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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「Fate/stay night[UBW](2期目)」 5

 2期目始まりました。初っぱなからセイバーさんがクッソエロいシチュエーションでエラい事になってますが、今作は残念ながらセイバーさんにはあまりスポットが当たりません。

 特に言うこともないかな。1期目の感想で書いたことと大体同じで、そりゃま、映像見てて綺麗だとは思うのだが、Zeroの時みたいに熱烈に盛り上がるでもなく、一度知ってしまっているシナリオをただ黙々と追うだけになるので、いまいちモチベーションも上がらぬ。アーチャーはそりゃ格好良く描けているのだろうがなぁ。相変わらずこっちのデザインの凜の顔にも慣れないし。少なくともそこは間違いなくDEEN版の方が良かったところでね。大人しく割り切ってアーチャー△っぷりを楽しむのが正しい姿勢なんだろうなぁ。

 それにしても、殆ど何もせずあっという間に1話目が終わってしまったな。これはそれだけ密度が濃かったってことなのか、マジで特になにもしていないのか。ひょっとしてこれでもセイバーさんが喘ぎすぎなのか?! この尺でちゃんと最後まで終わるのかね。個人的に一番のお気に入りはOPのAimerかな。エンディングもKalafinaでばっちり決めてくれているし、そういうところのセンスは好き。

 

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○「ガンスリンガーストラトス」 5

 なんだか聞いたことのあるタイトルを足しあわせたみたいで微妙に覚えにくいタイトル。「ブラックブレット」よりはマシだけども。

 ちょっと調べて知ったんだけども、これってゲーム原作なのね。しかもいわゆるアーケードゲームのガンシュー。わたしゃこれまでの人生でゲーセンという空間とは全く縁のない生活を送ってきたのでこういうジャンルってのは全く知らない。最近はゲーセンも随分様変わりしたと聞くが、ガンシューってジャンルは今でも残っているものなのだろうか。「さばげぶ」でモモカが対戦してたっけなぁ。

 そんなわけでジャンル自体もよく分からないのだが、作品についてもやっぱりよく分からない。製作はA-1。今期A-1は「電波教師」「うたプリ」「なのはVivid」と4作同時であり、前クールのディオメディアと同じような状態に見えるのだが大丈夫なもんだろうか。ただ、「電波教師」は割と酷かったがこちらの作画は普通。取り立ててびっくりするような部分もないが、1話目でそんなに気になるような部分もない。ガンアクションと格闘技を足しあわせたような戦闘場面、主人公カップルが異世界に転移した動きの大きなアクションシーンなどはそれなりに丁寧に描かれており、このままのペースならば大きな問題にはならないだろう。脚本の面は、今のところは「よくわからねぇ」としか言いようがない。まず世界設定がよく分かってないし、主人公のパーソナリティも分からない。そのあたりは、ラストの引きの部分が気になる終わり方になっているのだから次回以降に追々説明されていくのだろう。取っつきやすいとは言えないが、それなりに何がしたいのかは想像できるのでそこまでストレスにはならず、現時点では「様子見」といったところ。惜しむらくは、女の子のデザインでそこまで惹かれる部分が無かったのが残念であるが……まぁ、そのあたりもキャラが出来上がってきてからの勝負だからね。そういや原案にニトロプラスって書いてあって、当然のように虚淵の名前があがっていたわけだが、今作のメインシナリオはどういう風に進んでいくんでしょうなぁ。

 中の人は……なんかパツキンの先生のことだけ注意しておけばいいんじゃないでしょうか。あの人もバトルにがっつり絡んでくるのかしら。どうなのかしら。

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○「ハイスクールD×D BorN」 6

 三度参上。この世界に柳沢テツヤの仕事がなくなることは無いのである。

 基本的にはこれまでのシリーズと全く一緒である。やりたいことも、そしてやっていることも。その上で、1期の感想が4点、2期の感想が5点と徐々に上がってきており、3期に至っては初期配点で6点つけてしまっているのは、やっぱり「DOG DAYS」なんかと同じ理屈、つまり「継続は力なり」である。冒頭からなんの躊躇いもなくこの世界に埋没することが可能だし、シリーズを重ねることで得られる最大の武器である「世界の広がり」が手軽に感じられるのが良い。一応は少年漫画的な設定の「成長物語」であり、1期みたいなもやもやした設定消化ではなく、最初からイッセーがいきなり戦えるようになっているのがストレスフリーでらくちん。いきなり目覚めたら全裸巨乳3人に囲まれていたとしても、今の状況ならそりゃしょうがないのである。その上で、ヒロインはどこから手をつけてもいいというバイキング形式であるし、その中にはイロモノヒロイン(??)であるゼノヴィア、ギャスパーも混ざっている。この2期ヒロイン勢、濃いうえにエロシチュエーションでも色々美味しく、更に中の人の普段あんまり見られない面も見られるので刺激が多い。

 おっぱい作画にとにかく力を入れるのはもちろんだが、今期は更に、エロ師匠との謎のおっぱいトークなど、心の底から「あぁ、馬鹿なんだなぁ」ということを確認出来るエピソードも盛り込まれており、とても心穏やかに(?)アホワールドに突入することが出来る。前クールは「新妹魔王」が結局修正ラッシュでもやっとしていたので、あけすけエロの力で色々と吹き飛ばせる今作には頑張ってもらいたい所存。ぴかしゃが、御前が、好きなように喘ぐ! 今期ははたしてどんなヒロインが登場するのか、今から楽しみですね。あと今期は1期同様にStylipSがEDっていうのがちょっと嬉しい。「STUDY×STUDY」は映像も加味して割と好きだったのよね。

 さ、良い子はさっさと寝なさい。

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4月3日 ドラフト模様(DTK×2 FRF

ピック順 【Alessi】→【Sea-chicken】→【Thraxi】→【Serra】→【Sangriter】→【Mei】→

 

 新環境2戦目! ……いつからこれが2戦目だと勘違いしていた?! なんか、俺だけ経験値が少ないんですってよ……理不尽!(後述) もう、ドラゴンとかいらんねん。俺たちのカンの世界を返してくれよ。たくさんの色の世界を返してくれよぉ……。(でも、思ってたほど環境自体が不評にならずに何よりです)

 


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○「長門有希ちゃんの消失」 5

 ハルヒワールドが帰ってきたぞ! ……とは言ってもあの伝説的アニメーションである「涼宮ハルヒの憂鬱」ではない。スピンオフである「ハルヒちゃん」のさらにスピンオフとなる作品。なんだそりゃややこしい。

 原作は何となく既読。元々「ハルヒちゃん」は割と楽しく読んでたので「有希ちゃん」もしばらくはコミック買ってたんだけど、家が狭くなりすぎたせいで残念ながら購読をやめてしまっていた。やめてしまったことは決してネガティブな印象を持っていたからというわけではないが、「まぁ、読まなくても苦しくはない」というくらいの執着だったことによるのである。基本的にはイチャイチャを続けるだけのラブコメ漫画であり、そこに「ハルヒ」ワールドを感じることもそこまで大事ではないし、冷静に考えりゃ、俺別にそこまでハルヒファンでもないし。とはいえ、やっぱりこのアニメを観ると色々と感じ入ってしまう。既にアニメ2期が終わってから5年以上経っており、劇場版「消失」から丁度5年である。数々の伝説を残しながらアニメ「ハルヒ」が5年も沈黙していたことには色々と理由もあるのだろうが、それなりに楽しんでいた身としてはやっぱり帰ってきてほしかったところ。そして、何よりも中の人であるゴトゥーザ様のこともある。この時代に、ちゃんとみくるちゃんが元気に話してくれている。そのことだけでも私としては充分に嬉しいのだ。

 アニメの方は、原作から素直に良い部分を映像化したものである。ちょっとした「可愛い」があり、ユルい中にも要所ではしっかり青春している。本編の方で培い、「消失」で爆裂させた長門有希というレーベルを、徹底的に阿漕に、美味しい方向に引っ張ったのだからそりゃ楽しいし可愛いに決まっている。「最近どっかでこのヒロイン像を見た気がする……」と思ったけど、多分「河合荘」だな。アニメーションは京アニからサテライトへと移されて劇的な制作体勢からは落ち着いてしまったが、正直、本作にそこまで超絶な映像クオリティは求められてはないだろう。何となく抜いた感じで、ゆるりと日常芝居をやってくれればそれでよいのである。

 中の人は説明不要。懐かしのホームに帰ってきたおかげか、杉田もなんだか活き活きしているように聞こえるし(気のせい)、最近じゃ聞く機会も減ってしまった松岡由貴の鶴谷さんも改めて聞くと実に強烈。朝倉さんの活躍シーンも多く、時代を超えてすぐに「あの時のハルヒ」に戻って来られるのは良いことである。あとは本格的にハルヒが介入してきたらどうなるかだね。楽曲についても、ハレ晴れとかスパドラとか「優しい忘却」あたりを改めてリメイクしたら楽しそうだけど、そういう絡め方ってやらないのかなぁ。

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○「食戟のソーマ」 6

 ジャンプ漫画の深夜アニメ化。今作の場合は連載開始からアニメまでかなり短かった印象があるなぁ。

 個人的に、原作はあんまり興味がない。正直言って料理漫画としてはひどく凡庸であるし、わざわざエロ漫画家まで起用してエロ描写で勝負するにしても、ジャンプでそんなものを読む必要は無いと思っているからだ。少年漫画の技法に則った料理漫画という枠も既に前例が多くあり、特に新しい漫画とも面白い漫画とも思わない状態で現在まで続いている。

 しかしアニメの方はというと、なるほど第一話の印象は強烈である。アニメ化が難しいんじゃないかと思われていた原作絵はほぼ完全に再現。ディティールまでしっかりと描き込まれており、絵で人気を勝ち取ったと思われる原作の魅力を一切損なうことなく再現している。作画のポイントは大きく2つ、奇しくも前クールの「幸腹グラフィティ」でも似たようなコンセプトがあったが、「食べ物」と「エロ」である。「食べ物」の方については「幸腹」に負けず劣らず、今作は細かい料理の手順まで説明しながら作っていく必要があり、アニメだとどうしてもそのあたりは流れ作業になって退屈になりがちな部分だが、色々と賑やかな演出を入れることでテンポを落とさず、勢いをつけて表現している。のんびりまったりの「幸腹」とは好対照である。もう1つのポイントである「エロ」の方は、おそらくそっちを最大の焦点として絞ったんじゃないかと思われる馬鹿馬鹿しさが光る。そうだな、エロっていうか「ギャグ」だよな。1話目から男女揃って股間から汁が噴き出しすぎるという、どう考えても「料理アニメ」あるまじき状態になっているが、元の絵が細かくて綺麗なせいで、なんだかそのままごまかされてしまいそうなくらいにしっくりくるのである。これ、スタッフ頑張ったなぁ。

 あとはまぁ、シナリオについては「ジャンプ漫画らしく」まとまっているだけなので、大きく崩れることはないだろう。正直、原作知ってるしアニメとしてはそこまで興味が湧かない気もするが、これくらいのクオリティなら、多少退屈気味でもそれなりに楽しんでいけそうである。

 中の人については、1話目では加隈ちゃんの出番が殆どこれで終わりなのがちょい寂しい。えりな様役には、2期続けて「ワガママ金髪」を担当することになった種田梨沙が当てられた。種ちゃんの好き放題やってるときの声、良いよね。

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○「電波教師」 4

 金曜新番より先にリアルタイムで土曜新番を視聴したため、今期はここからスタート。サンデーが「コナン」と合わせてマガジンからもぎ取った土曜夕方枠で、「まじっく快斗」の後番組としてこれが始まった。

 大分前から番宣は見ていたし、サンデーなんてここ数年ほぼ読んだことないが、何となくその存在は知っていた程度の原作。しかし、この作品もなかなかに感慨深いものである。なにせ、これの作者である東毅という作家は、なかなかに年季の入った同人作家。古くはえんとっくん名義、しばらくしてきみまる名義に改名して活動を続け、気付けばいつの間にやらメジャー作家として一般誌にデビューしているという。「えんとっくん」名義の頃から見てきた身としては、久しぶりの「エロ絵ばっかり描いてたあの作家がついにアニメ化かぁ」案件なのである。そういう意味では、温かく見守っていきたいところではあるのだが。

 ただ、いかんせん1話目はちょいとパンチが弱い。話の骨子が「オタクもの」でありながら、いわゆる教師ものとして機能していることはタイトルを見りゃ明らかなのであるが、そのアンバランスさを調整するための根幹部分に工夫が無いので、初回のインパクトというか、説得力に欠ける。「YD病」とか自称している割に、何故かあっさりと教職に馴染んでおり、文句を言ってる割にはさっさと職務に従っているところに疑問があるし、その部分を単に「天才だから」という一言で処理しているために、彼が熱心に生徒のことを思って活動してしまうことのモチベーションと帳尻が合わない。単に気まぐれで引きこもったりヒーローをやったりするという勝手な奴なんだろうけども、せめてもう少し彼自身のバックグラウンドを描いてくれないと、初回の事件解決の妙なテンションについていきにくいのである。まぁ、その辺は多少なりとも1話目のまとまりを優先した結果だとは思うのだが、このキャラが好きになれるかどうかと言われると、ちょっと自信が無い。

 そして、そんな「普通の」シナリオラインであるが、それを支える画が驚くほどに弱い。かつては同じサンデー作品である「ハヤテのごとく!」も画がひどいことがあったが(3期目かな)、今作は1話目からかなりグダグダ。元々角張っていてアクの強いキャラクターデザインだが、それを綺麗に動かそうという意識が見られず、紙芝居動画が多くなってしまっている。そりゃ夕方枠の「金田一」とか「まじっく快斗」だって飛び抜けて作画が素晴らしいなんてことはなかっただろうが、ここまで低品質を感じさせることはそこまでなかったし、せめて記念すべき1話目くらいはなんとかならんもんかと思う。かてて加えて、一番重要な役割と思われる主人公の妹に全く魅力が無いという。原因は明確で「棒」である。また有名人キャストなの? 自ら好きこのんで作品世界を壊していく制作姿勢ってのはいただけないよなぁ。せっかくの「兄妹」ものであるなら、そこに一番力点を置いて阿漕に売り込んでいくべきところだと思うのだが……夕方新番だとそういうのは気にしなくていいのかねぇ。

 一応、メタレベルでの楽しみ方といえば、本作唯一にして最大の売りとなっている神谷兄ぃの無茶な台詞に苦笑する、っていう方法はある。「声優は神だ」とか言ってるアジアNo.1声優さん格好良い。あと現時点では「だが断る」ってこの声で言っちゃうのは(出版社的に)確実にアウトなんですけどね。そこまで考えてのキャスティングなのか、単にここまで無茶なキャラでも神谷声ならどうとでもなるということなのか。まぁ、後者だろうけど。一応、天ちゃんが「チョーク声」になったときの演技なんかは上手いな、と素直に感心出来たので、今後のヒロインの立て方次第でもう少し評価も変わってくるかも。

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「神様はじめました◎」 5→5

 良くも悪くも安定の2期目。決して外しはしないが、そこまでのロングヒットになってるかというとそうでもない。でも、そういうアニメがあるのは悪いことじゃないよね。

 1期目でもそこまで入れ込むことは無かった作品。1期の感想を簡単にまとめると「もともと少女漫画ってあんまり好きじゃないし、そこまで刺さるもんじゃないけど、やっぱり大地監督の演出は落ち着くな」というもの。そして2期も、大体そんなもん。1期との違いは、当然歴史を重ねた分のシナリオの厚みと、キャラクターどうしの人間関係(神様関係)の変化。2期に入ってこれまで以上にイケメン枠、ヘンテコ男枠が増えて、奈々生の回りはすっかりイケメンパラダイス。基本的にこういう「いかにも少女漫画」な設定は得手ではないし、今回メインとなった天狗絡みのお話や悪羅王関係のエピソードについても、「最終的にみんな奈々生様に押し通されてるわけでしょ」というくらいのものである。巴衛の時もそうだったけど、基本的に奈々生ってのは「なんだか人間味に飢えている変化の類」が人間と神の中間に位置する特異存在である奈々生に接して、「あ、なんかこの娘素敵」ってんでほだされるだけのお話。奈々生自体にそこまでのカリスマがあるわけじゃないだろうし、巴衛に助けられても関係性が固まらずにやいやい悪態ついてる姿なんかを見ると、下手したら我が儘すぎる部分まであるかもしれない。今期の花とゆめ作品で対比させると、ニケ、ヨナなんかよりもヒロインとしての魅力は薄い。

 とはいえ、そうした「ちょっとワガママな女の子」なりの庶民的な魅力ってのもあるもんで、さらに上手いことギャグテイストで丸め込んで、ノリと勢いで「いい子」にしてしまえるのが大地マジックってやつでね。ラブ展開あり、ギャグ展開あり、お涙頂戴ありで、最終的には「うん、いい話だった」と落ち着くように出来ている。こういうジャンルは多分これで良いのだろう。誰もここからドロドロぐちゃぐちゃの展開なんて望んでないんだし、お互い素直になれずくっついたり離れたりの巴衛と奈々生の姿を見て「あらぁ、若いわねー」と眼を細めれば良いのである。ジジイか俺は。

 あとはまぁ、非常に分かりやすい大地テイストを味わいつつ、懐かしい気持ちでみればいいのではなかろうか。やっぱりすごく独特で、抜けてるようで基本は守っているし、ユルいようだけど締める部分はきちっとお話をまとめてくる。なんだか知り合いのおじいちゃんから昔話を聞いてるような安心感があるわね。こういうのも一種の伝統芸能なのかもしれないなぁ。いや、やってる中身は全く伝統って感じではないんだけども。

 中の人については、新番チェックの時にも触れたけど、やっぱり奈々生役の三森がだいぶ聞きやすくなっている気はする。まだ「ハマる」ってほどの没入度にはなってないけど、1期目の時みたいに「そこは三森じゃないだろ……」という気持ちはあまり起こらなくなった。単に慣れただけなのか、流石に彼女もこの数年で腕を上げたのか。どっちなんでしょうね。あと、確実にバニラ声を聞けるのも今作の楽しみの1つ。弁師がちゃんと弁師の仕事してるアニメって、これくらいじゃね?

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 クるなぁ……第11話。いよいよもって核心に迫るお話。当然それはとても残酷で、とても苦しいお話である。

 ようやく蘇る智幸の記憶。彼女が失った死の記憶は、大体予想された通りのものになっている。スケートに人生を捧げた彼女は、若い身空でその人生を捨てることとなり、現実を許容出来ずに自ら幕を下ろすことを選んだ。正直、私自身が死を選ぼうなどと考えたこともないし、彼女のように全てを失ったと感じたことなんて人生で一度たりとも無いので、彼女が何故そのような心理になってしまったのかは理解できない。「スケートを失ったことに絶望した」人生であるというならば単純ではあるが理解も出来ようが、どうも彼女のモノローグはそういう描かれ方になっていない。生き甲斐を奪われたそのことは当然ショックだっただろうが、その後に自分の人生を考え、そこに何も「得られる」実感が無かったことで、彼女は「死にたくなった」のではなく、「分からなくなった」のではなかろうか。家族とはなんだったのか、友人とはなんだったのか。彼女の人生において、それらは全てスケートを介して存在するものであり、全てにおける基点となったスケートを失うことは、彼女の回りの世界を全て「分からないもの」に変貌させてしまった。人生とは何か、生きるとは何か、そして死とは何か。分からくなったから、彼女は散歩に出かけるのと同じように、死出の旅路への道のりを選択した。そこには希望も絶望もなく、ただの「喪失」だけが残されている。

 彼女がそうした記憶を失った状態であるにも関わらず「死んだ」という事実のみを覚えていたのは、ひょっとしたらそうした「死のとらえ方」が一般的な人間とは違っていたからかもしれない。普通の人間は、どれだけ急な死に様であっても、「自分が死んだこと」を理解する。そして、「死にたくない」と思ったり受け入れたり、とにかく自分の中で「死」に対して向き合う。ギンティの言っていた「死に直面した時に初めて考えること」というのがそれであろう。しかし、智幸の場合にはそうした「死と向き合うこと」すら存在しなかったのではなかろうか。彼女は死のうと思って死んだだろうが、そこには元々「分からない世界」「分からない生」があり、そこに「分からない死」が平等に与えられただけ。彼女にとってその行動は何か2つの世界を分かつ選択ではなかったのであろう。おかげで、彼女は記憶を失うことにはなるが、「死を選んだ」という記憶だけは残されたままでクイーンデキムにやってきたのかもしれない。

 こうして失われた彼女の人生が、今回はスケートのプログラムと共にゆっくりと立ち現れる。これまでの10話ではずっと黒塗りだった彼女の人生。同じように薄暗くモノトーンのスケートリンクでしなやかに動き出した彼女の人生が、スケーティングの速度と一緒に加速し始める。黒衣、黒髪、ずっとモノトーンだった彼女の回りに、少しずつ色がつき始める。フラッシュバックする様々な記憶と共に、彼女の人生が一気に画面に花開いていく過程は圧巻で、ただ無言で、1人の女性の記憶がなだれ込んでくるのを受け入れるのみ。ひょっとしたらこれが裁定者の受ける「記憶の奔流」なのだろうか。明るく楽しかった彼女の人生。活き活きと躍動するスケーティング。それらが素晴らしければ素晴らしいほどに、観ているこちらは締め付けられるような思いになる。それらは全て、失われた過去のものであることを知っているからだ。

 全ての記憶を取り戻し、彼女の演技は終わる。デキムとの一時で、彼女は自分が「失った」ことを語り、代わりにそれをデキムに与えることになった。死んでから分かることもあるし、生きているからといって全てが分かるわけではない。「死んでいないし、まして生きてすらいない」と漏らすデキムに対し、智幸は何か「生きた印」を与えることが出来たのだろうか。今回は、スケートシーンを含む全てのシーンが非常に緊迫感のある高質な映像で構成されているが、キーとなるシーンがいくつか、オープニング映像から採られているのがまた印象的だ。具体的には、メメントモリと名付けられた酒を飲む智幸のカット、エレベーターに向かうノーナのカット、そしてCパートの智幸を抱きかかえるデキムのカット。ここまで全て構成済みの状態で作品が提供されているのだなぁ、ということが実感出来ると嬉しくなる。

 そして、今回は智幸の物語と並行して、ウィーギンティではマユを巡る物語も展開されており、こちらも恐ろしいほどに重たいものになっている。いなくなったと思っていた原田のボディがどこからともなく現れ、マユには「原田を虚無から救うか、全く知らない人間を救うか」という選択を迫られる。原田が虚無堕ちしていたというのも驚きであるが、ひょっとしたらそれをとっておいてここで切り出してきたのは、本当に底意地の悪いギンティの悪辣な手口の1つなのかもしれない。他人の行く末を決めるという手に余る難行を押しつけられたマユ。彼女は結局、そんな無理難題を受けて原田を救う道を選んだのだろう。ギンティはそれを観て、「やはり人間とはどこまでも勝手な存在だ」というので、2人をまとめて虚無送りにすることを決める。これこそが既存の裁定。デキムが疑問を持った、人の血を必要としない裁定の形だ。マユは望まぬ形で結論を叩きつけられ、そのまま絶望と共に虚無へ堕ちる。最後に原田に意識が戻り、2人の魂が溶け合いながら消えていったことは、最後の救いを意味するのか、救われない2人の末路を描いただけなのか。

 ギンティの行った非情な裁定は、どう考えたってやるせないものだ。たとえマユでなくとも、あの場面で正解など出せるわけがない。そもそも正解がない。だからこそ彼女は、最後の最後まで自分を貫くことでせめてもの抵抗とした。原田がいなければ自分の人生など意味が無い。だから原田を救うことにどんな代償でも払うことが出来た。既に出来上がった彼女の人生に「原田がいなければどうするのだ」と問うことは、まったく意味が無いのである。彼女は自分の生と向き合う中で、それが自分の世界であると定めたのである。そして、ギンティの「職務」もまた同様である。彼は自分で何も決めない。ただ仕事として与えられたからこそ、裁定者の職務をどこまでも忠実にまっとうする。マユが自分で決めた「何も無い」死だったとするならば、ギンティは自分で決めない「何も無い」生である。

 他方、そうした「決める」という選択が出来なかったのが、智幸とデキムの側である。智幸は自分の生きる目的を決めたつもりであったが、いざそれを剥奪されると、全ての人生が意味を失ってしまった。彼女は「決める」ことが出来ずに終わった人生だ。デキムの方も、裁定者の仕事を与えられながら、それが正しいのかどうかは未だに迷っている状態で、決められない状態にある。マユの人生が正しかったと思う人間は少ないかもしれないが、少なくとも彼女は「考えて答えを出す」過程を辿った。そこにはきちんと「メメント・モリ」のメッセージが息づいている。今度は智幸の、そしてデキムの番だ。最終回で、ノーナさんはどんな幕引きを求めているのか。オクルスはどこまで介入するのか。緊迫の最終回である。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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