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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 サイボーグ熊とは、第10話。わざわざ機械のボディを手に入れた熊が発電の為に使われる……謎だ……。

 歴史の真実がどんどん詳らかにされていく。今回は回想とるるの供述によって、銀子と紅羽を結んだいくつかの事象が明らかになった。澪愛がユリーカに殺されたあの日、澪愛は「ともだちの扉」を通じて銀子を壁の向こう側へと送っていた。8話でそのシーンが描かれた時にはそのあたりが微妙に隠れた状態になっていたので、澪愛が扉を使って熊の世界との接続が出来たことは一応新情報だ(前回の扉の演出で気付くべきだったけども)。ともだちの扉は誰でも開閉できるってものでもなさそうだが、澪愛は「月の娘と森の娘」を執筆できたことから考えても、あの扉をある程度使いこなすことが出来たのだろう。そしてその娘である紅羽も、幼少期のあの日、無意識のうちに扉を通って銀子と出会っている。椿輝の家に伝わる何か、ってわけではなく、「本当の好き」に通じる素質の有無が扉との接続に関わっているように見える。透明になろうとする「こんな世界」の人間達は、基本的にあの扉に辿り付くことさえできないのではなかろうか。

 そして、るるがその身を賭して紅羽に伝えたユリ裁判の真実。今まですげぇ適当に「何となくこなすバンク的お約束セレモニー」くらいの認識になっていたユリ裁判。あそこでのユリ承認は、やはり「女の子」になるためには必要不可欠な儀式だったらしい。熊の世界に戻った銀子は、クマリア様の審判、壁の審査を受けて「承認」されることで、人間の身体を手に入れた。つまり、これまで見てきた熊の子たちの中で、人間ボディを持っている連中は全てユリ裁判をくぐり抜けた者たちということになる。百合園蜜子も、百合川このみも、全員裁判を受けて、その結果「何か」を選択して人間の身体を手に入れた。ユリーカ先生の裁判ははっきり描かれていたので分かりやすかったが、どうやら「人の身体」を手に入れるためには「大切な何か」を失わなければならないらしい。そして、それが「紅羽との本当の好き」だったのではないかとるるは推察している。この推論が正しいのかどうかは、現時点では確定していない。お話的にはなるほどそんな展開になりそうなのだが、実際には、紅羽は澪愛が銀子を壁の向こうに返したその日の晩に既に銀子のことを忘れてしまっており、もし銀子が「紅羽との再会のために壁を乗り越える決意をし、そのためにクマリア様の審判を望んだ」のだとすると、時系列がおかしくなってしまうのだ。澪愛の手でペンダントを受け取り、壁の向こうに行ってから初めて、彼女はユリ裁判を受けたと考えるのが自然だろう。まぁ、そのあたりの時間軸については後から事象を歪めることはいくらでも出来そうだから何ともいけないのだけども(クマリア様がどの程度の全能性を持っているかは定かでない)。

 とにかく、紅羽はあの夜のうちに、「本当の好き」の記憶を失い、更に大切な母親までもを失った。そんな過酷な人生だったからこそ、彼女は強く生きねばならなかったし、それ故に透明になることを拒んでいたと考えられる。その異質さは成長するまでの長きに渡り「悪」と認識され続け、泉乃純花と出会うまで続いたわけだ。純花との出会いが彼女に新たな「好き」を与え、透明な嵐との対立姿勢を明示化した。そこに人間世界に舞い戻った銀子が乱入し、あとはご存じの通りである。銀子が失ったものは「紅羽からの好き」、紅羽が失ったものは「記憶」と「純花」である。こうして簡単な構図にして確認してみると、銀子と紅羽の間では平等な関係性になっていないことが分かる。紅羽にとって、蘇った記憶である「銀子との好き」も本当には違いないのだが、それに加えて「純花との好き」も紛うことなく本物。そのために「紅羽との好き」だけを行動原理とする銀子と相対した時、「純花」というファクターの分だけ偏りが生じてしまう。それが、現在生まれている軋轢の原因となる。

 今回最も感じ入ってしまった場面は、るると紅羽の別れのシーンだった。全てを吐き出し、自己犠牲のうちに真実を伝えたるる。熊であることもばれてしまい、彼女が銀子に嫉妬し、取り返しの付かない結末を迎えたことも明るみに出た。そんな状況でも、紅羽はるるをかばい、在りし日の澪愛が銀子にやったのと全く同じようにして、彼女を壁の向こう側へと送り届ける。そんな献身的な紅羽を見て、るるは思わず「ともだちになれた?」と尋ねるわけだが、それに対する紅羽の返事はまさかのNO。彼女がそう返答したことには、様々な葛藤が込められていそうだ。まず、扉が閉まった後の「これでいいんだ」という独白からするに、彼女は純真無垢なるるを、これ以上「透明な嵐」の吹き荒れる人間世界の犠牲にしたくなかった。「熊と人の友情」は、銀子と紅羽、そして澪愛とユリーカがかつて結んだ関係であるが、それは超えてはならない禁断のつながりであり、2つの前例はどちらも悲しい結末を迎えている。結局、これまでの騒動から紅羽が受け入れねばならない教訓に「人は人、熊は熊」という厳然たる区別である。銀子のこと、るるのことを思えばそんな残酷な事実は受け入れたくないだろうが、るるが生き延びるため、彼女がこれ以上不幸にならないために、紅羽はるるを突き放した。彼女が一言「ともだちだ」と言ってしまえば、るるは再び壁を超えて苦難に巻き込まれるかもしれないのだから。

 そして、そんな優しさに加えて、紅羽の中で未だ熊に対する葛藤があるのも事実だろう。銀子との記憶が蘇ったとはいえ、「銀子が純花を見放した」ことも紛れもない事実。銀子との関係はアンバランスなままであり、「月の娘」の方から二人を分かつ「鏡」を砕く決心には至らない。だからこそ彼女は、そんな状態でるるだけを受け入れるわけにはいかなかった。熊は敵である。次に見つけたら殺すことになる。そう言い聞かせることで、彼女は純花との関係性を自分の中で必死に守っているのである。「受け入れない」ことを決心した紅羽の胸中、そしてその言葉を受けたるるの胸中を考えると、2人の別れのシーンは本当に切なくてしょうがなかった。

 今回は銀子がほとんど登場しなかったため、オープニングで描かれるトライアングルの最後の一辺、「紅羽とるる」に焦点が絞られることになった。るるが銀子に対して何故あんな行動に出たのかが本人の口から説明され、それでも後悔の念からペンダントを届けに来たるるを、紅羽はわざわざお風呂に入れている。最序盤では「風呂を貸して」と言ったら激怒していた紅羽が、である。特番の時に中の人たちが言っていたように、バスタブの中での関係性はキャラクターの親密さを如実に表している。このお話の中心はあくまでも銀子であるが、その回りの2人の距離もぐっと縮まっており、こんな状況でさえなければ、とても平和な「百合の園」が楽しめたかもしれなかったのである。残念無念だが……まぁ、るるはおっぱいが大きいのがよく分かって良いですよね。

 そして、そんな熊の動向に目を光らせる学園側の動きも大きくなってきている。残された学園側のキャラクターは、前回登場した大木蝶子のみ。彼女はこれまで以上に熊との対決姿勢を明示化しており、謎の組織クマタギ(略号はKMTG,熊とマタギの複合語なので、そりゃまぁ、熊を撃つのが目的だろう)を結成、殺熊光線車までもを用意した、分かりやすい「熊を殺す者」である。これまで熊が出没するというと警戒するばかりで攻撃などしてこなかった人間サイドであるが、ここに来てはっきりと「熊は見たら殺す」という態度を明確にし、これまで以上に境界の存在感が増している。このセッティングは、おそらく最終的に問われるであろう「熊と人のつながり」、つまり銀子と紅羽のつながりがいかに過酷なものであるかを明示するためのものだろう。熊は人を食べる。人は熊を殺す。そんな状況で、熊と人が互いを理解し、本当の好きを手にすることが出来るのか。……しかしまぁ、流石にサイボーグ熊はエグすぎやしませんかね。「毒をもって毒を制す」と言っていたが、そこに熊を介入させる必要性はこれっぽちも無いのだが……人間の悪辣さ、残酷さを際だたせるための措置なのか、それとも単なるクマタギジョークなのか。サイボーグこのみさん、元気そうで何よりでしたけども。ひょっとしたら、「熊と人を複合した力」であっても、熊と人が理解し合うことを認めないっていうねじれの強調なのかもしれないな。何よりも熊を憎んでいるはずの連中が熊を利用してその恩恵を受けるっていうのは、それだけで痛烈な皮肉になっているわけだし。結局、最終的には大木たちの猟銃は熊ではなくて紅羽に向けられているのも非常に倒錯的。透明な嵐の持つ暴力性の理不尽さがよく表れている。もちろん、嵐の中にいる人間にとっては、それは理不尽でも何でもない、単なる「自然現象」である。このままの調子でいくと、大木蝶子が最後まで透明な嵐の代表格ということになるのだろうか。……針島さんが可哀想やな。

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 ダービーのほっぺたはどうなているのか問題はアニメを観ても結局解決しなかったのである、第34話。ほんとになんなんだろね、アレ。弟に至ってはおでことアゴだし。まぁ、荒木デザインにいちいち突っ込んでも意味ないんだけども。

 いよいよ幕を開けた、「一切肉体を使わないバトル」。ここまでの展開でも少なからず「パワーだけじゃない戦い」の嚆矢となっていた本作であるが、このダービー戦は、敵スタンドとのバトルという枠を守りながらも、完全に殴り合いを放棄して精神戦、戦略戦だけに絞った転機となるバトルである(オインゴボインゴ戦も一応この枠内に入るかもしれないが、あれはバトルしてないからな)。おそらくこのバトルがバッチリ成功しちゃったおかげで、この後に繋がる「ゲームバトル漫画」は新たな時代を迎えることになるのだ。すぐさまダービー弟戦というリターンマッチが存在しているし、「賭博黙示録カイジ」の連載はこの戦いから約5年後のことになる。まぁ、これ以前にだってそういう漫画はあっただろうけど、少年漫画の枠内でこれが成立したってのはでかいわな。

 改めて見ると、この「ゲームバトル漫画」を成立させるために、このダービーというキャラクターは綱渡りみたいなギリギリのタイミングで際どいことをやっている。例えば登場のきっかけ。既に散々トリッキーな相手と対戦しているジョースター御一行は、様々な敵との遭遇を警戒しているはずで、ステゴロで戦えないようなひ弱なヤツが介入するチャンスはなかなか無い。そんな状態でダービーが自分の土俵に全員を引きこむためのセッティングとして、「期日が迫って焦っている」というシチュエーションが用意されている。とにかくなんでもいいから情報が欲しいという渇望状態にするっと忍び込んでくるダービーの悠然たる態度のおかげで、殴り合いに発展する隙間をなんとか埋めている。更に単細胞のポルナレフがろくに考えもせずに突っ込んで敗北することにより、問答無用で人質を取るというセッティングも上手い。ダービー側からしたらここまでの一連の流れが成功するかどうかが最大の山場なわけで、それをサラッと自然な流れで成立させてしまったことで、この後の「殴り合いのようなゲーム」が成立している(個人的には、どうやって飼い猫を調教したのかがすげぇ気になるけども)。ダービーの強さってのはよく議論される話題ではあるのだが、ここまでのセッティングをしれっと成立させてしまう計算高さ、相手の動きを読む先見性が彼の最大の武器だったのかもしれない。なお、原作では確かポルナレフは「魂を賭けるか」という問いにYESと返事をしてなかったはずなのだが、アニメでは公正さを強調するためにちゃんと返事をしてる。まー、その辺はオシリス神の能力の制限がブラックボックスなので、どうとでもなる部分ではあるのだけども。原作だと「元々賭けなんか本気でするつもりも無かったポルナレフの魂を奪っちゃうのはどうなのよ」っていう文句が入りそうだからね。

 そして、まずは一番短気なポルナレフが黙らされる。このおかげで割を食ったというか、若干キャラが変更されたのがアヴドゥルである。元々ポルナレフとの絡みでは「冷静な大人」ポジションにいたはずのアヴドゥルが、このダービー戦では「すぐにカッカしちゃうアツい奴」という立ち位置に。本人も「感情的になりやすいから賭けには向かない」と言ってしまうくらいに、この手のバトルでは「役立たず」ポジションに置かれてしまっている。まー、これでダービーが「いかさま師ジョセフ」「冷静な占い師アヴドゥル」「クールガイ承太郎」の3人を全員相手にする展開だと流石に大変すぎるからね。一応「こめかみ打ち抜かれた立ち小便アヴドゥル」のキャラ設定だと思えば問題無いのかも。ただ、この「ちょっと短気設定」が追加されたせいで、一周した世界で子孫(?)がひどい目にあうのだけども。

 アヴドゥルが役に立たないとなると、ここで見せ場を作れるのはやはりジョセフである。これまで頼りになる孫のおかげで割と力業突破が多かったこの世界、かのジョセフジョースターのイカサマ殺法は活躍する機会が少なかった。このタイミングでのマジ「ペテンバトル」は初期からのファンには嬉しかった展開なんじゃなかろうか(残念ながら私はリアルタイムで読み始めたのが3部からだったので、その辺の盛り上がりは体験できなかったのだけども)。堂々たるジジイの立ち回りは、ジョセフというキャラの魅力が正面から描かれた良い展開である。でもまぁ、負けるんだけどね。その辺は流石のエジプト9栄神、ラスボスDIOが近づいてきてるんだからしょうがない。結果的にジョセフは承太郎の引き立て役になってしまっているのだが、まー、割とまっとうに「イカサマバトル」を実現しているのでそこまで「完敗した」って感じでもないので許してあげよう。「日光当てるまでチョコが溶けなかったってことは、テーブルめっちゃ冷たかったんかい」とか、リアルタイムで読んでた当時の幼いボクも気になったんだけど、そこはそういう世界だから。影になってるととても涼しいのです。あと「ジョセフはなんで脱脂綿なんて持ってるんだよ」ってのも気になるけど、多分救急箱みたいな携帯用の医療用具を持ってるんだろうね。ポルナレフのごたごたがあったから、その陰で色々と小細工を準備する時間はあっただろうし。いきなりの強敵に対して、そこまで周到に色々用意出来るのもジョセフの強さってことで。今回負けた分は後のダービー弟戦であっさり返してくれるから、ジョセフファンもガッカリする必要が無いあたり、荒木先生は優しいのである(なお花京院はry)。

 さぁ、次回はクライマックスとなるポーカー勝負。「すげぇ、頭脳バトルが盛り上がってる!」っていう展開からの承太郎である。うーん、近距離パワー型。ところで、イギーどこいった。今まで執拗にフォローされてきた「イギーの動向」だったけど、今回は流石に尺が足りないから補足されていないな。まぁ、その辺で猫の干し肉でも奪ってるんじゃないかな。先日、私の回りでは珍しい「原作を全く知らないけどアニメのジョジョが好き」っていう人と話す機会があったのだが、「イギーが可愛い、イギーとポルナレフの絡みが凄く好き」って言っていたので、アニメスタッフはナイスな仕事をしてると思います。もう、すっかりマスコットキャラだもんなぁ。なお、その「原作知らないファン」に「CMで出てきたジョージさんは何者?」って聞かれたので「6部のボスだよ、順調にいけば……まぁ、7,8年後くらいにはアニメに出てくるんじゃないかな」って答えときました。……順調に行くかな……。小野Dの年齢的には割とリアル。

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 何故そこをサブタイにしたし、第22話。いや、すごく大事だし笑えるシーンなんだけどね。久乃木ちゃんの活躍は僕らの太陽です。あー、早く夏コミがきて久乃木ちゃんの愛が重すぎて絵麻先輩陵辱を陵辱しちゃう薄い本出ないかなー。

 いい最終回風味で、基盤がどんどん固められていく展開。やっぱり物語はハッピーエンドが肝要ですんで、それに向けてムサニは少しずつ一丸となっていくわけですよ。成長物語としての到達点が見えている人間も何人かおり、あとはラストミッションを経てゴールへと。

 今回のお話で最大のカタルシスをもたらしたのはやはり平岡だろう。2話に渡って「平岡問題」はずるずると引っ張られてきたわけだが、冒頭で朝礼に出席する平岡の様子が描かれて改善が見て取れたし、とどめの一撃はまさかのタローが担当した。まぁ、こういう小利口で面倒なタイプの人間の問題っていうのは、案外バカが解決するのが一番いいのかもしれない。斜に構えて厭世的な思想に染まってしまっている平岡は、周りの人間から見ても取っつきにくい対象であり、そのせいでますます垣根を作っていくという負の連鎖に陥っていたところがある。対象は違うが、今回杉江さんが絵麻ちゃんにかけていた言葉が、案外平岡にも当てはまるんじゃなかろうか。必要なものはチャンスを掴む握力と、失敗から学ぶ冷静さ。平岡は制作という人間関係に焦点が当てられた職業において、チャンス、すなわち人脈を自ら途絶えさせる方向に動いてしまっていた。彼に「学ぶ冷静さ」が無かったわけじゃない。ただ、どう足掻いても彼には背負いきれないほどに、世界が理不尽だっただけなのである。やっぱりムサニを取り囲む業界の諸々はほとんどがファンタジー。平岡がかつて経験したような理不尽の方が業界ではスタンダードなのかもしれない。すっかり枯れてしまった彼の「握力」は、もう二度と戻るチャンスなどないと思われたが、そこに「空気を読まないバカ」が投入されることで科学反応を起こす。あそこまで露骨に嫌われているのに遠慮なく突っ込んでいけるのは、間違いなく高梨太郎という男の1つの才能であろう。まぁ、定食屋のビールでべろべろになれるほどのテンションがあがってしまうのはどうかと思うけども……平岡に必要だったのはそんなに大きな救いでもなければ慰めでもない。ちょっと吐き出すためのはけ口があればそれで良かったのだ。バカでもやっていけてる世界、バカなら楽しかった世界。それを思い出して、きっと平岡もこれからは多少真っ直ぐに世界を見られるようになるのかもしれない。

 もう1人、大きな転機が訪れたのが絵麻ちゃんである。ただでさえ厳しい「三女」のスケジュール。井口さんはいつも通りに笑顔で楽しそうに仕事をしてくれているが、それでも1人の力に限界はあるもの。ゴスロリ様にも作監補佐で入ってもらい、それに続けて絵麻ちゃんに白羽の矢が立つ。井口さんはちゃんと実力と人間性を見て彼女なら出来ると判断したのだろう。杉江さんだって「受けたらいいと思う」と言ってくれており、大抜擢ではあるが絵麻ちゃんには充分その権利がある。作監補佐ともなればいよいよクレジット順も上がってくるし、責任も大きければ、仕事から得られるものも大きい。実は一番の出世頭は絵麻ちゃんだったりするのである。田舎の親にも「仕事が軌道に乗った」ことを報告した絵麻ちゃんは珍しくポジティブな状態になっており、作画部屋は非常に良い雰囲気だ。久乃木ちゃんだって嫉妬の炎に身を焦がしてこそいるが、先輩の立派な姿に克己して戦いを挑んだ。……まぁ、結果は良いのか悪いのかよく分からないけども……大層な成長ではあるよね。あの会社、監督を含めおじさんたちが優しすぎるわ。あ、なおそんな絵麻ちゃんのところに美沙ちゃんも出向してきた模様。まぁ、彼女のスタンスは別に……どうでもいいか。

 既に行くところまで行って作中での「課題」は全てクリアして一足先にあがってしまっているのがりーちゃん。相変わらず色んな仕事を任せてもらっているし、何をしていても楽しそうで本当に無敵。彼女のすごいところは運とか巡り合わせだけでは説明できない。今回の絵麻ちゃんとの会話を見る限り、彼女の最大の武器は「仕事への貪欲さ」である。チャンスで悩んでしまった絵麻ちゃんとは対照的に、りーちゃんは言われたことは全部やる。喜んでやる。全ての仕事を自分の養分に変えてしまうだけの貪欲さが、彼女を単なるラッキーガールではなく「仕事の出来るディーゼルさん」にしている。この物語が最終回を迎えた後、この世界で成功するとしたらりーちゃんか絵麻ちゃんのどっちかだろう。業種から考えるに、一山当てて大看板になるのはりーちゃんの方だろうなぁ。

 それでは、今作の主人公である宮森はどうか。もちろん彼女だって成長しているし、立派な姿を後輩に見せている素晴らしい仕事人だ。ただ、彼女の場合はまだまだ課題も多いようだ。今回のお話の中で一番面白かったのは、実はスタッフ2人がくだを巻いていたおでん屋のシーンである。これまでの作中では宮森が「すげぇ仕事が出来る有能な制作」として描かれていたように見えたが、どうやらスタッフからみたらまだまだの様子。実働組と管理側で衝突が起こるのは当然のことだし、スタッフがそんな「管理役」の宮森に愚痴を漏らすのはごくごく自然なことではあるが、陰口をたたかれているだけ、まだまだ彼女の人心掌握術は完璧ではないのである(まぁ、完璧な人間などいないのだろうが)。いかに仕事をこなしているとはいえ、彼女だってタローや平岡同様に成長過程。ある意味では一番リアルな立ち位置なのかもしれない。それにしても、あのおでん屋のシーンのトーク、走ってたなぁ。下手したらあれもいつぞやのオーディション会議のときみたいにキャストの音声優先のシーンなのかも。畳みかける居酒屋トークの臨場感は、アニメスタッフの制作側への恨み辛みががっつり詰まっている気がします。まー、その分平岡の回想シーンで制作側からの恨み辛みが籠もってますしね。

 で、ラストシーンである。…………まぁ、分かってたよね。クライマックスではこれまで以上の試練が待ち受けているのは。「えくそだすっ」の時でも色々と難渋してたんだから、それ以上のトラブルといえばやっぱり全リテイク。もうこうなる未来しか見えないように進んでたしなぁ。しかしどうなんだろうね、アフレコまで全部終わって、コンテ出来上がって原画撒いて、そこまで進めたところでのキャンセルなんて、現実で可能なのだろうか。どの辺までがフィクションなのか分からないお話なので、このクライマックスが「やり過ぎ」なのか「業界で本当にあった怖い話」なのかは定かじゃないけども。とにかく、これで最後の宮森の試練が決定。多分、人が足りない! って叫んだところに平岡が奇跡的なヘルプを回してくれるところまでは織り込み済み。瀬川さんのご機嫌がどうなるかはちょっと分からないけど、彼女12話の担当だっけ。平岡が土下座しに行かないかなぁ。そして、アフレコが終わった後ってことは、おそらく最終話のアフレコ取り直しがあって、そこでスケジュールが合わなかったり、体調を崩したりしてキャストに欠員が出るんだろうね。でないと、唯一救われない最後のキャラクターに出番がないですからね。……ずかちゃん、目が死んでるよ……金がないのに3本も空けちゃう発泡酒がリアル過ぎるよ……もう、マジで痛々しくてみてらんねぇよ……浅野真澄大先生あたりは乾いた笑いとともに「あー、あるある」って言ってくれるシチュエーションだよね(ただし目は全然笑っていない模様)。

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3月13日 ドラフト模様(FRF TKT×2)

ピック順 【Thraxi】→【Sangriter】→【Alessi】→【Serra】→【Mei】→【Sea-chicken】→

 

 ラスト2戦。今回が通信ナンバー198なので、龍紀伝突入は記念すべき200号目になる予定。まぁこのブログ版通信以前には同様に数百に及ぶ身内向け通信があったので、通しナンバーだと別に節目でも何でもないんだけどさ。継続は、力だなぁ……(遠い目)。なお、この環境の感想は多分みんなして「結局わらかんかったな」になる模様。難儀な環境であった。来週は最終戦なのに既に5人戦の予定なのがちょっと残念やな。

 


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 たほいやをやらずに済むように、過去ログあげて代替行為。だいぶ昔のストックである。

 

Round1・「ちんわん」

1.沖縄の方言で「愛しい人」の意。

2.執筆法の一。左手を平らに机上に伏せ、筆を執る右手をその上に乗せて文字を書くこと。

3.流れの穏やかな川に碗を沈め、物事の吉凶を占う儀式。

4.赤ん坊の陰茎の皮がめくれ、痛がること。ちんちんわんわん。

5.(中国語)じゃんけん。

 ストック分ってことで僕は参戦してない試合なんですが、④がタイラントってことだけは分かる。

 

Round2・「あかすかべい」

1.永井荷風の小説。塀の隙間から覗く隣人の情事の様子を見て悶々とする男の様子を描いた。

2.「あかんべい」に同じ。

3.新婚初夜に炊く赤飯。新名鯛、春日蛤とともに食す。

4.堺の商人。西洋風の顔立ちをしていたため、南蛮人と間違われ、出島に送られた。

5.中国地方で見られる赤色の煉瓦塀。石州瓦とともに民家に用いられる。

 

Round3・「のうさのうさ」

1.程度が甚だしいさま。のさのさ。

2.(ナッサナッサとも)身の程に従って。分相応に。おうなおうな。

3.「のしのし」と同意。

4.大男が身体を揺らしながら歩くさま。のうそのうそ。

5.(のうさを繰り返して言うと「左脳」と聞こえることから)言葉を繰り返して言うと右脳の働きにより、語順が変わり、馴染みのある言葉に聞こえるようになる現象のこと。

 ⑤はしばらく盛り上がってたな。よりによって右脳が関係する現象ってのがひどい。

 

Round4・「ぽぐろむ」

1.(破滅・破壊の意)ユダヤ人とその財産に対する集団的な襲撃、破壊、虐殺。

2.UMAの一種。飛行能力がある。世界各地で確認されている豚や猪の骨が上空から降ってくる現象の原因とされる。

3.スウェーデン発祥の競技。凍り付いた湖に穴をあけ、ゴルフに似たゲームを行う。

4.(「旧約聖書」より)ノアの孫の一人。バベルの塔建設に反対し、神に天罰を乞うた。

5.ポルトガルの童話作家。ポグロム童話には「五人峠」「おい、タミー」など全16話が収録される。

 

Final Round・「おくりかんきり」

1.(缶詰めと共に缶切りを贈るように)気遣いが行き届いているさま。

2.(ベースボール用語で)送りバントを誘い、した途端に内野手が打者に殺到する戦術。打者を切って落とすことから呼ばれた。

3.東北地方の因習の一。七五三に伴って襟足の髪を切り子供の害を祓い、成長を願うもの。

4.ザリガニ類の胃石。蘭方で利尿剤とされた。

5.遊戯の一。4〜10人で節にのせて「送ろう、送ろう、勘切るな」と言いながら、人数分伏せられた札をめくっていき、「はずれ」と描かれた札を引かずに全員めくりきれば成功。

 へいさらばさらすらんがすてーんに続くシリーズ第3弾。よくこんなに載ってるな、広辞苑。あと⑤は全員分めくるんなら順番関係無いやんけ、っていう。

 

Round1・「おなつせいじゅうろう」

1.ミカン科の落葉樹。正式名イヨノオオナツミカン。

2.浄瑠璃。近松門左衛門作。団子屋の娘お夏と奉公人村田清十郎の悲恋を描く。

3.姫路の宿屋但馬屋の娘お夏と手代清十郎とが駆け落ちしようとして捕らえられ、その上金子紛失の嫌疑で清十郎は死刑、お夏は発狂した、という巷説。

4.日本海軍中尉。中尉にして艦長に抜擢。ボブマリー作戦で経験不足を露呈し、沈没、行方不明。

 この出題以降、人名っぽい出題は「おなつせいじゅうろうパターンね」と言われるようになった。つくえりゅうのすけとか、はやかわせっしゅうとか。

 

Round2・「ぷーさん」

1.インド料理の一。香辛料で味付けした鶏肉とパプリカを生姜で炒めたもの。

2.釜山。

3.釜山の人。

4.フランスの画家。ラファエロ、ティッツァーノらの手法を学び、生涯の大半をローマで送る。作「アルカディアの牧人」など。

 Wikiに行こうとすると「曖昧回避」されます。当たり前だけど。

 

Round3・「ちぇえ」

1.ミンダナオ島でバナナを指す語。「恵」の意。

2.拳で「七つ」の称。

3.舌打ち。ちぇっ。

4.(擬音)鮭の射精。

 もはや伝説となった出題。さけのおおすけがちぇえぇぇぇ!

 

Final Round・「べらんじぇ」

1.鈴を身につけた天使。

2.(フランス語)情熱。

3.フランスのシャンソン作家。政治的歌謡を作り、たびたび投獄、また代議士にもなった。

4.フランスの超耽美派作家。大英図書館で有害図書に指定される。作「乳毛美人」。

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 「啓治さんと一緒で助かった」「啓治さんはやめてくれ」って、あんた啓治ですやん、第8話。デカチョーデカチョー、テーヘンデス!(CVアスミス)

 ここにきての2話またぎ(だよね?)。まぁ、今まで全部バシッと1話で終わっていた方が特別だった気もするので、これくらいの密度でも特に違和感は無い。1,2話だって2話またぎみたいなもんだったわけだし。普通に「人の生き死にのドラマ」を描いてたら、30分の尺では足りないことの方が多いよね。僅か30分であれだけ密度の濃い2人分の人生を描いてゲームまで面白かった6話はやっぱり神がかってると思う。今回は「人殺しの人生」ということで、なんだか色々と問題を抱えている2人の男性が登場。現時点ではその先のネタについては全く何も分かっていない状態なので、「待て次週」というしかない。っつうか関東圏は2週近く先行してるから既に結末が放送されているはず。うーむ、地域格差のもやもやが止まらないぞ。ネットでネタバレ見ないように気をつけないと。

 一応今回のお話のどんでん返しとしては、「人殺しが来るよ」→「どっちが人殺しか分からないよ」ってんで瀬戸ちゃんと一緒に我々視聴者も考えてみよう、っていう展開だったのに、「どっちもかーい!」っていう。ただ、ぶっちゃけあんまりその部分をサプライズに使おうと思ってる演出にはなってないので、むしろここから先でどのようにこの2人が接続していくのかの方が興味がある。普通に考えるなら「何の関係もない人殺し2人がたまたまクイーンデキムに同時に通された」ってことはないだろう。単純な予想では、どっちかがどっちかを殺してるっていう関係性だけども……でも、今回のエピソードだけを見ると、別に2人とも悪人ではないんだよなぁ。けーじさんの奥さんを殺したのが若者の方、っていうのもなさそうだし、若者の妹をストーキングしてたのが啓治さん、ってのも無理がある。だとするとこの2人にあまり深い因縁はなさそうなのだがね。そのあたりでどんでん返しがあるのか、それとも単に「俺の復讐心の方がでかいんだよ!」ってアピールして2人とも寂しく死んでいくのか。どうにも予想が付きません。この状態で一週間生殺しはちょっとキツイが……考えて分かるもんじゃないしなぁ。

 既にだいぶ前からそうではあるのだが、ここ最近はゲーム自体にはそこまで魅力はない。いや、元々のビリヤードだってそんなご大層なゲームじゃなかったのだが、今回のエアホッケーは命のやりとりのゲームとしてはなんだか緊迫感に欠けるし、実際のゲームシーンもそこまで手をかけて描いている印象もない。実際のゴールシーンはあまり描かれていないし、具体的な描写を避けて「なんだか怪しげなものを押しつけたり、ぶつけ合ったりしている大の男2人」というイメージだけを伝えようとしているようにも見える。まぁ、厳つい顔したおっさんが本気でエアホッケーやってる図はなかなかシュールで面白いといえば面白いのかもしれんが。もう少しこのゲームの内容と芯となるストーリーの関係性が深ければシナリオの味わいも増すと思うのだが……なかなか難しいかねぇ。結局「デス」要素もあんまりバリエーションがなくて、今回もダーツの時と同じ趣向になっちゃったしね。ダーツだったら一応狙って攻撃出来たけど、今回はどの部位のパックが出てくるかは完全にランダムだからプレイヤー側はどうしようもないやん。

 その他、今回はノーナさんが「他が埋まっているから」といってクイーンデキムに急遽予定外の客を回した様子が描かれているが、裁定者側ってどんだけ人手不足なんだろう。いや、多分今回の件はノーナさんが狙ってやってることなので、デキムに影響を与えるために上層部にばれないよう、無理して変な案件を持ち込んでいるだけだとは思うのだが、そんなあっさりと「埋まって」しまうような運営体制では、そのうちパンクしちゃうんじゃないかって心配になるな。そして、デキムたち「人形」サイドは普通にやっている「お客の記憶データの編集・ダウンロード」は、なんと瀬戸ちゃんの脳内にも送り込めるフォーマットになっているらしい。便利ではあるが、そんな簡単に部外者に漏らしていい情報なのだろうか。瀬戸ちゃんも瀬戸ちゃんですっかり現状になれてしまい、「データちょうだいよ」ってすげぇ気軽に言ってる。脳内に記憶のダウンロードなんてなかなか簡単にお願い出来ることじゃないだろうに。まぁ、一気に人間2人分の記憶が流れ込んできても壊れなかったんだから、割と瀬戸ちゃんは強い子なのだろう。

 さて、次週は「後半戦」ってことになるわけだが……どういうオチが待ってるかは割と楽しみ。櫻井・藤原というあり得ないくらい犯罪係数の高そうなコンビの事件なので、穏やかに終わるとはとても思えません。シビュラに判断を委ねると、かたや免罪体質、かたや犯罪係数史上最高値のコンビだ。うーむ、けーじくんに勝てる未来が見えない。

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 シャバダドゥってんじゃねぇよ、第9話。コイン式双眼鏡もあるくつろぎの空間、それが断絶の壁。セクシーは名前からしてもエロキャラであって構わないわけだが、あそこまで素直に「この世界で唯一の男性性」を発揮してくれたのは希有な例だよな。シャバダドゥ。

 前回が8.5話だったので2週間ぶりの衝撃展開。1週間休みだったことは非常に苦痛だったわけだが、まぁ、特番は特番で面白い部分もあったのでまた良し。個人的には仕切りを担当してる美穂姉ぇってのが割と貴重だったのでそれを見てるだけでも楽しかったし、生田善子は地声でもるるっぽいうわずり方が特徴的に出てて、上手く行けば面白い声優になってくれそうで期待感が増した。冒頭にやった生ゴリゴリが凄く好き。あと監督はまぁ……変わらんよね。いや、あんまり昔のイクニを知ってるわけじゃないんだけど、大体あのイメージであってるわ。監督の台詞で気になったのは「スタッフも全ての人間が具体的に中身を把握してるわけではない」みたいな話(ディティールはうろ覚えだけど)。やっぱり監督の中にある「お話」を全て解題してスタッフに伝えてるわけではないのだよね。それでこんだけまとまった構成が作れるんだから、やっぱり周辺スタッフも含めてのイクニ作品なのだろうなぁ。

 まぁ前回のことはさておくとして、既にお話は9話目、もう、多分先週あたりからラストまではずっとクライマックスのまま突き進むのだろう。全12話って尋常じゃない密度にしないといけないのだものなあ。追いかける方もしんどすぎて嬉しい悲鳴である。今回は「ユリーカ編」の終幕といった趣のお話で、前回あれだけ密に絡みがあった銀子と紅羽の間に一切やりとりがなされないお話になっている。ここまでのお話では「どのように運命の2人を繋げるか」というお話を続けてきたのに、今回はまさに断絶の壁に遮られたかのように、2人の運命が二元中継で進んでいく。この「収束から再びの分離」っていう流れが起承転結における「転」の役割を果たしているのだろうね。そのために必要だった道具立てがユリーカ先生であり、彼女は今回見事に職務をまっとうして退場していくことになったわけである。井上喜久子ボイスによるギャルルルのテンションが楽しくて仕方ない。

 前回、るるからの告発によって紅羽に「破壊」されてしまった銀子。前回の引きからは撃たれるか撃たれないかは分からなかったのだが、そこは割とすんなり紅羽が引き金を引いてしまった。彼女の心情を考えれば致し方ないところではあるのだが、最終的に2人が本当の好きを見つけるのだろう、ということを半ば確信している視聴者目線からだと割と意外な展開である。それだけ銀子の犯した「罪」は重く、それを告発したるるの気持ちも重いということ。銀子はそのまま屋上から落下し、死を迎えるはずだったが、そこは軽めの奇跡、例の花壇がマジカルなトランスフォームを果たし、そこに開いたのは「ともだちの扉」。人と熊の狭間に位置するその空間で、銀子は再び自己を問われることになる。前回の次回予告で分かっていたことではあるが、まさかの蜜子さん再登場でテンションは上がる。ただ、彼女が「死んだ」のは事実であるようで、あくまでも審判の場としての「ともだちの扉」の中で銀子が自問自答するために、彼女の「罪」を代表する存在として蜜子が具現化したようである。

 銀子の中に潜む罪は、「好き」のなれの果てでありながら、ある意味では「好き」とは真逆の感情である。銀子ははっきりと「純花には死んでほしいと思った」と発言しており、隠し立てできない殺意がそこにはあった。もちろん、そこで自ら手をあげて殺すことなど出来はしないのだが、折良く(折悪しく)蜜子が純花を襲うことになったため、彼女はそれを見殺しにすることで実質的に純花を殺したのである。今回表れた蜜子はそうした彼女の「殺意」の体現であり、人ではなく、「熊」性の体現でもある。狭間の世界で「熊」が一時的に分離した銀子は自問自答の末に罪を認めたが、そこから先の行動はまだ決まっていない。紅羽に撃たれてしまったことにより、彼女はあまりに重い罪を改めて認識せざるを得ない状態になり、その罪が残っている限り、紅羽に本当の好きを望むことはできない。だとすれば残された道はただ一つ、「紅羽の好き」ではなく「自分の好き」をまっとうするために、彼女は自分の「熊」性を受け入れるしかない。クマダークへと推し進められた彼女の自我は、再び人の世界に戻って紅羽を食べることになるのだろうか(まぁ、ならないだろうけども)。

 そしてもう一方の極、人側でも、いびつな熊の妄念は実を結ぶ。ユリーカによる紅羽の醸成計画は最終段階にいたり、るるを操って銀子を排除した後には、長年待ち望んだ箱の花嫁、紅羽を食べるだけである。彼女が断絶の壁からのコールを偽装して呼び出しした時にはちょっと驚いたが、考えてみりゃ彼女は一度ユリ裁判を受けているので、壁とのつながりはあるんだった。「黒幕」としてのユリーカの行動原理はひどく分かりやすく、澪愛から受けた裏切りへの恨みを晴らすため、その娘を喰らいにいって返り討ちにあった哀れな悪役である。ただ、今回の彼女の独白を聞いていると、彼女の生まれの不幸には同情を禁じ得ない。「人に拾われた熊」という立場こそ銀子に似ている部分はあるのだが、彼女はそれ以前に「熊の社会」にいた形跡がなく、最初から「人の世界」で(とりわけ変な)人に育てられたはみ出し者。人として育ち、人を愛することを義務づけられた彼女が初めて熊として人を食べたのは、愛するユリーカに裏切られたそのときが最初であり、人でありたい、人になりたいという想いが強すぎたからこそ、彼女は自分の熊である部分を見せつけられ、意識せざるを得ない状態になってしまった。彼女の歪んだ狂気は「純然たる人」である澪愛を、紅羽を食べて「箱」にしまうことで代替されるものではないはずなのだが、「自分が熊である」ことを突きつけられた彼女には、もうそれ以外の選択肢がなかったのである。「熊が作った檻」としての嵐が丘学園があり、人をこれ以上ないほどに「人として」育てながらも、その中では自分の「熊」に追い詰められていく。何とも理不尽な人生である。

 彼女が紅羽を襲おうとしたときに(おそらく無意識に)とった行動は「かかとを鳴らす」という、あの男の残した負の遺産だった。熊の姿になるに際し、彼女がどう足掻いてもぬぐい去れない歪んだ「人」を見せるその姿が実に痛々しくて、泣きそうになってしまった。そして、彼女の最期は、自分で育て上げた「人らしい人」である学園のシステム、排除の儀に狙撃されてしまうという結末なのである。何とも皮肉な話ではないか。澪愛の写真を折って彼女が作ったのは百合の花。最初に作る手順から鶴を折っているのかと思いきや、実はユリ。「鳥→ユリ」という変化は彼女の部屋のレリーフに刻まれたモチーフであり、前回も登場したが動から静への端的なシンボルでもある。結局、彼女は「澪愛」というただ1つのゴールに落ち着き、そこで留まるしかない存在だったのだ。もっと早くに気付いていれば、彼女にも救いはあったかもしれないのだが。

 こうして、ユリーカの物語は幕を閉じる。それでも彼女の作ったシステムは回り続け、学園では新たにサーチイビルからサーチベアへと矛先を変えた排除が行われる。透明な嵐は、ただ紅羽を迫害するだけのシステムではない。彼女の意志とは関係無しに、ただ不協和を排除していく。紅羽がそのシステムに救われたという現在の状態は、透明な嵐が紅羽に歩み寄った結果ではなく、おそらく紅羽の「好き」が揺れ、彼女が透明になりかけていることの表れであろう。はたして紅羽はここから再び「好き」へと立ち戻れるのだろうか。残されたキーパーソンは、何と言ってもるるだろう。彼女の想いについて、今回ユリーカは「銀子は知っていたのに無視をした」という風に解釈していたが、るるは以前「銀子が自分の方を振り向いてくれなくても構わない」と断罪のコートで発言していたはず。彼女の気持ちがどこに向かうのかによって、銀子の行動も変わってくる。そして、銀子が「森の熊」であるか、「森の娘」であるかによって、紅羽にも変化があるはずだ。残されたのは3者の関係。オープニング映像のように綺麗な世界が待っているのかどうか……。

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 中の人は50歳独身なんだよなぁ……第33話。考えてみりゃプライバシーについての情報があった敵キャラって、エジプト編ではアレッシーだけだよな。いや、別にわざわざ教えられなくても独身だろうことくらいは分かるけどさ。逆に、ダービーとかオインゴとかって所帯持ちなんだろうか……。

 アレッシー戦後半戦。今回の見どころは、いちいちおかしいアレッシーのポージングの数々である。前回登場時のヘンテコパースのアレッシーは原作のコマでも印象深かったけど、今回ポルナレフと対話してるときの変なかっこは原作には無かった気がするんだけどね。「どぉしたと、思うね?」のあたり。あと、髪型がイカれてるせいか、シーンによってちょいちょい頭身(というか顔のでかさ?)が変わっている気もする。いや、これはひょっとしたら原作通りかもしれん。とにかくすみからすみまで「変なヤツ」で一貫してるのがアレッシーのいいところですよ。ジョジョには印象的な悪役は数多く登場するが、ここまで一貫して「一切応援する要素が無い」キャラってのは大変貴重である。勝手な推測だが、このアレッシーあたりの訳の分からないノリの敵キャラを、そのまま退場させると勿体ないってんで再利用するようになったのが4部の玉美とか間田あたりなんじゃなかろうか。いや、アレッシーに仲間になられても困るけどさ。荒木先生は基本的に「格好良い奴」を描くのと同じくらいに「気持ち悪いヤツ」を描くのが大好きなのである。

 しかし、こうしてみると今回のポルナレフの勝因って、完全に「相手がアレッシーだったから」なんだよな。同じセト神の能力をもうちょっとでも頭の良い奴、性格がまともなヤツが使ったら、多分ポルナレフと承太郎の二面体勢でも圧勝出来るくらいのポテンシャルがある。何しろ単に伸ばした影に触らせるだけでいいんだから。しかも影部分(つまりスタンド部分)がダメージをくらう描写はないし、少なくとも直接攻撃を受けずに済むくらいのリーチもある。本気で相手を殺そうと思えば、(それこそ格ゲーの時と同じように)影のリーチギリギリを保ち、とにかく一発でも当てれば勝ち。あとは近づくなんて余計なことしないで胎児まで戻して消滅させてしまえばいいのである。ヘキサグラムでは最弱レベルの能力表示だったが、全体的なパワーが劣るのは特殊能力にステータスを極振りしているためだろう。アレッシーのような変態性癖さえなければDIOだって殺せそうなもんである(残念ながらDIO様は年齢が100歳超えてるのでなかなかセト神は効かないだろうけども)。

 しかし、残念ながらそこはアレッシー。相手が子供になったところをいたぶるのが大好きなので、子供が驚く顔を見るためだったら何でもやる。髪だって洗ってあげるし、わざわざ能力の多重起動なんかしないで丁寧に斧で追い詰める。あげく、身を隠したポルナレフを探す時には一人クイズ大会まで開いてくれるサービス精神の塊みたいな男だ。でも、当時お子様だったわたしゃアレッシークイズは無闇にドキドキしながら読んだ覚えがあるんだけどね。賢しい子供だったので、既に鏡のトリックについては知っていたし、「ははぁ、あの有名なヤツね」くらいの偉そうな感想を漏らしながらも、「3択問題を限定するアレッシー」→「でも、何故か一人でそれをひっくり返してドヤるアレッシー」→「外れちゃったせいで『シンプルにバケツか?!』とか訳の分からないことを言い始めるアレッシー」→「正解はお子さんの勝ちです」っていう流れが凄く楽しかった。久しぶりに2部のジョセフがやったみたいな奇術ネタが(多少強引ではあるが)戦闘に活きてるしね。それにしても荒木先生、鏡っていうモチーフ好きだよな。「鏡像」を利用したネタだと、4部のサーフィス戦が至高ね。

 ただまぁ、割ととってつけたようなトリックなので、アニメの映像にするとちょっと無理があるんだけども。水槽の描写、どう考えてもあんな自然にはならないはずだし、ポルナレフが顔突っ込んでるボール(?)の映り方が不自然になってしまう。まぁ、その辺はフィクションですんで。原作には無かった部分のフォローとしては、胎児状態のマレーナさんがあそこに収納されてたってのはしっかり書かれてたね。本来なら母胎にいるはずの胎児をあんな扱いにして大丈夫なのか、ってのは気になるところだけども。あと耳飾りが外れるシーンが妙に印象的だったり、最後のいいシーンのポルナレフの顔がどうしていいか分からないくらいこっぱずかしかったり。ポルナレフって女好きの設定だったわりに、結局生涯一人身を貫いてるんだよな。案外、ここでのマレーナさんとの出会いがずっと心残りだったのかもなぁ。……それにしても、結局マレーナさんって何者だったんでしょうね。単なる一般的エジプト市民なんだろうか。女性一人であんなでかい家に住んでる美人のおねーさん。改めて見るとすげぇ謎だ。ポルナレフが隠れた部屋は子供部屋っぽくもあるので、普通に家族がいるのかな(まぁ、ぬいぐるみ、大人の目の高さの鏡、バケツ、からっぽの机、金魚がたくさんいる水槽、っていうインテリアの部屋は子供部屋には見えないのだが)。

 ラストシーンは、承太郎の子供返りと、やるときゃやるオラオラで締め。毎度持ち上がる素朴な疑問、「承太郎の幼少期って、確かホリーが可愛がってた優等生承太郎君だった気がするんだが」っていうのは気にしない方向で。きっと母親の前では素直ないい子だったんだけど、当時から「気に入らない店では金を払わないなんてことはしょっちゅう」だったのかもしれませんし。体育は得意だったみたいなので、きっと腕っ節はいっぱしだったんでしょう。ただでさえ図体のでかいジョースターの血を引いてるし、ハーフの少年だから物珍しさで小学校なんかはいじられやすい対象だったかもしれないし、色々タフに育ってるに違いない。なお、幼少期承太郎はCV高森奈津美。なつ姉ぇも念願のオラオラが出来てとても嬉しそうでした。ほんとこのアニメのキャスティングはいちいちいいセンスしてやがる。

 なお、次週登場のダービー兄のCVはなんと銀河万丈である。OSB版(とCMの音声)では石井康嗣だったのでてっきりそのまま来るかと思っていたのだが、なんと更に渋い方向への変更。石塚運昇とのジジイ対決の重いこと重いこと。こりゃぁ期待せざるを得ないぜ……。更にCMのプッチ神父に至ってはジョージ中田である。なんやねんこのおっさん萌えアニメ。

 追伸・そういえば、オインゴ戦の時に「今後は缶や瓶入りの飲み物以外に口をつけないように」とか言ってたジョースター御一行、普通にカフェで水飲んでますね……。

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 今年度最後のたほいや、かな!

 

Round1・「よくなしご」

1.身内の人間に献身的に尽くすこと。

2.翼と梨ほどもかけ離れた語。

3.老いて赤子のようになった者。

4.五目並べの異称。

5.新潟県で、私生児をいう。「よくなし」は淫奔な女のこと。

 ③それは「にどおぼこ」です。面倒だからってサボらないでください。

 

Round2・「うないおおともい」

1.御庭番衆の一人。徳川家定の密偵として幕府中の多くの不正を暴いた。

2.近松門左衛門作の人形浄瑠璃。平家物語を題材にした時代物。

3.(須内守女の房中での逸話から)女性が囲う女房衆。

4.皇族三者が北枕で昼寝をなさる。

5.→しょうべん。

 答えを聞いたときにはどうなることかと思ったけど、ちゃんと調べたらそれなりに納得出来た。それにしても④。これに3票入ったんだぜ。どうかしてるわ。

 

Round3・「こずえばば」

1.尻を拭く用具として使い捨てされる木片。

2.(九州地方で)産婆。

3.盆栽に生えた枝木のこと。

4.細くゆるい大便。

5.宇宙的恵婆(えばば)。

 全員が爆笑したせいでしばらくゲームにならなかった案件。Cosmic EBABA。なお、意味は誰にも分からない模様。

 

Round4・「みつきっこう」

1.運賃を払わずに船に忍び込むこと。

2.卜占の法。甲卜。

3.東北の熊猟の手法。寒さで動かない亀の甲羅に蜜と毒を塗り放置する罠。

4.緩みのないように亀甲状に縛ること。

5.紋所の名。亀甲を三つ組み合わせたもの。三盛亀甲。

 

Final Round・「くらぶさん」

1.有り余るほどに蓄えた富、財産。

2.フランス語→ハープシコード。

3.多くの人との縁がめぐりめぐって恋心が叶うこと。

4.奈良県南東部の山。

5.ドイツの教育学者。IQ160以上の子供を集めたニュルンベルク幼児教室を設立。ベン・ドクペッパー、シャブ・マジソンズなどのノーベル賞受賞者を輩出。

 多分「ダミー解ストック人名」を消費してるんだろうなぁ……。

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