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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<赤>

 

Abandon Reason 自暴自棄 (2)(R) U

インスタント

最大2体までの対象のクリーチャーは、ターン終了時までそれぞれ+1/+0の修正を受けるとともに先制攻撃を得る。

マッドネス(1)(R)

 効果だけを見れば「統率の取れた突撃(THS)」と同じ。あちらが1マナの呪文であることを考えると、素で撃てば明らかに負けているし、マッドネスコストでもやっぱり負けている。他の環境と比べてもしょうがないが、ちょっと残念な呪文。マッドネスはそれだけでアドバンテージが取れる能力なので下位互換とまでは言わないけども。まぁ、「突撃」が1マナとしては破格の影響力を持っていたわけで、この呪文だって当然使いどころは多い。先制攻撃だけでひっくり返せる状況もあるわけで、そこにパワー増強なら文句無し。元がインスタントなのであんまりマッドネスのありがたみはないのだが、「狂気の預言者」あたりから上手いこと使い回せればちょっと得した気分は味わえる。クリーチャーが複数必要なのであんまり青赤系には向かないかもしれないが、インスタントでパワーを上げられる果敢ギミック多めのデッキなら有用性は高そう。

 

Alchemist’s Greeting 錬金術師の挨拶 (4)(R) C

ソーサリー

〜は対象のクリーチャーに4点のダメージを与える。

マッドネス(1)(R)

 グッドモーニング火力。この世界の科学者の皆さんは霊の力で様々なエネルギー問題を解消しようと取り組んでおり、その努力にはあのチャンドラさんも素直に賞賛の言葉を贈っている。まぁ、チャンドラに褒められる時点で科学としてはどうかと思うが……いや、元々彼女は技師の出身だもんな。カラデシュの技術力はどんなもんなんでしょうね。さておき、そんな挨拶代わりの一発火力は、効率だけで言えば「灰と化す」を下回ってしまうのでやや残念だが、マッドネス経由ならば一線級にまで跳ね上がる。印象としては使用制限の傾向が似ている「巨岩投下」を思い出せばいいのではないだろうか。ダメージもコストも全く一緒だし。つまり、「巨岩投下」は強かったのだからこのカードも多分強いはず。ただ、今回はコモンで与えられた共鳴者が白1,黒2,赤1とあまり多くない。上手いことマッドネスに寄せていけるといいのだが。

 

Assembled Alphas 集合した頭目 (5)(R) R

クリーチャー・狼

5/5

〜がクリーチャー1体をブロックするか、クリーチャー1体にブロックされるたび、〜はそのクリーチャーに3点のダメージを与え、そのクリーチャーのコントローラーに3点のダメージを与える。

 赤のエントリーセットレアは、「灰口の猟犬(ISD)」や「ケッシグの鍛冶場主」の能力がレアクラスに膨れあがったもの。「レアのくせになんか地味」と思われるかもしれないが、ついでにプレイヤーに飛ばせる効果のおかげでこれが結構洒落にならない。5/5というステータスは単体でのブロックはそこまで簡単じゃない。それならばと2体受けしようとすると、それぞれに能力が誘発するのでブロッカーはタフネス3以下では機能しないし、6点のダメージが本体に飛んでくる。これはブロック時にも適用されるわけで、攻守にわたって常に相手をかみ続ける精神はなかなかのもの。リミテッドならばやっぱりゲームエンドが近づくクリーチャーである。ついでに「吠え群れの復活」でトランプルを与えてやると、相手クリーチャーへの致死ダメージが一気に下がって本体にも突き抜けやすくなる。構築は流石に目指せないので、開けたパックから出てきたら可愛がってあげたい。何しろ、これだけあっちこっちで触手が生えている世界のなかで、ここまでモフモフした狼がいるのは貴重なのだから(残念ながら、このイラストはプロモ版だけ)。

 

Chaos Reveler 騒乱の歓楽者 (6)(R)(R) R

クリーチャー・デビル、ホラー

3/4 果敢

〜のコストは、あなたの墓地にあるインスタントやソーサリー・カード1枚につき(1)少なくなる。

〜が戦場に出たとき、あなたの手札を捨て、その後カードを3枚引く。

 イニストラード名物、インスタントやソーサリーを応援するレアデビル。いや、「護符破りの悪魔(ISD)」しか知らないからシリーズかどうかは知らないけど。まぁ、コンセプトは一緒。今回赤青系のイゼット応援団が多い気がするな。額面上のコストは重いが、よく出来たイゼットなら適宜3〜4マナは軽くなる。そして、ガンガンスペル使ってコストを軽くし、その上で手札を補充するというのが最高の流れだ。2ターン目くらいから毎ターンスペルを連打していけば、5ターン目くらいにこいつを置くことが出来て、手札が3枚になる。……どれくらい得できるかは微妙なところだな……。能力もそこまで突出してるわけじゃないし。ライブラリ削って強引にスピード早めるか? あんまり、デッキの根幹を任せるようなカードでもないので、積極的に使うプランが浮かばんな……。

 

Blood Mist 血の霧 (3)(R) U

エンチャント

あなたのターンの戦闘開始時に、対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで二段攻撃を得る。

 戦闘開始時になにかを付けてくれる、「ナヒリの策謀」の系譜のカード。これにもう1マナ足すだけで「狂戦士たちの猛攻(DTK)」になることを考えるとこの効果はなんか寂しいのだが、レアと比べてもしょうがないか。毎ターン自軍の最大戦力のダメージ効率が倍になり、それがオーラのように個別に対策されずに恒久的に継続する。一度置かれてしまうと、手軽にヤバい状況を演出しやすいカード。接死持ちに先制攻撃をつけてキリングマシーンを作るのもありだろうし、シンプルにフライヤーにつけてダメージを全通ししてしまってもいいだろう。「ナヒリの策謀」同様に攻め気のデッキでないと使い物にならないが、まぁ、赤を使ってるなら大丈夫だろう。「ステンシア仮面舞踏会」と組み合わせると先制攻撃が無駄になるが、カウンターがものすごい勢いでのっていくぞ。ちなみに是非あわせてみたい手頃なパートナーは「血狂いの吸血鬼」や「巨体の悪魔」あたり。容易く人が殺せる「血狂い+グリフの加護」の更なる進化形に如何か。

 

Bold Impaler 大胆な刺突者 (R) C

クリーチャー・吸血鬼、騎士

1/2

(2)(R):〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 やったぜ! みんな大好き「溶岩足の略奪者(BFZ)」が装いも新たに帰って来たぜ! 何? 使ったことないだって?! すまん! 俺もだ!

 

Borrowed Hostility 敵意借用 (R) C

インスタント

増呪(3)

次のうちから1つか両方を選ぶ。

「対象のクリーチャーはターン終了時まで+3/+0の修正を受ける」

「対象のクリーチャーはターン終了時まで先制攻撃を得る」

 借用サイクルの赤。双呪モードの時の効果は「殺戮の叫び(M12)」と大体同じ。その分トータルのコストは1マナ重いが、素で撃つだけなら1マナで済む点、そして双呪モードで対象を2つに分けられる点などが優れているので、こちらの方が使いやすい呪文だろう。理想的にはクリーチャーどうしの戦闘を先制攻撃だけで乗り切り、通ったところに3点を追加してダメージを水増しするのがベストの使い方。そうでなくとも+3と先制攻撃を合わせればたいがいの戦闘結果がひっくり返るのは「悪意ある動機」で散々経験していることなので、このカードの価値は想像しやすいだろう。これまで赤は1マナで使ってくるようなトリックがほぼ無かったのだが、今後は火力もトリックも1マナで自由自在なので、色々と警戒が必要になるぞ。

 

Brazen Wolves 猛々しい狼 (2)(R) C

クリーチャー・狼

2/3

〜が攻撃するたび、これはターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 ちょっと大きくなった「国境地帯の匪賊(M15)」。1マナ増加で+1/+1というのは割と優秀なステータスで、2マナ1/2よりも3マナ2/3の方が色々と扱いやすいので、上位種と言ってしまっていいかもしれない。序盤に展開される大体の戦闘で相打ち以上が狙いやすく、流れるようにマナカーブ通りに展開出来れば、3マナとは思えないプレッシャーを相手にかけることが可能。「黴墓のゴミあさり」や「書庫の霊」、「溺墓の探検者」といったタフネス4を突破する戦力がコモンで手軽に手に入るのはかなりありがたい。防御性能がやや劣る部分については、これまでの担当者がそもそも防御出来ない「吠え群れの狼」だったことを考えれば特に問題にはならない。というか、大体の状況において「吠え群れの狼」よりこっちの方が強い。人狼系のデッキではこちらが基盤パーツとなるだろう。

 

Collective Resistance 集団的抵抗 (1)(R)(R) R

ソーサリー

増呪(1)

次のうちから1つまたは複数を選ぶ。

「対象のプレイヤーは手札を全て捨て、その後同じ枚数だけカードを引く」

「〜は対象のクリーチャーに4点のダメージを与える」

「〜は対象の対戦相手に3点のダメージを与える」

 レア増呪「集団的」サイクルの赤。こちらは分かりやすく「キッカーを払うと強くなっていく火力」だ。基本はクリーチャーに4点。今をときめく「極上の炎技」と同じスペックなんだからこれだけでも十二分。環境最強生物であるアヴァシンを落とせるかどうかってのが最低限の部分なので、そこはOKだ。そしてわずか1マナの追加で本体に3点もおまけ。本体だけを狙う場合には「炎技」よりも若干割高だが、両方狙えるというオプションには代え難いだろう。そりゃま、上を見れば怒涛コストの「巨人の陥落」みたいなもっと効率の良い呪文もあるが、こいつの利点は一切デッキの性質や状況を選ばず、純正オプションとして追加要素が積めるところなのだ。そして最後に使うモードは手札の総取っ替え。これでさらに1枚引ければそこそこチャンドラの領域だったのだが、それは高望みしすぎか。普通はこの「トレイリアの風(7ED)」効果にカード1枚を費やすのは勿体ない、という判断になるのだが、例えばなにかクリーチャーを除去ったついでにそれができるなら悪くないって状況は割とありそうだぞ。レアの貫禄は充分。あとは火力の選択は環境次第ね。リミテッドならとりあえず引いとけ。

 

Conduit of Storms 嵐の伝導者 (2)(R) U

クリーチャー・狼男、ホラー

2/3

〜が攻撃するたび、このターンの、あなたの次のメインフェイズの開始時に、あなたのマナ・プールに(R)を加える。

(3)(R)(R):〜を変身させる。

Conduit of Emrakul エムラクールの伝導者 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、狼男

5/4

〜が攻撃するたび、このターンの、あなたの次のメインフェイズの開始時に、あなたのマナ・プールに(C)(C)を加える。

 赤って色は基本的にマナ加速が刹那的でなければいけない。恒常的にマナを出すのは緑がダントツの第1色、ついで黒もマナは出せるが痛みを伴い、青も時たま限定用途のマナを出す、一番苦手なのは白だろう。赤のマナ加速というと、例えば「ゴブリンの乱伐者(LGN)」のように大雑把だったり、「突沸の器」に見られるように使いきりだったりするわけだ。そんな中、「上手くいけば何度も使える」流れってのもあって、最近だとリミテッドで活躍した「鍛えられた狂戦士(DTK)」なんかは、赤なりにチャレンジしたマナ加速手段だろう。この狼も同じ流れを継いだデザインで、殴れば次のメインフェイズのマナが増える。「殴らなきゃマナが増えない」とネガティブにとるか、「殴りながらマナも出せる」とポジティブにとらえるか、デッキデザインによって評価も分かれそうだ。3マナ2/3なので殴った時に死ぬ確率はそこそこ。4ターン目の5マナが出せればそれでOKと割り切れれば、充分仕事はしてくれるだろう。こいつの面白いところは、万一該当する5マナのカードが無かったとしても、自身の変身コストに当ててしまえば無駄が出ないという部分。相手としてはこいつのアタックを通してしまえばほぼ確実に変身を許してしまうわけで、そうなれば次のターンからはますますマナで突き放されることになる。なんとしても討ち取っておきたいところだろう。マストブロック度が高いと考えれば、実は額面以上に安定して強いクリーチャーなのかも。

 

Deranged Whelp 狂乱した仔 (1)(R) U

クリーチャー・狼

2/1 威迫

 2マナのWhelp()と言われると「幻影の仔(ODY)」を思い出してしまうのは私がオデッセイ環境大好きっ子なせいだろうが、こちらは赤の2マナということで、イメージを被らせるなら「狂犬(ODY)」にしないと駄目だろうな。いやしかし、こうして15年の時を経て比べて、「狂犬」との圧倒的な違いはどういうことか。あちらはデメリット付きの熊、こちらはなんとメリット付きのパワー2。アンコだから当然といえば当然なのだが、これだけの攻撃性能を持った2マナ域、世が世なら構築レベルで使われてもおかしくないスペックである。スライに求められる性能といえば、1マナ圏なら当然パワー2。もしくは最低4点は与えられる程度の安定性。さらに2マナになると、これに輪をかけてダメージの確実性が求められるようになる。現在は「ケラル砦の修道院長(ORI)」あたりが代表選手であるが、実は現在、1マナがやたら充実しているわりに2マナ圏のレギュラーメンバーというのは案外いないのである。このシンプルな狼が構築戦のデッキレシピに名前を書かれる日が来るかどうか。燃える赤単兄貴の努力に期待しよう。

 

Distemper of the Blood 血の不穏 (1)(R) C

ソーサリー

対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修正を受けるとともにトランプルを得る。

マッドネス(R)

 2マナで+2とトランプル。「まぁ悪くないかな」とか思ってよく見ればそこに刻まれたソーサリーの文字。いや、流石にそれはちょっと……。過去には「激昂(6ED)」のようにソーサリー増強もそれなりにカードとしては存在していたが、どうせ使われないカードになるから最近はあまりこの手のカードは作られなくなった。緑のジャイグロは日々研鑽を積み、最近では赤も「タイタンの力(ORI)」のような優秀なインスタントが増えてきた。「アドレナリン作用」だって、デッキ次第では充分決戦兵器になりえるのだ。しかし、ソーサリーだとちょっとなぁ。……というわけで、やっぱり普通はマッドネス前提。マッドネス、つまり吸血鬼ならば前のめりが当然、トランプル上等。喉から手が出るワンパン呪文。パワーを持てあました「血狂いの吸血鬼」や「貪欲な求血者」あたりにマッドネスからぶち込んでやれば、直接ダメージ換算で4〜5点稼げる可能性もあり、1マナとしては破格の性能である。さぁ、共鳴者を集めるのだ。 ん? 別にソーサリーでも構わないって? まぁ、そういうデッキが出来たならそれでいい。

 

Falkenrath Reaver ファルケンラスの肉裂き (1)(R) C

クリーチャー・吸血鬼

2/2

 ザ・バニラ。しかし、この些細な1枚のバニラが、Magicの歴史をついに塗り替えたとしたら、その尊顔も凛々しく見えてくるのではないだろうか。そう、ついに、赤は「熊」を手に入れたのだ。クリーチャー品質格差を端的に表す指標となる「熊」の存在。元来、2マナコモンに2/2を許されたのは緑と白のみだった。黒と赤は、3マナ以上に2/2バニラを配置し、2マナ2/2にはなんらかのデメリットがついたのだ。時代が流れ、黒が先んじてこの悪しき風習を打ち破ったのは、奇しくも旧イニストラードである。「歩く死骸(M15)」の登場により、黒はついに「スケイズ・ゾンビ(10ED)」のアップグレードに成功し、赤を出し抜いた。その後も赤は「ブロック出来ない」「攻撃強制」「死んだらダメージ」などの制限をずっと抱えたままであり、やはりこの紙一重は大きな大きな差なのだと痛感させられることが多かった。「ゴブリンの勇士(6ED)」が、「諦めて俺を使うんだ」と幾度となく脳裏をよぎった。しかし、この記念すべき日に、このイニストラードの地で歴史を刻んだ。デメリット一切為し、それどころか吸血鬼だから事実上メリットみたいなもん、赤に熊が、赤に熊が!! さぁ、これで「針毛の狼」や「ムーアランドの流れ者」との相打ちも余裕だぜ! ……ん? 別に「燃えさし眼の狼」でいいって? あんた、歴史に対する敬意がないねェ。

 

Furyblade Vampire 怒り刃の吸血鬼 (1)(R) U

クリーチャー・吸血鬼、狂戦士

1/2 トランプル

あなたのターンの戦闘開始時に、手札を1枚捨てても良い。そうしたなら、〜はターン終了時まで+3/+0の修正を受ける。

 変なタイミング制限がかけられた殴り値高めの吸血鬼。普通、使用に制限を設けたいなら「各ターンに1度だけ起動出来る」みたいな文言になるところだが、このクリーチャーはそれに加えて攻撃にのみ使える制限にしたかったらしく、使えるのは攻撃宣言前に1回こっきり。相手にはバレバレになるし、マッドネスでなにかを使いたいならこのタイミングで先撃ちするしかない。まぁ、「手に負えない若輩」あたりならこのタイミングでも構わないわけだが、上の「血の不穏」みたいなカードをトリックとして運用出来ないのはヤキモキするな。しかしまぁ、枷がはめられただけにそのパワーは激烈。2マナで出てきて3ターン目に4/2トランプラーが突き抜ければ、まず相手は相打ちクリーチャーを差し出すだろうし、その上で2、3点のライフをもぎ取れれば充分。さらに「血の不穏」を始め「無差別な怒り」なんかでこいつを増強するプランもあるし、実はマッドネスを唱えられればタイミングとか割とどうでもいい説まである。とにかく、前のめり・共鳴者・確定ダメージと、吸血鬼に必要な要素は揃っている1枚。はまった時には部族デッキの輝きを増してくれるので、是非輝けるデッキを組みたいものである。ちなみに、フレーバーは案外珍しいストレートな罵倒語が光る。「filth」も「shit」と同じように悪口に使われるんでしょうかね。吸血鬼に言われたくねぇな、って話だけど。

 

Galvanic Bombardment 流電砲撃 (R) C

インスタント

〜は対象のクリーチャーにX点のダメージを与える。Xは、2にあなたの墓地にある〜という名前のカードの数を加えたものである。

 「焚き付け(TMP)」、「集中砲火(ODY)」の焼き直し。ダメージ量は同じだが、プレイヤーに飛ばなくなった分だけ1マナ軽くなった。プレイヤーにいかないのは残念至極であるが、「ショック」と同じこの軽さは何ものにも代え難い。青にも同じような蓄積型ドローがあったわけだが、こちらのカードなら1枚目から充分過ぎるくらいに機能するのだし、2枚目以降のカード効率は目を見張る。とりあえず引きたいだけ引きまくって構わないだろう。構築環境では魔巧で3点になる「焦熱の衝動」がほぼ互角のスペック。今後の火力スタメン争いに注目が集まる。

 

Hanweir Garrison ハンウィアー守備隊 (2)(R) R

クリーチャー・人間、兵士

2/3 (ハンウィアーの要塞と合体する)

〜が攻撃するたび、1/1で赤の人間・クリーチャー・トークンを2体、タップした攻撃状態で戦場に出す。

 最後の合体ギミックはこちら。今回の合体カードはあくまで試験運用。両面カードはリミテッドでの出現数が制限されてしまうため、大量にペアを作ってもなかなか合体が実現しない可能性が高く、積極的にメインシステムとして打ち出せなかったのだろう。また、ルール上何が起こるか分からないので慎重になった部分もあるのだと思う。まぁ、その割には「土地との合体」というチャレンジをしているあたりが流石だが。有能なエムラクールさんのおかげで、人間が土地とまぜこぜになってアウアウ言うのも全く問題無くフレーバーに落とし込めたのがすごい。今後、合体カードが登場するとしたらまた別次元に渡ったエムラクールのいたずらになるのか、それとも3度目のイニストラード来訪時になるのか。さておき、基本デザインだけを見ればなんとあの「刃砦の英雄(MBS)」と同等というなかなかの名指揮官。喊声能力がないのでサイズはそれほどでもないが、こいつが2回程度殴るだけで相手は死ぬ。現在「隊長の鉤爪」1枚だけでもリミテッドだとかなり鬱陶しいことが分かっており、その倍のスピードで援軍を呼ぶ効率は素直に脅威だ。是非とも「無差別な怒り」や「放たれた怒り」なんかでサポートしつつ恒常的にパンチを繰り出し、「天上からの導き」でフィニッシュするボロスビートなんかを狙ってみたい。「死中に活」つけてのパンチなんかも超マッスル。活を求めてるのにこんな末路ってのも地獄だが。今回の合体カードの中では唯一任意で合体するかどうかを選べるカードなので、そのままでの運用もありっちゃあり?

 

Harmless Offering 無害な申し出 (2)(R) R

ソーサリー

対象の対戦相手は、あなたのコントロールする対象のパーマネントのコントロールを得る。

 にゃー! にゃーーーーーーー!!!! はい決定! マジック史上もっとも可愛いカード記録更新です! ちなみにこれまでは「黒猫(M15)」と名誉カードの「光らせの子(EVE)」がチャンピオンでした。しかし、一気に3馬身くらい離しての文句無しの愛らしさ。イニストラードにもまだこんな癒し成分が残されていたとは……。なんかちょっと尻尾の形が怪しいことなんて気にしない。大丈夫、にゃーん。さておき、なんとあの一時代を間違った方法で築いちゃった「寄付(UDS)」が、時代を超えて色が変わって再登場。なんで青から赤になったかっていうと、赤はコントロール変更の第2色であり、「刻印(USG)」みたいな妙なカードもあったし、割と最近でも「バザールの交易商人(WWK)」というこの呪文を使い放題のゴブリンもいたのである。で、そんな呪文が何故この時代に突然帰って来たのかは……分からない。もちろん今の時代は「Illusions of Grandeur(ICE)」なんてあるわけない。特にこの世界のギミックとシナジーを成すわけでもないし……一応「悪魔の契約」とか「黄金夜の懲罰者」あたりは選択肢になるかなぁ。まぁ、開発チームも時たまこうして「他の環境に影響を与えるかもしれないカード」をちょいちょい試験的にレアで入れてるらしいので、統率者戦とか、もしかしたらモダンとかでなにか悪さをし始める人がいるのかもしれない。これで「アクロスの木馬(THS)」とか押しつけたら芸術点高いんだけど。

 

Impetuous Devils 性急な悪魔 (2)(R)(R) R

クリーチャー・デビル

6/1 速攻 トランプル

〜が攻撃した時、防御側プレイヤーのコントロールする最大1体までの対象のクリーチャーは、可能ならこれをブロックする。

次の終了ステップの開始時に、〜を生け贄に捧げる。

 久しぶりに登場、いわゆるひとつの「ボールライトニング(M10)」の息子達。各種バリエーションが存在するが、一番最近だと「火花の強兵(GTC)」になるのかな? そう考えると随分久しぶりだ。元祖ボーライがあまりに大活躍な定番クリーチャーになったため、その後の子孫達はいちいち期待がかかるも、なかなか結果を出せるお利口さんは少ない。まぁ、その時々の環境にも依るのでカード自体が悪いわけではないのだが、はっきりした成功例だとおそらく「地獄の雷(ALA)」あたりが最後なんじゃなかろうか。この時期はゼンディカーとの相性もあって、赤単が爆裂した時期ですしね。今回登場したのは意外なことに「デビルの集団」という妙なモチーフだが、苛立たしい言動で有名なデビルなので、なんとブロック強制能力をおまけに手に入れた。これにより、ゴロゴロとダメージを転がしながら、そのついでに確実に1体のクリーチャーを轢き殺していく。ダメージ量だけで言えば効率は悪くなっているが、相手としては突然襲い来る理不尽な除去には頭を悩ませることだろう。適当に生け贄を出されるデザインでなく、確実に相手を指名できる挑発仕様もありがたいところだ。序盤に出てきた「森の代言者」あたりをなぎ払いつつ、PW対策にも使えるので、意外と期待のパーツになるのでは? 皆さんもどこかでお友達が6人集まったら、「荒ぶるデビルのポーズ」を実践してみてください。左から2番目役が割と大変そう。

 


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「トリアージX」 4→3

 今期の最終回ラッシュも、当然いつものように角川枠からスタートする。10話しかない中でどのようにとりまとめるか、というのがこの枠のいつもの課題なわけだが、まー、ここまで適当に片付けるのも珍しいわな。

 他の放送局がどうだったのかは知らないが、私の視聴していたBS11では、残念ながら湯気や光は一切トリアージされないままの放送である。こんだけ露骨な奇形乳を見たいのかと問われれば「別にそうでもない」というのが正直な意見ではあるのだが、いつも書いているように、「乳やらなにやらが見えないということ」よりも「余計な光や湯気で画面が歪められること」が嫌いなのである。最終話なんてあまりに露骨すぎるサービス回だったので、放送版ではAパートなんてずっと真っ白なままで、下手したら何が起こっているのかも分からないレベル。流石にあれを放送して「アニメを作りました」といわれても、「いや、見えねぇよ」としか言いようがない。そりゃまぁ、この手の作品での湯気商法はある程度の実績があるだけに脈々と続くのは致し方ないところであるが、そろそろ新しいセールスモデルを考えて、何とかこの無駄な時間を無くしてはもらえないものであろうか。

 本作の場合、こうして「湯気に隠されるような要素」を潔くトリアージすると、その後にはあんまり残るものが無い。テーマとしては必殺仕事人であり、各話でちょこちょこと悪人をぶっ潰して正義を気取ったり、時には過去に悩みを抱えた仲間の隊員の更生活動に協力してみたり。陳腐ではあるが、そこに特別悪い部分があるとは言わない。しかし、やっぱりいくら何でもテンプレすぎたし、このアニメを毎週欠かさず視聴しようというモチベーションには繋がりにくい。女の子どうしの戦いや、きちんとサイケな相手と戦う時は別にいいのだが、それ以外で登場する「トリアージすべき悪」の描写があまりに適当過ぎる。1話目だけだったら「いわゆる分かりやすい街のダニ」を出してそれを誅滅する流れを確認するのも悪くはないが、そういうコピペみたいなチンピラ悪役が毎回毎回飽きもせずに出てくるのは流石に萎える。あの世界にはブラックラベルという仕事人集団がいるという事実は(少なくとも裏の世界では)公然の事実なのであるから、悪者軍団ももう少し警戒心を持って、慎ましく謙虚な悪事に励んでほしいものである。どこまで行っても登場するのが「馬鹿なチンピラ」ばかりなのは何故なのでしょう。

 あえて今作で良かったと思う点を挙げるならば、最後の最後まで男が添え物でしかなかった部分。嵐は一応物語の中心にいて「ヒーロー」のポジションであり、最終話のラストカットが彼の映像だったことからもその事実は確認出来るが、本作での彼の役割は本当に些細なものである。ドラマも特に掘りさげられず、「ヒロイン勢が困った時に色々解決してくれる銃火器」程度の扱い。「主人公の活躍が見たい!」という欲求がある人にはこれ以上無いくらいの苦痛だろうが、もう、どうせ女の子のあれこれが売りなのだから、このくらい思い切って野郎を奥に引っ込めてしまうのはアリだろう。まぁ、だからといって面白くなったかと言われれば微妙ではあるのだが……。

 今期放送された他作品で今作と比較しやすかったのは「ハイスクールD×D」であるが、個人的にはこっちよりも「DD」の方が好きである。この「トリアージ」は1話完結の仕事人ミッションの魅力が薄く、それを繋ぐ縦軸となるお話も非常になおざり。「DD」の場合にはいわゆるラノベ展開ではあるものの、一応「次のお話」を追いかけるための誘導があり、一本のシリーズとしてまとまっている。今作はマンガ原作っていう媒体の差を、そのまま埋めずにアニメ化してしまったような部分が勿体なかった。まー、ひょっとしたらそういうところにも10話制限ってのが響いているのかもしれないが……。

 中の人については、確か新番チェックの時にも書いたけどもメインヒロインに近藤唯っていう起用はやっぱり悪くなかった。安定して仕事の出来る人だと思うので、今後少しずつ活躍の場が広げられればいいのだけど。あと、最終的に一番の中心人物になったのがうりょ子のキャラだったのは意外。久しぶりにフル回転した女性役のうりょ子を見た気がします。

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 二人目の死者が出てしまった……第10話。今回は、どうやらあんな死に芸キャラのネタ披露回ではなく、終盤に向けて、シリアスに大きく舵を切る1話となりそうである。まぁ、その割に次回予告のテンションは相変わらず軽いんだけど。

 冒頭、いきなり前振り無しにウリたんとのバトルが展開しているところでまず驚く。絶対何かネタを仕込んでるのだろうと思いきや、なんとウリたんはそのままガチでにゃ〜たんにぶつかり、単にネコキック一発で沈むのである。お師匠様、とても弱いですです。まー、師匠といっても肉体面ではなくてあくまで座学における師匠なのだから、ステゴロで負けるのはしょうがないのであるが……ならピヨたんみたいにもう少し別な戦い方があっただろうよ。何で殴り合いでにゃ〜たんの実力を計る必要があったのやら。一応「チュウたんの動きが不穏なのでにゃ〜たんの実力を確認するとともに、あわよくば多少なりとも警告しておくですです」と思っての措置なのかしらね。まぁ、直接言えって話だけど。おそらくごま油一斗缶アタックを決めていれば、にゃ〜たんなんてひとたまりもなかっただろうに。

 さて、こうしてどさくさに紛れてソルラルシールをゲット。もう、残るシールもあとわずかとなり、ETM12もクライマックスである。このまま残ったシールを取りに行くかと思われたのだが、話はここで別な視点に振られる。まずは、今回サブタイトルにもなっているモーたんについて、にゃ〜たんとの愛情物語である。まだ記憶が残っていた頃のにゃ〜たんは、モーたんの生き様(人間と一緒に生活して、人に喜びを与える)に共感し、彼女を気遣ってくれた。本当に何気ない一言であり、普通に考えれば「ちょっと気のいい友達」程度の発言だったとは思うのだが、モーたんはあれでスイッチが入ってしまうらしい。確かに「家族になってあげる」はある意味でプロポーズといってもいいわけだが、あの流れで発言されたものに対し、66足もの靴下を強奪して匂いプレイに耽溺するようなヤツが「家族」とかいう概念を扱ってはマズいのである。どう考えてもあの回想シーンから今の2人の関係性には辿り付かないよなぁ……一体モーたんに何があったのでしょうね。何事にも全力で当たる性格が災いしているのでしょうか。

 そして、そんなモーたんの愛情は、密かに爪を研いでいたチュウたんに対しての敵対行動として表れる。チュウたんの抱える底知れぬ憎悪と、モーたんの持つ無償の(埒外の)愛情はその矛先が完全にぶつかる。にゃ〜たんを交えずともお互いを否定するためのバトルは可能なわけで、にゃ〜たんのクライマックスよりも先に、干支神のランク2位とランク2位の対決という、頂上決戦が幕を開ける。今回のバトルはまさに頂上決戦という名前が相応しいものになっており、お互いが持てる武力を全てたたき込む様子がダイナミックなCGバトルで展開される。モーたんはプロレス技をベースとした独自のスタイルで戦っているようで、冒頭でいきなり炸裂させた投げっぱなし(というにもいくら何でもぶっ飛びすぎる)ジャーマンや、フィニッシュでみせた最大必殺技の「肉牛超弾丸祭」の迫力はキン肉マンのごとく。ボウアンドアローの体勢でそのまま落下してダメージをたたき込むというのはこれまで様々な「ドライバー」を開発したキン肉マンでも未だ見たことのない荒技。確実に相手の背骨は砕け散ることになるだろうよ。流石に干支神ランク2位の実力は伊達ではない。普段は変態だけども、もしこれでにゃ〜たんがガチ殴り合いバトルを申し込まれていたら普通に負けてたんだろうな。モーたん格好良い。

 しかし、どんな技を使っても、どんな説得を試みても、復讐の鬼と化したチュウたんに決定打は与えられなかった。そのまま無情な返し技で一閃され、最終的には「えとたまを抜き、破壊する」という禁断の秘儀「干支魂神楽遷偶」で存在そのものを滅されてしまうのである。今回の「死」は、3話の時のウリたんのものとは明らかに扱いが違う。ウリたんの「死」については回りの連中の反応から「あまり重大事じゃない」ことは分かったし、事前に「干支神はエネルギーチャージが自動で行われる」ことを聞いていたので「まぁ、大丈夫なんやろな」とは思えたが、今回のモーたんの場合、存在そのものに否定を叩きつけられたようなものであり、来週以降、彼女が戻ってくる保証は無い。普通に考えるなら、抹消されてしまったモーたんはもう二度と干支神に戻ることは出来ないだろう。

 まー、この作品でそんなネガティブで悲しい結末は見たくないので、最終的には何らかの方法で復活してくれると信じているが、とにかくシリアス展開が止まらない今の流れは、もうこのままのテンションで余計な茶々入れ無しに走りきって欲しいもの。残るバトルでにゃ〜たんがどんな引き出しを開けてくれるのか、今から楽しみです。そして、改めてモーたんのご冥福をお祈りします。本当にいい奴だったなぁ……。エンディングで走馬燈モードが流れてたのに、シリアスに使える部分がほとんど無かったのも何ともなぁ……。

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6月12日 ドラフト模様(DTK×2 FRF

ピック順 【Mei】→【Sea-chicken】→【Serra】→【Sangriter】→【Alessi】→【Thraxi】→

 

 ドラフト自体の記憶が時間経過や体調不良などが原因でひどくおぼろなので、最近個人的に絶望的時間消費を行っている「オレマス」の序盤経過を書いていきますね。最初はモダマスと差別化を図るためにアラーラみたいな弧のエキスパンションにしようと思ったんだけど、どういじってもアラーラの焼き直しみたいになって断念(隣接する弧どうしの緩やかなシナジー形成が難しい)。結局各カラーコンビネーション10個のアーキタイプを固めることで落ち着いたのだが、エキスパンションじゃなくてキューブでやらなきゃいけないので絶望的にバランス調整が難しい。具体的にいうと、例えばモダマスでドメインをコンセプトにしたいならコモンに「旅人のガラクタ」とか土地サイクリングを盛り込めば一定確率で土地操作呪文が確保出来るのでコンセプトとして成立するのだが、各々1枚しか使えないキューブの場合、「枚数が欲しい呪文」は同じようなスペルを大量に投入して入手確率を上げるしかない。そうすると、今度は「ドメインを成立させるスペル」(土地操作)と「ドメインを強くするスペル」(例えば「部族の炎」や「空に届くマンタ」など)を各々大量に入れる必要があり、ミスると「土地操作しかない」とか「マンタしかいない」といったリスクがある。また、例えば「スピリット」というテーマを設定する時に「希望の盗人」をコモンにすることでモチベーションを作っていたわけだが、キューブだと「盗人」的な基幹となるカードを大量に探す必要があり、そうしたカードの供給が安定しているコンセプトというのは非常に限られてしまう。例えば「白青マーフォーク」なんてのは、白のマーフォーク支援カードの数が不足しているためにポシャってしまった。うーむ、難しい。

 でも、楽しい!!

 


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 んーーーーーー、第10話。なんだろ、今ひとつ盛り上がってません。今回新情報がほとんど出てないからかな。

 今回与えられた最大の新情報は「チラ之助による失敗宣言」だろう。前回のエピソードで遊太がグリコ(パイン)とごたごたやっているうちに、既にQmay会の方は目的を達成しており、地球滅亡が確定。これにより、「このループ」の遊太はお役ご免と相成った。残ったお仕事はチラ之助の言を借りるならば「敗戦処理」ということになるわけだが、単にナンダーラガンダーラに「U-Turn」って書けばそれでおしまいなのである。まぁ、どうせムリゲーなのは分かってたわけで、ここで「失敗したのラ」って言われても全然衝撃的ではないし、もう視聴者目線からしても六十数億分の一でしかないので「あ、そう」という感覚にしかならないのだが……毎週書いてるからいい加減しつこいとは思うけど、やっぱりこういう「作業感」が募ってしまったせいで、チラ之助がすげぇ適当に事態に当たっているのが明らかになり、その雰囲気ってのは視聴者にも波及してしまうんだよね。今回、遊太が一大決心をしてクライマックスに向けて立ち上がる姿を描くのが最大の眼目だったのだろうが、「どうせ1つ前の遊太だってそうやって克己してたんじゃないの?」とか、「お前が立ち上がったところで駄目なはずじゃん」とか、そういう意識が先に立つと「まぁ、頑張れ」という程度にしかモチベーションはあがってこない。どんなアニメだって全て同じではあるが、今作の場合には、徹底的に事態が「他人事」なのである。

 そして、今回遊太が奮い立った理由として追加された新情報は、グリコの現在の立ち位置だ。前回正体を現してラスボスポジションに立ちふさがったグリコであるが、彼は既に壺内Q冥よりも上の地位に君臨しており、全ての計画は彼の手の中。隕石を爆撃しての人類滅亡は、彼の圧倒的な知見によって避けられない事態になってしまっていた。そんな「かつての友」の変わり果てた姿にショックを受ける遊太。そして、同じように打ちのめされたみかたんの2人は、「正義の味方である」というただ1点のみからこの苦境に立ち向かう決心をし、「敗戦処理」を「逆転劇」に繋げていこうとしているわけだ。

 いわば審判役であるチラ之助に「終わり」と宣言されているにもかかわらず更に反抗することに意味があるのかどうか、それはチラ之助のルールがどの程度の縛りなのかが分からないために何とも言えないが、まぁ、アニメ的お約束を考えれば、この絶対絶命の窮地からの逆転満塁サヨナラホームランこそがこの作品のカタルシスとなるのは間違いない。「六重数億分の一の遊太」が「アニメの主人公たるたった1人の遊太」になるためには、それ以外の結末はあり得ない(まぁ、このままマジで単なる消耗品として遊太が消えてしまって終わる、というのも非常に衝撃的で斬新なアニメにはなるが、誰も見たくないわな)。しかし、ここからの逆転って、一体どうすればいいのだろう。一番単純なのは遊太が物理的に隕石の軌道を逸らしてしまうことだ。チラ之助のいう「人類自身による解決」とはちょっと違う気もするが、地球が滅びなければ遊太の勝ちになるのは間違いない。しかし、現状では物理的に問題を解決する方法は提示されていない。となると、更なる情報戦、具体的にはメイカのネットワークスキルを使った攻防が鍵になるだろう。そこに、改めて攻め込んできたグリコとの物理的な戦闘を交えれば、一応古来館のみんなで戦っている雰囲気は出る。ただ、その場合にもイトとラブラは完全に蚊帳の外なわけだが。ラブラは過去の「未来視」の伏線がまだ回収されてないので、そのあたりから一発逆転の芽が残ってるのかな。イトがやるべき仕事というと、多分ムヒ絡みの何かだろう。グリコは「ムヒがいなくても作戦に支障は無かったよ」と言っていたが、おそらくQ冥がムヒを追っていた理由として、もう1つくらいはあの熊に何かが隠されていた、っていう流れはありそう。

 残った話数で出来そうなことといえばこれくらいだが……結局、根本的なシナリオライン形成上の問題は残っているわけで……何とかなるのかなぁ。

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 あのエンディングからみのりんのCDのCMに繋ぐのはずるいと思うの、第10話。いや、全然関係無いんだけどね。こうなったら対抗して高坂さんの中の人もソロでCD出すしかないで(割とマジな願い)。

 今回もじっくりしっかりの展開です。オーディションまでの流れは予定調和的な部分があったが、ここからコンクール本番までは何がどうなるかまだ分かりませんね。まぁ、コンクールは勝つんだろうが。残り話数を考えたら後は全員で志気を高めて、最高の形で本戦にぶつけるんだろうと思っていただけに、ここに来て最大級の火種が炸裂したのは意外といえば意外。っつうか、ここまでいつの間にやら滝イズムが吹部に浸透していると思われていたので、反乱分子が割と明確に動いたことが驚きである。あのデカリボン、「滝への反感」では行動を起こせなかったのに、「香織先輩への思慕」なら動くことができたんやな。とどのつまりは「Oh,百合強い」。まー、これまでの滝への不満が溜まりに溜まってのラストストローではあるんだろうけども。部活全体のことを考えたら、反乱するにしてももう少し早めにやってくれよ、とは思うわな。副部長先輩でなくても、こんな形で演奏の完成度を下げられたらやっぱり怒るで。

 さて、今回はそんなトランペット問題も含めて大きく3つの事象が動いている。1つ目は、「中川先輩、尋常じゃなく良い人過ぎて株がストップ高」。もう、この世界でいちばん美しいのは中川先輩で間違いない。ホント良い人。久美子が過去のトラウマをフラッシュバックさせてパニックに陥りそうなのを読み切ったかのようなタイミングで動いており、フォローが完璧。その際に選ぶ言葉についても、余計な気遣いとか、心にもない上っ面の言葉でなく、彼女の本心からの言葉であるとよく分かるのがとても良い。どうやら、これまで何度となく仄めかされていた久美子の「過去のトラウマ」は、やはり今回と全く同じようなオーディションに関係するものであったようだ(まぁ、姉貴との確執もあるのでこれで全部ではないだろうけども)。彼女は「オーディションで他人を蹴落とすこと」に必要以上の罪悪感を抱えてしまい、実際にはがむしゃらで突破した今回のオーディションについても、「中川先輩は絶対不本意だろうし、いっそ自分が退いて……」まで考えていた可能性すらある。そんな状況で、先輩のかけてくれた言葉のありがたさといったら。過去のトラウマがあまりにもきれいに浄化されていくその様子は、もうこのまま久美子が「良い性格」になってしまうんじゃないかと不安になるくらいだ。まぁ、あの狭い空間でパート練習の日々は続くのだから、出来るだけ早いうちにわだかまりの種を潰しておこう、と考えるのは当然なのかもしれないけど。オーディションに落ちてもちゃんと部活に参加して久美子と屈託無く話してくれるのもいいよねぇ(まぁ、また窓際に戻っちゃったけども)。今回初めて気付いたけど、中川先輩って2年だから、今年駄目でも久美子と演奏出来る機会はあるんだね。「来年こそ!」っていうメッセージを送れるのはすごく救われた気分です。あ、でも僕もチョコシェイクがいいんで、ストロベリーとは交換してください。

 そんな久美子との人間関係でいうと、2つ目の進展は「高坂麗奈の真実」である。まぁ、前から薄々分かっていたことではあるが、どこの世界にもゴシップ好きの耳ざとい人間というのはいるもので、「高坂さんと滝センは過去に面識があったらしいぞ」といううわさ話が一気に広がることに。たったそれだけの情報なのに「ひょっとしてコネ審査が?」というところまで一足飛びに噂が拡大しちゃうのはどうかと思うが、急激に締め上げたと思っていても、やっぱりまだ北宇治吹部には過去の「何かと理不尽な空気」は残っていたということなんだろう。デカリボンと同じように、潜在的に滝センへの不満を募らせていた部員がここぞとばかりにそれを表面化させたという面もあるのかもしれない。

 結局、うわさ話ははっきりと「不平」の形で現れ、高坂さんは謂われの無い中傷にブチギレモード。慌てて追いかけた久美子との百合シチュエーションをたっぷりと堪能しつつ、バタバタと暴れてみせるのである。もう、久美子の前だと何一つ隠そうとしないのが素晴らしいですね。でも「滝センにはLOVE」なわけですよ。このあたりの潔さも高坂さんの凄いところ。久美子のことは好き。でもそれって人間性への興味であって、本能的な結びつきとは別次元の、ある意味では極限まで「人間的な好き」。滝センへの感情は、小難しいことを考える必要が特にない、純粋な好き。2つの「好き」を何の苦もなく使いこなし、自分の感情を隠し立てせずに振り回す高坂麗奈。やっぱり「特別」な人です。そんな高坂さんの振る舞いにもすっかり慣れた久美子の、適当な手綱の振り方もいかにも「性格の悪い」久美子らしいものになっている。この短期間で「対高坂」のスタンスを万全の状態で固められたあたり、久美子も無条件で彼女に惹かれるものがあったってことの裏付けだなぁ。

 そして今回メインとなった3つ目のファクター、香織先輩の戦い。高坂さんと対決する意志を固めた香織先輩の心情については、何とも切ないものがある。彼女は、おそらく部活内の和を大切にしたいと思っており、オーディションの結果も(苦しいながらも)受け入れたはずだ。それにも関わらず、デカリボンの余計な怨念に後押しされてしまい、あれよあれよという間に再オーディションの準備が整ってしまった。普通に考えれば、彼女はこれを受けるべきではない。対立の構図を示すことで部内の火種がより明確になってしまうし、熱狂的シンパ(と反滝派)がいる時点で、「オーディションに余計な要素が介入する」可能性は、1回目よりも高まってしまっている。純粋に合奏の完成度を考えるなら、おそらく自身で「高坂麗奈に劣っている」ことを認めている彼女は、オーディションに再挑戦するメリットがないのである。しかし、部内の空気は、彼女を押し上げてしまった。もちろん、「納得していないだろう」という副部長先輩の言の通り、彼女自身にもリトライの願望はあっただろう。しかし、今となってはそれは些細なことである。彼女は自分の意志とは関係無しに、もう一度演奏しなければならない義務が産まれてしまったのだ。それは、「自分が高坂麗奈に劣っている」ことを、公衆の面前で示すためである。「自分は負けている」ということ、「滝のオーディションが公正であり、疑問を差し挟む余地が無い」ことを証明する唯一の方法は、彼女が再び吹くしかないのである。あまりにも苦しい針のむしろ。負けることがほぼ必定となる戦いに、彼女は挑まなければならない。ここで万に一つの番狂わせが起こればそれはそれで良しだが……何らかの外的要因で高坂麗奈という堅牢な魂が崩れない限りはどうしようもなかろうなぁ……。辛い。

 そして、「堅牢さ」で言えば高坂さんすら超える恐ろしい存在といえば、やはり田中あすか副部長。今週も……怖かったです……。あのシーンがおそらく今週のハイライト(次点はペットボトル押しつけられて飛び上がる久美子)。副部長先輩がしゃべっていることはどこまでが本音か分からない、っていうのが久美子の感想だったわけなんだが、演出見てたらそれははっきり分かるんだよね。それに絡めて今回非常に興味深かったのは、彼女が手にするペットボトル。久美子に押しつけたことからも分かる通り、彼女が振り回していたペットボトルは「冷たさ」の象徴。彼女がそれを持っていることが、熱気溢れる吹部の中でも彼女だけがオンリーワンの存在であることの提示になっている。そして、今回のハイライトで「どうでもいいんだよね」と漏らしたその一瞬だけ、彼女は「依り代」としてのペットボトルから手を離し、窓際に置くのである。つまり、あの言葉から溢れ出る「冷たさ」には、ペットボトルの冷たさは関与していない。全て、彼女自身の発露なのだ。そこからまたすぐにペットボトルを手に取り、「冷たい仮面」をかぶって飄々と去っていく彼女の背中は、本当に異質で恐ろしい。

 ここから先、彼女は一体、何をしでかしますかねぇ……。

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 ご機嫌なDIO様はあらゆるものを砕くよ、第46話。こうしてみると、花京院は本当に瞬殺なんだなぁ。全部で6人(5人と1匹)のパーティーなのに、うち2人は終盤で瞬殺って、考えてみりゃすげぇ展開。でも、アヴドゥルの死についてはヴァニラアイスがフォローしてくれてて「あいつのおかげでおまえら勝てたんやからな」って言ってるし、花京院のメッセージも、ちゃんと勝利に繋がってるんだからよく出来たお話である。

 普段なかなかお目にかかれないことだが、今回は割とダイナミックに原作の順番をいじってきている。ザ・ワールドの答え合わせ部分を後に回し、「さぁ、よかったら君も花京院と一緒にDIOの能力を考えてみようか」みたいな構成。確かに、半径20メートルエメラルドスプラッシュ発動直後にDIO目線で答えを見せてしまうと、その後の花京院の命懸けシンキングタイムがどうしても流れ作業になってしまうので、こうして順番を入れ替えるというのは面白いアイディアだ。おかげで、一番最初に花京院が吹っ飛ぶシーンは「外から見たザ・ワールドの強さ」がよく分かるようになっており、理不尽な勢いで吹っ飛ぶ花京院が実に悲惨である。わずか一撃の腹パンで沈んでしまうのは何ともあっけないが、100年前のディオの強さを考えれば、スタンドが機能しない花京院なんて単なる男子高校生でしかないわけで、最強吸血鬼とタイマン張れる道理などないのだ。そして「それでも立ち向かう」というところに意義があり、彼の断末魔のエメラルドスプラッシュは、情感もたっぷりに彼の退場を華々しく彩っている。この容赦無い流れの中では、悲しんでいるヒマもないのが辛いところである。

 そんな花京院の勇姿を見届けたジョセフが、いよいよ因縁の敵であるDIOを正面から対峙する。ハーミットパープルでしゃきしゃき空中を飛び回るジョセフの姿は(原作でもそうだけど)なかなかファンキーであるが、それ以上に、なんかオーラみたいなよく分からないエネルギーをまとってビュンビュン飛んでくるDIO様がすげぇ。あれ、どういう原理で飛んでるんだろう。原作の時も不思議だったけど、「まぁ、ザ・ワールドの力があれば思いっきり自分の身体をぶん投げることで飛行くらいできるんだろうな」と納得していた。ただ、今回のアニメをみる限りでは……完全に舞空術だな。気の力で飛んでるな。あのDIOの回りのオーラってオレンジ色の闘気っぽいものでいいんだろうか。原作だと白いから分からないけども……。まぁ、「こまけぇことはいいんだよ!」の精神でどこまでもかっ飛んでいけばいいじゃない。「時間止まってても波紋に触るとヤバいの? あくまで呼吸で得られる生命のエネルギーなんだから、止まってれば大丈夫じゃない?」とか、「半径20メートルの外からの攻撃に、射程距離10メートルのザ・ワールドが余裕で対処出来たのはなんで?」とか、「どうせ頭は波紋のバリアがないんだから、直接頭をぶん殴ればよかったんじゃね?」とか、そういうことは気にしない。DIO様は色々とお楽しみになっておられるのだ。無粋な邪魔をしてはいけない。

 何よりも楽しそう、これが一番大事なことですよ。一応ジョセフも承太郎も直接会うのは初めてのこと。ジョセフは辛うじてテレビを通じて念写で(一方的に)対話したことはあるかもしれないが、承太郎に至っては、ひょっとしたら見るのも初めてかもしれない。そんな状態にも関わらず、DIO様は大変親しげに下々の者とも対話してくれるのです。まるで旧知の親友のように、拳と拳が触れあう距離でのお戯れ。ジョセフはジジイになってるからしょうがないとしても、正直、「あのジョナサン」の子孫として、承太郎に初めて会ったらけっこうショックな気がするよ。「あの気高い精神の英国紳士の子孫も、ジャパンに渡ったらこんな憎まれ口を叩く不良学生か……」とか、ちょっと寂しくなるかもしれない。将来的には立派な海洋学者になるわけだが、そんなことはDIO様のしったこっちゃないし。でも、DIO様はやっぱり嬉しいんだ。「ジョースターの血統かぁ。久しぶりだなぁ。波紋とか懐かしいなぁ」とか、過去の思い出を色々と振り返っていたに違いない。この後ますますテンションが上がっていく彼のことを考えると、それくらいの親しみがこみ上げてくるんですよ。

 でも、猫いじめるのは良くないな。荒木センセ、ほんと猫に容赦無いよなぁ。

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 闇堕ちを適当にごまかした腹黒ウサギを許すな、第10話。なんでい、もう少し揉めると思って期待してたのに……せめて一回ガチでシアンとぶつかってギターテクでボコボコにされれば面白かったのに……導入までが本番やったなぁ。

 今回の展開見てて何か記憶に引っかかるなー、と思ってたけど、あれだ、蛸壺屋のけいおん同人誌だ。唯=シアン、澪=チュチュできれいに符合する。まぁ、ありがちな嫉妬のお話といえばそれまでなんだけど、暗い自室でPC開いてるチュチュの画なんかがイメージまんまなんだよ。最終的に地元の星に戻って運送業の手伝い始めたモアがメジャーデビュー後に薬に手を出したシアンの訃報を聞いて「あちゃー、シアンとうとう死んじゃったぴゅる?」まで想像出来た。まぁ、残念ながらそんな話書いたらサンリオさんと激しい法廷バトルを繰り広げることになりそうではあるが。放課後ティータイムにこうした軋轢が一切無かったのは、やっぱり部長が人格者だったおかげでしょうね。

 でも、チュチュのダークサイドはマジで暗黒同人誌くらいの迫力があったはずなんだよ。確かにダガーに籠絡されたという事実はあるものの、どっちかっていうとレイプ眼でのプラズマジカ脱退宣言よりも、自室で鬱々としながら「プラズマジカは踏み台」「目的のためなら手段は選ばない」ってキーボードを叩いてるチュチュの方が確実に危ない。よくもまぁ、今まであんだけの黒い怨念を隠し通してきたものである。前回の対バンでようやく漏れ出てきて、クリクリのおかげでついに噴き出すことになったわけだけど、それまでの間、あんだけ色々ともめ事があったのに、一切「もうこの踏み台とは付き合ってられねーな!」みたいな投げやりな態度にならなかったのは凄いと思う。まぁ、それまでは他の面子(主にシアンとレトリー)のもめ事が多かったせいで、「自分の方が上からものが見えている」っていう余裕があったのかもしれないけども。今回、リーダーとしてのチュチュは完全に打ちのめされ、ようやくレトリーたちと「対等に」対話出来るようになっているのは落としどころとしては良いところなのかもしれません。

 それにしても、この世界のプライバシーってどうなってるんだろうな。一応ダガーはダークモンスター召喚能力を持ち、前回ラストではクリクリのメンバーを謎触手で飲み込んじゃっているのだから、この世のものではない何かっていうことでいいのかな。でなければ、あそこまであらゆる事象を見透かせる能力はちょっとヤバい。メロディシアンが見える能力はそれだけでも充分に有効なものだし、彼の話しぶりを見ているとまるでチュチュの部屋を盗撮していたかのような精度で彼女の心中を言い当てている。流石に盗撮は嘘だろうから、多分メロディシアンの色を見ることでそこに宿る情念も全て読み取ってしまえるのだろう。すげぇなオイ。一体何者なんだろう。そして、メイプル社長も一体何者なんだろう。エンディング映像でシリアスもハッピーも全部吹き飛んだがな。やっぱり今作一番のヒロインは社長なんだろうか……。

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 心得てるんだか心得てないんだかよく分からないサービス展開が続く、第5話。一瞬だけテンションあがったけどさぁ、やっぱりあそこでの青銅勢の登場は意味がよく分からんよね。

 前回はデスマスクの兄貴がこれまでの悪行をぶっ飛ばす大活躍で魅せてくれたわけですが、今回は蟹座のカの字も出てこなかったり。11人もいると1話で全員に活躍させるのは当然不可能なわけだが、彼は今回、一体どこで何をしていたんでしょうね。そして、前回の復習をするアバン部分で「命を落とした」とサラリと断定されたアフロディーテ。いや、そりゃやられたのは分かってるけどさ。やっぱりかわいそうな扱いだよなぁ……。

 だが、そんなアフロディーテも無駄死にしたわけではない。「ユグドラシルの結界はめっちゃ強いけど、3カ所叩けば何とかなるよ!」という貴重な情報をムウに託して倒れていったのである。そう、聖闘士星矢名物、「何カ所かの目的地をクリアすればボスのステージに進めるよ状態」に突入したわけだ。「なるほど、今回はユグドラシルの根っこか。これを破壊するお話で今後は黄金聖闘士と神闘士がそれぞれぶつかるんだな」と思ったのも束の間、実はこのグレートルート(大いなる根)、3カ所しかない。まだ黄金聖闘士は10人ご存命のはずなのに3カ所。少ない。少なすぎる。わずか4人(実質5人)で世界中の海を支える柱を壊しまくった星矢たちに比べればイージーなミッション。ただ、これを破壊するには「神聖衣にならなきゃいけないっぽいよ」という、何ともふわっとしたシャカの情報もあり、とにかく各ポイントに神聖衣経験者が向かうことに。これ、アイオリア・アルデバランが確定してるのはいいとして、もう一カ所はそれこそデスマスクがいけば良かったはずなのだが……音信不通なのかしらね。

 今回一番不思議だったのは、いつの間にやら接続された黄金聖闘士間の無線LANである。これまでは「お互いどこにいるのかわからねーなー」って探し歩いてたはずなのに、今回何事もなかったかのようにテレパスで会話しているのである。ムウがいちいち直接会いに行ったおかげで接続出来たのだろうか。でも、ラストシーンでは普通にアイオリア・アルデバラン・ミロの3人も通じてたよな。あんな便利な能力があるなら最初から使えば良かったのに。そしてサガとかシュラも呼んじゃえば良かったのに。少なくともアフロディーテとムウは繋がっていたということなのだから、そのままの流れでデスマスクも捕まりそうなもんだが……通話中で回線が繋げないとか、そういう制限でもあるんだろうか。

 まぁ、とにかく便利な共有能力が手に入ったおかげで、3カ所同時進行のミッションも非常にスムースに進む。「突然青銅勢が現れた!」という、視聴者にとってもとんでもないサプライズについても、リフィアさんがタネを知っていたおかげで、一瞬にして情報共有&クリア。人騒がせでがっかりな幻である。結局星矢たちは一言もしゃべらなかったしな(ギャラの関係で)。いや、こんなところでちょこちょこしゃべられても困るけどさ。一瞬でも「旧版キャストでしゃべったりするの?!」って期待しちゃった俺のドキドキを返せ。それにしても、「フィンドルの冬」とやらの効果は結局どの程度のものだったのだろうか。アンドレアス様は「ときに心の闇を見せる」とドヤ顔で言ってたけど、童虎もアルデバランもミロも大した悩みは抱えてなかったということなのか。まぁ、黄金部隊の中では割と悩みのなさそうな3人ではあるが。童虎に紫龍の幻を見せる理由はまぁ分かるし、アイオリアに星矢もギリギリ分かるけど、アルデバランに瞬とかいう関係性がいまいち分かりませんよね。多分ソレントの幻とかの方が何倍もダメージあると思うんだけど。あと、いっそサガの幻っていう手もある。なんで律儀に青銅でそろえたのだろう(製作の都合と視聴者サービスです)。

 しかし、しょぼい幻でガッカリしたところにちょっとしたサプライズが舞い降りる。なんと、アイオリアにだけ特別メニューとして「シュラの幻」をプレゼント。これまであまり語られることのなかった、アイオリアとシュラの確執のお話だ。アイオロスを手がけたというシュラの「罪」について、アイオリアがどのように捉えているかという事実確認と、悲劇を生んだあの日の思い出。シュラさんはエクスカリバーで倒せないと見るや、即座にもう1つの見せ技であるジャンピングストーンを披露し、そのスタイルはあの日の廬山亢龍覇のごとし。シュラさんの無骨な職人気質が確認出来たし、改めて黄金の友情が深まったよいシナリオである。あとショタシュラさんがなかなかカワイイ。

 ちょっと良い話を挟んで、あっという間に目的地に到着。そこで、ミロが適当に聞き流していた衝撃の事実が更に追加される。「神聖衣になるには、小宇宙をめっちゃ高めた上で、アテナにゆかりの何かが無いと駄目っぽいよ」と。うーむ、これは厳しい。いや、アルデバランとかデスマスクの覚醒の理由も割と適当で如何なものかと思うが、つまりは「ミロ! 君はいっつも仕事が地味だし、なかなかアテナと絡むような目立った活躍が無かったから残念!」って言われてるようなもんだからなぁ。ミロさん、一番真面目でこまごまと働いてくれているのに、気苦労ばかり多くてアテナの庇護を受けられなかったとのこと。その結果、シャカがどさくさで拾ってきたあの短剣を強制使用することでドーピングからの神聖衣発動。結果的には2人目の退場者となり、巨大な触手根っこにズルズルと食われてしまうこととなった。うーん、最後の最後まで損な役回りだったなぁ……。せめてラストバトルくらいは人間相手で終わらせたかっただろうに……。まぁ、7人の神闘士の人数に合わせなきゃいけないので、多少の間引きはしょうがないんだけどね。ご冥福をお祈りします。そういえばエンディングでうつされるサンクチュアリの火時計、前回は1つ消えてただけだった気がするんだけど(うろ覚え)、今回3つ消えてたね。あれ、黄金聖闘士の人数に対応してるわけじゃないのかな。アイオロスがいない換算?

 さて、次週からはいよいよ神闘士との激突ということになるか。現状、黄金が3人減ったとすると9人だが、1人寝返っているのできれいに8対8。相手側に正体不明が1人いるのがどういう風に転ぶのかが気になるところだし、そもそもラスボスってアンドレアスさんじゃなくてリフィアの方なんじゃねぇかっていう。色々と先が読めないのはオリジナル作品の良いところである。

 個人的に今回のツボポイントは、「あーもう! 面倒臭いなー! 金牛宮で座ってる仕事の方が楽でいいわー!」みたいなテンションのアルデバランさん。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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