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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「失われた未来を求めて」 4→4

 終わってみれば、思っていたよりも悪くないアニメだったと思う。ちゃんと1クールの中でお話としてはまとまっていたし、それなりに独自の売りとなる部分もあった。

 印象が改善された一番の理由は、今作独特の作画デザインに慣れた、っていうのが大きいだろう。もう1話目の印象は虚ろなのでひょっとしたら放送中に自然な方向へと徐々に変化させていってる可能性もあるのだが、とにかく最終的にはキャラクターデザイン云々でマイナスイメージはほとんど無くなった。まぁ、細かいモーションの部分ではカクカクと不自然な部分もあり、相変わらずこのデザインのうまみってのはさっぱり分からないままではあるのだが、一応、本作のメインプロットとなるSF設定とのかみ合わせを考えると、「不確かな未来」「不確かな今」を表現するための輪郭だったと考えれば、納得出来なくもないだろう。

 そうした映像面でのマイナス成分が弱まれば、お話としては「普通のエロゲ」ではあるのだ。エロゲってプレイしたことないし、数も多いから何を持って「普通の」としたらいいかも定かではないのだが、学園設定と、「なんかよく分からんコミュニティ」というセッティングのベタさ、そして恋愛を絡めるためのSF・ループ設定などは、多分その道の人にはお馴染み過ぎるレベルのものなのじゃなかろうか。アニメで見た作品に限定しても、一番簡単な言い方をすれば「シュタゲフォロワー」の1つということになる。もちろん、「焼き直し」というような悪い意味ではなく、今作は今作なりに、「多重世界」を真面目に取り扱っており、ドラマとしては充分成立している。2人のヒロインを巡っての過去と未来の葛藤劇は、おそらくゲームとしてじっくりテキストを読みながら進めていけば、割と楽しめる部分も多かったのではなかろうか。

 まぁ、その上でやっぱり「ここが良い」って大々的に取り扱える部分が無いのも事実だったとは思うんだよね。「シュタゲでいいじゃん」は言い過ぎだと思うが、どうしても「複数のシナリオを多層的に攻略する」というエロゲの設定上、こうした世界改変、タイムトラベル、ループといったテーマはありきたりのものに見えてしまう。今期だけに限定しても「大図書館の羊飼い」は世界改変の物語であるし、放送時間が並んでいる「天体のメソッド」も(エロゲじゃないが)タイムトラベル・ループが絡み、最終話の放送時はまさかの2作品続けて「記憶なくなっちゃった」ネタをやられて無駄に残念な気持ちになってしまった。何かもう1つ、はっきりとした今作オリジナルの押しがあれば見やすくなったとは思うのだが……。その「あと1つ」が至難の業なんだよなぁ。

 あ、あと人を殺すときに一番手軽なのが交通事故なのは分かるが、なんかこう、もうちょっと考えてもらえると嬉しいです。今期事故死多すぎ。

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 モザイクファクトリーわろた、第11話。既に色んなもののパロやら肖像権ギリギリの人物描写で突っ走ってきた今作であるが、あそこまで露骨なのは初めてだ。いや、モザイクかけたってアウトはアウトだろ。ザクとか、モザイク模様でもディティールかわらねぇし、よりアウト度が増すだけの結果になっているという。いや、そういうネタなんだろうけどね。

 今作が2クールだということを最近知って割と衝撃を受けた。すげぇな、この内容で2クール分引っ張るネタが……まぁ、あるわなぁ。基本的には宮森たちの仲良しチームの物語ではあるものの、いくらでも「業界それっぽい話」でネタは出てくるだろうしな。オリジナルで、しかもこんなキワモノネタでも余裕で2クール回せるのは流石のP.A.といったところ。水島努にこんなおもちゃを与えて半年放置しておくというのもなかなかに刺激的な状況である。今回のモザイクのかけ方だって、一歩間違えば「アザゼルさん」と同じレベルのアウトネタって考えるとものすげぇ下世話だしな。楽しそうに仕事していて何よりです。

 今回のテーマは大きく2つだろうか。1つ目は、宮森の心の傷をダイレクトにえぐってくる素敵イベント、就活面接。当然アニメ制作会社も一般企業と同じ面接をやっているわけで、現在働いている社員さんは皆この面接の結果としてムサニで働いているわけだ。宮森さんだってほんの1年ほど前にその面接をくぐってきたわけで、彼女の就活戦争の苦しさが回想シーンで蘇ってくる。そうか、彼女は高校卒業後は普通の大学の経済学部か。それなりに真面目な大学生だったのだろうけど、大学生で真面目一辺倒ってわけにもいかないし、普通に遊んでたんだろうなー。どんな連中と付き合って、どんなキャンパスライフを送っていたんでしょうか。その間絵麻ちゃんとは一緒だったのか。普通に考えると、大学4年間の生活を経て、しかもそれが経済学部でアニメと全然関係無かったりしたら、高校時代の友達との契りなんて忘れてしまいそうなもんだけどね。よっぽど大学生活がつまらなかったのか、彼女達の夢が本物だったのか。結局アニメ制作の仕事に舞い戻ってくるだけのモチベーションがあったのだから、それはそれで偉い。

 しかし、そうは言っても採用する側から見れば宮森なんて十把一絡げで溢れかえっている単なる「就活生」でしかない。とある大手の制作会社は、宮森のアドリブのきかなさとと浅慮から彼女を落としているし、面接の様子を見る限りじゃムサニも落とされても文句は言えないくらいの内容。タローと宮森は同期だから、宮森は「タロー以上である」という程度のハードルを乗り越えての採用ということに。「ひょっとしたらムサニ社長は意外にも見る目があり、宮森の抱えるポテンシャルに気付いたのかもよ!」とかポジティブに考えようかとも思ったが、タローがいる時点で全部無駄である。なぜ宮森がムサニで働けるようになったのか、その意味は、今のところ誰にも分からない。まぁ、好きな仕事につけて良かったよね(現状でもそれが言えるかどうかは微妙だが)。

 しかし、ムサニ志望の5人の男女もなかなかのもんである。現代の就活生ってこんなんばっかりなんですかね? いやまぁ、宮森もいっていたように「一流プロダクションで駄目だった余り物」たちだと考えれば納得も出来るが……特に2番目の男は酷かったな。こういう面接シーンとか、就活の苦労話を聞いて心の傷を刺激される人ってのもけっこう多そうな気もする。まぁ、わたしゃ就職面接したことないから大丈夫なんですけどね(間違いだらけのドヤァ)。

 そんなサブイベントを挟みつつ、宮森は就活の面倒なんて見ている場合じゃない。もう1つのメイントピックは「えくそだすっ!」最終話が完成するかどうかというお話。構成から考えて、この「えくそだす事件」が1クール目のクライマックスということになるのだろう。宮森が急遽担当することになった13話の体制は未だ整わず、あの手この手で必死に原画マンを探すも、現代アニメ業界はいつだって人手不足。こんな急場で人が見つかるはずもなく。どんどん無くなっていく可能性、迫り来るタイムリミット。みんなで一緒に「万策つきた〜」。最後の頼みの綱、ナベPのところに乗り込むも、ナベさんは大事な大事な接待麻雀の最中。焦る上司を尻目に、冗談半分のお偉いさんに遠慮なく突っ込み、なんとまさかの「原画マンとして庵野(仮)を紹介される」というとんでもない事態に。すげぇな、突然なんの変哲もないアニメの最終話原画の名前に庵野が出てきたら、そりゃみんなびびるわ。話題性はバッチリやね。これ、宮森の押しが功を奏して庵野に仕事させちゃう流れなんだろうか。来週はそのキャラクターが出てくることになるだろうから、いっそ庵野本人に声優やらせればいいと思うよ(もしくは山寺宏一ってことになるが)。

 色々と無茶は混ざってるだろうが、宮森が必死に電話帳とにらめっこしながら原画マンをしらみつぶしにするくだりは「あるある」なのだろう。社内でばらまいて20カットの余り。それを使えるコネを全部使って処理しようとするも、仕事始めたばっかりの新人進行では限界があるのだろう。頼まれた仕事を断る理由も様々で「演出一本にしぼっちゃったから」なんてのもあるし、「同人誌の仕事が忙しいから」なんてのもある。後者みたいな状態になってる人って、矢野さんのいう「自称原画マン」に近い気もするけど。そういう「他の絵の仕事」と兼業でやってる原画マンって多いのかねぇ。あと、「あの監督とは二度と仕事しねぇよ」っていう理由の人もいたけど、この辺は素人では気付きにくい「業界内情話」の1つだ。確かに、作画崩壊と騒ぎ立てる時って作監ばかりをあげつらうことが多いけど、何も責任の所在がそこにあるとは限らないんだよなぁ。最近はTwitterのせいで個々のアニメスタッフが余計なことをつぶやいて問題になるケースがちょこちょこ発生しているが、ファンの勝手な思い込みで戦犯扱いされてたりしたら、文句いいたくなる気持ちは分かる気もするな。

 さて、来週は当然庵野(仮)との絡みが見どころになるのだろうが、それ以外にも矢野さんの身の振り方がどうなるか、ってのも気になるところ。普段は元気な矢野さんも、たった1人の親御さんのこととなるとまるでレイプ眼のごとき憔悴っぷり。同僚が2人もまとめて辞めて、有能な矢野さんに大きな負担もかかっていたのだろう。持ち直してくれないと今度は宮森の負担が増えて潰れることになるので、なんとか復帰して欲しいものである。あと、今回意味ありげに描かれていたおじいちゃん原画師の動向ね。今回の感じだと、「馬のシーン、めっちゃ上手いやん!」っていう流れになるのかな。職人気質のベテランさんも頑張れ。

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PSYCHO-PASS2」 6→6

 毎週感想を書いていたのでここで改めてまとめる要素もあまり無いのだが、とりあえず総評まで。また劇場版もあるし、そっちまで見てからが真の「最終評価」になりますかね。

 一言でまとめると、「予想以上にきっちり仕上げた2期目」という印象。そもそも1期目で与えられた「今後の課題」であるシビュラとの対決姿勢という設定自体がものすごく高いハードルになっており、続編のシナリオを作るといっても、適当にミニエピソードをつなぐだけならまだしも、ここに「意味のある」続編をつなぐのはかなりの難行。狡噛・槙島コンビで散々食い散らかし、朱ちゃんがなんとかとりまとめた社会秩序を、また別側面から引っかき回す事件なんて、そうそう綺麗に風呂敷をたためるとも思えない。そんな状況で与えられた時間がわずか1クールってんだからそりゃ大変だった。そうした限定された状況下において、今回の鹿矛囲事件の構造は綱渡りのようなギリギリのバランスで成立させた理想的な「ネクストステップの事件」だった。社会をかき回すキーコンセプトとして「集団的サイコパス」という概念を導入し、その是非を問うことで改めてシビュラの存在そのものを問い、さらには常守朱という一個人の信条も問う。完全存在であるシビュラに妥協は許されないだろうし、主人公ポジションである朱ちゃんにも半端は許されない。そうした設定をなんとか盛り込み、語り、片付けるのにギリギリの12話。本当によくここまで作り上げたと思う。

 もちろん、そうしたギリギリのせめぎ合いの中での構築であるから、ほころびが見えるのも致し方ない部分はあるだろう。鹿矛囲の設定はもっともっと尺を割いて浸透させるべきものだったが時間がなかったのでどうしても安易に見えてしまう部分はあっただろうし、最終話で東金が小物っぽく見えたのも、彼という人物像をもっと丁寧に描く時間があり、最終決戦での三つ巴に筆を割く余裕があれば回避出来たものだ。また、気になる存在だった雛河が一切何もしなかったことや、1期メンバーである六合塚さん、唐之杜さん、ギノさんに至るまで、脇のストーリーを語る余裕が一切なく、キャラクターに無駄が多かったのも残念な部分。1期ファンとしては、2クールの尺でもって、メインボディはそのままでガンガンサブエピソードを突っ込んで世界を膨らませて欲しかったものである。もう、六合塚さんで2話くらい確保して唐之杜さんとずっといちゃいちゃしてもらうとか。雑賀さんの過去話だってあってもいいだろうし、それこそ朱ちゃんとお婆ちゃんの水入らずの休日なんかもあれば悲壮さがより強固なものになったかもしれない。尺不足によるオプションの排除は、実に勿体ない部分だったと思う。

 これに加え、せっかくの2期目だったというのに何故か途中で作画がへちょるという残念な側面もあった。劇場版にスタッフを取られたのだろうか。ビッと締めてなんぼの今作の世界観は、作画が緩くなってしまうと途端に腑抜ける。1期の時にも残念作画であれだけ騒がれたのだから、なんとかその部分だけは維持して欲しかったものだ。そこは素直に減点ポイントだろう。

 とはいえ、そうしたネガティブな要素も鑑みつつ、やはり「予想以上にきっちり仕上げた」という印象は変わらない。尺が短くなったことで1話あたりの密度はぐっと増し、持ち味であるグロもまじえたサイコな演出、そして世界構造を考える上で充分に想像出来るだけの余地を残した描写の数々など、制作スタッフがこの「PSYCHO-PASS」世界をとても丁寧に、真に迫るものとして育てようという意志が感じられた。今回これだけ思い切ったシナリオで「ネクストステップ」を描いてしまったため、これと同等のサイズで新たな物語を構築するのは更なる難行となってしまったわけだが、是非とも、新しい物語にも期待したいところである。

 そして、個人的にはとにかく霜月美佳ちゃんに幸あれ、と。ほんと大好きなキャラです。酒々井さんともども、ピーピー泣かせたい。

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 しばらくはアニメ感想期間なのでたほいや譜は控えよう。

 

Round1・「へろへろのかみ」

1.ハワイの神の一柱。アロアロの神、マテマテの神らとともに諸島を各々に守護するとされる。

2.西日が陽炎によって揺れているさま。

3.憔悴した天皇。

4.遊戯の一。誰がそのことをしたか分からない時、車座になってこよりの先を少し折り曲げて両掌でもみ、その先が指したものをそれと定めるもの。

5.(狂言)お坊小六が「なんでぇこの紙は、へろへろじゃねえか」といい証文をまんまと騙し取るが、その悪辣が結局はばれる。

6.「へのへのもへじ」の異体。「かみ」は平仮名ではなく髪の毛を描く。

 当然googleノーヒット案件。本当にこんな言葉が載ってるんですかねぇ(訝しげ)。

 

Round2・「しまづつみ」

1.厚い和紙の一種。多くは反物などを包むのに用いる。

2.未詳。島つ罪の意か。

3.腰巻きの美称。

4.(土佐で)罪。

5.海中にあらかじめ設置した網に魚群を追い込み、捕らえる漁法。

6.和菓子などの包み方の一。紙の中央に包むものを置き、四隅を集めてねじり合わせる。

 

Round3・「ぴらんでるろ」

1.フランスの作家。農耕民への尊敬と愛に満ちた作品を数多く残す。作「神の肥料」など。

2.イタリアの無声映画俳優。失語症からの奇跡的な回復で有名。

3.イタリアの測量技師。ローマを世界の中心とするピランデルロ図法を作製した。

4.イタリアの劇作家、小説家。作「作者を捜す六人の登場人物」「エンリコ四世」など。

5.(スペイン語)船の漕ぎ手。ガレー船の乗員となる労働者を指し、元は迫害される者の意。

6.イタリアの芸術評論家。評論「ピサの斜塔はなぜ美しい」。

 2番のネタが大好きでした。きっと広いイタリアには、こういう人がいるんだと信じています。

 

Round4・「えっかーまん」

1.ドイツの教育学者。早期教育の重要性を説き、「百ます計算」などを考案した。

2.堪え性の無い人。

3.深緑色。濃緑色。

4.アマゾン川上流の先住民族。恵水の民の意。

5.ゲーテ晩年の秘書。

6.アメリカ、テキサス州近辺で最も勇敢なインディアンが持つ称号。候補者同士の男試しで生き残った者がなる。エッカーマンになった者は砂漠の神の贄とされる。

 6番の、読み進めるにしたがって起こる絶望感。1文目「今、インディアンって言葉使わないよな」2文目「これ、残りの人間はみんな死ぬってことだよな」3文目「全滅したー!」

 

Round5・「ととかか」

1.干し魚を粉末状にした食材、調味料。おかか。

2.(幼児語)鰹。

3.女陰のこと。

4.古世代のものの数え方。

5.踵を粋に言ったもの。

6.夫よりも権力のある妻を嘲り、もしくは皮肉っていう。

 なお、ググると普通に「亭主と女房」という意味が一番にヒットする。

 

Final Round・「だはい」

1.バッキンガム宮殿横にある阿片窟。出身者に政治家のジョン・ミドルプリンなど。

2.(つまらない者の意)自身をへりくだって言う語。小生。

3.だめな奴。

4.中国将棋において王手をかけられた盤面。

5.→ドバイ。

6.駱駝の背。

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「ソードアート・オンラインⅡ」 5→4

 このアニメを見始める段階での心構えについては新番チェックの時の文章を参照してもらうとして……、やっぱり好きにはなれない作品なんだよなぁ。やりたいことが分かりやすく見えるだけに、「なんでこんな話にするんかなぁ」といちいち首を捻ってしまい、視聴モチベーションは下がる一方であった。

 相変わらず映像面に文句はない。力の入った作画になっているのは一目瞭然だし、ヒロイン勢は可愛く描けている。アクション面での動画もA-1の面目躍如となるいいモーションを見せてくれている。相変わらずけれん味たっぷりの伊藤智彦作品らしい、見映えのするアニメーションだ。そこについては一切の不満は無いのだが、どうにもお話の方でテンションが下がり、一度「おもんないなぁ」と思ってしまうと、あとはそういう視点で観てしまうという負のスパイラルが止まらない。これで「精霊使いの剣舞」とか「星刻の竜騎士」くらいのもんだと思ってればいっそ諦めもついて流し見する程度ですんでいるんだろうけども……。まぁ、その辺と似たり寄ったりのシナリオラインである。

 正直、1期目同様に2期目も導入は非常に魅力的だった。何しろ「ネトゲの中で殺されたプレイヤーが現実でも死ぬ」というセッティング。謎としてはかなり魅力的だ。まぁこの世界のネトゲシステムがどういう風になってるかもよく分かっていないので「なんか特殊な配線でもってあれをこーしてそれをこういじれば、実は人を殺せます」とかいうオチだってあり得る話なのだが、流石にそんな適当な謎解きだったらアニメ化なんてされないだろ、と思ってたら……想像を上回る適当さだった。「実際にお宅訪問して殺してました」って。それネトゲ関係無いやん。単なる押し込み殺人鬼やん。なんで警察が逮捕せんのや。ネトゲ云々の世界で片付く問題じゃねぇだろ。さもキリトさんの名推理で謎が解けてシノンが助かりましたよ、みたいな話になっているが、死亡事故がおこってんだから警察が介入しないはずがない。万が一ネトゲと関連してるみたいな話になれば、確実にゲームシステムの方に規制が入るに決まっている。ただでさえ一度は「ネトゲから出られない上に死人続出」なんて事故が発生している世界なのだ。こんなアホみたいな方法で「デスガン」とやらがのうのうと活動出来るわけがないのである。何故、そこに突っ込む人間がこの世界にいないのか。あげく、「実銃で人を殺したことがあるトラウマ」持ちの女の子がゲーム世界で歪んだレゾンデートルを見いだして生きている様子までもがさも美談のように描かれているが、だから、命に関わるんだったらやめろって。キリトもキリトで、死にかけたはずのゲームをジャンキーのようにプレイし続ける姿が恐ろしくて仕方ない。そのせいで「過去に自分が殺した人間」とかにあって苦悩するなら、やめとけ。アスナとの接続が最も実感出来るのがネトゲなのだろうか。アスナのお母さんがあれだけやめろっていってるんだから、大人しく従ってりゃいいものを。

 「デスガン」のお話のあとは、「普通にネトゲを攻略するだけの話」という、外野が見ていても別に面白くないファンタジー冒険譚をはさみ(まぁ、余計なしがらみが無い分、ラノベとしては一番見やすいエピソードだったわけだが)、ラストのユウキ編では、「やっぱり生死が関わらないと感動ものは作れない」ってんで、ついにネトゲ関係無しに「現実でも死ぬんだけど」というヒロインが登場。やってることはKey作品とかと同じだよな。同時にアスナ家の家庭問題にも関わり、彼女の生き方を改めて描いているわけだが、「ゲームなんかやめなさい(あんた死にかけたんだから)」という至極まっとうな親心に対し、「いや、ゲームおもろいねん、ママも入りなよ」と連れ込み、親子水入らずの会話もゲーム内で行ってしまうという、依存症MAXの病状を披露。もう、この世界駄目かもしれない。そうか、そんなにゲームがやりたいか……それなら開き直って「俺、ゲームキチガイだから」というスタンスをはっきり見せてくれればいいのに、何故かキリト・アスナともにリア充っぽい描写になるんだよなぁ。「死にかけた世界から帰ってきた俺」がヒーロー扱いでモテモテなわけだが、普通に考えたら「死にかけた経験を全く反省せずにゲームをやり続ける奴」でしかないんだよなぁ。そう考えると、発想は暴走チキンレースで生存自慢したり、ムショ帰りでドヤ顔をするDQN連中みたいなもんなのか。まぁ、リア充といえばそうかもしれんが、まったく共感は出来ない。

 「キモオタ、キチガイであることを肯定してゲーム世界だけで楽しく生きる」という生き様は、現在「ログホライズン」で余すことなく描かれており、「ネトゲアニメ」という大雑把なくくりで見るなら、今作が「ログホラ」を超える魅力はほとんど無い。1つだけ違う「現実世界での生き死に」という部分について、アホ殺人鬼の存在や「ゲームと関係無くエイズで死ぬ」ヒロインの存在を肯定的に見られるかどうかで、今作の意義を見出せるかどうかが変わってくるが……個人的にはそこに価値は見出せなかった。まぁ、「シノンはエロ可愛かった」という部分を評価する程度にとどめておこう。純正沢城ヒロインとしては上々の出来ではないでしょうか。その他、ユウキ演じる悠木、そして1期から続投のモブヒロインズなど、中の人的には好みの部分が多かったので、そこはそれで。あとド変態を演じる花江君が楽しそうだったのは収穫かな。変態を描かせればとても楽しそうに出来る作品なのだから、もっとそっち方向に伸ばせば良い見通しもあったかもしれないんだけどなぁ。同じ作者のアクセルワールドで出てきた能美とか、良いキャラだったし話も良かったんだからさ。

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 後口すっきり、最終話。相変わらず見事に締めてくる岡田麿里の手腕には惚れ惚れしてしまう。それにしても、繭さんが最後に選んだ未来がまさかの無色とは……彼女が精霊龍になってプレインズウォークする可能性が微レ存?

 最終決戦場は「繭の世界」。ルリグのルールを破ったことを指摘されユキは虫の息。るう子に出会えたことに感謝し、自らの運命を受け入れようとしたユキだったが、そこに現れたのは、試練を乗り越え確固たる自己を手に入れたタマであった。元々繭という1つの存在から産みだされた「シロ」と「クロ」。タマは自分の成すべき事を理解しており、るう子の合図でユキとのフュージョンに成功する。「タマ」の「マ」と「ユキ」の「ユ」を1文字ずつ取ったその存在の名は、紛れもなく「マユ」である。このへんの設定のそつのなさがニクい。そして、CV的には当然マユは種ちゃんボイスでしゃべる。「まぁ、久野ちゃんと瀬戸ちゃんを足したら、音域としては大体種ちゃんくらいになる気もする」という微妙な説得力が。

 そして、ここで大々的に取り上げられたのが、本作のタイトルにも冠された「selector」というファクター。人生は常に選択の連続とはよく言ったものだが、繭という少女の生き様は、常に「選択」にあこがれ続けるものであった。この世の他人に全く影響を与えることも出来ず、自分から何一つ選べず、ただ朽ちていくだけの人生。彼女の怨嗟は少女達に「理不尽な選択」を迫るセレクターバトルとして表れ、此度の騒乱を生みだしていた。「選べる幸せ」を訴える繭であったが、それに対し、新たな人生を自ら選択し、名前を捨てて生まれ変わったユキと、最後に自らの手で壁を乗り越えたタマの集合体であるマユは、改めて繭に対して「選択すべき未来がある」ことを伝えるのである。死んでしまった事実は変わらず、彼女の人生が恵まれないものであったことは間違いない。しかし、それが他の少女達に理不尽を押しつける道理にはならず、繭の願いは打ち倒されるべきものである。その上で、るう子は1つの選択をした。繭を罰するのではなく、「救う」という選択を。

 余計な外野を排除し、最後の最後に繭が提示してきたラストゲームは、やはり彼女らしい理不尽な選択を迫るもの。WIXOSSに存在する色は白・黒・赤・青・緑の5つ。その中から、自分の提示した色を選べという。勝率1/5の理不尽かつ一方的なゲームだ。しかし、当然そんな状況でるう子が負けるわけがない。何しろ彼女は「最強のWIXOSSプレイヤー」なのだから。繭の願いを正確に読み解き、るう子は「バトル」に勝利する(そしてとばっちりでウリスは惨殺される)。ようやく本当の「繭」にたどり着くことが出来たるう子は、未来への希望を彼女に説き、「繭」を浄化し、最後に「マユ」にたどり着いた。生まれ変わったマユと執り行う最後の宣誓。夢限少女となったるう子の力により、世界は元の姿を取り戻した。

 改めて考えてみると、繭の不幸な生い立ちというのは一切フォローされていないし、彼女のだだっ子っぷりが解消する理由も特にないのであるが、一番大きかったのは「初めて対等に話が出来る人間が現れた」ということなのだろう。養育者(親?)にすら「アレ」やら「ソレ」やらしか呼ばれてこなかった繭さんは、とにかく自分という存在があることを外界にアピールしたいという一念から悪魔のごとき存在になったのであって、同等のイマジネーションを持ち、ユキやタマといった己の分身を従えるまでのカリスマを有したるう子が艱難辛苦を乗り越えて自分の目の前までやってきて話を聞いてくれた時点で、彼女の願いは満たされたのである。マユは宣誓の儀に至る際にるう子に「本当に子供みたい」と言っていたが、その実、一番子供っぽかったのは繭だったのである。子供のワガママで生まれた、いかにも子供らしい「俺ルール」が理不尽なカードゲーム。その無茶なルールのゲームに懇切丁寧に付き合い、最後に対話出来るまでに至った「子供っぽい対戦相手」がるう子。夢限少女って、そういう無邪気さが夢を叶えることの具現化なのかもしれません。

 こうして繭の呪いが解けて、全ての少女は元に戻った。最終回に欠かせない重要な要素といえば、何といっても「後日談」である。今作の場合は2クールの中でそこまで多くのキャラが出てきたわけではないが、全ての少女、全てのルリグの「その後」がさわやかに描かれているのがとても良い。また、「無色」を選んで外の世界への憧れを打ち明けながら消えていった繭の心象を表すように、ラストエピソードの画面は実に彩り豊かで、本当に美しく輝いている。これまで今作の背景描写、画面効果は「薄暗い灰色」で固定されていたわけだが、るう子の家のベランダの花々や、その他全ての画面において、フィルタが一枚剥ぎ取られたように色彩が強めに出されるようになっているのである。2クールかけて作られてた見事なハッピーエンドの演出である。

 ざっとラストシーンの少女達を追いかけてみると、当然遊月は元に戻って、野郎としては唯一全ての真実を知ることになった香月とは良い関係を築けている様子。ただ、流石に近親エンドにするわけにもいかないだろうから、おそらくそのうち花代さん(本体)がやってきて、2人とはしっかり膝を突き合わせた惚れた腫れたのお話になることだろう。幸せそうに歩く2人を黙って見送った花代さん、今はまだ流石に声はかけづらいだろうけど、きっと悪い関係にはならないはず。遊月だって「花代さんならいいかも」と思える気がするし。

 浦添伊緒奈さんは一足早く元の姿に戻っていたので、そのまま令嬢生活に戻っていたのは分かっていたが、まさかの蒼井晶との共演でちゃんと読モに戻っていた。我らがあきらっきー、あの惨状の後にどうなることかと心配していたが、おそらく「伊緒奈さんの見た目は大好き」なのは間違いないだろうし、本当の姿の伊緒奈に惚れ直し、改めてあきらぶりーモードに突入したのかもしれない。唯一彼女だけは伊緒奈の脇腹を突き刺した「現実世界での前科」持ちなのだが……まぁ、伊緒奈さんが被害届を出さなければなんとか……なるのかなぁ。

 そんな晶さんの最初のパートナーであったピルルクたんも無事現世に帰還。コミック版での顛末を考えると彼女は割と長いことルリグ生活を続けていたので、久しぶりの現世。自分の手で親友を殺してしまった咎は消えないのだが……まぁ、その辺りはコミックで補完かな。彼女と入れ違いでバスから降りてきたのはミルルンですね。彼女がどんな女の子だったのかは詳細不明。るう子の背中を追いかけて友達宣言を受け入れようと努力中なのは、引っ込み思案のちよりちゃん。タイミングを逃して声をかけられず落ち込む彼女にそっと目を向けるツインテールの少女は間違いなくエルドラさんでしょうね。やっぱり、ちよりちゃんのお友達第一号は彼女じゃなくちゃ。ふたせ文緒も元の身体へと舞い戻ったので、もう小説を書く義務から解放されたはず。電車移動中の一衣さんの元へやってきたのは、初めて少女らしい出で立ちを見せてくれた緑子さんである。最後まで一衣のことを思ってその身を削ってくれた緑子さんとの再会に、一衣さんも思わず涙。イイハナシダナー。

 そして残るルリグ、タマ、ユキそしてマユはどうだろうか。実体を持たない彼女たちが現世に現れることが出来るかどうかは誰にも分からない。マユはおそらく繭として天寿をまっとうしたのだから現れることはないだろうが、るう子の願った「全てのルリグを人間に」という願いが叶うならば、ちょっと無茶な希望だって、ひょっとしたら実現していたのかも。そんな「もしも」に期待しながら、るう子は今日も元気に日常生活を送っているのです。タマという名前の少女が、いつか自分の前でまたあの無邪気な笑顔を見せてくれる日を待ちながら。

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「デンキ街の本屋さん」 5→6

 先生ちゃんがとても可愛かったですよっ!(半ギレ) もうそれでいいじゃない!

 オタクネタを中心に展開するのかと思っていた作品だったのだが、割と序盤からガチラブコメが臆面もなく展開され、1つのバイト店舗の中に惚れた腫れたが3組4組。なんやこの店。常時発情しなきゃいけない呪いでもかかってるんですかね? しかもそのうち一組のカップルは「昔の女」がマジで未練を持って絡んでくるという胃に悪い修羅場展開まであり、可愛い絵柄とは裏腹に回避不能のマジ恋モード。個人的にはつもりんを応援したくもあるのだが(CVのせい)、いかんせんひおたんも可愛いのでどうしていいのかよく分からなくなる。本当に迷惑な作品ですこと!

 とにかく、この恥も外聞もないキャラ設定が本作の勝負どころである。ひおたん→阿漕可愛い。先生ちゃん→オタクに媚び阿漕可愛い。ふがちゃん→竹達可愛い。カメ子→さりげなくも阿漕可愛い。つもりん→声をメインに積極的阿漕可愛い。Gメン→ん、まぁ。 ……つまり、全ヒロインが堂々とズルく可愛いのである。これはいけない。とてもいけない。結局、最初の方は「もー、こういうオタク層をテーマにした漫画やラノベなんて飽き飽きだろうに〜」とかいいながら流し見してただけなのに、気付くとつもりんの隠しきれない女の情念にやきもきし、先生ちゃんの充実しすぎた私生活に涙を抑えられなかったりした。我ながらちょろいもんである。でもね、仕方ないよね、作品としては割と安定して画面のクオリティも維持されてたし、途中でダレそうになると割と大胆にお話のフレーバーをいじってくるので、オムニバス形式の単なるギャグとしても退屈せずに見られるし。1クールもののアニメとしては、ドロドロラブコメとしても、ベタなオタクギャグとしても機能してかなりの高密度。男キャラの押し出しが強くなく、とっ散らかったヒロイン勢だけを楽しめる、いかにも野郎が考えそうな模範的な萌えアニメでございました。スタンスとしてはやっぱり「WORKING!」と同じとこに落ち着くのだけど、あれよりも更に男の影が薄く、キャラの丸さもあって女の子の攻めが強い。こういうのばっかりだと食傷気味になるが、1期に一本ぐらいだととても良いエネルギー補給源になるので悪くないと思いました。まる。

 でもやっぱり先生ちゃんなんだよ。女子力回が2回もあって徹底的に貶められているのも分かりやすい素敵ポイントだが、幼児退行の遠慮のなさとか、時々見せる女子力をあげるための健気な努力が本当に愛らしい。津田美波の代表役の2つ目としてカウントしていいのではなかろうか(1つ目は櫟井唯さんです。船見の方の結衣さんはまだ演技が固まってないから)。時折漏れ聞こえてくる津田ちゃんのTケメンぶりとの相乗効果もおいしかったのであった。その他も、当然つもりんの中の人であるしゅが美、ひおたんの中の人である高森奈津美といったメインの引っかき回し役も画面のクオリティに負けないだけのパワーを持っている。実に賑やかで楽しい作品だった。多分、今期終了アニメの中では原作コミックを買う危険性が一番高いので、今必死に抗っているところである。

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12月19日 ドラフト模様(TKT×3)

ピック順 【Mei】→【Sea-chicken】→【Sangriter】→【Thraxi】→【Serra】→【Alessi】→

 

 年末企画でいよいよみんなの統率者デッキのお披露目ダー! と思ってたんです。わたしはね。でも、実際は当日に組んでる人間が2名、「いや、今日試合なんて無理に決まってるやんけ、練習だろ?」という流れになり、なんかそのまま普通にドラフトをしてしまった。しかも場所がないからってんでまたカラオケに出張して。まー、のんびり広いところで試合出来るのはいい事なんですが、やっぱり「カラオケボックスでドラフト」は一切カラオケ欲求が解消されないのが難点ですね。知ってた。結局、ドラフトの後も個人でちょいちょい統率者デッキの調整やらなんやらを行いました。まだほとんど多人数戦をやっていないのだけど……なんか、個人戦と多人数戦の両方を同時にやろうっていうコンセプト設定は失敗だったかもね。デッキを組もうにも、「団体戦がちらついて個人戦用のデッキなんか組めない」っていうお悩みが多かったです。まぁ、確かにそうやな。次週、一応本番ってことにしてますが、どういうイベントになるかはその場の勢いやな。予定通りに進めば良いのだが。なんか、結局ドラフトやる流れになる気もして戦々恐々。

 


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 ヒーローは超合金! って、いつの時代のお子様なんだろう、第11話。いや、ひょっとしたら今のヒーロー玩具も素材は昔と大して変わらないのかもしれないけども。「超合金」っていう名称はあんまり使わないよな。

 コンクールから一夜明けて次のステージへ、という繋ぎのお話。前回ラストで登場した謎の女性は、公生ママのお知り合い、瀬戸紘子さん。どうやら公生の幼い日のあれこれも大体知っているようで、スペックで言うなら「ピアノの世界でも対話が出来る、椿の上位互換」ということになる。ただ、あくまでもスタンスは「親」側なので、今回自ら「後見人」という言葉を持ち出して公生との関係を説明していた。なるほど、確かに公生と宮園さんだけではあくまで中学生同士のお付き合いであって、嫌味な審査員とかがいる大人のしがらみも関係しているピアニスト業界に風穴を開けるには何かと力不足。武士も絵見もちゃんと実力に見合った師匠の下で戦いに挑んでいるのだから、公生も同様にちゃんと「戦いに挑む準備」をすべきということだろう。

 公生の過去の顛末を理解しているということは、今の公生が復帰してピアノに向かっていることの重大さも重々承知している人物ということ。決して彼を悪いようにはしないだろう。今回回想で公生ママとの思い出も少し語られていたが、公生ママだって産まれながらの調教マシーンだったわけではなく、しばらくは愛するわが子を育てる立派な母親だった時期もあるのだ。そうした公生の「良い思い出」も共有出来る人ならば、母親の幻影を単なる悪霊で終わらせるのではなく、正しい母子の関係性に引き戻す手伝いも出来るのかもしれない。なお、瀬戸さんのCVは園崎未恵。くぅ、やっぱり格好いい。ちなみにその娘さんはなにげにCV水瀬いのりちゃんだったりもする。安定の幼女。

 さておき、こうして「大人の世界」との接続の目処が立った公生であるが、本人は特に難しいことを考えているわけではない。演奏のモチベーションだって本人が言っていたように「君に届け」であるし、コンクールに負けることだってある意味想定済み。突っかかってきた武士に対しても、それが「ありったけの自分」であることを赤裸々に告白し、自分の過去数年間が決して無駄だったわけではなく、現在でも決して遊びでピアノを演奏しているわけではないと決意を述べている。確かに不格好な演奏にはなったのかもしれないが、今や彼の目標は母親の掲げた「完全なるピアニスト」ではなく、宮園かをりのみせてくれた「新しい舞台」に立つ「変なピアニスト」である。武士が共感してくれるかどうかはまだ分からないが、他の人間もどこか放っておけないような、新しい音楽家の小さな一歩が始まったわけだ。

 ここで、「新しいことをやるんだから好き放題、野放図に暴れ回ればいい」というだけでは終わらせないあたりが現実的な線引き。瀬戸さんは、一人演奏を終えて帰ろうとする公生に「結果発表は見ていきな」とだけ指示を出した。分かりきった結果などわざわざ見る必要があるのかと訝しむ公生であったが、発表の場には、彼のライバルとなるであろう武士や絵見の姿もあり、同世代の他の人間たちが公生をどのように見ていたのか、ダイレクトな反応が公生に降りかかる。更に、その場に広がっているのは試合結果に一喜一憂する悲喜こもごものライバル達。これまで公生は一度たりとも感じたことのない、「悔しい」という感情が溢れかえっていた。新鮮な驚きとともに、公生はその感情が自分の中にもくすぶっていることに気付くのである。会場からの帰り道、椿や渡には「全然気にしていない」と言いながらも、わだかまった感情を抑えきれずに叫び、駆けだしてしまう公生。瀬戸さんの言葉を借りるなら、「立派に男の子している」のである。椿を背負って歩いた線路沿いの道、今回は踏切の遮断機が降りて、「何かがやってくる」ことを暗示するシーンが印象的。この踏切は「渡る」ものではなく、勢い増してやってくる電車と線路沿いに併走して「駆ける」ものである。公生の中に、新しい何かがやってきた暗示である。

 そんな公生の門出を満足げに見守っていた宮園さんであるが、さっそく次なる課題を持ち込み、公生へのアプローチは止まる気配がない。隣の椿は相変わらず唇を噛んでいるのが悩ましいが、実は公生と宮園さんの関係もまだまだ悩ましい。公生の方はあくまで「友人A」のつもりだし、宮園さんはあの通りの性格だし……これ、渡が聖人君子でなければもっと面倒なコトになっていた可能性もあるよな。瀬戸さんもにやにやしてましたが、ピアノが語る公生の「気持ち」ってのはどんなものなんでしょうかね。ただ、そんな宮園さんも視界良好というわけではなく、やっぱり身体の問題が気にかかる。「命の灯」をそっと手に収める彼女の心境とはどんなものなのか。宮園家の両親が初登場して、なんだか割と温かそうな家庭だったし、出来れば幸せなままで進んで欲しいところではあるのだが……波乱はどこからやってくるのかねぇ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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