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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「暗殺教室 SECOND SEASON」 5

 原作漫画の方は現在クライマックスを迎えている、旬な作品の2期目。どうなるんだろう。アニメと漫画が同時に最終回を迎える一番綺麗なフィニッシュになるのか、アニメは3期目もみているのか。原作の尺を良く覚えてないのでその辺はよく分かんないけど。

 1期も安定感のある、いかにも岸さんらしい原作再現になっていたが、2期目もストーリーは充実しているし、充電期間が充分あったのでおそらく作品の質は良いものになるだろう。元々アニメ化して動かしやすそうなキャラデザがすんなりはまっていたし、キャラが馴染んで好き勝手に動ける2期目はより楽しそうだ。まぁ、1話目はいきなりビッチ先生の恋愛事情っていう脇の話からのスタートだったけども(いや、本編のことを考えれば決して脇とも言えないけどね)。そして「死神」の登場。2期目のメインはそのあたりになるのかな。個人的にはアニメ化が一番楽しみなのは茅野編なんだけど、あれって作品内では年末のイベントだっけ? そこまで2期目で行くのかなぁ。茅野の中の人がどんないい仕事を見せてくれるか、早く観たい。あとはビッチ先生がいい感じでビッチしてくれればそれでいいかな。本当にいい仕事を1話目から楽しませてもらいました。

 烏丸先生って何から何まで「影鰐」の番場さんに似てるよね(声だけだ)。

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○「霊剣山 星屑たちの宴」 4

 「中国で2億9千万ビューを突破した大人気Webコミック!」というすげぇんだかなんだが分からない売り文句でスタートした日中共同製作アニメ。中国の人口がざっくり日本の10倍だとすると、日本で言えば大体「2900万ビュー」ということになる。それでもとんでもない数だな。さらに中国国民のネット環境なんかも鑑みて素直に受け止めれば「超超人気作品」という売り文句に見えるわけだが……まぁ、初めて聞く名前だよね。

 中国が頑張って作ったアニメというと、過去にはCGバリバリで作った「最強武将伝三国演義」ってのがあって、これがまぁ、実に様々な理由から受け入れるのが難しいハードな作品であった。今回もその悲劇が繰り返されるかと思ったら、今作はあくまで原作コミックが中国産。アニメーション自体は日本国内での生産というのでちょっと安心。いや、現代中国のアニメーション技術がどの程度のものなのかは知らないけどさ。制作はディーン、監督は鈴木行。最近のディーンは一昔前と違ってかなり安定感のあるスタジオになってきているので、それなりのものは期待出来そうだ。ただ……1話目はなんか微妙な印象だな。すごく「普通」なんだけど、なんだか一昔前の「普通」っぽい。悩ましいのは、どこまでが原作漫画準拠の要素で、どこからがアニメ制作に帰着する要素かが分からないので、どっちが原因なのかが判断出来ないのよ。

 シナリオについては、骨子だけを見ればすごく普通の少年漫画。ジャンプやマガジンでこういう新連載が始まっても全く違和感は無く、舞台を置き換えれば「フェアリーテイル」とか「ブラッククローバー」とか、そういう漫画と同じようなもの。そこに、ちょっと日本人のセンスとは異なる「チャイナ・テイスト」を加えているのが今作の売りということになる。「中国テイスト」と言っても、単に舞台が違ったり、言葉遣いが違ったりするというだけではない。主人公の行動原理とか、問題解決の方策とか、そういう部分の方法論にどこか「?」と引っかかるような微妙な差が感じられる。まぁ、私の先入観もあるかもしれないし、元々私は視野も心も狭い人間なのでそう感じるだけなのかもしれないが、おそらく、日本人が「お約束」で書いた時には出てこない、独特のお国柄によるストーリーギミックというのはあるものだ。このあたりの「違和感」が新鮮味につながって面白くなっていけば今後のセールスポイントになっていくのだろうけど。

 そして映像面だが、こちらが何とも古くさい。そして、割と省エネ。鈴木行といえば最近は「召しませロードス島」なんかをやっていたので、なんかそこからの延長線上みたいに見えないこともない。原作絵準拠なのかどうか、割と崩したへちょ絵を多用してくるのだが、動画枚数が露骨にローコストで、なんか大地丙太郎がギャグでやる「ふざけた画面」みたいなのが多い。原作もそういうテイストなんでしょうかね。そのあたりの「安っぽさ」と、今作でやろうとしている(と思われる)立身出世の物語の座りがどうにもよろしくなく、結果的に作品全体の雰囲気がピンと来ないものになってるのかなぁ。

 まー、多分そんなにカリカリしながら見るような性質の作品ではないだろう。アニメなんて閉じきったジャンルを趣味にしているとどんどん内に籠もってしまうが、こういうところで国際交流、国際理解のチャンスがあるならラッキーなのかも。あまり気負わず、ボーッと見ていけばいいんじゃないかな。

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○「僕だけがいない街」 5

 まさか本当に1話で1巻全部やるとは……1クールでどこまでやるつもりなんだろ。

 原作既読。というか、実は未読だったんだけどつい最近機会があって最新刊まで一気に読んだ。おかげで、全般的にまだ記憶は鮮明。普段私は、アニメ化が決定した未読作品ってのは読まずにアニメを待ち構える主義なのだが、ぶっちゃけるとアニメ化するっていう事実を失念していて手に取ってしまった。読み始めた後に「あ、やべ」って気がついたのだが、その時点で3巻くらいまで読んでて、もう、そこでやめるわけにはいかなかったのです。つまり、原作は割とやめられない止まらない面白さなのです。

 そんな理由で既読になってしまったわけだが、そんな原作経験者目線から見て、この1話はかなりの冒険だ。1巻をまるまる駆け抜けてしまっており、相当色んなところが削られているし、辻褄を合わせようとして改編もそこかしこで行われている。かなりのハイペースなので、自分がもし未読の状態だったら何がなんだか分からなかっただろうという確信がある。そして、削られたパートは、もちろん致命的な部分ではないのかもしれないが、かなり重要な要素も思い切って削られている。愛梨ちゃんと経験する2つ目のリバイバルがまるごとカットされていることで、視聴者は「リバイバル」というシステムがピンと来ないままでクライマックスとなる「大リバイバル」に挑まねばならないし、主人公の人となりがさっぱりの状態での突然の展開もついていくのが大変。「冗談に決まってるべさ」という台詞が持つ意味なども削られているので、母親の人柄も分かりづらく、死んでしまったことに対する衝撃度もかなり違ってくるだろう(へし折ったネギの行方も分からない!)。また、重要な伏線となる駐車場でのリバイバルのシーンも、かなり急いでいるのでその特殊性が伝わりづらい(確か原作だと2周してたはず)。最初のトラックのシーンも1周だけになっているし、母親の死体を見た後も一発でジャンプしているので、これだとリバイバルが「1度だけ戻る」に改変されている可能性もある(まぁ、それだと後で確実に矛盾するけど)。これだけの大改変が行われてしまうと、メインとなる「謎解き・サスペンス」部分にもほころびが生じてしまいそうだし、それ以上に重要な主人公の成長要素、周りの人間との繋がりを描く人間ドラマの部分も筆不足で伝わらない可能性が高い。そういう部分はかなり不安をかき立てる1話目であった。

 ただ、実をいうとこの改変は理解出来るものでもある。というのも、正直にいうと私も原作1巻の時点では「なんか退屈」と思っていたためである。1巻は「リバイバルのルール説明」に終始し、さらにこの後に発生する全ての事象の「種まき」の段階なので、非常に平坦な上に、分からないことがぼやっとしたままで全てが進行するので、筋を追うだけだとつまらない。全ては後の物語のためなのだが、何も知らずに1巻だけを読んでいる段階では、「まーたループものやん、なんか設定もぼやっとしてるし、そこまで面白いのか?」と思ってました。そして、1巻ラストの衝撃の展開(つまり1話のラスト部分)で「ファッ?!」となり、2巻、3巻で「解決すべき事件」の全貌を全て語り終わったあたりで、ようやくエンジンがかかってくる。つまり、原作通りに全てを丁寧にアニメ化すると、いわゆる「1話切り」のリスクが非常に高くなってしまうのだ。そのあたりの効果を鑑みて、スタッフは多少無理をしてでも1巻ラストまでまとめ上げて興味を維持しようとしたのだろう。これはある側面では実に正しい判断なのである。出来ることなら、これから折に触れて「本当は1巻で書いてあったこと」に立ち戻って補足してくれれば、詰め込み過ぎの不安は無くなるのだが……1クールで7巻まで突っ走るとなると、どっちにしろ余裕はないよな……。雛月救出成功で終わる、とかなら多少の余裕もあるかもしれないけども。

 まー、相変わらず「現在進行形で続いてる作品を早漏でアニメ化するなよ」という結論になるわけだが、うまくシナリオ構成さえ制御出来れば面白い作品なのは間違いない。伊藤智彦は信頼出来る監督であるし、不安半分ではあるが、ここからどのように落とし前をつけるのかは見守っていきたい。

 なお、当然触れておくが、やっぱり主人公の中の人はちょっと不満。そこまでひどくはないかもしれないけど、少し感情が高ぶるとやっぱり辛い。でもまぁ、29歳バージョンの登場シーンは少ないからいいか。いや、子供バージョンもちょっと微妙なんだけどな……。今作最大のヒロインはもちろんお母ちゃんなわけだが(異論は認めない)、高山みなみだとちょっと男前過ぎる気もする。いや、でもこれくらいの方が説得力あるかな。この声だと、息子より先に全部の謎解きそう。まさか今度は「身体は子供、頭脳は大人」が息子に遺伝するとはねぇ……。

 なお、あの人のCVはあの人じゃないかと勝手に妄想してたのだが、実際にはあの人でした。うむ、これはこれで充分過ぎる説得力だ。何のことやら分からない人は原作読むか、ネタバレに目をつぶって我慢してください。

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<緑>

 

 

Aether Herder 霊気運用者 (3)(G) C

クリーチャー・エルフ、工匠、ドルイド

3/3

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を得る。

〜が攻撃するたび、(E)(E)を支払ってもよい。そうしたなら、【霊気装置】トークンを1体生成する。

 「霊気」サイクルのトリを務める緑のエルフ。仕様は当然同じだが、他の連中と違ってキーワード能力を持っていない。「緑なんだからサイズがそこそこあればいいやろ」っていういつものパターン。そして、実際にそこそこのサイズがあるからまぁいいのである。4マナで2エネルギーなのでサイクル中ではもっとも効率が悪いのだが、どうせ4マナクリーチャーを並べている時点で1/1のトークンなんて意味が薄いのだから、そこは電池役と割り切って他のカードにエネルギーを注いでもらおう。あとは3/3クリーチャーとして天寿をまっとうするだけの話である。「カラデシュなら同じコストにピーマがいたのに」とか文句言っちゃ駄目。この子だって気にしてるんだから(多分)。

 

Aetherstream Lepard 霊気流の豹 (2)(G) C

クリーチャー・猫

2/3 トランプル

〜が戦場に出たとき(E)を得る。

〜が攻撃するたび、(E)を支払ってもよい。そうしたなら、〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 色々と経費削減を行った「水辺の虎」の後輩クリーチャー。初期ステータスが半分、得られるエネルギーも使うエネルギーも半分、そして増強幅もある意味半分。ただし、マナコストだけは半分には出来なかった。実際の使用感は「虎」よりも「垂涎グレムリン」の方が圧倒的に近いだろう。グレムリンは1ターンに一気にパワーを上げることも出来たが、基本は4/3トランプルでのパンチだ。このクリーチャーは、他のアーティファクトの力を借りずにそのグレムリンの基本ムーブを解決出来るということ。つまり、これまでの試合でグレムリンがやってきたことを思い出せば大体の強さが計れる。「悪くないけどそこそこ」だ。やっぱりパワーが上がらないから相打ちは難しくないのよね。まー、3マナのクリーチャーなのだから同じくらいのコスト域のカードと相打ちし、ついでにいくらかトランプルでダメージをたたき込めれば不満は無いが。サイや虎のように安定した運用感にはならない。ただ、緑には+1/+1カウンター戦術という独自ルートがあるのは重要なポイント。軽いクリーチャーなので「弱者狩り」や「獰猛器具」などでサポートしやすく、素でトランプルを持っているためにカウンターで増強した後は一気に危険域に跳ね上がる。場を繋ぐ3マナ域と割り切ってもいいが、せっかくなんだからじっくり育ててみたいところだ。

 

Aetherwind Basker 霊気風浴び (4)(G)(G)(G) M

クリーチャー・トカゲ

7/7 トランプル

〜が戦場に出るか攻撃するたび、あなたのコントロールするクリーチャー1体につき(E)を得る。

(E):〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 普段ならハイドラやエレメンタルあたりが占めることが多い緑の神話枠だが、今回は何故かトカゲ。満ち足りた霊気の流れを受け、カラデシュではどんな生き物も元気です。ただ、神話の性能としてどうかと言うと、今回はちょっと残念枠。そりゃ当然出たら強いが、まず出るのが大変。7マナのカードってのはランプデッキのラストに位置するマナ域なわけで、「世界を壊すもの」のようにせめて187能力を持っててついでに「コジレックの帰還」を引き連れて帰ってくるくらいの迫力が求められる。このトカゲも187能力は持っており、出ただけで自軍クリーチャー数分のエネルギーがもらえる。悪くないボーナスだが、そんなこたぁ「シャイラ専有地の賢者」だって似たような仕事をこなすわけで、何かもう一声。そこで、今度は殴った時にも同じエネルギーを獲得し、そのエネルギーを全身全霊、トランプルでもって相手に叩きつけるという。「仲間がいっぱい必要」「出たターンに無防備」「殴ってようやく起動」となかなかハードルは高そう。まぁ、エネルギーデッキで調整すれば、一応エンジン役とフィニッシャーを同時にこなせるので可能性は無くもないが……7マナなぁ。

 

Aid from Cowl 僧帽地帯からの援軍 (3)(G)(G) R

エンチャント

紛争 - あなたのターンの終了ステップの開始時に、あなたのライブラリのトップを公開する。それがパーマネント・カードであるなら、それを戦場に出してもよい。そうしないなら、あなたはそのカードをライブラリの一番下に置いても良い。

 紛争してないなら何もしない系エンチャント。古くは「狩猟場(JDG)」なんかは割と近い印象。クリーチャーの死亡を見張る「死の存在(RTR)」も似てるところがあるし、アドバンテージの得かたは「隠れ潜む捕食者(M10)」あたりが元になっているだろうか。これらのカードの共通点は、「書いてあることは強そうだが構築で特に活躍していない」ということ。どうしてもコストが重く、そこからジワジワアドバンテージを広げていくのは結構な手間なのだ。今回のカードは毎ターン紛争状態を用立てる必要があり、更にデッキ次第ではそれでも外れくじを引かされる可能性がある。どうにも制約の多いカード。リミテッドで狙ったら何とか元が取れるかも、くらいだろうか。いや、構築の方が専用デッキは組みやすいはずなのだが、「霊気池の驚異」という分かりやすく、太刀打ち出来ないライバルもいるため、ちょっと勝負にはならないだろう。せめて相手ターンエンドにも誘発してくれれば良かったのだが……。

 

Druid of the Cowl 僧帽地帯のドルイド (1)(G) C

クリーチャー・エルフ、ドルイド

1/3

(T):あなたのマナ・プールに(G)を加える。

 どこから見てもマナエルフ。紛う事なきマナエルフ。現代のMagicシーンには「ラノワールのエルフ(M12)」は認められないらしく、ここ最近はマナクリーチャーは最低でも2マナ以上というのが常識になりつつある。プレイヤーの間にもその認識が共有されるようになってきたおかげで、最近は割と色々な2マナのマナクリーチャーが手軽に作れるようになった。「葉光らせ(ORI)」の後進である「黄金の雌鹿(JOU)」やレアの「死天狗茸の栽培者(SOI)」など、2マナだと2/1というステータスが多かったが、今回はお尻でっかちで守り優先のデザイン。未来に大きな可能性があった「ウルヴェンワルドに囚われしもの(EMN)」から未来の可能性を奪った代わりにタフネスが1増えたカードである。変化としてはすこぶる地味だが、「マナさえ出ればどんなクリーチャーだって強い」は世界の常識。こいつだって新たな世界のリミテッドなら貴重なマナソースとして活躍が期待できる。カラデシュはこれまで「導路の召使い」というアンコしかマナ加速の手段がなかったので、久しぶりに登場したコモンのマナクッリーチャーで、3ヶ月ぶりにまた新たな展開力が得られそうだ。

 

Greenbelt Rampager 緑地帯の暴れ者 (G) R

クリーチャー・象

3/4

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を支払う。そう出来ない場合、〜をそのオーナーの手札に戻し、あなたは(E)を得る。

 象印のエネルギー運び。博覧会を賑わせていた「博覧会場の吠え象」は領事府が盛り上げるイベントの象徴だったが、こちらは反逆した改革派の破壊兵器としての象だ。超軽いがデメリット持ちで簡単には出せない象というと「はぐれ象(WTH)」の系譜だろうか。ただ、「はぐれ象」と違ってこちらは1ターン目にもやるべきことがあるというのがオリジナルのポイント。エネルギーが2個無い状態で呼び出してしまうと「お腹空いたパオ」というので手札に戻ってしまうのだが、その際、何故か象の歩いた道にはひっそりとエネルギーが1つ。つまり、1マナがエネルギーに変換出来る。2ターン目に2枚目の森があれば準備OK、もう一度出して「お腹空いたパオ」、さらにもう1回出せばめでたくエネルギーが足りているのでパオーンだ。2ターン目には確実に3/4を出撃させることが可能になるし、(G)(G)(G)の3/4クリーチャーと見ることも出来るのだから、最低限の仕事はこなしてくれる。もちろん、このカードが活躍する最善の場所はエネルギーデッキだ。2ターン目に「シャイラ専有地の賢者」を出しておき、3ターン目に象が2頭一気にパオーンならなかなかのプレッシャーだし、暇な時にはエネルギー2つまでなら好きにチャージ出来る電池にもなる。出ては戻るのでこのカードはいつでも紛争トリガーを誘発出来ることを忘れてはいけない。場に出たときの支払いは強制なので、この象を使って好きなだけマナをエネルギーに、みたいなことはできないが、序盤にエネルギー2個分の保証があるというのは案外助かるものだ。総じて見れば、弱いタイミングはほぼ無いカード。出してしまえばバニラには違いないが、単純に同マナ域で負ける理由は無いし、3〜4マナ圏のカードと相打つなら御の字。今後のエネルギーデッキがどういう形に変わっていくのかも気になるところだ。

 

Greenwheel Liberator 緑輪地区の解放者 (1)(G) R

クリーチャー・エルフ、戦士

2/1

紛争 - 〜は+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。

 手堅く手軽な紛争戦士。2/1と最低限の性能を備え2マナ域のカードとしてはそこそこだし、中盤以降、戦闘を挟んでから登場すれば割とあっさり2マナ4/3。「タララの大隊(EVE)」や「レンの地の克服者(LRW)」といったエルフ全盛期のサイズを実現したカードだ。このカードを入れて能動的に条件を満たしていくことはそこまでハードなミッションでもない。分かりやすいのは「テラリオン」みたいなサクって起動するカードとの組み合わせ。リミテッドでも各種「組細工」と合わせれば(4,5マナかかるけど)4/3を確保するプランは描きやすい。当然、下の環境ならフェッチからの2ターン目2マナ4/3がほぼ約束されたようなもの。「タルモでいいじゃん」という声に耳をふさぎたい貧しい人たちにとっては救いの1手になりうるアグレッシブなクリーチャー。タルモと違ってカウンターが置かれた状態で登場するという特性もあるので、「硬化した鱗(KTK)」のようなシナジーを期待することも出来るかもしれないし。

 

Heroic Intervention 英雄的介入 (1)(G) R

インスタント

あなたのコントロールするパーマネントは、ターン終了時まで破壊不能と呪禁を得る。

 とにかく絶対うちの子に触らないで!!! という強固な意志が感じられる圧倒的防衛ライン。通してしまえばよっぽどのことがない限りはクリーチャーは鉄壁。時たま「ヤヘンニの巧技」なんかに流されちゃうクリーチャーはいるかもしれないけど、そこは愛嬌、気合いでカバー。これだけの鉄壁性能が2マナで提供されるなら頑張って使ってみようかな、という気にさせる呪文だが、「単に強いことが書いてあるから」ってんでデッキインしちゃうのは危険。冷静に考えると、大体の場合は対処法として「顕在的防御」で足りてます、なんてことは多いはず。その場合、この2マナという良心的に見える設定ですら足かせになる可能性はあるのだ。クリーチャー主体のデッキの場合、一定のクリーチャー数を確保するため、除去やコンバットトリックは厳選に厳選を重ねた選りすぐりのみが投入される。その時、このカードが独自の良さを発揮して勝ち残れるかどうかは、案外微妙なのかも。まぁ、全体除去が吹き荒れる環境なら、やっぱり安心感は段違いですけどね。なお、リミテッドでなら使いどころには困らないが、やっぱり単体除去に応じて使っちゃうことが多い気がするよ。

 

Hidden Herbalists 隠された薬草医 (1)(G) U

クリーチャー・人間、ドルイド

2/2

紛争 - 〜が戦場に出たとき、あなたのマナ・プールに(G)(G)を加える。

 紛争出来ればそこそこ「炎樹族の使者(GTC)」。残念ながら色マナの融通も利かないし、連打するだけで盤面を埋めてゲームを決めさえする大先輩にはどうあがいても追いつけないのだが、半ばコワレレベルの先輩と張り合おうとしてもしょうがない。調整された結果の紛争仕様である。「炎樹族」の場合は2ターン目からガンガン展開することに意味があったが、紛争条件があるということはこのカードを2ターン目に活かすのは難しい。試合中盤以降、何となく紛争条件が満たされたタイミングで、ヌルッと呪文の間に入って2/2を1体追加する程度の仕事が基本になるだろう。積極的に運用したいなら、1つは何とかして2ターン目に紛争出来る状態にすること。現在手っ取り早いのは「テラリオン」くらいだろうか。そしてもう1つは、何らかのコンボ要素を仕込むこと。例えば「パンハモニコン」がある状態ならこいつは立派な「暗黒の儀式」。こいつが2体と「格納庫の整備士」が1体いれば、(1)(G)(W)が9マナに膨れあがる。流石にそこまでいけば時代の波も感じられそう。他にも「巧技」サイクルで唱えればマナが増えたりも。これで「集合した中隊」と同じ時代にいればまた違った動きがあったかもしれないのだが。

 

Highspire Infusion 高峰の注入 (1)(G) C

インスタント

対象のクリーチャーはターン終了時まで+3/+3の修正を受ける。あなたは(E)(E)を得る。

 このセットのジャイグロのコーナー。カラデシュは「飾りの勇気」といういくらか守備寄りのカードが担当していた枠だが、今回は素直なジャイグロ性能を提供。1マナ重くなった分、独自ギミックとしてエネルギーももらえるコスパに優れた優良トリックだ。「溶接の火花」「絶妙なタイミング」「当然の結論」「抜き取り検査」といった強力なインスタント除去が吹き荒れていた時代は終わりを告げ、今回の除去は赤の「チャンドラの革命」がそこそこ安定している以外は、ソーサリーだったり、エンチャントだったり、重かったり、戦闘中の対応力はそこまで高くない。こうしたトリックを積極的に使えるシーンも多くなっているはず。エネルギーが無いと思っていた相手に対し、「水辺の虎」が殴るまえにいきなりこれを使い+5してくるなんて気宇が壮大なムーブもあり得る話。エネルギーの有用性はこれまでより下がっている可能性はあるが、それだけ目くじら立てて集めたいプレイヤーも減っている可能性もある。上手くピックの隙間で確保していきたい。

 

Lifecraft Awakening 造命物の目覚め (X)(G) U

インスタント

対象の、あなたのコントロールするアーティファクトに+1/+1カウンターをX個置く。それがクリーチャーでも機体でもないなら、それは0/0の構築物・アーティファクト・クリーチャーとなる。

 XマナインスタントがカウンターをX個置いちゃうとかいう、かなりふざけた援助呪文。アーティファクトクリーチャーが対象なら普通にX修正が永遠に残るトリックとして使っていける。このスペックが実現したのはレアの「タジュールの力(WWK)」や「野生呼び(FRF)」くらいのもの。シングルシンボルの呪文としては史上初である。さらに、この呪文の本懐はクリーチャーの増強ではなくクリーチャーの創造。テゼレットもいないのに突然5/5になった日誌に殴られて死ぬのはマジ勘弁。意気揚々と殴りに行ったのに突如「織木師の組細工」あたりに返り討ちに遭ったりしたら、トラウマで夜道を歩けない。機体に搭載して巨大な「航空艇」で空から相手を蹂躙するのもイカすムーブである。この世界ではよほどのことがない限りは対象に困ることはないだろうし、充分に決め技になりうる1枚である。

 

Lifecraft Cavalry 造命物騎兵 (4)(R) C

クリーチャー・エルフ、戦士

4/4 トランプル

紛争 - 〜は+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。

 5マナ4/4トランプルがところにより6/6トランプルになっちゃうコモン。とんでもねぇスペックだが、これがすでに実現していたのが「ロウクスのやっかいもの(ORI)」だった。あの時点でもうリミテッド環境では神クラスの存在感だったのに、今度のエルフは登場時点ですでに6/6。なにそれ、頭おかしいんじゃねぇの? あのピーマさんすら小童にみえるわ。紛争条件があるにはあるが、緑は紛争の中心色なのだしそれなりの工夫は容易いだろう。最悪、「器具」サイクルの起動マナを残して6マナ6/6トランプルでも何の不満もないのだし。さらにカウンターが乗れば各種カウンター応援団のサポートにもなるし、新手の水増しアンコ「巻きつき蛇」がいれば登場に7/7である。わしょーい。もひとつおまけにわしょーい。

 


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○「アクティブレイド -起動強襲室第八係-」 5

 東京の地下って本当に色んなものが埋まってるよな……過去に東京の地下に埋められた施設を全部一気に導入したら、一体地下何千メートルくらい掘れば成立するんでしょうかね。

 色々と見たことのある要素が集まった作品だが、1話目をざっくりまとめると「不良警察もの」かな? 最近のアニメだと一番イメージが近かったのは「トリアージX」な気がする。設定はかなり違うけど、なんか空気が。アニメオリジナルらしいのでここから面白くなるかどうかは全くの未知数だが、期待半分、不安半分ってところか。

 期待要素としては、製作スタッフの安定感が最初に挙げられる。谷口悟朗監督作品、そして脚本は荒川稔久だ。荒川さんは特撮関係の脚本も多く担当している人なので、こういう分かりやすい勧善懲悪もののシナリオラインを膨らませるのは手慣れているはず。あっと驚くような展開になるとは思わないが、そこまでせずとも、何となく毎週のミッションをこなしつつ、大きくシリーズでまとめていく構成に期待したい。谷口監督は「純血のマリア」に続いての担当。「マリア」も安定感のある良作だったが、今回はオリジナルだし、「ギアス」みたいな奇跡的な快進撃を期待してもあながち無茶な話でもないだろう。1話目の時点でも、メインのパワードスーツのCGがすんなり画面に馴染んでおり、東京を舞台にしてごちゃごちゃした雰囲気の作品全体の統制が取れている。西田亜沙子絵ということで女の子の身体が全部エロいのだが、1話目で出てきたのが野郎の半裸ばっかりっていうのも潔くて良い(良いか?)。あと、一番の売りとして「オープニングがAKINOだとなんかそれだけで面白く見える」っていう利点も。

 反面、不安要素も少なくはない。最大の不安要素は制作がアイムズってことになるんだろうなぁ。西田亜沙子絵の濃いデザイン性は、綺麗に描けると本当に「アニメっぽい」デザインなので見映えがするのだが、その反面バランスを取るのが難しく、崩れてしまった時の「作画崩壊」っぷりが目立つようになってしまう。1話目では流石に「崩れている」とまでいう部分こそ無かったものの、なんかちょっと不安になるような箇所がいくつかあったような気がする。なんとか走りきって欲しいところだが……俺ツイの悲劇を繰り返してはいけない。そして、シナリオラインで狙っている路線についても、ヒットが出せるかどうかも一抹の不安を感じる。1話で執拗に繰り返していた要素に、「行政の許可とらないと色々面倒だけど、タヌキ親父が腹芸使って各方面をごまかしますよ」的な、「警察組織というお役所」を描いている側面がある。ネタとしては「なんやそれ」っていう笑いに繋げられる部分ではあるのだが、あんまりパターンがなさそうなので、すぐに「ヒーローが活躍出来ないだけのストレス設定」になるか、単に忘れ去られる要素になる気がする。結局行き着くところは派手なパワードスーツでドンパチの部分だろうからなぁ。メインヒロインの堅物ちゃんの頑張りが、セコンドでどのくらい物語に密接に繋がるかが、オリジナルの魅力を出せるかどうかの分け目になるんじゃなかろうか。

 1話目のトータルは「可もあり不可もあり」ってところで。ちなみに、中の人の起用はなかなか面白い。野郎連中はもうお約束の一言で済むが、女性陣は小澤・石上・大西と売り出し中の若手で固めてきた。特に亜李ちゃんがこのくらいの年齢で真面目な役をやるのは初めてのことなので、どういう方向性で役作りが行われるかは楽しみに見ていきたい。あとは相坂君がデビューシングルでエンディングを初担当とか。多分作中にももっと絡んでくるだろう。大西・相坂のコンビとか、ホントに色んなところで見るよな。そんな中で個人的に一番気になるのは、リーダーっぽいポジションにいる倉田雅世だったりする。「久しぶりなのにあんまり久しぶりな感じがしない……」って思ったら、ガルパンで華さんのお母さんとかやってたからやな。

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○「ノルン+ノネット」 5

 私の新番組視聴スタイルは、ネットで「今期新番組」の一覧を確認し、特に中身の情報も得ず、放送時間だけを確認して片っ端からレコーダーに入力していくというもの。おかげで、こういう風にタイトルから中身が一切想像出来ない作品の場合、実際視聴するまで何がでてくるか全く分からないという不思議な楽しみがある。今作の場合には、オープニングクレジットで「オトメイト」という単語が出てきて「あー」ってなるまでは「これどんな作品なんやろ?」と非常に興味深く見せてもらった。

 もちろん、「オトメイト」という単語が出てきたからってそこで視聴をやめるなんてことはありません。アバンで引きこまれた通りに、キネマシトラス×オレンジという安定感のある製作スタジオの構築する不可思議な世界観は、素直に興味を引くものになっていた。冒頭、主人公のこはるが住んでいた「下界」の雰囲気と、「上った」船の風景のギャップ。そして、大きく異なっていながらも、自然の風景をベースにしてどこか繋がりも感じさせる世界設定。映像面は色々と引きこまれる部分が多い。「全員が能力者なんだ」とかいう自己紹介を聞くと「またそういう設定かよ!」と思わないでもないが、まぁ、その辺は今後の使い方次第ですからね。乙女ゲー原作という前提があっても、入り方は割と新鮮なものだったので、今後の展開が気になるあいだはそれなりに楽しんで見られそうな気がします。まー、既によく分からない植物なにーちゃんとは親交が深くなってしまっているので、そのあたりでベタベタなラブ要素が深まってくると嫌気が差す可能性はありますが。既に、「採ってごらんよ」とか言って命の危険があるレベルの高所で果物を収穫させてるあたりで割と面白いし、呆れもする。こういう「どないやねん」が続くと、せっかくなんだか静謐な雰囲気を醸し出してるのにお話の方で台無しにしちゃう可能性があるからねぇ。脚本が高橋ナツコってのは、私は眉に唾つけて観るようにしてるもんでね。

 ちなみに、メインヒロインの中の人は何と藤村歩。……ごめん、キャストロール見るまで気付きませんでした。「誰だ? なんか聞いたことあるのに……誰だ?」ってずっと思ってた。確かに名前を見ればふじゅ以外のなにものでもないのに、素直なヒロインをやられるとイメージから完全に外れるので脳が追いつかない。こんなに素直でまともなヒロインなんて、過去にやったことあったっけ?……。

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○「無彩限のファントム・ワールド」 6

 やぁ! 良い子のみんな! 京アニ大好きおじさんだよ! 今期は無事に京アニ作品が放送される幸せなクールだ。それだけでとりあえずハッピーニューイヤーだね。

 そうか、ユーフォ以来だから半年空いてたのか、京アニってコンスタントに1クール1本くらいは提供してくれるイメージがあったので、半年空きは久しぶりかも。確認したら2011年の秋冬クール以来なので、実に5年ぶり(この時は夏に「日常」が終わり、翌年の春に「氷菓」が始まるまで半年空いている)。まぁ、別に京アニが何も作らずに潰れる心配なんかしてないし、既にユーフォの2期は決定している。今回の休みは「ハイスピード」に注力した結果だと思えば特に待った気もしないわな。とにかく京アニだ。そして、石原作品だ。

 なんかもう、「いつも通りの長所を存分に活かしてくれ」としか言い様がないな。世界設定としてはファンタジー要素が絡む学園物なんだから「境界の彼方」が一番近いはずなのだが、石原さんという変態の神様が担当しているおかげか、「境界の彼方」が持っていたような繊細でちょっと捻れたところか見せてみよう、みたいな不穏さは一切感じられない。一言でこの作品をまとめるなら、「サービス」だ。そりゃ「厨二病」だってそうでしたからね。石原さんは、視聴者が見たいものを分かっている。いや、おっぱいのことだけでなくてね。京アニ動画で見せるバトルシーンを織り込みつつも、決してバトル一辺倒にならず、きっちり抜いて、容赦無く女の子をぶっ込んでくるこの精神。女の子が何をしていれば可愛く見えるか、男は何を求めているかだけを考えているかのようなこの構成。その意気や良し。ボクハコレデイイデスヨ。

 まー、個人的には石原さんの持つ細やかな情感芝居の部分でも見せ場があると嬉しいとは思うが、なんかもう、主人公のCVがヒロシモノの時点で、「もう、いいか」っていう気分に。もちろん中盤以降にシリアスもまじって見せ場が出てくればそれはそれで願ったりかなったりだが、この主人公、格好良くなる気がしない。その分、メインヒロインとおぼしきおっぱいは格好良くなる可能性はある。そっちの方を「ヒーロー」にして見せ場が出来れば嬉しいかな。いや、でも1話目の時点で僕はすでにおっぱいよりも早見ボイスのヒロインの方が好きになったので、そっちに頑張ってもらいたい。百合要素も露骨にまぜてくる様子なので、そっちの方面でも頑張ってもらいたい。今回モブの幼女にも早見ボイスが混じってましたよね(兼ね役)。あの子レギュラーで出てこねぇかな。

 あとは延々厨二病の妄想の方のバトルシーンが続くようなアニメになればいいんじゃねぇかな。声オタ的には、是非1話のリンボーのシーンは中の人に実演してもらいたいですけどね。3人のうち2人が巨乳だから大変!(女性が、とは言ってない) あ、あとエンディングのころあずも元気が出て良いですね。へごとかころあずとか木戸ちゃんとか、やっぱりホリプロ勢はなんか雰囲気が似るよなぁ。なんでなんだろ。 

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○「プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ」 5

 今期一発目の新番組はこちら。何の前情報も無しに見て、タイトルが「プリンセスオブ〜〜」だと思って萌えアニメを想像しながらつけたら全然違って衝撃を受けたのは内緒の話だ。

 男の子が部活頑張る系作品。漫画原作とかでなしにメディアミックス主体の作品ということで、近いところを無理矢理探すなら「Free!」ってことになるだろうか。ただ、大きく違うのはそこで行われているのがストライドというなんちゃってスポーツであること、そして、映像がいしづかあつこであるということ。前者については、ぶっちゃけると視聴中は「ほうほう、そんな変な競技があるのか」と素直に信じてしまったが、確認したら「パルクール的ななにか」ってことで、実在はしないようだ。まぁ、当たり前か。架空の世界の架空の競技であるということは些細なことのようにも見えるが、アニメとして作りあげていく上で大きな違いがある。何しろ「嘘」なのだ、作中のキャラクターが何を頑張ればいいのかも分からないし、試合中に何を考えても「本当のこと」にはならない。もちろん「Free!」を見てた視聴者だって競泳なんてマジでやってた人間の方が圧倒的に少ないのだから「嘘」度合いは大して変わらないが、見ている側に「まぁ、そうかもしれないよね」と思われるハードルの高さはやはり違うだろう。例えば極端な話だと「インフィニットストラトス」におけるロボットのボコスカウォーズ、「バスカッシュ」における超次元バスケなんかは競技として設定されていたはずだが、何をするにも「どないやねん」という感情が先立って全く見ていて入り込む余地がなかった。本作のストライドの場合はそこまで異世界なお話ではないが、いかにして「それっぽい」スポ根を構築するかという部分で、オリジナル要素というのは毒にも薬にもなり得る要素なのだ。

 その点、本作1話の方向性は存外うまくやれていたのではないかと思う。面白かったのは、「ストライドって何?」っていうことを作中でほとんど説明しなかったこと。普通、こういう「マイナースポーツ」を扱う場合にはなんとか理解してもらわなきゃいけないってんであれこれルールを押しつけてくるものだが、今作では「見てれば大体分かるやろ」ってんで、とにかく走るシーンを見せることを優先させた。身軽な先輩がぴょんぴょんショートカットをする様子とか、走者がタッチするときのよく分からない緊張感とか、「分からないなりに」面白いポイントがここだよ、ということを映像で見せてくれているのでアニメーションとして入っていきやすい。この辺りのディレクションは良い手際だったと思う。

 こうしてお話を作る中心となっているのが、2つ目の要素である「いしづかあつこ監督」ということになる。監督作品は「ハナヤマタ」以来なのでちょっと久しぶりだが、彼女の特徴は何と言ってもその色彩センス。これまで数々の作品で異質な世界観を組み上げそれぞれに個性を発揮してきたが、異世界ものである「ノゲノラ」や幻想的な空気を魅せる「ハナヤマタ」と違い、今作は真っ向勝負のスポ根。彩り豊かに飾り立ててしまっては逆に浮ついてお話にならない。そこで、今回監督が採用したのが青という基調色。開始後しばらくは「なんか異様にのっぺりと張り付いたような青だなぁ、と薄気味悪く思った画面効果だが、割とすぐにキャラともマッチして馴染んでしまい、この青の中でキャラを走らせることで、監督の持ち味である浮ついたような色彩をどこかに残しながらも、「青春」やら「さわやか」やらの要素もまぜこぜにしている。相変わらず賛否の分かれるデザイン性ではあるのだが、個人的には、なかなか面白いものが見られそうな期待感がある。動画面に関しては制作がマッドハウスなので心配もなさそうだし。

 トータルすれば「割と面白そう」というプラスの印象。しかしまぁ、あくまで「男の子頑張る」ものだろうからね、どういう層に狙いを絞ってくるかで今後の評価も変わってくる。「Free!」だって色々と最高の素材が揃ってるけどテーマがテーマなだけにどっぷりハマるまでには至らなかったからね……でもまぁ、「Free!」レベルまでたどり着ければ大成功だろう。どうなりますかね。

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<赤>

 

Aether Chaser 霊気追跡者 (1)(R) C

クリーチャー・人間、工匠

2/1 先制攻撃

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を得る。

〜が攻撃するたび、(E)(E)を支払ってもよい。そうしたなら、【霊気装置】トークンを1体生成する。

 赤の「霊気」サイクルは打撃力に優れる。2/1先制攻撃なら同マナ域の対決でしばらく負けることはないだろうし、ちまちましたブロッカー相手に立ち止まらずにすむので生産効率は割と高め。加えて赤はエネルギーギミックを得意とする色でもあるので、こいつに注ぎ込まずともエネルギーの振込先が多いのも利点といえる。単に電池として登場させ、序盤に2点か4点を刻むだけでも充分過ぎるお仕事。他のシナジーが無いならついでに霊気装置を貰っておく、くらいの感覚で構わないだろう。運用範囲の広さから言うとサイクル中一番使いやすいのはこいつだと思われるが、トークン生産の安定性なら青、仕事の確実性なら黒や緑が優れる。こうしてみると、サイクルとは言っても色々な側面が見えて面白い仕上がりだ。

 

Chandra’s Revolution チャンドラの革命 (3)(R) C

ソーサリー

〜は対象のクリーチャーに4点のダメージをあたえる。対象の土地をタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

 領事府に怒りをぶつけるチャンドラさんの火力。イラストは事前に発表されていた「ピアの革命」とセットになっており、繋げるとこんな感じ。やっぱりこれまでMagicのストーリーにはあまり無かった「親子共闘」なのでなんかワクワクしますね。で、技師のお母さんはハンマーで革命を起こしていたが、娘のチャンドラさんは当然火力。チャンドラが暴れる火力も気付けば随分数を重ね、「チャンドラの憤怒(ORI)」「チャンドラの憤慨(M14)」など、今回で5枚目になります。今回はクリーチャー限定の4点火力ということで「憤慨」が一番近いデザインで、ついでに相手の霊気拠点を破壊でもしたのだろう、土地を寝かせてマナを縛る効果を持っている。この「土地寝かせ」は「ステンシアの亭主(EMN)」で初めて導入された赤の新機軸であり、マロー曰く、「土地破壊は相手を不愉快にさせちゃうから、赤には新しい特性を与えたいんだ」とのこと。土地破壊スキーには全くもって迷惑な話だが、まぁ、リミテッドでの実用性を考えれば「亭主」は割とよいバランスだったので、今後はちょいちょいこうしたギミックが増えていくのかもしれない。土地を縛る効果は試合の早い段階ほど効果がある。この火力は4点のダメージがあるのでそれなりに対応範囲が広く、出来れば後の方に出てくる本命クリーチャーのために取っておきたい気もするが、攻め気の強いデッキなら3ターン目までにクリーチャーを展開しつつ、相手の手を遅らせて進軍出来るなら4ターン目に使ってしまってもいいのかもしれない。まぁ、何にせよ必須除去だ。

 

Destructive Tampering 破壊的細工 (2)(R) C

ソーサリー

次のうちから1つを選ぶ。

「対象のアーティファクトを破壊する」

「飛行を持たないクリーチャーでは、このターンブロック出来ない」

 なんか決め台詞吐いてるけど、確実にこれ吹っ飛んでるヤツも死ぬんじゃないですかね? まぁ、破壊的なんだからしょうがない。赤がようやく手に入れた普通のアーティファクト破壊。カラデシュでは「先に出しておくと殺されるかもしれない」という不安が付きまとう「壊し屋グレムリン」と、絶妙な微妙具合を誇る「破砕」だったのでどうにもメインから使いにくかったのだが、この呪文なら2つ目のモードでフィニッシュブローにもなるので、多くのデッキでメインから突っ込めるカードになっている。ブロック抑止カードは何枚も突っ込んだら確実に無駄になったが、これなら2枚3枚と入れておき、最後に引いたヤツだけをブロック抑止に使えばいいのでスロットの無駄がないのだ。かつてはアーティファクト破壊の専門家を気取っていた赤が3マナソーサリーでようやく1つ壊せるってのはどうにもみっともないが、汎用性は何ものにも代え難い。とりあえず早めの確保で問題無しだ。

 

Embraal Gear-Smasher エンブロールの歯車砕き (2)(R) C

クリーチャー・人間、戦士

2/3

(T)、アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:〜は各対戦相手に2点のダメージをあたえる。

 改革派の割にはなんか地味な嫌がらせしてるこすいヤツ。大掃除のときに真っ先に楽なはたきを取りに行くタイプのヤツだな。一応砲台だが、本体にしか飛ばないし、そこまで連射も効かないので砲塔としての任務はあまり重要ではない。今後の世界で活かすべきは、いつでも使える紛争トリガー、サクり台である。霊気装置くらいならサクることにそこまで抵抗はないだろうし、こいつを構えておくことで戦闘前にも気軽に紛争カードを運用出来る。アーティファクトの数が揃えばこいつがチクチクと飛ばすだけでも割とライフレースは詰められるし、たくさん欲しいカードではないが、1枚入れておくと案外嫌がられるかもしれない。ちなみに、今更確認しておくと、赤には紛争を持ったカードは1枚もない。というか、今回のギミックは白緑に紛争、青黒赤に即席というラインナップなので、このカードで紛争サポートを施せるのは赤緑か赤白ということになる。ピックの際には覚えてく必要があるぞ。

 

Enraged Giant 怒れる巨人 (5)(R) U

クリーチャー・巨人

4/4 即席 トランプル 速攻

 エラくシンプルな名前を付けられた即席巨人。こういう単純な名前って将来の再録を見越して付けてるようにも見えるのだが、ブロック独自ギミックの即席つきだから、再録はまず無いんだよな。もっとシンプルなカードのために取っておけばいいのにね。そして、巨人という種族はカラデシュでは珍しい。現時点ではこいつと「むら気な巨人」の2体しか存在が確認されておらず、都市次元であるカラデシュで彼らがどんな生活を送っているのかは気になるところ。フレーバーを見ると「巨人の居住区」があるらしいのだが……文化レベルは人間と同じなのかな。いや、この見た目でそれはないか……。とにかく、そんな謎多き巨人の新作は何故か即席持ちでアーティファクトに引き連れられて登場する。3ターン目までにアーティファクト2つ展開出来れば4ターン目に4/4速攻トランプル。速攻があるおかげで召還速度の加速が更にダメージ効率を上げている。この世界では4/4でもそこまで決定力のあるサイズとは言えないため、もしデッキインするならなんとか最速4ターン目召還が出来るようにデッキを整えたいところだ。もちろん、続くターンには「巨人の光景」でサポートしてやれば芸術点高し。どう考えても必死に留めようとする領事府サイドが正義に見えちゃうのがやや難点。

 

Freejam Regent 無秩序街の主 (4)(R)(R) R

クリーチャー・ドラゴン

4/4 飛行 即席

(1)(R):〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 全国の赤ファンの方々が待ち望む、「このセットのドラゴン」のコーナー。コーナーだけど……地味だな……。まぁ、「航空船に忍び寄るもの」もドラゴンとしてはすこぶる地味だったし、構築で活躍するような素材でもなかったが、リミテッドではその理不尽さを存分に発揮し、多くの対戦相手の心を折るドラゴンらしい活躍を見せたはず。しかしこのドラゴンの場合、場に出てきたとしても対策方法はそこまで限定されてないんだよね。タフネス4は変わらないし、防御性能は大したことない。ワンパン通せば大ダメージが期待できるかというと、起動のマナコストを見れば割と現実派だ。コストが軽くなるのが売りなのに、起動コストがこんだけかかるのも皮肉な設定である。まぁ、上手いことアーティファクトに寄せていけば4,5ターン目には出せるのだから、最速での回りを見せれば充分なレア。それ以外の場合は……ほどよく1対1以上の交換ご取れるなら充分なのでは? まぁ、赤ってアーティファクトに寄せるのが難しい色なんだけどね……。

 

Frontline Rebel 最前線の反逆者 (2)(R) C

クリーチャー・人間、戦士

3/3

〜は可能なら各戦闘で攻撃する。

 赤にはお馴染みの攻撃強制制限を持った基本戦力。3マナ3/3とサイズは確かに悪くないが、赤がメリット持ちで投入できる3/2とそこまで差があるようには見えないため、性能としてはやや微妙。相手がブロックでエネルギーを蓄える「守られた霊気泥棒」なんかをコントロールしてると、優しく受け止められた上で貯金されちゃうので踏んだり蹴ったり。ただ、今回のセットは「領事府の空船口」「亢進する亀」「高峰の職工」の3大壁クリーチャーが減っているので、実はパワー3の突撃アタッカーを無傷で受け止める方法はそこまで多くない。相打ち以上に持ち込める状況が多いなら、大したデメリットにもならないのではなかろうか。また、不自然なアタックが自然に見えるという無理矢理なポジティブシンキングもこの世界だと割と意味があり、相手からすると「マジで無理アタック」「裏があるアタック」「実は紛争狙い」と3パターンを考慮しなければいけないので、このクリーチャーの制限は余計に思考を混乱させることも出来るのだ。裏がある場合は、出来るだけ悩まず、こっそりとね。

 

Gremlin Infestation グレムリンの侵入 (3)(R) U

エンチャント・オーラ

エンチャント(アーティファクト)

あなたの終了ステップの開始時に、〜はエンチャントされたアーティファクトのコントローラーに2点のダメージをあたえる。

エンチャントされたアーティファクトが墓地に置かれたとき、2/2で赤の、グレムリン・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 嫌われものだったグレムリンも、改革派の兵器としては非常に使い勝手のよい生き物のようで。こちらはアーティファクトに張り付いてどんどんエネルギーを吸い取っちゃう腹ぺこグレムリンエンチャント。実のところ、こうしてチクチクダメージをあたえるタイプのカードってのはこれまであまり多くは使われてこなかった。効果が悠長だ、っていうのが最大の理由だし、あくまで相手に維持するか処分するかの選択肢がある状況では優位が取りにくいためだ。このカードも、相手は最悪アーティファクトさえ処分してしまえばダメージを免れるわけで、こと黒のようにサクる手段が豊富なデッキでは効果が薄い。そこで、今回は死んだ時の特典としてお腹いっぱいになったグレムリンを登場させるギミックが追加されたわけだ。序盤から攻め立てるデッキが組めたなら、息切れしやすい中盤以降も恒常的にダメージを稼げるこのカードは案外馬鹿に出来ない。最悪処分されても損が出ずに戦力が底上げ出来るのだから、ようやく実用に耐えるレベルまで上がってきたと見て良いんじゃないだろうか。

 


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