忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[934] [935] [936] [937] [938] [939] [940] [941] [942] [943] [944]

 一応全ドール登場といえるのかしら、第11話。雛は結局台詞無しだったけどね。まさに死人に口なし。まぁ、今回だけで見たら死人じゃないっていえるのは3体しか残ってない気もするけど。

 これまで展開されてきた「なんかよく分からない話」を「なんかよく分からない方法」でまとめにかかった展開になっている。現在ジュンたちがいるフィールドが一体何を表しているものなのかがよく分からないし、これが巻いたジュンのいるフィールドと接点を持っているのかどうかもよく分からない。金糸雀が飛行能力だけで渡り歩いてるんだから同じフィールドなのだろうけど、どういう区分で隔てられているのかがはっきりしていない。現在ドールたちが集まっている方には、舞台装置だった大時計が設置されており、その針が時を刻めば、再び世界は周りだし、「正しい姿」に戻るという。そして、それを戻すことが出来るのは翠星石と蒼星石の双子姉妹の能力だけ。そのあたりのセッティングが、「何故起こり」「何故解決されるのか」は、多分分からないままなのだろう。とりあえず、現在のフィールドが「大人ジュンの決意を試すものである」というシナリオ上の要請だけは確かなようである。

 そんなこんなで、なんだかお膳立てを無理矢理整えられたようにも見えるが、未だかつて無いほどに賑々しくなったフィールド上で、6人の姉妹が集まってのすったもんだがあった。今回Aパートはこれまでにないくらいにへちょ絵シーンが多く、やっぱりドールの愛らしさが集まった瞬間こそが、この作品のクライマックスなんだな、ということを感じさせる。本来ならば命のやりとりをしている最中なのだから和気藹々としている暇はないのだが、「奪い合いながらも姉妹として共同生活を続けている」というこの作品最大の肝が、今週の掛け合いにはたくさん詰まっていた。タイムリミットの迫る真紅は、相変わらずのスタンスの水銀燈に対して珍しく「お姉さま」という言葉を使ってみせた。完全に茶化しているだけなのだが、そういえば関係性だけで言ったら真紅は妹だったのだな。言われた水銀燈も、慣れない呼ばれ方にたじろいでたけども。

 今回最大の見どころは、蒼星石と水銀燈の「交渉」の部分である。蒼星石があまりに男前すぎるので一切のひっかかりなくスルッと解決してしまったが、まさに「仲良く殺し合い」の真骨頂とも言える対話になっている。あれだけ偏屈だった水銀燈だが、蒼星石の「ボクは嘘が嫌いだ」の一言でローザミスティカを渡してしまっているのだから、なんだかんだいいながらも彼女たちの間にはちゃんと信頼関係が成立しているのだ。同様の関係性は、蒼星石と翠星石、そして真紅と雛苺などの間にも見られる。結局、ジュンが諭していた通り、このお話はどこまで言っても「面倒臭い姉妹喧嘩」でしかないのである。末妹の扱いが悪すぎたせいで、こんなホラーじみた話になってしまっただけなのだ。そう考えると、欠陥があるばっかりに他の6人から総スカンをくらった雪華綺晶って、可哀想な子なのかもしれない。今回もようやく見つけた(一方的な)マスター候補からはっきりと袖にされて自壊してしまうという、何とも物寂しい結末を迎えているしなぁ。彼女は彼女なりに必死に生きてきた結果だったのだから、もう少し違う未来が無かったものかとも思う。

 結局、雪華綺晶の存在が否定され、蒼星石のローザミスティカは収まるところに収まりそう。そうなると、時間が動き出してしまったがために、今度は真紅の命がアウトになってしまう。もうボチボチお話も終わりであり、子供ジュンがボディを見つけた後なので一切心配はしなくていい状態だとは思うのだが、関節から砕け、無惨に頭がこぼれ落ちた真紅の図は、やはり壮絶なものであった。今作は本当に「人形感」が強いが、動いていたものが突然「物」に帰る瞬間って、やっぱりおっかないものがあるね。

拍手

PR

BROTHERS CONFLICT」 4→3

 ひどい……事件だったね……。ん、まぁ、例によってそっち方面の方々には評判も上々のようで何よりである。しかし、何回でも繰り返して書くが、わたしにゃ無理だ。そして、この作品は、こういう作品の「琴線に触れない要素」が凝縮されている。このアニメが全力を持ってやろうとしていたことが、私にとって何の価値も無いものだった。意味は分かるが意義は分からない、そういうアニメである。

 もっと端的に言うなら、「壮大な出落ち」ってところだろうか。最初はそりゃ笑いましたよ。特に諏訪部坊主あたりには爆笑した記憶もあるんだけど、結局どのキャラクターも登場時のインパクト以上のものは特に無いんだよね。「妹ちゃんに全員無条件で惚れる」という属性が全員同じベクトルになってしまうわけで、そのキャラ属性に与えられたものがだんだん薄れて画一的になってしまうんだ。もちろん、ツンデレだのクーデレだのとアプローチの仕方は違うのだろうが、13人いたら限界があるだろうよ。尺の問題もあるのだろう、「野郎どもが妹ちゃんに惚れるまでの経緯」は全部すっ飛ばしているので、馴れ初めの段階で区別することもままならない。全キャラクターが「妹という属性なら無条件で惚れるモラルハザード軍団」にしか見えない時点で、この作品はまともに見ることを許容していない。

 まぁ、この手の作品の「まとも」ってなんだよ、って話だけど。過去に私が見てきた作品でいうなら、たとえば「薄桜鬼」なら惚れた腫れた以外のところでのお話が見るべき部分としてあったし、(そこまで好きではないが)「歌プリ」なら訳の分からないアイドル伝説が異次元へ視聴者を引きずり込む一因となっていた。「AMNESIA」の超次元設定などは完全にギャグとして楽しめるもので、話が進めば進むほどカオスが増していく高品質なネタ作品だった。しかし、この作品は本当に「女性向けのシスプリ」以外の何ものでもなく、作中に山も谷も無い。各キャラクターが当番制で一列に並んでヒロインに告白するのを眺めるだけである。これじゃぁ流石に何もひっかかりゃしない。「こいつら妹相手にマジになりすぎだろ」だけでひとしきり笑える時代は終わってしまっているのだ。

 やりたかったことは分かる。「意味は分かる」。おそらく適当なキャラに入れ込んで見ていれば案外ネタとしても楽しめただろうし、色々とこの作品にオリジナルな要素もあったのだろう。しかし、残念ながらそこまで入り込むこともままならないまま終わった。男性視聴者を繋ぎ止める最大の入り口はヒロインだと思うのだが、今作のヒロインはどうしてもデザインがね……完全受け身体質だからキャラの押しも弱かったしね(まぁ、作品の性質上致し方ないのだろうが)。同じ設定で、主人公が「ベルゼブブにちょっかい出される佐隈さん」だったらどんな話になっていたのかは気になるんだけども。今作で一番楽しかったのは、多分アフレコ現場で大量のおっさんに囲まれたサトリナを想像することである。神谷・鈴村・諏訪部・小野・浪川……地獄のような現場だな。これ、サトリナでなかったら心折れてないかな。あ、でも一度でいいからエンディングをキャスト全員がマジで踊ってるところは見たい気がする……。

拍手

Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ」 6→5

 これも10話でおしまいなんだよね。最近は変則的な構成の作品も増えてきたなぁ。小学生は最高でした。基本的にそれだけ言ってれば事足りる作品である。

 1話時点ではなんと言ってもそのキャラクターデザインとぷに萌え感を評しての点数だったが、中盤以降、多少作画がガチャついたところもあり、取り立てて盛り上がる部分も無かったので評点は下げさせてもらった。盛り上がる部分はそりゃ盛り上がるのだが、本当に部分区切りでのテンションのあげ方であり、なかなかシリーズ通じての高品質という印象には繋がらなかった。流石に筋立てが分かりやすすぎたってのはあるかなぁ。ラスト3話くらいは延々美遊とイリヤの友情の話を続けていただけで、そこからどうなるかは誰でも分かっちゃうし、取り立てて新規性のあることをやっていたわけでもないし。「そういう話」なのだから別に一本調子でも構わないとは思うが、もう少し作品の特色を踏まえた上での描き方があったのではなかろうか。

 勿体ないと思ったのは、あまりに美遊ちゃんとの友情を優先させすぎたせいで、周りのガジェットをあまり活かせていなかったこと。たとえば、この作品はFateシリーズであり、Fateといえば英霊との関係性、英霊とのバトル要素が最大の肝となるわけだが、今作の場合、対戦した英霊のバリエーションはほとんど無いと言っていい。小学生女子が戦ったせい、というのもあるかもしれないが、相手がキャスターでもライダーでもセイバーでも、全て力押しの魔法力で叩き潰すだけであり、相手の攻撃も「とにかく高出力、高火力」というので圧力をかけてくるだけ。アサシンだけちょっと毛色が違ったかもしれないが、それでも最終的にはイリヤが暴発してぶっ飛ばしてしまったわけで、あまり「ならでは」の展開とは言い難い。たとえば美遊は「空を飛ぶ魔法」の開発に四苦八苦してオリジナルの技法で課題をクリアし、それを利用して敵を倒すことが出来たわけだが、そういう「この作品のバトルならでは」の要素がもっと多ければ、シリアスな戦闘シーンでももっと楽しむことができたのではなかろうか。

 基本的にこの作品はギャグ寄りだからあんまりバトルとか考えても仕方ない、という考え方もあるが、ギャグ要素にしても、もっと全編通じて掘りさげる要素はあったはずだ。個人的には、無闇に豪華なキャストを配したクラスメイト4人組にはもっと前面に出て活躍して欲しかったのである。まぁ、彼女たちが活躍するように話を作っていくと、本当に学園ほのぼのアニメになりかねないが……今作の一番の見どころは、「魔法の杖や魔法少女達の身の回りはギャグなのに、バトルだけは無闇にガチで下手したら死ぬ」というギャップの部分だと思うので、クラスメイトももう少し使いようがあったと思うのですよ。

 まぁ、原作があるんだからアニメでそうそういじれない部分なんだとは思うけど。せっかく「Fateシリーズのスピンオフ」として書いてるのだから、もっと作品の厚みを活かすとか、思い切り羽目を外してふざけるとか、ぶっ飛んだところも見てみたかった、というのが素直な感想です。「もしもっと良い物が見られるなら」っていう仮の話だけどね。決して質の低い作品だったわけじゃないし、こういう「ベタな友情物語」のシリーズとしては、平均的な満足度ではあったと思う。とにかく絵が可愛かったしね。

 あとは中の人の話。今期の門脇主人公1つ目であるが、ぶっちゃけ、こっちの主人公の方が舞太の良さが出てると思う。阿漕なまでの甘ったるさと、いい感じでの上下の振れ幅。美遊相手にキマシパワーを前回にしてイカれた時とかすごく良い。そんな舞太の相手をするのが名塚佳織という布陣も鉄板で、どこの501小隊やねん、ってな感じ。今となっては2人とも子持ち(1人は予定)だもんなぁ。イリヤが子持ち、美遊も子持ち、ルヴィアも所帯持ち……後は凜の中の人くらいですかね(サファイアの中の人は略)。ちなみに、もう1人の所帯持ちといえば今作でもちゃんと出てきてくれた、アイリスフィールさん。アイリが可愛かっただけで個人的には満足なんだけどね。やっぱり良いお母さんである。切嗣には勿体ない。

拍手

 斑目ェ……斑目よぅ……泣いた、マジでげんしけんで泣かされることになるとは思っていなかったが……辛いよなぁ。針のむしろってレベルじゃない。針の寝袋みたいになってましたやん。女って怖いな……。

 波戸問題が解決したので、シナリオは自然にこの作品のメインヒロイン、斑目へと収束していく。春日部さんが来てしまったことで、げんしけんは「二代目」から「初代」の空気へと揺り戻しが起こり、気付けば全メンバーが揃う事態に。一昔前とは随分雰囲気が変わったげんしけんを見て、春日部さんもちょっと浦島気分、本当だったら嫌々付き合っていたはずの集団だったのに、懐かしさもあって普通に「良いOG」になっている。波戸問題の余波で相変わらずこのサークルの中心には「ヒロイン」斑目がいることが持ち上がり、咲ちゃんたら、いつものようなちょっとした悪戯心でか弱い斑目を刺激してしまう。当然、斑目はいつものように尻込みしてはぐらかすだけだったが、周りを固めている面子が悪かった。気付けばあれよあれよと舞台が整い、いつの間にやら数年越しの告白強要イベントが成立してしまうという。そりゃまぁ、放っておけない気持ちも分からないではないが、斑目側からしたら当然「放っておいて欲しい」以外の何ものでもないわけで……世間はそれすら許してくれないというのか。

 あとはもう、あの部室のシーンだ。ホント、斑目の気持ちってのは1つ1つが手に取るように分かる。何をしていいか分からない。何をしても傷つく未来しか見えない。そんな中にありながら、目の前には憧れたあの人がいるのだから、格好悪い姿を見せることも出来ない。精一杯粋がって、張り子の虎とは知っていながらも、スタイルを崩すことだけは許されない。オタクの矜恃、喪男の拠り所。自分自身に許され、世間に許されるギリギリのラインを全ての処理能力を費やして必至に探し求める。その結果が、あの「鼻毛」云々である。まぁ、誰がどう見ても苦しすぎる主張ではあるのだが……。しょうがないんだ。自分が何を言っても彼女には響かないはずなんだから。自分はそんな格好悪いこととは無縁の存在なのだから。それが、斑目がこれまで培ってきた人生なんだから。

 救いがあるとすれば、斑目が惚れてしまった女、春日部さんは、本当にいい女だったということである。後輩達の意図を汲んで舞台に躍り出た春日部さんは、全てを知った状態で、なお斑目の侠気を優先させる気配りを見せた。彼が傷つかないように配慮しながらも、彼にとってただの甘えだけで済まぬよう、きちんと段取りを踏ませ、せっかくの舞台が無駄にならないよう、きちんと義理を通してみせた。そんな彼女が相手だったからこそ、斑目も最後の最後で、なけなしの勇気から一歩だけ踏み出せたのだと思う。一歩間違えれば女性恐怖症にでもなりかねない壮絶な現場ではあったが、春日部さんが春日部さんだったおかげで、斑目は笑って済ますことが出来たのである。本当に、彼女はいい女だ。

 歪みきった斑目の心情がじわりとにじみ出て本当に切なくなるエピソードだったが、これまでずっと紡がれてきた「男×男」の話でなく、至極真っ当な恋愛観を描いたものだったおかげで、この「いい最終回」は本当にクる仕上がりである。何の画面変化も無い部室で繰り返される、ギリギリのせめぎ合いがこうも緊張感のあるシーンになるあたり、やっぱり一筋縄ではいかない作品だ。水島さんは「動」の作劇も「静」の作劇も、いちいちドラマを引っ張り上げる勘所をよく心得ている。

 そして、今回ホントにたまらなかったのは、咲ちゃんの中の人がサトリナだったところ。ホントにね、彼女の優しさは刺さるよね。飄々とした外面の咲ちゃんだが、声の影響もあって内面の優しさ、思慮深さが5割増し。全てが終わったあと、何故か斑目ではなく春日部さんが泣き出してしまうシーンがまた切なくも温かい場面だが、このシーンで、最初に春日部さんがしゃくりあげるその一息が本当に切なくてたまらない。なんでこんなにいい女なんだろう。外の人も中の人も。

 実にいい最終回だった。……で、来週何すんのよ。

拍手

Agent of Horizons 彼方の工作員 (2)(G) C

クリーチャー・人間、ならず者

3/2

(2)(U):〜はこのターンブロックされない。

 他色起動サイクルの敵対色緑。なんとここでもアンブロッカブル。起動に3マナかかるとはいえ、パワー3のアンブロッカブルならば充分にその価値はある。起動出来ずとも3マナパワー3ならそれなりに仕事は出来るわけで、わざわざ帰ってきた3/3の「ネシアンの狩猟者」がちょっと可哀想な気もする。この世界は「オーラの土台にちょうどいい」が多すぎて困るのだが、考えてみりゃこの世界でシミックカラーが組めるのかというと、不安ではあるのだな。でも、あんまり友好色と敵対色の差がないよねぇ。他色カードも全部均等だしな。

 

 

Artisan’s Sorrow 職工の悲しみ (3)(G) U

インスタント

対象のアーティファクト1つかエンチャント1つを破壊する。占術2を行う。

 占術つき「帰化」。占術1ではなく2なので重くなるコストが2マナ。ちょっと動きにくいコスト域になってしまったが、何はともあれエンチャント破壊だ。ミラディン世界における「真っ二つ(SOM)」的な存在としてありがたく頂こう。なんか、カード名が被害者視点なのが気になるけども。

 

 

Defend the Hearth 拠点防衛 (1)(G) C

インスタント

このターン、プレイヤーに与えられる全ての戦闘ダメージを軽減する。

 毎回微妙な差で必死に違いをアピールするために「どこが違うか分かりずれぇよ」と言われる「今回のフォグ」のコーナー。前作はシミック製の「遮り蔦」やセレズニア製の「ドルイドの講話」など、主義主張の見えやすいスペルだったので良かったが、今回はなかなか難しい。一応再録ではなく新規のカードで、特徴は「プレイヤーへの戦闘ダメージ」だけを軽減すること。クリーチャーどうしの殴り合いは全て解決するし、火力や能力などで発生したダメージも軽減されない。「濃霧」と「カメレオンのぼやかし(TSP)」の間くらいの呪文。まぁ、この違いが生まれたからなんやねん、という話ではあるが、一応フォグを使うタイミングってのはほとんどが防御時なわけで、戦闘結果を有利に導きやすいブロック側には「濃霧」よりもややプラス寄りの設定と見ることは出来るだろうか。いや、使うかって言われたら微妙だけども。

 

 

Fade into Antiquity 古代への衰退 (2)(G) C

ソーサリー

対象のアーティファクトかエンチャント1つを追放する。

 アンティキティといえばMagicのエキスパンション名にもなった単語で、このカードはその単語が含まれる初のカードである。効果は見ての通り単純明快かつ強力なものになっており、面倒な授与オーラも、やっかい極まりない神様たちも、一切の後腐れなしに異次元へ追放。この設定で3マナソーサリーなら充分納得のお値段である。もちろん「帰化」再録でも良かっただろうが、再生や破壊不能を無視出来るこちらの方が、この世界では安心だろう。たかだかコモンに追放されちゃう神様って……。

 

 

Feral Invocation 残忍な発動 (2)(G) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー) 瞬速

エンチャントされたクリーチャーは、+2/+2の修正を受ける。

 かつては緑のコモンの質を左右する存在だった「+2するオーラ」。最近は基本セットで「トロール皮」が暴れ回るくらいで、あんまり拡張セットに存在感はないが、反則的存在「アルマジロの外套」(「ひるまぬ勇気」)や「シートンの願望(ODY)」といったカードは、がっつりと緑のサイズを支えてきた。このカードは、そんな懐かしのシンプル素材を、より柔軟に楽しめるようにした味わいのある一品。「瞬速」の文字をつけただけで無骨な増強オーラがコンバットトリックに早変わりし、インスタントタイミングでのヒロイック発動にも一役買うことが出来る。今回はこれに加えて「蛮族の血気」がコモンにあり、割と頻繁に+2の修正されるチャンスがある。逆に言うと緑のトリックは今回この2つだけなので、緑を相手にしているときの1つの目安として覚えておくといいだろう。

 

 

Nemesis of Mortals 定命の者の宿敵 (4)(G)(G) U

クリーチャー・蛇

5/5

〜を唱えるためのコストは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき(1)少なくなる。

(7)(G)(G):怪物化5を行う。この能力のコストは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき(1)少なくなる。

 イニストラード・ラヴニカと、墓地を参照する環境が続いてきたが、今回のセットではほとんど墓地というものに触れる機会が無い。本職の黒は最低限の接点をもっているが、他の色はまったく見向きもしない状態だ。そんな中、黒についで墓地との相性が良い緑が唯一残した接点がこちらのクリーチャー。素出しの状態でも6マナ5/5と素敵サイズであるが、中盤にはこのコストがどんどん軽くなる「グール樹(DKA)」仕様である。こんなのが2マナで出てきたらどんなタイミングだろうがびっくり確実だし、その場合には怪物化コストだって5マナで足りる。何の遠慮もなく殴りかかる10/10の巨大蛇に全世界震撼。なんでアンコに「グール樹」がおんねん、とイニストラードの住人の方々からもクレームの嵐である。まぁ、単なるバニラと思えば対処は出来るのかもしれないが……ホントにこの世界の怪物の皆さんは遠慮が無くて良いね。

 

 

Nylea’s Disciple ナイレアの信奉者 (2)(G)(G) C

クリーチャー・ケンタウルス、射手

3/3

〜が戦場に出たとき、あなたの緑への信心に等しい値のライフを得る。

 各色に与えられた信心クリーチャーの緑版だが……久しぶりに見たな、ライフゲインによる緑いじめ。いや、「サルーリの門番」もそうかもしれないけど、アイツのゲイン量は割と半端じゃないし、他の色の門番もそこまで強い訳じゃなかったから納得出来たんだ。しかしこいつは……ま、まぁ、コモンだからね。各色の信心状況を確認すると、コモンに信心カードがあるのは黒と緑だけ。他のカードはアンコ以上なので、それらのカードが強くなるのは仕方ないのだ。……まぁ、黒が「アスフォデルの灰色商人」の時点で、単なるライフゲインはどう見ても割を食っているようにしか感じないが。4マナ3/3の時点でお仕事してるんだから文句を言うもんじゃないよね。最低でも「ケンタウルスの癒し手」を超えるお仕事はしたいものだ。ちなみに、クリーチャータイプに射手って書いてあるのにピンガーも到達も無くってご立腹したのは俺だけでいい。

 

 

Nylea’s Emissary ナイレアの使者 (3)(G) U

エンチャント クリーチャー・猫

3/3 トランプル 授与(5)(G)

エンチャントされたクリーチャーは+3/+3の修正を受けるとともにトランプルを持つ。

 使者サイクルのトリを飾るのは当然緑の神様、ナイレアからの使いだが、色々と凝った能力を提供してくれたこのサイクルなのに、何故か緑だけはすげぇシンプルに、トランプル。白:タップ。青:カササギ。黒:吸血犬。赤:ブロック制限と来てるのに、トランプル。まぁ、余計な捻りを加えずとも、+3の修正を与える授与オーラと相性が良いのはトランプルだとは思うけども。授与にまで到達出来れば「ガイアの抱擁(USG)」クラスのオーラなので当然強い。素出しすると緑にしてはサイズが普通なのでコモンの中に埋もれてしまうのは残念だが、素でトランプルを持つ貴重なクリーチャーなので、こいつ自身をオーラの土台にしてしまうという手もある。同じカードを被せるとすげぇややこしくなりそうだな。

 

 

Nylea’s Presence ナイレアの存在 (1)(G) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(土地)

〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。

エンチャントされた土地は、本来のタイプに加えて全ての基本土地タイプである。

 キャントリップオーラサイクルのラスト。唯一エンチャント(土地)というあたりが緑らしさであるが、効果としては「豊かな成長(AVR)」とほとんど一緒なので、キャントリップにされてもあまり得した気がしない。一応、今回コモンで土地サーチ呪文が無いので、多色を安定させようと思ったらこれを使うしかない。でも、そもそもこのサイクルって「対象にとった上で手札が減らないよ!」というのが売りだったはずなのに、クリーチャーを対象に取れない時点で魅力は9割減である。まぁ、今回はセットを通じて渡り能力持ちが1枚も無いという珍しい環境なので、これを使ったところでデメリットは無いのが救いだけど。せっかくなので基本土地タイプに言及しているカードをリストアップしておくと、相手に島があると殴ってくるのが「海檻の怪物」、山を割るのが「峰の噴火」、山にクリーチャーを捕まえておける「岩への繋ぎ止め」。全部アンコモン以上だから割とどうでもいいな。

 


拍手

<多色>

 

Atarka, World Render 世界を溶かすもの、アタルカ (5)(R)(G) R

伝説のクリーチャー・ドラゴン

6/4 飛行 トランプル

あなたがコントロールするドラゴンが1体攻撃するたび、それはターン終了時まで二段攻撃を得る。

 友好色2色に1体ずつ配置されたレジェンド・ドラゴンサイクル。今回はこいつらがレアに1枚ずつ、そしてコモンには敵対2色のコモンが1枚ずつで、多色のカードはわずか10枚しか存在していない。半数がレアということは、多色カードの開封比はかなり低い。そして気になるのは次の「龍紀伝」がどんな世界になるのかということ。「楔3色ではない」ということは明言されているが、それでもこの「運命改変」が使われるのも事実。敵対色のコモン多色が無駄にならず、更にレアのドラゴンたちも意味を持ち、楔3色ではないとなると……普通に「弧」じゃね? アラーラと被るけども。さておき、そんな多色ドラゴンの中でも最大コスト、最大パワーを誇るのがこちらのアタルカさん。しかも二段攻撃・トランプルを備えているので、ワンパン12点は流石のレジェンド。通って殴れればそれだけでゲームが終わる。まぁ、同じことは「黄金夜の刃、ギセラ(AVR)」にも言えて、あっちの方が終わってるレベルは上だったんだけども、まぁ、こっちは普通レアだからね。速攻が無いので対応される時はさっさと消されてしまうのだが、一応、他のドラゴンを6マナまでで出しておけば、そいつがパンチしても二段攻撃になる。相手がもし「大物潰し」や「必殺の一射」で6マナドラゴンのアタックを待ち構えていたとしたら、どちらを除去すべきか頭を抱えることになるだろう。まー、7マナだからこれくらいはしてもらわないとね。

 

Cunning Strike 狡猾な一撃 (3)(U)(R) C

インスタント

〜は対象のクリーチャーと対象のプレイヤーに、それぞれ2点のダメージを与える。

カードを1枚引く。

 おらぁ、ジェスカイさんが本気出したらインスタント火力くらいちょちょいのちょいやで。しかもクリーチャーにもプレイヤーにも同時に行くハイスペックを実現。「道極め」にどっぷりはまった兄貴達のためにドローだって完備だぜ。これでクリーチャー除去ってアドバンテージを欲しいままにするんや。うはうはやで。……うん、まぁ。「突き(MMQ)」が3マナなんだから、そのキャントリップが5マナになるのは計算上はあってるよな。マルチカラーだけどな。今後の世界には予示という「表にならないかもしれない2/2」が増えるので、どんなタイミングでも2点火力はそれなりに意味がある。インスタントで小回りも効くので、果敢誘発をちらつかせながら突っ込めるし、相手のアクション次第で問題なければ変異解除、対応する必要があればこの火力、っていう使い分けが出来るのも強み。見た目はショボいが、実は案外利便性の高いカードではある。ま、正直本体火力部分はいらないからもう1マナ軽くして欲しかったんですがね。

 

Dromoka the Eternal 永遠のドロモカ (3)(G)(W) R

伝説のクリーチャー・ドラゴン

5/5 飛行

あなたのコントロールするドラゴン1体が攻撃するたび、鼓舞2を行う。

 レジェンドドラゴンサイクルのセレズニア。というかアブザン。これまでの歴史の中で(赤を含まず)緑のドラゴンというのは非常に数が少なく、もし登場しても、能力起動しないと空すら飛べなかったり、もういいって言ってんのに執拗にカウンターを持ってきたり、なんか恵まれない印象が強かった。しかし、この世界はビバドラゴン。ドラゴンイメージの薄い緑でもがっつりパワフルである。体躯の良さは当然のカラーリングなので5マナ5/5は余裕でクリア。更にパンチするたびに配下の軍団も見る見るサイズアップ。サイクル共通仕様なので、ドラゴンがまとめて殴った時の「カウンター足りないからどこかから持ってきて!」祭りは一見の価値あり。うーむパワフル。殴った瞬間にアブザンボーナスが流布しはじめるのは強いよなぁ。ちなみにフレーバーテキストを見ると衝撃が走るのだが……この子、女の子なの?! 

 

Ethereal Ambush 天上の待ち伏せ (3)(G)(U) C

インスタント

あなたのライブラリの上から2枚のカードを予示する。

 「魂の召喚」を2倍にし、更にインスタントに直したもの。2/2トークンの量産スペルは比較対象が難しいが、最近のカードだと「狼育ち」が5マナオーラだったので、大体それくらいの利便性でインスタントならまず合格だろうか。相手としても5マナ残してエンドは当然「変異解除するやろな」という気になるところなので、ここで一気に2体のクリーチャーが増えるというトリッキーな動きもなかなか面白い。そして、青緑というのは現在では変異の色である。「秘密の計画」で2/3にしたり、「神秘の痕跡」ならば何とインスタントで土地2枚が増える。ここからの予示解除までを狙えるならば、コモンとは思えない働きも狙えるかもしれない。手軽な増員兼トリック呪文として、リミテッドなら1枚あって損は無さそう。

 

Grim Contest 無惨な競争 (1)(B)(G) C

インスタント

対象の、あなたのコントロールするクリーチャー1体と、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体を選ぶ。それらは、そのタフネスに等しいダメージを他方に与える。

 今後の愛称はおそらく「タフネス格闘」。せっかく格闘がキーワード化されてテキストが簡便になったのに、また新しい概念を導入して面倒を起こす。流石タフネスの化身、ドランカラーのゴルガリ軍団である。このカラーリングを考えれば、実はかなり高性能な確定除去。何しろ「縁切られた先祖」「射手の胸壁」のお馴染み壁コンビが死の配達人に変貌するのだ。「包囲戦法」からのゴリ押しなんていかにもリミテッドらしい汚い手段も充分ありだ。3マナインスタントというお手軽コストでこのスペックの除去なのだから、今後はますますゴルガリベースのタフネス戦術が捗ることになるんじゃなかろうか。まぁ、当の壁コンビ自体が枚数減って揃えにくくなるから、今まで通りに通用するかどうかは分からないんですけどね。こりゃぁ「朽ちゆくマストドン」の時代が来ちゃうわ。

 

Harsh Sustenance 過酷な命の糧 (1)(W)(B) C

インスタント

〜は対象のクリーチャーかプレイヤーにX点のダメージを与え、あなたはX点のライフを得る。Xはあなたのコントロールするクリーチャーの数である。

 マルドゥ戦士デッキの押し込み手段がまた1つ。ベースとなるのは「大規模な襲撃(GTC)」で、あの当時のボロスも「横に並べる速攻デッキ」を目指していたのだから時代背景はほぼ同じ。あちらは赤単だったのに、今度はオルゾフカラーで全く同じことをしているというのが、次元によるギルドコンセプトの違いがはっきり分かってなかなか興味深いものがある。マルドゥ戦術の後押しと考えると、そこまで大きなダメージは必要ない。うまく3ターン目の「マルドゥの軍族長」からつないで、3マナ3点火力くらいでも充分過ぎる効率である。まぁ、その分使いどころを逸してしまうと、本当に挽回の効かない紙くずになる可能性があるのは悩ましいが。一応じり貧の状態になってもライフゲインがあるので押し戻せる可能性はある。コモンなので、これが上から流れてくる数である程度マルドゥ戦士デッキに行けるかどうかは判断出来そうである。

 

Kolaghan, the Storm’s Fury 嵐の憤怒、コラガン (3)(B)(R) R

伝説のクリーチャー・ドラゴン

4/5 飛行 疾駆(3)(B)(R)

あなたがコントローするドラゴンが1体攻撃するたび、ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修正を受ける。

 ドラゴン・レジェンドサイクルのラクドス、というかマルドゥ。キーワードの疾駆による速攻モードが与えられ、ステータスは充分、更にアタックするだけで全軍のパワー増強。更にドラゴンの仲間が増えればその力は増し増しになる。割と真っ直ぐに力押しのドラゴンだ。攻撃時誘発があるので疾駆との絡みもよく、相手としても「ラッパの一吹き」や「戦場での猛進」を警戒することは出来ても、突如追加される5/5フライヤーはなかなか警戒出来ないのではなかろうか。疾駆の場合、手札に戻ってしまうというデメリット部分が気になるようにも見えるのだが、実際は5マナソーサリーとして考えれば5点本体にたたき込み自軍全体に修正を与えるバイバック呪文ということになり、コスト面でも割と破格。この世界の除去には「必殺の一射」「大物潰し」のように、でかいのがいると分かっていてきちんとマナを立てて構える必要のある受けの呪文や、「停止の場」「大蛇の儀式」「凶暴な殴打」など、ソーサリータイミングでしか対処出来ないカードも少なくない。速攻の意味は大きいし、出し直す手間を考えても、一度手札に引っ込む意味は小さくないはずだ。リミテッドならエンドカード。構築でも、最近流行りのトークンビート系なら案外面白い選択肢になるかもしれない。

 

Ojutai, Soul of Winter 冬魂のオジュタイ (5)(W)(U) R

伝説のクリーチャー・ドラゴン

5/6 飛行 警戒

あなたのコントロールするドラゴンが1体攻撃するたび、対象の、対戦相手のコントロールする土地でないパーマネント1つをタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

 レジェンドドラゴンサイクルのアゾリウス、というかジェスカイ。アゾリウスカラーが手を組むということは当然相手の展開を邪魔する能力。ラヴニカだったらこれが留置になるわけだが、この世界では氷漬け効果になっている。5/6の充分ボディが殴るたびにタッパーになり、これが持続効果として相手を蝕む。万一他のドラゴンも協力して殴ってたりしたら相手はほとんど対抗策を失うだろうから、完全な決めカードになるだろう。ただ、その分与えられたコストはサイクル最大の7マナ。うーむ、そりゃ7マナだったらこれくらいしてもバチは当たらんからなぁ。あんまりジェスカイ風味って感じでもないので、開き直ってアゾリウスデッキにするかい? 

 


拍手

<緑>

 

Abzan Veastmaster アブザンの獣使い (2)(B) U

クリーチャー・猟犬、シャーマン

2/1

あなたのアップキープの開始時に、あなたが最大のタフネスを持つクリーチャーを1体以上コントロールしているなら、カードを1枚引く。

 獣使いっていうか、どう見てもお前が獣やんけ、っていうアイノクの知将。ステータスは大したことないが、その分ゴルガリ成分強めのドロー能力はリミテッドレベルでは絶大な強さを発揮する。「最大タフネス」という条件の強みは、なかなか相手が邪魔できないところである。既に「族樹の発動」が結果を残しているのでイメージしやすいが、「高いパワーを参照するよ!」ならばそれに対応してクリーチャーを潰すことも出来たのだが、「高いタフネスを参照するよ!」と言われても、高タフネスのクリーチャーはなかなか殺しきれない。おかげで安心してトークンが出たり、4ライフゲインしたり出来たわけだ。この獣さんはそれをより直接的なドローに変換しようというのだから聡明である。2ターン目に「射手の胸壁」からこれにつなぐだけで手軽にアドバンテージが膨れあがるし、そこから更に「族樹の発動」やら「無惨な競争」につないでいけば戦略としても非常に綺麗。これを引いてそのままアブザン・スゥルタイラインで決め打っちゃうのも割とありな気がする。最大の難点は、「じゃ、こいつ自体を殺せばよくね?」ってんであらゆる方法で除去られること。そこはまぁ、知将だから。

 

Abzan Kin-Guard アブザンの族護衛 (3)(G) U

クリーチャー・人間、戦士

3/3

あなたが白か黒のパーマネントをコントロールしている限り、〜は絆魂を持つ。

 「氏族ボーナス」サイクルの最後は、なんかすげぇ地味。4マナ3/3の戦士、うん、悪くない。状況次第だとそこに絆魂がつく。なるほど悪くない。悪くないんだけど、さて、目の前の「不撓のクルーマ」をどうやって突破しよう。目の前の「アブザンの先達」がアイデンティティをえぐりに来るけどどうしよう。「スゥルタイの剥ぎ取り」も突破出来ないなぁ。うーむ、アンコモンなんだから、せめてもう1つくらい何かおまけしてくれてもよかったのに。タフネスが1つあがるくらいでも何となく印象が変わるんだけどなぁ。こいつを含めた戦士軍団で「戦場での猛進」を使った時の勿体ない感が。

 

Ainok Guide アイノクの先達 (1)(G) C

クリーチャー・猟犬、スカウト

1/1

〜が戦場に出たとき、次のうちから1つを選ぶ。

・〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。

・あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それを公開し、あなたのライブラリを切り直してからライブラリの上に置く。

 「選択」サイクルの最後に控えしは緑の熊(ただし犬)である。2マナ2/2で能力無し。「煙の語り部」に劣るその性能は選択肢の1つとしてもそこまで魅力的なものではない。ということはもう1つの選択肢がさぞかし優秀なのだろう。最初にカードを読んだ時に「おっ、なるほど緑は『地勢』か」と思っていたのだが……違うね、なんか余計なこと書いてあるね。ハンドにすら入らないね。……うーむ、そりゃまぁ、色事故が最大の敵と言われているこの環境、この程度の調整役でもそれなりに意味はあるのだろうが……「サテュロスの道探し」が強かっただけに、同じコストならもうちょっと頑張って欲しかった気もする。とりあえず熊として入れておき、土地が2枚で止まった時の窮余の一策として使うってことなのかね。そう考えれば悪くはないか。多分間違った使い方だろうけど、これを出した後に予示することで擬似的にデッキのクリーチャー数をちょっとだけ水増しすることは可能。よほど土地が余ってるデッキなら、一応の選択肢として。

 

Ambush Krotiq 待ち伏せクロティク (5)(G) C

クリーチャー・昆虫

5/5 トランプル

〜が戦場に出たとき、あなたがコントロールする他のクリーチャー1体をそのオーナーの手札に戻す。

 なんだかよく分からん昆虫、クロティク。カマキリが元気なこの世界にも、まぁ他の昆虫もいるだろうと思って見たら……でかくね? これってビヒモスが引いてるアブザンの城塞だよね?もう、ビオランテサイズででかくね? これで5/5って、よっぽど心優しい性格なのだろうか……。まぁとにかく平均サイズの緑コモン。「大牙コロッソドン」と比べるとパワーが1下がった代わりにトランプルがつけられており、これだけの差ならば優先順位はクロティクの方が上だろう。ただし、クロティクさんにはよく分からない能力がつけられている。これをメリットととるかデメリットととるか。基本的にはデメリットだよなぁ。「鐘音の一撃」を使われてる状態ならいいけどさぁ。あと自軍バウンスは予示と絡めるとそれなりのシナジーが発生する場合もあるのだが、このマナ域でわざわざ狙ってやることでもないしなぁ。まぁ、「凶暴な殴打」があればトランプルが大きな意味を持つので、そういうデッキなら一応候補にはなるか?

 

Arashin War Beast アラシンの群獣 (5)(G)(G) U

クリーチャー・ビースト

6/6

〜が1体以上のブロッカーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリのトップを予示する。

 なんかキモい。なんでビーストのくせに背筋しゃんと伸ばして二足歩行やねん。そんでなんで下半身つるつるやねん。バランス悪すぎないか? ティムールって怖いところだなぁ。さておき、そんなつるつるなビーストは、なんだか珍妙な能力配分になっている。7マナとクソ重いが6/6ならギリギリ我慢出来るレベル。殴ってスルーされるならそれでOKだし、チャンプブロック、合体ブロック、どちらにしても必ず予示クリーチャーが増えるので盤面でのアドバンテージは獲得できる。まぁ、こいつが暴れ回ってるような段階で2/2が増えて嬉しいかどうかは微妙なところだが……。

 

Archers of Qarsi カルシの射手 (3)(G) C

クリーチャー・ナーガ、射手

5/2 防衛 到達

 お、おう……今回の到達担当。緑単色で飛行を止められるクリーチャーはドラゴン以外ではこれだけなので、必要ならばブロッカーとして採用出来るわけだが……その無駄なパワーはなんなのさ。防衛持ちだからパンチに使えないし、わざわざ5点も与えないと殺せないフライヤーなんてそうそう出てこないはず。ティムール的にも4/2でいいから1マナ軽くても良かったと思うんだけど。まー、「雪角の乗り手」とかと相打ち取れるってのは割とありがたいけどさぁ。これでなくて「サグの射手」を入れておくだけで仕事はこなせる気がするよ。なるべくティムールボーナスを達成したい人向け。

 

Battelefront Krushok 戦線クルショク (4)(G) U

クリーチャー・ビースト

〜は2体以上のクリーチャーにはブロックされない。

あなたのコントロールする、+1/+1カウンターの置かれたクリーチャーは、2体以上のクリーチャーにはブロックされない。

 2体目のクルショク。1体目は白の「大角クルショク」だぞ、みんな、忘れてないよな。「大角」はサイみたいな外見で哺乳類っぽかったが、このクルショクは外皮が鱗のようにも見えるし、どういう存在なのかかなり怪しい。そしてカラーリングがなんかキモい。こんな生き物が住んでるアブザン砂漠にはあまり出かけたくない。まぁ、そんな外見のキモさは別にすると、割と使いやすいクリーチャー。単体でも「忍び寄る虎(10ED)」能力で必ずタイマンに持ち込めるし、アブザンボーナスでこの部分的回避能力が様々なところに伝播していく。今回、こうしたアブザンボーナスをばらまくカードは数が少なく、長久や鼓舞を揃えることに意味が薄くなってしまっているので、もし本格的にアブザンテイストが味わいたいなら、貴重なこいつはしっかり押さえたいところ。うまいこと「アイノクの盟族」とタッグが組めると、かなりの確率でブロックを乗り越えられるようになる。渋いながらもデッキの根幹を任せられるカードである。ただし、なんかキモい。

 

Cached Defenses 隠匿物の防衛 (2)(G) U

ソーサリー

鼓舞3を行う。

 なんか聞こえの悪い日本語になってしまっているが、cacheは単に「貯蔵」「貯蓄」の意味でもあるので、アブザンのお偉方が後生大事に金品を隠し持っていたわけではなく、後世のために蓄えてくれていた資産を守っているだけである。だからこそ、それを見た子孫達は分かりやすく鼓舞されて元気になるのだ。カウンターを3つ置くだけの効果ならば「投与/享受(DGM)」の「投与」と全く同じ。分割カードの片方とコストも同じなのだが、残念ながらこちらは鼓舞、タフネスの低いクリーチャーしか対象に取れないのでやや使いにくい。別な次元のカードに完敗してしまうのはちょっと辛いところだが、この世界はカウンターを持っていることが大きな意味を持つので我慢しよう(まぁ、シミックも同様に大きな意味があったんだが)。いわゆる「雑に強い」系のカードだが、考えてみりゃ「+3/+3するオーラ」でも大体これくらいのコストで手に入ることはあるよな。そう考えるとすこぶる普通だ。出来れば「アブザンの先達」あたりにカウンターを盛ってウハウハしたいけども、鼓舞なのでそれもままならぬ。わぁ、僕の「高地の獲物」が5/4になったよ! ままならぬ。

 

Destructor Dragon 破壊するドラゴン (4)(G)(G) U

クリーチャー・ドラゴン

4/4 飛行

〜が死亡した時、対象のクリーチャーでないパーマネントを破壊する。

 緑の6マナ・ドラゴンサイクルは命と引き替えに「茨潰し(M14)」を発動。黒が2マナの「燻し」だったので、4マナの呪文が誘発するこちらの方が額面上はちょっとお得。更に、最悪でも土地が壊せるので決して効果が腐ることはないため、安定して機能するのはこちらのドラゴンだろう。この世界はエンチャントやアーティファクトの数が多くないので積極的に「帰化」を投入しづらいのだが、こうした形で入れておけるなら、相手の「幽霊火の刃」やら「略奪者の戦利品」に蹂躙される危険性も低減出来るってことだ。ま、それでもやっぱりこのサイズのアタッカーに死んでほしくはないもんだけど。ティムールカラーである緑はパワー4アタッカーを確保出来るっていう意味でも1枚あったら安心するカードかもしれない。

 

Feral Krushok 残忍なクルショク (4)(G) C

クリーチャー・ビースト

5/4

 はい、最後のクルショクです。こちらは「大角」と似たサイっぽい外見。僕はやっぱりアブザンのキモいクルショクよりもティムールのシンプルなクルショクの方が好きですね。まぁ、出会ったら一撃で殺されそうだけども。5マナ5/4のシンプルバニラ。「雪角の乗り手」が使えるなら必要ないが、いつでも取れるとはかぎらないし、こいつだったら安定したシングルシンボルで5マナのデカブツ枠を確保出来る。過去のバニラに比べてもそこそこパフォーマンスは高いので、緑を含むどんなデッキタイプでもある程度の仕事はしてくれるだろう。バニラだからって馬鹿にするとコロッソドンに怒られるドン。なお、有り余ったスペースを活用するためにたっぷりとフレーバーテキストが書かれており、そこではティムール・ジョークを堪能出来る。ヤソヴァさんってばおっちゃめー(ティムール人は爆笑)。

 

Formless Nurturing 無形の育成 (3)(G) C

ソーサリー

あなたのライブラリのトップを予示し、その上に+1/+1カウンターを1つ置く。

 緑の基本予示。改めてまとめておくと、各色コモンには1枚ずつ予示呪文があり、白は2マナ、青は3マナで2枚から選択、黒は2マナ1/1を介して、赤が5マナ4/4で、最後の緑はこのように4マナ3/3である。白の2マナが使いやすいのはもちろんだろうが、この4マナ3/3もマナレシオを考えれば及第点であるし、緑にはアブザンボーナスという成長加点が見込めるのは大きい。白と緑を絡めれば、2,3,4ターン目を全て裏向きクリーチャーで埋め尽くすことも可能であり、そこからの戦術は千変万化。4ターン目に「ちょっと強い変異」を出せることの意味は、次のターンが変異解除の本番である5マナだという部分も関わっている。天敵の「消耗する負傷」も回避出来るし、サイクル中ではかなりの高得点カードになってるんじゃなかろうか。

 

Frontier Mastodon 開拓地のマストドン (2)(G) C

クリーチャー・象

3/2

獰猛 - 〜は+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。

 「獰猛とかいいからとりあえずお前がパワー4になれよ」という突っ込みを盤石の体制で待ち受ける健気な象。その実体は、普通だと変異の相打ち要員、上手いこといったら「山頂をうろつくもの」。ただ、どう考えても3ターン目までに獰猛トリガーをオンにするのはムリゲー過ぎるので、普通に考えると、最速でも3ターン目「高山の灰色熊」からの4/3だ。だったら、別に4マナの「うろつくもの」でも良くない? っていう話になるよな。一応3マナで出せるオプションがついているのだから決して下位互換とは言わないが、変異クリーチャーの利便性に比べるとなぁ。象のくせに熊に負けるとか、しっかりしてほしい。

 

Frontier Siege 開拓地の包囲 (3)(G) R

エンチャント

〜が戦場に出るに際し、カンか龍かを選ぶ。

・カン - あなたの各メインフェイズの開始時に、あなたのマナ・プールに(G)(G)を加える。

・龍 - あなたのコントロール下で飛行を持つクリーチャーが戦場に出るたび、それは対象の、あなたのコントロールしていないクリーチャーと格闘を行っても良い。

 「包囲」サイクルのトリを努めるのはこちらのティムールである。「ティムールらしさ」を出すために色々と変な部分に触っており、なんだか見たことのないカードになっている。カンを選べば、ティムールらしいファッティ祭りを演出するためにマナが出る。「おいおい、毎ターン2マナ加えるだけって、そんなん3マナくらいのクリーチャーでも普通に出来るやんけ。緑は今回も微妙に損掴まされたな」と思ってテキストをよく見ると、なんと「各メインフェイズ」と書いてある。こりゃ流石に新機軸。毎ターン分割払いとはいえ4マナ一気に増えるのである。5ターン目に土地を置くと、これ1枚から変異と6マナのクリーチャーを同時展開可能。おっ、これはちょっと危ないかもしれない。「遠射兵団」なんかを置いとくといざというときも無駄が出なくていい感じ。リミテッドでは御しにくかろうが、構築レベルでランプデッキが組めるなら他に代用品の無い「ならでは」の動きが期待出来る。そして、龍を選ぶと緑とは思えないヘンテコ効果が発動。なんと緑のくせにフライヤー前提のモーションなのだ。もうこれは「フライヤー前提」っていうか「ドラゴン前提」だよね。今回はアンコモンにもドラゴンが収録されるセット。今回はコモンにも「稲妻の金切り魔」というドラゴンが存在しており(そしてご丁寧にキャストする回数も多いため)、赤含みのティムールならばこれを設置してからガシガシドラゴンを連打する展開も夢ではない。そうなればこれは在りし日のグルール戦術「グルールの憤怒獣(GTC)」になるわけで。効果は抜群だ。まー、どちらのモードにしてもデッキの下準備が必須なので悩ましいが、効果がピーキーってことは「絞れば強い」わけでね。さて、どうなることやら。

 

Fruit of First Tree 始まりの木の果実 (3)(G) U

エンチャント・オーラ

エンチャントされたクリーチャーが死亡した時、あなたはX点のライフを得て、X枚のカードを引く。Xは、そのクリーチャーのタフネスの値である。

 アブザン氏族は先祖を代々同じ木の下に祀ってその木を「族樹」と呼んで守護している。1000年以上前のタルキールには、そんな風習の「始まりの木」があるらしい。1000年もずっと続く伝統の始祖とかマジぱねぇ。で、そんな木の果物を食べるとどうなるかというと、今回の緑ドロー呪文(アンコ編)である。毎回微妙に手を変え品を変え、なんとかしてクリーチャーをカードに変換する方法を考えてくる緑であるが、今回のデザインは「遺贈(EXO)」風味。タフネス参照という部分がばっちりアブザンであり、「射手の胸壁」やら「縁切られた先祖」なんかに張っておくと相手もかなりうんざりするはずである。オーラなのでバウンスに弱かったり、「絞首」みたいなタフネス減らす系除去が苦手だったりと難点はあるものの、カラーリングを考えれば34枚のドローはそこまで難しいもんじゃない。タイミングにラグがある部分はライフゲインである程度まかなえることを考えれば、デッキ次第では充分スタメンを張れるカードである。「族樹の発動」なんかも絡めてレッツタフネス。我らが「塩路の巡回兵」が火を噴くぜ。

 


拍手

 お母ちゃん可愛い、第11話。男の子連中や総一郎は変身後も面影が残ってて小憎らしい顔をしているのに、お母さん狸は本当に可愛いマスコットキャラみたいな顔。そして、CV井上喜久子で無闇にくしゃみとか可愛い。あんな可愛い狸なら他の狸が惑っても仕方ないか。

 「捲土重来」なんてサブタイなもんだから、さぞかし気持ちの良い反撃が見られるのだろうと思っていたら、なんとこの言葉を吐いたのはうろ覚えの四字熟語を多用する夷川の阿呆兄弟の方であった。矢一郎が捕らえられ、金曜倶楽部で食われてしまうまであとわずか。ここから一体どうなってしまうのか、という緊迫した場面が続く。何が悔しいって、早雲が最後まで警戒していた下鴨家最大の難物である矢三郎が、阿呆兄弟に嵌められて敗れてしまったことである。確かに、あのタイミングであの計略をうたれては、相当用心深くない限りは引っかかってしまうだろう。金閣銀閣の変身なんて大したことないと思っていたのだが、銀閣はちゃんと蕎麦屋に化けられたし、金閣も淀川先生そっくりに化けられていた。矢三郎が着いてくる事どころか、店内で食べ物を食べるところまで読み切って計画を立てたのだとしたら、今までのアホな兄弟はどこへ行ってしまったのかと感嘆せざるをえない。ひょっとしたらそこもひっくるめて早雲の入れ知恵なのだろうか。本当に「狸らしからぬ」狸である。

 矢三郎が捕らえられてしまう直前まで一緒にいたのが弁天だ。一度は早雲の軍勢に取り囲まれた矢三郎を助けてくれた彼女であるが、やはり言うことは二転三転するし、その真意はなかなか読めない。矢三郎が総一郎の死の真実を知ったと言ってもどこ吹く風であるし、彼が兄を助けて欲しいと言っても直接手を貸すことはしない。人間には狸の話など関係無いと言い、天狗には人間の情も関係無いと嘯く。総一郎をくってしまった時点で弁天が「悪」であるというのは間違いない事実ではあるのだが、彼女の場合、淀川先生の言うような歪んだ感情も「食う」という行為に混ぜ込んでいるようで、非常に厄介な存在である。おそらく、このまま矢一郎が会食の席に連れ出され、鍋にぶち込まれたとしても、おそらく彼女は平気で彼を食ってしまうことだろう。全てを腹の中に収めた上で、彼女はまた、「欲しいものは何も手に入らない」と言うのだ。人ならぬ身になってしまった彼女の欲求は、おそらく彼女の力では決して満たされない。きっと、総一郎を食った時にこそ、彼女は満たされていたのではなかろうか。阿呆の頭目である総一郎が打ち出した一世一代の「阿呆の血」で、彼女は一時でも愛情に満たされた。今、彼女をわずかでも満足させられるのは、その息子である、矢三郎が見せる新たな阿呆の姿なのではないだろうか。

 しかし、その矢三郎はついに捕まってしまった。どうやら狸は檻に入れられると化ける能力を発揮出来なくなってしまうらしく、矢一郎と母親狸も同様にして捕らえられてしまった。2匹の狸を見る早雲の姿は、先週の話で正体を現した「夷川の早雲」そのものであり、彼は矢一郎を人間に差し出すのに一切の迷いがない。実の兄すら同じようにして手にかけたのだから、甥っ子1人亡き者にするのに何の躊躇いがあろうか。しかし、そんな冷血漢に見える早雲も、母親狸を見る時だけは、少しだけ表情を曇らせる。そう言えば、総一郎と早雲は、彼女を取り合うことで仲を決裂させたのだっけ。未だに抱く複雑な感情を隠しきれず、早雲は彼女に対しては見せたくない本音を垣間見せる。もう「夷川」としか呼んでくれない彼女に、どうしようもない距離を感じながら。

 矢一郎、矢三郎が倒れた今、残されたのは矢四郎ということになるのか。偽電気ブラン倉庫に幽閉されていた矢四郎だったが、兄からの電話で事の顛末を悟った海星の手により、何とか救出された。海星は夷川の人間として兄たちの悪行を静観し続けていたが、事ここに至って、ついに反抗を決意したようだ。見事なメタモルフォーゼと狸らしい瞬発力でもって、彼女は矢四郎を救い出してみせた。後のことは、この末弟に委ねられたのである。さて、一体どうなることやら。

 次週のサブタイトルは「偽叡山電車」である。あの夜、矢二郎が父を乗せて駆け抜けた、思い出の列車の名前。これは一体何を意味するか……。

拍手

 テレスティーナさぁぁぁぁん!! 第22話。今週関西では21話、22話が一挙放送だったわけですが、突然のテレスティーナさんにテンション上がりまくり。あの悪辣さ、あのシャバさ、そしてあの顔! いいなぁ、やっぱり1期後半の流れは神がかっておる。未だに最終話は何度も見直してますわ。

 「S」になってからは割と黙々と見てるこの作品、1期と比べても特に何が劣るということもないが、絡み方がよくわからんので感想も書かずに黙々とね。どうしても妹編で鬱々としちゃった美琴の禊ぎが済んでいないように見えてしまって、テンションがいまいち上げにくいのよね。ただ、今回はようやく美琴が友達と協力体制を敷く準備が整い、総力戦でクライマックスへ向かっているのがよく分かってテンションがあがる。いつの間にか御坂コミュニティも人数が増えたよねぇ。婚后さんはまだしも、湾内さんの泡浮さんがレギュラーキャラとしてスタンスを確立しているのは、1期2話から考えたら想像も出来ない事態である。いや、原作コミックでも2人とも活躍されてますけどね。良かったよね、贅沢なキャスティングが無駄にならずに済んで。

 ぶっちゃけ、シナリオだけを見たら非常にご都合主義な展開が続いているのは間違いない。カエル医者が本当に有能過ぎる上に、あれだけの能力者なのに女子中学生のあれこれに付き合ってあげるくらい暇だっていうのがどうかと思うし、それに輪をかけて初春が有能過ぎて、あいつのパソコンさえあれば世界中で分からないことはないんじゃないかと思えてしまう。おかげで初春以外の面々の活躍がかすんでしまって、固法先輩とか何でそこにいるのかもよく分からないレベル。いや、彼女は基本的にそこまで深い接し方をしてこないキャラなので、「フェブリの子守り」っていうのが一番無難な落としどころなのかもしれないけど。黒子は当然、御坂の信頼を得る第一歩として機能したので面目躍如、佐天さんは……今のところ単なる賑やかし。まぁ、今回は敵キャラが無能力者っていうところで絡みやすそうなので、多分相手が追い詰められたラストギリギリのところで、また何か心打つ演説をやってくれることでしょう。1期だって佐天さんがいてくれたからこその大団円だったわけだしね。いや、バットスイングでなくて、その前に黒子たちを仲直りさせるところね。そういえば、相変わらず大人の事情でなかなか活躍出来ない黄泉川先生が悩ましそうにしてたが、何で今作は鉄装さんがいないんでしょうか。無能だから首になったのかな……。

 敵側が無能力者ってことで、正直言うとあんまり巨悪の印象が無いのは残念なところだが、その分は布束再登場で懐かしさを演出したり、より悪辣なアイテムの面々を出して暗部との差異を出したりして味をつけている。やっぱりアイテムは可愛いな。考えてみりゃ1期のテレスティーナさんだって、そこまででっかい悪役では無かったから、このくらいのごちゃごちゃした感じで丁度良いのかも。これまでのシリーズの蓄積を重ねることによって作品の厚みをアピールすることが出来ているし、雑多に賑やかな学園都市のややこしさもにじみ出ているので、オリジナルエピソードとしては悪くない展開になってると思う。まぁ、結局「テレスティーナさんが出てくれたから後はどうでもいいや」っていう心境なんだけども。あの監獄は一体何だったんでしょうね。変な檻、変な内装。囚人(?)のくせに優雅すぎるだろ。チョコレートは持ち込みOKとかさ。是非ともあの謎空間でのテレスティーナさんの日常生活が見てみたいものです。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[03/17 朝美砂織]
[03/07 とみしの]
[02/28 とみしの]
[02/18 な]
[02/17 とみしの]
バーコード