリーズを合わせた中でも屈指の名台詞だと思ってます。早人はこれからも黄金の心を持って、お母さんを守っていくことでしょう。 黄金の心を受け継いで、さて、次に康一君がイタリア旅行にでかけるのは、何年後になるでしょうかね……。 PR 「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター」 5→5 もう何が何やらよく分からなくなっている落ちこぼれ視聴者ですが、それでも最終回は無闇に盛り上がってしまうあたりが罪作りな作品だな、って思います。 ぶっちゃけ、キャラが増えすぎていて私のような熱心じゃないファンは誰がどれで何が何なのか、把握しきれていません。前クールで別なアイドルアニメラッシュがあったこと、そして少なからずキャストが被ってることなんかも災いし、どれがスターリッシュやら、どれがヘブンズやら。そして、これだけキャラが増えてしまうとまともな1クールアニメで処理することが出来ないってんで、苦肉の策で打ち出したシナリオ展開がスターリッシュを中心にしたコラボ企画という斜め上の解決法。毎回1人のメンバーが選出されて他のチームの人間とぶつかっていくという構成は、1人1人のキャラに思い入れがある純正のファンには嬉しいサービスだったのかもしれないが、ピンと来ないレベルの視聴者からすると「個人の話よりグループでのライブの方が……」と思ってしまう内容である。各キャラのカラーを出していく必要があるために各々のエピソードはかなり温度差というか、テイスト差が広がっており、1本のアニメなのになんだか斜め上の次元が展開したり、しなかったり。まぁ、斜め上なのはいつものことなのでむしろ持ち味として正解なのだろうが……。 そんなわけで、これまでのシリーズに比べると正直中盤は中だるみしていた感。「流石についていくのもしんどいかな」と思っていたのだが、終盤になって話をまとめ始めると相変わらずの無茶苦茶さと、全力で振り切った超作画で逃げ切ろうとするんだからずるいといえばずるい。杉田が突然暴れ始める展開とか、どう考えても無茶苦茶だし、シナリオとしてもおかしいはずなのだが、力業で「まぁ、そうなればそうするしかないんだろうな(この世界では)」みたいな謎説得力が嫌になる。私は一体何を見せられているというのだ……。 ま、まぁ、長きに渡ったうたプリの悪夢というか、淫夢もようやく一区切り……と思いきや、まだ続く可能性があるとな?! もう、スターリッシュはどこまで羽ばたくつもりなんだよ。このまま、一時期のエグザイルみたいに「日本の男性声優の5割がうたプリです」みたいになりそうで怖いぞ。終わらないコンテンツ。 もういくつ寝ると、第11話。きっちり時節に合わせたエピソードになっているのは、たまたまなのか、まさか放送時期まで計算尽くなのか。 前回のお話とのギャップが壮絶な1話。あれだけ心がクサクサしていたというのに、それを一発で吹き飛ばしてしまう川本家のパワーはやはり凄まじい。 零にとっては重たい対局が続いていたことも原因だったのだろうか、仕事を終えて気が緩んだところで体調はそれを察知したかのように悪くなる。一人暮らしの風邪っぴきというのはなんとも心細いもので、出来ることといえばただ寝るのみ。その間に栄養・水分の補給、あわよくば病院へ行っての治療・投薬ということになるのだが、一人でいては病院へたどり着くこともままならぬ。現代はコンビニがあるから食料などの調達は比較的容易だが、一昔前の人は、一人暮らしで患ったときはさぞかし不安だっただろう。現代の世捨て人みたいな生活をしている零もそこは同じ。自宅にはろくに食べ物もなく、朦朧とした意識の中、まるで死期を待つかのように世の全てに対して悲観的になるもの。それがハレの日である大晦日だったりしたら、なおさらである。 そして、そんな零の状況を察知したかのように飛んでくる川本シスターズ。元々犬猫を拾ってきて太らせるのが趣味というあかりさんのこと。弱っている零を放っておくはずもなく、そのまま驚くべき迅速さで彼の病魔撃退へと動く。世話焼きママン体質、ここに極まれり。残りの姉妹2人もこの長姉の指示をよく聞き、訓練された軍隊のごとく、零をおもてなしていくのである。くそう、なんと羨ましい。流石に下着を脱がせて云々までは進まなかったが、下手したらそのレベルまでいってエロ漫画展開になだれ込んでもおかしくないシチュエーションではないか。 もちろん、川本家はそんな下衆な世俗とは無縁の楽園。愛にまみれ猫にまみれ、零はながされるままに至福を味わう。そこに待ち構えていたのは懐かしき良き日本の年末年始の姿である。零の病気もあってか蕎麦をすするシーンこそ無かったが、何となく流れる紅白。この日ばかりは夜更かしを認められ、居間に転がりながらも結局寝こけてしまう子供たち。除夜の鐘が聞こえる中で、そんなかけがえの無い「家族の日常」が零に染みこんでいく。かくいう私にも、こうしたノスタルジックな風景はチクチクと刺さってくる。家族の正月……あの頃は良かった……嗚呼。ただ、こうした家族の肖像の中で、川本家は「両親」だけが欠けている。中でも父親の存在というのは不可思議なものであるらしく、零もそれを感じ取っているために多くを尋ねることはしない。いや、零は何一つ尋ねない。そのことが、家族に混ぜてもらえる恩義への礼節であると考えているのかもしれない。 年が明けてからの挨拶、おせち、年賀状。これらもまた、象徴的な家族の風景。まぁ、年賀状が少ない事なんて気にする意味はないのだよ。わしも来ないから気にするな、零。人間、年賀状を1枚も出さないように決めておくと、自然に届く枚数も減っていくものですよ。あんな面倒な習慣、消えてなくなればいいのに。でもまぁ、子供さんが年賀状の中身や枚数で一喜一憂する気持ちも良く分かる。お正月という特別な風景の中で、あの1枚1枚が自分の1年の蓄積のようにも感じられるしね。年賀状を出したりもらったり出来るあいだは、その関係性を大切にした方がいいのかもしれません。 こうして紡がれる日常の風景に、川本家の色々な面が新たに見えてくる。叔母の紹介で夜のお店に出ているあかりさんも、その扱いが「生活に窮したが故の苦しい仕事」というわけではなく、むしろ叔母の気遣いによる社会活動の一環であることが分かったり、川本家の謎な間取りによるドキドキシチュエーションが分かったり。いいぞ零、そこから今度はお風呂ハプニングイベントだ。このアニメじゃ絶対そういう展開は起こらないのが残念無念。あかりさんのお風呂タイムとか、想像するだにNHK向きじゃないからね! あかりさんに「えらいえらい」っていわれたいだけの人生だった……。 12月24日 ドラフト模様(KLD×3) ピック順 【Alessi】→【Chrolony】→【Thraxi】→【Sea-chicken】→【Mei】→【Serra】→
分かっちゃいたことだけど、試合から時間空けちゃうと記事執筆のモチベーションが著しくさがるな。加えて自分の成績がクソみたいな試合だと歴史から抹殺したくなるな。なるほど、原稿料って大事かもしれない。
今週は当然年末休業です。次回は通常運行なら1/7(土)になりますが、現時点で欠席予定が1名出ております。年始からドラフトやってる暇なんかねーよ、っていう人は早めに連絡をください。もう、5人戦ならキャンセルして2週休みってことにしますんで。
「私がモテてどうすんだ」 4→5 私のような人間がこのアニメを観ても、基本的に考えることは「小林ゆうとは一体どんな存在なのか」ばかりなのですが、この難しい命題を考える上で有意義であった他、いうても別に悪い部分は無かったので、第一印象の「こんな匂いの強いアニメは受け付けませんわー」的なマイナス点は消えました。ながら観してたのは間違いないが、何となく観る分にはいいギャグアニメでしたよ。 女性向け漫画で気に入らない要素は何かって考えていくと、どうしても「非実在美少年の都合の良すぎる待遇」になってくる気がするんだ。「そんな男いねーよ」とか「そんなこという女になびいてたまるか」みたいな部分でどう頑張っても男女の思想の差が表れてしまい、漫画やアニメの中の話と頭では分かっていても拒否反応が起こりやすい。そうした要素も全部ファンタジーの中に埋め込んでしまう作品だと一気に匂いが薄れて観やすくなるのは、私特有の現象だろうか(「それせか」「花咲ける青少年」「赤髪の白雪姫」「暁のヨナ」etc.)。その他の傾向で言えば、メインヒロインが受け身でなくて積極的に現状打破に挑む作品だとヒロインが魅力的に見えるために受け入れやすくなるパターンもある(「スキップビート」「となりの怪物くん」etc.)。本作の場合、そのどちらのカテゴリにも入らない作品であり、芹沼さんは決して恋愛にアグレッシブに攻め込むわけでもないし、どこまでいっても学園生活な現実路線のお話なのだ。つまり、「都合のいい野郎共の集団」が気にくわない、マイナス方向の作品に見える。 しかし、話数を重ねるごとに「あ、割とどうでもいい」と思えるようになる。何しろ、芹沼本人が恋愛感情を持たずに「素材」として野郎共を転がすだけのお話なのだから。恋愛が絡まず、男たちのアプローチは全部独り相撲。そうなれば都合がいいも悪いもないのである。芹沼にとって男どもは「都合がいい」わけではなく、野郎共にとっても芹沼は「都合の良い女」になりえない。つまり、「ラブコメ」ではなく単なる「コメ」アニメだったのである。なら、男性向けも女性向けも関係無いわな。そして、純粋な「コメ」であることを強固に支えたのが、芹沼役を担当した小林ゆうということになる。画伯がヒロインを担当することによって、今作の世界は現実から隔絶され、ただの不条理に投げ出される。作中で惚れられている芹沼が「なんでこいつが惚れられるんや……」という不条理が、画伯ボイスで加速する。しかし、不条理にも関わらず何故か芹沼の存在感は回を増すごとに密度を増し、気付けばそれが日常に落とし込まれている。このなんとももどかしい理不尽が本作の希有な作品性になっていた気がする。つまり、結論としては「これ以上無いギャグアニメのアイコンとして、小林ゆうは完璧な仕事をした」。 まぁ、流石に中の人のお仕事に引っ張られすぎな感想かもしれないが、しょうがない、私はそういう人間なのだから。小林ゆう×沢城みゆきという、この業界でなければ絶対に交わらなかったであろう2つの巨星のコラボレーションを堪能する。そういう作品として、今作には一定以上の価値があったのではなかろうか。野郎共のキャラも、最終的に「みんなして単なる美少年じゃなくて馬鹿じゃねぇか」ってところに落ち着くので、男目線でも観やすくなったのは良いと思います。そして、こうやって腐女子文化は少しずつ市民権を拡大していくのです……。
「亜人(第2期)」 6→6 少しずつ気に入っていった作品。まだ導入段階だった1期と違い、どの話を切り取ってもクライマックスみたいな詰め込み過ぎのストーリー展開が実に刺激的。 詰め込み過ぎと言ってもやってることはただ1つ「佐藤を止める」だけなのだが、不死者どうしの対決、そして佐藤・永井・政府軍という三つ巴の戦いに発展したこともあり、とにかく戦局は二転三転。普通に考えたら日米両政府が手を組んだ軍隊に個人レベルが敵うはずがないし、一応警察組織の支配下にあった永井軍だって最終的にはそれなりの戦力を擁していたはずなのだが、そんな戦力差を一切感じさせずにゴーイングマイウェイを貫き通した佐藤さんの存在感が半端じゃない。1期の頃から「佐藤さん最高やん」というアニメだったが、2期目もやっぱり結論は「佐藤さん最高やん」なのである。大塚芳忠のキャスティングがはまり過ぎてて、なんか俺の中では「芳忠さんも殺しても死なない」みたいな気がしてる。 2期に入ってから加速したのは、そんな佐藤さんも含めて蓄積してきた人間関係がそこかしこで噴出していたこと。1回だけ感想を上げた下村さんエピソードのあたりなんかは彼女と戸崎さんの素直じゃない関係性がキュンキュン来たし、気付いたらソウルメイトになっていた戸崎組のおっちゃんたちと永井の絆とか、徹頭徹尾馬鹿を貫き通した中野の立ち位置とかも良い。そして、敵側の佐藤サイドにも田中・奥山と魅力的なキャラが並んでおり、どこの人間関係を見てもきな臭かったり、生臭かったり、青臭かったり。2クールの尺があったわけだが、それでも足りないと感じさせるくらいに色々なものをみせてくれていましたよ。 ポリゴンピクチュアズによるCGワークも2期目ともなればすっかり慣れている。1期は「IBMの異様な存在感や不気味なモーションくらいならこの画が合っていると言えなくもない」くらいな消極的な評価だったのだが、2期になって物語の持つ温度みたいなものが分かってくると、永井のどうしようもなく冷たい表情とか、淡々と相手を処理していく佐藤さんのアーミーアクションとか、そういう部分にも案外このデザインはマッチしていたという気もしてくる。もちろん作画アニメに比べたらまだまだディティールは甘いのだが、こうしてCGにしてディティールを捨象することで、新たに見えてくる側面があるのならば充分プラスだったといえるだろう。「シドニア」「亜人」と並んだ作品群を見ていると、作品の選び方も大事だが、描き方次第でちゃんと「見合った」画面が作れるものだと再認識。CGを毛嫌いするのではなく、良い部分を積極的に認めてアニメ業界の発展に繋がっていけばよいね。 中の人については佐藤さんの話を上で書いてしまったわけだが、後は真実一路の下村さんのひたむきさ、別な意味でひたむきだった田中さんあたりの「強くなりきれない」戦いが好きだったので、そのあたりのキャストの演技に好感が持てた。平川さんはあんまり「強い」役って回ってこない声質なのだが、こういういかつい役で、内面の不安定さみたいなものをみせてくれるのは面白い配役。あとはまぁ、ふてぶてしい永井役の宮野でしょうね。彼の場合、なんかもう、「永井役」っていうより「勝手過ぎるIBM役」の方がガッツリはまっていた気も。フラッド現象で溢れるサラウンドの宮野ボイス。迷惑以外の何ものでもないな! 「ドリフターズ」 6→7 大層愉快なアニメでございました。ここで終わるのは本当に勿体ないのだが、原作が無いなら致し方ない。 どこぞで見た表現だと「僕の考えた最強の英霊戦争」。まー、原作者自身もおそらくFateシリーズやその他の作品に感化されて「自分なりに過去の偉人たちをぶつけられるならどうするだろう」みたいなところからスタートさせた作品なのだろう。そうしたモチベーションならばキャラへの思い入れも強くなるだろうし、「やりたいから描く」作品であればこその、本気の掘り下げと溢れる愛情が感じられる。その時点で大きなアドバンテージには違いない。 そして、Fateシリーズと違って白眉なのは、そうした「偉人たちの大戦争」のテーマを更に「異世界転生もの」として昇華した点。別にエルフやドワーフがいる世界でやる必要があるというわけではないのだが、「全然知らない文化どうしがぶつかる」というバトルの形式なら、味方軍も相手軍も「知らないフィールド」でやらなければフェアではなかろうし、英霊戦争に加えてファンタジー世界のお約束ネタまでぶっ込めば、もう設定だけでもお腹いっぱい。あわよくば、足りない部分は読者が勝手に補完するくらいのものだ。広げたい放題、無茶をやりたい放題。そんな好き勝手な真っ白キャンバスに、ヒラコー色を塗りたくるのである。シリアスとギャグのシームレスな切り替えも気持ちいい要素。そりゃ現世になにがしかの足跡を刻み込んだような問題児が山ほど異世界に送られたら、こんな風なカオスになるし、個性のぶつかり合いからいくらでもネタが溢れてくるわけだ。世が世なら人の上に立つような人間ばかりが集まっての子供のような陣取り合戦。分かりやすく、盛り上げやすい。この設定、本当に良く考えたもんである。 個人的に感心したのは信長の立ち位置で、今作だけを見れば、ぶっちゃけ主人公は豊久ではなく信長の方である。一応「頭」として豊久を立てたわけだが、それだって信長が過去の経験から学んだ「天下の取り方」の1つの現れであるし、基本的にお話は「信長がいかにこの世界でのし上がるか」が描かれているだけ。豊久はあくまでその道具の1つでしかない。本当なら「信長の野望・異世界バージョン」と題されてもおかしくない内容なのである。しかし、そんな設定のはずなのに、「主人公」豊久のキャラが全く埋もれることなく、しっかり信長をも喰らって「主人公」になっているのが絶妙な配置。天下の織田信長を「優秀な参謀」ポジションに据え、妖怪クビオイテケを主人公にするとか、一体どんな判断なんだろう。お見事としか言いようがない。見事に「少年漫画テイスト」をプラスに働かせ、容赦無く敵兵を叩き斬るだけで、豊久はキャラが成立していたのだ。まぁ、ひでぇヤツなのは間違いないが……。 こうして原作が持つ「色々ずっこい面白さ」を、アニメでも気合いの入った映像できっちり維持。近いところでは「ジョジョ」の作画がある気がしていて、テイストこそ全然違うものの、今作もジョジョ同様に「読者の印象に残る1枚絵」はしっかりとアニメに落とし込まれており、ファンにサービスしていこうという精神が窺える。エグいシーンもそのままだし、見得を切ってキメた陰影の強い図柄と、落書きのようなへちょ絵のギャップも実に楽しい。平野耕太作品の持ち味の1つがその絵柄なのは間違いないわけで、アニメではそこを落とさず、むしろ動きをプラスすることで大きな武器にしている。これはおそらく、幸せなアニメ化だったに違いない。次はいつ帰ってくるんでしょうね。20XX年かぁ……。 中の人については、上述の通りなので信長役の内田直哉がMVPな気はするが、もちろん豊久役の中村悠一だって負けちゃいない。最初は違和感があった薩摩弁も、あっという間に「豊久の強さ」の象徴としてなじんでしまった。他にも濃いキャラに濃いキャスティングを遠慮なくぶち込むカロリー計算出来てないバイキングみたいなボリュームが凄まじい。個人的にはラストにキーパーソンとなった土方を長州(山口県)出身の安元がやってるのがなかなか皮肉が聞いていて面白いと思った(たまたまだろうけど)。あとは「また明智光秀が速水なのかよ」とかね。まぁ、「あっち」の光秀とはだいぶ違うようだけども……。 「船を編む」 5→5 (多分)史上初の辞書アニメ。妙な題材には違いないが、ドラマとしては至極まっとうな造りでしたね。 良くも悪くも手堅い作品。いかにもノイタミナらしいとも言えるが、原作で与えられたものをそのまま忠実にアニメとして仕上げた印象だ(原作読んでないけど)。地味な題材だがヒューマンドラマとしての骨子は出来ているわけで、そこを1クールのアニメにすることには何の問題も無い。起承転結のまとまった、本当に「ドラマ」として優等生的な内容。映像面でも一切崩れることはなく、固めのキャラクターデザインでも固くなり過ぎず、適度に「アニメ的な」演出も交えながら見やすいように工夫されていることが感じられる。「大渡海」という辞書の名前に代表される「言葉の海」というイメージも、アニメならではの演出でもって「活字の流れ」が見えることで、その膨大な数や、流れ続ける動きの大きさを感じさせる。与えられた課題には、失点無く応えた作品といえるのではなかろうか。 ただ、やっぱりそうして「マイナスが無いこと」を評価する以外の方法がない、というのはちょっと勿体ないとは思う。ぶっちゃけ、どこをどういじっても「アニメならではの良さ」を見せつけるには不向きな題材なのだ。上述の通り「言葉の海」の演出などはいかにもアニメらしい部分ではあるのだが、それってあくまでイメージ映像であって、この作品の外側を飾り付ける最後の装飾部分に過ぎない。「なくても成立するおまけ」なのである。アニメ独自の見せ方、アニメでしか成し得ない切り出し方を見つけるためには、やはり「動き」が前提になってしまい、ひたすら机に向かって用例採集するだけの毎日は、残念ながらアニメ向きではない。実写映画でもいいし、アニメでもいいのは間違いないのだが、「アニメでなくてもいい」と言われればそれも事実なのである。贅沢な要求ではあるのだが、天下のノイタミナ枠であるから、もう一歩先の、「これは実写映画に勝っているぞ」と太鼓判を押せるような何かが欲しかったところだ。 まぁ、やっぱり贅沢な話ですね。私は実写映画の方は観もせずにわがままなこと言ってるだけだし。もっとしっかりとアニメ・原作小説・実写映画を見比べれば、アニメ独自の頑張りも見えてくるのかもしれないし。西岡の表情の付け方なんかは、ひょっとしたらアニメで輝いてた部分なのかもしれません。あと、じしょたんず。 というわけで、個人的に一番気に入ったキャラは西岡なので、神谷兄ぃは相変わらずいい仕事するなぁ、というのが中の人についての第一印象。神谷・千和カップルってなんだか時代を感じさせるキャスティングよね。そして麦さんの貫禄のお仕事や、金尾さんの頼りがいのある仕事ぶり、ぴかしゃの「どこに出てきても恥ずかしくない」全能感なんかも格別です。キャスティングは本当に贅沢なので、むしろ意識せずにスルスル入ってくるのがありがたかったですね。それにしても、今期の櫻井の眼鏡率の高さは一体何だったんだろうな。 12月24日の深夜24時から翌25日の午前6時までの6時間は1年間で最もたほいやをする人の多い「語彙の6時間」です。貴方の知り合いや友人ももれなくたほいやをしています。普段はヤバい超ヤバいと繰り返すだけのあの娘もたほいやをしています。貴方の世話をしてくれた立派な上司もたほいやをしています。貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、小脇に広辞苑を抱えてお出かけしたのでしたら間違いなくたほいやしてます。貴方と別れたあの娘もあなたの出題した単語を活かして新たな言葉を見つけています。貴方の将来の対戦相手は、「みさごすし」や「にがみかく」でゲラゲラ笑っています。
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HN:
Thraxi
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男性
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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