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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「デュラララ!!×2 転」 5→5

 2期目の3期目。つまり4期目です。ややこし。

 特に変わりなく進行しているし、今期は作品の半ばも半ば、この段階で何かを評する意味はあまり無い。ただ、それでも「承」の時に比べて映像が安定したのは助かったね。「承」の中盤は本当にどうしていいか分からなかったからな……まぁ、今回も途中で突然特別編が乱入したけども。

 シナリオの方では、まさに「転」のタイトルに相応しく、物事がゴロゴロと転がってあとは「結」でどのようにまとめるか、というところまで来ている。こじれて捻れて歪みまくった人間関係、ここに誰がどんな形で決着をつけるのか。どんな結末が一番のハッピーエンドとなるのか、全く予想がつかない。特に帝人と正臣の望まぬ対立構図は本人も言っていた通りに「絡まった関係は一度全部燃やしてしまう」必要性すらあるレベルにまで極まってしまっているし、池袋の裏側で暗躍する臨也、澱切、そして粟楠会という大人の戦いも気になるところ。ヒロイン勢も贄川春奈に加えて張間美香さんも前線に加わったし、ヴァローナなんかもいるので非常に華やか。ここに鯨木さんや杏里といった実力者が絡むヒロイン争いも注目だ。

 まぁ、何が言いたいかっていうと、「とにかく黙って最終章を待つしかないな」ってことですわ。長い付き合いもあと少しかなぁ。

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「城下町のダンデライオン」 4→5

 意外に退屈しませんでした。ちゃんとシリーズラストで選挙の結果が出ると思ってなかったので、この収束性にも割と満足感はある。

 1話目時点では、「設定がわけわかんねぇし、あんまりキャラ立ちそうもないし、パッとしないかなぁ」と思っていたのだが、どうもそういう見方は見当はずれだったようで、別に設定は訳の分からないままでも構わない作品だった。「町中の一軒家に王家の大家族が!」という意味のわからなさ、どう見ても日本にしか見えない国なのに王制を敷いている謎の社会体制、そして年端もいかぬ子供たちを全員巻き込んでの国民人気投票。「何故?」を突き詰めるとぶっ壊れてしまいそうな世界観なのだが、「そこに大きな意味はありませんので、考えても無駄です」ということは割とすぐに理解出来るようになっている。あとは、「何となく国民に見られてる特殊能力持ちの家族にスポットを当てたホームコメディ」という何一つ分からない展開を適当に楽しんでいけばいいのである。

 そうして、「こまけぇことはいいんだよ」が確認出来れば、そこから先の「何となく兄弟劇」はまっとうな仕上がり。キャラもそれなりに可愛く描けているので、いわゆる「日常もの」の路線としては外れていない。最初に「変なやつだな」と思った茜のキャラも理解出来るようになるし、家族間には一切ギスギスしたところがなく、純粋に「家族愛」のみで構成されているのでストレスも一切かからない。何となくふわっとアニメがみたい、という現代アニメに間違いなく存在しているであろう一定のニーズにはちゃんと応えられている。

 あとは、「キャラ立ちが弱い」という第一印象さえ覆れば大丈夫。最初に「なんだこれ」と首を傾げた特殊能力設定が、あまり強すぎず、何となくレベルでキャラを識別するのに役立っており、9人もの大家族であるにも関わらず、それなりに印象づけはしやすい。(ほぼ)全員が「選挙に勝って王様になるんだ」という大目標についても前向きで、バラバラの性格、バラバラのライフスタイルだがまとまった視点も維持出来ている。「大家族で、なおかつ家族全員に共通目的がある」というとパッと思い出したのが「BROTHERS CONFLICT」なのだが(それもどうかと思うが)、あっちはあくまでも「中心に女の子が1人」必要だったのに対し、こちらの作品は本当に「今日は高校生パート」「今日は小学生のお話」という風に、独立したエピソードの構成が可能なのでバリエーションも豊富。各々の「王についての夢」もキャラ立てに一役かっており、「国民を思う優しさ」と「家族を思う優しさ」の2面からほっこりさせてくれる。最初は馬鹿にしていた設定だが、こうしてみると案外上手い設定だったのかも。

 まぁ、どこまでいっても「何となく日常もの」なので劇的な感動が巻き起こるなんてことも無いし、意図的に「ほわっとユルめ」の作りになっているのでダラダラしているという見方も出来るのだが、このくらい賑やかなお話だったら充分なんじゃなかろうか。幸い、今回のプロダクションアイムズは作画で大崩れすることがなく、無難な仕上げでシリーズをまっとうすることが出来た。大きなプラスはないが、「それなりの原作を、それなりに」という悪くないアニメ化だったはず。

 中の人については、私の最近のお気に入り、カッターこと松井恵理子が1人8役という無茶をやらされており、きっちり仕事をこなしていたので嬉しかった。色んなカッターが見られて楽しい。そして、我が家では放送時間が「監獄学園」→「これ」→「デュラララ」という謎の花澤三連戦の流れだったため、花さんと杏里の間に茜様を挟んでおかないと気圧の変化に耐えきれないっていう。いや、茜を挟んだから耐えきれるもんでもないが。

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「監獄学園」 6→7

 元気な作品だったなぁ。酷かった。あぁ、酷かった。

 楽しかったですよ、毎週毎週よくこれだけ、と感心するようにぽんぽんと下卑たネタが連発されて、「どうせシモ展開なんてそのうち失速するんちゃうか」と高をくくっていた私は正直驚いた。どこまでいっても酷い。各キャラクターが週替わりで酷い。製作側がギリギリを狙って作っているし、キャスト陣もギリギリに打ち込んで応えている。こんなにも、関係者がたった1つのゴールを目指して作りあげている感覚が伝わってくる作品も珍しい。「もっと、もっと酷いアニメが出来るよ!」と、僕らは勇気づけられる。

 製作スタッフの確かさは今更触れるまでもないが、やはり今作独特の陰影の濃いデザインをそのまま動かし続けた功績は大きいだろう。これだけクドいのに、あまり重たくならずに動かすタイミングではしゃきしゃき動く。突然アニメ的に頓狂な動きが出てきて笑いに繋がるのは「アザゼルさん」でもお馴染みの演出手法だが、ギャグのメリハリで言えば今作も似たようなところ。今作はそれに純正の「エロ」を加え、下ネタの救われなさは「アザゼルさん」とも違う、独自のテイストになっている。そりゃま、実際は光が入りまくってて何が起こってるか分からないレベルにはなっているのだが、おそらくあの光の向こうには、スタッフの努力の結晶である最低の画面が広がっているに違いない。それが製作側の義務ってもんだから、な!

 そして、やっぱり中の人に触れないわけにはいかないだろう。水島努が選りすぐった精鋭キャストたち。そのどれもが期待を裏切らない見事すぎるお仕事。何より、全員楽しそう。特に一番楽しそうだったのは、副会長役の伊藤静だろうか。元々こういう仕事が好きなタイプではあるが、今作の副会長はドSとドMが同居した実に美味しい役回り。見方によっては彼女が主役だったと言っても過言ではない。野郎側のMVPは全編にわたって作品をコントロールし続けたこにたんだろう。何であんなに「ござる口調」が自然に聞こえるんだろう。なんであんなにぶっ壊れた時に楽しそうなんだろう。もちろん、神谷、花澤といった看板役者の仕事も実に贅沢で美味しい。日本おっぱい党の党首様が「いかにおっぱいが尻の代用品でしかないか」を熱弁するシーンなど、涙無しでは見られない迷場面である。あと、合法的に花澤香菜に「ちんこ」と「おしっこ」を連呼させられるという特権。最終回のディープキスシーンのこの上ない達成感。素晴らしいです。

 そして、私としてはやっぱり会長。会長と校長の2人って、「ギャラクシーエンジェル」でいうところのウォルコット中佐とメアリー少佐なのよね。何か、とても懐かしい、な。

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Charlotte」 5→3

 やっぱり駄目だった(´・ω・`)。なんだろ、何がこういう方向に連れて行ってしまうんだろう。脚本が駄目、っていうだけで片付けられる方向性ではないと思うんだけどね。

 過去のP.A.作品を振り返ると、ほぼ全てが6点以上の評価になっている。何度も声を大にして言っているが、私はP.A.信者なのである。しかし、そんな中で低得点だった作品も無いわけではなく、それが「Angel Beats!」だったわけだ。P.A.作品なのに何一つ心をかすらないという奇跡のような作品世界に、当時は腸が煮えくりかえるような思いだったことをはっきり覚えている。岸誠二に対してどうしようもない不審感を抱いたのもあの作品が原因だ(その前に「る〜ん」があったけども)。「天下のP.A.で作品を作ってるのに、この体たらくはなんだ」というわけで(幸い、岸誠二はその後の作品できちんと汚名を返上している)。

 しかし、脚本の麻枝准だけは駄目だ。この人の場合はむしろ逆で、「CLANNADの人」というだけならば評価はかなり高かったはずなのだが、「AB」でがた落ちした印象がそのまま固定してしまい、そのまま今作へと接続した。やっぱり駄目だった。なんなんだろ、せっかく自分で作ろうとしてる「なんか悲しげな雰囲気」を自分からぶっ壊しに行く自虐的なスタイルは。これ、やらなきゃ駄目なルールでもあるの? いいじゃん、悲しいお話なら悲しいままで。真っ直ぐに悲劇を描けばいいじゃない。途中でその空気に我慢出来ずにおどけてしまうとか、小学生みたいなメンタリティやないか。いや、そういう動機から脚本がああなってるのかどうかは分からないけども……とにかく、随所に入れていくギャグが徹頭徹尾浮いていて、全く脚本に埋没させてくれない。この「せっかく作品に感情移入しようとしている視聴者をブロッキングするという不快感」は、「AB」の時にも感じた最大の違和感である。

 そして、肝心の「悲しいお話」の方も、かなり適当な作りになっている。ループものが絡んじゃったりすると考察が面倒だし、そこまで真剣に見ていたわけでもないのでディティールは何とも言えないが、少なくとも背景世界がしっかりイメージ出来るような丁寧な世界構築をしているとは思えない。超能力の設定もガバガバで、病気なんだか、才能なんだか。どうせ数年で消えてしまうような能力なのに政府は組織だって「モルモットに」しようと企んでおり、世界各国のマフィア(笑)も目を付けている。それが怖いから学園で囲いましょう、っていうスタート地点からまずよく分からないし。超能力者の存在が不幸なものであるというアピールは妹ちゃんの死なんかで表そうとしているが、肝心の本人たちにそうした切迫感がなく、一番の「被害者」であるはずの友利が適当に日常生活を送っているために同情することも出来ない。どうにも、描こうとするテーマと、それを体現するキャラがちぐはぐなのである。なんか、この脚本を書いてる人の見ている「切実さ」は、私の認識している世界とは大きくずれているようである。おかしいなぁ、CLANNADの時のホームドラマはあんなにもストレートで、堂々としていたのになぁ。

 せっかくのP.A.なのに1クール分のリソースを無駄に消費されて、私は相変わらずの憤懣でございます。まぁ、画は良かったよね。当たり前だ。

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Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!」 6→6

 よし、こちらの3期も無事に終わったぞ。求められることにきっちりと応えてくれるこの安定感。このまま4期5期と続けられることを祈っているよ。

 ちょこちょこ感想を書いていたのでまとめることはあまり無い。「ロリぃ! エロぉ!」というだけで大体事足りるし、こんな中身で一応Fateシリーズ、元々のバイオレンスな中身もやるべきところではきちっとやってくれる。私みたいな人間は序盤のおちゃらけパートの方が楽しいが、それでも後半のシリアスが必要だってのはもちろん理解しているし、戦闘の演出なんかも見せ場がはっきりしていて非常に見やすいので、不満に思うところはない。今作なんて、9話のバトルの盛り上がりはシリーズ本家をも上回る出来だった。Fateファンだったら押さえておかなきゃいけない作品なのは間違いないだろう。

 今期唯一残念だった点を挙げるなら、監督の神保さん担当回が少なかったことくらい。まぁ、それでも要所で締める仕事はしてくれているし、3話9話を担当した木村泰大氏という見事な才能に出会うことも出来たので、むしろ色々なクリエイターの仕事が見られたと考えれば良しとするべきか。原作読んでないから具体的にはしらないけれども、今回は割とアニメオリジナルのエピソードも入っていたらしい。そういう部分に一切違和感を感じさせず、むしろボリュームアップさせてアニメシリーズを完成させたのは立派なお仕事だったのではなかろうか。遊んでいるパートが楽しいだけに、10話で終わってしまうのが(毎回)惜しまれる作品である。

 あとはまぁ、我々世代にズドンとストライクな豪華キャスト陣ね。今期からバゼットさんも駄目な大人枠に正式参入して、一層充実した布陣に。さらに「金色の少年」役に遠藤綾と、80年世代の人妻がどんどん参入してくる謎の統一感。こうして並べるとイリヤ→人妻、美遊→人妻、クロ→人妻、バゼット→人妻、ルヴィア→人妻、そして金色の少年→人妻。だいぶあの世代も片付いたことが分かる。クラスメイトチームは今のところ那奈亀の中の人だけだが、歳を考えるとタッツンの中の人はそろそろかなぁ。

 サファイアさんの中の人、着実に回復には向かっているみたいなので、急がずゆっくり、復帰が待たれます。

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「空戦魔導士候補生の教官」 3→4

 思ったより悪くなかった。いや、「思ったところ」が悪すぎただけって気もするけども。決して人に勧めようとはおもわないが、別に見ていたことを後悔するほどでもない、そんな作品。

 元々「駄目ラノベアニメ」の条件を完全に満たしている状態からスタートしたので期待は欠片も無かった。実際、このアニメは結果的に「駄目ラノベアニメ」である。やってることはテンプレだし、シナリオラインに引きこまれるような厚みがない。キャラの造形もおきまりのものを引っ張り出してきただけだし、アニメーションとして作画、構成に飛び抜けたものもない。最終話の戦闘シーンなど、実にひどかった。制作者には申し訳ないが、「どうだった?」と聞かれたら「別に見なくてもいいよ」と答えるしかないだろう。ラノベランキングでいえば、「ファフニール」とどっこいどっこい、「新妹魔王」よりやや下、くらい。うん、自分でも規準がよく分からなくなってる。

 でも、だからといって時間の無駄だったとは思わない。特に悪印象を抱かなくなった理由は、この手のラノベアニメにありがちな「どんどん視点が散って訳が分からなくなる」現象が起こらなかったことだろう。最近だと同じスタッフで作ってた「聖剣使いの禁呪詠唱」やら、「星刻の竜騎士」やら、とにかくヒロイン勢が回を増す事に増えて、「次はこのヒロインについてのお話です」を延々繰り返されるだけ、あっという間に誰が誰か分からなくなり、キャラに入り込む余裕が無くなる。制作者側も完全にキャラを使い捨てと認識しているかのように、大した掘りさげもなく、現れては消えていく。そんな駄目作品ばかりを見ていたので、本作の(とても当たり前な)構成はむしろ好ましく感じた。メインで扱われるのは、主人公の教え子である3人だけ。さらにその中でもリコなんて割と自学自習で任せていたために、実質的に掘りさげられたのはミソラとレクティの2人だけだと言ってしまっても良い。ミソラの我が儘勝手な態度はメインヒロインとして褒められたものではないし、あんまり好感度は高くないのだが、それでも「彼女が何を思っているか」くらいは理解出来るようになった。それすらままならないアニメが多い中で、この1点は充分評価に値するものだ。原作がどの程度の密度なのかは定かでないが、アニメにするならこれくらいゆっくり見せてくれる方が落ち着いて追いかけられるってもんだ。

 まー、「そんなの当たり前の礼儀だろ」と言われたらそうなのかもしれないですけどね。後の部分については特に思い入れは無いかな。いわゆる「教師もの」で、「よく分からない特訓をすると強くなっていた」という黄金パターンなんだけど、「何がどう作用して落ちこぼれがあんなに勝てるようになったのか」っていう肝心な部分は結局よく分からないまんまだったし、相手取る気にくわない敵キャラポジションが全部テンプレ臭い雑魚ばかりだったので「勝った! 成長出来た!」っていう達成感も薄かったし。やっぱり3ヶ月経ったら忘れる作品になってるかなぁ。

 そろそろのじょさんの主演作品で目の覚めるような良作が見たいな……。今のところ一番の作品って……じょしらく?

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「戦姫絶唱シンフォギアGX」 6→6

 さぁ、反省会をしようか。無事に次もありそうな形で終わったので、「次に活かす」形でこの3期目を繋いでいきたいね。

 先に「駄目だった点」を取り上げてしまおう。各回の感想でも再三書いてきたが、やはり一番気になったのはシナリオの平坦さ。イグナイトモードの開発が決定して以降は、各キャラがそれぞれに成長する必要があり、そのために毎回お当番回を決めて、「挫けてから成長する」を繰り返すことになる。定番の流れなので不必要とまでは言わないが、やはりそれだけの流れで大半の話数を消化してしまったのは退屈になった要因である。覚醒イベントをこなす前の敵キャラがいつも通りのノイズさんだし、あんまり「成長したなぁ」っていう達成感が感じられないのも難点。結局、最終的にも1人1人の実力ではキャロルちゃんにぶっ飛ばされる程度だったわけで、もう少し「戦力」以外の部分での成長が見えるドラマ作りが徹底してればなぁ、と。

 こうなってしまった原因は、やはり先んじて不安視されていた「キャラの増加」だろう。私は過去の例をとって「StrikerS現象」と称しているが、2期で倍に増えたキャラクター全てに平等に出番を与え、平等に恰好よくしようとすれば、わずか13話の枠内ではどうしたって無理が出てくるし、多少なりとも無駄をそぎ落としてパターン化するしかなくなる。結局、本作もそうした軛から逃れることが出来ず、作品の良さである「破天荒さ」がなりを潜めることになってしまった。このことは、1期2期と比べて純粋にマイナスといえるだろう。また、シリーズを重ねるごとに「ファンが期待する定番サービス」の量も増えることになってしまい、どうしても「約束事」のノルマが増す。その結果、個々のサービスについて「ノルマをこなしてる感」が強くなり、2期のときのように「そこでそんなものをぶっ込んでくるのか!」というサプライズ要素が薄くなる。例えば不覚にも笑ってしまった「何故そこで愛ッ!」なんかも、やってもらえば嬉しいのだが、別にそこで2期にこだわる必要はないし、ウェルがあのシチュエーションでアレを言うのは「いわされてる」感が強くてどうしても浮いてしまう。「ちょっせぇ!」くらいなら汎用性が高いのでどこに入れても構わないのだが、これまでの「ウケた表現」だけでなくて、もっと「金子脚本」の特異さを新しい面からガンガン出しても良かったのではないかと思う。

 以上が、シリーズを重ねることで自然に生まれてしまった反省点だ。ただし、これらの難点があったからといって、今作が駄目だったかと言われれば、(少なくともファン目線では)そんなことは無い。以下は、「3期で頑張った点」である。

 まず、StrikerS現象とは言ったものの、脚本は極力欲張らずに、「必要なもの」を描こうという意識は維持されている。今期の主役は翼さんやクリスの側ではなく、明らかにチーム・マリアの方。特にマリアさんは過去の罪との対面という重たいノルマが課せられており、その部分にメスを入れないことには話が進まない。今回はある程度3人の方に比重を寄せて、きちんと「贖罪と成長の物語」を描けていたのは評価出来る部分だろう。その分、旧キャラ(特にクリスちゃん)は出番の面でかなり割を食ってしまったが、これはしょうがないことなのである。だって、クリスちゃんは2期ですっかり問題が解決しており、今回は純粋に「単なる火力」として参加するべきだったのだから。そう考えると、心情面が不自然だった10話なんかはまだまだ蛇足。クリスちゃん成長回を完全に削って、その分をシラキリに当てるくらいの覚悟があっても良かったかもしれない。

 そして、StrikerSと決定的に違ったのは、敵キャラの扱いの潔さ。今作最大の収穫は、オートスコアラーのキャラ立ちである。4体のオートスコアラーは決して出番が多くなかったにも関わらず、「強大な敵キャラ」としても充分に存在感を見せつけたし、個々のキャラクターとしての魅力も大きかった。「もっと活躍して欲しかった」という声が大きくなるのも頷ける。しかし、こうして作りあげたキャラクターを「勿体ない」と思わずに退場させ、メインキャラたちの成長の礎として使った判断は正しかったと思う。これ以上敵に筆を割く余裕はなかったわけで、「勿体ない」と思われるだけでも本望といえるだろう。もちろん、余計なキャラが増えない分、4期目のシナリオが作りやすいというメリットも生まれている。この辺りの判断は非常に的確だったといえる。キャロルちゃんの落としどころも無難なものになっており、敵サイドのストーリーのまとまりだけを見れば、今期は2期を超えていたと言っても良いだろう。まぁ、やっぱりガリーやミカについてはもっと活躍が見たかったという気持ちはあるんだけどね……。

 そして、これらのノルマを何とかこなした上で、やっぱり今作はシンフォギアであった。歌とバトルと、あと訳のわからねぇ台詞と。もう、翼さんとクリスちゃんは要所でちょっと出てきて意味の分からない日本語を吐き捨ててくれるだけで充分なんですよ。今回翼さんのシナリオだけが上手いこと収まりすぎてたのはずるいですよ。「翼だ」のところとか、もう彼女が今期で死んじゃってもおかしくないくらいに、全部の要素回収しちゃったよ。やっぱり4期は奏さん絡みで何かしてもらう以外ないかなー。

 あと、キャラで得したのはマリアさんだろうか。中心になって描かれていたのだから当然ではあるのだが、彼女の成長物語が一番見やすかったし、キャラとしても軸を維持しながらきっちり新しい魅力を見せてくれた。今後もこの世界ではマリア&翼がトップアイドルとして君臨し続けるのだろう。全裸にひん剥かれて泣きじゃくるマリアさんも素敵だったけど、挫けないマリアさんも格好いいわ。アガートラームはまだまだ魅力的な戦闘スタイルが作れそうだし、次回が楽しみである。シラキリについてはどこまでいっても「誰かのおまけ」みたいな印象が拭えなかったが、それでも2人セットでちゃんとポジションを見つけたので良しとする。次作では、「2人で1人」みたいな扱いから、個々の自我が生まれて歩き出す物語も見たいところだけど、やっぱりユニットとしての魅力が強いのが悩ましい。まー、切ちゃんも流石にもう手紙に書く事ないやろしな……。本来主人公であるはずの響については、まぁ、今回はしゃーない。ずっとウジウジしてるだけだったのでなかなか見せ場が作りにくかったのは、全部親父のせいということにしておく。未来さんを助けたときの男前バージョンとか、ラストのシメを任されたところとか、要所で主人公っぽさを見せてくれればそれでギリギリ許せる。テーマソングの使い方が一番綺麗に決まってたのも響だしね(まぁ、流石に5曲目、6曲目になると前までの曲に似すぎてる気もするんだけど。上松、もうちょっと作詞頑張れや)。

 さて、無事に3期目も「それなりにシンフォギアだった」という幕引き。4期目への期待がかかる。次のシリーズが始まるとしたら、まず一番にあげる要望はとにかく「2クール欲しい」ってことだな。今期分だけを見ても「やっぱり1クールではキツい」ということがよく分かった。次回があるとしたら、さらにエルフナインも味方サイドに増えてしまうわけで、ますます話数は足りなくなってくるだろう。「2クールもやったら確実に中だるみする」という意見もあるだろうが、ボクはね、もう「何の事件もない調と切歌の休日ショッピング話」とかでまるまる1話見たいの。「響さんがお友達の恋バナに付き合って学校内でドタバタする話」とかをゆっくり見たいの。「翼さんが頑固過ぎてマリアさんと下らないことで喧嘩するけど、お互いに相手の大切さに気付いて最後にライブシーンで固く手を握りあって歌う話」とかを堪能したいの。「クリスちゃんが指令とたまの休日を一緒に過ごすことになるんだけど、普段からあんまり男性と一緒にいたことがないから意識してドギマギしちゃって、指令が苦笑いしながらもOTONAの包容力を見せつけ、『ゆっくり大人になればいい』とか諭していい雰囲気で夕暮れの空を見上げながら終わる話」とかを満喫したいの。シンフォギアワールドは、もう単なるバトルものじゃなくて、キャラたちの人生全てを見たい世界なの。そんだけやれば2クールでも足りないくらいやろ。

 頼みますよ、スタッフさん。へその下のうずきがおさまらんのだ!!

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 まさに「転」、最終話。ま、今回で終わるわけではないことは最初から分かっていたのでね、このまま1月まで待つのはもどかしいが、特にストレスを感じる終わり方ではなかったかな。

 池袋の状況が固まりつつあることを匂わせる今期のラストエピソード。バタバタと多方面が騒がしい状態が続いているが、そんな中でも一際騒がしさが大きくなったところでの幕引きである。まず、静雄の逮捕については、どうやら何のひねりもなく事実であった模様。警察には「婦女暴行の疑い」で連行されたとのことであるが、一体どんな筋からそんな不確かな情報だけをたれ込まれて警察は動いたのだろうか。っつうか、そもそもこの池袋って警察組織はちゃんと機能してるのか。今まで白バイ警官以外の警察組織が一切出てこなかったもんだから、てっきりもう駄目な世界なのかと思っていた。一応、こういうときに動けるくらいの能力は持ち合わせているのね。ま、通報しそうな人間は数多くいるわけだが……当然臨也の仕業と考えるのが一番自然。静雄の護衛が無くなったと見るやすぐにヴァローナに接触を図っているし、スローンの身柄を確保したことで、強力な手駒としてヴァローナも管理下に置きたかった臨也が、天敵である静雄を一時的に遠ざけるために策を打ったというのが一番ありそうな可能性。あとは「澱切サイドがダラーズへの警戒のために戦力を削ぎに来た」っていうのもありそうではあるが。あと大穴で「帝人の粛清の一環」ってのも考えられるな。今の帝人ならそれくらいやってのけそうなのが怖い。

 ダラーズはなかなか「まとまる」ということができない組織ではあるが、ドタチンのひき逃げ事件のおかげで表面化した動きもいくつか存在している。その最たるものが湯馬崎の一人歩きだろうか。ただ、どれだけマッドでも単体での情報処理能力が優れているわけではないので、町をふらついて怪しいところを片っ端から揺さぶっていくしかないスタイル。そんなことしてりゃ、そりゃいつかは泉井に見つかるわけでね。泉井VS湯馬崎の因縁の対決がついに勃発……するかと思いきや、変なところで水入り。ブチギレてんのに電話に懇切丁寧に出てくれる泉井さん可愛い。そして、湯馬崎の方も泉井を放っておくと面倒なのは分かっているのだろうが、「門田を轢いた犯人ではない」ことは理解しており、積極的に泉井を潰す理由もまだ無い。このあたりのブルースクウェア関係はまだまだ根深い問題が残っているのかも。

 ブルースクウェアといえば青葉であるが、彼は帝人の指示でおおっぴらに黄巾族の討伐、見せしめへと動き出した。しかし、正臣もその動きは読んでおり、ダラーズVS黄巾族という、昔懐かしい対決構図も表面化。それぞれのボスが相手首領の存在を理解しながらも、お互いがお互いを認め合うために抗争を止めることが出来ない。かつてのような泥沼の抗争に陥るまで止まることが出来ないのか。明らかに「壊れて」いる帝人を牽制できるのは現状ではセルティ1人だけであるが、彼女の説得にも帝人はどこ吹く風。あと残ってるのは杏里くらいなんだが……彼女が何かを言っても帝人はぶれなさそうだなぁ。ただ、今回唯一、赤林さんとの対面だけは帝人が心底震え上がる珍しいシーンになっていた。帝人の場合、その強さは「どこまでいってもフラットであること」らしいので、あれだけ高揚した状態でも「ヤクザのおいちゃんは怖い」ということが分かり、それに適した対応が出来ている時点でやっぱり危ないのかもしれないけども。粟楠会はどういう方向からこの問題に関わってくるんだろうね。贄川(父)の依頼もあるが、娘の春奈は現状では臨也サイドにいるわけでなぁ。諸々の要素が絶妙に噛み合ってない感。

 贄川春奈といえば罪歌の能力保持者の1人だが、その罪歌を巡って、今回は劇的な事実が明かされた。ダラーズVS黄巾族という抗争に加えて、現在勃発しているのは「臨也組」VS「澱切陣内」というウラの削りあいだ。これまで何度も姿形を変えていた澱切陣内という存在は、実は「おっさんたちのグループ名である」ということが判明。そしてその頭目たる管理者は、これまで影に日なたに活動を続けてきた鯨木かさねさんその人であった。互いに情報を握りあって優位に立とうとする臨也と鯨木さん。臨也は贄川罪歌を用いた直球な武力介入によって澱切サイドも手駒を減らしていったが、なんと罪歌は鯨木さんサイドにも使えるようで。手駒だと思っていたスローンは、なんと鯨木サイド。臨也は本シリーズに入ってから2度目のダウン。澱切サイド、なかなかに強い。

 こうして「臨也組」VS「澱切陣内」という構図がはっきりと示され、さらなる勢力としては「青葉・帝人のダラーズ」、「正臣の黄巾族」と並ぶ。残った面々は一体どうなったかというと……なんと、気付いたら新羅の家に色々集まっていた! 「隠れ家」を探していた湯馬崎、そして渡草。杏里の呼びかけに応えたのか、張間美香と矢霧誠二。そして驚きの矢霧波江さん! 澱切の手に落ちたと思われた波江さんがこちらにいるのはどういうこと? 室内の面子から考えるとエゴールさんあたりに救出されたのだろうか。とにかく、ここにもなかなか濃い、やっかいな連中が揃っている。もし静雄が釈放された場合には彼もここに加わるだろう。こうなってくると、この「チーム・新羅の家に押しかけ」軍団もなかなか馬鹿に出来ない戦力になってきたぞ(特に美香さんが強そう)。

 さぁ、対立姿勢は整った。ここで……3ヶ月お休みかーい。やっぱりもやもやするのう。

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「電波教師」 4→2

 昨今では珍しい、誰が見ても駄目だと分かる素晴らしい作品。確かにアニメ業界の苦境は様々な方面で報じられている通りだが、大体は総集編を挟んで逃げたりするし、駄目だとは言ってもヤシガニやキャベツレベルの崩壊は過去の話。最近はなかなかお目にかかる機会も無い。

 しかし、それを可能にしたのが今作。何が凄いって、どこか1話が破綻するのではなく、シーズンを通じて、全ての話数で作画がぶっ壊れているということだ。つまり、どこかの各話担当作監が駄目だったとか、たまたまアクの強い演出家に任されたとか、製作スケジュールのキツさがどこかで限界を超えたとか、そういうことじゃない。「最初から最後まで駄目なまま作り続けた」のだ。製作はA-1であるが、流石にここまでぶっ壊れた作品を今まで世に送り出したことはなかったはず。一体何が起こった。どう考えても、「仕方なくそうなった」というよりは、「この品質でいいと誰かがゴーサインを出した」ようにしか見えない。これだけ致命的な状態での放送というのは本当に貴重な現象であるから、「駄目な作画ってなに?」が経験したい人は、今作は手軽にそれが学べる必須の作品といえる。

 元々、漫画の中身の方は大して期待するようなものでもなかった。いわゆる「教師もの」に、さらに「主人公がオタク」という要素も加わるわけだが、主人公の鑑の性格は、いわゆる「ネットでイメージされた非実在オタクのテンプレ」そのものであり、台詞の全てが痛々しい上に現実感も無い。「オタク」というイメージを上澄みだけ取り出したような魅力に欠けるキャラであり、さらにそんな奴が俺ツエー状態でご高説を垂れ始めるという心底イラッとする作品なのだ。問題を抱えた個々のヒロイン勢もテンプレの域を出ず、作画の悪さも相まって(というかそれが主因となって)一切萌え要素を提供してくれない。これ、せめて原作絵だったら1人2人くらいは「可愛いかもしれない」と思えるキャラもいたのかもしれないが、流石にこのアニメの質では望むべくもない。画が適当、キャラが適当、筋が適当。フルコンボだドン。

 なんで夕方アニメでこんな悲劇的な状態になってしまったのやら……原作者には本当に「ご愁傷様」としかいいようがない。最近のサンデーは本当に不穏な話題ばかりが多く、今作だって「境界のRINNE」と時間帯がまるかぶりというあり得ない状況だったのだ。一体どれほどの熱意で今作を作りあげようとしていたものか。少なくとも、「面白いアニメを作りたい」という意志は全く感じられなかった。

 強いてみるべき点を挙げるとするなら、ヒロインは多いのでキャストは若手を中心にアクの強い面々が集まって面白くはあったが……。そのあたりのニーズは他のアニメで埋め合わせた方がはやいしなぁ。今作はどれだけ声に耳を傾けようとしても、「鑑の妹」という圧倒的な障壁が立ちはだかるのでそれすらままならない。八方ふさがりである。何故こうなってしまったのか、関係しているスタッフは、しっかりと反省して次への備えにしてほしいものである。

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