最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
メイジンのメイジンによるメイジンのための第12話。もう、シリアスをやればやるほど笑えるってのは本当にずるいと思います。 相変わらずの展開を続ける本作であるが、正直、2期に入ってから不満がぽつぽつ出ていたのも事実なのではなかろうか。その一番の要因として考えられるのは、「せっかくのチーム戦なのにその設定が活かされていない」という部分。3人の主人公を同時に動かし、見せるのは非常に難しいところで、満遍なく描いていこうとするとどうしても散漫になってしまう。セカイに関しては前作レイジの恩恵もあって「単にパンチするだけの主人公」ながらもそれなりに見映えはしていたと思うが、正直ユウマの影の薄さ・噛ませ感はいまいち釈然としないものがあったし、フミナ先輩に至ってはエロ目線での貢献を除けば「チームの装備品」扱いである。これではせっかく広がった世界観も持ち腐れ。おかげで「わるかないが、やっぱり1期の方が」みたいな感想が出てくるのも仕方なかったのである。 というわけで、今後のてこ入れの方向性としては、やはりたっぷり時間を割いてトライファイターズの3人をそれぞれに鍛え上げていくしかない。アドウとの出会いでようやくスポットが当たったユウマであるが、今回は「2度目の敗北」というどうしようもない状況に、最大の切り札、メイジンカワグチが手をさしのべてきた。前回の登場シーンからして手加減無しのメイジンっぷりであったが、今回もその勢いは全く衰えることなく、むしろアカン方向にガンガン加速。もうどうにも止まらない。アドウとの対戦では「アドウたちもレジェンド軍団には憧れを抱いている」ことが明かされ、あれだけの強さを誇ったアドウが目標としているということは、この世界では1期チーム(メイジン、フェリーニ、ニルス、ルワンさんに至るまで)は中高生軍団とは次元の違う存在であることが強く描かれている。アドウが切り札を出した際にはメイジンも眉をしかめたので「絶対に届かない存在」とまではいかないようだが、簡単に渡り会える存在ではなく、おそらく今作で「レジェンド越え」に相当するイベントはなさそうだ、という予測も立つ。あくまで「レジェンドに追いつく」物語になるだろう。 そんな中でのメイジンである。黄昏の中、真っ赤なサイドカーに乗って現れるメイジン。なんだそのデザイン。お前、別にレッドウォーリアがトレードマークでもなんでもないだろ。ラルさんすら驚いてたんだから、多分あの機体は初お披露目だろ。なんでそれに合わせた単車持ってるんだよ。しかもサイドカーだよ。誰を乗せるつもりだったんだよ。更に真っ赤なフルフェイスヘルメットのガードを開けると、中からサングラスが出てくるという一発ネタまで仕込んでいる。確実に「笑ってはいけないメイジンカワグチ」の世界である。そりゃプラモ屋店員もサイン待った無しである。後でしてくれるって言ってたけど、おそらくあのままユウマと閉店時間まで特訓してるんだろうから、サイン会は閉店後に開催されるはず。小さなお子様は晩ご飯の時間だから帰らなきゃいけないので、結局店長くらいしかサインは貰えないことに。メイジン鬼畜。 メイジンがなぜここまでユウマに肩入れしてくれるのか。ユウマがガンプラビルダーとしては一級の腕を持っているため、その腕を見込んでのフォローという側面はあるだろうが、やはりメイジンの中でユウマのお姉さんとの関係性は大事にしたいと言うことなのだろうか。彼からしたら大戦友にして最大のライバルの嫁の弟。メイジンマインドからしたら義理の弟も同じである。そんなアツいアツいコネによって、ユウマは無事にワンランク上に上がることが出来たらしい。まぁ、メイジンがバトルを通して伝えたことって、「お前は操縦が下手なんだよバーカ」ってことだけなんだけどね。つまり、1期で言ったらセイと同じ立ち位置じゃん。バトルに出てきていいんでしょうかね。 そして、もう1人のチームメイトであるフミナ先輩のところには、謎の女性「レディ・カワグチ」が同様に夕日を背負って現れた。やめてよ! メイジン増殖とか勘弁してよ! もう、こっちも同じテンションで色々辛いわ。「カワグチの名を受け継いだもの」って、そこはメイジンの称号を受け継げよ! なんで「川口」の方を受け継ぐんだよ! 名人要素が無くなって「レディ・カワグチ」だと、単に「川口さん(女性)」っていう意味しかないよ! 誰だよ! あー、でもSDバトルは今回文句無しで一番格好いいシーンだったなぁ。SDの覚醒シーンであそこまでイカす演出になるのは相変わらずのクオリティ。コロコロ表情が変わるのも良いし、もっとこの世界にSDが増えてもいいかもしれない。あんだけイキッてた「出来る女」風の奴が使ってる機体がSDってのもオシャレである。女同士で語らうことも多いでしょうね。フミナ先輩が何に「気付いた」かは分かりませんが、是非「このままじゃ単なるエロ要員で終わってしまう!」ということに気付いて一念発起してほしいものです。 そしてラストには更なる衝撃、ガンプラを直すと言って工作室(なぜか豪華な中庭に接続)に向かったセカイが、透き通るような銀髪を持った新キャラ美少女に遭遇。こやつは一体何者なのか。その素性はさっぱり分からないが、出会いのシチュエーションから考えて「ビルドバーニングを直してパワーアップさせてくれる超ビルダー」であることは間違いなさそう。あれぇ、新しい女性キャラが出てきちゃうと、フミナ先輩・ギャン子と構成していた三角関係が更にややこしいものに……。実は紅顔の美少年である可能性が……ないなぁ。 PR キャラクターに「よくある話じゃない」って言われちゃったらもう突っ込みようないやんけ、第12話。まー、よくある話ですけどね。でも色々とおかしいところも多い気がするんですが……。 「過去話だから色々明らかになるかな」って思ったら、ほぼ全部一気に明かされちゃうという大盤振る舞い。世界の底があっという間に見えて、なんか大したことない話なんじゃないかっていう匂いがムンムンである。ここからあと1クール何したらいいんだろう。とりあえず、冒頭ではいきなり世界代表王族会議(ヴァーチャル)が開催された。この世界は全ての国家が「王族」の管理による王国(皇国)となっているらしく、その首脳陣4〜5人が集まって、「世界のあり方」という尊大な議題で喧々囂々。「おい、ドラゴンが出てくるゲートの管理はミスルギやないか、ちゃんと見張っとけ」というと、お兄様が「知りませんな、それよりアルゼナルの管理してるそっちの国はどうやねん」と大揉め。「ノーマによるドラゴン討伐システム」はこの首脳会議の場でコントロールされていたものらしく、予定外の出来事が起こってドラゴンが跋扈しちゃうと、「世界の終わり」レベルで危ないらしい。「ドラゴンに従う? ドラゴンを全滅させる? それとも、世界再編?」という無体な三択を提示したのは、謎の関俊彦・エンブリヲさん(ヲの表記は公式ページによる)。「いいね! 新世界!」と阿呆の兄貴はとても乗り気であるが、おそらく「世界リセット」というのを「アルゼナル全滅、つまりアンジュ誅滅」という風に自分に都合良く解釈した結果だろう。CV関俊彦のキャラがそんな単純で阿呆に好都合な話を持ってくるとは思えないのだが。 舞台はアルゼナルにうつり、ここからがジル司令の長い長い説明が始まる。要約すると、「1.人類は完璧じゃないよね」→「2.遺伝子操作で、マナが使える超優良人類を作ったよ!」→「3.これでどんな望みも叶うし、争いも憎しみもない完全な世の中になるよ!」→「4.でも、どうしても生まれてくる子供にバグが混じるんだよなぁ」→「5.そいつらはノーマって事にして、被差別民にするとストレス発散出来て丁度良いよ!」→「6.でも迫害された旧時代の民族が反乱起こすんですわー」→「7.ついに反乱軍が神様の武器を手に入れたんですわー」→「8.操縦の仕方が分かんないから役に立たないね!」→「9.なぜか王族出身のノーマだとラグナメイルが使えるよ!」→「10.でも、ジルさん一人じゃ勝てなかったよ……」→「11.ようこそアンジュ!」。更にここに「ドラゴンとは何か」を加えることで、この世界を組み立てる全ての理屈に説明が……つかないよなぁ。まぁ、まだ謎は残ってるってことだけど。 まず、エンブリヲさんは神様っていうかハイパー科学者みたいなものなのだろうか。「光あれ」で世界創造とかするんじゃなくて、地味にビーカーと試験管でもってマナを使える人類を作ってた。まぁ、人類更新はかなり昔のことだろうから(でないとアンジュがそういう事実を知らないはずがない)、エンブリヲはおよそ寿命とは無縁の超存在なのは確かだろう。で、上記の②まではいいのだが、③はよく分からないよね。マナが使えるからって人類は平和にならないだろ。それこそ脳幹いじって本能の部分を抑圧するとかなら効果ありそうだけど。力を手に入れたからって、人間が無害になるわけやないんやで。そして、もしその段階で無害な人間のみのユートピアが出来たのなら、⑤のくだりもいらないよね。迫害民なんていなくても世界は平和なわけだし。わざわざ偏見を植え付けて殺伐とさせる意味が分からない。「ノーマは全員アルゼナル送り」っていうルールさえ徹底しておけばいいのでは?そして、神の兵器であるラグナメイルの存在も謎。まぁ、ここはまだ明かされてない設定なんだろうけども、神を打倒するために神様の開発した機械を使っても意味は無いのでは……。 まぁ、突っ込みはもう少し話が進むのを静観してからかね。そんなお話をしている間に、容赦無く事態は進んでヴィヴィアンのドラゴラムが発生。味方に銃殺される桑島展開になるかと思われたが、そこは怖いもの知らずのアンジュさんのおかげで事なきを得る。そのどさくさで「ドラゴンだろうがルリグだろうがヒディアーズだろうが、全部人間やで!」というジルさんのありがたいお言葉に、アンジュも激おこ。「今まで人間を殺させていたのか!」ってことですかね。いや、でもあんた国に帰ったら国民殺さんばかりの勢いだったじゃないですか。今更人殺し云々でブツブツ文句を言われてもなぁ。これでうっかりヴィヴィアンの殺害後だったら説得力もあるのだが。「やられる前にやれ」は相手がドラゴンだろうと人間だろうと一緒なんだから、気にしなくても良いのでは? まぁ、そのどさくさで他のメンバーにも事実関係がばれてしまったのはまずかったかもしれないが……。大丈夫、ラストにはわざわざお兄様の方から虐殺展開のために来航してくれたよ。やられる前にやれ、だよ! というわけで、次回もおそらく壮絶な展開になるでしょうねぇ。やる気満々のお兄様と一個兵団を相手に、アルゼナルがどう戦うことになるのか。うっかり甘言に乗っちゃったロザリーあたりがあっけなく死んでも驚かないぞ。いや、でも今のメンバーはそれなりに最後まで共闘する面子かな。今回、ヒルダが復権して割と有能なリーダーシップを発揮しているのがなかなか良かった。逆にがっかりなのはクリスちゃんで、あれだけ悪ぶってヒルダを見下していたのに、今回はまた以前のような表情に戻って回りにながされてしまった。お前の覚悟はそんなものか。しっかりしろ。 そして作画陣はもっとしっかりしろ。超展開で盛り上がるところなのに、作画が全部ガタガタでさっぱりシリアス話が頭に入ってこないやんけ。もう、耳だけに集中して「ドラゴンの鳴き声で歌う桑島法子」だけを延々リピートですよ。 「オオカミ少女と黒王子」 4→3 看板に偽りあり。結局、オオカミ少女は大して嘘つきでもなく、黒王子はむしろ「黒歴史王子」っていうなら納得出来なくもないが、特に悪人でもなんでもないっていう。まぁ、そうなるとは思ってた。 結局「少女漫画っすなぁ」としかいいようのない作品。初期設定の奇抜さで勝負するのが慣わしになっているのか、この手の直球少女漫画ってのは出会いのシーンや関係性は劇的なのだが、結局そこからのお話は王道路線の一本道。そりゃ女性ファンに都合のいい展開になってもらわなきゃ困るのだからおきまりの方向に行くのは当然だし、別にそれでも面白いものは面白いのだが、今作の場合、本当に初期設定で提示した奇抜さがなおざりになりすぎてしまい、「別にこのアニメじゃなくてもいいじゃん」という感情がてんこ盛りになる。いや、エリカちゃんは割と可愛いんだ。「犬っぽい女の子」はそれだけでも加点要素であり、実際に「つまらんなぁ」と思いながらも、割と最後まで退屈せずに見ていたのも事実。それはひとえに、エリカが愛玩動物のように愛でやすい存在だったからこそ。ただ、そうはいってもこの女はひどい。結局自分中心のわがままマインドは最後まで無くなることはなく、嘘つきとかそういう部分以前に、思考パターンがいちいち異次元なのである。一番分からないのはやっぱり「なんで恭也に惚れたんだろう」っていう部分なんだけどね、「いがみ合っていた憎いあん畜生が、いつの間にやら気になる存在になっていて……ドキッ」ってのはそれこそ王道中の王道だが、エリカと恭也の間には、その「いつの間にやら」の部分が無いのである。あれだけの辱めを受けてなぜ惚れる。やっぱりあれか、ただしイケメンに限るのか。 そして、対抗するようにして恭也のメンタリティもさっぱり分からん。彼がこれまで女を取っ替え引っ替えしていたわりにエリカに対してだけイレギュラーな行動を取ったおかしさは1話目時点で既に指摘していたことだが、その違和感というか、異次元性は最後まで続いており、恭也がどのタイミングでエリカに惚れる要素があったのかがさっぱり分からない。都合のいい犬っころとして使役するうちに愛着が湧いてしまったということなのだろうか。それにしたって、割とマジで単なる「女に都合のいいツンデレイケメン」に堕してしまったのは、今作のタイトルにもなっている「黒王子」要素が欠けたことを意味するわけで、作品の骨子を揺るがす致命的な事態である。まぁ、こうして都合のいいイケメンがいることが女性受けの前提条件なのかもしれないが……男から見ても気味が悪いだけなんだよなぁ。 あと、少女漫画アニメは割と作画面は安定することが多いのだが、今作はそのへんもあんまりパッとしなかったのも印象がよろしくない理由だろうか。そんなにコントロールの難しい絵柄だとも思わなかったのだが……エリカが可愛くないと話にならないんだから、その辺だけでも維持してほしかったもんだけど。 結論・かな恵ちゃんがペットになるなら、それはそれで歓迎です。あと、母親が久川綾、姉が中原麻衣っていう家庭では、恭也君がちょいと歪んで女性に対して不器用になるのもしょうがない気もします。 「selector spread WIXOSS」 6→8 うん、大好きでしたよ。綺麗に2クールのお話がまとまったというだけでもありがたいが、ちゃんとそれが全部引っくるめて面白かったらいうこと無しやで。 毎回視聴後のテンションの上がり方は各話感想を見てもらえば充分でしょう。その上での総評ということは、やはり1期からシリーズと通しての評価ということになる。今作で白眉だった点は、最近流行りのいわゆる「鬱系魔法少女」をベースに置きながら、そのシステム面にきちんと道理の範疇にまとめあげ、解消に至るまでを整然と描けた部分にある。いや、もちろん分からない部分はたくさんあるよ。結局繭やるう子って何者だったんや、とか、スタート地点となる部分には謎も残されているのだが、その部分は今作2クールを見る上ではそこまで重要な部分ではない。あくまで、セレクターバトルという舞台が用意され、その舞台の上でやれるだけの演目を演じ、最終回までにはその舞台が綺麗さっぱり片付けられ、後に残されるのは満足感だけ、という事実が重要なのである。最終話でも書いたが、これこそが岡田麿里の手腕。中盤にあれだけわやくちゃになり、何が何だか分からないままにどろっどろの愛憎劇であさっての方向にトバしておきながら、ちゃんと無難な着地点は用意している。「鬱系魔法少女」は、まどマギを皮切りに出てきた新ジャンルであるが、どうしても世界設定にどんでん返しを仕込んだり、抗えない理不尽さを演出するために収束に難がある場合が多いが、この世界はそれまでの鬱が嘘のようにすっきりさわやかに幕を下ろしている。この落としどころはなかなか容易に見つかるものではないだろう。こういうぶっ飛ばし作品の巧さは「凪あす」や「ブラックロックシューター」「CANAAN」など様々なオリジナル作品で確認することが出来るのである。 そして、こうしたメインシナリオを彩る制作スタッフの手堅さも見逃せないポイント。本作はJ.C.STAFFの中でも中堅以上の手堅い職人が揃っており、下田正美、二瓶勇一、桜美かつしといった名前が連なる。これをとりまとめる佐藤卓哉監督の安定感も格別であり、オリジナルアニメでここまで統制の取れたシリーズが展開出来たことは、やはり熟練のJ.C.というスタジオの勝負勘があってこそだろう。特に今作は独特の薄暗い舞台描写のこだわりがよく出ており、シリアスを徹頭徹尾貫きながら、その中でも「シリアスな笑い」に繋がるネタ要素を真顔で盛り込んでくる時の演出のさりげなさがニクい。我らがあきらっきーというスーパーヒロインが誕生したのも、このシリアスとネタ要素の無体な折り込み方が功を奏したおかげである。 普通、実在するカードゲームの販促アニメというと大体フォーマットは決まっているもので、どうしたって朝アニメのような展開になりがちであるが、そうした「販促アニメだから」というしがらみを全部かなぐり捨てたかのような潔さが今作のエポックメイキングなところであり、このアニメを見て小さいお子様たちが「わぁ、WIXOSSやりたい」なんて気持ちは絶対に起こさない。大きなお友達だって、このアニメを見ただけじゃWIXOSSのルールはさっぱり分からない。それにも関わらず、アニメ効果でWIXOSSは新作カードゲームとしては異例の売り上げを記録したというではないか。なるほど、アニメとタイアップするときの「売り方」というのはこういう手法もあるものかと、目から鱗である。このアニメを見てセレクターバトルの理不尽さに恐れおののきながら、僕らは和気藹々とゲームに興じればよいのである。試合中に真似する台詞は「デュエルオープン!」とか「ホワイトアイズを召喚!」とかではなく、「わたしをあきらぶりーにしてよぉ!」とか「あんたの身体をわたしがひっきりなしに循環する!」とかでいいわけです。わぁお。 こうして出来上がった「WIXOSSやろうぜ!」の世界、鬱になり、ハイになり、時にはサイコレズになって舞台を盛り上げてくれた中の人たちに最大の賛辞を。筆頭にくるのは座長となる加隈亜衣であろうが、その立場上、唯一事の顛末を全て知らされていたという繭役・種田梨沙も陰の功労者であろう。彼女の作った世界、彼女の作ったダークファンタジーが、作品をここまで刺激的なものにした。そんな繭の手の上で踊らされるのは、久野美咲、佐倉綾音、茅野愛衣、瀬戸麻沙美、川澄綾子らの見事なお仕事。ちより役の杜野まこも、声優としての仕事はこれがほぼ初となるが、実によいお仕事。エルドラさんとのコンビもばっちり。 そして、ネタ要素を一身に引き受けてくれた大役、あきらっきー役の赤﨑先生、それにウリス役のくぎゅう。あんたらやっぱりエースだよ。 「失われた未来を求めて」 4→4 終わってみれば、思っていたよりも悪くないアニメだったと思う。ちゃんと1クールの中でお話としてはまとまっていたし、それなりに独自の売りとなる部分もあった。 印象が改善された一番の理由は、今作独特の作画デザインに慣れた、っていうのが大きいだろう。もう1話目の印象は虚ろなのでひょっとしたら放送中に自然な方向へと徐々に変化させていってる可能性もあるのだが、とにかく最終的にはキャラクターデザイン云々でマイナスイメージはほとんど無くなった。まぁ、細かいモーションの部分ではカクカクと不自然な部分もあり、相変わらずこのデザインのうまみってのはさっぱり分からないままではあるのだが、一応、本作のメインプロットとなるSF設定とのかみ合わせを考えると、「不確かな未来」「不確かな今」を表現するための輪郭だったと考えれば、納得出来なくもないだろう。 そうした映像面でのマイナス成分が弱まれば、お話としては「普通のエロゲ」ではあるのだ。エロゲってプレイしたことないし、数も多いから何を持って「普通の」としたらいいかも定かではないのだが、学園設定と、「なんかよく分からんコミュニティ」というセッティングのベタさ、そして恋愛を絡めるためのSF・ループ設定などは、多分その道の人にはお馴染み過ぎるレベルのものなのじゃなかろうか。アニメで見た作品に限定しても、一番簡単な言い方をすれば「シュタゲフォロワー」の1つということになる。もちろん、「焼き直し」というような悪い意味ではなく、今作は今作なりに、「多重世界」を真面目に取り扱っており、ドラマとしては充分成立している。2人のヒロインを巡っての過去と未来の葛藤劇は、おそらくゲームとしてじっくりテキストを読みながら進めていけば、割と楽しめる部分も多かったのではなかろうか。 まぁ、その上でやっぱり「ここが良い」って大々的に取り扱える部分が無いのも事実だったとは思うんだよね。「シュタゲでいいじゃん」は言い過ぎだと思うが、どうしても「複数のシナリオを多層的に攻略する」というエロゲの設定上、こうした世界改変、タイムトラベル、ループといったテーマはありきたりのものに見えてしまう。今期だけに限定しても「大図書館の羊飼い」は世界改変の物語であるし、放送時間が並んでいる「天体のメソッド」も(エロゲじゃないが)タイムトラベル・ループが絡み、最終話の放送時はまさかの2作品続けて「記憶なくなっちゃった」ネタをやられて無駄に残念な気持ちになってしまった。何かもう1つ、はっきりとした今作オリジナルの押しがあれば見やすくなったとは思うのだが……。その「あと1つ」が至難の業なんだよなぁ。 あ、あと人を殺すときに一番手軽なのが交通事故なのは分かるが、なんかこう、もうちょっと考えてもらえると嬉しいです。今期事故死多すぎ。 モザイクファクトリーわろた、第11話。既に色んなもののパロやら肖像権ギリギリの人物描写で突っ走ってきた今作であるが、あそこまで露骨なのは初めてだ。いや、モザイクかけたってアウトはアウトだろ。ザクとか、モザイク模様でもディティールかわらねぇし、よりアウト度が増すだけの結果になっているという。いや、そういうネタなんだろうけどね。 今作が2クールだということを最近知って割と衝撃を受けた。すげぇな、この内容で2クール分引っ張るネタが……まぁ、あるわなぁ。基本的には宮森たちの仲良しチームの物語ではあるものの、いくらでも「業界それっぽい話」でネタは出てくるだろうしな。オリジナルで、しかもこんなキワモノネタでも余裕で2クール回せるのは流石のP.A.といったところ。水島努にこんなおもちゃを与えて半年放置しておくというのもなかなかに刺激的な状況である。今回のモザイクのかけ方だって、一歩間違えば「アザゼルさん」と同じレベルのアウトネタって考えるとものすげぇ下世話だしな。楽しそうに仕事していて何よりです。 今回のテーマは大きく2つだろうか。1つ目は、宮森の心の傷をダイレクトにえぐってくる素敵イベント、就活面接。当然アニメ制作会社も一般企業と同じ面接をやっているわけで、現在働いている社員さんは皆この面接の結果としてムサニで働いているわけだ。宮森さんだってほんの1年ほど前にその面接をくぐってきたわけで、彼女の就活戦争の苦しさが回想シーンで蘇ってくる。そうか、彼女は高校卒業後は普通の大学の経済学部か。それなりに真面目な大学生だったのだろうけど、大学生で真面目一辺倒ってわけにもいかないし、普通に遊んでたんだろうなー。どんな連中と付き合って、どんなキャンパスライフを送っていたんでしょうか。その間絵麻ちゃんとは一緒だったのか。普通に考えると、大学4年間の生活を経て、しかもそれが経済学部でアニメと全然関係無かったりしたら、高校時代の友達との契りなんて忘れてしまいそうなもんだけどね。よっぽど大学生活がつまらなかったのか、彼女達の夢が本物だったのか。結局アニメ制作の仕事に舞い戻ってくるだけのモチベーションがあったのだから、それはそれで偉い。 しかし、そうは言っても採用する側から見れば宮森なんて十把一絡げで溢れかえっている単なる「就活生」でしかない。とある大手の制作会社は、宮森のアドリブのきかなさとと浅慮から彼女を落としているし、面接の様子を見る限りじゃムサニも落とされても文句は言えないくらいの内容。タローと宮森は同期だから、宮森は「タロー以上である」という程度のハードルを乗り越えての採用ということに。「ひょっとしたらムサニ社長は意外にも見る目があり、宮森の抱えるポテンシャルに気付いたのかもよ!」とかポジティブに考えようかとも思ったが、タローがいる時点で全部無駄である。なぜ宮森がムサニで働けるようになったのか、その意味は、今のところ誰にも分からない。まぁ、好きな仕事につけて良かったよね(現状でもそれが言えるかどうかは微妙だが)。 しかし、ムサニ志望の5人の男女もなかなかのもんである。現代の就活生ってこんなんばっかりなんですかね? いやまぁ、宮森もいっていたように「一流プロダクションで駄目だった余り物」たちだと考えれば納得も出来るが……特に2番目の男は酷かったな。こういう面接シーンとか、就活の苦労話を聞いて心の傷を刺激される人ってのもけっこう多そうな気もする。まぁ、わたしゃ就職面接したことないから大丈夫なんですけどね(間違いだらけのドヤァ)。 そんなサブイベントを挟みつつ、宮森は就活の面倒なんて見ている場合じゃない。もう1つのメイントピックは「えくそだすっ!」最終話が完成するかどうかというお話。構成から考えて、この「えくそだす事件」が1クール目のクライマックスということになるのだろう。宮森が急遽担当することになった13話の体制は未だ整わず、あの手この手で必死に原画マンを探すも、現代アニメ業界はいつだって人手不足。こんな急場で人が見つかるはずもなく。どんどん無くなっていく可能性、迫り来るタイムリミット。みんなで一緒に「万策つきた〜」。最後の頼みの綱、ナベPのところに乗り込むも、ナベさんは大事な大事な接待麻雀の最中。焦る上司を尻目に、冗談半分のお偉いさんに遠慮なく突っ込み、なんとまさかの「原画マンとして庵野(仮)を紹介される」というとんでもない事態に。すげぇな、突然なんの変哲もないアニメの最終話原画の名前に庵野が出てきたら、そりゃみんなびびるわ。話題性はバッチリやね。これ、宮森の押しが功を奏して庵野に仕事させちゃう流れなんだろうか。来週はそのキャラクターが出てくることになるだろうから、いっそ庵野本人に声優やらせればいいと思うよ(もしくは山寺宏一ってことになるが)。 色々と無茶は混ざってるだろうが、宮森が必死に電話帳とにらめっこしながら原画マンをしらみつぶしにするくだりは「あるある」なのだろう。社内でばらまいて20カットの余り。それを使えるコネを全部使って処理しようとするも、仕事始めたばっかりの新人進行では限界があるのだろう。頼まれた仕事を断る理由も様々で「演出一本にしぼっちゃったから」なんてのもあるし、「同人誌の仕事が忙しいから」なんてのもある。後者みたいな状態になってる人って、矢野さんのいう「自称原画マン」に近い気もするけど。そういう「他の絵の仕事」と兼業でやってる原画マンって多いのかねぇ。あと、「あの監督とは二度と仕事しねぇよ」っていう理由の人もいたけど、この辺は素人では気付きにくい「業界内情話」の1つだ。確かに、作画崩壊と騒ぎ立てる時って作監ばかりをあげつらうことが多いけど、何も責任の所在がそこにあるとは限らないんだよなぁ。最近はTwitterのせいで個々のアニメスタッフが余計なことをつぶやいて問題になるケースがちょこちょこ発生しているが、ファンの勝手な思い込みで戦犯扱いされてたりしたら、文句いいたくなる気持ちは分かる気もするな。 さて、来週は当然庵野(仮)との絡みが見どころになるのだろうが、それ以外にも矢野さんの身の振り方がどうなるか、ってのも気になるところ。普段は元気な矢野さんも、たった1人の親御さんのこととなるとまるでレイプ眼のごとき憔悴っぷり。同僚が2人もまとめて辞めて、有能な矢野さんに大きな負担もかかっていたのだろう。持ち直してくれないと今度は宮森の負担が増えて潰れることになるので、なんとか復帰して欲しいものである。あと、今回意味ありげに描かれていたおじいちゃん原画師の動向ね。今回の感じだと、「馬のシーン、めっちゃ上手いやん!」っていう流れになるのかな。職人気質のベテランさんも頑張れ。 「PSYCHO-PASS2」 6→6 毎週感想を書いていたのでここで改めてまとめる要素もあまり無いのだが、とりあえず総評まで。また劇場版もあるし、そっちまで見てからが真の「最終評価」になりますかね。 一言でまとめると、「予想以上にきっちり仕上げた2期目」という印象。そもそも1期目で与えられた「今後の課題」であるシビュラとの対決姿勢という設定自体がものすごく高いハードルになっており、続編のシナリオを作るといっても、適当にミニエピソードをつなぐだけならまだしも、ここに「意味のある」続編をつなぐのはかなりの難行。狡噛・槙島コンビで散々食い散らかし、朱ちゃんがなんとかとりまとめた社会秩序を、また別側面から引っかき回す事件なんて、そうそう綺麗に風呂敷をたためるとも思えない。そんな状況で与えられた時間がわずか1クールってんだからそりゃ大変だった。そうした限定された状況下において、今回の鹿矛囲事件の構造は綱渡りのようなギリギリのバランスで成立させた理想的な「ネクストステップの事件」だった。社会をかき回すキーコンセプトとして「集団的サイコパス」という概念を導入し、その是非を問うことで改めてシビュラの存在そのものを問い、さらには常守朱という一個人の信条も問う。完全存在であるシビュラに妥協は許されないだろうし、主人公ポジションである朱ちゃんにも半端は許されない。そうした設定をなんとか盛り込み、語り、片付けるのにギリギリの12話。本当によくここまで作り上げたと思う。 もちろん、そうしたギリギリのせめぎ合いの中での構築であるから、ほころびが見えるのも致し方ない部分はあるだろう。鹿矛囲の設定はもっともっと尺を割いて浸透させるべきものだったが時間がなかったのでどうしても安易に見えてしまう部分はあっただろうし、最終話で東金が小物っぽく見えたのも、彼という人物像をもっと丁寧に描く時間があり、最終決戦での三つ巴に筆を割く余裕があれば回避出来たものだ。また、気になる存在だった雛河が一切何もしなかったことや、1期メンバーである六合塚さん、唐之杜さん、ギノさんに至るまで、脇のストーリーを語る余裕が一切なく、キャラクターに無駄が多かったのも残念な部分。1期ファンとしては、2クールの尺でもって、メインボディはそのままでガンガンサブエピソードを突っ込んで世界を膨らませて欲しかったものである。もう、六合塚さんで2話くらい確保して唐之杜さんとずっといちゃいちゃしてもらうとか。雑賀さんの過去話だってあってもいいだろうし、それこそ朱ちゃんとお婆ちゃんの水入らずの休日なんかもあれば悲壮さがより強固なものになったかもしれない。尺不足によるオプションの排除は、実に勿体ない部分だったと思う。 これに加え、せっかくの2期目だったというのに何故か途中で作画がへちょるという残念な側面もあった。劇場版にスタッフを取られたのだろうか。ビッと締めてなんぼの今作の世界観は、作画が緩くなってしまうと途端に腑抜ける。1期の時にも残念作画であれだけ騒がれたのだから、なんとかその部分だけは維持して欲しかったものだ。そこは素直に減点ポイントだろう。 とはいえ、そうしたネガティブな要素も鑑みつつ、やはり「予想以上にきっちり仕上げた」という印象は変わらない。尺が短くなったことで1話あたりの密度はぐっと増し、持ち味であるグロもまじえたサイコな演出、そして世界構造を考える上で充分に想像出来るだけの余地を残した描写の数々など、制作スタッフがこの「PSYCHO-PASS」世界をとても丁寧に、真に迫るものとして育てようという意志が感じられた。今回これだけ思い切ったシナリオで「ネクストステップ」を描いてしまったため、これと同等のサイズで新たな物語を構築するのは更なる難行となってしまったわけだが、是非とも、新しい物語にも期待したいところである。 そして、個人的にはとにかく霜月美佳ちゃんに幸あれ、と。ほんと大好きなキャラです。酒々井さんともども、ピーピー泣かせたい。 しばらくはアニメ感想期間なのでたほいや譜は控えよう。
Round1・「へろへろのかみ」 1.ハワイの神の一柱。アロアロの神、マテマテの神らとともに諸島を各々に守護するとされる。 2.西日が陽炎によって揺れているさま。 3.憔悴した天皇。 4.遊戯の一。誰がそのことをしたか分からない時、車座になってこよりの先を少し折り曲げて両掌でもみ、その先が指したものをそれと定めるもの。 5.(狂言)お坊小六が「なんでぇこの紙は、へろへろじゃねえか」といい証文をまんまと騙し取るが、その悪辣が結局はばれる。 6.「へのへのもへじ」の異体。「かみ」は平仮名ではなく髪の毛を描く。 当然googleノーヒット案件。本当にこんな言葉が載ってるんですかねぇ(訝しげ)。
Round2・「しまづつみ」 1.厚い和紙の一種。多くは反物などを包むのに用いる。 2.未詳。島つ罪の意か。 3.腰巻きの美称。 4.(土佐で)罪。 5.海中にあらかじめ設置した網に魚群を追い込み、捕らえる漁法。 6.和菓子などの包み方の一。紙の中央に包むものを置き、四隅を集めてねじり合わせる。
Round3・「ぴらんでるろ」 1.フランスの作家。農耕民への尊敬と愛に満ちた作品を数多く残す。作「神の肥料」など。 2.イタリアの無声映画俳優。失語症からの奇跡的な回復で有名。 3.イタリアの測量技師。ローマを世界の中心とするピランデルロ図法を作製した。 4.イタリアの劇作家、小説家。作「作者を捜す六人の登場人物」「エンリコ四世」など。 5.(スペイン語)船の漕ぎ手。ガレー船の乗員となる労働者を指し、元は迫害される者の意。 6.イタリアの芸術評論家。評論「ピサの斜塔はなぜ美しい」。 2番のネタが大好きでした。きっと広いイタリアには、こういう人がいるんだと信じています。
Round4・「えっかーまん」 1.ドイツの教育学者。早期教育の重要性を説き、「百ます計算」などを考案した。 2.堪え性の無い人。 3.深緑色。濃緑色。 4.アマゾン川上流の先住民族。恵水の民の意。 5.ゲーテ晩年の秘書。 6.アメリカ、テキサス州近辺で最も勇敢なインディアンが持つ称号。候補者同士の男試しで生き残った者がなる。エッカーマンになった者は砂漠の神の贄とされる。 6番の、読み進めるにしたがって起こる絶望感。1文目「今、インディアンって言葉使わないよな」2文目「これ、残りの人間はみんな死ぬってことだよな」3文目「全滅したー!」
Round5・「ととかか」 1.干し魚を粉末状にした食材、調味料。おかか。 2.(幼児語)鰹。 3.女陰のこと。 4.古世代のものの数え方。 5.踵を粋に言ったもの。 6.夫よりも権力のある妻を嘲り、もしくは皮肉っていう。 なお、ググると普通に「亭主と女房」という意味が一番にヒットする。
Final Round・「だはい」 1.バッキンガム宮殿横にある阿片窟。出身者に政治家のジョン・ミドルプリンなど。 2.(つまらない者の意)自身をへりくだって言う語。小生。 3.だめな奴。 4.中国将棋において王手をかけられた盤面。 5.→ドバイ。 6.駱駝の背。 「ソードアート・オンラインⅡ」 5→4 このアニメを見始める段階での心構えについては新番チェックの時の文章を参照してもらうとして……、やっぱり好きにはなれない作品なんだよなぁ。やりたいことが分かりやすく見えるだけに、「なんでこんな話にするんかなぁ」といちいち首を捻ってしまい、視聴モチベーションは下がる一方であった。 相変わらず映像面に文句はない。力の入った作画になっているのは一目瞭然だし、ヒロイン勢は可愛く描けている。アクション面での動画もA-1の面目躍如となるいいモーションを見せてくれている。相変わらずけれん味たっぷりの伊藤智彦作品らしい、見映えのするアニメーションだ。そこについては一切の不満は無いのだが、どうにもお話の方でテンションが下がり、一度「おもんないなぁ」と思ってしまうと、あとはそういう視点で観てしまうという負のスパイラルが止まらない。これで「精霊使いの剣舞」とか「星刻の竜騎士」くらいのもんだと思ってればいっそ諦めもついて流し見する程度ですんでいるんだろうけども……。まぁ、その辺と似たり寄ったりのシナリオラインである。 正直、1期目同様に2期目も導入は非常に魅力的だった。何しろ「ネトゲの中で殺されたプレイヤーが現実でも死ぬ」というセッティング。謎としてはかなり魅力的だ。まぁこの世界のネトゲシステムがどういう風になってるかもよく分かっていないので「なんか特殊な配線でもってあれをこーしてそれをこういじれば、実は人を殺せます」とかいうオチだってあり得る話なのだが、流石にそんな適当な謎解きだったらアニメ化なんてされないだろ、と思ってたら……想像を上回る適当さだった。「実際にお宅訪問して殺してました」って。それネトゲ関係無いやん。単なる押し込み殺人鬼やん。なんで警察が逮捕せんのや。ネトゲ云々の世界で片付く問題じゃねぇだろ。さもキリトさんの名推理で謎が解けてシノンが助かりましたよ、みたいな話になっているが、死亡事故がおこってんだから警察が介入しないはずがない。万が一ネトゲと関連してるみたいな話になれば、確実にゲームシステムの方に規制が入るに決まっている。ただでさえ一度は「ネトゲから出られない上に死人続出」なんて事故が発生している世界なのだ。こんなアホみたいな方法で「デスガン」とやらがのうのうと活動出来るわけがないのである。何故、そこに突っ込む人間がこの世界にいないのか。あげく、「実銃で人を殺したことがあるトラウマ」持ちの女の子がゲーム世界で歪んだレゾンデートルを見いだして生きている様子までもがさも美談のように描かれているが、だから、命に関わるんだったらやめろって。キリトもキリトで、死にかけたはずのゲームをジャンキーのようにプレイし続ける姿が恐ろしくて仕方ない。そのせいで「過去に自分が殺した人間」とかにあって苦悩するなら、やめとけ。アスナとの接続が最も実感出来るのがネトゲなのだろうか。アスナのお母さんがあれだけやめろっていってるんだから、大人しく従ってりゃいいものを。 「デスガン」のお話のあとは、「普通にネトゲを攻略するだけの話」という、外野が見ていても別に面白くないファンタジー冒険譚をはさみ(まぁ、余計なしがらみが無い分、ラノベとしては一番見やすいエピソードだったわけだが)、ラストのユウキ編では、「やっぱり生死が関わらないと感動ものは作れない」ってんで、ついにネトゲ関係無しに「現実でも死ぬんだけど」というヒロインが登場。やってることはKey作品とかと同じだよな。同時にアスナ家の家庭問題にも関わり、彼女の生き方を改めて描いているわけだが、「ゲームなんかやめなさい(あんた死にかけたんだから)」という至極まっとうな親心に対し、「いや、ゲームおもろいねん、ママも入りなよ」と連れ込み、親子水入らずの会話もゲーム内で行ってしまうという、依存症MAXの病状を披露。もう、この世界駄目かもしれない。そうか、そんなにゲームがやりたいか……それなら開き直って「俺、ゲームキチガイだから」というスタンスをはっきり見せてくれればいいのに、何故かキリト・アスナともにリア充っぽい描写になるんだよなぁ。「死にかけた世界から帰ってきた俺」がヒーロー扱いでモテモテなわけだが、普通に考えたら「死にかけた経験を全く反省せずにゲームをやり続ける奴」でしかないんだよなぁ。そう考えると、発想は暴走チキンレースで生存自慢したり、ムショ帰りでドヤ顔をするDQN連中みたいなもんなのか。まぁ、リア充といえばそうかもしれんが、まったく共感は出来ない。 「キモオタ、キチガイであることを肯定してゲーム世界だけで楽しく生きる」という生き様は、現在「ログホライズン」で余すことなく描かれており、「ネトゲアニメ」という大雑把なくくりで見るなら、今作が「ログホラ」を超える魅力はほとんど無い。1つだけ違う「現実世界での生き死に」という部分について、アホ殺人鬼の存在や「ゲームと関係無くエイズで死ぬ」ヒロインの存在を肯定的に見られるかどうかで、今作の意義を見出せるかどうかが変わってくるが……個人的にはそこに価値は見出せなかった。まぁ、「シノンはエロ可愛かった」という部分を評価する程度にとどめておこう。純正沢城ヒロインとしては上々の出来ではないでしょうか。その他、ユウキ演じる悠木、そして1期から続投のモブヒロインズなど、中の人的には好みの部分が多かったので、そこはそれで。あとド変態を演じる花江君が楽しそうだったのは収穫かな。変態を描かせればとても楽しそうに出来る作品なのだから、もっとそっち方向に伸ばせば良い見通しもあったかもしれないんだけどなぁ。同じ作者のアクセルワールドで出てきた能美とか、良いキャラだったし話も良かったんだからさ。 |
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