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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「魔法使いになれなかった女の子の話」 5→6

 これまた評価が難しい作品だったな……。軸としては「ネガポジアングラー」と似てる部分がある。ちゃんと考えさせるだけの土台がある作品だというなら、その部分を評価してもいいかな、っていう。

 まずネガティブな要素からあげていくと、正直中盤はちょっとダレた感はあった。「ダレた」ってのも違うのかな。いったいどこに向かって物語が進んでいるのかがよく分からず、主人公のミライのモチベーションにしても「魔法使いになりたい? なりたくない?」ってんで困惑させられる部分はあったし、最大のキーパーソンであるミナミ先生の動向についてもあまりに読めない部分が多すぎて、それを追う考察が捗るわけでもなくよく分からんテンションのクラスメイトやマギ研の面々との絡みをどんな気持ちで見守ってればいいのかが迷子になってしまった。

 とはいえ、こうした「先行きの不透明さ」は実のところ作品の本質的要素であり、そこを安易なお約束に落とし込まずに考えさせ続けることこそが本作の狙いであったのだから、そこでちょいストレスがかかったのはむしろ狙い通りとすら言える。本作で描きたいのは学園生活を通じての青春模様ももちろんだろうが、そこから先の“未来”を常に考えさせ、無限に広がる可能性を想起させること。この世界の魔法は何でもできる力でありながら、その裏に横たわる問題は極論すれば「他人から借りた力なんて結局は一時的なものでしかないんだ」という教訓であり、ミライはそうした魔法の姿を受け止めた上で、「その先」を模索する道を選んでいる。「魔法使いになれなかった」という一見ネガティブな言葉の裏に隠れた「だけど魔法使い以上のものを見つけた」というハッピーな要素。この切り出し方はとても印象が良い。

 根本的な部分ではミライとユズのダブルヒロイン体制がしっかりとこのメインプロットをサポートしており、「魔法使いになれなかった女の子」と「魔法使いになった女の子」を全く同じ視座に立ち、同じ方向を向いた仲間として描くことにより、決してミライの選択がネガティブなものではないことを端的に示してくれている。友情物語としても素直に受容できる筋立てだったし、ユズさん御一行が分かりやすく楽しい狂言回しに徹してくれたことで話も膨らませやすくなった。登場時にはほんとにトンチキなだけかと思ってたクラスの連中についても、なんだかんだで絡んでいくうちに少しずつ肉付けされていく様子も「学園もの」の要素をうまいこと消化してくれている。第一印象の薄かった作品ではあるのだが、じわじわと滲み出すようにして世界の全体像を炙り出すその構造は、1クールの間ゆっくりと浸るには充分な味があったと思います。

 そしてこの「淡い印象」を補強する絵作りも見どころの1つ。特徴的な絵本のような色彩は最後まで徹底しており、今期大量の作品を抱えて不安視されていたJ.C.STAFF制作のアニメの中では、安定して評価できる映像になっていたんじゃなかろうか。どの辺の年齢層を狙うかは難しいが、思春期間近のお子さんの情操教育、進路教育の教材として使ってみてもいいかもしれませんよ。

 まぁ、その場合にはラストの不穏な引きの部分だけカットしてもろて……。

 
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 ちかぺでございます。流石にちかぺはちかぺ呼びだなぁ。黒沢ともよ大先生の影響はとても大きい。ここまでのリストの中でも屈指の「おもしれー女」枠、安済さんの魅力にズームイン。

 

 


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 巨乳マニア冒険者について熱く語る杉田ナレの安定感、第12話。結局なんで今作のナレが杉田なのかがよく分からずに終わりそう(ストグリのメンバーらしいが)。

 前回気にしてた通りに、どこに向かって進んでるかどんどん分からないお話になっている。どうやら最終回に向けてのメインイベントが大オークションということらしいのだが……そこでドンパチも無しにただクライがうまいこと漁夫の利掠めて終わる展開なんだろうか。まぁ、そのせせこましさもらしいっちゃらしいのだが……ほんとに変なアニメである。最低限のクライマックス感を出そうとクライが目をつけたキモ宝具の値段がどんどん釣り上がっているわけだが、その前条件として「クライが10億の借金をしている」といういらん数字があり、この額のせいで1億だの2億だの言われても「まぁ、こいつの借金に比べれば……」という気になるのであんまり切実さがない。挙句トチ狂ったシトリーがさらに8億の実弾を投入。「イカれ冒険者とはいえ、二十歳そこそこの娘っ子が20億近く貯められる世界なら億単位の取引もそこまで無茶じゃないのでは?」とか色々考えちゃうよね。まぁ、シトリーのスペックがお化けなだけかもしれんけど。ちなみにクライが借金をする先がシトリーだけでリィズじゃない理由が「リィズにお願いすると力づくで金を強奪してくるから」だったのは草。流石にクランリーダーはそこでブレーキかけるくらいの良識は残しているか(まぁ、微々たるもんだが)。カツアゲだけで1億とか稼いできたらどうしよう。

 まぁ、とにかくクライが自堕落のために欲しがった宝具を巡ってのオークションバトルが最後の試合となる。参戦するのは、アークと知り合いらしいよく分からん金髪ドリルツインテの貴族令嬢。ポッと出のくせにやたら存在感を発揮しているが、スタンスとしては「クライにいい具合に丸め込まれる新しいカモ」でしかない。一応今回収穫があったとしたら、そのサポートを受けてるであろうアークの方はわりかしまともな人間で、クライのダメな部分も何となく分かってるって確認が取れたことくらいかな。ここまでの組織関係図を見てると、もしかしたらクランの中でまともな人間がアーク1人の可能性もあるので、是非いい具合でブレーキをかけてくれるよう、頑張って欲しい。でもなぁ、あんだけクライがおんぶにだっこでアーク頼みの話ばっかりしてるってことは、やっぱこいつも甘やかしの元凶なのかなぁ。

 
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「カミエラビ GOD.app(第2クール)」 ―→5

 ちゃんと、終われたじゃねぇか……。2クールかかったアニメ作品としては立ち位置がすこぶる地味なのだが、最低限の落とし前はつけられたので、終わってみると「案外悪くなかったよな」と温かい目で見送れる作品である。

 2期目の盛り上がりだけならもう1点加点してもいいくらいだと思ってたんだけど、冷静に考えるとこれって1期目のあの低迷した時間があり、その長い下積みをぐぐぐいっと一気に引っ張り上げたからこそ得られる快感だ。1期分のネガティブをひっくり返すってほどでもないかぁ、と思って加点評価は見送った。筋立てだけ拾ってもそこまで新奇性に富む内容でもなく、いわゆる「セカイ系」……いや、これは流石に言葉の使い方間違ってるな。「セカイ創造系」作品としては既視感もある取り回しだったので、まぁ、いけて「優良可」の「良」に触るかどうかの範疇だろう。その手の作品にたっぷり触りまくったラノベ好きとかゲーム好きとかなら「ハイハイ、またこの手の話ね」で終わりの可能性もあるしな。

 というわけで、今作で一番注目すべきはアニメオリジナルのくせに思い切ったシリーズ構成だろう。1期目はやっぱ今思い出しても面白くはなかったよ。厳密には「つまらん」というより「訳わからん」の方が近くて、神様選びのアプリバトルがどの程度の規模で、どの程度の深刻さを伴って行われているのかが全然見えずにふわっふわした場当たり的なバトルが繰り返されるだけの展開に見えていた。ただ、そうして現実感に乏しい展開になるのも話のスケールが無駄にでけぇことを考えれば致し方ない部分もあり、2期目に入ってスコープが広がった後には、その「セカイ」の取り回しが身の丈にあった大きな(そして大雑把な)ものになっていったので納得感が増したのである。

 そして、わざわざ1期に「キツい」前振りを置いて多数の視聴者をふるい落としまでして(個人の感想です)分割した2期目、ここで1期に繰り広げられたあれやこれやを拾い集めることで「伏線いっぱい」感を滲み出させ、全体的なスケール感を強調する効果をもたらす。つまり、現実世界の我々の時間感覚である「1年近くのブランク」という、普通だったら分割アニメの足を引っ張ることにしかならない要素を、「時間を隔てて勝手にイメージを膨らませることによって伝説として大きく見せる」ことに繋げたのだ。いや、もしかしたらそんな感覚を覚えたのは私だけなのかもしれないが、少なくとも「数話前にあったあの事件」よりも「1年近く前、もう忘れかけたくらい昔に見たアレ」の方が「なんか溜めてた」感が出るのは当たり前ではある。製作側がどこまで狙ったのかしらないが、アニメ放送時期そのものを「作品世界内の隔たり」として有効活用するモデルは興味深いものであった。

 あとはこれでもうちょい画に説得力があれば「神様モノ」としての迫力も説得力も増したかもしれないが……最後の最後まで変態ノースリーブサスペンダーが足を引っ張るんだよなぁ……あの衣装さえなければいろんなシーンの好感度が何割かはアップしただろうに……CGがどうとか以前に色々ともったいねぇよ。

 ま、とりあえず私の中では「なんかよく分からんが強引に爪痕を残していった作品」として、何らかのリストには掲載されることになりそうである。「リストに載せるかどうか悩んでるもののリストだよ」。

 
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 第1回目から(偶然にも)どんどん若手へと進んでいたラインナップ、ほぼ最年少選手がここで登場。ちなみに先にネタバレしておくと彼女は本企画のラインナップの中で厳密には「最年少」ではございません。さて、これより若い誰が登場するでしょうね?

 


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 「あなたのおうちのわんだふる」の右端の子、パースがエラいことになってませんでした?! 第46話。まぁ、猫は液体なのでフォームチェンジも自由自在ということで。

 猫だんごで迎える聖夜、アニメ史上最ももふもふぬくぬくなクリスマス回となった。当然、ホワイトクリスマスに相応しい今回の主役は雪のように白い美猫・ユキさんである。本にゃんからすれば1人だった子猫時代の記憶ってのは本当に辛いものだったはずなのだが、今となってはそれすらもどこか輝きが感じられるようになっているというのは、今がどれほど幸せかを示すものだろう。

 今回はとにかく「ユキのこの1年での変化」が色々とフィーチャーされており、分かりやすく自分の口でその成長を語ったりもしてくれている。端的に表現するなら「この世界に自分とまゆ以外の存在があることを知り、その大切さを学んだ」とのことで、あんなに頑なだったまゆさん守るマシーンだったユキさんも今は昔である。キラリンアニマルたちに気遣ってその溢れる才能でサービスしてあげたり、あれだけ渋っていた近所の猫との会合にも率先して参加できるようになるなど、とにかく人の(猫の)輪が広がって博愛を表現できるようになっている。当然その想いはこむぎに対しても同様であり、忌憚なく「友達だから」と言えるようになった。もう、それだけでこむぎはうれションものであろう。まぁ、猫だんごに一匹だけ犬が混ざってたら違和感半端ないだろうけども。それでも待ち合わせの時間を忘れちゃうくらいに安心して寝こけていたのだから、よっぽど快適だったんだろうな。

 そして、そんなユキさんとの対比構造(もしくは共通構造)が浮き彫りになるのは、ただ1人ガオウの傍らに残されてしまったザクロさん。一昔前ならガオウ様との時間さえあればいいと考えていた可能性もあったが、今となってはトラメの喪失はやはり大きな意味を持ってしまっている。1人ずつ欠けていく現在の構図は、どうしたって彼女たちが一度は経験した「絶滅」への傾倒を意識せざるを得ず、自分が倒れたらガオウは再び同じ苦しみと悲しみを味わうことに。何としてもここで踏ん張らなければ、想い人の願いをかなえることができないのだ。

 そう考えると、ここでユキさんがザクロに理解を求める構図も残酷といえば残酷か。ユキの場合は「世界がまゆだけではない」というのは真実だったわけだが、ザクロからしたら「世界がガオウだけ」なのもまた真実。根本的に置かれた境遇が異なるので、ユキ側から一方的に「私と同じような境遇なのだから、同じように目を啓けるはずだ」というのは傲慢でもある。しかし、そんなふうに伝えたいくらいにはユキの中では大切な真理であり、まだどこかでザクロとの融和は果たせると思っている。そこにあるのは置かれた境遇の違いをも乗り越える、ただ動物としての生き様がある。必ずしも同質でなくても良い。周りにすがるべき存在があるのならば、形は違ってもザクロやガオウにも救いの道はあると、ユキはそう信じているのだ。培ってきた友情に、それだけの価値があると信じているのだ。だからこそ「救う」とかいう言葉でなしに、彼女は「かまう」という言葉を使う。ここにきて「仕方ない、かまってあげる」という猫らしいフレーズが彼女の本質に肉薄するのは実に心憎い。あとは、その「かまい」がザクロに届くかどうか。

 まぁ、こればかりはザクロさん本人と、あとはこれまで沈黙を貫いているガオウ様がどう考えてるか次第なのでね……来年年明けはガオウ様がガショウ様になりそうなので、とりあえずその結果待ちといったところでしょうか。

 今回のその他のトピックとしては「ありそうでなかったキラリンウサギと大福ニキの絡み」とか、「ペンライトを振るのが世界一似合う女・まゆ」とかがありました。

 
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「ダンダダン」 6→6

 どんな終わり方やねん。いや、分割2クール前提なので終わりでもなんでもないけど……それにしたってもうちょっとやりようあっただろ。一番気になる終わり方にしたかったんだろうか……。今期アニメ、最終回で「終わった気がしない温泉回」がすでに2つも発生してるのどうかしてるわ。

 というわけで、終わってない作品なので現時点でどうこういうのもあまり意味がない気がしているが、かといって2クール目が終わった後に評価したら何か変わるのかと考えると、多分その時点でも原作は完結してないだろうし、実は似たり寄ったりな結論になる気もする。

 原作を全く知らない身からすると「まぁ、まっすぐなジャンプ漫画だなぁ」というのが素直な感想。外面を覆う装飾は程よくジャンプ的テイストからずらしている要素も多く、一見するとちょいダークな部分やエログロを押し出したところもありつつ、結局やりたいことはシンプルな「友情(愛情?)・努力・勝利」であり、主人公チームのパワーアップの流れとか、敵との対立構図の作り方と解決法など、どこまでもセオリー通りのドラマ作りである。そういう意味では大外しはしないが何かとんでもない跳ね方を見せるようなものでもない。個人的には今作で展開するギャグの要素とかは実はあんまり好みではなく、どこか古臭いというか、野暮ったいギャグの方向性と、旧態依然とした下ネタの挟み方なんかはそこまで刺さらない要素ではあった。

 そうして基本線は「まぁ、こんなもんじゃね?」止まりだった作品だが、全体を統制する雰囲気作りは文句無しで上手い。これは原作の絵作りが上手いのか、アニメスタッフの画作りが貢献しているのかは定かじゃないのだが、サイエンスSARUによる「古臭い新しさ」を見せるいわゆるレトロ趣味の画面作りは綺麗に狙い通りの効果を発揮している。バトルアニメとしても徹底してアニメ的な動きにこだわり抜いており、「宇宙人&妖怪」という珍妙な掛け算の味わいを左右同時に引っ張り上げることで「ならでは」を生み出している。これはやっぱり原作時点でのコンセプトのうまさもあるのかも。単純にドタバタするだけなら時間と金さえかければできるのかもしれないが、どこかふざけたような「レトロジョーク」じみた画面構成ってのは明確な狙いがスタッフできちんと共有されていなければ成しえないものだっただろう。同じジャンプバトルアニメでもスタイリッシュ超絶作画の「呪術廻戦」やエフェクトバリバリバトルの「鬼滅」あたりと比べてみるのも面白いかもしれない。

 最終回を無茶苦茶な状態で投げっぱなしにすることで、いやでも続きは気になっている状態。このまま半年放置はやや長すぎる気もするが……まぁ、そんだけ待たせても充分に強みが維持できるという判断なのだろう。気長に待たせてもらうしかないね。

 
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「ネガポジアングラー」 6→6

 とても評価が難しい作品。最後まで維持か減点かで悩んだけど、トータルで見た時の「らしさ」みたいなものを評価しておくこととした。人は選ぶが、刺さる人は何かかけがえのないものが得られるかもしれない作品。

 減点(しようかと思った)要素をあげておくと、やはり個人的に1話目で引っかかった主人公・常宏の余命設定はノイズになった。「先行き短い奴がなんで釣りやねん」という疑問は常に引っかかったし、どれだけ真に迫った「釣りと生き様」を描かれたとしても、私自身が釣りの良さを理解しておらず、共感が生まれ得ない部分だっただけにそこは消化しきれていない。ヒューマンドラマを手っ取り早く盛り上げるには「命の話」にしてしまうのが楽なのは分かるが、別に余命云々を考えずともいくらでも「ネガ」を表出させることはできるし、実際作中の常宏は健康体だったとしても一歩間違えば死ぬみたいなとこまできてたわけで、もうちょい「見やすい」設定は作れたんじゃないかと思っている。言い方は悪いが常宏の存在をもう少し「軽く」してもらえば、彼が釣りにどんどん傾倒していく様子ももうちょっと気楽に見られたとは思うのだ。

 ただまぁ、その辺は程度問題ではある。ハナから「まぁ、死なんやろ」という空気は漂っていたのだから、気にしなくてもいい部分だったと言えなくもない。そこさえ目を瞑れば、あとに残されるのはただ雑多に入り混じる人と人との交流だけ。そっけなさも感じさせるような「釣りグループ」での人との関わりは、どこか現代的な軽さといびつさを抱えた興味を惹かれるコミュニケーション像。今の時代、「釣りバカ」でなくともみんなしてどっかで人に言えないような「バカ」は抱えているもの。それを好きな人間と共有できた時の喜び、新しい「バカ」を手に入れた時の不可思議な高揚感など、メインテーマに据えた「釣り」との食い合わせは決して悪くなかったように思う。

 そして何より、今作で見るべきはやはりこだわり抜いた映像美術だろう。背景や釣りの魚のモーションなどにふんだんにCG処理を使っているのでどこか寒々しい部分はあるのだが、そこに思い切り「人間味」に振り切ったデザインのキャラをのせることでいっそ違和感を引き立て、前面で蠢く「人」の営みが鮮明になるような感覚があった。個人的にはやっぱアイスとか藤代氏のような人を超えた造形の連中のクドさが愉快で良い。アイスさん、あんな見た目なのにちゃんと「いい女」なのが伝わってくるのずるいよな。

 中心となる常宏・貴明のドラマ作りは上述のように「命」の話が関わってくるので十全に飲み込めたわけではないが決してなおざりではなかったし、間に挟まった1人1人の挿話、特に店長父子の親子の対話なんかは「お父さんが釣りに連れてった息子と対話する」という古式ゆかしいワンシーンながら、今作の売りである執拗な釣り描写とも噛み合って不思議な(必ずしも幸せなだけではない)家族関係を描いてくれている。全体的に「お約束で落としきらないぞ」みたいな脚本のこだわりが(良くも悪くも)目立つ作品だった気がする。

 今期はこうした「実写ドラマとかでもありそう」な作品が何本か重なったシーズンだったが、その中で「アニメとして」最も評価できるのが今作だったんじゃなかろうか。最終的に「釣りに行きたいなぁ」とまでは思えなかったが「釣りを楽しむ人のことを理解しよう」と思えるくらいにはなれました。


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「結婚するって、本当ですか」 5→5

 最終的に「てめぇが結婚しないのは何でですか?」と問われてるかのような錯覚に陥る。これだから純正の恋愛ドラマってやつは……。

 1クールで起承転結をきれーに納めた模範的な恋愛ドラマ。最初から予想されたゴールへ紆余も曲折も無しにコロコロと転がるだけのドラマなのであんまり物語そのものに感じ入る部分は無いし、「根暗な男がぴったりなマニア女(美人)と結婚できるシナリオムカつくな!」という苛立ちは隠しようもないが、それはこっちの責任なので作品に悪いところはない。苛立つのが嫌ならもはやラブが絡むドラマは全部目を塞いでシャットアウトするしかないのだが、流石にそこまでやりたいほどの世捨て人ではないので、「僕ももしかしたら将来早見沙織ボイスの嫁が突然できるかもしれない」という希望を持って生きていくことにします。

 アニメとしてのクオリティはとても並。映像の失点はなく、ヒロインのかわいらしさのアピールだけで見ればどっちかというと好きな部類。まぁ、男の願望を煮詰めたようなヒロインなので当たり前なんだけど、こうした露骨な願望創出をどこまで受け入れられるかも個人差だよね。どっちかというとそうして分かりやすいメインヒロインの人物造形よりも、周りを彩るサブのエピソードの方が観るべき部分が多かったかな。個人的にはるみるみボイスのバツイチ子持ちさんのエピソードとかさ、男側が「一瞬言葉に詰まってしまった!」って思い悩むの、「そりゃしょうがないだろ」という気持ちもありつつ、実際の現場に遭遇したら確かに頑張ってほしいという気もする絶妙なライン。世に溢れる「結婚」にまつわるあれやこれやの雑多な部分を多分にフィクションを混ぜ込みながら、それでいて「トニカクカワイイ」ほど全部嘘でもなく、程よい「アニメ」としてまとめてくれたんじゃなかろうか。

 それよりなにより、個人的にどうしても気になってしょうがないのは主人公・タクヤの熊本の実家のことなんですよ。何が気になるって、この実家、方言監修のために熊本声優の篠原侑が関わってるんですが、タクヤのおかんのCVがその篠原らしいんですよ。でもね、その情報をキャスト表で確認して、何回聞きなおしても「これが篠原ボイスってマ?」と思って未だ理解できてないんですよ。未だこの人の声のベースが読めない。

 
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Thraxi
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自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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