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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season」 ―

 「あいも変わらず」という感じで。なんかよく分からんままにこの付き合いも3期目に突入。今更切るのもアレだしなぁ、というので惰性でおっかけてはいるが、こんだけ作られるってことは世間的には一定の人気はある作品なんだろうなぁ。

 1期2期の間が5年とだいぶ空いていたが今回は1年ちょいの休憩を挟んでの3期目。おかげで一応前回の印象は少しくらいなら残っている状態なので、2期の出だしよりはモチベやや高め。ただ、今確認したら2期目も作画状態はヘナヘナになってたようなので、今期はその部分で盛り返せるかどうかが重要になってくるだろう。内容がピンとこない作品で作画までダメになったら流石にさよならも検討しなきゃいけないだろうし。

 改めて今作の何がつまらないかというのを確認しておくと、とにかく世界観がふわっとし過ぎている部分が一番気になる点。タイトル通りに「実力至上主義」を掲げた学校が舞台となっているのだが、こんだけ追っかけてなお、「で、この学校は何がやりたい、なんの専門学校なの?」というのがじぇんじぇん分からないのである。ラノベ特有の「意味の分からん学校」文化の風味だけで燻蒸したような状態で、誰が何を目指してどんなスキルを磨いているか分からず、そのために少年少女たちの情熱が何に向いているかも定かでない。そんな状態で「なんとなく学校側が思いつきで始めたゲームで争ってください」と言われても、そりゃピンとこないに決まっている。設定がどんだけ無茶苦茶でもたとえば百花王学園みたいに一点突破で設定が尖っていれば「もう、そういう世界なんだな」で納得してしまえるのだが、たとえば今回のお話の起点だって、やってることはほんとにただの「合宿」なんだよ。ちょっと旧態依然とした体育会系のふつーの部活の合宿。まぁ、これからどんどんおかしくなっていくんだろうけど、何をそんなご大層な描写で「部屋のどの布団をとるか」で争ってるんだろうか。もしかしてそういうギャグなのかとも思うのだが、そこが判然としない時点で視聴時の軸足が定まらず、どうしても変なノリについていくことができないのである。

 あとは主人公の人物造形がどうあがいても魅力的に見えないっていうのも大きな難点で、例によって「こいつが正しいことをする」という構図ではなく「こいつがやったからよく分からんけど正しいことになる」という世界。常に何を考えているか分からない上に行動の結果と思考が外からの目線で繋げられないので、主人公というよりは単なる世界のシステムでしかない存在だ。その分、周りを囲むキャラは良くも悪くもアクが強くて見たい部分はあるかも、というのが前クールで得られた多少印象が良い部分ではあるが。シカコヒロインにもうひと頑張りしてもらいたいところ。1話目のキャストロールがとんでもないことになっていたことからも分かる通り、声オタ目線で贅沢な作品には違いないので、なんとか作画を維持して女の子が可愛くなっていけばもうちょいモチベを上げられるかもしれません。

 あとZAQが荒ぶってくれるのは今作のありがたい部分ではある。芸風がブレないアーティストは信頼できる。


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○「ダンジョン飯」 6

 エルダ様によって幕を開けた世紀のエルフイヤー(耳ではなく年の方のイヤー)。そのトリを務めるのがこちらのマルシルである。エルフといっても本当に多種多様で、いろんな顔を楽しませてもらったが、最後の1人はこれまた表情豊かで……楽しませてもらえそうだ。

 文句なしに今期話題作の1つ。事前に映画館で先行上映をしていたことからも制作側の本気度が伝わってくるし、原作もすでに「名作」扱いされているのでそりゃまぁ気合いが入って当然だろう。まさかのTrigger制作というのも期待の表れであり、あらゆる要素で準備万端といったところか。ちなみに私は原作はやや既読。発売後にちょい話題になったあたりで知り合いから読ませてもらったので多分2巻くらいまで読んだように記憶しているが、その後は追えていなかったのでほぼ記憶はゼロ。既読だけど未知の作品として新鮮に楽しむこともできるおいしいポジションになった。初読の際には確か割と面白いと思った記憶があったはずなのだが、多分その辺の時期にはもう「自宅の漫画本減らさなきゃ……」という時期に入っていたので購入にまで至らなかったのだろう。どうでもいい余談だが、その後しばらくしてから同原作者の短編集を漫画喫茶で手に取ったらめちゃめちゃ面白くて、原作本貸してくれてた知り合いに「いやぁ、この作者めっちゃすごいじゃん。ダンジョン飯の時にもっと追っかけとけばよかったわ」って言ったらすげぇ哀れんだ目で「流石に怠慢すぎます」って怒られた。うん、ごめん、どうにもそういうところのモーションが鈍くて。

 というわけで原作も一定評価している作品で、この作品が始まったくらいの時期だと、まだなろう系の「異世界グルメ」はほとんどなかったはず。というかなろうでスローライフだの食漫画だのの類似品が一気に広まったオリジンが今作なんじゃないかとも思っている(正確な歴史は知らないから勘違いかもしれないが)。今作最大の特徴は、昨今巷に溢れる有象無象の「異世界グルメ風漫画」と違い、真剣に「ファンタジー世界における食とは如何様なものか」を考え、それを描画するだけの才覚を持ち合わせていること。異世界グルメの最大の魅力は、今までRPGなんかで接してきたモンスターを「食材」として見るという視点の切り替えにあり、馬鹿馬鹿しいほど真面目にその生態を考察し、そこからさらに食材としてベストな処理がなんなのかを考える部分。ここで手を抜かずにきちんと1つの世界を作り上げているところが、唯一無二の存在感を放つ部分である。後追い作品が出てきた現在でも、おそらく今作を超える「異世界グルメ漫画」は存在しないんじゃなかろうか(あったら教えてください)。

 そんな手放しで評価していた(割に読んでなかった)作品のアニメ化。1話目はがっつり期待に応えてくれる仕上がりになっている。そりゃまぁ、一応は「スロー」な方の作風なので目を見張るような凄まじいアニメーションが飛び込んでくるわけではないが、今作が持つ最大の魅力である「世界観」を発揮するための背景や細かいモブキャラの動きにいたるまで、本当に隙なく作り込まれている。加えてメインキャラたちのイカれたマインドも1話目にしてすでに充填完了しており、ライオスさんはここから視聴者たちをいちいちドン引きさせてくれるだろうと今から楽しみだし、淡々と調理を進めるセンシの雰囲気があまりにも日常的すぎて笑いのタネになるのもよい。そして冒頭でも触れたエルフ娘マルシル。唯一の常識人枠にして作品の命運を握るツッコミ役。彼女の活躍が見られただけでも1話目は満足ですね。個人的にはマルシル役のキャストが誰になるかってのは割とドキドキ要素だったのだが、ここに千本木彩花を配置してくれたスタッフには信頼しかない。マルシルって、言い方は悪いけど「自分では何もしないくせに食いもんに文句つけるめんどくさい女」の側面があり、ともすればヘイトを買いかねないポジションなんだけど、その辺の無茶をけろりと飲み込めてしまうのが千本木ワールドなので。強い配役。ちなみにチルチャック役の泊明日菜も最近仕事が増えてきて良い感じだが、きのこ鍋食ってるの見て「お前、ちょっと前まできのこ側だったじゃん……」と思ったのがなんかおもろかった。

 まぁ、嬉しくてちょっと褒め倒してしまったが、いうて地味な作品になるかもしれないのであんまり過度にもてはやすのもなんか違うよね。それこそエルダ・フリーレンに続いてやんわり見守れるエルフ作品になればいいと思ってるよ(エルフ作品なのか?)。

 
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 あけましておめでたほいや。新年も辞書を繰ることから事始めと致しましょう。しかも今回はオンラインではなく対面開催。カラオケボックスに集合しての「カラほいや」が久しぶりの成立である。ただ、以前カラほいやをしたときはカラオケに行ったのに1曲も歌わずひたすら辞書を捲り続けるという異様な光景だったが、今回はそこそこカラオケの方にもリソースが割かれており、合間の与太話や解答制作にそこまで力を入れていないことはご容赦願いたい。

 なお集まった理由は……そりゃオメェ、聞くのも野暮ってもんよ(プライベートに関することですので回答は差し控えさせていただきます)。

 

 


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「ひきこまり吸血姫の悶々」 6→5

 年を跨いでしまったし大方予想通りの展開だったので最終回感想は省略。とりあえず、現時点での最終評価は(プリキュア待ちだが)一旦出揃った……のかな? 1クールか2クールかよく分かってない作品もあるし、あと万策尽きたせいでスケジュールが間に合わず先送りになった作品も2本あるので相変わらずの消化不良ではあるが……今期番組感想の執筆本数は44本。前クールとだいたい同じくらいの本数だが、前提条件として今期は死屍累々のN話切りの果ての結果であることは肝に銘じておかねばならぬ。普通冬クール前って1年通して見ると3/4の時期だから本数は少なくなるもんなのだが……切って捨てた11本を加えたらどんな惨状になっていたか。恐ろしい話である。

 それはさておき今作の話。点数が下方修正されたのは当然作画がヘタったから。誠に遺憾ながら最終話にまでへなちょこ作画の波が押し寄せ、せっかくのコマリ様の見せ場もなんだかケチがついてしまった。1話目時点ではキャラデザもよくて期待してたし、シナリオラインはまぁ、手放しで褒めるようなところもないが「古き良きラノベ」の雰囲気を残していたので高評価を与えることもやぶさかではなかったのだが……流石にあの作画が続くとどうしたって熱は冷めてしまうのでなぁ。残念無念。

 それでもまぁ、コマリ様が可愛かったという事実は揺るぎないものだし、最初は単なるヘタレだと思っていたところに案外主人公らしい気骨も見せてくれたのは見どころではあった。出来ればそこに即死チート能力がなくて問題解決も自分の手でやってくれたらベストだったのだが……まぁ、それだと引きこもり設定が意味をなさなくなっちゃうからなぁ。いっそ徹底して人たらし能力にだけ磨きをかけて、全部が全部他人に助けてもらうヒモみたいな主人公でも良かった気もする。ヴィルがまさにそのターゲットポジションにいたのだし、サクナのヤンデレっぷりもそれで磨きがかかる。最後にマブダチになったネリアも、最終的に同陣営にならざるを得なかったミリセントも、「コマリ様がいうならしょうがない」という空気に飲まれて親衛隊に加わっちゃえば皇帝が言ってた「コマリを軸に世界征服を目論む」っていうアイディアも大言壮語じゃなくなる気がするし。

 まぁ、原作はだいぶ長いこと続いてるみたいだし、もしかしたらこっから先は本当にコマリがただ座ってるだけで周りの人間が勝手にいいように解釈して問題解決してくれるフェイズに突入するかもしれない。また、そうして長尺の原作があることを考えれば、どう見ても(特に後半部分が)駆け足だったアニメは尺の関係で物足りなく感じるのも致し方ない部分だったのかもしれない。一応、コミック版もあるらしいのでそっちで続きを追いかけてみるのもいいかもしれませんね。(って言ってからコミック情報見に行ったら、作画がふつーに好みだったのでこれはこれで読みたいかも)

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○「魔法少女にあこがれて」 5

 いつの時代からだろうか。「魔法少女」という言葉がどこか暗い陰を背負うようになったのは……いや、明らかにどこぞのインキュベーターのせいなんですが……色々とご苦労が偲ばれる職業になってしまい、女子小学生のなりたい職業ランキングでも上位に来ることはなくなってしまいました(誰調べでもない)。

 という作品なのだが……そっちから来るのか。久しぶりに地上波だと大量の光線が照射する眩しすぎて見えない系作品。事情を知らずに地上波で録画してしまったので、一旦ワンランク上のアニメ専門チャンネルで改めて記録するかは検討中。まぁもらえるもんはもらっといた方がいいのだろうが……今作はあんまりそこに興味が湧かないというか、このくらいの作画レベルならぶっちゃけどっちでもいいというか……。いや、元々「作り手の努力を無駄にする光線文化はけしからん」と主張していた人間なので、無いに越したことはないんですけどね。どっちかというとエロよりギャグが主体の作品なので、だいたい「不徳のギルド」と同じ立ち位置に回せばいいんじゃないかな。

 「不徳」はギャグのキレが冴え渡った佳作になったし、今作も発想自体はなるほど面白い。今では「悪の組織の幹部の方を主軸に」なんてのは特別珍しい設定でもなくなってしまったが、一旦魔法少女側に憧れを持たせておいて、そこから悪の道に引き摺り込み、自身の内に眠るサディスティックな部分を目覚めさせるというのは、実にインモラルでエロ漫画の設定にちょうどいい(エロ漫画も魔法少女モノは大定番ですからね)。主人公のキャラもなかなか立っており、どこぞの紅葉山テルさんを綺麗に闇側にスライドさせたような造形の奥手ヒロインが、わずか1話で悪のマスコットに籠絡されて少しずつ嗜虐の快楽に目覚めていく様子は素直にワクワク(ムラムラ)させてくれるものだ。これでヒロインの心の奥により丁寧にアクセスし、「あなたは魔法少女をどのような対象として見ているのですか? 本当にやりたい、心の奥底の欲求をどんどん解放していきましょう!」っていう展開なら、エロ漫画としても一級品に仕上がるかもしれない逸品である。

 ただ、残念ながらこちらの作品は見事に地上波で放送されている。そして映像部分については旭プロダクションというそこまで地力のないスタジオが受け持っているため、お世辞にもハイクオリティとは言い難い。まぁ、1話目時点でそこまで悪くはないので、このレベルを維持してくれるなら大きな失点ではないのだが……せっかくフェティシズム溢れる設定なのだから、そこを描き込める作り手に任せたかったなぁ、とは思う。そして、どうしても「光線が入るシーン」を混ぜ込まなきゃいけない都合上、そうしてメンタル面でもっと攻めてほしいデザインになっているのに、どうしても露骨で短絡的なエロい画面も入れざるを得ない様子。そこはあんまりいらんのだよなぁ。いや、無いと作品の趣旨がブレるのは間違いないのだが、もっと的を絞って、より倒錯的な嗜好を刺激できるような急所を攻める作劇が見たい。このまま「どっかで見た過去のエロアニメと同じような画面」がだらだら続いてしまうと、せっかくの設定の旨みが活かしきれないので残念な結果になりそうである。

 なんでこんなに力説してるかというと、根本的にこの設定が大好きだからである。魔法少女闇落ち希望。悪の女幹部による洗脳調教なんでもOK、リバもありでおなしゃす。

 ちなみにそんな作品だからかどうかは分からないが、本作のメインキャストの多くは「これまで結構な数の作品にモブとかで出てたけど大きな当たりはまだ無い」という絶妙な層が何人か起用されている。こういう作品で一気に話題を持っていければ、ステージを1つ上がるきっかけになるかもしれない。主演の子はなかなかいいものを持っているようだし、その辺も期待しながら見守りたいところ。

 

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○「異修羅」 6

 ヤッター!!!! 最悪のトラウマで百合を全否定された上に人生観ボコボコにされて生きる動機を歪められちゃうタイプの上田麗奈だー!!! 2024年もうえ虐からスタートできる喜び! ありがとう日本! ありがとう81プロデュース!

 というわけでようやく新番組のスタートですが、出自を確認したらなんとこちらはなろう原作。ぶっちゃけ1話目視聴時には全くそんな印象がなかったので驚きである。すでにちょっと前から起こり始めていた現象ではあるが、「なろう的でないなろう」も少しずつアニメ媒体に滲み出している様子。全然そんな印象が無い気もするが、それはおそらく「なろう的でないなろう」よりも「なろう過ぎるなろうじゃない作品」の方が絶対数が多いせいだと思われる。

 1話目時点ではここからどう転がるかさっぱり分からないのでシナリオラインに対しての評価は難しいのだが、導入のあまりに綺麗なうえ虐がストライク過ぎたのでご祝儀評価でも問題ないだろう。冒頭からいきなり濃密な百合を匂わせておいて、相手役に何をさせるかと思ってるところを容赦なく四肢を引きちぎっての虐殺。主人公(かどうかもまだ分かんないけど)には「もしかしたら救えたかもしれない親友を救わずに逃げた」というとんでもねぇトラウマを与え、そこに最強剣士を突如投入。あれよあれよと特大の巨神兵みたいなラスボス級を薙ぎ倒して実力を見せつけ、そこに依存させるのかと思ったらすげぇ理不尽な理屈で「もういいや、こいつ殺すことを生きる目標にしよ」っていうイカレマインドを披露。その理不尽さがたまりません。今回彼女が叫んだ「なんなんだあなたは!」という叫び、直前にトラウマティア様がラグナに対して叫んだ台詞とだいたい一緒。うえしゃまキャラにはあらゆる意味で訳のわかんないキャラをけしかけてどんどんメンタルを破壊していってほしい。

 制作は最近安定して評価を上げているパッショーネ。そして総監督には私が敬愛してやまない高橋丈夫氏がクレジットされ、いやでも期待は高まっている。1話目でも巨大ロボを相手に余裕の斬撃のみでねじ伏せる主人公像が強烈に描かれており、敵のデカさ、それを上回る剣士の無茶苦茶さが存分に発揮された愉快な映像になっている。ちょっと前だと「ニーアオートマータ」の1話目も似たような爽快感がありましたね。こちらの作品は是非ともスケジュール通りに放送し、なおかつクオリティをこのままで保っていただきたいところだ。ちなみに高橋丈夫の下で「監督」名義でクレジットされている小川優樹氏という名前も確認してみたら、今度は「異種族レビュアーズ」や「見える子ちゃん」の監督だったことが判明。なんかもう、これだけでも面白い座組み。パッショーネの時代が来るといいなぁ。

 
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○「弱キャラ友崎くん 2nd STAGE」 ―

 純粋な意味での新番組はまだ始まらないよ。とはいえ確認したら1期の放送はちょうど3年前とのことなので、だいぶ空いたしかなり新鮮な気持ちで見られるかもしれない。

 例によって3年の間に中身は綺麗さっぱり忘れてしまったが、漠然と「嫌いじゃなかった」という印象だけは覚えている。その印象は3年ぶりの画面でも保持されており、キャラデザとかゲームデザインのちびキャラの挟み方とか、そういう画面の明るさみたいなものは全体的に好み。スタッフはほぼ1期からの引き継ぎのようで、制作はProject No.9、そして萌えの伝道師・柳伸亮というチームはなるほど安定感のある布陣だ。なお、どうでもいい情報だが柳作品なので当然日高里菜はレギュラーで登場している。とんでもサプライズご結婚おめでとうございます。

 そうして画面のテイストで微加点であることに加えて、やはりこの特殊な目標設定は良くも悪くも目を引くものだ。原作がラノベ、いわゆる青春学園ドラマの範疇に入る作品で、この手の作品ってのは手を替え品を替え、あらゆる角度から最終的には「男女の関係」、もっとざっくり言えば「人間関係」を描くのが目的である(まぁ、どんなドラマだって広く解釈すればそうなっちゃうけど)。学園ドラマの場合、それが部活だったり、生徒会活動だったり、ゲームだったり、はたまた戦争だったりするわけだ。そうしてさまざまなガワを設けて、その中でくっついたり離れたり、いかにキャラの心情を描くかで差別化を図るのが小説ってもんだが、本作の場合、余計なガワを取っ払って「人間関係を構築すること」そのものがテーマであると大上段に宣言してしまっている。一応友崎と日南のキャラがあるので「ゲームっぽくしましょう」という薄いオブラートみたいなもので包んではいるが、友崎はゲームだと言われてうまいこと丸め込まれる形で真正面から「自分の周りの人間との関係構築」に勤しんでいるわけで、こんなにもダイレクトに関係性をどうこうしてることを表明するというのも珍しいスタイル。そして、そんだけあけすけにやっているのに、かえって遠慮がないので新鮮に映るというのが面白いところ。ゲーム感覚で周りの人間の環境を操作しようという日南の考え方は一見するとサイコに見えなくもないが、これも大なり小なり、誰しも皆同じように「どうやって良好な人間関係を作っていくか」は考えているわけで、それを(元)陰キャの友崎に理解しやすいようにゲームの例えで噛み砕いているのが設定としても納得できるものになっている。

 まぁ、あとはここから視聴者目線で納得のいく「課題と解決」が提示できるかの勝負になってくる。1話目でもいきなり「どうやってソフトボールに票を誘導したんだろう……」みたいなところが気になって多少御都合主義に見えてしまう部分もあるが、扱っている事象は世界の命運を左右するような大仰なことでもなく、「まぁ、なんとなくそうなりました」でもおかしいことはないのである。せいぜい無理のない範囲で他人の人生を弄びつつ、日南がこの世界のデウスエクスマキナとなるかどうかを見守っていくのが良いのだろう。こんだけ頑張っても最終的に「でもみみみの方が可愛い」と言われたらそれはもうしょうがない。そういや初めて長谷川育美の名前を認識したのってこの作品だったなぁ。

 
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○「BASTARD!! 暗黒の破壊神 地獄の鎮魂歌編」 ―

 三ヶ日も終わらぬうちに、新番組はやってくる。今年はカレンダーの関係なのか一際早い印象があり、なんと2日夜にこちらがスタート。ただ、いろんな意味であんまり「新番組」っぽくないのでどう気持ちを持っていったらいいのかよく分からない。地上波だとユーフォをはじめとしてスペシャルなアニメも放送してくれているので、まだお正月気分でいいのかもしれない。

 そもそも原作が古いし、アニメも2期目だし、さらにネトフリ配信済み作品だし、3重の意味で「新番組」っぽくないこちらがBSで放送開始。1期の放送が夏まで2クールであったので、結構なペースでの制作である。ネトフリ媒体がどれくらいの製作体制なのかは知らんけどね。あまり良い印象がないネトフリ製作作品の中では、ライデンフィルムによる作劇は割と頑張ってる方。古の作品なのに古臭ささを極力廃して「現代っぽい」アニメデザインになっており、それが最低限満足できるクオリティで動く。話数が進むと若干のアラも見えた気もしたが、の細かさを考えれば我慢できるレベルだし、最近はクソみたいなCGで誤魔化す作品が増えてしまったクリーチャー描写も(CGでこそあるが)割と頑張って描けている。今作の最大の売りはとにかく気持ち悪いキャラがそこらじゅうに転がってることで(?)、2期目も色々と変態じみたキャラが変態臭い言動でナチュラルに「きっも」と思わせてくれる。それこそチェンソー・呪術をお腹いっぱい見せられた現代ジャンプの「キモさ」とは一線を画す、昔ながらのエロバカギャグの延長線上のキモさ。おっさんはこういう文化で育ってきたんやで、というジェネレーション論が展開できそうだ。

 スケジュールの関係なのか、何故か今作は初回放送が一挙3話放送。なんとフリーレンや【推しの子】と同じくらいに推されているということ……ではないよな。配信済み作品なら何話放送しようが別に自由だもんな。単に枠が空いてたからなのかどうかは定かじゃないが、ストーリー上、封印されてしまったと思われたDSが帰還したところがちょうど3話目で、なるほど新作アニメだったら一番いいところまで見せる意味で3話一挙放送はありえた選択肢か。やっぱ最大の見どころはきーやんDSだからね。

 すでに1話目からよぅ分からん新キャラも大挙してぐちゃぐちゃになってしまっているが、まー、あんまり気にする作品でもないので、話半分でついていくことにしましょう。ルーシェの中の人はご結婚おめでとうございます。

 
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「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle Rhyme Anima +」 ―→5

 おめー脳がヒプマイか? 「Paradox Live」と同時期に放送されていたのであっちの真剣さが際立ち、こっちのちゃらんぽらんさも際立った。各々の持ち味ではあるのだが、個人的には前者が好き。こっちも嫌いじゃないが……なんか時折、ほんの一瞬「俺は何を見せられてるんだ……」って正気に戻る瞬間があるのよな。

 まぁ、どっちのヒップホップ作品も「ヒップホップに世界の命運賭けすぎだろ」とは思うわけだが、「Paradox Live」は言うても個人レベルでの「人生かかってる」。こっちは文字通り、世界のあらゆる条理がマイクにかかっているのでちゃんとこの雰囲気に乗ってあげないと遥か遠くへぶっちぎって置いて行かれてしまう危険性を孕んでいる。さらに今回は2期目ということで「1期目でこの世界のことは全部分かってるよなぁ!? 空気読めよ!」という圧が増しており、味が濃くてよりクドいテイストで増し増し。2期目としては至極正しいインフレ。ラップバトルこそが今作の看板だということは作る側も観る側もわかっているわけで、ひたすらマイクパフォーマンスの時間を伸ばしまくって毎回ゲップが出るまでリリックを紡ぐ。ファンにとってはほんとにたまらないゴテゴテ画面のオンパレードである。

 そこは最高だと思うんだが……そこまで熱心なファンじゃない場合は「もう、いいかな……」ってなるのもご理解いただきたい。1期の時は「こういう表現になるのかぁ!」と素直に感心したバトル画面だが、2期目になり、毎回たっぷり放送されるおかげで「まぁ、毎回そういう演出だからなぁ」という「普通の画面」になってしまったのはちょっと勿体無い。また、今回は正統続編の派生として「チームの垣根を超えたコラボ」が多数発生したのも一長一短で、おそらくファンからしたら「新しい絡みだぁ!」というので盛り上がるポイントなのだろうが、実際の楽曲(?)としては個性際立つチームのカラーが混ぜ合わせることで均されてしまい、より差異や際立ちを見せるのが難しくなってしまった。何一つ間違ったことはしてないはずなのだが、やはり作品のテイストがクドいとどこかに振い落としの機構が発動してしまったということだろう。

 いや、でもやっぱオンリーワンには違いないので毎回笑ってしまったのだけどね。もし3期があったら今度はどうなってしまうんだろう。観たいような、怖いような……。

 

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