最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
あの佐藤順一監督の完全新作として(俺の中で)話題になったOVA作品の第1話が、特別先行放送された。ぶっちゃけテレビシリーズではなくてOVAっていうのが残念で仕方ないのだが、とりあえず放送してくれたのはとてもとても嬉しい。当然のことながら視聴させてもらいました。 スタッフの一部はあの「カレイドスター」のスタッフの再招集というのがセールス文句である。キャラクターデザインに追崎史敏氏が参加しているし(何故かキャストとしても参加してるがww)、「アソシエイトプロデューサー」の名義であの池田東陽氏の名前も。池Pの遺志を継ぐアニメーションとなるのかどうか。その他、キャストの多くは毎度お馴染みサトジュンファミリーを多く擁しているし、見る人が見れば「そういうことか」と納得出来る配置になっている。 サトジュン名義の作品といえば、最近はもっぱら「たまゆら」シリーズである。あの作品はとにかく「優しさ」とか「暖かさ」といった側面を押し出したものになっており、ユルい空気にギャグを交えながら、のんびりと「泣き」「笑い」を堪能出来る作品になっている。しかし、サトジュンイズムというのはもちろんそれだけのものじゃない。元々はキレのあるギャグや、子供向けでも見ていて気持ちの良いスパッとしたアクションが見せ場のクリエイターである。「カレイドスター」では「どストレートなスポ根アニメとしての熱さ」もこれに加わり、サトジュンの大看板となった記念碑的作品。今作は、そうした「熱さ」「真っ直ぐさ」を打ち出したタイトルとなっており、「絶滅危愚少女」というタイトルもそれを表している。カレイドと違って、今作はファンタジー設定強めであり、明確な「敵組織」がいるあたりは違っているが、主人公の性格は苗木野そらのメンタリティに近い部分があり、常に全力で生き、回りの幸せを考えることが出来る少女になっている。 キャラクター原案が原田たけひと、デザインに伊藤郁子ということで、画面の可愛らしさは文句なし。これをいかにもなモーションでちゃかちゃか動かすことでとにかく「楽しさ」は確保。「熱さ」の面については、正直言うと1話ぽっちじゃそこまではっきり伝わってくるもんでもないのだが、狙っている方向性は非常に分かりやすく、小難しいことを考えて見る必要が無いことは伝わってくる。ほんと、出来ることならこのままテレビシリーズで最低2クールは見たいところなのだが……無理なのかなぁ。たまゆらコースを狙って欲しいところだ。 中の人については、主人公はサトジュンファミリーではなくて内田彩を起用。個人的に、内田彩というとどこまでいってもアスクールのイメージが残っているので、こういう単純馬鹿は見ていて気持ちがいい。ライバルには東山奈央を配して若さ溢れる顔ぶれになっており、なかなか期待が持てるセッティングだ。マスコット役にはしゅがもいることですし。しゅが美は「双子の妹、動物キャラ」に不思議な縁がありますね。その他、我らがサトジュンファミリー長女(?)の大原さやか、飼い犬(?!)松来未祐。それに緒方恵美や、元祖愚少女、広橋涼さん! (あと、たまゆら以降どっぷりはまった「あいつ」) 涼さんの飲んだくれキャラがすげぇいい味でしたわ。こういう家族経営みたいなアニメ作りって、落ち着けるからよいなぁ。 PR 「てさぐれ!部活もの」 5→5 このタイミングで感想まとめる必要があるんだろうか。流石に「新しい!」ことで有名な作品、まさかの間隔を開けずに「第2期」を即放送とは……チャラ元気! というわけで、「例の」枠ですが、流石にもうマンネリ化してるし、ぼちぼち駄作が出てきてもおかしくないころなのだが、なかなか「つまらん」展開にならないのは、クリエイター側の構成の妙なのか、それとも、確実に伝説を産みだし続ける中の人たちの力なのか……まぁ、このシリーズはキャストがうまく決まればその時点で勝ちみたいなところがあるからな。どうせやってることはいつものパティーンなわけだし。加えて今回はラジオ連動がより強固になっていたり、中の人依存度が上がっていたために、そういう側面が分かりやすくなっていた。さて、次回からは何をしでかすことになるやら。 一応(あんまり意味も無いと思いながらも)ディティールについてみていくと、正直、中身に関してはgdgdやロボットアニメに比肩するほどではないと思っている(前2作はうっかりBD買っちゃったけど、今作は何とか我慢出来た)。原因としては、お題がなかなか広がりにくい設定になっており、アフレ湖のときの房子の奇跡や、モノボ家の時の「なんなん?!」の興奮みたいなものはなかなか出てきにくい。今回は動きがしっかりした3Dモデルによる4人の表情なんかも見せ場になっていたので、ネタ中のイラストによる挟み込みなんかもやや控えめで、ネタが部活縛りでそこまで無茶苦茶じゃないこともあいまって、全体的にぶっとび度合いは大人しい方。脚本とアドリブの重ね方についても、これまでは完全に別コーナーとして区切っていたところをシームレスに繋ぐようになり、ちょっとネタ被りみたいな状態になっていたのも冗長さを醸し出す原因だったかもしれない。4人という人数は、なかなかこれまでのような丁々発止のやりとりをするのには向いておらず、どちらかというとまったりゆっくりの空気を楽しみ、よりリアルな中の人トークに近いユルさを味わうための作品だろう。 もちろん、そうはいってもあくまで「前2作に比べれば」というだけの話で、次第に加速していくどうしようもない作品世界の荒廃した様子はむしろ今まで以上。最終的に「こはるんには何を言ってもいい」みたいな不文律が出来上がっており、先輩声優の恐ろしさをこれでもかとたたき込んだ形。女子会って怖いわぁ。 そんなわけで、今作で一番変わったのは当然大橋彩香である。最初は「フジイ」西と「コロコロ」明坂に完全についていくだけの存在だったわけだが、その類い希なるボケ潰しのリアルボケでもって、いつの間にやら作品の空気を掌握した。へごちんの容赦無いボケに対抗する「純正ゆとり培養」荻野可鈴も思いの外「負けない」パワーを持っており、諸先輩をぶち抜いての自分ワールドを強すぎるほどに打ち出した。このゆとり2人の躍進(暴走?)が、今作最大の収穫であり、最大の誤算であっただろう。おかげで、全幅の信頼を置けるだろうと思っていたあけこ先輩が、完全にディフェンスに回って房子パワーを炸裂させられなかったのは心残りではある。進行役を任された西明日香に関しても、多少抑制がかかった部分はあったかもしれない(まぁ、それでもあのスペックなのだから、本当に救いようの無い爆発物である)。 さて、一体次は何が飛び出すのやら……新入生でモリとシルシルが入学してくるとかだったらどうしよう。 「京騒戯画」 6→6 最終話で何かあるかと思ったけど、結局本当に総集編だったのでこのまま感想へ。毎週楽しく観ていました。まー、これが受け入れられるアニメなのかと言われるとはなはだ疑問ではあるが……。 なんだか「制作側がセールスとかを考えずにやりたいことをやりまくったアニメ」という感じがある。東映の技術力をもって、「こういう場面が書きたい」「こんな無茶な話が作りたい」「何でもいいから暴れてる動画がやりたい」という願望を、そのまま大きな風呂敷で丸め込んで、素材のままでポンと放り投げてきたような。おかげで、お話の方は誰が統制をとるでもない。非常に適当な物語であり、ラストの総集編なんて、10話アニメなのに最初の7話分くらいが5分でまとめられていて笑ってしまった。それくらいに、ラスト3話でまとめた話が無茶苦茶だったということである。どんな高尚な物語があるのだろう、と必死に文脈の裏を読もうとしていた人間からすれば、何とも拍子抜けする酷い話である。 しかしまぁ、視聴者がどう受け取るかっていうのは、突き詰めれば視聴者側の勝手だ。このアニメは、毎回丁寧に冒頭でお断りしてくれていたのである。「家族の再生の物語である」と。単なる家族喧嘩からの仲直りのお話なのだから、そんなにでっかくなることもないだろうし、何か仰天するような仕掛けがあるわけでもない。単に、偏屈で面倒臭い親父を相手に、子供4人がばたばたと悩み苦しみ、最後には拳を交えてオールオッケーという話。こんなもん、それこそ東映作品ならおじゃ魔女だろうがプリキュアだろうが、いくらでもやってきたことなのだ。ただ、それをちょっとパッケージだけ入れ替えて、なんかすげぇ世界を作り、なんかすげぇアニメーションでやってみせた。何一つ悪いことはしていない。 この「金のかかったやりたい放題」をどのように受け取るかは、あとはアニメのどの要素を楽しめるか、という視聴者側の姿勢による。「お話が見たい」人にとっては、この作品は受け入れにくいものになるかもしれない。何しろおじゃ魔女だったら30分程度で終わるような話を、10話もかけてやっただけなのだから。納得いかないことも多いだろう。しかし、「好き放題やっているアニメ」を見るのが目的なら、こんなにも「遊べる要素」が多い作品もないだろう。作品世界として作られた鏡都は、メタレベルをあげれば、この世界を描きたいがために製作スタッフが作り上げた「都合の良い世界」である。作中に神がいたのと同様に、その上には「鏡都でやりたいことを全部やれる製作スタッフ」がいるのだ。我々視聴者は、そんな神の手によるやりたい放題を楽しめればそれでいい。コトが楽しそうに世界を壊して回り、明恵が陰鬱な顔でそれを見守り、鞍馬がしたり顔で何かを企み、八瀬は涼しい顔でお茶を飲みながらそれを眺めている。そういう世界があれば、それでいい。無事に崩壊を止めることが出来た作り物の世界の中で、今後も思い立ったときには、好き放題な「京騒戯画」の世界が紡がれていくかもしれない。「誰もが遊べる箱庭」が出来上がり、今後もコトたちを愛でていきたいと思う人間には、これ以上無いご褒美なのであった。まぁ、何か続きが作られるかは分からないけどね。 中の人の話……はもういいかな。僕はショーコさんと八瀬が大好きです。今作だと特に八瀬が好きです。 「のんのんびより」 5→6 にゃんぱすー。正直、放送開始直後に期待していた方向とは全然違うトコに行ってしまった作品なのだが……いや、結果オーライかな。 元々、この作品は「田舎満喫アニメ」になるんだと思っていた。新番チェックでもそんな感じのこと書いてるし、そもそも番宣なんかでは強く「田舎要素」を押しているわけで、「なかなか難しい題材に挑むアニメなのだなぁ」と思っていたわけだ。実際、今作における田舎描写は見事なもので、必要以上にゆとりを持った間尺の運び方や、丁寧に描かれた背景美術などによって、これでもかってくらい「美しい田舎」が形作られている。これが日本人の求めるノスタルジックな光景なのだとすれば、これほど立派な「田舎アニメ」もあるまい。 ただ、どうも楽しんでいるポイントはそうした心穏やかになるような部分ではなかった。何しろ、主役(だよね?)のれんげがあの通りのエキセントリックなキャラクターである。もう、田舎あるあるとか、のんびりした穏やかな空気とか、そんなん違う。あの子、多分精神的にちょっと危ないんだよね……あのまま大きくなったら一体どんな大人になってしまうのかと、おじさんは今から心配で仕方ない。まー、ああいう独特なセンスが矯正されずにのびのびと育まれているのも、田舎ならではのおおらかさと言えるのかもしれないけども。 作品の骨子は分かりやすい「日常系」であり、萌え漫画なので、腹を抱えて笑うシーンとか、感極まってボロボロ泣いてしまうシーンなんてのは絶対に無いわけだが、そんな「ノスタルジックな田舎」で適度に「日常風景」を楽しみつつ、「エキセントリックな幼女」で刺激を与えるという配分はかなり巧妙。どこに力点を置くかでアニメとしての性格はガラッと違ったものになるだろうし、原作絵を見ても、アニメに落とし込むときにどういう作品にするかという毛色を決めるのは難しそうだ、と思えた。それをこれだけ綺麗な完成形で打ち出したのは、スタッフの手腕を素直に褒めるべきだろう。川面監督は既に「ココロコネクト」で結果を出しているが、こうしてまた別な側面からでも絶妙な創造力を見せてくれたことで、更に株を上げることになった。やっぱり間尺の見せ方が上手いんだよなぁ。会話のテンポにとても「近い」空気が感じられたり、とぼけた味を出すときに上手く空気を抜きながらも決して手抜きにならなかったり。細かいところにまで視聴者を楽しませる工夫を忘れていないので、本当にユルい画面が続くのに、決して退屈するわけじゃない。やー、いいもんだね。 そして、個人的には今作は中の人ブーストも凄まじい。メイン4人については、1人1人が目の覚めるような仕事ぶり。れんちょん役の小岩井ことりは、キグや祝ちゃんなどの「かわいい系」メインヒロインをこなしてきたわけだが、今回は、やや地声に近い音域からの不思議生命体。にゃんぱすしかり、独特な語尾の「のん」しかり、狙った通りの魅力が出ていた。4人の中で一番しゃべるのが、あやねる。最近は本当に引っかき回す「なんかうるさい声」が定着してきていい感じ。一時期の井口に迫る勢いを感じる。そして、原作漫画を読んだ時に「他の3人は分からんけど、こまちゃんだけは選択肢が無いな……」と確信するくらいにアスミスキャラ。アスミスのような「声は一本だけどもそれがいい」役者って、こういうところのイメージがガッチリ固まっているのが強みよね。そして、「作品が好きならラジオを聞いてはいけない」でお馴染みのりえしょんのお仕事。本当に「別な人」だけど、何故かりえしょんはガチ百合キャラと縁が深いな。今後も、キャラとのギャップで数多のファンを絶望のどん底に突き落とす良いお仕事を期待したい。 そして、最初のうちはこの4人だけだと思っていたところに、更に素敵過ぎるキャストで追い討ちをかけてくるこの田舎町の憎らしさよ。姉々先生役のかもさん、駄菓子屋役の佐藤利奈、れんげ姉には福圓先生がいて、女子高生シンタスの肩肘張らない距離感まで。実に耳に優しく、幸せなキャスティングでした。個人的には、この面子の中で「大人」役に回ったのがサトリナ・かもさんっていうバランスが凄く好き。「まぁ、キャリアで言ったら順当な配役だよね」とは思うが、かもさんってアスミスよりもずっと年下だよなぁ。85年組の恐ろしい存在感ったらね。これ、並べるとりえしょん・福圓さん以外の全員が胸部装甲的に恐ろしいことになるキャストなんだよなぁ……音響監督の趣味なんじゃないかと疑うレベル(亀山さん、ごめんなさい)。 「IS<インフィニットストラトス>2」 4→2 犠牲になったのだ。 そもそもあんまり興味が無い作品だったので別に何が起こっても構わないのだが、まさかこうなるとは思っていなかった。あれだけのファンを獲得した作品の2期目なのだから、制作側も相当力を入れてくるものだと思っていたのだが…………まだまだアニメ製作業界の闇は深い。 1期の時点で、「とにかく萌えを追求したが故に、シナリオの全てを捨て去った作品だ」という結論を出した。何事も極めればそれは匠となるわけで、萌えやエロを狙っても失敗する作品が多い昨今、萌え要素だけでもとにかく客が捕まえられて、成功したのだからそれは意義があることだった。個人的にはほとんど食指は動かなかったが、それでも「セシリアは可愛いなぁ」と思ったのは間違いなく事実だったのだし、これはこれでいいものだ。 しかし、今度はシナリオだけでなく、萌えの出し殻すらも投げ捨ててくるとは。何も考えていないような行き当たりばったりな脚本、頭が沸いているとしか思えないキャラクターたちの意味不明な言動、そしてそれらを支える、グダグダで昭和臭すら漂う残念な作画。OK,パーフェクトだ。1期でたっぷり楽しんでいたファンの人々は、この2期目を見ていったいどんな気持ちになったのだろうか。これでもいいのだろうか。1期の時点で頭空っぽのヒロイン勢が既に過剰気味だったのに、今期は更に2人もメインクラスでヒロインを追加し、元々持っていたはずの武器である1期ヒロイン勢は更に減ってしまった枠を奪い合う泥沼状態に。そんな中でキャラクターの魅力など描けるはずもなく、この手のハーレムものにお約束の「○○お当番回」みたいなものすら存在していないので、毎回足を引っ張り合っているという惨状。せっかく蓄えのある2期目での誰得どん判。せめてもう少し何とかなったと思うんだけど……。千和がメインヒロインやってるのにピンと来なかったのって、初めてかもしらん。 そういえば、今期は平野文がアニメの仕事でやたら出てきてたけど、仕事の幅増やしたのかしらね(関係無い話題で締め)。 「革命機ヴァルヴレイヴ(第2期)」 5→4 なんか色々と盛り上がったような、そうでもないような作品。世間では色々と言われてるようだが、先に一言感想をまとめるなら、「言うほど悪いもんでもない、けど」。 何回か書いていることなのだが、製作スタジオ繋がりなのかどうしてもこの作品は「ギアス」と比較してしまう。そして、「ギアス」はかなり好きだったのにコレはあんまりだ、ということをボヤいている。理由はもちろん「別にギアスと同じじゃないから」なんだけど、比較するといくつかの比較ポイントは見えてくると思う。まず、サンライズ製作ということで画面の質は高いのだ。キャラデザが見やすく、メカだって決して悪いものではないだろう。1期はなんだかプレスコに絵が追いついてない感じはあったのだが、2期目はそのあたりのかみ合わせの悪さも解消され、動画としての質はかなり向上したと思う。やはりクライマックスを迎える2期目にリソースを当ててきたのだろう。その上で、やっぱり微妙だったのは、お話の中身が全てということになる。 最終話の騒乱などを見て思うことなのだが、決定的にギアスと違っているのは、今作の描きたいメインテーマなのだと思う。ギアスの場合、サブタイトルに「ルルーシュ」が入っていることからも分かるように、描かれた物語は1人の英雄譚だ。とんでもない能力を手に入れた天才少年ルルーシュが、世界をぶっ壊し、悲しみや苦しみを乗り越えて新しい時代を築く物語。途中でご都合主義が出てきたり、「お前絶対天才のふりしたアホだろ」と思われるシーンを連発したりもするのだが、あくまでも「ルルーシュを描くこと」のために世界が作られているので、ちょっとくらいトンデモなことがあっても、それが主人公の内面に結びつき、物語が動くのであれば意味がある。他方、今作の場合、作品の目的はハルトを描くことではない。最終回で死んでしまうところはルルーシュと同じだが、彼の死は、それ以前の先輩やサンダーなんかと同じ、あくまで「戦争犠牲としての死」であり、「英雄としての死」というには軽すぎる。何故ハルトが「英雄」ではないかというと、作品のスタイル自体がエルエルフとのダブルヒーローだから、ということもあるが、作品のスタート地点自体が、ハルトを英雄として作ることを目的としていないためだろう。 それでは、今作の描きたいメインテーマは何だったのか。勝手な推測だが、ひょっとしたらそれは「ツイッター強ぇwww」だったんじゃなかろうか。1期目から話題の、この世界のツイッター。お悔やみボタンまで設置された最新鋭のシステムで、最後の最後まで大活躍してくれた代物。これに代表される「衆愚」と呼ばれる要素が、この作品の「戦争」で描かれた最大の特徴である。「ネットにおける集団的意識」という歪んだ存在は、昨今(特にアニメに関わる業界なんかでは)どんどん膨れあがっている。「主体無き意志」は古くからSFなどでは扱われたテーマであるものの、改めて題材として取り扱われる価値のあるものだ。今作は、戦争ものではお馴染みの「民衆」をネットの存在と接続し、どれだけ愚かしく動くものか、為政者がそれをどのように利用するかという側面を、少年たちの犠牲の上に描くことを目的としたのではなかろうか。そう考えると、ハルトたち「戦士」の一群は、「情報を利用する者たち」に踊らされるただのコマに過ぎず、どうあがいても英雄に祭り上げられる存在ではなかったのである(もちろん、それに対抗するためにエルエルフが存在している)。 「人間の記憶を食う化け物」としてのマギウスの存在も、そう考えるとなかなか象徴的である。この世界において、学生達が突然宇宙で孤立しようとも、敵軍の本拠地に緊急着陸しようとも、食料などの生活物資で困窮する様子は無い。あくまで、不足して困るのは「情報」である。この時代は、もはや物質的な肉体に重要な意味はなく、それを支える「記憶」のみが重要視され、奪い合いの対象となる。他人の記憶を弄ぶマギウスの存在は、結局のところ、過去に地球を侵略してきたエイリアンと同じ立ち位置だったわけだが、あくまでも奪っていくのは「情報」のみであり、それ故に人々はその存在に気付かず、侵略されていく恐怖がある。こうして書き出してみると、非常に描きがいのあるテーマに見えるのだ。 では、何故そんなテーマ性を持った作品が「いまいち」だったのかと言えば、1つはロボットもののサンライズアニメとはどうしたって食い合わせが悪いということが挙げられる。ロボットもののドンパチはやっぱり直接殴り合ってこそ見せ場がある。おつむの中で、ネット世界で戦争を繰り広げられても、既存のアニメーションの技法ではそれを「面白く」見せることが難しい。どうしたってロボ戦闘に尺を割かねばならず、それが本筋と直接的な接点を持たなければ、演出意図としてちぐはぐな印象は否めない。また、「情報を巡る戦争」といっても、2クールの尺で「世界の秘密」を暴くまでとなると、どうしたって窮屈にはなるだろうし、分かりやすく「衆愚」を描こうとすれば、作品世界の「意志を持つ者たち」はどんどん愚かになっていく。その結果、主人公チームはどんどん共感出来ないような「アホな」行動に出てしまうことになり、まるで脳内お花畑みたいな可愛そうな人たちに見えてしまうのである(その最大の犠牲者がショーコだと思われる)。煮詰めきれなかった脚本の不備と言ってしまえばそれまでの話だが、目指したテーマ性を御しきれず、チープな結末になってしまったのは残念なことである。もちろん、単純に投げっぱなしになった部分は言い訳のしようがなく、あれだけ気を持たせていたショーコと流木野さんのハルト争奪戦が、「ハルトが死んだからノーゲーム!」とかいうのは当然釈然としない。流木野さん、あれだけ頑張ってたのにね。あと、これはとてもとても個人的なことなのだが、プレスコ前提のこの世界、兼ね役が多くて耳で聞いてキャラを識別するのがすげぇ面倒だった。だって、どうでもいいオペレーターの声とかが全部メインキャストなんだもん。訳分からなくなるわ。 ま、言いたいことは色々とあったけども、基本的に「お話を乗せてる土台部分」に問題があったわけで、細かいポイントを見ればいい所ももちろんあったんだ。個人的にはアキラちゃんのキャラも好きだったし、マリエが死ぬ回のどうしようもない絶望感なんかはなかなか感じ入るものがあった。なよなよした奴が多いこの世界で、最後までぶれずにキャラを貫き通したクーフィアも実はかなり恰好いい。「学園青春もの」に限定してしまっていれば、割とニーズに応えた良作になっていた気もするんだけどね。まー、新しいことにチャレンジしようとしたら障害はつきものですから。今作の良かった点、まずかった点を確認して、新しいロボットアニメ、戦争アニメに繋げて欲しいところである。何はともあれ、松尾監督、こんだけ面倒なお仕事を本当にお疲れ様でした。 「BLAZBLUE Alter Memory」 4→3 うん、まぁ……そういえば、狙ったものかどうかは定かじゃないが、今期はAT−Xで「バーチャファイター」に「ストリートファイター」と、何故か格ゲーアニメがまとめて放映されていた(見てないけど)。格ゲーアニメって、なかなか盛り上げるのが難しそうだよなぁ……。 今作は、原作ファンにはどのように受け入れられたのだろうか。せめて原作ファンはそれなりに満足してくれていればいいのだが、少なくとも原作知識皆無の人間からすると、何を楽しんだらいいのかさっぱり分からないアニメだった。1話時点で懸念はしていたものの、散逸的なシナリオラインは収束性に乏しく、ラグナたちの主線以外は本当に「なんでくっつける必要があるの?」というレベルでおまけ扱い。その主線にしたって、訳の分からない専門用語が飛び交い、雰囲気で処理されていくので原作を知らない人間からしたらちんぷんかんぷんだ。シナリオを全て言葉で語るわけにもいかないのでもう少し絵で見せてくれるかと思ったが、期待していた戦闘描写も大して盛り上がらず、下手したらショボい動画でがっかりさせる回すらあった。原作ゲームはそれなりのクオリティだろうし、ちゃんとファンはついているだろうに、作品の持つ「良い部分」がアニメとしてはほとんどアピール出来ていない(と思われる)のは非常に勿体ない結末である。 やっぱり「プレイアブルキャラ全員が主人公」とも言える格ゲーのアニメ化って難しいよなぁ。誰を贔屓しても不平は出るだろうし、かといって全員扱うわけにもいかないし……いや、でもせめてシナリオはある程度の着地をさせても良かった気はするんだけど……なんだかなぁ。 本当は「メガネブ!」クラスの2点でも良かったのだが、今作は中の人劇場としては楽しい部分もあったのでタオカカ点として多少下駄を履かせてある。最近の千和はガハラさん方向のニーズが増えてるせいで、こうしたオールドタイプ・千和が聞けるのはそれだけで多幸感(あおちゃんのキャラがほとんど出なかったのは残念至極)。あと、ひねらんでいい素直な悪役をやってる中村が凄く楽しそうだったのも良かったかもしれない。「適当なアニメの形を借りて杉田と中村がじゃれ合う作品」として見れば、ニーズはあったのかもね。酷いニーズだ。 この状態で年を越せと? ……そりゃぁ衝撃的な1クール目の幕引きではあるが……やきもきやきもきやきもき。 きっちり、節目にクラマックスが待ち受けていた。そして、そのクライマックスは「祭り」だ。思い返せばP.A.Worksの真骨頂は常に祭りと共にあった。第一印象でこれでもかと見せつけてくれたのが「true tears」のオープニング、麦端まつり。「CANAAN」では上海の喧騒の中でのお祭り騒ぎを見せつけ、ぼんぼり祭り、大文字納涼船合戦へと繋がっていく。これほどまでに「祭り」に縁の深いアニメスタジオもあるまい。今回描かれる祭りは残念ながら架空のものであるが、そこにも人々の伝統が息づくずっしりとした重みが感じられるようだ。 お船引の決行と冬眠の開始。2つの「けじめ」が1つとなって、嫌でも世界は動いていく。作中の全ての人間が、この激動の世界に強い信念を持って動いており、それが叶わぬ様も、なんとしても叶えようとする様も、全てが切実だ。これまで構築されてきた有象無象の人間関係が、巨大な渦潮に飲み込まれて、ますます散り散りに消え果てる。「人間はなんて弱いのか」と、子供たちは船の上で思い返していたが、それでもなお、海神様に願い、想いを叶えるために必死なのである。 願いが叶ったかに見えた唯一の人物は、あかりであった。思い叶ってお船引は最高の披露宴の舞台となり、うろこ様からの祝福を受けて全ては彼女の望み通りに。しかし、切実だった願いは度を超えてしまい、父親やうろこ様の思惑すら乗り越えて、本当の「嫁入り」にまで昇華されてしまっていた。海神様に願いを聞き届けて欲しいが、実際に嫁取りされては困る、という半端な状態で祭礼を行ったしっぺ返しといえばそれまでで、ある意味自業自得の結果ではあるのだが、これまでうんともすんとも言わなかった「海神様」という超越存在が、ここにきて突然ギブアンドテイクを厳密に要求するかのような現象が起こったのは寝耳に水。事ここに及んで、やはり、神の意志はヒトには計ることが出来ないことを思い知らされる。 そんなあかりの窮状に真っ先に飛び込んだのは、実弟である光と、「何をするにもまず身体が動く」と評されていたまなかの2人。この2人も、それぞれに想いは強い。光の告白は、前回までだと袖にされたようにも見えたわけだが、改めてきちんと報告した結果、まなかはほぼOKと同じ意味の「保留」を宣言している。まぁ、元々2人の想いにはすれ違いなどなかったわけで、ようやく元のさやに収まりかけたというだけの話なのだが。光の宣言に対し、まなかは「ちゃんと旗を振って見せて」と答えている。まなかにとって、あくまで4人グループの中心は光なのである。その彼が、しっかりと旗振り役を勤め上げ、仲間達を引っ張っていってくれることを、彼女は疑っていない。しかし、全てが上手く行くかと思われた矢先での、あかりの喪失である。あまりに突然のことだったために、まなかはいつものように、最大限の自己犠牲でもって、あかりを救出する。その代償はまなか自身だ。「とどかぬ指先」は空しく水をかき、まなかと光は、何度目かも分からぬ別離の波にもまれていく。 光たちよりも静かに進行していたのが、要が先導したちさきとの関係性。前回、強引過ぎる「仕掛け」でちさきに叱られてしまった要だったが、彼も本人のいう通りに「色々限界」なのである。一夜明けて何とかいつも通りの飄々とした顔を取り戻してはいたが、それでもどこか本調子ではない。自分の足下に視線を落とし、浮ついた立ち位置を必死に確認するようなカットが印象的だ。ちさきも、このような立場には慣れていないためにみっともなく慌てふためいてばかり。しかし、咄嗟の状況ならばやはり献身的に動き始める彼女は、大渦の危機にも素早く反応し、巻き込まれてしまった紡の救出に成功する。彼女のためを思い付き従っていた要は、何の因果なのか、渦が引き起こした災害で儚くも海中へ。単に沈むだけならば汐鹿生には何の問題も無かろうが、下手をしたら巨大な石柱の下敷きになってしまったかもしれない。「一緒に眠りについても、一緒に目覚められるか分からない」とずっと懸念していた要だったが、このままでは、「一緒に眠る」ことすら叶わなくなる。しかし、虫の息の紡にすがりつくちさきを見た要の最後の表情は、悲しいくらいにいつも通りのものだった。何とも損な役回りである。 まぁ、ぶっちゃけここで要やまなかが失われるはずはないので命の心配はしていないが、問題はこの大事件と「眠り」のタイミングが同時であるということ。海中では要の親父さんがうろこ様の力で眠らされていたが、なんだか随分直接的な催眠術みたいな力になっている。強制力の高い「眠り」を前に、引き裂かれてしまった4人は一体どのように巡り会うことになるのか。世界全体の趨勢に加えて、ここまで大きく動かされた4人の来年の姿が早くも気になって仕方ない。憎らしい脚本だよ、ほんと。 「ワルキューレロマンツェ」 6→6 楽しかったです。まぁ、毎週感想書いてたんだから、そんなことは伝わるだろうけども。いや、ぶっちゃけこの点数はおかしいんだが……最後の最後に出てきた馬劇場を見て、もう、この作品はこれでいいや、って思った。 古き良きハーレムアニメの流れを汲んだ作品。見事なハーレムエンドに加えて、エロゲ原作であることが分かりやすい執拗なエロ描写、頭が悪すぎるシチュエーションの連続など、本当ならば掃いて捨てても問題無い作品である。しかし、そんな中にも個々の特徴ってのは出るもので、今作の場合は潔くハーレムをまとめてしまった脚本の無難さに、きちんとジョストという珍しい題材を扱って、それをアニメーションとしての目新しさにまで昇華させた努力が一歩抜き出た印象を与える理由となったのではなかろうか。ジョストシーンは基本的にCGベースで描かれているわけだが、甲冑をまとう女の子の鋭利な美しさは印象的だった。鎧を脱いだシーンとの接続もほぼシームレスに描かれており、最大の見せ場となるジョストシーンがきちんと作品の一部に溶け込んでいたのは技術的にも割と練度の高いものだったのではなかろうか。エイトビットは今期ものすごい量の仕事が固まっていたわけだが、「IS」ではなくてこちらに作画リソースを割いてくれていたのは本当にありがたかった。まー、「東京レイヴンズ」も別に作画状態が悪いわけではないけど。なんだ、全部ISがおっかぶってくれたのか。感謝しないとな! 今までエロゲ・ギャルゲのアニメ化というのはたくさんあったわけだが、今作のように素直に楽しめた作品っていうのは案外珍しい。その違いが何なのかはよく分からないのだが(まぁ、中の人要素とかが多いのだが)、少なくとも今作の場合にはハーレムもの特有のとっ散らかった印象が無かったのが大きいんじゃないかと思う。相変わらず貴弘のキャラは酷いとは思うが、それでもジョストという大きな核を維持しながらきちんと「それなりに恰好いい男」としての造形が保たれていたし、その回りにいる女の子のメンタリティも追いやすい。題材がどんなものであれ、結局物語の筋立てなんてそんなにバリエーションがあるわけじゃないしね。最初にどれだけ目を引くことが出来て、あとは誠実な画作りでどこまで引っ張れるかですよ。今作の場合は割と制作スタッフがまとまっていたし、何を見せて、何を省略するのか、っていう書き出し方がうまかったのではないかと思う。 あとはまぁ、中の人的な、ね。清水愛は馬に乗ったりプロレスやったり、本当に大変だな。本人が楽しそうなのは何よりである。その他、今期は別なところで修羅場恋愛を繰り広げていたナバのシンプルな百合キャラ、分かりやすい中村繪里子のキャラ造形、そしてベルティーユ先輩! 普段なかなか触れる機会が無いのだけど、「裏の」世界ってのも現代声優業界の立派ないちジャンルになっているのだなぁ。 |
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HN:
Thraxi
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男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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