最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
ローズ編後半戦、第9話。およそ想定通りの顛末だったが、的確に心をエグる描写が多いのでダイレクトに辛かった。 ローズのかつての「過ち」の成れの果て。魔族の脅威は確実に人類の想定を超えつつあり、無敵を誇ったローズ部隊も共倒れの形で壊滅させられることになってしまった。成し遂げられなかったとはいえローズが「治しながら戦う」ことを想定して軍を動かしていたのに対し、敵方の将・ネロは「死してなお戦う」ことをよしとして挑んできたわけで、ここにも人間と魔族は対比的に描かれている。想定外の捨て身の特攻、そしてネロの操る魔剣と悪条件が重なり、ローズ隊は最悪の結末を迎えることになる。 どこまで行っても戦争は戦争。常に想定を超える事態は起こるものだが、ローズが敵を見誤ったのもしょうがない部分があり、そもそもあの時点ではおそらく「魔族」という敵対存在の解像度がそこまで高くなかったはず。のこのこ顔を出して正面衝突してしまったのも、「国境近辺、しかも自国領内での狩猟行為を発見しただけなので、全面的な衝突にまで発展しない可能性が高い」という読みだろうし、魔族軍がそこまで組織的に完成しているという想定もなかっただろうから、まさか上位の目標を掲げた上で命までなげうって挑んでくるとは思っていなかったはず。全てのイレギュラーはネロが明かした「魔王」という存在のためである。ローズの判断を責めるのも酷というものだろう。 魔族が組織としてまとまりつつある、このことは2つの意味でローズを揺さぶる。1つは当然脅威の増大。ネロのような統率力を持つ指揮官が多数現れることを想定すれば、これまでのように人類優位を前提とした警戒だけでは足りない。もともと「魔族は身体能力が人間を凌駕する」というビハインドがあり、そこに組織的な軍略を備えられたら太刀打ちできなくなる可能性すらある。魔王の存在は、それ単体で国を揺るがす一大事なのだ。そしてもう1点は、「組織」ができるということは、そこに人類と同様の「関係性」が生まれているということ。最悪のタイミングで、ローズはネロの部下、アーミラの存在を認識してしまった。ただ憎いだけの相手なら問題ない。血も涙もない畜生であれば討滅に迷いはない。しかし、自分が苦しめられたのと同じ感情を、相手も有している可能性があるのだ。そのことを認識してしまうと、ローズは結局は徳の人である。この後の戦争に、思うところもできてしまうだろう。 現時点では、ローズの姿勢に迷いはない。1ヶ月の沈黙の間に、おそらく考えられることは考えつくしたのだろう。最終的には今のプランに落ち着き、幸運にもウサトといううってつけの人材まで確保できた。相手方をどう処理するかはまだ定まっていないかもしれないが、「仲間を殺さない軍隊」という構想に迷いはないだろう。それこそが、死者の魂を受け継ぐ最善手であるのだから。 しかし気になるのはCパート。ネロは一応戦場で死ぬことなく自陣へ引いたと思われるのだが……現場復帰はしなかったのだろうか。代わりに当時はまだ新参だったアーミラが将の地位へと召し上げられており、おそらくこの戦争は「弟子VS弟子」の構図にもなるのだろう。そしてよく分からん黒騎士の登場。正直、キャストが???になってるけど中身の心当たりが1人もいないんだよな。流石にネロだとしたらアーミラの態度がおかしすぎるしキャラが変すぎる。単なる新キャラだと思うのだが、ずいぶん思わせぶりな登場である。「HIGH CARD」の方でも似たようなデザインの黒騎士が暴れてたけど、あっちは一応正体を隠す意味があったからなぁ。もしかしてこいつが魔王か? PR Your song is Fluorite Eye’s Song、第21話。まー、「歌うメカ娘」としてはあの子で1つ完結してる感がある。 「この状況でそんなことしとる場合か」という感じのお話だが、ノワールの心情面を考えれば必要な禊ではあったのかもしれない。こういうエピソードの時にキャラ作画がヘナヘナだったのは、リソース管理として正しいと言えるのかアカンのか……まぁ、派手なドンパチがない時に大したことない作画で処理しちゃうのがメカアニメとしてのプライドなのかもしれない(毎回しゃんとせぇやとは思うが)。文字通りの「晴れ舞台」なのに顔が抜け気味だったノワールがちょっと可哀想。 イデーアルだのなんだのといったきな臭い話題とは一切関係の無いお話ではあったが、これまでにない角度からのノワールの掘り下げというのは今後の展開を考える上で一応意味があるかもしれない。ノワールはこれまで「ゼロ型メイガスの1体」なので戦闘時になんらかの活躍をしてくれるものと期待されていたわけだが、あの機体における戦力は結局ミステルがほぼ全部持っていっちゃっており、1クール目最終話のようにミステルが表立って動いていればノワールはお払い箱。せっかくシエルを犠牲にしてまで2つに分離したというのに、そのノワールを連れていく意味が無いとしたらいくらなんでもちょっと寂しい。そこで、はっきりと人格が分化したことがより強調されるように「ノワールの自我」の部分を探るエピソードが挟まれ、シエルの身体を引き継いだ義務感も含め、戦闘以外の目的で「生きる意味」があるように設定されたわけだ。一応、自己の成長を促すのも三原則のうちですからね。 もちろん、単にシエルの後釜のアイドルになった、というだけでは結局なんの役にも立たないので現状ではあまり意味のある行程に見えないわけだが、ノワールがきちんと個として存在するということさえ印象付けられれば、もともとミステルとノワールは「別な意思」だったわけで、ここからノワールが新たなスキルに目覚める可能性だってなくはない。というか、空から落ちてきたノワールがきちんと自分自身の能力を認識し、ミステル以上の活躍ができるとするならそれはイストワール到達のためのキーパーツの役割であるはずだ。そのための自立支援みたいなお話が今回のテーマということじゃなかろうか。まぁ、シエルの方はそうしてノワールが元気になってくれれば本望だろうが、ノワールの方がそれでシエルの問題を消化できたかどうかは分からんけど。やっぱ、アンドロイド歌姫は「別な何かの代用」としてステージに立たされて懊悩するのが義務なのかもしれない。 話のついでにトキオの方もカナタにケジメをつけて最後の舞台へと舞い戻る様子。黒仮面さんが最終的に正しい行いができるかどうかは結局トキオにかかっている。まぁ、彼ならなんだかんだで上手くやってくれそうだけどね。これでトキオ(&ムートン)死亡展開とかだったら流石に泣くぞ。 指先と犬々(ワンワン)、第18話。まさかの今期2作目となる「聾」をテーマにしたアニメである。その対象が恋する女の子なのか、それとも柴犬なのかで全然趣が違うけども。 珍しい「丹羽が特に何もしない話」だが、きちんと今作ならではの教えに満ちており、色々と考えさせられる話だった。今回のテーマは「耳の聞こえない犬」ということで、このテーマを描くのふさわしいと選ばれたモデルは、僕らのアイドル・柴犬。動画サイトをちょっと検索しただけでも大量の可愛い動画が流れ込んでくる最強犬種・しば。そりゃもう可愛いのは間違いないし、特に目を引くのはその表情の豊かさである。困り顔、怒り顔に加え、動物には珍しい「笑顔」すら完璧にマスターしているのが柴のすごいところ。この度登場した茶太郎くんは、そんな百面相も愛らしい模範的柴犬。 今回のお話がややイレギュラーなのは、これまで頑なに維持してきた「人と犬のライン」を若干踏み越えたお話になっているため。もちろん「ペット大事、ペットの気持ちになって」というのは大前提の教えではあるのだが、そこにクールな線引きをして「まぁ、犬は犬ですけど。言葉が通じるとか思うんじゃねぇぞ」という部分にはしっかりケジメをつけ、「ドッグトレーニング」の重要性を教えてくれるのが本作の特徴。しかし今回の茶太郎は(アニメの演出ではあるが)言葉を話し、言葉を介する犬として登場する。これまでの条理を踏み越えたちょっと不思議な存在なのだが、何故そんな設定かといえば、「それまで話せていた」方が「耳が聞こえず意思疎通できなくなった」という事態の深刻さが伝わりやすいためだ。それだけ「人との繋がりが密だった犬」が今回の主役だからこそ、その犬種はやはり柴がベストだったのだろう。 おかげで耳が聞こえなくなった後の悲壮さは存分に伝わってきて、「言葉が通じるわけじゃない、でも、間違いなく言葉でコミュニケーションを取っていた」という犬との関係性が改めて浮き彫りになる。今まで外界を捉えるために必須だった「音」という要素をわけもわからずに剥奪されてしまった犬の悲壮さ、そしてそれをどうにかして改善しようとする飼い主の大変さ。「耳が聞こえない犬」なんて今まで想像すらしたことがなかった対象なのだが、そこにいったいどんな解決法があるかと、固唾を飲んで見守ってしまう。きちんとベストな解決法を見つけた今回の漫画家さん、ナイスファイトでした。 でもさ、実際に耳が聞こえなくなっちゃったら、散歩に連れて行くのとかめっちゃ怖いよね。飼い主の時と同じように、突然近くを人が通ったらめっちゃびっくりして襲っちゃうかもしれないし、車の音が聞こえずに飛び出しちゃうかもしれないし……ちゃんと気づいてあげられるかなぁ。 救えぬ者は救えぬ、第20話。考えてみりゃ、あれだけの激戦の果てに手に入れた束の間の安寧だったというのに、兵団の連中はみんなしてさっさとなげうってしまうのも姫様的にはどう見えてるのだろうなぁ。 全面戦争ラウンド2の開幕。ただ、1戦目は「集まった一般人を逃す」という目的が(クリムゾン以外には)あったので兵団側の戦い方はかなり制限されていたが、今回は名目上は「姫様の救出と翼の血主の討伐」ということで攻めの戦。みんなしてなりふりかまってないせいもあり、ボロボロだったはずなのに意気は高い。しかも今回、何故かはよく分からんが教団の偉い人から「時操魔法への耐性」とかいうよく分からんバフまでかけてもらえたので、仮に対戦相手がアルテマティアだった場合でも最低限の戦いはできるように調整されているという。まぁ、残念ながらクリムゾンの分析通りなので、今回も我らがティア様は後ろに控えてるだけなのだけど。教団の連中が時操魔法に詳しくてその対策まで打てた理由は……まぁ、分からんけどなんとなく分かるか。相変わらず個体の命をなんとも思っていない教団コピー軍団は、膨大な魔力の行使により続々老衰死。そんだけの犠牲も厭わない様子を見せられたら、あんだけむかつく教団でも憎めなくもなってしまうな。現時点では「竜の討滅」という目的が完全に合致しているからいいのだが、これで教団と兵団の目的がずれてしまった時に胸糞悪い展開になりそうでちょっと怖い。 とにかく、虎の子の転移陣を起動して兵団は王都へと急襲をかける。しかし竜側もそれは重々承知のこと。夜が明けない魔法の帷でいきなり出鼻をくじくと、待ち構えるのは生き残った上位竜、総勢3名。何故か前回若返って逆に「死期が近い」という不思議な状態のボルギウスさん。今回はゾラさんがイカれモードになっちゃってコントロールできないので、一番の巨大戦力を繰り兵団を圧迫する役目はボルギウスさんが担当することになった。 タラちゃんの恨み骨髄でとにかく「八つ当たり」がしたいというゾラさんは再び相見える兵団相手に容赦ない攻め。同情の余地などないはずなのに、こうまで必死になられるとなんだか申し訳ない気分になってくるのだから不思議なものだ。ちなみに前回「ゾラさんを殺せば姫様の毒もなんとかなるんじゃないか」とか適当なことを考えてはみたが、「そんな都合のいい話あるわけないわよ」とのこと。ぜーんぶお見通しかい。まぁ、ゾラさんの立場からしたら、仇の総大将である姫だけは絶対に生かしておくわけにはいかんからな。姫の勧誘とかいう自分の気まぐれが最大の要因だったという事実も、姫を消しておきたい理由の1つかも。 というわけで、ラグナたちが乗り込んできたもんだから姫様に仕掛けられた毒の呪いは問答無用で発動。いかな銀器姫とて、これには抗えずただ死を待つのみ。残された時間でできることは、ギリギリまで作り続けた未完成品の武器をラグナに手渡すことくらい。それらの銀器姫の末期のあれこれを全部見守って許容してくれてるカムイさんはどこか優しい人に見えなくもない。姫の無念を受け取ったラグナは、もはや何度目かもよく分からないが自分の強さとの折り合いをつけ、さらに一歩前へ。これであっさりカムイと比肩できるようになってたらちょいと興醒めだが。まだ流石にカムイの方が強い……よね? そうして各所で上位竜と兵団がぶつかったところで、満を辞して空気も時代観も読めないクリムゾンが最新鋭ゴーレムを持ち込んでの乱入。1人だけ別なアニメやってるみたいな気もするが……問題ないか。そういやスライム先輩だけどこにもいないのだが……どこにったんでしゅ? 2週続けて中村悠一と対決するアニメ映画を観てきました。まぁ、戦う意味は全然違いますけど。こちらはSEEDと違ってそこまで久しぶりではなく、アニメで言えば4年ぶりの新作、原作の完結からもおよそそれくらいの期間が空いているとのこと。共通しているのは「私がそこまで熱心なフォロワーじゃない」という部分だが、今作に関しては元のテレビシリーズが素晴らしい作品だったので視聴するのもやぶさかではなかった。そして、これはちょいと残念な話ではあるが、アニメ最終クールが確か作画がヘタって評判下げちゃったのよね。天下のProduction.I.G.で何が起こったのかは分からないけど、見事なモーション作劇が最大の売りだった今作で明らかな作画崩壊を招くというのは実にもったいない話。出来れば、最後をその印象で引きずったままの状態にはしたくなかった。その点、劇場アニメともなれば作画クオリティは保証済みなわけで、汚名返上、印象回復にはちょうどいいと思った次第。 ちなみに上映時間は90分弱とやや短いのだが、マジで烏野VS音駒の試合をまるまる1本やるだけの話なので、時間としてはこれくらいがちょうどいいんじゃなかろうか。というか、これ以上引き伸ばしたらかえってダレてしまうだろう。そういう意味では「劇場アニメの視聴」っていうよりも「いいバレーボールの試合のパブリックビューイング」に近い印象だが……そこは流石のクオリティ。単なる試合観戦だけでは終わらせない気概のこもった作りになっておりました。そんなにキャラに思い入れのない私のような人間でもグッときて涙ぐむポイントはあったので、軽い気持ちで観に行っても決して後悔はさせないだけのものになってたと思うよ。
<以下折り返しだが、まぁ、ネタバレとかはあんま気にしなくていいかな>
去るものあらば、又来るものあり。年に1度のお楽しみ、新戦隊の時間だ! まぁ、ぶっちゃけ毎年新戦隊の幕開けは「わぁい! 新しい戦隊だ!」というだけで文字通りの爆上げになってしまうので悪い印象なんてあんまり出てこないのだが、今年も今年で楽しみは維持できて安心ですね。そして、この安心感は実は案外久しぶりな感覚かも。なにしろ、何度も触れている通りにここ数年の戦隊ったらキワモノどもが揃っていていちいち「どうなってしまうんだぁ〜〜〜〜?!」って反応しか出来なかったから……。SNSの感想なんかをさらってみても、どっちかというと「これぞ戦隊だろ」という安心感というか、レトロ感に満足している感想が多いように見受けられる。遡るとキングオージャー・ドンブラ・ゼンカイとイロモノが並んでいるわけで、直近なら(乗り物推しという部分も含めて)キラメイジャーまで戻った感。いや、キラメイだって充分刺激の多い作品だったのだけど。 そうして「一度戦隊のよって立つところに戻ったなぁ」という安心感がありつつも、だからとてベタとマンネリでゴリゴリに固められては見る価値はなくなってしまう。ラインを維持しつつどこで攻めるかっていうのも今後の注目ポイントになるわけだ。1話の印象を見る限りでは、キングオージャーがかなりシリアス寄りの作品だったこともあり、ややコメディテイストに寄せる流れになるのかな。まぁ、キングオージャーのシリアス程度では一切埋め合わせられないレベルのコメディ……というかクレイジーが2年前に債権として積み上げられてはいるが。あんな薬物ではなく、それこそキラメイジャーくらいのバランスになってくれると1年間安心してみられるかしら。 振り返ってみると、「自動車モチーフ」を押し出した作品は割とライトテイストのものが多い。初めて「若者」を主人公にしたターボレンジャーを皮切りに、ギャグ戦隊の代名詞であるカーレンジャー、変身名乗りも個性的なゴーオンジャーと、常に「アゲ」要素は維持されていたんじゃなかろうか。その血統を受け継ぐ戦隊になってくれるなら、今年1年はあまり気負わず素直に楽しむことができる戦隊になりそうだ。 ちなみに「デザインがダサい」という部分に関しては、全くもってその通りだと思うので反論はない。仮面ライダーでよく言われる「1年みてたら格好良くなる」みたいな現象も、いくらなんでもこのデザインでは起こらないだろう。でも、ぶっちゃけダサさってあんまりスーパー戦隊では問題にならんのよ。「ダサさは強さ!」と某非公認戦隊も言ってるし(言ってないです)、愛着が湧けばそれだけに個性の際立つデザインは武器にもなる。こんだけ図々しいモチーフをそのまま使ってるデザインなのだから、今後思い切りいじってくれる期待もあるし。 あと、個人的に嬉しいポイントとして敵勢力・ハシリヤンの設定がある。今回は無事に1話目からはっきりわかる「敵組織わちゃわちゃ作品」じゃないですか。いや、まだ2人だけだし単なるアホカップルで終わる可能性もあるんだけど……2人の時点でちょっと楽しいのはとても良い。そしてこれまた思い返せば、「車戦隊」の敵キャラって憎めなくていい奴が多いのよ。具体的にはボーゾックとヨゴシュタインさんの流れ。すでに1話目で「こいつら、言うほど悪い奴でもないのでは……」みたいな雰囲気が滲み出てるし、是非とも芋羊羹を差し入れしていただきたい。 あとこれは完全に妄想なのだが、キングオージャーが10周年のキョウリュウとコラボしてたということは、こちらの「車」作品がコラボすべきは「烈車」作品なんですよね。メイン戦士にオレンジがいる時点でフリにしか見えないし……全裸待機だ。 ちょっと前に「ミスリル」の名称が使えなくなるみたいな話題がありましたが、アダマントは大丈夫なんでしょうかね、第9話。……今調べたら割と汎用性の高い名称っぽいけど……我々の感覚からすると「ミスリル」もそうだったよなぁ。 さて、今回も色々と情報量の多いお話。毎度こちらとしては適当に気になった部分に茶々を入れながら見ており、普通のアニメだったら突っ込んでハイおしまいなのだが、今作の場合、ちゃんと「こういう設定になってるんですねー」っていう形で疑問に対する答えが返ってくることが多いので、安心して茶々を入れることができる。 まず1つ目は「この世界における死と蘇生、魂の在り方について」。これまでゴーストの存在の不可解さとか、大前提の目標であるファリン救出についても「いくらなんでも蘇生の猶予期間長すぎだろ」とか色々と疑問はあったのだが、「それはこのダンジョン特有の設定なんですよ」と言われてしまえば納得できる(納得せざるを得ない)。ダンジョンの外では通常の死生観が適用されるが、ひとたびダンジョンに足を踏み入れたら、そこでは魂が束縛され、簡単には成仏できない状態、いわば一時期のラヴニカみたいな状態なので、アグルスコスも元気に幽霊刑事として活動できるというわけだ。まぁ、だとしてもファリンがドラゴンに完全に消化されても大丈夫なのかという疑問はあるが……。 続いて、こちらはいろんな要素にまたがる話だが、「この世界における人種」についての追加情報。マルシルが「エルフ・ノーム・ドワーフ」といった区分のことを「人種」と表現していたのは(それ以外にいい言葉がなかったのだろうが)面白い表現で、ひとくくりにファンタジーといっても、「人間」と同列に扱われる種族のレベルというのは意外に変遷がある。端的にいえば、エルフだって「森の精霊」だったりすることがあり、ドワーフも同様に「大地の精霊」みたいな処理になることもある。そうした線引きの中でもっと微妙な存在が「ノーム」で、たびたび今作のネタとして引っ張り出しているソードワールドの場合にはノームは完全に「精霊」側として描かれる。それこそ今回敵対したウンディーネ(前回ウィンディーネと表記してしまったが、今作ではウンディーネ)、シルフ、サラマンダーと並んで「四大元素精霊」と括られ、主にコントロールスピリットで小石に封じられて土が無い屋内でもスネアで相手を転ばすのに用いられたりする(一部のエルフ限定です)。しかし、今作のように「ドワーフよりもさらにちっちゃくて別種族感が強い亜人種」として描かれる場合もあり、さらにこの世界では「ウンディーネとお話してみようと思う程度には精霊との交流が可能な境目の種族」と認識されているようだ。彼らがこのダンジョンの象徴のような「蘇生魔法」を得意としているというのも、以前考察した魔法と精霊の関係性のサポートになっている。 さらに、ウンディーネの生態(?)についてもマルシルから補足が入っており、あの水の球体は「複数の精霊の群体」という説明がなされた。これにより、以前マルシルたちが学校で飼育(栽培?)していた瓶の中の「精霊」と同列に並べることが可能になり、今作における「精霊」観は割とすっきりした気がする。やっぱり生き物っていうより「微生物」に近いんだろうな。「1匹の精霊の寿命はだいたい1週間」なんて表現もあったし。まぁ、考えてみりゃ現実世界の微生物だって、見方によれば「土の精霊」みたいな存在なのかもしれないしね。 そうして敵対存在のある程度の定義づけがなされたので、今度は味方サイドの描写の掘り下げ。かつての仲間・ナマリの登場により、このダンジョンにおける「冒険者」のスタンスも色々とわかってきた。チルチャックがナマリを引き止めることに反対した理由が実に彼らしくドライでありながらも現実をしっかり受け止めていて興味深い。金で命を預ける商売だからこそ、金銭面での人間関係というのが一際重要になっているというのは面白いところだ。マルシルみたいにちょっと浮世離れしたお嬢様(?)タイプや、損得勘定が自分の趣味趣向に振り回されるライオス・センシみたいな連中の方が、このダンジョンにおいてはよっぽど浮いている存在ということなのだろう。さらにセンシについてはドワーフという種族そのものの特性からもだいぶ浮いているようで、2人目のドワーフキャラであるナマリから各種ツッコミをもらっていた。でもまぁ、ドワーフのどこかストイックで一本気なところは共通してるからね。たまたまその興味が鍛治や鉱物ではなく、調理と食物になったというだけの話。頑強な鉱物であるアダマントを自力で加工して鍋にしたのだとしたら、それなりの鍛治の技術もありそうだけどね。 そして最後に、まだちょっとよく分かってない概念として「魔力」が残された。前回でもなんとなく示唆されていたが、この世界における「魔力」はあまり自然治癒しないっぽい。宿屋にお金を払ってもHPしか回復せずにMPはそのままってのは結構大変である(ずっと昔のRPGだと似たような感覚の作品もあった気がする)。「魔力不足は貧血みたいなもの」と喩えられていたが、確かにどんだけ寝ても治らない貧血はあるからね。そこはレバーを食って回復させるのと同様、直接魔力を取り込むことで「補充」できるとのこと。……つまりこの世界における魔力って、「栄養素」みたいなもんなんだよな。もちろん、自然の回復量がゼロでは無い可能性もあるので、もしかしたら経口接種以外にも肌から外気に漂う魔力を摂取する、みたいな感覚もあるのかもしれない(日光によるビタミン摂取みたいなものか)。今回のマルシルみたいな魔力対策が進むと、ウンディーネ水を経口補水液みたいな扱いにして「魔力水」として販売する商売とかも現れるかも。……この世界だともうあるのかもな。 あのマシンにおけるルルのポジションはコーパイ(副操縦士)っていう扱いなのか、第8話。まぁ、確かにそうとしか言いようがないが……どれくらい役に立ってたんだろうな。というか、そもそもスミスがどれくらい役に立ってたんだろうな。 毎回毎回、「なんかよくわからない不気味さ」にばかり目がいってしまう今作、ここまでブレイバーン立ち振る舞いを中心に「虚実入り混じってて何がなんだかよくわからん」と警戒していたわけだが、事ここにいたり、なんかもう、虚実じゃなくて「虚」しかないような気がしてきた。今回は特に「どこで何が起こってるのか」が分からない話になり、文字通りにお話が霧の中である。 まず、最初は鳴物入りで登場して人類の脅威となったデスドライヴズ。スペルビアこそよく分からん間に戦力としては排除できたものの、前回討伐したはずのクピリダスは実はまだ残ってたとか言われるし、今回はそれも含めりゃ一気に4体も登場。インフレというかサービスというか、もう色々とぶっ壊れ。冷静に考えてATFサイドは純正の戦力強化などほとんど行われず兵が疲弊する一方のはずで、そこにこれまでの4倍の敵勢力がかかってきたら敵うわけがない。さらに、そうして登場した新戦力がとんでもない戦力を持ち合わせており、一番しゃべってたヴァニタス(緑川光)の戦力はよく分からんが、ペシミズム(茶風林)は幻影見せ放題の霧を操るし、スミスと対峙したクーヌス(田中敦子)は空間を自在に繋いで物体を転移させ、相手を宇宙空間に弾き飛ばしてしまう。こんなもん、普通に考えたら勝てるわけがないのだ。 そして、そんな状態で「戦っている」のが胡散臭いのである。もうはっきり言ってしまうと、全部が全部ブレイバーンの仕掛けた狂言というか、ごっこ遊びに見える。ブレイバーンの最大の目的は間違いなく「イサミと仲良くなること」であり「イサミといっぱい遊ぶこと」だろう。そして、人類と巨大ロボが一緒に何かをするとしたら、それは「外敵と戦う」以外にない。そのために、ブレイバーンが全てのデスドライヴズを派遣し、人類にけしかけている。そんなふうにしか見えない。ちょっとずつ敵の正体を明かして戦力を増強させているのだって「お話としてそっちの方が盛り上がるから」だし、いちいち「こんなこともあろうかと」で新武器やパワーアップイベントが待っているのも、全部ブレイバーンが書いた脚本通りだとすれば蓋然性が生まれる。何もかも分かったかのような彼の発言も、そりゃそうだろと言うわけだ。まぁ、現時点では単なる妄想に過ぎないが……ブレイバーンならそれくらいやりそうな怖さがある。 そうして見てしまうと、今回襲ってきた3人の敵についても「どこまでブレイバーンの想定通りなのだろう」と勘繰ってしまう。もしブレイバーンが想定しない要素があるとしたら、それこそ今回メインを張っていたスミスのような、「イサミ以外の人類」の可能性はある。クーヌスがあれだけスミスにご執心だった意味は1ミリも分からないわけだが、そうして他のデスドライヴズが「イサミ以外の人類」に興味を持つこと(そう言えばスペルビアもそれに近い状態だが)は、果たしてブレイバーンからすると想定外なのか、はたまたそこまで含めて、「最終的にロボットと人間が和解する世界」を用意しておいて、なし崩しでイサミと一緒になろうとしているのか……まぁ、すでに「交わって」いるブレイバーンにこれ以上の望みがあるのかどうかは知らないが。 ……胡散臭いなぁ……。 「しゃべりすぎだよ」と言いながらかつての友を惨殺するキャラ2選、「星馳せアルス」「大場なな」、第9話。こっちの皆殺しは、どっちかというとレグネジィの方が同胞を殺しまくってましたが。 黄都とリチアの戦争は、先週あたりから少しずつ黄都軍の巻き返しが起こり始めている。Aパート、ユノさんと別れていよいよ単独行動を取り出したソウジロウが単身でリチアとの前線に躍り出たが、そこに乱入したのは蜘蛛ですが、ニヒロさん。ここに来て高木さんと西片の対峙だが、一応2人は黄都サイドということで今のところは友軍である。まぁ、友軍とかいう考え方はソウジロウにはあんまし通用しないみたいだが。 すっかり忘れていたが、ニヒロさんは「濫回凌轢」というよく分からないキャッチコピーは知らされていたが、まだあの恒例の名乗り口上が出てきてないキャラだったか。おかげで私は彼女のことを「なんかよくわからんけどシュゴットたちと心通わせるメカ娘」だと勝手に思い込んでいたのだが、この度判明した肩書きは「カタクラフト/レヴナント」というよく分からないもの。レヴナント/RevenantというとMagicだと邦訳は「黄泉からの帰還者」と呼ばれるもので、ゾンビ的なサムシング。ただ、一般的なゾンビと異なり己の意思もはっきり持っているし、見た目には人間とほとんど変わらない、いわば佐賀でアイドルやってた連中と似たようなもんだろうか。ソウジロウの見立てによれば「マシンと本人で魂が1つ」とのことで、ニヒロさん本人に魂が依拠しておらず、蜘蛛型メカと2人で1人みたいな状態なのかもしれない。 戦力としてはシンプルな大艦巨砲主義で、とにかく速いメカ、とにかく強い狙撃と素体というシンプルな戦力。それだけにソウジロウみたいな規格外のやつとの相性は悪そうだし、他のチートクラスと比べるとそこまでびっくりするような性能でもなさそう。今は亡きヒグアレさんとバトルしたらどっちが強かったか……流石に毒は効かないだろうからヒグアレさんが不利かな。とりあえず今はまだソウジロウとことを構えるつもりはなさそうだし、強者の中では割と理知的なニヒロさん、どこまで今の役割をまっとうしてくれるかは気になるところ。 Bパートはサブタイトルにある通り、何とワイバーンVSワイバーンという他作品では類を見ない異質なバトルが幕を開ける。リチアが誇るワイバーン部隊を指揮するはレグネジィ。今回ようやく彼の手管が明かされ、やはり脳を直接くちゅくちゅすることでワイバーン部隊どころか別な生物までも大量に支配下に置いていたらしい。小狡いとは思うが、あれだけの量のワイバーン部隊をきちんとコントロールできていたのは彼自身の才覚なのだろう。 レグネジィとアルス、元々は同じ群れにいた2人だったが、アルスはあの通りのマイペースだし、今回のレグネジィの様子を見る限りでは「3本腕」という要素が侮蔑の対象だと思われていたらしい。群れから爪弾きにされたのかどうか分からないが、アルスは独立して世界中で宝具を集める旅でもしていたのだろう。袂を分ち、ぶつかり合う2人は最大級の「群」と最大級の「個」として相対した。戦局は二転三転。常にマウントで上位を維持しようとするレグネジィをアルスが機転で返して盤面を確定させない戦い。ここで見られるのがアルスの容赦なさで、勝つための布石としてメイジ市の市街部分のほとんどをあっという間に火の海に落としてしまった。元々砲撃によって半壊した街並みとはいえ、まだ避難が遅れた人たちもいただろうし、アルスの怜悧な判断がここに伺える。彼は決して正義の味方でもなんでもない、あくまで「レグネジィをやっつけにきたやつ」である。 最後の切り札を出したレグネジィが最大級の「群」によってアルスを抑え込んだかに見えたが、「すべては計算通り」とお互いに重ね合った結果、最終的に上にいたのはアルス。彼の持つ秘密道具シリーズはまだまだ底が見えない。これが世界を見てきた者の見識の広さということか。皮肉なことに、レグネジィはカーテという救いをこの街で得てしまったがために、アルスの思惑を超えることができなかったということに。……どっちが幸せな「勝者」なのか、やるせない幕引きであった。 さて、これにてだいぶ黄都が押し返してきた形。次なる戦場はどこになるのかしら? |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧 |