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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 Hope sideとは?! 何でも来週1話分だけ放送する「特別編」とのことだが……。島編なの?! 島編が見られるの!? ボクは……腹一杯のジャバ鍋を食べたかったんだ……。いや、多分未来編の結末みたいなものだろうけども。

 とりあえず「絶望編」は今回でおしまい。もちろん「知っているあの結末」にゴールインするだけなのだが、考えてみれば「知ってる結末にゴールインする物語」を面白く見られるってのはそれだけですごいことじゃないか。改めて今作を振り返ると、「どうなるか」は分かっているはずなのに、毎週何が起こるか分からずにドキドキさせられた。今回だって77期生のクラスが一体どうなってしまったものか、雪染先生のグルグル目を見ながらドキドキ見守ったものである。まぁ、巷で言われるように「結局全て洗脳動画で処理しちゃってるやんけ」みたいな部分は正直あるのだが、元々「1」の時点で記憶消去も操作もやりたい放題の無茶苦茶な世界観だったわけで、今更これくらいは大した問題じゃないんだよな。

 難点をあげるなら、「2」の時に示唆されていた「江ノ島の絶望に心酔した希望の生徒達」という倒錯した状況をどのように作りあげてくれるんだろう、っていう期待があったのに、その部分が全部オートメーション化してしまっていた、っていうことなんだろう。本当は1人1人どうやって籠絡されていくのかを見たかったし、江ノ島がどれだけ悪辣なことをやったら人間の価値観をひっくり返せるのだろう、という期待もあったものだが、その部分が全員まとめてモニタを見せるだけ、っていうのは何とも味気ない。その部分は間違い無く失点だし、そのことで今作が駄目駄目だという人もいるだろう。そのことについては異論は無い。

 でも、原作ファンとしてはやっぱり楽しい部分が多かった。「アイツラの知らなかった日常」がこうして明らかになり、ぐちゃぐちゃと歪んでいく様を見て、そして何と言っても「超高校級の絶望」江ノ島盾子ちゃんのやりたい放題の活躍は見ていて最高にファニーだった。全ての言動が「1」に繋がってくることを考えるとニヤッとさせられる描写も多く、今回を例に挙げれば何と言っても残姉ちゃんとの会話パートだろう。あの言葉に、むくろちゃんは笑い返すだけだったんだよなぁ。本当に残念だなぁ。でも、あれだけマゾい性格に描写されてんだから、案外最期の最期まで幸せそうに妹のために生き抜いたのかもしれませんね。

 そして、今週の様子を見ていて気付いたのだが、77期生のクラスって、「絶望のとっかかり」として非常に効率の良いメンバーだったのね。特に九頭竜&ペコちゃんコンビはダイレクトに議事堂に乗り込んでいたことからも暗喩されているが、九頭竜組の力って割とダイレクトに日本の中枢に食い込んで病巣を深める役に立つんだよ。ソニアだってかなりの上流階級なわけだし、あとは胃袋を掴む役とか技術面でダイレクトアタックしかける役とか、医療班に紛れ込める役とか。そして、その力を何倍にもブーストさせる「超高校級のマネージャー」が多分かなり強い。78期生組だったらここまで効率よく絶望の媒介者にはなれなかったんじゃないかな(まぁ、さくらちゃんが爆裂してたらどうなってたか分からないが)。何もかもきっちり江ノ島の計算通りに進んだってことなんでしょうかね。それにしても、カムクラとの遭遇以降は狛枝が割と大人しくしていたのが気持ち悪いんだけどな。江ノ島さん、狛枝のことを「計算出来る才能」みたいに断じていたけど、果たして苗木と比べてどっちが与しやすかったのか……。

 苗木といえば、今回も「未来編」に続いてまさかの舞園さん登場(台詞あり)。他の面々も全員登場していたが、桑田だけ後ろ姿で一瞬誰だか分からなかったわ。やっぱあいつ影薄い。あとセレスさん、お仕事してください。霧切さんがここに入ったことは偶然ではなかったと思いたいが、あの後で彼女も江ノ島に丸め込まれて記憶をいじられ、あげく実父を宇宙に飛ばされたりしちゃうんだよな。そう考えると超高校級の「探偵」VS「絶望」では霧切さんは完敗している。まー、江ノ島は流石に探偵の手に余る規格外の存在だったってことだろうけども。

 結局、霧切パパは学園をシェルターにすることには成功したが、まさか諸悪の根源が中に紛れ込んでいるとは思いもせずに完敗。その間、天願老人は外から何とか機関を立ち回らせようとしていたが、絶望は「1」の時代に到るまでやりたい放題していたことを考えると、あんまり上手くいってなかった。黄桜は……何してたんでしょうね。まだ声がけーじくんだったから、アフレコはだいぶ前に終わってたようだが(どうしても気になるのはソコ)。今週の様子を見るだけでは天願の真相は分からないままだな。未来編でここがどう繋がってくるか。未来編といえば、結局今週は御手洗が一度も登場しなかった。アイツの顛末も未来編で答え合わせかな? こうしてみると、終わったとは言ってもまだまだ謎は残っているな。

 そして、最後に1つ回収されたのは、七海の真実である。前回、七海の命懸けの訴えによって心動かされたカムクラ。彼はおそらく「絶望」の中心にある江ノ島の対比的な存在として、「希望」の中心に七海を見た。そして、自分をまっさらな状態にした上で外界から観察する手法として、学園の開発していたジャバウォック島プロジェクトに何らかの形で紛れ込んだのではなかろうか。そうでなければ、あそこに七海がいた説明がつかない。あの世界における七海の存在は、まさにカムクラが与えた純粋な「希望」の1ピースだったのだ。そりゃ、日向だって助けられるに決まってるわ。絶望しかないと思われていたこの物語の中でも、日向・七海間のストーリーはなんかあったかくていいですね。いや、一番ひどい死に方してるのが七海なんだけどさ。

 さて、あとは雪染ちさの物語が今回で本当に終わったのかどうかだが……もう一声。もう一声。

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「スカーレットライダーゼクス」 4→3

 当落線上ギリギリにいた作品。何のラインかというと「観るのを断念するかどうか」である。今期は放送本数が多かったことで、ついに視聴を断念する作品もいくつか出始めた。せっかくなのでここに記録しておくと、夕方アニメなので流石にモチベーションが付いていかなかった「パズドラクロス」と、もうシナリオが全然分からなかった上に放送時間の関係で録画に労力がかかりすぎた「D.Grey-man」の2本だ。逆に言うと、それ以外の作品は一応全部(横目の場合もあるが)目を通している。そして、今作はこの2作に続いて「もういい加減録画しなくていいのでは」と思った作品だったのだ。

 先に、じゃぁなんで最後まで観たのか、っていう部分を書いておくと、終盤の世界大回転の顛末が気になったからである。もっと具体的に言えば「あけこのキャラ(あいかわらず名前覚えてない)の正体と、結末が気になった」である。なんかよく分からない多重世界設定になり、さらに記憶の移植やらキーパーツのコピーやらと、「おっ、割とエグい設定ぶっ込んできたな」っていう部分があったので、ギリギリ脱落を逃れ、オチを見届けるに到った。

 しかしまぁ、オチも何もな……訳分からんかったな。とりあえず「宮野がおかしくなるアニメ」フォルダに新しい作品が1つ増えた、っていうだけでも覚えておこうか。まー、元々「そっち向け」感が強かった作品なのだから私に合わなくてもしょうがないのだが、本作の場合はあらゆる面に絶妙なダサさとやる気の無さが見え隠れしたのが最大のハードル。変身ヒーロー(?)ものなのに変身後が抜群にダサく、バトルシーンも非常にもっさりしていてさわやかさの対極にある。キャラの造形も(女の子は決して悪くないのだが)全体的に学園ハンサム寄りなのでギャグにしかみえないし。各人についてるスタンドみたいなやつも、その内ちゃんと説明されるんだろうと思ってたら大したフォローもなく「ただなんとなくそこにいるだけ」でストーリーを膨らませる役割を果たさず、画面がごちゃごちゃする原因になっただけ。バディものの要素があるはずなのに、何で人間どうしの絡みばかりをクローズアップしてあの変な連中を有効利用しなかったのだろう。バンドものとしての側面もあるはずなのに、作中では「弾くぜぇ、超楽器弾くぜぇ」と言うばかりでライブシーンや演奏シーンを見せる気配もない。一体何が売りで、どんな客にサービスしようとしているのか、全く分からずに明後日の方向へと消えていった作品である。

 まぁ、最期まで見届けられたのはある意味幸せだったかもしれないのだが、結局あけこのキャラは浮かばれないまま死んでいったのはやるせない気持ちでいっぱいです。

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Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」 6→6

 いやぁ、今期も無事に終わり……ませんね! ここまでぶつ切りの終わりってのは流石に想定外。これでもいつもより多い12話あったというのに……。

 微妙な幕引きを向かえてしまった作品。そりゃま、劇場版デザインは最近ではあまり珍しくなくなってきているが、まさかコレにまで適用されるとは思ってなかった。永遠に終わらないコンテンツな空気はあるのだから、このまま5期6期と続けてくれればいいだけだと思うのだが……尺の問題なのか、流石に枠が取れなくなってきたのか。いやぁ、でも今の御時世、確実に一定の数字が取れるアニメ作品なんて希有な存在、なかなか手放されないと思うのだが……角川は一体どういう方向を狙っているのか。

 本作の売りは大きく分けて「Fate的バトル」と「幼女」があり、ufotableUBWとかを差し置いてわざわざこっちを観るってことは後者の要素が大事ってことになるのだが、残念ながら今期は後者の要素がやや控えめ。最終回で何とかフォローしようと急激にぶっ込んできたが、なんかお得意様に対するちょっとしたアフターケアみたいな感じになっている。まぁ、バトル部分も充分見応えのあるものになっているし、「SILVER LINKの本気」が見られるだけでもそこまで大きな不満ではないのだが……やっぱり、3期のような濃厚な幼女百合成分をもっと摂取したかったですかね。イリヤがちゃんと主人公していてあまりギャグを入れる余地がなく、そもそも世界の危機だからあんまりギャグってる場合じゃないって問題もあり、「百合」というより「幼女どうしの熱い友情」みたいなニュアンスのシーンが多かった。

 とはいえ、今期はエリカやベアトリスといった新たな幼女(?)枠も増えたし、よりダイレクトにイリヤ×美遊間の関係性も掘り下げられたので、決して幼女要素がなおざりになっていたというわけではない。比率こそ減ったものの、そっち方面の要素を採用する場合には今作でしか成し得ないような濃厚な描写も多かったし。あんまり垂れ流しすぎてもお得感が無い、ってんで出し惜しみしていた部分もあるのかもしれない。くそぅ。問題は、劇場版が封切りされたとして、これを観に行くかどうかなんだよな……チケットを買った瞬間に、「どうも、その手の紳士です」って自己紹介してるようなもんだしな……いや、劇場にプリキュア観に行ってる人間が何を危惧してるんだって話だが……。もし劇場に行って「バトル」要素オンリーで「幼女」要素が皆無だったらポップコーン投げつけることになるし、もし幼女要素がてんこ盛りだったとしても、同じ劇場にいる紳士仲間とどう距離感を保っていいのかも分からないし。色々不便な世の中である。

 とりあえず、完結させずに投げっぱなしにしたことについては確実にマイナス点なのだが、それを差し置いてもやっぱり今作は唯一無二の存在意義があるし、決して手抜きされていたわけではなかったというので評価は昨シーズンまでと同じとしておく。エリカや田中など、新しいキャラがいい仕事していた部分を素直に評価したいのである。あと、最後の最後に凜が「こんな子供になんて過酷なお願いをしてしまったのだろう」って後悔してるところが個人的にツボ。もう4クール早く反省しろよ。

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 感も無量の最終話。走りきった半年間でございました。この最終回さ、間にCM無しでエンディングまで含めると27分あったんやで。そんな放送形態に許可下りるもんなんやな。

 一言で言うなら「エミリア三昧になれ」という最終話である。そりゃそうだ、スバルにとってのゴールはエミリアの膝枕以外に無いというのに、我々視聴者ときたら何かあったらすぐにレムだ。ここ数週間レムが出てこなくなってるせいでテンション下がってる視聴者もいるんじゃないか? あぁ、俺だ。そんなレム爆上げでエミリアのポジションが微妙な状態でスバルにとっての理想のゴールだけを描かれても、我々としては「終わった」感はいまいち。そこで、再会出来た今週分くらいは、たっぷりとエミリア成分を補充して噛みしめろ、という采配なのだろう。おかげで、思いの外良い最終回な感じは出てたと思いますよ。

 前半パートはペテルギウスとの最終決戦。まぁ、実際戦って致命傷を与えているのはユリウスなわけだが、スバルの覚悟を見せた上での決着……だったのかね。結局、前のループのときみたいに不意打ちで瞬殺しなかった意味がよく分からなかったんだけど、今回はなんであんなにユリウスがボロボロになる必要があったんだろう。前回時点では「きっとペテルギウスの乗り移り対策のためにスバルは距離をおいて、何か構えておく必要があったのだろう」と思ってたんだけど、結局今週も乗り移りはやられちゃってるしなぁ。単にユリウスをいじめたかっただけなんだろうか。まぁ、一応「スバルの眼」を使っての打倒という形式を作っておけば、「ペテルギウスはスバルが倒した」という何となくの名目は成り立つので、そのあたりの見せ場を作りたかったのかもしれない。結果的にはユリウスがそれに応えてくれたのでOKとしておこう。結局、乗っ取りを防ぐために使われたのは「死に戻り」の一言ですぐに駆けつけてくれる魔女さん本人のお手柄でしたね。ホント便利な人やで。

 ペテルギウスさえ倒してしまえば大団円かと思われたが、なんとラストミッションでは「お姫様の車に爆弾が仕掛けられている!」という、なんだか突然スパイ映画みたいな展開になった。スバルは自分の失態を後悔していたが、まぁ、流石にループ1回だけの情報で全ての禍根を断つというのも難しい話だろう。事前に村人に混じった信者を排除して村人を最大限安全圏まで移送しただけでもお手柄ものだったんだから、最後のミッションはボーナスステージだと思って諦めるしかない。自分の手で逃がしたエミリアを今度は追いかけるはめになるというのも皮肉なものだが、幸い、たまたま一緒にいたオットーの計らいでお急ぎ便が実現。最後の最後までペテルギウスさんは頑張ったが、無事に大爆発のおまけつきで再会が実現したのである。ペテルギウスさん、もう何がなんだか分からなくなってたけど、結局どうやって死んでしまったんでしょうね。魔女の福音書に何かされてたみたいだけど、あの辺のくだりは正直よく分からんかった。

 あとはもう、2人でいちゃいちゃするだけの簡単なお仕事ですよね。スバルにとっては望外の再会、そしてエミリアにとっては寝耳に水の再会。エミリアにとっては全てのループはカウントに入らないはずなので、街でスバルと大喧嘩して別れてから数日後のはずなのだが、それでもここまでスバルが必死に張ってきた伏線のおかげで、すんなり仲直り出来てしまった。子供を使って自分の思いを間接的に伝えてみたり、突然の大爆発で命懸けの自分をアピールしてみたり、スバルさんったら舞台設定がお上手なんだから。まぁ、あそこまでやられた上でなら、ちょっとウザめのスバルの告白だって受け入れられるってもんですよね。まぁ、スバルの告白がレムの告白のパクりだったのは本当にあかんと思うけども。レムさん、今頃どこで何をしてるやら……。

 終わってみれば、1話目で命を救われたスバルが、25話目でエミリアの命を救うことに成功する、そんな2クール。ただそれだけのお話ながらも、多事多難にご褒美もたくさん、退屈しない半年間でございました。ひとまず、スタッフの皆さんにはお疲れ様。

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NEW GAME!」 5→5

 安心の動画工房クオリティ。まぁ、それさえ言っておけば今作のことは大体片が付くんじゃなかろうか。とりあえず、「阿波根が森永千才」っていう事実が未だに受け入れられてない自分がいるよ。この子の極端な発声は認識不可能なんだよ。

 昨今のアニメは、超絶作画クオリティを売りにしたものか、なんだか絶望的な作画で視聴者から心配ばかりされるものか、妙な二極化が進んでいるような気がするのだが、その分け方で言えばこれは当然前者の方。動画工房クオリティは安定するに決まっているし、監督始め各回のコンテ演出陣もベテランが揃い、文句のない「アニメーション」が出来上がっている。そういう意味では、「可愛い女の子の日常アニメ」としては文句のないアニメ化だ。しかし……やっぱり内容がなぁ……。「きららアニメなんて全部こんなもんやんけ」という乱暴な意見に対してもあまり反論する気は起こらず、実際に「ごちうさ」とこれに何か決定的な違いがあるかと問われればしばし考える必要はあるのだが、やはり、「女の子しかいない夢のきゃっきゃうふふ空間」と、「残業完徹当たり前の修羅場社畜生活」という、相反する2つの側面を合体させた作品というキメラなデザインが最大の難所だったのではなかろうか。だって、私も含めて「こういう」アニメを観たい人間って、癒しを求めて、キャッキャウフフを求めて、キマシを求めて、エロを求めて作品を観ているわけでしょう? だったら、そこに余計な現実が介入するのは足かせでしかないと思うんだけど。世間では「仕事に疲れたおっさんたちが全部可愛い女の子に置換された夢物語」なんて揶揄もあったが、確かに、この世界の「異様さ」はそうしたホラーにでもしないと受け入れがたいものがある。いくらなんでも社屋の中に女性が多すぎ、いや、男性が1人もいない……。「ごちうさ」の街中だって男なんてほとんど見かけたことはないが、あっちはもう、「世界のどこかにあるファンタジーな町並み」だから気にならないんだ。きっと「シムーン」みたいな世界なんだ。でも、この作品は違う。会社が、社会が、現実がある世界を最低限の前提にしているはずなんだ。そこにどうにも整合性を得ることが出来ず、見ているこちらの脳は完全なる需要を拒絶してしまうのだ。

 だから、基本的には「ネタ」部分に笑える部分なんてのはない。社会人あるあるやらOLあるあるやらゲームクリエイターあるあるやら、そういうものは全部虚構なのだ、この世界には無いものなのだ。私が認められるこの世界の現実は、八神先輩とりん先輩の長年連れ添った熟年夫婦のような完成された百合具合と、ねねっちが時たま見せる妹のような青葉への目線。そうしたものだけを上手いこと抽出して、この作品を観るしかないのだ。毎日頑張ってお仕事をしてる人間にとってはダメージが入る作品になっているかもしれないが、仕事してない人間だって「現実」で殴られたら痛いんですよ?!

 というわけで、「映像は文句なしだけど中身がナー」という結論になるので「三者三様」と同じ評点です。上手いことどこかがヌルッとはまれば抜け出せない中毒性を醸し出す可能性もあるはずなのだが……うん、やっぱり打開策はりん×コウのカップリングだと思う。あそこの打撃力の高さは半端じゃないから。中の人でいうとかやのん×ぴかしゃ。人妻感溢れる声優×ガチ人妻声優だ。これって不倫になっちゃいますかね。ん? ボクは元気ですよ。何もおかしな事いっていないですよ。とりあえず今期は色んなぴかしゃが聞けて本当に幸せです。

 その他の中の人は、メインを務めるキャストの多くに若手が採用されていたが、何故か個人的に注目したいのは青葉を飛び越えてねねっち役の朝日奈丸佳。キンキン声ではあるが、なんか癖になる味わい。

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「不機嫌なモノノケ庵」 5→5

 モジャを愛でよう。モジャモジャ。小動物(?)が可愛いアニメは良いですね。

 こちらの作品も「サーヴァンプ」と同じように野郎メインの作品ではあるのだが、こちらはあくまでクラスメイトとしてハナエと安倍の関係を描いているだけだし、あくまで「友情物語」の範囲。流石にこういうのを「女性向けだから」と切って捨てるのは勿体ないというか、怠慢になってしまうだろう。今作のメインは一応この2人の関係性ではあるのだが、それを彩り盛り上げてくれるのは、数々の妖怪達の存在。こうした作品で「妖怪」を扱う場合、マスコット的に可愛い奴らを描くか、純粋に「畏れられるもの」を描くかというのは考慮に値する選択肢だと思うのだが、今作の場合、その中間のどちらとも言えない部分を取っているのが面白い。造形だけを見れば可愛らしいのも多く、最終回の大集合に代表されるように、2人と友情を育んだいい奴らがほとんどだが、その中には命を取ろうとする危険なやつもいるし、造形がなんだか禍々しいものもいる。ギギギの親分なんてのは分かりやすい事例ではなかろうか。

 似たようなスタンスの作品には「夏目友人帖」があり、今作は指導役・護衛役のニャンコ先生の代わりに安倍がおり、夏目の代わりにハナエがいる感じだろうか。女性キャラ枠は滝さんの代わりに禅子かね。そういや狐の子供がいるところも共通してるな。ただ、田舎の自然の中に見える「妖怪」との微妙な関係を描いた「夏目」と比べると、こちらの作品の妖怪の方が割とくくりが雑多で、関係性もフランクな気がする。これは掲載誌の性格の違いかな。「なんだか愛らしいところもあるけど、異形のもの、異界のものとしてどこか怖い部分もあるよ」っていう妖怪の描写はどちらの作品も通底した部分があって、切り口によって様々な物語が見えてくるのはなかなか面白い。何か飛び抜けて印象深い話があるというわけではないが、毎回目先が変わって、色々なヘンテコ生物が見られたのでこれはこれで満足出来る作品だったんじゃなかろうか。

 個人的には禅子が可愛かったこと、そしてヤヒコが可愛かったことが高得点でしたけどね。ヤヒコは良いキャラだったなぁ。大谷育江ボイスのハマリ方が見事。もちろん禅子の中の人も良いですよ。彩陽はこうして「野郎だらけの中にぽつんと女の子」というポジションに配置されることが多い気がするんだけど、何でなんでしょうね。

 それにしてもモジャモジャしたい。

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SERVAMP -サーヴァンプ-」 5→4

 まぁ、「向き」じゃない作品でしたかね。どうにも今後のアニメ業界は女性向けのアニメの割合が多くなっていくようなので、その中から、男性視聴者にも楽しく観られるアニメを上手いこと選別していきたいところですが。

 アニメとしてのクオリティは決して低いものではなかった。今作最大の特徴は、バトルものなんだけどそのバトルの様式の訳が分からないところで、突然ピアノを引っ張り出してきて戦うやつとか、色々と埒外の攻撃イメージが多かった。そうした「化け物たちの戦い」について、なるべく安易にならないよう、不可解に見えるように描こうという部分はアニメとしても面白いところで、お耽美なイメージも加味すれば、割と原作ファンの女性には嬉しいアニメ化だったんじゃないかという気もする。何よりもキャストがキャストなので、単に動いてしゃべってくれれば満足、っていう層も一定数いるだろうしね。

 ただ、そんな中で難点をあげるなら、実は同じく「不可解なバトル展開」部分に帰因する気がするのも難しいところ。端的に言えば、バトルの勝敗がわからんのよ。最終回なんてその最たるもので、終わったのか終わってないのかもよく分からないふわっとした処理で非常にもやもやする。せっかく「いかにもラストバトルッ」って感じのセッティングになっていたのに、そこからの大々的なカタルシスが無いというのはやはり不満点。まぁ、原作は終わってないのだろうし、アニメだけで綺麗に落とせないのはしょうがないところなんだろうけども。最終決戦以外でも、誰がどういう戦い方をして、何が理由で勝ったり負けたりするのかが分かりにくいっていうのは見ていてすっきりしないところで、ただでさえ登場人物が多いところに強弱の概念もうやむやでは、なかなか認識出来ない。まぁ、「よりオサレな方が上を行く」「何となく雰囲気で大技っぽいものが出る」なんてのは「聖闘士星矢」にしろ「BLEACH」にしろジャンプ漫画の王道路線でもあるのだろうが。どうしても男の子脳には「バトルをもっとハッキリ描いて欲しい」という欲求が先に来た。

 結局、そういう部分ってのは「向きじゃない」っていう話なんだと思う。別にメインターゲットの女性層は「手に汗握るバトル」が見たいわけじゃないだろうし。私としても野郎共が組んずほぐれつの群像劇が観たいわけでなし。これでもうちょっと女の子が出てきてくれれば視聴モチベーションもあがったのだろうけども……ショウガナイネ。

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<白>

 

Adanto Vanguard アダントの先兵 (1)(W) U

クリーチャー・吸血鬼、兵士

1/1

〜は攻撃している限り+2/+0の修正を受ける。

4点のライフを支払う:〜はターン終了時まで破壊不能を得る。

 まさに先兵。イラスト的には「よいしょぉ〜!」みたいな感じで恐竜の柔らかそうなお腹に思い切り突っ込んでいて、いかにも2マナパワー3っぽい。それだけだったら「第六隊の刃(FUT)」あたりと同じ普通のカード。しかもパワー3がアタック時限定なので万一ブロッカーに回っちゃうと割と雑魚。それでもアンコの地位を守れるのは、ひとえに人の生き血をすするそのしぶとさ故。4点のライフというのはとんでもない支払いだ。わざわざこの程度の戦力に8点とか12点を払うなんて選択肢はよっぽどでない限りは存在しないはず。しかし、このクリーチャーが生きていることによってその後どの程度相手のライフに影響を与えられるか、完璧に計算できる人間なんているわけがない。アタックすれば、相手は「能力使うのかな……」と悩んでブロックを考える。ブロックされたらされたで、「能力使った方がいいのかな……」とこちらが悩む。世の中、悩みだらけだ。お悩みを少しでも軽くするためには、是非とも絆魂吸血鬼を多めに。

 

Ashes of the Abhorrent 穢れを灰に (1)(W) R

エンチャント

プレイヤーは墓地から呪文を唱えられず、墓地にあるカードの起動型能力を起動出来ない。

クリーチャーが1体死亡するたび、あなたは1点のライフを得る。

 墓掘りの檻(DKA)」の白なりの姿。狙っていることは当然同じだが、流石にアーティファクトだったカードが全く同じ効果で白くなったわけではなく、微妙に見ているポイントは異なっている。「檻」は墓地から何かが出てくることをとにかく禁止する「クリーチャーは墓地から出られない」という文章があり、最近で分かりやすいところなら「秘蔵の縫合体」の登場もシャットアウトしていた。こちらのカードの場合、起動型能力を禁止するので「屑鉄場のたかり屋」や「戦慄の放浪者」のように起動型能力で墓地から帰ってくるカードはチェック出来るが、「縫合体」のように誘発条件で戻ってくるカードは漏れてしまう。その分、場に戻る系以外の起動型能力も全部シャットアウト出来るのはこちらの強みで、例えばいったん墓地から手札に戻るタイプのやつとか、墓地に残ってそのまま悪さするタイプのカードはこちらでしか抑えられない。また、多少の抜け道がある分、こちらは白らしいライフゲイン機能で何となくフォローしてるような、そうでもないような。大量のトークンを並べるデッキならば、ナチュラルに相手の墓地を牽制しつつなんらかのシナジーに組み込むことも期待出来るわけで、手広さは過去のカードに劣るものではない。今後のスタンダードは戦ディカー・イニ影が落ちてがらりとプールが変わってしまうのでこのカードにニーズがあるかどうかは定かでないが、まだまだ「奔流の機械巨人」は元気な可能性が高いわけで、何らかのサイドボード候補にはなるんじゃなかろうか。下の環境だと……「安らかなる眠り(RTR)」っていう鉄板カードがあるからなぁ。

 

Axis of Mortality 定命の枢軸 (4)(W)(W) M

エンチャント

あなたのアップキープの開始時に、対象の2人のプレイヤーのライフの総量を交換しても良い。

 白くなった「魂の導管(NPH)」。色がついて神話になった分、発動にコストがかからないようになった。「ライフ量の総取っ替え」は何故か白と黒に与えられた能力なので吸血鬼の儀式としてはちょうどいいフレーバーなのだろうか。まぁ、神話認定されてしまったのでパックから出てきたら確実に「ハズレ」枠と謗られることになるとは思うが……。他にも白だとかつてはさらに2マナ重い「砂の逆流(CHK)」なんてカードもあり、比較すると軽く設置できて、状況次第でなんども起動できるのがこちらの強みだが、発動がアップキープに限定されているため、設置後どうしても隙ができるのが難点。どうしてもこれを勝ち手段に活用したいなら「天使の嗜み(TSP)」みたいな安全弁は必須だろう。一応の利点として、普通のダメージデッキでは対応できない無限ライフコンボなんかに対応できるって売りはあるにはあるが……あんまり頑張って使い方を考えるカードでもなさそうだ。一応、「十三恐怖症(SOI)」と組み合わせるっていう芸術点高めのコンボを思いついたので、誰かチャレンジしてみて(どこでだ)。

 

Bellowing Aegisaur 吠えるイージサウルス (5)(W) U

クリーチャー・恐竜

3/5

激昂 - あなたのコントロールする他の各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。

 とんでもない方法で激昂するヘンテコ怪獣。なんで怒った時に周りの仲間たちが元気になるのかはさっぱりわからないが、ひょっとしたらこいつ自身がものすごく人望(?)があって、ちょっとでも傷つけられると周りが勝手に発奮するとかいうことなんだろうか。だとしたらすげぇ人格者だな。6マナで3/5とステータス自体はそこまでよくないのだが、ここから無限に味方にカウンターを載せまくる可能性があるのだからバケモノなのは間違いない。ここまで影響力のでかい能力なら、積極的に自分でダメージを与える方法を探していきたいところ。タフネスは充分なので、手持ちのクリーチャー火力ならあらかた「全軍にカウンターを置く呪文」として運用することができるだろう。ちなみに「歩行バリスタ」とは超コンボ。バリスタ型のクリーチャーは過去にたくさん存在しているし、何か瞬殺コンボのパーツになる可能性はある。まぁ、重いけども。

 

Bishop of Rebirth 再誕の司教 (3)(W)(W) R

クリーチャー・吸血鬼、クレリック

3/4 警戒

〜が攻撃するたび、あなたは対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストが3以下のクリーチャー・カードを戦場に戻しても良い。

 立派になった「献身的な門友」。レアリティを上げ、コストを2マナ重くしたおかげで、回収出来る範囲が広がり、毎ターン起動出来るようになった。仲間の血をすすることしか考えていないと思われていた吸血鬼だって、こうして手に手を取って助け合うことができるんですよ。まぁ、このステータスだとやっぱり一回起動したら自分が死んで終わりになりそうだけども。回収範囲がそこそこ広いので、そこを活かして何か独自の悪さが出来ないもんだろうか。「戦闘の祝賀者」と上手く組み合わせると無限コンバットとか出来そう。

 

Bishop’s Soldier 司教の兵士 (1)(W) C

クリーチャー・吸血鬼、兵士

2/2 絆魂

 夜の子(M15)」が白くなった姿。クリーチャーカラーとしては白の方が当然優秀なので、めでたくタフネスが増加し、白熊+αというリミテッドでの活躍が保証されたステータスを獲得している。吸血鬼はライフゲインがテーマになっているので至る所でちょこちょこライフをつまんでいるのだが、セット全体を見ても「じゃぁ、その回復したライフをどうするの?」という消費先があまり用意されておらず、ゼンディカー時代のように「ライフを獲得した時云々」みたいなカードもあんまりないので、単に試合を伸ばすための措置と考えるのが妥当なんだろうか。速度で行ったら強襲海賊が一番速いだろうが、マーフォークと吸血鬼の置きどころはまだ予想ができないな。恐竜も思ったほど遅くなさそうだし。

 

Bright Reprisal 輝く報復 (4)(W) U

インスタント

対象の攻撃クリーチャーを破壊する。

カードを1枚引く。

 我々コミュニティの言葉で言うと「セカソ! セカソじゃないか!!」となる。一番ドラフト密度が濃かったのがオデッセイ・オンスロート期だったと言うのはたまに書いてることなのだが、その時代のエースコモンを思い出し、我々はこうした攻撃クリーチャー除去を「考え直し/Second Thoughts(ODY)」で表現して「セカソ」と言うのである。あの当時はコモンだったわけだが、なぜか今回はアンコモン、なおかつ追放ではなく単なる破壊と、いろいろ劣化してるんだけどもそれがこの次元の理だというのなら仕方あるまい。どんなにでかい恐竜でも壊せた上でアドバンテージ。やっぱり強いは強い。

 

Demystify/啓蒙(M12)」 C

 もっともシンプルなエンチャント破壊が久しぶりに再録。時期的には間に「消去(KTK)」が挟まっているので若干弱いイメージもあるのだが、まぁ、普通はこれで充分。エンチャントもアーティファクトもろくに触れないアモンケット生活が続いた我々は、この1枚に掛け替えのない安息感を覚えるのである。せっかくなのでここで確認しておくと、今回アーティファクト・エンチャントに触れる呪文は、白がコモンにこれ1枚と、アンコにリング系除去である「イクサランの束縛」。つまりアーティファクトは触りにくい。赤がコモンに「破砕」で、緑はコモンにエンチャントだけ割れる「押しつぶす梢」、アンコに「真っ二つ」という陣容だ。装備品の対処は白だけでは難しいので、それを考えたカラーデザインを心がけよう。

 

Duskborne Skymarcher 薄暮まといの空渡り (W) U

クリーチャー・吸血鬼、クレリック

1/1 飛行

(W)(T):対象の攻撃している吸血鬼は、ターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 吸血鬼専用の「勇者の選定師(ORI)」。それだけだと対象制限されている分だけ人間よりも弱いことになるが、こちらは飛行が与えられ、スタンドアローンで殴りに行くという解決策で埋め合わせている。吸血鬼も比較的前のめりな種族で攻撃することに意味があるのだから、回避能力を与えられたのは案外大きいのではなかろうか。そして、最近では制限されることも多くなった白のサポート系クリーチャーの系譜、古くは「歴戦の歩兵(M11)」から受け継がれてきたこの流れが最近すっかり薄くなってしまったのは、リミテッドでの影響力が強すぎるせいなのだ。つまり、やっぱり強いってことだね。1枚立ってるだけでブロック側はかなりやりにくくなる。頭数の確保と戦闘の厚みの補強、色々美味しい有力な1マナ枠だ。

 

Emissary of Sunrise 日の出の使者 (2)(W) U

クリーチャー・人間、クレリック

2/1 先制攻撃

〜が戦場に出た時、これは探検を行う。

 探検のみのスッキリボディ。名前からして太陽帝国サイドの人間であり、ファートリなんかと一緒にオラーズカを探すために探検しているようなので、恐竜カラー3色は探検が可能。さらに青や黒も侵略してきた海賊連中が探検しているようなので探検可能。つまり、5色全部が探検カラーということだ。で、そんな白探検だが、3マナ2/1先制攻撃に土地ドロー付き or 3マナ3/2先制攻撃。なるほど、どちらにしてもコモンにしちゃうとちょい強い。普通のデッキなら6割くらいの確率で3/2なので、主戦力として期待できる数字だろう(勝率はローウィン時代の激突ギミックよりも圧倒的に高いのだ)。ただ、それがアンコモンで出てきて嬉しいかと言われると……ちょい微妙? 白の場合は恐竜ギミックや吸血鬼ギミックもできれば取り入れていきたいところであり、人間クリーチャーを入れるってのはちょっと損した気もする。まぁ、開発チームの狙いだとこの世界の部族ギミックは「イニストラード以上、ローウィン以下」のウェイトらしいので、これくらいの「単に優秀」っていう孤立牌だったらなんとかなるかな。

 

Encampment Keeper 宿営地の守り手 (W) C

クリーチャー・猟犬

1/1 先制攻撃

(7)(W)(T)、〜を生贄に捧げる:あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。

 突如各色コモンに現れた「守り手/Keeper」の名を冠する5色サイクル。共通仕様は「めっちゃ軽くて最低限の性能」と、「8マナたまるとなぜか自分を犠牲にしてその色の大技炸裂」という大きな二面性。いわゆる一つのマナフラッド緩和カードの一種だが、なぜ5色サイクルとして満遍なく用意されたのかは謎。実際のリミテッドで使ってみるとわかるのだろうか。そんな守り手の白は、ちょっとブサイクであんまり愛玩には向かない猟犬。素体は「ツンドラ狼(10E)」なので最低限の攻防には参加できるが、攻撃はすぐに止まりそうなので主な仕事は吸血鬼トークンなどの睨み役か。しばらく守っていれば、ひょっとしたら8マナ目に到達する機会もあるかもしれず、そうなれば一気にゲームを決めるだけの能力が使えるわけだ。……なんでこの犬が犠牲になると全軍が発奮するのかはよくわからないが……やっぱりあれかな、食べるのかな……。

 

Glorifier of Dusk 薄暮の賛美者 (3)(W)(W) U

クリーチャー・吸血鬼、兵士

4/4

2点のライフを支払う:〜はターン終了時まで飛行を得る。

2点のライフを支払う:〜はターン終了時まで警戒を得る。

 あまり数が多くない、貴重な「ライフの注ぎ先」となる吸血鬼。まぁ、アンコであることを考えると、「2点つぎ込んでようやくアンコ」っぽいのでそこまでありがたみもないのだが……。状況次第でライフの使い方はいろいろと変わる。一番わかりやすいのは毎ターン飛行だけをつけるパターンで、これなら自軍にライフが余ってる状態から確実に2点差をつけつつ相手を追い込める。また、相手軍に地上ブロッカーもいないようなら、そのまま殴ってもいいし、返しに対応するために警戒だけつけて殴るプランもあるだろう。4点払って警戒飛行で殴る場合もないわけではないが、その場合、ライフが詰まらないので効率は微妙。こいつをブロッカーとして立たせておくことでどの程度のライフ損失が低減できるかによるだろう。なんにせよ、有効利用するためには相手よりもライフにたっぷり余裕を残しておく必要がある。さぁ、吸血鬼デッキを使いこなせるかな?

 

Goring Ceratops 突き刺すケラトプス (5)(W)(W) R

クリーチャー・恐竜

3/3 二段攻撃

〜が攻撃するたび、あなたのコントロールする他のクリーチャーは、ターン終了時まで二段攻撃を得る。

 極彩色の角竜。恐竜の色って化石だけから分析する考古生物学では解明のしようがないので正確にはわかってないんだよね。ひょっとしたらこんな賑やかな色だったんじゃないか、ということで、オラーズカの恐竜たちは実に賑やかなカラーリングで目を楽しませてくれる。そして、そんなお祭りムードなでかい恐竜が、二段攻撃フェスティバルを開催。一緒にパンチすれば全軍二段攻撃って、さすがにそんな大盤振る舞いは聞いたことがない。着地して、ワンパン入れればほぼ勝ちみたいな能力だ。もちろんその分7マナ3/3とステータスは最低限。さて、このクリーチャーに投資する余裕がデッキにあるかどうか。リミテッドで開けたパックから出てきたら悩むよなぁ。派手は派手なんだろうが……。

 

 

Imperial Aerosaur 帝国のエアロサウルス (3)(W) U

クリーチャー・恐竜

3/3 飛行

〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールする他のクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに飛行を得る。

 堅実に相手を仕留めにかかる優良翼竜。とりあえず4マナ3/3フライヤーというだけでも当然エース。もう、それだけでゲームを決めることができるのだからなんの問題もないのだが、ここにさらに「戦飛びの鷲(M13)」に似た支援能力が追加される。3ターン目までに適当なパワー3クリーチャーなんかを出しておけば、出た時にまず4点が入り、その後のターンはこいつ自身がゲームを決められる。かなりのクロックスピードだ。リミテッドならエース級は確実。恐竜デッキ以外でも当然引く手数多であろう。

 

Imperial Lancer 帝国の槍騎兵 (W) U

クリーチャー・人間、騎士

1/1

〜はあなたが恐竜をコントロールしている限り二段攻撃を持つ。

 キーワードの中でもトップクラスに「お高い」二段攻撃。それをわずか1マナで手に入れてしまうのだから大したもんだが……。低いパワーについててもそこまでうれしくないんだよな。最速2ターン目に恐竜が出せたとして、このパワー1のクリーチャーが二段攻撃を持っていて、果たしてどれくらいの期間なら活躍が見込めるのだろうか。これがもしデフォで二段攻撃を持つならどれくらいのコストかを考えると、「剣術の名手(RTR)」相当なので、つまりは2マナくらいである。……それくらいなら最初から払ったほうが良くない?

 

Inspiring Cleric 駆り立てる僧侶 (2)(W) U

クリーチャー・吸血鬼、クレリック

3/2

〜が戦場に出た時、あなたは4点のライフを得る。

 ワンサイズアップした「孤独な宣教師(ROE)」。「宣教師」はわずか2マナで4ライフという莫大なゲインが高評価を得て構築レベルでもちょいちょい姿を見せた逸材だったが、こちらも吸血鬼という部族補正があり、サイズ面でも一線級なので負けてない。このサイズのクリーチャーでライフを上下に開くことができるのはかなり鬱陶しいはずだ。今回、青には「自軍クリーチャーを戻す」と書かれたカードもいくつか存在しているので、その辺りとのシナジーも考えてみるといいかもしれない。

 

Ixalan’s Binding イクサランの束縛 (3)(W) U

エンチャント

〜が戦場に出た時、対象の、対戦相手のコントロールする土地でないパーマネント1つを、〜が戦場を離れるまで追放する。

あなたの対戦相手は、追放されたカードと同じ名前を持つ呪文を唱えられない。

 この世界のリング。基本設計はそのままに、なんと追放したパーマネントに対する「金輪際(ISD)」効果までついているというのだから、アンコとしては破格の性能。レアの「金輪際」は「先に唱えられたらおしまい」というのが大きな弱点だったのに対し、こちらはむしろ「唱えられてからが本番」である。まぁ、あっちはソーサリーやインスタントも抑えられるのだから目的が違うのだけども。この手のカードで実際に構築シーンにまでのし上がってくる例を見るとどうしてもインスタントタイミングが要求されることが多い気がするが、今回のおまけはかなり魅力的。環境が一新された後のコントロール寄りの白デッキで出番があるだろうか。まぁ、後の環境に残るラスゴの1つが「啓示の刻」なのでエンチャントって併用しにくいんだけども。しばらくは「燻蒸」さんが頑張ってくれるから。それにしても気になるのはこのカードのフレーバー。ジェイスさんがこの次元に漂着したのはボーラスとの精神魔法合戦の後遺症だろうが、そのジェイスが「迷ってもうた」と困っている状態を表したカードが「イクサランの束縛」なのだ。イクサランという次元自体がなんらかの拘束力を持ってジェイスを捕らえているんだろうか。プレインズウォークできないとなると、災難も多そうだが。

 

Kinjalli’s Caller キンジャーリの呼び手 (W) C

クリーチャー・人間、クレリック

0/3

あなたが恐竜・呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。

 恐竜用マナ加速のコモン版。次第に公開されていく情報の中で、恐竜というのはデカブツばかりではなく、実は2マナの小兵から8マナ以上の爆弾まで幅広い層に分布していることが明らかになった。そのあたりは制作チームがドラゴンと恐竜をはっきり区別しているところらしく、「ドラゴン語りのシャーマン(SCG)」なんかは「夢のあるカードだよね」と笑って済まされたが、恐竜支援の場合、うまく行けば1ターンにこいつをおけばすぐにでも2ターン目に3マナ恐竜に繋げることも可能なわけで、かなり現実的なマナクリーチャーとして運用できる可能性がある。コモンでガンガン拾えるということは3ターン目くらいまでに2体を設置できれば、あとは他のプレイヤーとは異なる次元のコスト設定で恐竜が飛び出してくることになるのだ。1ターン目これ、2ターン目これ、3ターン目に5/5トランプル速攻。ほら、人が死ぬ。これ、実はやばくない?

 

Kinjalli’s Sunwing キンジャーリの陽光翼 (2)(W) R

クリーチャー・恐竜

2/3 飛行

対戦相手のコントロールするクリーチャーはタップ状態で戦場に出る。

 最序盤に公開されたカードなのでスルーしていたが、よく見るとフレーバーでファートリのPW能力とイクサランの拘束結界の伏線が張られてたのね。ファートリさん、生まれつき次元渡りの才能はあった模様。さておき、こちらの恐竜は「異端聖戦士、サリア(EMN)」から雑味を抜いてシンプルに仕上げたもの。ステータスだけを見ればコモンでもありそうな程度のカードだが、そこについた「盲従(GTC)」効果によって一応レアっぽくはなっている。サリアはパワー3の先制攻撃というシュートな戦闘性能が攻守にわたって活躍できたが、こちらは回避能力なので、より攻めに重点を置いたビート傾向での採用が考えられるだろうか。まぁ、この効果って何も考えずにポンと入れてもそこまでありがたいものではないと思うのだけども。速攻クリーチャーの多いラムナプレッドなんかには案外刺さるんだろうか。

 

Legion Conquistador 軍団の征服者 (2)(W)

クリーチャー・吸血鬼、兵士

2/2

〜が戦場に出た時、あなたのライブラリから望む枚数の「軍団の征服者」という名前のカードを探しても良い。そうしたなら、それらを公開して手札に加え、その後あなたのライブラリを切り直す。

 地上に降りた「戦隊の鷹(M11)」。2マナ1/1フライヤーと3マナ2/2バニラだと、さすがに鷹の方が強いかな。鷹の旨味って装備品の土台にして突撃させる部分も大きかったからね。とはいえ、3マナで2/2ならそこまで頼りないステータスというわけでもない。もともと、こうして同名カードを集めてくるギミックは鷹より遥か以前、マスクスブロックに収録された「スカイシュラウドの歩哨(NEM)」などに使われていたものであり、この時は「歩哨」が3マナ1/1、ワンサイズ上の「遠吠えする狼(MMQ)」が4マナ2/2だった。やはりクリーチャースペックは確実に向上しているということだ。コモンなのでリミテッドではどれだけ集められるかでアドバンテージ量も変わってくる。かき集めたからといって勝利に直結するわけでもないのだが、それでもライブラリから3枚も4枚も探して手札に加えられたら、それだけでしてやった感が出るんじゃなかろうか。3マナ2/2で2枚以上のアドバンテージが稼げたら結構事件やで。出てしまった後はまぁ、煮るなり焼くなり。

 

Legion’s Judgment 軍団の裁き (2)(W) C

ソーサリー

対象のパワー4以上のクリーチャーを破壊する。

 白におなじみの「復仇(JOU)」タイプの除去の新作。この手の「パワー4以上」制限はちょいちょい出てくるカードだし、これも何かの再録か名義変更かと思いきや、これが立派な新作カード。過去にインスタントなら2マナの「復仇」(アンコ)と4マナの「大物潰し(BFZ)」(コモン)はあったのだが、ソーサリーとなるとこれが初めてなのである(だからコストは3マナ)。今回、黒にはこれと対になる「パワー3以下だけを破壊する」呪文が用意されており、白黒で組むとあらゆるコスト域を満遍なく殺せるようになる。どちらがありがたいかは……相手次第としか言いようがない。今回の世界も例によってある程度スピードは速そうなので、対象が限定されるこちらの呪文は下手したらサイドボードスタートかもしれない。

 

Legion’s Landing 軍団の上陸 (W) R

伝説のエンチャント

〜が戦場に出た時、【吸血鬼トークン】を1体生成する。

あなたが3体以上のクリーチャーで攻撃した時、〜を変身させる。

Adanto, the First Fort 一番砦、アダント

伝説の土地

(T):あなたのマナプールに(W)を加える。

(2)(W)(T):【吸血鬼トークン】を1体生成する。

 レジェンドエンチャントサイクルの白。このサイクルは、何か言い伝えられた伝説の場所を探し求めるクエストを両面カードとして仕上げたもので、クエストをサポートするための187能力と、達成後にクエストの結果をさらに後押しするようなビッグボーナスを持つ伝説の土地が得られるのが共通仕様。こちらは白のクエストであり、どうやら吸血鬼の軍団が初めてこの地に降り立ち、探索しながら少しずつ版図を広げていく制服の様子を描いたものであるようだ。求められるクエストは「アクロスの英雄、キテオン(ORI)」と同じ。どちらのカードも1マナと超絶軽いレジェンドなのも共通点だ。場に出た時に最低限のアタック要員が1人確保されるのでこれだけで損をすることはないし、ある程度デッキにクリーチャーを入れておけば、そこまで難しいクエストでもないだろう。見事に上陸を果たし、侵略を進めていけば、無事に侵略のための橋頭堡を作り上げることができる。その性能はなんとわずか3マナでのトークン生成。最近なら「ウェストヴェイルの修道院(SOI)」が5マナ+1ライフのコストでも充分強かったし(まぁ、オーメンダールさんの力もあるが)、過去に遡れば4マナが必要だった「都市の樹、ヴィトゥ=ガジー(RAV)」だって文句なしの構築級。さらに今回はトークンが絆魂まで持っているわけで、そのスペックは史上最強といっても過言ではない。ある程度のアグロデザインでもギリギリ耐えられるし、クエストを乗り越えられるならいくらかコントロール寄りのデザインでも使い道はありそうだ。今後は構築シーンでの活躍も見込めるかもしれない。

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<無色>

 

Abandoned Sarcophagus 見捨てられた石棺 (3) R

アーティファクト

あなたは、あなたの墓地にあるサイクリングを持つ土地でないカードを唱えても良い。

サイクリングを持つカードがいずれかの領域からあなたの墓地に置かれ、それがサイクリングされたものでない場合、代わりにそれを追放する。

 sarcophagusとは、精巧な彫刻などを施した立派な石棺のことらしい。今まで丁寧に葬られていたはずの死者が、この度の騒動で棺を割られ、そこから飛び出してきたってことなんでしょうかね。なんと墓地から直接クリーチャーなり呪文なりを呼び出す事が出来るというスペシャルな置物。サイクリング付きのカードに限定されているのは、当然「一回サイクリングして墓地に送り、墓地から唱えればカード1枚分お得ですよ」ということ。全てのサイクリング呪文が疑似キャントリップ(実際には先に引くが)になるというだけで、デッキ次第では爆アド確定。さらに構造としてもきれいに出来ており、例えば「川蛇」「砂漠のセロドン」「有翼の番人」といった「重いけどサイクリングがあるおかげでデッキに入れられる」カードは、序盤は間違いなくサイクリングされる。そして、墓地に溜め込んでおいたファッティが中盤以降に余裕ができたらむくりと起き出して向かってくるのだ。なかなかにホラーな展開だが、実にアモンケットらしい運用方法ではないか。当然再利用を防ぐために墓地への入場には制限があるが、このカードを設置するタイミングを選べば一度活躍したクリーチャーを呼び戻したりも出来る。そして、対象がクリーチャーに限定されていないので、例えば「蓋世の誉れ」はサイクリングしてドローしつつ2点、更にフラッシュバックして7点をたたき込むという信じられないムーブが可能になるし、墓地に送った「検閲」が常に相手の1マナを見張り続けるなんて嫌な展開も。ファンデッキ用にみえるが、これ、実はかなりポテンシャル高い1枚ですよ。まぁ、今はアーティファクトなんて簡単に割れるからなぁ。

 

Crook of Condemnation 没収の曲杖 (2) U

アーティファクト

(1)(T):対象の、墓地にあるカードを追放する。

(1)、〜を追放する:全ての墓地にあるカードを追放する。

 下の環境ではド定番の墓地対策カード「大祖始の遺産(ALA)」の焼き直し。色んな部分が重くなってしまっているが、その分、1つ目の能力でカードをピンポイントで排除出来るようになった。「大祖始の遺産」の基本的な使い方は、設置後毎ターンせっせと起動して相手の墓地を減らしていき、無くなったならそれでOK。相手が発掘のように超スピードで墓地を肥やすタイプなら間に合わないのでサクって潰す、というのが一般的。多くの場合はサクって消耗品として使う必要があった。しかし、こちらのカードなら丁寧に肝となるカードだけを潰せるので、1枚で何度でも活用出来る可能性が高い。下のモードを使わなければ自分の墓地を潰すこともないので、「相手の墓地は邪魔したいけど自分の墓地は大切にしたい」という贅沢な悩みにも答えてくれるだろう。まぁ、普通に見れば軽くてキャントリップにもなる「遺産」の方が汎用性は高そうだが、今後の墓地の繁栄具合では充分サイドボードを任せられる1枚だ。

 

Dagger of the Worthy 蓋世の英雄の短刀 (2) U

アーティファクト・装備品

装備したクリーチャーは+2/+0の修正を受けるとともに加虐1を持つ。

装備(2)

 カード名から「ネヘブさんが使ってた武器かな?」と思ったが、彼の専門は槍だった。まぁ、試練を5つクリアしてハゾレトに殺された連中はみんな「蓋世の英雄」と呼ばれるので(「蓋世の誉れ」で殺されている人とか)、過去に来世に旅立った(つもりの)誰かの置き土産なのだろう。装備品としての性能はカラデシュで活躍した「放射篭手」とほぼ同じだが、先祖の怨念が加虐能力に込められている。パワーが上がったクリーチャーは素通し出来ないし、タフネスが上がってないから相打ちくらいなら取れるだろ、っていう相手をジワジワと加虐で締め上げていくギミック。まぁ、たかだか1点なのでおまけ程度ではあるが……。ちなみに、ほんとのほんとのほんとのほんとに衝撃的な事実なのだが、今回のセット、アーティファクトを対処出来るカードは、コモンに1枚もない。マジで、どれだけ探しても、本当に1枚もない。アンコモンまで広げても「削剥」が1枚あるだけだ(エンチャント破壊に至ってはアンコにも無い)。こんなセットが実現することになるとは……つまり、装備品とか出したら出したもん勝ち。そう思うと、これ、強い。

 

God-Pharaoh’s Gift 王神の贈り物 (7) R

アーティファクト

あなたのターンの戦闘開始時に、あなたは自分の墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放しても良い。そうしたなら、そのクリーチャーのコピーであるトークンを戦場に出す。それは基本のパワーとタフネスが4/4の黒のゾンビでもあり、ターン終了時まで速攻を持つ。

 「来世への門」で名前だけ予告されていたボーラスさんからのプレゼントがこちら。3マナのアーティファクトからサーチ出来るカードなんてどうせ大したもんじゃなくてせいぜい「龍火の薬瓶(DTK)」のときと同じパターンだろ、と思ってたら、なんか想像以上に物々しいのが出てきた。書いてあることは完全にぶっ壊れ。かつてオルゾフカラーに「債務者の弔鐘(GPT)」というカードがあったが、これは同じ7マナで、アップキープに墓地からクリーチャーを引き戻すというものだった。今回は自分の墓地限定とはいえ、更に速攻を付与し、あげくステータスが4/4になるという。もちろんサイズが小さくなる事例も無いわけじゃないが、「あらゆるゴミクリーチャーが爆弾に」という文脈の方が圧倒的に多いだろう。この手のカードって出てきたトークンをターンエンドに失うのが基本デザインだと思っていたのだが……流石は王神様。永遠衆は簡単に壊れたりしないからこそ最強の軍団なのである。設置出来たら後はほぼ勝ち。さぁ、「来世への門」からのサーチというミラクルをリミテッドで実現させる猛者は現れるだろうか。

 

Graven Abomination 彫像の忌まわしき者 (3) C

アーティファクトクリーチャー・ホラー

3/1

〜が攻撃するたび、対象の、防御側プレイヤーの墓地にあるカードを1枚追放する。

 英語名の「Abomination」はこれまで「嫌悪者」という不可解な訳語が当てられていた言葉だが、正しくは「嫌いなもの、ムカつくもの」という意味なので、「忌まわしい奴」というので正解。「Graven」は「彫る、刻む」を意味する「grave」の過去分詞だから「刻まれた忌まわしき者」が厳密な訳になるが、まぁ、彫像……か? 何の目的の像なのかはよく分かりません(フレーバーに書いてある)。3マナ3/1のアーティファクトクリーチャーといえば最近でも「夜市の護衛」やら「枝細工の魔女(SOI)」やら、穴埋めにちょこちょこ採用される枠。カラデシュ世界のアーティファクト、イニストラードの昂揚要員などと違ってこの世界ではアーティファクトである意味は全く無いのだが、その分は特殊能力で一応埋め合わせているような、そうでもないような。墓地の永遠能力を処理するためにはパンチが必須。たとえ相手が「砂丘甲虫」を飼っていようと、殴らなきゃ仕事は果たせない。上手いこと回避能力が得られれば恒常的に墓地を見張れるので意味はあるのだが……いっそ2/1だったら「道拓きの修練者」が使えたのに。

 

Hollow One 虚ろな者 (5) R

アーティファクトクリーチャー・ゴーレム

4/4 サイクリング(2)

〜を唱えるためのコストは、あなたがこのターンにサイクリングするか捨てたカード1枚につき(2)少なくなる。

 なんか顔がキモい。多分エジプト文明の史跡に何か元ネタがあるんだろうけども……でもキモい。なんだろ、顔と身体のバランスが悪いのかな……。こんなに濃い顔だけど、とりあえず永遠衆と同じ4/4。5マナ4/4ってすげぇ普通のクリーチャーなのだが、こいつの場合はコストの利便性で勝負。なんとサイクリングやディスカードでコストが一気にお買い得に。多くのサイクリングカードはコストが2マナなので、サイクリングで手札を回転させながらでも場に展開出来るそこそこの肉。ただ、それだけではやっぱり5マナというくびきからは逃れられないので、出来れば1マナサイクリングと組み合わせてコストの低減を狙いたい。「川蛇」2枚捨てて合計3マナでこいつ。……まぁ、得してるかな? もう、いっそのこと0マナでキャストまで狙っていきたいよな。「波動機(USG)」や「新たな視点」コンボならこいつは事実上の0マナクリーチャーになるのだから、何かそういうデッキで新たなニーズが……無いだろうなぁ。出しても単に4/4だしなぁ。1ターン目「朽ちゆくインプ(TOR)」から0マナでこれなら芸術点高め。「致命的な一押し」や「突然の衰微(RTR)」が効かないという(マンドリルと同じ)売りはあるので、どっかで飛び出したりしないかな。

 

Manalith/マナリス(M12)」 C

 基本セットから突如再録された優秀なマナサポート置物。この荒廃したアモンケット砂漠に豊穣なマナなんてあるもんかと思ったが、どうやら神々が残した最後の遺物として、必死に人々にマナを提供しているようだ。まぁ、コモンだけども。とりあえずコレと下記の「旅行者の護符」があり、色マナサポートが出来る土地、「生存者の野営地」もある。更に緑には土地サーチの「砂の下から」もあるので、マナサポートの枚数はラージセットであるアモンケット以上。つまり、緑なら容易に、他の色でもそこそこの安定度で多色を目指すことが出来るということだ。また、純正のマナ加速装置でもあるので永遠デッキなどの腰の重いギミックにも一定枚数は確保しておきたい1枚。

 

Mirage Mirror 蜃気楼の鏡 (3) R

アーティファクト

(2):〜はターン終了時まで、対象のアーティファクトか、クリーチャーか、エンチャントか、土地のコピーとなる。

 英語名は意図的に韻を踏んでるんでしょうかね。比較が難しいが、近いところだと「ミジウムの変成体(GPT)」あたりだろうか。いわゆるクローンだが、毎ターンマナを必要とする代わりに、その時に応じて一番強いパーマネントを選択可能なのが売り。ただ、青のクローンの項で毎回触れているが、レジェンドルールの改訂以降、クローン能力はどうしても重要度が下がっている。直近の「多面相の侍臣」は強力なカードだが、あれだって不朽というナイスボーナスがあったからこその良レアなのだ。運用に手間がかかるこちらのカードはわざわざデッキインしても使いこなせるかどうかはかなり運頼みになりそう。自軍パーマネントをコピーする場合、普通は「コピーなんかせずにもう1枚デッキインしろよ」で終わってしまう。そうなると相手が出したカードを真似してやるのがいいわけだが、そうなると結局相手次第の運次第。明確な主張は無い。土地までコピー出来るのが売りの1つなので、相手が出した砂漠をちょっと借りてみるとか、こいつならではの活躍の場を探してみたい。ちなみにオーラをコピーすることは可能だが、ルール上「パーマネントに張られていないオーラは状況起因効果で墓地に置かれる」ので即死。カルトーシュとか強いからってコピーしても意味無いぞ。

 

Sunset Pyramid 黄昏のピラミッド (2) U

アーティファクト

〜は石材カウンターが3つ置かれた状態で戦場に出る。

(2)(T)、〜から石材カウンターを1つ取り除く:カードを1枚引く。

(2)(T):占術1を行う。

 これまたフレーバー重視でなかなか洒落の効いたカードである。アモンケットでは小テーマとなっていた「建造物」。石材カウンターを3つ乗せて、少しずつ完成するまでを楽しむカードだったわけだが、残念ながらそうして頑張って町を作っていたのも、ボーラス様が作った一時の夢物語。長い時間を掛けて築き上げていたと思われていた世界は、ほんの数十年程度の即席の品だったってんだから笑えない。現地住民が頑張って作り上げたものを、今度は壊してすり潰しておじゃんにする時間だ。トータル8マナでアドバンテージ2枚。決して軽いとは言えないコスト設定だが、まぁ、起動を適宜行うようにすれば小回りが効くのでバランスはとれているだろう。使用制限があることを考えると「思考の三角護符(SOM)」あたりの使い勝手が近いのではなかろうか。もっと近いイメージなら「2マナで調査3回出来るカード」って考えると分かりやすいかも。その後も一応単なる置物では終わらないし、長期戦が見込めるデッキなら案外痒いところに手が届く。その名の通り「採石場の運び屋」がカードを届けてくれたりもするぞ。

 

Traveler’s Amulet/旅行者の護符(THS)」 C

 お馴染みの護符。これで再録は2回目。だいぶレギュラーの貫禄が出てきましたね。ちなみに今回の護符はハゾレトさんの意匠だ。今回はアーティファクトだの昂揚だの紛争だのと言った他のギミックとの絡みは一切無いので純粋に圧縮と色マナサポートを期待しての登用になる。デッキが重くなって土地の枚数はある程度キープしたいが入れ過ぎるのも悩ましい、という悩みをやんわりサポートしてくれるぞ。

 

Wall of Forgotten Pharaohs 忘れられた王族の壁 (2) C

アーティファクトクリーチャー・壁

0/4 防衛

【砂漠条件】(T):〜は対象のプレイヤーに1点のダメージをあたえる。

 どういうことなんでしょう? この壁の石膏像がかつての王族のなれの果て……ってわけではないよな。ボーラスによって無かったことにされた「改変以前」の遺跡が外の砂漠で見つかったってことでしょうね。カード自体も砂漠ギミックだし。もっとも基本的なアーティファクト・壁のデザインで、最近だと「領事府の航空口」が近い。今回は到達の代わりに砂漠からチクチク飛ばす能力を手に入れ、ささやかな嫌がらせが元気だ。ただ、相手が加虐クリーチャーで殴ってきたりすると、0/4で守ってるつもりでもかえってこっちの方が痛かったりするので悩ましい。まぁ、別に対戦相手全員が加虐を使うわけでもなかろうし、案外緑相手にサイドボードしてみたら面白いのかもしれない。

 

Crypt of the Eternals 永遠衆の墓所 U

土地

〜が戦場に出たとき、あなたは1点のライフを得る。

(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。

(1)(T):あなたのマナ・プールに(U)(B)(R)を加える。

 事前に「崩れゆく死滅都市(ALA)」が再録されるっていう話が出ていたのだが、残念ながらその情報がガセで、正確にはこちらのカード。でもまぁ、ボーラスカラーだけ贔屓されて特殊土地が収録されるっていう部分だけは本当だった。なんだかよく分からないデザインで、ボーラスさんなんて厳しそうなイメージがあるのに何故か場に出たときにライフを頂ける。そしてボーラスカラーのサポートとは言っても、別にその色のマナが出せるわけではなく、あくまでフィルターとして使えるだけだ。まぁ、これでも色事故は大きく減らせるだろうが、なんかサービスとしては半端だよな。さて、ここからボーラスカラーのデッキは増えるんですかね。

 

Desert of the Fervent 熱烈の砂漠 (赤) C

Desert of the Glorified 栄光の砂漠 (黒)

Desert of the Indomitable 不屈の砂漠  (緑)

Desert of the Mindful 周到の砂漠 (青)

Desert of the True 信義の砂漠 ()

土地・砂漠

〜はタップ状態で戦場に出る。

(T):あなたのマナ・プールに(A)を加える。

サイクリング(1)(A)

 5柱の神の名を冠した5枚のシンプルな砂漠。砂漠のくせに色マナが出るのは何だか違和感があるが、これは元々それぞれの「碑」サイクルで与えられていた場所が、ヘクマの崩壊によって砂漠に飲み込まれてしまったというフレーバーである(イラストを見れば一目瞭然)。元々色マナ豊かだった場所が、今や砂まみれですよ、という変化を表した切ないサイクルなんです。さておき、そんな「なれの果て」のベースは過去に2回作成されたサイクリング土地。サイクリングが初めてフィーチャーされたウルザブロックでは(2)でサイクリング出来る「漂う牧草地(USG)」、そして続くオンスロートでは色マナ1つでサイクリング出来る「隔離されたステップ(ONS)」が作られている。今回はその両方を足したようなもっとも重いサイクリングコストが設定され、単体で見れば一番「弱い」デザイン。もちろんそれにはサブタイプの砂漠が関係しており、これを墓地に送っておけば各種砂漠条件トリガーがオンになって色々な恩恵が受けられるためだ。サイクリングしてカードを引くだけで恒常的に多くのカードがパワーアップするなら、多少のコスト増など誤差でしかない。問題は、この「基本土地に毛が生えた」程度のカードを、一体いつピックするのかということ。近い感覚になるのはラヴニカブロックにあった「門」のサイクルや、ゼンディカーで必要になった無色マナを出す土地関連だろうか。普段ならわざわざピックに手数を費やす必要のない「普通の土地」をそれなりの順目で引かなければいけないという状況は、結構なストレスになってしまうことが多い。「門」サイクルはまだ多色に広げる足がかりという大義名分があったが、こちらのように「ピックしても自分のデッキに有効牌が増えている気がしないカード」はその恩恵を感じにくい。必要ない人間に完全にスルーされる存在なら遅めにゆっくり回収してもいいのだが、サイクリング土地はそれ単体でそこそこ使える存在でもあるので、油断すると砂漠を回収出来ずにあぼんしてしまう可能性もあるのだ。果たしてどんなピックが繰り広げられることやら……。なお、構築レベルで考えるとサイクリング出来る土地が一気に増えたことで、特定デッキは大きく選択肢を増やすことになった。「新たな視点」コンボ、これでまた完成度があがったのでは。

 


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