最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「ハナヤマタ」 5 「ノゲノラ」から間を置かずに始まったいしづかあつこ作品。こうしてみるとマッドハウス所属ということがよく分かる配置になっており、随分印象の強かった「さくら荘」(J.C.製作)だけがイレギュラーだったってことが分かる。 今期きらら系の、非常に分かりやすいガールミーツガール。転校生が異文化を持ち込み新しい世界への扉を開くことで、これまで必要以上に「平凡」を意識していたヒロインの意識に改革がもたらされるというお話。それだけだとすごくありきたりな話になってしまうので、きらら系作品には分かりやすく、「取り扱うジャンルを異端にする」という方法でオリジナリティを出している。その題材というのがなんと「よさこい」。うーむ、漫画ってのはまだまだ見たことのないテーマがあるものだ。ひとまず「よさこい」と言われても、聞いたことはあるけど何のことやらよく分からない。そこで当然ネットにお伺いを立てることになるわけだが、「高知県の民謡、またはイベント」という、何となく知ってる知識がヒットするに決まっている。しかし、その割にはこのアニメの舞台は鎌倉だということも書いてある。一体どういうことかと更に調べると、今度は「よさこい」じゃなくて「YOSAKOI」というwikiのページもヒットする。簡単にまとめると、高知県のよさこいをベースにして、とにかく似たような振り付けで踊る踊りの形式を総称して「よさこい」であると捉え、地方に拘らず、様々な場所でダンス・イベントとして展開しているのが「YOSAKOI」ということらしい。案外色んなところでイベントが催されている旨も書かれている。ふーむ、そんな日本人もよく知らないようなイベントに、留学生が乱入してくるところから始まる物語。なかなか取っつきにくいのは事実だが、知らないことだらけなので興味は湧く。 取っつきにくさについては、もう1つの要因がある。「なんかキャラデザが独特」ということだ。特に目の形だろうか、非常に目立つ造詣で、1話目を見ている段階ではなーんか引っかかる。慣れの問題だとは思うし、他作品との差別化を図る上ではむしろよい傾向なんだろうと思うのだが、あの綺麗なひし形をした目は馴染むまでにちょいと時間はかかりそう。幸か不幸か、毎度お馴染みいしづか演出のおかげで世界観は実に現実感に乏しい不可思議な印象である。紫や緑といった中間色をベースにしてグラデーションを多用したいしづかカラーリングは相変わらずであり、「ノゲノラ」だったら「異界だから」というので理解出来た部分が、このアニメでは「非日常」への入り口として機能している。夜中の神社での出会いのシーンは非常に印象的で、ここから「女子中学生日常もの」になるのかどうかすら怪しい幻想性を持っている。普通に考えたらここから先にそこまで劇的なイベントが待ち構えているとも思えないのだが、他の「日常系」との差別化を図り、ヒロインの変革と成長を意識させる物語としてはなかなか面白い導入になっていた。違和感だろうがなんだろうが、1話目で「気にさせる」っていうのは大事なことやね。 全体的に見るとまだよく分からない部分は多いし、シナリオラインについてもそこまで目を引くものがあるわけではないのだが、今後「よさこい」という馴染みの薄いテーマをどのように掘りさげていくのか、独特のビジュアルをどのように活かして見せていくのかという部分については期待して見ていきたい。あとオープニングは割と好きよ。もう畑亜貴の過労死については心配しないことにする。 中の人については、割と攻めのキャスティングになっている。主人公・なる役は、「モブ子の中の人にして謎の画伯」、上田麗奈。ぶっちゃけキャストロールを見るまでは誰なのか分からなかったのだが、初ヒロインとしてはなかなか美味しいポジションにつけてるのではなかろうか。ここから必要以上にうじうじしないで真っ直ぐ成長していければ、キャラとしてもそれなりに好感度は上がりそうだし。そして驚きは、ハナ役の田中美海。あの「うんめーにゃー」の実波ちゃんがいよいよ他作品でメインを務めることに。確かにWUGの中でも一際個性は発揮していたが、ここでいよいよ次の一歩を踏み出すことになったわけだ。まだちょっと聞きにくいところもあるのだが、声質の独自性で売り込んでいきたいところ。ちなみに同じくWUGから夏夜ちゃんの中の人、奥野香耶も単独で抜擢。やったぜ最年長。まさかあの7人の中からこの2人が一歩抜き出ることになるとは思わなかったけども。次々に新しい子が出てくるのは刺激的で良いのですよ。 PR ○「モモキュンソード」 4 すげぇ。このご時世に、今更、何の臆面もなく桃太郎の萌えバージョンを放送しようとする胆力は凄まじい。まぁ、誰得なのかはよく分からないが……。 タイトルといくらかの事前情報から予想されるものから1ミリもずれない分かりやすいものが出てきた。「桃太郎を女の子にして、萌え昔話をやるよ」と言われたら、まぁこういうもんが出てくると思う。捻りの要素は無い。巨乳キャラにしてその部分をことさらに「桃」として強調するのもお約束だ。何が注目すべき点かなぁ……お供との合体? このままストーリーが進むと3体と順次合体していって、最終的に全部と一気に合体する完成形があるんだろうなぁ、なんてことも大体予想が出来るのである。天女との絡みはどうなるか分からんが、単なる賑やかしだろうしなぁ。……で、この後は何を目的に見ればいいんだい? まぁ、萌えものなのでそれなりに映像はまとまっている。監督と製作スタジオは「ロウきゅーぶ」のところ。可もなく不可もなく。一応エロ要素も押してるはずだけど、桃子単体では大してバリエーション無いし、あんまりそそられないので映像的な魅力はあんまりない。何かもう一押しあればいいのだけども。いや、なくてもいいや。一昔、二昔前のアニメを懐かしむ気持ちで、生暖かく見守っていきましょう。頑張れ竹達。
Just the Wind ただの風 (1)(U) C インスタント 対象のクリーチャーを、そのオーナーの手札に戻す。 マッドネス・(U) なんだただの風か……。いいねぇ、いかにもホラーなフレーバーの不穏な1枚である。いや、実際にはこのカードで大層な事件が起こることはないのだが。「別に心配するようなことじゃない」ようなので気にしない方向で。シンプルな基本バウンスなのでリミテッドでの有用性は言わずもがな。マッドネスも付いているが、1マナだけの差なのであまり気にする必要も無いだろう。元々「送還(M13)」が1マナなんだし。ルーターを起動するついでに使えると1枚分お得、とかいうメリットにはなるが、バウンスは効果的なタイミングが割と特定されているので、小さなアドを狙うために捨てることにこだわるよりも、使うべきタイミングにしっかり2マナで撃てるようにしておいた方が確実だ。実はここ半年の間は手軽なインスタントバウンスが無かったので、久しぶりの使い心地を満喫すればいいと思うよ。
Lamplighter of Selhoff セルホフのランプ灯し (4)(U) C クリーチャー・ゾンビ、ホラー 3/5 〜が戦場に出た時、あなたが他のゾンビをコントロールしているなら、カードを1枚引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。 ゾンビのくせにランプを付けまくって世間を明るくしてくれる優しい奴。その灯火は我々にも知性の火を提供し、ささやかなルーター能力をもたらしてくれる。でも、他のゾンビがいないと火がつかないってことは……何に点灯してるんですかね。5マナ3/5でルーターといえば現在は「塵の預言者」である。コストがかかるとはいえあちらは繰り返し使用可能なので、こっちのゾンビはやや分が悪い。先輩と比べるなら同じ効果の「空長魚の群れ(SOM)」あたりかな。それでもちょっと負けそうだけど。まぁ、コモンだし。
Manic Scribe 躁の書記官 (1)(U) U クリーチャー・人間、ウィザード 0/3 〜が戦場に出た時、各対戦相手は自分のライブラリを上から3枚墓地に置く。 昂揚 - 各対戦相手のアップキープの開始時に、そのプレイヤーは自分のライブラリを上から3枚墓地に置く。 Yeah! Yeaaaaaaaaaaaah! キタネ、ようやく帰ってきたね! この世界が! 私の愛するギミックってのはことごとくWizards社によって葬られてきた。いや、ぶっちゃけ土地破壊だけなんだけど、最近はライブラリ破壊もなんだか下火。これまで、どこの環境でも(すげぇなおざりに)何枚かそれ用のカードが入れられていたのに、オリジンの「戦慄水」を最後に、ゼンディカーには一切そんなカードが存在していなかった。いや、強引にそういう展開になることはあったけどね。しかし見てごらん、この分かりやすい性能、明らかなコンセプト! 毎ターン3枚というのはかつてリミテッドを定義し(そうになっ)た「面晶体のカニ(ZEN)」に匹敵する。そしてこのクリーチャーはタフネスが1多く、生存確率がちょっとアップしているのだ。さぁ、ライブラリを削るんだ! 昂揚? しらんな! 敵に塩を送りまくれ!
Nagging Thoughts 収まらぬ思い (1)(U) C ソーサリー あなたのライブラリを上から2枚見る。そのうち1枚を手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。 マッドネス(1)(U) 効果はほぼ「手練(7ED)」と同じ。1枚を墓地におけるようになったことで1マナ重くなってしまったが、さらにマッドネスまでつけてもらったので効率だけで見たら上がっている可能性すらある。「手練」が強いのだからこれだって当然強く、2ターン目にソーサリー+αという2種類のカードタイプを送り込めるのはありがたい。マッドネスを使えばさらにアドバンテージにも接続可能で、ルーターを使ってこれを唱えるところとか、想像するだけで楽しそうである。まぁ、往々にしてめくれる2枚は土地土地なんだけど、それでも儲かった気にさせてくれるのがこのカードの強さ。「予期」以上にお世話になりそう。
Nephalia Moondrakes ネファリアの月ドレイク (5)(U)(U) R クリーチャー・ドレイク 5/5 飛行 〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーはターン終了時まで飛行を得る。 (4)(U)(U)、あなたの墓地にある〜を追放する:あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで飛行を得る。 青のエントリーレア。…………何だコレ……レア? いや、まぁ、そりゃ弱いことは無いが……いや、弱いだろこれ。場に出た時に1回だけ飛行。そんなもん、3マナくらいのクリーチャーでも出来るわ。そして墓地に行ったら全軍飛行を1回だけ。お前自身が殴らんのかい。まー、カードの性格としては戦場に出すことがおまけ程度に扱われてて、さっさと昂揚とか墓地シナジーのために捨ててもらって、フラッシュバック呪文として活用するってのが正しいビジョンなんだろうけども。それなら6マナでやる仕事としては普通に見える。あくまで、「重いクリーチャーに求めてる仕事じゃない」ってだけなんだ。……でも地味だよなぁ。墓地セットなんだから「不可思議(JDG)」くださいよ。いや、いらん、あんなヤバいもんに戻ってきてほしくない。
Niblis of Dusk 薄暮のニブリス (2)(U) C クリーチャー・スピリット 2/1 飛行 果敢 「ジェスカイの風物見(KTK)」の種族変更再版。「風物見」はリミテッドではご存じの強さを見せていたので、このカードだって青にとってはリミテッドの基盤となる優良コモン。強いていちゃもんをつけるとするなら、「風物見」がいたタルキールは青がジェスカイの中心色であり、果敢がそれなりにバックアップされていたが、今回は常磐木として普通に青赤に与えられているだけなので、積極的に果敢を支援する理由が今のところ無いということ。まぁ、今後の青赤はこういう路線で何となく果敢デッキが組みやすいラインナップを揃えていくとは思うけども。あ、あともう1ついちゃもんをつけるなら、果敢は登場したタルキール次元のジェスカイのイメージが強すぎて、未だに「カンフーする能力」だとしか思えないこと。カンフーゴースト、確実にコメディ映画のタイトルだ。
Ongoing Investigation 継続する調査 (1)(U) U エンチャント あなたのコントロールする1体以上のクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、調査を行う。 (1)(G)、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放する:調査を行う。あなたは2点のライフを得る。 「対抗色起動」サイクルのシミックは、クリーチャーが全て弱カササギ化するカード。最近だと「飛行機械の諜報網(ORI)」や「タッサの二又槍(THS)」なんかで似たような効果が得られたが、どちらもレアで4マナのカード。今回はとにかくその気分だけでもお手軽に、ってんで2マナで設置出来るようになっている。1体でも通るクリーチャーがいればアドバンテージに直結するという構造は強い。今回は「潜伏」といううってつけの能力も与えられており、青にはこれを活かしたクリーチャーもいる。さらに墓地の燃料も4マナで1ドロー+2ライフと、潜伏みたいな低ダメージソースだけでも細々と殴り続けて生き残る算段も取れる。デッキを規定する面白そうなカードだ。誘発能力の方は複数枚張れば重複するので、リミテッドで見かけたら集めてみると面白いかも。まぁ、調査を運用するマナがやたら必要になるので、実際に得した気分になるのは結構大変そうだけどさ。
Pieces of the Puzzle パズルの欠片 (2)(U) C ソーサリー あなたのライブラリを上から5枚公開する。その中から、インスタントかソーサリー・呪文を最大2枚まで手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。 今回調査能力では手掛かりが得られるようになっているわけだが、そんな手がかりをパズルのように組み合わせて解いていくのがジェイスのお仕事。その様子を表したのがこの呪文で、ベースになっているのは「ドラゴンの迷路」にあった「Uncovered Clues/発掘された道しるべ(DGM)」である。そう、あの時もジェイスはClueを探し、ラヴニカの街中に迷路を見つけ出したんだよ。ラヴニカでは迷路、ゼンディカーでは力線、そして今回も調査研究、いっつも何か探してるな、こいつ。「道しるべ」は4枚から探す呪文だが、一切使われる気配がなかったので、同じコスト、同じ利益で探す範囲を5枚に拡大して改めてチャレンジ。さらにイニストラード風に残りのカードを墓地に置けるようにしたので、単純に5枚ライブラリを削る呪文としても使用出来るようになった。望むならそのままソーサリーやインスタントを墓地に置いてもいいので、これ1枚で大きく昂揚に接近できる。リミテッドなら割と便利な燃料だ。まぁ、青単色だとあんまり昂揚が関係するカードは無いんだけどな。
Pore Over the Pages 熟読 (3)(U)(U) U ソーサリー カードを3枚引き、最大2つまでの土地をアンタップする。その後手札を1枚捨てる。 唐突なアンタップ。しかも効果の間に挟まっているのが謎だ。とりあえず、3枚引いて1枚捨てる呪文なので「ふるい分け(10ED)」と同じ。あちらは4マナだが、この呪文は土地が2枚起きる「半分だけフリースペル」なので1マナ重い。いや、1マナ軽い? まぁ、とにかくこの呪文の強さはこの余った2マナをきちんと使えるかどうかにかかっている。当然、今回の文脈なら「立てたマナを活用してマッドネスして下さい」ってことになるわけだな。これなら額面上5マナの呪文なのに3マナで唱えられることが純粋にメリットになっている。大振りな呪文だがアドバンテージは単純正義。非クリーチャー呪文をフィーチャーした赤青系のマッドネスでは特に力が発揮出来そうだ。
Press for Answers 回答の強要 (1)(U) C ソーサリー 対象のクリーチャーをタップする。それはそのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。 調査を行う。 後ろにいるスカーブがキモ可愛い。ちょっとごまかせばベイマックスだと主張できなくもない。いや、無理だ、すまん。さておき今回の「霜のブレス(M14)」枠。「氷の猛進」と同じソーサリーになってしまったので使い勝手はあまり良くないが、とりあえず調査出来るから気楽に使おうよ、という設計。単なるキャントリップの「悪寒(KTK)」が3マナなんだから、別にインスタントのままでも良かった気もするが……。まぁ、多分これも昂揚用の調整だろう。青は放っておくとインスタントが増えてしまうので、ソーサリーでもまかなえるカードは極力ソーサリーに設定してるんだと思うよ。しかし、なんで「回答を強要」されるとタップして起きなくなるんだろう。
Rattlechains 鎖鳴らし (1)(U) R クリーチャー・スピリット 2/1 飛行 瞬速 〜が戦場に出た時、対象のスピリットはターン終了時まで呪禁を得る。 あなたは、スピリット・呪文をそれが瞬速を持つかのように唱えてもよい。 スピリットのスピリットによる、スピリットのためのスピリット。2マナ2/1瞬速っていうだけで「次元潜入者」と同じなんだからそこそこレアの領域なくせに、187能力で事実上のカウンターが誘発したり、後からくるスピリットが全部瞬速だったり、書いてあることが全部意味不明。最初の情報でアンコだって言われてどうしようかと思ったが、幸いにしてレアだったのでちょっとホッとした。まぁ、出てしまえば後は「空中生成エルドラージ」と大して変わらないので、打撃力が構築レベルに届くわけではないだろうが……。リミテッドだと2マナとは思えないクロック&トリックを提供してくれる。せっかくなので現在のスタンダードでスピリットのラインナップを調べてみようと思ったら……あんまりいねぇな。一応「族樹の精霊、アナフェンザ(DTK)」がスピリットなので、そのあたりでなんか悪さできるかも。
<青>
Aberrant Resercher 逸脱した研究者 (3)(U) U クリーチャー・人間、昆虫 3/2 飛行 あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリのトップを墓地に置く。それがインスタントかソーサリー・カードであるなら、〜を変身させる。 ↓ Perfected Form 完成態 クリーチャー・昆虫、ホラー 5/4 飛行 これはナイスネタクリーチャー。やっぱりトップダウンの次元はこういうフレーバーに富んでいるのが面白いな。あらゆる環境を騒がせた、近年では珍しかった「コモンの怪物」である「秘密を掘り下げる者(ISD)」。彼の研究は、見事に3/2飛行のボディを手に入れた時点で完結しているものとばかり思っていた。だが、違ったのだ。「秘密を掘り下げる者」の変身後の名前は「昆虫の逸脱者」だが、実は彼のクリーチャータイプはまだ「人間・昆虫」なのである。そう、人の部分を残していたのだ。そんな彼がみるもおぞましい姿になった後で何をしていたかというと……御覧の通り、逸脱したままで研究を続けていた。「変身は過程である」というフレーバーにも分かる通り、彼の研究のゴールはここじゃない。腕もたくさん増えたおかげで以降の研究も捗ったことだろう。この度、さらに大体同じような研究成果を経て、彼はついに「俺は人間をやめるぞぉ!」に成功。さらにワンサイズ上の「完成態」へと到った。もはや人としての面影はなく、彼は完全なるホラーとなり、遠いお空へと去っていくのである。……イイハナシジャナイナー。なお、あくまでもこうした回顧が目的なので、決してデルバーさんのような化け物ではありません。4マナ3/2「雲マンタ」ボディが、ところにより5/4。まぁ、アンコなら充分。今回はリミテッドだけを戦場に留めて、自由な逸脱ライフを満喫するヨロシ。
Broken Concentration 集中破り (1)(U)(U) U インスタント 対象の呪文1つを打ち消す。 マッドネス(3)(U) かつて環境を賑わせたマッドネス呪文といえば大きく3つだ。驚異的なマナ効率で序盤の戦闘を支える「日を浴びるルートワラ(TOR)」、高効率のサイズからメインアタッカーを務める「尊大なワーム(TOR)」、そしてこれらのクリーチャーの進軍をサポートする鉄壁の防御、「堂々巡り(TOR)」。この「堂々巡り」の強さは、カウンターのコスト調整がなされる以前の環境(つまり「対抗呪文」が現役だった当時)でも破格のものであり、マッドネスデッキを青緑たらしめる大きな要因となっていた。そのために、マッドネスのカウンター呪文はこのセットでも注目される存在になるわけだ。そして、これだ。……うーむ、いや、弱くはないんだ。だって素で撃っても「取り消し」なわけで、一切損をさせるつもりはない。アンコモンなのでそこにボーナスがつき、マッドネスで撃てるようになっている。しかし、4マナ、4マナか……。「青」+「マッドネスという」ことは、どうせどこぞのルーター小僧が前提となっている。奴を起動してこの呪文を捨てれば、事実上4マナキャントリップのカウンター。つまり「放逐(TMP)」と同じ。おそらくそういう風に「手札を捨てて、アド得を取るときにコスト面で強くなりすぎないようにしよう」ってのがこの呪文だ。実際、捨てるはずの手札を捨てずにカウンターするのだから強いに決まっているが……なんか夢が無いなぁ。まぁ、カウンターが強すぎると環境がつまらなくなるからね。ちなみにこれと入れ替わりで落ちるカウンターは「軽蔑的な一撃(KTK)」に「頑固な否認(KTK)」。お、結構大事なところが落ちるぞ。カウンター呪文は今後の世界でその立場を守り通すことが出来るだろうか?
「Catalog/目録(8ED)」 C 青の手札調整呪文の中では1つの規準となっている呪文で、個人的には定番のイメージだったのだが、実際収録されたのは過去に2度だけ。実はそこまで常連さんでもなかった。基本コモンとして非常に手堅い性能で、手札の枚数は増えないものの、インスタントで動けて質の調整力は高い。今回のセットの場合にはもちろんディスカード部分も評価点となり、昂揚調整、マッドネス誘発などで多方面にわたって活躍してくれることだろう。まぁ、コストが軽いわけじゃないからマッドネス運用を中心に考えるならもう少し違うカードを用意する必要はありそうだが。「癇しゃく」1枚あれば4マナで2枚引いて3点。コモンだけでこのムーブが出来る世界ですよ。
Compelling Deterrence 抗えない抑止 (1)(U) U インスタント 対称の、土地でないパーマネントをそのオーナーの手札に戻す。その後、あなたがゾンビをコントロールしているなら、そのプレイヤーは手札を1枚捨てる。 基本バウンスである「分散(ORI)」の上位互換。ただし、この世界では相手に自由に手札を捨てさせると感謝される可能性すらあるのが面白いところ。オデッセイ当時のリミテッドを経験しているお年寄りならば、「アドバンテージ? なにそれ食えるの?」みたいにして好き放題手札を捨てていたあの当時のことを思い出せるかもしれない。もちろん、それを逆手に取り、自軍パーマネントを戻して共鳴者としても使えるわけだが。ゾンビを使っているときに相手にこれを使って良いものかどうか、なんとも奇妙な悩みが増えるものである。まぁ、アドだから(マッドネスされた場合は知らん)。ちなみにこのカードのフレーバーテキストは原文だと「So much for neighborly hospitality!」、日本語訳は「おもてなしは、これくらいに」となっているが、英語のニュアンスとイラストのかみ合わせを考えると、「おもてなしにしちゃ多すぎるよ!」みたいな感じの方がいいかも。確かに、多い。
Confirm Suspicions 疑惑の裏付け (3)(U)(U) R インスタント 対象の呪文1つを打ち消す。 調査を3回行う。 調査調査アンド調査。もう、こんだけ調べたなら結論出せよジェイス。単純に「3枚引けるカウンター呪文」ってんならそりゃヤバいだろう。キャントリップドローの「否定」が5マナだったのだから、さらに2枚カードをつけたら単純計算なら9マナでもおかしくないのだ(いや、おかしいけど)。レアリティをあげることで多少調整したとしても3ドローのインスタントは5マナなんだから(「ジェイスの創意(M15)」)、どうあがいても6マナ以上にはなるはずなのだ。そこをグッと削って、出血大サービスの5マナぽっきり! これでアドバンテージ3枚の爆裂呪文! ……ただしドローは後から来る。さぁ、追加のマナ勘定をどういう風に計算したらいいものかなぁ。とりあえず、運用コストが5マナなのだからギリギリ実用レベルには留まっているのではなかろうか。そこから先のドローをどのように使えるかは相手のデッキ次第なところもあるが、5マナのカウンターを積むことが許容出来るようなデッキならば、おそらく5マナカウンターを撃った後にもターンはあり、ドローのチャンスはあるはずなのだ。これが使える世界になるとしたら、様々なデッキが跋扈する愉快なカオス世界か、圧倒的コントロールが支配的なすごく辛い世界のどっちかになるんだよなぁ。
Daring Sleuth 果敢な捜索者 (1)(U) U クリーチャー・人間、ならず者 2/1 あなたが手掛かりを生け贄に捧げたとき、〜を変身させる。 ↓ Bearer of Overwhelming Truths 禁断の真相を知る者 クリーチャー・人間、ウィザード 3/2 果敢 〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、調査を行う。 今回、青の人間の皆さんは全体的にジェイスに協力的。そらま、自分たちの次元が超ヤバいんだから身元不明の怪しすぎるフード男のお話でも、駄目もとで従うしかないわな。そんな「ジェイス調査団」の一人がこの男。なんとしてでもイニストラードの謎を解き明かしてやろうと必死のパッチ。手掛かりを有効利用することが出来れば、めでたく「謎は全て解けたッ!」といって変身する。一介のならず者だった彼がウィザードに大変身をとげるあたり、この世界のウィザードって案外安っぽい。表面は2マナ2/1の「湿地帯の水鹿」でしかないが、裏面には青い証である果敢の2文字が刻まれ、さらにダメージ誘発でドローとまではいかないが、新たな手掛かりを発掘する手掛かり連鎖が発生する。まー、この能力だと相手もそうそう本体に通してくれないだろうからよほどトリックと果敢を絡めない限りは相打ちがせいぜいではあろうが、青の2マナクリーチャーが他の色の中堅レベルと相打ちを取れるなら御の字。変身の行程で損もしていないし、ついでのお仕事ならこれで充分だろう。あとは、このマナ域をしっかり埋めることがどれくらい重要な環境になるかだ。ここ数年は「2マナ域」という言葉がしつこいくらいに繰り返されることが多いわけだが……まぁ、リミテッドって大体そんなもんよな。
Deny Existence 存在の否定 (2)(U) C インスタント 対象のクリーチャー・呪文1つを打ち消す。この方法でその呪文が打ち消されたなら、それをオーナーの墓地に置く代わりに追放する。 今回コモンで用意されたカウンター呪文はこれ1枚。まぁ、各レアリティを見ればそれなりに配置されているし、決して少ないわけではないのだが、この世界はそこまでカウンターに気を遣わずとも良さそうである。こちらの呪文は、レアリティを下げて色拘束を弱くした分、対象がクリーチャーに限られてしまった「雲散霧消(M15)」。もしくは追放効果をつけて1マナ重くした「本質の散乱(M14)」。どちらの文脈で見てもバランスはとれているだろうか。相手の墓地にカードを置かせないというのは昂揚抑制のために意味のあることだし、墓地に落ちてもスピリットをひねくり出すこしゃくな人間、墓地からもコンビニ感覚ですぐに戻ってくるゾンビなど、墓地テーマの環境らしく悪さをするクリーチャーは多い。それらを後腐れ無く処分出来るのだから、環境にマッチした的確なカウンターだ。現在のゲートウォッチよりは環境の速度は落ちるだろうし、多少コントロール目でバランスを取ったデッキも狙っていいかもしれない。
○「アカメが斬る!」 5 月曜日の一番遅い時間帯にやってるアニメがこれなのだが、これ観てから寝たらさぞかし夢見が悪いだろうなぁ。 珍しく原作既読。正確にはやや既読。4〜5巻くらいまではコミック買ってたんだけど、スペース圧迫解消による一括処分の際に知り合いにプレゼントしてしまったので、それ以降は追いかけなくなってしまった。その後にアニメ化が決まって手放したことをちょっと後悔した作品である。割と好きだったのよね。基本的には熱血主人公を中心としたバトル漫画なんだけど、アニメ1話でもはっきり分かるように「善悪」の配置の仕方が割と独特で、「義賊」的なポジションを置きながらも、ちゃんと「殺すこと」についての問題意識を持って正義を描こうとしているところが新鮮。悪の描写も割と遠慮なくてあけすけなんだけども、単に露悪的になるだけではなく、それと対比的に主人公組の正義感を掘りさげているので少年漫画のシナリオとしてもすっきりしている。読んだのがだいぶ昔なのであんまり覚えてないのだが、バトル展開もそれなりに能力バトルとして面白かった記憶も。これを機会に買い直しても……って、スペースが足りないから手放したんだっつうのに。 アニメ1話は、初見の人間からしたら割とショッキングな展開だろう。田舎ものの主人公がコロッとダマされるところまではお約束の展開で、更にそこからもう1度「もっとひどい悪」に騙され、徹底的に貶められるという衝撃の1話目である。ここまで落とされたからこそ、立身出世を志した青年が暗殺稼業に身をやつす選択にも説得力が出て、この後のチーム結成までの流れも見やすくなる。1話目の「悲劇」については、インパクトだけを重視するならばもっとエグく、グロく展開させることも出来たはずなのだが、あくまでもそうした「正義の道への第一歩」としての鬱展開であるので、なるべく後腐れのないように、適度にギャグテイストも絡めながらライトに描かれている。この辺りも、今後このアニメをどういう風に見せていくのかというサジェスチョンになっているのだろう。 監督は久しぶりの小林智樹。ということは当然製作はWHITE FOXであり、スタッフの中には岩畑さんなどの見慣れた名前も当然クレジットされている。小林監督は、最も信頼出来る統括者の1人であり、WHITE FOX作品に失敗はない。今作も余計な心配をせずに、それなりに面白い原作をしっかりとアニメとして構築してくれるのではなかろうか。決して目を見張るような驚きのアニメにはならないかもしれないが、原作ファンからしたら一番嬉しいタイプのアニメ化になる気がするよ。 中の人は、主人公タツミ役についに主役にたどり着いたぞ、斎藤壮馬。彼は以前「ボイスアカデミア」に出演してた時にやたらキレッキレだったので、密かに期待していた若手男性声優の1人である。ここから新たな歴史が始まる。そして相手役のアカメには、引っ張りだこ過ぎて不安になる雨宮天。まだあまり色の無い役者なので、色んなところにぶっ込めるのは便利である。これからおいおい自分なりのテイストを固めていくことになるのだろうな。ただ、個人的にはちょっと事務所の起用が性急すぎやしないかと不安ではあるのだが。ソロデビューも先輩4人に比べてやたら早い気がするんだよ。スフィアって一番最初にデビューしたの戸松だっけ? 今作OP、決して下手なわけじゃないのだが、どうも上4人に比べるとインパクトに欠けるというか、そこまで特筆すべき段階には至っていない気がする。まぁ、何事も慣れと経験だし、早めにデビューして悪いことはないか。その他ナイトレイドの面々はお腹いっぱいになる贅沢な布陣で文句なし。個人的にはブラートのアニキがイメージそのまんまのこにやんで嬉しい。ホモネタが捗るな。エスデス将軍もあけこらしいのでそのあたりも早く聞きたいね。奇跡的にキャスト陣に既婚者がいないので最近結婚芸人になってきたあけこも一安心!(なお、離婚者はいる模様) ○「アオハライド」 4 まだまだ続く少女漫画的世界。いや、冷静に考えると今期別に少女漫画っぽいアニメってないんだけども。 変化球が多かった中で、こちらはストレートな少女漫画である。連載誌は「マーガレット」らしいので、そりゃガチに違いない。ただ、そうなると実はあまり得手ではない。「すきなよ」とかもあんまりピンと来なかったからなぁ。そりゃま、女の子目線でのラブメインは追いかけにくいのは間違いないのだが。ただ、本作はメインの設定がなんかひっかからない。男の方の心情がまだ何一つ語られてないせいもあるだろうが、メインとなる2人があまりいい奴に見えないのである。メインヒロインの双葉ちゃんは、「普通にしてると女子力が高くて回りの女子から陰湿な排除行動を取られるので、わざとがさつなフリをしている」という設定。もうこの時点でなんかイラッと来る。じっとしてたら可愛くなっちゃうから、って。ええやん、可愛くしとけや。その上で同性と友人関係が築けないなら、それは友人の選択か人格のどっちかに問題があるってことだ。それをまるで回りのせいであるかのように決めつけて自分の行く道を曲げているのがなんだか気にくわない。こういうフィクションで語られる「女の友情」って本当に陰湿で怖いよなぁ。だからって男に逃げるのもどうかと思うけど。 他方、野郎の方も何を考えているのか分からない。3年の別れの中で性格が変わってしまっているのはしょうがないとしても、それだったら昔の女(?)にうだうだちょっかいを出さずに離れて生活しておけば良かったものを。なんでわざわざ神社で撒き餌までまいて誘い出す必要があったのか。アレが未練の描写であるならば、その後の素っ気ない態度やふてぶてしい物言いにはすごく違和感がある。結局何がしたいねん。「昔に比べて声も低くなった」って言われてるのに梶君やないか。大して低くないわ。 その他、一瞬で万引きを疑われる治安の悪い購買、出会い頭に友達の犯行を疑う全くもってお付き合いしたくない友人(仮)、そんな状況で、さっさとさっきのおばちゃん呼び出して説明してもらうっていう行動に出られないヒロイン。なんだか、何もかもがズレているし、どこか汚れている。「汚いもの」が描きたくてこういう脚本になるなら別に良いのだが、少なくとも1話の筋立てを見る限り、「男の頼りがいのあるところを見せたい」という目的のみでああした気分の悪いシーンが描かれていたようにしかみえない。あんましそういうので無駄にテンション下がるのはなー。そういえば「すきなよ」も男の子age目的のためにいきなりストーカーが出てきてヒロインがピンチになったりしていた。もう少し真っ当な方法で男の魅力をアピールする方法はないんかい。 というわけで、全体的に「少女漫画セオリー」に賛同しにくいのでモチベーションは低め。映像面は悪くないけど、描くべきものの汚らしさが浮き立ってしまうのでギャップが気になるんだなぁ。ここから先、ヒロインの夢が少しずつ充足していって綺麗な世界になれば満たされた印象になるのかもしれないが。しばらくはギスギスしそうだよなぁ。 中の人的には、真礼ヒロインという部分が要注目。同じく梶君とセットだった「ノラガミ」はヒロインの可愛らしさの割にお話が地味だったので、今作は中心にいることを強くアピールして看板キャラまで持っていきたいところだ。あと、友達甲斐のない友達役が麻里奈とうりょ子という何か妙なコンビだったのだが、男前の多いクラスなのだろうか。 ○「人生」 5 なんだこのタイトル。CRANNADでもあるまいに。「いい加減人生をラノベと勘違いしてる奴うぜぇ。ラノベじゃないし。ゼロの使い魔の方がよっぽどラノベ」「ラノベじゃなかったらなんなのよ」「○○……かな?」の空欄に相応しいものを誰か埋めてください。 まぁ、面白くはない。設定だけを見ればありがちな大喜利ネタであり、「理系文系体育会系」という対比から、どのようにオチをつけるかという古典的なテーマである。このネタでいじりたいなら適当な雑誌の読者投稿コーナーでも見ておけば充分事足りるだろうし、正直、今作における「理系文系体育会系」はネタとしても弱い。いかにもラノベっぽい適当なキャラ作りは魅力も薄いし退屈なばかりだ。ただ、この方向性でラノベを一本書いてやろうというその発想は凄いと思う。普通、「小説」にしようとは思わないし、思いついたとしても実行はしないだろう。だって、あんまり面白くなさそうだもの。実際そうだし。いっそ開き直ってネタ要素など皆無の「GJ部」にしてもらった方が潔いレベル。……なんでオープニングがGJ部だったんだろう……製作も違うし監督も違うのに。ラノベのレーベルが同じで、あと読売系が関わってるからなのかしら。部長が来てくれればこのもっさりした世界も輝きが増す気がします。 そんだけとっかかりが弱く、期待感も持たせない作品ではあるのだが、それでも何となく見られるものになってしまうあたりは川口敬一郎の強さだと思う。大して意味も無いダラダラしたギャグを任せるとこの人は妙に安定感を発揮する。過去の歴代シリーズでも川口版の「ハヤテのごとく」が一番安定していたし、原作にほとんど興味が無かった「SKET DANCE」もこの人の手腕で飛び道具クラスの破壊力を得ることがあった。「おにあい」の偏執的な空気と謎の狂乱は忘れられない。未だにその謎は解明されていないのだが、やっぱり人を引きつけておく掌握術に長けているのだろう。ついでに脚本構成が荒川さんなんだよね。荒川さんも川口監督も担当本数はやたら多いのだが、この2人の組み合わせって見たこと無いかもしれない。さて、一体どんなつながりになりますことやら。まー、どんだけ頑張ってもここからあんまり上の方に伸びる期待感はないのだが、不快感を抱かない程度にダラダラみられる作品になれば、それはそれで勝ちなんじゃなかろうか。 中の人については、これでもかというフレッシュな面々で固めてあるので、押しは強くないが青田買いを狙う声優ファンには注目すべき舞台といえる。理系ちゃんの中の人はようやく出番が回ってきたMANPAちゃんガール、新田ひより。なかなか悪くない仕事で、少なくとも武藤志織の初仕事よりは無難。豊田萌絵、諏訪彩花については順調に仕事を重ねているし、出番は多く無かったが、新聞部部長役はニケ役でブレイクした前田玲奈である。あのくぐもったような籠もり気味の声がだんだん癖になってきます。磨き上げれば後藤邑子みたいなところにポジションがあるのじゃなかろうか。 ○「月刊少女野崎くん」 6 今期はなかよし連載のサバゲ漫画とガンガン連載の少女漫画漫画がアニメになっているのか。どんな時代だ。 割と好きなタイプのアニメ。少女漫画ベースにしたギャグというと「スキップビート」とか「会長はメイド様」みたいなところが個人的には好きだったし、現在も「それせか」が俺の中で大人気。中心に女の子がいて、その女の子が可愛い表情を見せながらもシリアスになりきらずにほわほわしてるのを見るのが楽しいのかもしれない。こうして並べて見るとヒロインは大体強気の男勝りが多いな。「神様はじめました」とかはあんまりピンと来なかったので、ヒロインの性格の違いによる好みってのはあるかもしれない(あ、でも「君に届け」は良かったね)。今作の場合は一応「少女漫画ベース」なのは間違いないが……違う、そういう意味じゃない。 主人公の佐倉さんは、割と真っ直ぐな少女漫画ロマンス体質の女の子なんだと思う。野崎くんに惚れ込んだのには特に理由はなさそうだけど、「好きだけど言い出せないっ」っていう感情でドキドキしてるあたりは真っ直ぐなヒロイン。それなのに、そんな彼女を冷静な突っ込みマシンに変貌させている野崎くんがなかなか優秀なキャラなのだろう。ホント、中村ボイスは朴念仁難聴主人公にぴったりです。「この声ならフラグもものともしないし、世間一般のイケメン基準からぶっ飛んでてもしっくりくるな」という、やるせないほどの説得力がある。顔色一つ変えない野崎を前に、冷静に1つ1つコメントをくれる佐倉さんの優しさがいいバランスでギャグと恋愛をミックスしてくれているので、まさに「ラブコメ」というジャンルが形成されているわけだ。 スタッフについては名前を見てもあまりピンと来なかったが、監督は「八犬伝」の人とのこと。まー、別に印象はないのだが、1話目の画作りは割と良かった。ベースに敷いている「少女漫画」という枠をしっかり活かそうという意識が強いのだろう、普通のギャグアニメとはちょっと違う間尺で掛け合いが進行しており、要所ではかなり間を持たせたタメの演出が目立つ。うっかりすると間延びしてしまう部分だと思うのだが、今作の場合は締めるところで佐倉さんのクールさが際だっているため、それ以外の「少女漫画的な間」とのギャップが良い緩急をつけてくれている。自転車2人乗りシーンのシュールな絵柄とやるせなそうな佐倉さんのコメントにいちいち笑ってしまった。また、映像製作は動画工房ということもあり、ヒロイン佐倉さんの顔がいちいち可愛らしいのに加え、背景、プロップなどに無駄に気合いが入っている。駐輪場に置いてある自転車1台1台や、野崎宅にあるGペンのデザインなど、なんだかやたらディティールにこだわって描き込まれているのである。こういうところで繊細さが出てくると、作中作の少女漫画の「フィクションっぽさ」とも相まって色々目線が振り回されるのが楽しい。全体的に、かなり質の高い映像になってるんじゃなかろうか。ついでに、音響監督に松尾衡の名前がクレジットされていたので「なんで松尾さんが?!」と思ったのだが、なんとこの作品、プレスコなんだね。だからああいう面白い間尺の演出になってるんだな。最近のプレスコは質が高くて本当に驚きである。 中の人については、とりあえず上記のように中村便利すぎる説が真っ先にあがるが、実はヒロイン佐倉さん役、小澤亜李という子もかなり頑張っている。もちろん固い部分はあるんだけど、ちょっと固いところが緊張しっぱなしで振り回されてる佐倉さんのキャラに上手い具合にあってるんだよね。音響の回し方が上手いってのもあるんだろうけど、自由な現場でやらせてもらえると今後の仕事にいい具合に繋がっていくと思う(「紅」の悠木碧調べ)。是非このまま頑張って欲しい。ちなみに、所属事務所であるアイムのプロフィールを見に行くと、取得資格のところに「調理師免許」って書いてある。どんな経歴だ。 ○「さばげぶっ!」 6 なかよし連載なの?! これはなかなか良いカオス。 太田雅彦作品である。そうなれば当然脚本はあおしまたかしだ。ただ、今回は製作スタジオがぴえろである。ん? 違う、「ぴえろ+」って書いてある。違う会社なんか。よう分からんな。 基本的に太田作品には心配はしてないので、1話目も遠慮なく色んなところで笑わせてもらった。アニメ業界的には「サバゲー? 転校生が入部? カリスマ的な部長が勧誘?? うっ、頭が……」てなことになりかねないところだが、本作は徹底的に「ユルいよ、馬鹿だよ、どうでもいいよ」というのを訴え続けており、ゆら公の悪夢が2度と訪れないことは保証されている。いや、あんな悲しい出来事はそうそう起こりようもないけども。普段通りのユルい作劇。いつも以上にだるっとした作画。おちゃらけギャグ作品としてはこれで充分過ぎるくらいにそろっている。後はネタが笑えるかどうかだが、ボチボチいい感じなんじゃないでしょうか。メインヒロインのモモカさんが、ゆら公とは全然違う方向で鬼畜であり、単なる巻き込まれヒロインで終わらない可能性を秘めているのが良いね。他のサバゲ部の面々は次回以降からだろうが、テンションだけを見れば決して悪くないだろうという期待は持てる。大体「ディーふらぐ」のゲーム制作部の面々くらいをイメージしておけばおよそ正しい予測になるのではなかろうか。 ここでディーふらぐの例を挙げたのは、結局のところ「中身が多少グダっても中の人補正があるから大丈夫だよ」ということを示したいがためである。本作を牽引する大きな柱が2本。1本は当然、主人公を演じる大橋彩香。へごってんなー。へごボイスのキャラは必ず学校に入ると突っ込み要員として勧誘される決まりでもあるのだろうか。そして突っ込みと目されていたのにそれだけで終わらないあたりもなかなかのへごイズムである。オープニング歌唱もなんだか楽しそうで良いじゃないですか。若手は細かいこと気にせずに元気にやるのが一番やで。そして、もう1本の柱となるのは、作中の中心人物である美煌役の内山夕実である。私の中のゆーみんブームは昨年から引き続き吹き荒れっぱなしであるが、本作は彼女に惚れ込むきっかけとなった「貧乏神が!」以来、久しぶりの「野太い声での壊れ役」である。ポンコツゆーみんの破壊力はかようにも大きい。これを聞いてるだけでも至福なのです。また、この2人が2本の柱だとするなら、その回りの壁面を全部作っちゃった感があるのがナレーションの玄田哲章。「玄田さんで遊ぶ」っていう方向性は今となっては珍しいものではないが、この配置は色々酷すぎて笑ってしまう。そこまでやらすなら最後もちゃんと「アイルビーバック」っていわしてやれよ。そこだけ言わないのかよ。 その他にも、サバゲ部の面々はるみるみと奈央坊という贅沢な布陣。なんか全員腹黒ピンクに見えてくるわ。1人だけ知らない名前がいたけど、巨乳のあの子は全然下手には聞こえなかった。いや、むしろ普通に達者だった。最近の若手はほんと達者やなぁ、って思ったけど、事務所のプロフィール見たらそれなりに外画方面で経験積んでるのかね。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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