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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「俺、ツインテールになります。」 5→5

 現代アニメでは珍しい事件を引き起こしてしまったことばかりが話題になった、ある意味では問題作。みんなで一緒に、せーの、「万策尽きたー」。

 いやぁ、ここまでの作画崩壊は久しぶりですよね。ここ10年の動向として、ネットが口やかましくなったことや、全体的な作業の統制化などで、シリーズを通しての作画崩壊というのは(全体的なアニメの制作本数における割合ならば)減少傾向にあるはず。2006年のアニメバブルピークあたりでは、そりゃもう盛大な崩壊ラッシュが楽しめたものであるが、キャベツ事件やムサシGUN道などを境に、一応「なんとか見られる作画」へとシフトしていたのである。しかし、そりゃまぁSHIROBAKOはリアル、って言われる由縁なわけでね。ここに来て素人眼にも明らかな被害を受けたアニメが堂々の放送。制作は、「デート・ア・ライブⅡ」でも割とアウト気味だったプロダクションアイムズ。元々AICからの独立会社らしく、設立最初の元請け作品である「いなこん」はかなりのハイクオリティを発揮して期待を持たせたものの、ここ2作は誠に残念ながらのぷる天仕様になってしまっている。うーむ、本当に残念で仕方ない。

 何が残念って、割と中身が面白かったことである。最終評点は変化無しにしているが、これは内容点で+1、作画点を見逃せないのでー2くらいにしたいけど、なんか不憫なので下駄履かせて+1である。清々しいまでのラノベアニメであったが、中身は割と面白かったのだ。タイトルに冠した「ツインテール」というメインテーマ。過去のアニメでもいわゆるニッチ属性を売りにした「フェチもの」というのはいくつも存在していたが、「閃乱カグラ」とか「魔乳秘剣帖」みたいな「全員巨乳」作品は既にフェチとかニッチ産業じゃないから除外すると、例えば「全員ツンデレ」という「つよきす」、全員眼鏡の「メガネブ!」と、不思議と地雷臭が強い。そりゃそうだ、属性なんてものは1つの作品に多数の属性が混在して互いに差異をアピールし、「好きなものをお選び下さい」だからこそ意味があるもの。違いを楽しむ高尚な専門店など、よほどの覚悟と営業努力がなければ受け入れられないだろう。

 その点、本作の「属性」の使い方は無難である。まず主人公・総二の属性愛は素直に本物であり、「オレ自身がツインテールになることだ」という宇宙規模の考え方を許容出来る男。そして作中で様々なツインテール蘊蓄を披露して愛を確実なものとし、最終的には「自身に内包されるツインテール(CV:池田秀一)との対話」という哲学レベルにまで昇華した試練を乗り越えて、ついにツインテール愛を極めるのである。ここまで頑張ってくれている主人公なら、そりゃ応援してもいいと思える。また、(作画が良いとき限定ではあるが)アニメ的に見映えのする「動き」がツインテールには込められており、アクションシーンでの「なびき」「翻り」の処理は、スタッフもきちんと「ツインテール愛」が籠もっていることが分かる出来になっていた。「敵組織がツインテール愛をベースにしながらもその他の属性をプレゼンする」という展開も目先が変わって退屈しにくいし、「フェチもの」の入門ラノベとしては割とよく出来ていたんじゃなかろうか。

 加えて、敵味方双方の組織も割と楽しくてギャグがふるっている。何と言ってもトゥアールさんの素直な腐れ外道っぷりが清々しく、愛香とのどつき漫才が定式化してからも一切テンションを落とさなかった。途中参加のテイルイエロー、イースナといった可愛い女性キャラの変態度数も総二に負けず劣らずでトバしており、「エロギャグ」としても退屈しない密度があった。そして何と言ってもアルティメギルの怪人たちの恐ろしいキャスト起用である。ほんと、昨今のアニメ業界はベテラン声優陣にいっぺん土下座して謝った方が良い。稲田さんとかならまだしも、速水さんとか玄田さんにあんなんやらせたらいかんでしょ……関さんまで……。挙げ句の果てに最終回のスタッフロールは「ツインテール:池田秀一」だよ。頭おかしいわ。こんだけ振り切って作ってくれた馬鹿の極み、楽しくなかったら嘘である。

 これだけいいところがたくさん詰まっていたアニメなのに、本当の本当に勿体ない。これ、毎週第1話とか最終話レベルのクオリティで女の子が可愛く、おかしく描けていたら、「さばげぶっ」とかよりも上に行けた可能性すらあると思うのだけども……悔しいなぁ。神戸監督や喜多幡さんも悔しかろうなぁ。是非、(どうせなら同じ制作スタジオの新作で)リベンジしてほしいものである。

 中の人の話は、やっぱりトゥアール役のまれいかなぁ。内田真礼はトバす役だと本当に輝く。変態台詞を言ってる時のトゥアールさんは素敵なレディであらせられた。それに対抗する愛香役の相坂優歌も良い仕事をしており、今作で無事に名前を覚えることが出来た。赤﨑先生やぴかしゃは……相変わらず。ただ、1点気になったのはテイルレッド役の上坂すみれである。すみぺはハマる役を任せると本当に良い味が出るんだけど、今作のように「普通の」声でやろうとすると、なんか色々と技量がおっついてない印象がぬぐえないね。落ち着いて台詞しゃべるときの発声がちょっと違和感を孕んでいる気がする。解決法としては、全部語尾に「ッス」をつけるっていうのがあるけど、それじゃ今後の業界を生き抜くことは出来ない。この辺で改めてスキルアップ出来ると良いのだけど。

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「なりヒロwww」 4→3

 んーーー、面白くはならんかったな。もとから大した期待はしてなかったから別にいいのだが……菅原そうた作品ではずれてしまうとちょっと寂しいね。

 あんまり面白くなかった理由は、設定自体にもう新しさが無かったからかね。gdgdだって別に設定に新しさがあったとは思わないけど、基本的にこの人の芸風って、内輪でゆる〜く会話していくうちに理不尽さで笑わせるのが主なので、今作みたいに「敵怪人との対戦」とか、そういう主軸のストーリーがあんまり意味ないんだ。最近はもう「なんちゃって正義の味方」なんてネタも使い古されてるし、アクションシーンで全く見せる気がないのにわざわざバトル展開を作る意味も無いし。基盤部分からして、旧作より面白くなる理由はあんまりない。設定と諸要素で充分な豊かさを持っていた「セハガール」とは比べるべくもない。

 そして、gdgdを盛り上げた最大の要因である「中の人のアドリブ勝負」についても、はっきりいって今作は不発だ。定番化させて盛り込まなかったせいでネタとしての伸びしろが少なかったってのもあるし、この3人だと、絶妙にボケ・突っ込みのバランスが取りづらかったんだなぁ。基本はむっちゃんが引っ張る構成にするつもりだったのだろうけど、むっちゃんは勢いあるけどカオスワールドを作るには生真面目すぎた。ゆっこの方をもっと前に押し出す構成にしてれば、ひょっとしたらアドリブパートも違う方向性に伸びたかもしれんのだが……なんか、空回りだったなぁ。こうしてみるとgdgdとかロボットアニメの核融合クラスの反応って奇跡だったのかもしれん。

 まぁ、いうても15分のネタアニメだからね。こけても大して痛くないだろうし、また気楽に次のチャレンジをしてほしい。

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12月26日 【年末スペシャルイベント】

 

 事前告知通り、年末最終週となった今回は、スペシャルイベントを開催しました。かつては特設キューブドラフトを展開したりもしたけど、今年は個人的に一度やってみたかったので、統率者戦でございます。レギュレーションについては過去の通信を参照のこと。ただまぁ、私のデッキセッティングが中途半端だったので、色々とご迷惑をおかけした部分はありましたね。特に、デッキの次元を1つ誤ってしまった某氏には、色々と迷惑をかけたような、それでも満足出来るからええやろ、と思ったような。なかなか難度調整って難しいですね。

 とりあえず、結果を記録しながら個々のデッキについての概要を記録していきます。

 


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 しょうがないにゃあ。今日から正月三が日にかけては、毎日ストック分を1つずつ放出していきましょうね。それでも無くならないくらいのストックがあるのはおかしい。一発目からして割と極まってる回。既に半年前かぁ。

 

Round1・「へいさらばさら」

1.バングラディッシュの都市。

2.昭和30年代に流行した別れの挨拶。さらばを面白おかしく言った語。

3.ヒンドゥー勃興期における入滅の意。

4.梵語で夜叉を意味する。

5.牛や馬の腹の中から出る結石。赤黒色で、解毒剤として用いられた。

 すらんがすてーんに繋がる「生物の石」シリーズの草分け。ちなみにもう1つあるのはそのうち出てくる(かも)。それにしても②である。こういう答えを作れる人間になりたい(なりたいとは言ってない)。

 

Round2・「らくひんき」

1.致命的な欠陥のある女性を指す語。

2.中国の作家。

3.北欧神話における架空の樹木の中国語訳。ユグドラシル。

4.太田道灌が著した農業指南書。

5.盛唐の将軍。西夏討伐の功により禁軍元帥に叙された。

 ①は「落品姫」なんですかね? いや、だとしてもこんな意味にはならないが。

 

Round3・「しのじ」

1.皇室における儀の一。毎年夏至に執り行われ、天皇または皇后の同席が必要とされる。

2.フランスの革命家。フランス革命においてダントン派の参謀を務めた。

3.中山道の異称。

4.女の髪の結い方。しのじあげ、しのじまゆ。

5.平安時代の宮道。現在の長野県松元市から滋賀県大津市に通じた。

 

Round4・「かにだまし」

1.奥州相撲の四十八手の一。

2.東北で伝統的に用いられる漁餌。原料の多くはヒジリ貝など貝類で占められる。

3.ナミマテ貝の異称。カニの巣穴に似た穴を掘るため。

4.カニダマシ科の甲殻類の総称。形はカニに似ているが、真のカニ類ではない。

5.ふりかけの一。甘エビの殻、ゴマ、黒胡椒を混ぜたもの。

 広辞苑最強パターン。トムソンガゼルの子は成長すればトムソンガゼルになるというのに……。

 

Final Round・「にょんにょ」

1.にょきにょきに同じ。

2.女の中の女。

3.半魚人の異称。

4.伸びた麺の意。

5.江戸時代に赤子をあやすために用いた棒。

 男の中の男は「なんな」なんですかね??

 

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「大図書館の羊飼い」 4→5

 意外や意外、割と最後まで観られてしまった! 個人的に、こういうタイプのエロゲアニメで抵抗なく最後まで観られた経験は珍しいので、なぜこうなったかは非常に気になるところである。

 スタート時点での印象は「エロゲすなぁ」という身も蓋もないもので、正直「アカンやろな」と思っていた。映像面でも取り立てて見るべき点もないし、「学園に設置されたなんだか今ひとつ何してるか分からない部活動のメンバーに、押しの強くない達観系主人公」なんて、特に面白くなる要素は見出せない。エロゲユーザーからしたらごくごく基本的なスタート地点だろうから、ここからどのように展開するかで評価をしていくのだろうが、アニメ消費者としてはこのセッティングだけでややげんなりするのである。今期はほぼ同じような状況で「失われた未来を求めて」が被ってたし。やっぱりヒロイン轢かれるし。

 ただ、そうしてぼんやりと見続けていたものの、なかなか「退屈だからもういいや」という気持ちにならなかったのである。おそらく、最大の焦点である「羊飼い」というファクターが早々に明かされた展開が意外だったことがモチベーションに繋がったのだと思う。てっきりタイトルや導入部分から「羊飼いを捜す物語」になるのだと思っていたのだが、割とあっさりその正体が判明し、主人公がそちらサイドから「運命を編む者」としての使命を帯びるという展開は想定外。「他人の運命の分岐を読み取り、望ましい未来に誘導するお仕事」なんてのは考えてみりゃエロゲのルート分岐に適当な理屈をつけるためだけの安易な思いつきではあるのだが、本作ではそうした「設定のための世界」がそこまで違和感にならず、筧の性格からすんなりと「羊飼い業務」に入っていくことが受け入れられた。そして一番大きいのは、主人公だけがそうした超越者の視点を持つのではなく、隣に小太刀という「同業ヒロイン」がおり、彼女を通して「運命を編む者」サイドの物語も同時進行で恋愛展開になったのが良かったのかもしれない。「編む側」「編まれる側」の多相構造で各々の人生を考える恋愛ドラマは、未来が自由になっているような、決してそうでもないような、不思議なやきもきがあって楽しかった。

 また、この手の作品の常として多数のヒロインが押し寄せるのでその処理だけでどんどん話数が費やされるという難点があるのだが、今作は小太刀とつぐみというメインヒロイン2人にさっさと話を絞り、残りの面々はあくまで脇での賑やかしに徹してくれていたのでメインシナリオが見やすく、この2人のヒロインの魅力が上がったというのも良かったポイントかもしれない。個人的にはそりゃぁ小太刀一択であるが、つぐみちゃんだってまっとうな「正ヒロイン」ぶりは決して悪くなかったし。ほんと、こういうとこでの米澤円の安定感は格別ですわ。もちろん、小太刀がトップになった理由の1つには種﨑敦美の存在が欠かせないのはいうまでもなく。

 総じて見れば特に目を引くような要素があった作品ではないが、べっかんこう絵がこれまでのアニメ化作品の中では一番見やすく、ユルい絵になったときも愛らしさが維持されてシリアスとSDがシームレスに繋がっていたのが見どころだったかも。どうせエロゲ原作ユーザーが見てきた止め絵の1枚絵クオリティをアニメで完全再現するのは無理なのだろうから、こうして適度なユルさを持たせて余裕のある画作りをしていくのが、共存共栄のための穏当な手段だったのかもしれません。こういう方向性なら、今後もエロゲアニメに未来はある気がするね。

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 信じられないほどのサービス回、第13話。あ〜〜〜まさかの年末にこんな回があるなんて〜〜。

 結論から言えば「この世界の女の子は身の毛ものよだつほどに可愛い」ということである。マリ姉だって可愛いし、ミノリちゃんは当然可愛いし、レイネシア姫は怠惰可愛く、にゃん太さんに一途なせららちゃんだって問答無用で可愛い。考えてみると「WIXOSS」が終わっちゃったから久野ちゃん成分を補充するのにこのアニメは最適である(あとどこぞの豚)。そして当然アカツキちゃんのマジトーンが可愛い。いつも通りには違いないのだが、あれだけの苦難を主君とともに乗り越え、一回り大きくなったと思われたアカツキちゃんもそっち方面では相変わらずの様子なのがなんともいじらしい。直継に対するキックの速度が上がっており、まさかのここだけ特別スキルである瞬間移動流星キックをマスターしているのも見どころだ。

 でも、やっぱりそんな女の子連中を出し抜いて今作で一番輝いているのがてとらちゃんであるのはまごう事なき事実なので困ってしまう。あぁ〜癖になるんじゃぁ〜〜藤井ボイスのおかしさここに極まれり。このウザさは恐ろしい中毒性。なんだかんだで割と良い奴なのもポイント高いしなぁ。直継が気付いてないのはネタとして問題無いけど、残った「気付かない面子」がアカツキ・ミノリなのがどうにもこうにも。盲目とはよく言ったものですね。

 こんだけ素敵な女の子が大挙して押し寄せ、ボーナスエピソードとしてはお腹いっぱいやな、と満足したところに、なんと最大のボーナスが舞い降りる。次のシナリオに繋がるラストパートであるが、ドSで罵倒語を駆使する怖い怖い黒さぁやの降臨。容赦無い罵詈雑言と、恋愛の象徴である食べ物を土足で踏みにじる下衆極まる精神性がたまらない。罵倒されているのがヤンデレ気味の千和というのもかなりの高得点。たまらん。良い年末が迎えられそうですね。

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「結城友奈は勇者である」 5→5

 ごめんな……なんか、某知人がやたらに盛り上がってたので尻馬に乗って盛り上がってみたけど……俺、このアニメにそこまで執着なかったんだ……。いや、悪くはないと思ったけども。

 まず、映像面は本当に素敵。最初は「いくら何でも観念的すぎるだろ」と思っていた樹海ワールドもラストの世界設定を見れば納得の出来だし、友奈ちゃんはパンチしか使わないってのに、不思議とバトル中の描写も盛り上がる。キャラは終始可愛いし、個々の萌えポイントは非常に高い。そして、すげぇアニメだな、って思ったピークは感想にも書いた5話目。流石にわずか半クールで世界を救ってしまう超絶構成には度肝を抜かれた。「総集編やんけ!」と言いながらも、実は案外そつなく必要な要素は拾い集めており、ギリギリ破綻しないレベルで収めたのは素直にすごいと思う。そしてそこからは「第2部」である「現実激闘編」が幕を開け、毎週毎週障害を抱えた少女達の苦闘に胸を痛める日々が続く。ぶっちゃけ、視聴してる間は充分盛り上がるのである。何度も自死を試みたことを告白する東郷さんの濁った瞳も救いようのなさがゾクゾクするし、ことラス前のにぼっしーの大立ち回りに至ってはボロ泣きしてしまったのも事実であるので、そういう意味では完全に制作側の狙い通りだ。夏凛ちゃんの勇者部五箇条はあまりに王道すぎて卑怯なくらいに盛り上がった。また、闇落ちする東郷さんの様子も実に蠱惑的で、あのまま世界をぶっ潰すことに成功してくれていれば、伝説に残る名ヒロインになった可能性もあるのだ。

 しかし、そうはならなかったんだよねぇ。「なんか分からないけど助かっちゃった」んだよねぇ。ハッピーエンド自体は悪いことだとは思わないし、そこまで投げっぱなしというわけでもない。ただ、筋立てとしてのかみ合わせは良くないよね。まだまだ神樹様とバーテックスの戦いは世代を超えて続くという「課題を残した終わり方」であっても、あそこで世界が修復し、勇者部が回復してしまうと、「それまでの設定は全部茶番であった」というガッカリ感はどうしても発生してしまう。あそこまで必死に友を想った東郷さんの信念や夏凜ちゃんの生き様は結局「なんか勢いでどうにでもなるようなこと」レベルだったことになり、尊い犠牲と思われていた乃木さんの存在も、「友奈ちゃんに比べると世渡り下手だった残念な戦闘員」でしかなくなる。ひっくり返したちゃぶ台の上には、ひっくり返しちゃいけないものがたくさん乗っていた気がするのだ。そういう意味で、やっぱりあのエンディングは一考の余地はあったのではなかろうか。

 また、どうしても「まどマギ」と比較してしまうというのもネックの1つ。ここで「なんでもかんでもまどマギ厨はー」と思ってはいけない。しょうがないだろう。どう考えたって制作側はまどマギを意識して作っているのだから。そうして比較してしまうと、友奈の存在に後ろ盾がないこと(まどかにはほむらが作った因果の複層構造という一応の「理由」が存在している)、世界を司るシステムに理由が無いこと(世界を明かしてくれた親切なインキュベーターに比べると、神樹様はあくまで結果だけで経過報告するだけの「後付けし放題」な存在である)などが引っかかる。わざわざ髪の毛の色をまどほむに合わせてラストの友奈・東郷のカップリングを強調したり、途中参加の花凜ちゃんのメンタリティが杏子のそれと無駄にリンクしたり、「せめてもう少し差異を出しても良かったんじゃ……」というのも気になるといえば気になる。そういう意味では、比較対象の無い犬吠埼姉妹の挙動が一番興味を持って楽しめたところかな。4話カラオケ回とか、後から見ても割と泣けるセッティングになってるしね。

 まぁ、色々と気になる点は多いのだが、何も無下に「悪い」と断じているわけでもない。あくまでまどマギとは目的意識が違ったということである。本作はまどマギとの大きな違いがあり、それはあくまで「ゆゆゆ」ワールドの端緒として作られた作品でしかないという、バックグラウンドの大きさである。本編最後に「友奈編」と冠されていたことや様々なメディア展開から分かる通り、このアニメ作品は「○○は勇者である」という1つの世界を舞台にした様々な物語のスタート地点なのだろう(乃木さんの方が過去話だけど)。結城友奈の物語はとりあえずこれで幕を閉じる。神樹様による生け贄の撤廃という大きな仕事を成し遂げた「数多の勇者の1人」として結城友奈と讃州中学勇者部は今後歴史に名を残すのだろう。後の物語は、「まだ描かれていない」だけなのだ。それなら、まだまだ破綻した部分や分からない部分はたくさんあってもいい。まだまだこれから、他のところで語られるかもしれないのだから。さて、本作のヒット次第では次なるステージもアニメでお目にかかれるかもしれないけど、どうなりますかね。

 最後は当然中の人の話だが、まー、とにかくぱるにゃすがんばるにゃす! ぱるにゃすは本当に不思議な役者で、代表役となった小紅ちゃんもそうだったけど、特別上手いとは言えないはずなのに、なぜかキャラとのシンクロ率がやたら高くて、1つ1つが見事に「はまる」。友奈ちゃんがぱるにゃすで、ぱるにゃすが友奈ちゃんで。この不思議感覚は癖になります。コンシュマー向けに丸くした汎用型りえしょんみたいな不可解なパーソナリティも恐ろしくてよいね。その他、若さを武器に躍進する黒沢ともよちゃん、愛されキャラのワイフ、みもりはみもり、そして全てをとりまとめる我らがおかん、内山ゆーみん。ゆーみんのビーストテイマースキルは、本人が望まないのにどんどん上がる一方だよね……。

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「異能バトルは日常系のなかで」 5→6

 ほどよくまとまる良作だったんじゃないでしょうかね。今期はこうして「あ、意外と悪くない」って感じでジワジワはまっていく作品が多かったですわ。

 加点したのはひょっとしたら衝撃の第7話の影響が大きすぎるかもしれないが、まぁ、TRIGGERによる映像面の良さを加味すれば、多少下駄を履かせても問題無いレベルだと思う。1話目では「あれ? TRIGGERでこんなもんか?」と訝しんだものだが、2話目以降でキャラデザの安定感を取り戻し、要所で「らしい」動画にも繋げることが出来た。無体なバトル描写なんかはサブカテゴリでしかない能力バトルの方にしか活かせなかったのでやや勿体ない気もしたのだが、そうすることで「日常」と「異能」のギャップを大きく広げることが出来て物語に振れ幅が出来るのは悪くないアイディアだと思う。日常パートでは丸っこいデザインのキャラクターが常に可愛らしく描かれており、コロコロ変わるヒロイン勢の表情だけでも充分楽しむことは出来た。個人的なお気に入りポイントは鳩子の困り眉です。っつうか、鳩子全般です。海でのシーンもなかなか良かったよね。

 「日常」と「異能」という構成について、「異能バトル部分が完全に余計」という趣旨の意見を目にすることが多かった本作。まぁ、正直この意見については同意する部分も多いのであるが、決して「完全に無駄な要素」ではなかっただろう。最終話で何となくまとまった風に見えるのは異能との絡みで「日常」を引き立たせたためであるし、ああやって命懸けのシチュエーションを演出することで安藤の男前っぷりを非常に分かりやすく出すことが出来るので、手っ取り早く「それっぽいメインシナリオ」をまとめる機能はあったと思うし。いや、「最終話で刺客が1人襲ってきた時点で今後の安寧が一切約束されず、安藤達は不安の中で生きていかなきゃいけないはずなのにお気楽すぎるだろ」とか、「彩弓さんは相模があれだけ直接的に絡んできたんだから、どう足掻いても裏世界との接触は避けられないだろ」とか、「安藤って単なる高校生のくせに、足突き刺されたり手を切断しても平気っていう時点でよっぽど異能だよね」とか疑問の残る部分も多いんだけど、まぁ、1クールの締めですから。この後バトル突入不可避だったとしても、アニメシリーズとしての欠点にはなるまいよ。

 こうして「異能」と「日常」を混ぜ込んでネタ化させた意味というのは、おそらく原作者側の意図としては「最強なのに役立たず日常系」という出落ちネタだったのではないかと推測する。「ラノベは日常ものとバトルものがほとんどで、その2つを変な方向で混ぜたら面白くね?」というのは割と単純な発想で、「アウトブレイクカンパニー」や「勇しぶ」も大体同じ発想なので、取り立てて目新しいものではない。今作でそれがオリジナル要素たり得たのは、主人公の安藤のキャラが良くも悪くもぶれずに固定されていたおかげだろう。彼が恋愛要素を一切考慮しない朴念仁であり、厨二設定を堂々と振りかざす阿呆でありながら、なぜか道徳観念だけは非常に達者であり、ヒロイン4人(会長も含めれば5人)から惚れられてもそこまで違和感の無いマジカルワールドを産みだしている。「異能に悩める女の子」を「異能マスター」が導いてやるというのは、変則的ながらも「超絶有能イケメンが迷える女の子のピンチに駆けつける」シチュエーションと本質的に大差ないため、こんなヘンテコ主人公でもモテていい世界になっているのである。そういう意味では、このハイブリッド設定も単なる思いつきから一段上がって「意味のある設定」ではある。また、こうして「異能前提」を設定していたからこそ鳩子バーストのような一種の反則技も効果的に見せることが出来たわけで、決して考え無しに異能設定を無駄遣いしているわけではないだろう。まぁ、やっぱり視点が安藤達から外れてしまうと退屈になったのは事実だと思うけどさ。

 退屈だと思うなら、鳩子や灯代といった優秀なヒロイン勢を思い出して脳内補完すればいいじゃない。今作のMVPは早見沙織、そして岡本信彦のツートップであるが、山崎はるかも新ヒロインとしてきっちり仕事をしていた。灯代の設定って全部「どっかで見たことある」気はするのだけど、総合すると割と新鮮な気もするのよね。その他彩弓さんに千冬ちゃん、会長にくっきーまで。ヒロイン全員がしっかり安藤にアプローチしながら魅力を発揮する、良いラブコメでございました。でも、僕は鳩子派です。当ブログは恵まれない幼なじみセカンドヒロインを応援します。

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「ヤマノススメセカンドシーズン」 5→6

 やっぱりゆかもこは最高だぜ! 本当に良い井口分と阿澄分が摂取出来るサプリとしての優良作品である。

 15分アニメで2クール、しかも元々5分アニメというなんとも不思議な出自を辿っているこの作品。一体どうなるものかと思ったが、なんの心配もいらない堂々たる2クールであった。そう、萌えアニメというのはこれでいい。女の子が可愛い、それが重畳。4人の女の子を中心とした癒しの時間は無事に幕を引けたのである。世間的には、どこかで「長くして2クールになったからダレた」なんて意見も見聞きしたことがあるが、わたしゃそうは思いません。ダレるもなにも、元々描かれるべき責務の無い作品としてスタートしており、登山というテーマをベースにして最終的にはあおいとひなたに帰ってくればよいのである。それならば、そこにキャラクターが描かれ、それが可愛らしいままであれば「ダレた」というのはお門違い。「ゆっくりしていってね!」というのが正しい解釈の仕方なのである。まぁ、もちろんそういう見方ってのは非常に偏ったものであろうし、是非が分かれるのは致し方ないと思うけどもね。この15分枠という身の丈にあった時間配分と、充分な密度を持った「それしかない世界」はばっちにニーズに噛み合っている。

 そして、今作は実はそれだけには留まっていない。文字通りに中盤で山場となった富士登山。なんと、この作品ではまさかの挫折エンドをむかえるという衝撃のストーリー展開は、「高校生のくせにお気楽に登山なんてできるんかいな」という懐疑派にも納得出来る「登山は楽しいけど、遊び半分でやったらあかん」というマジ警告ドラマである。あおいが登頂できなかったことは残念であるが、こうして「山の厳しさ」を味わうことも登山の一環であると考えれば、彼女はこれ以上ない形で富士山を満喫したとも言える。単に「厳しい」ことを伝えて突き放すのではなく、「失敗したこと」で学べることがあり、そこに仲間がいてくれることで、再び山を目指すきっかけが産まれることで友情を補強することにもなった。「楽しさ」「厳しさ」の両面を正面から描ききり、1つ1つの体験が人生経験へとフィードバックしてくるその構造は、女子高生きゃっきゃうふふアニメの形態ととりながらも、きちんと成長物語としても読み込めるものになっているのである。良いアニメじゃないですか。正直、これを観てるとちょっとだけ(ほんのちょっとだけ)登山も悪くないかな、なんて思えてくるのです。まぁ、俺のとある友人みたいに、「これヤマノススメで紹介されてたジャケットとリュック、高かったわー」「へぇ、お前山登り始めたんかー」「いや、登る予定なんて全くない」ってのも困りものだけどね。

 以上、ゆか・もこ・ひよ・ゆいの4人組の素敵な時間でした。ホントに「夏色プレゼント」は大好きなオープニング。映像のデザイン性がこんなに素晴らしいオープニング、最近だと珍しいよなぁ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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