忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[976] [977] [978] [979] [980] [981] [982] [983] [984] [985] [986]

 プリキュア視聴からの勢いではしごした作品。元々予定にはなかったのだが、以前から予告編を見て気になってはいたし、たまたま時間帯が合っていたのでそのまま見ることにした。視聴したのは3D吹き替え版である。ホント、国産以外の映画を見るのなんて、多分干支が一周回るぶりくらいな気がする。最後に観たのって一体なんだったかなぁ……

 

<以下、作品のネタバレなどを含むかもしれないので、未視聴の方はとてもご注意下さい>


拍手

PR

AKB0048 next stage」 5→5

 難しい作品である。真面目に取り扱うとどうにも馬鹿を見ることになりかねないからだ。結局日和って評価は据え置きにしたが、これを楽しんだというと負けのような気がするが、それなりに不満もなく2期目も無事に放送が終わったのである。一体何だったんだろう、このアニメ。

 2期は、実はあまり気に入らない要素が少なからずあった。一番大きいのは、1期で大きな注目点となった「無茶苦茶すぎて笑うしかない設定」が、2期目は流石に慣れて来たのでそこまで笑えるネタではなくなったということ。1期目は単にアイドルが空を飛び回りながら歌って戦闘機とバトったり、センターノヴァで輝き過ぎちゃうと亜空間転送されたり、そういう「一体どんな発想の奴がこんなことを思いつくんだ」というキチピーっぷりがそのまま楽しさに繋がっていた。流石に2期目は(認めたくないことだが)そうした設定も馴染んでしまっており、大きなインパクトとして興味を引っ張り続けるのは難しくなっていた。まぁ、総選挙といういかにもAKBらしい一大イベントを中盤に持ってきたので盛り上がりは作れたはずなのだが、実を言うと「総選挙というイベントは、現実でやっているあっちの方が馬鹿馬鹿しさが上であり、ギャグとしても一級品なのでアニメでやられても今ひとつ」という逆の影響もあったのである。未だに、あの選挙ってシステムの意味はよく分からない。本当にあれで盛り上がってる人間がいるんだよなぁ。

 その他、シナリオ自体も2期目の方が大味になって飲み込みにくくなっていたのは事実だと思う。選挙の後は智恵理の脱退騒動や、親父さんとのごたごたからのセンターノヴァ実験などが大きな軸となっていたわけだが、流石にあのおっさんの存在感は嘘くさい。そして嘘くささが「馬鹿馬鹿しくておもしれぇ」というよりも「何いってるのかさっぱりだ」というポカーンの方に大きくずれてしまっていた。退場の仕方も随分あっさりしたもので、なんだか終わらせるために適当に場を引っかき回してただけである。ラストのアキバスターのイベントも、「公権力と観衆が全て敵という圧倒的アウェーのくせして営業スマイルでパフォーマンスを続けるアイドル」という図はなかなか面白いのだが、素直な面白さというよりも「そこまでする意味がわからねぇ」という困惑の方に繋がってしまった。後から考えれば「嫌いにならないで下さい」の台詞の布石だっただけなのだが、流石に行動原理が謎過ぎるのである。

 そんな風に、シナリオが「厚みを増す」というより「ほころびがでる」という方向で延長した2期目だったのだが、じゃぁトーンダウンしたのかというと、そうとも言い切れない。相変わらず無茶苦茶さ加減はむしろプラスに働かせるというのがこの作品の姿勢であり、世界がどんどんアホな方向に混迷を極めると、やはり笑ってしまう。今期はツバサさんと南野さんというOG組の活躍も多く、勝手に世界の歴史を感じてしまった。引退した古参兵が戦う様子って、意味もなく燃えるんだよね。そして、相変わらず図抜けたきらびやかさを誇るライブシーンはやはり他作品とは一線を画す。特に最終話なんかは尺の半分以上がライブみたいなもんで、とにかく歌い踊り滑空する作り物めいたアイドルたちの挙動は、やはり見入ってしまうだけの魅力がある。長いこと見てると曲の方にも愛着が出てくるし、ラストソングに『希望について』っていうだけでもあっちゃんコールに参加したい気がしてくるから不思議だ。いや、嘘だ。すまん。ネット漬けが長いと「あっちゃんコール」って単に馬鹿にされてるようにしか聞こえないのが難点だな。

 結局、この作品の面白い部分は1期目と大きく変わっておらず、「それなりに、俺なりに」満足してしまっていたというのが結論。終わり方がいくらでも続編を作れるようになってたけど、流石にメイン2人がセンターノヴァと前田敦子を襲名してるので、これ以上のサクセスストーリーは難しいかなぁ。そういえば、放送中にAKB側から参入していたキャストが2名、なんと所属団体を引退して本格的に声優を目指すことにしたというニュースもあった。基本的に、そこまでして声優を目指したいという人間を邪険にしたいとは思わないので、素直に頑張って欲しいと思う。仲谷明香は既に「ちとせげっちゅ」などでそれなりに仕事もしていたし、ひょっとしたら今後も何かのきっかけで出てくるかもしれない。そしてもう一人が秦佐和子なんだよなぁ。しゃわこは「SAY YOU SAY ME」で見てて割と好きだったので是非頑張ってもらいたいところなのだが、正直、本作中での仕事ぶりは今ひとつ。どうやらもう一回養成所からのステップということになるらしいが、果たして圧倒的多数からの過当競争を勝ち抜いて花開くことは出来るのだろうか。試練の道である。


拍手

「マギ」 5→4

 すまん、これ、分からんかった枠に入れていいですかね。真剣に見てなかったといえばそれまでなのだが、結局最後まで真剣に見るモチベーションを引き出すことの出来ない作品になってしまっていた。ホント、我ながら驚くほどにこの日曜5時枠とは相性が悪いようである。

 原作を全く知らない状態なのだが、当然周りにはちらほら原作を知っている人間がいる。そういう人間のアニメ評を聞くと特に不満は無いらしく、どうやらボチボチ原作に沿って魅力は表現出来ているらしい。ただ、その魅力が今ひとつ見えてこない。もちろん何が悪いというほど大きな不満もないのだが、見れば見るほど、「別にこの作品でなくてもいい要素」しか見えてこないのである。一体何をもって視聴者を引きつけるアニメなのかが分からないままだ。とりあえず1つだけ言えるのは、舛成監督率いる映像制作陣の仕事は良い部分が多いということ。中盤、なんだか作画もへちょってた時期はあったが、全体的にはまとまっていたし、高水準な作画クオリティを維持し、魅力的な戦闘描写も多かった。重たい話が続く中、それを逃げずにきちんと描き込み、形を成したこともプラスのポイントといえるだろう。普通に考えれば平均点はとれるくらいの作品だ。ただ、この枠で放送されるアニメというのは、どう考えても予算やスタッフには恵まれている。恵まれていなければならない。つまり、「安定した作画の質」「画面映えするアニメーション」は、前提条件なのである。そりゃ「ガンダムAGE」だって面白い画面はたくさんあったわけだし、その当たりは「まぁ、日曜5時なんだし」と思うとどうしても辛くなる。

 すると残る部分には何があるかというと、「この作品だけが持つ魅力を見せて欲しい」という欲求がある。そして、最後までその「独自の魅力」が見出せなかった。当初の売り文句や「アリババ」「アラジン」なんて名前を見た段階では「冒険ロマンもの」を期待したのだが、本作中で、「バラエティに富む調査困難な迷宮を探検するパート」は驚くほど少ない。ダンジョン攻略がこの世界の1つの特徴のはずが、そのシーンで盛り上がったのは見たことがない。ダンジョンに潜ったとしても、大体そこを突破するのは単なる力業であり、強い奴や恵まれた資産の人間がクリアするのである。残念ながらこれでは盛り上がらない。中盤に大きな山を作ったのは、国の興亡を巡る大規模な政治信条を抱えた重たいバトル。こちらはいくらか中心軸の役割を担っていたと思うが、最後までアリババという主人公の依って立つところが見えなかったのが気になった部分。最終話を見ても、アリババってのはなかなか成長が見えないキャラクターであり、脇にシンドバットというとんでもないキャラがいることもマイナス要因に働いている。序盤は超然とした力を持つアラジンに頼る部分も多く、主人公として肩入れしにくい。何しろ一時はクーデターの首謀者として国を揺さぶる側に回っていたのだ。作中では諸々の心の動きがあり、最終的にはモルジアナや白龍たちの信頼を得るに至り、視聴者目線では「前よりはいい男になったか」とは思えるが、主人公として恰好いいかと問われればまだまだ。多用な魔術が飛び交うことも見せ場となるこの世界では、燃える剣一本で戦うファイティングスタイルも見栄えしにくい。ことあるごとにカシムの幻影に責められたり頼ったりする傾向も、「友情に篤いな」とか「過去の重さが違うな」というよりも「まだ独り立ち出来ないんだな」という思いが先に来てしまう。どうも、中心が見えにくい設定だったのだ。

 一応、こうした難点をフォローする文言としては「分割作品で2期目があるから、まだ全貌が見えてないだけだよ」というのが考えられるが、流石に2クール放送していくらかでも決着がつかないと不安になる。邪悪なミキシンボイスは退治出来たみたいだけど、国のいざこざを含めたもっと大きな問題は山積しているし、まさかの締めが謎の石田彰ボイスってのも突飛だ。まぁ、これは原作を読んでいた人間には嬉しいサプライズだったのかもしれないけども。少なくとも、現時点では「原作も読んでみたい」と思えるほどにはなってないなぁ。

 あ、でもモルジアナはやっぱりかわいいや。個人的には紅玉とか全然いらないレベルでモルさん派。奴隷少女は良いジャンル選択だと思います。最大の難点は、あまりにストレート過ぎるせいで薄い本がワンパターンになって捗らないことくらい。


拍手

 何か1つくらい片付けてくれよ! 最終話。

 何も……片付かなかったんだ……。驚くほどに投げっぱなしだったんだ……そして2期告知すらないんだ……このびっくりっぷり、いつぶりだろう……流石にこれはちょっと……。終わったことというと、魔王の歴代先達との対決くらい? でもあれも何か明確な理由があったわけじゃなくて、結局根性で吹き飛ばしただけだし、そこから魔王が統治してた魔族連中が何を考えてどう動き出すのかも分からないし……せっかく大きく出番が増えたと思った魔法使いちゃんの存在も謎のままだし、ラブコメとしても女騎士が頑張った割には半端な気がするし……あれぇ……。多分、来週普通に放送があるんじゃないかな……ひょっとして1,2話見のがした可能性もあるかも……教えてプリーズ。



拍手

 わぁい! 劇場でプリキュア観るの初めてだよ! なんだか流れがうまいこと行ったので見てきました。ぶっちゃけると「いろは」の2回目に行こうと思ってたけど、入場特典が無くなってしまっていたので躊躇していると、たまたま(?)プリキュアに入ることになっていた知人を捕縛したので、「一人では罪の意識に苛まれて入れないけど、2人ならいける」と思い方向転換した。なお、このときにその隣には直前にプリキュアを観てきた人間もおり、「1人より2人がいいさ、2人より3人がいい」(『若さはプラズマ』)とばかりに休憩無しのダブルヘッダーに無理矢理連れ込んだという。あげく、視聴後に劇場が明るくなったら、後ろの席にもう1人知り合いがおり、結局4人も見とったんか、という驚愕の事態に。せっかくミラクルライトを光らせたい幼気な女の子たちの夢を邪魔しちゃ駄目だよねー。

 

<以下、劇場作品のネタバレを含むかもしれないので未視聴の方は注意が必要です。加えて、本当は満足したのでしっかり感想を書こうと思ったのに、後で視聴した「シュガーラッシュ」の圧力で壮絶に上書きされてしまったので割とあやふやになってる部分もあります>


拍手

「八犬伝ー東方八犬異聞ー」 4→3

 すみません、正直あんまり真面目に見られなかったので、中身は把握出来てないです。どうしてもこの手の作品はおざなりになってしまうのは仕方ないこととしても、どうせ観るんならちゃんと観た方が良いだろうとは思ってるのだけども……

 ヤマサキオサム監督のディーン作品ということで、画面は本当に綺麗。イケメンキャラのお嘆美デザインにしろ、いつの時代だか分からない不可解な世界設定にしろ、一度たりとも気を抜くことなく、「とにかく綺麗なイケメンが見たい」というニーズにはがっつり応えてくれる作品。つまり、世界の有り様を充分理解しており、とにかくキャラが動いている様子が見たいという原作ファンにとっては嬉しいアニメだったのではないかと思われる。きちんと腐向けのご要望にお応えする画面構成は実に手慣れたものであるし、腐った視点以外でも、ちゃんとイケメンはイケメンらしく動き、しゃべるのだから、おそらくこれを見る正しいファン層のことは全て分かった上での作品だ。そういう意味では、やはりディーンがこれまで培ってきたそっち方向の実績は伊達じゃないということは分かるのだ。

 ただ、やっぱりそれだけだと、狙いが合わないというか、向き不向きというか。「俺はこれじゃないなぁ」というしかないのである。同じスタンスの「薄桜鬼」はゆーても歴史ロマンだったのでシナリオも理解しやすい部分が多くて、何となくでもそれなりに没入することも出来たのだが、今作の場合、頭から世界が分かっていない状態で、そのまま流し見したらどんどん世界においていかれてしまった。八犬伝というタイトルなのだからもう少し軸となる大きなシナリオがあるのだろうと思っていたら、別にどこかに向かって旅をするのでもなし、色んなところに出かけていって何となくあやかし絡みのもめ事に巻き込まれたり、解決しているだけなので、いつまで経っても本筋が見えてこない。いや、本筋があるのかどうかもよく分かってないけど。なにしろ既に2期が決まっている分割2クールであり、今回はあくまで前半戦。何も片付ける必要が無かったために、最終話といっても何かが片付いた気配は感じられず、むしろ謎が増えた状態で放り投げられてしまったのだ。そりゃ、なんとなくでしか見ていなかった視聴者としては「分からん」というしかないじゃないですか。

 繰り返しになるけど、全てが作品の責任じゃなくて、これは明らかに不真面目に見ていた自分の責任なので、「ちゃんと観たら面白いんだよ」と言われたら返す言葉がない。2期まで揃って、後半盛り上がれるようなら、改めて1期の内容も確認するようにしたい。ちなみに、最大級のモチベーションにしようとしたのが浜路の中の人だったわけだが、あんまり出番が無かったという理由もこっそり書いておく。まぁ、この手の作品で女の子の出番は多くないよなぁ。


拍手

「バクマン。(第3期)」 4→4

 真白も髙木も、自分のヒット作の主人公のキャストまでやってるなんて、大変だよなー……そこは別な人起用しなかったのね。まぁ、阿部敦・日野聡のダブルヒーローのアニメならそれなりにニーズはありそうだけどさ。

 さて、めでたく終了しました、6クールにも及ぶ長尺作品である。分割で3期に分けての放送とはいえ、これほどの長さは最近の(夕方以降の)アニメでは本当に珍しい。一体何がそこまでこの作品を長続きさせたのかと考えてみても、あんまり思いつかないのだよな。「メジャー」ならばNHK教育でスポ根ものっていうので分かったけど,こっちの作品の場合、あんまり教育的に良いものばかりでもないし、やたら金の話になるし。ジャンプ漫画なんだからそりゃ売り上げも大したもんだろうが、そこまでアニメを熱望されていた作品とも思えないしね。まぁ、どういう背景であれ、無事にゴールイン出来たことはめでたいことであろう。最初から最後まで基本的に作品クオリティは維持されていたし、大きく原作イメージを損なうこともなく、「原作に従ったアニメ化」としては充分及第点の出来だったんじゃなかろうか。七峰編カットっていうのは個人的には残念な判断だったんだが、まぁ、こればかりはなぁ。尺の問題もあるし、倫理的な部分でやっぱり七峰って教育向けじゃないからね。

 あとは原作の中身についてあれこれ言うのと同じことになるのであんまりアニメについて語る意味は無い気もするのだが、しいて3期目の特徴をあげると、作中世界の価値観が定着してしまっているせいで、もうアンケート順位とか発行部数とか、そうした「パワーの値」がどんどん形骸化して、あんまり盛り上がりに繋がらなくなってしまったことが気になった。1話の中で「今週何位でした!」って言ってるだけで終わったときとかあったしな。そういう方法でしか表現出来なかったものなんだけど、やっぱり「頑張って夢に向かっている若者の物語」としては無味乾燥で味気ないものになってしまった気がする。もう少し他の尺度、つまりアニメにして画面映えするようなものがあれば中盤にももう一山作れたと思うのだが……まぁ、題材が題材だから難しいよね。あと、やっぱり声優云々の話とか、漫画だと分かっていても若干引く部分がございましてね。なまじっかリアルめいた題材なもんだから、そういうところで典型的な少年漫画ご都合主義が展開されるとどうにも据わりが悪い。スキャンダル中の声優の生ラジオで誰とも分からない視聴者からの電話繋ぎって、ラジオスタッフの首がどれだけ飛ぶか分からんぞ。

 ということで、トータルでみると、内容的には1期、2期よりも素直に盛り上がりにくい部分は増えたかな、というのが総合的な印象だ。まぁ、強くなってきた主人公が無双し始めると嘘くさいってのは仕方ないことだけどね。大きく加点される要素も無いので、最終的にはこれまでと同じくらいの評価になるのです。あ、でも前半のオープニングはホント好きだった。最終回でラストテーマが「もしもの話」だったのは嬉しかったです。


拍手

 「そして輝け」って言われるとやっぱり「ウルトラソウッ!」って言いたくなるよね、第51話。一応「最終話」って言った方が良いのだろうか、とにもかくにも、1年間の激闘にひとまずの幕引きである。長らくの戦い、お疲れ様。

 最終エピソードというと、後日談、エピローグに時間を割いてほしいな、というのが基本的な方針なのだが、流石に今回はエピローグとかやってる余裕は無い。30分で最大の怨敵であるアプスをぶっ倒さなきゃならないわけで、正式なご対面は今週が初ってんだから何かと忙しない。いや、やってることは単にお互いに言いたいことを言い合ってるだけなんだから大した中身では無いはずなのだが、1年間も色んな人間を手玉に取ってきたアプスをこれまで地味だった光牙が倒すためのセッティングは本当に色々と大変だ。マルス戦が2週あったのにアプス戦が1週で終わるのはどうやねん、という気もしたのだが、考えてみりゃアプス自体は存在として姿を現した期間がかなり短いので、あんまり踏ん張られても仕方ない部分はある。30分たっぷりバトルしてくれたんだからこれはこれで満足行く結末だったのかもしれない。何しろ画が凄かったからな。5人のパワーを一つに合わせたあたりから光牙の右手が「線画かよ!」ってレベルの尖った演出になっており、そこからモノトーンの荒々しい線画で展開される最後の殴り合いパートは、とにかく「殴りつけること」にこだわり抜いた今作らしい、最大の見せ場になっている。決め技が流星拳ですらないからな。凄まじかったです。

 基本的には、光牙の人生はアプスによって産みだされたようなものなので、2人の会話は「父と子の対話」みたいな空気で展開していく。アプスがこれだけもめた後なのにまだ「闇に帰ってこいよ」と誘う構図は、あれだけの反抗期を迎えたのにメディア様がまだエデンを可愛がっていたのにも似ている。前回星矢が光牙の中の闇成分をぶっ飛ばしてアプスが単体で覚醒したんだから、元々ただの人間であるはずの光牙から闇はすっかり抜けきったのかと思ったのだが、長年のつきあいで闇も定着していたのだろうか、アプスが揺さぶると光牙のガングロが一瞬蘇ったりもした。しかし、そこは流石に憧れの沙織さんの眼前である。光牙さんはアプスのやりたい放題に怒り心頭であり、何が何でも対抗するという意識を明確にした。おそらくアプスが抜けて光りやすくなったのだろう、光の小宇宙を燃やし続け、ジャンプ作品の定番「みんなの力をオラにくれ」モードへ突入。仲間達の力を合わせ、ついにアプスに一撃を見舞った。

 全員のパワーをもらった一撃で粉砕もされずに平気で立ち上がってくるのはやはり空気を読めないアプスさんらしいタフさだが、普通なら一撃で使い切る気がする友情パワーは光牙の右手に宿り続け、そこからは小細工無しのガチタイマンへ突入する。光牙が5人の名前を呼んで感謝するシーンは、ちゃんと出会った順に名前を呼んでくれたのでちょっとホッとした。やっぱり友情レベルだと蒼摩をトップにおいて欲しいもんな。これで最初に呼ばれるのがユナだったりしたらみんなグレてるとこだ。ちゃんとみんな光牙の名前を呼んで応援していたわけだが、そういやエデンだけ呼び方がずっと「ペガサス」なのね。まぁ、確かに自己紹介してなかったかもしれない。ちなみに、各人に対応した激励コメントは蒼摩が王道中の王道、炎属性「燃えろ」、ユナが自分のキャラに合わせた風属性「羽ばたけ」、水の龍峰は「わき上がれ」、栄斗だけちょっと違和感があるが「超えろ」、そしてエデンは雷なので「轟け」だ。光を持つ光牙は「そして輝け!」である。この辺はきちんと決まってたと思う。一年前に「属性とかwww」ってなってたのが懐かしいですね。もう、みんな属性どうしの相性とかいう設定思い出そうともしないけど。

 最後はアリアのサポートも受けつつ、光牙は自分にしか出来ない方針でアプスと対峙。それは「元々俺も闇なんだぜ!」という同族パワーを活かすという方向性。その上で、闇を憎み、忌避するのではなくて「闇を認めつつも光輝くぜ!」という光と闇のハイブリッドな光牙の人生そのものをたたき込んだのだ。上述のような特大インパクトの壮絶ゲンコツ動画は、まさに光と闇の合わせ技一本。相変わらず理屈は分からないが、この一撃がアプスを叩き潰し、沙織を無事に地上へと戻したのであった。「沙織さんは先に行ってくれ! みんなが待ってるんだ!」「光牙!(……いや、でもわたし、あの人らとはほとんど初対面みたいなもんなんだけど! なんか変な忍者とかいるし!)」

 アプスの闇は消え、火星の接近も解除。アリアの最後のエネルギーによって、地球の崩壊は次第に修復され、みんなの魔傷も回復して全てが丸く収まった。もちろん、死んでしまった人たちは帰ってこないだろう。降り注ぐアリアの光の中で映し出されたのがマルスとソニアの亡骸っていうのがちょっと切なかった。多分冥界のシラーさんとか時間の狭間の時貞にまでは光は届かないだろうけども。あれ、パラドクスさんはどうしたんだろうか……。そしてもちろん、光牙も地上へと帰還を果たした。次の世代へ小宇宙を受け継ぐために。

 一切最後の説明は語られないが、とにかく大団円な雰囲気は分かる。こうしてみると、だらだらエピローグをやられるよりも後味はよいのかもしれない。どうせ来週色々と説明はあるんだろうし。ただ、もう少し細かくこのシーズンの後片付けを見てみたいなぁ、というのもあるんだよね。それこそパラドクスさんのその後とかさ。あと、基本的にはお調子者だった星矢がどういう立場で十二宮に帰還するのかも見てみたい。ドヤ顔で黄金聖衣を着てる貴鬼を見たら絶対にいじりたくなると思うんだけど。まぁ、平和な世界での様子は来週ちょっとでも見られることに期待しましょう。

 そして最後に感動してしまったのは、次回予告のナレが星矢から光牙に引き継がれたこと。まだ新しい声での「君は、小宇宙を感じたことがあるか!」には慣れない感もあるものの、次の鋼鉄聖闘士編に向けて、ちゃんと世代が繰り下がったんだなぁ、というのが分かってしみじみする。多分、光牙の中の人もこの台詞を言えたのは感無量なのではなかろうか。


拍手

「琴浦さん」 5→5

 今期ダークホースとなった一本。放送前に欠片も期待していなかったことは1話目の感想の時に書いたが、衝撃の1話からあとは下がる一方だろうと高をくくっていたのに、意外にもそこまでテンションを落とすことなく、1クールを走りきったのである。

 最大の誤算は、「どうせ1話目の衝撃展開が終わったら、あとはずっといちゃいちゃしてるけだろ」と思ったら、意外にも中身があったということ。基本的には琴浦さんの能力によるトラブルというくくりで良いわけだが、「真鍋が琴浦さんの心を開く」→「森谷によるいじめからの琴浦逃走、捕縛劇」→「琴浦さんの能力による通り魔事件の捜査と危機」という風に、ちゃんと物語の方向性にはバラエティがあるのである。もちろん、そうしたプロットを包み込んでいるのは、真鍋との激甘ラブラブストーリーなわけだが、単なる「ユル萌え」ではなく、真鍋の男前っぷりや琴浦さんのちょっとした弱さ、優しさを出すためにシリアスパートが適度に手綱を握っていた印象。昨今、萌えものにシリアスが入るだけで拒否反応を示すなんて事例も起こっているらしいが、今作のように「とにかく2人の関係性を描くため」という明確な目的意識の下でシナリオが構成されているなら、狭量な人たちも一安心であろう。

 もちろん、だからといってすげぇ面白かったかと言われると、そうは思わない。あくまでも原作のユルさ、ショボさは変わらないわけだし、やってること自体は非常に陳腐なもの。最低限与えられた素材を魅力的に見せるために、アニメになるに際して最大限にプラス方向に揺り動かせたんだろうな、というのが正直な感想である。太田監督の安定した仕事ぶりには感心するしかないが、これが「ゆるゆり」や「みつどもえ」より上に行くかと考えると、まぁ、よくてトントンといったところ。ギャグメインで見せる作品ではないので瞬間風速は出ないため、そこまで大きなインパクトがあったとはいえない。

 今作を評する上で忘れていけないのは、やはりキャストのお仕事であろう。当然真っ先に出てくるのは琴浦さんの中の人、金元寿子である。また新しいひーちゃんの看板キャラが出てきたことによって、そろそろ諸々のイベントで「侵略?」とか言われなくなってくるだろう。流石にゲソとピカリンじゃんけんばかりを求められるのは可哀想だし。まぁ、今作で何が求められるかと言えば……エロス? そして、周りを取り囲む面々も良い仕事が多く、もう1人の主人公である真鍋を演じた福島潤の立ち位置は絶妙。昨今の男性主人公の中では珍しく、男女ともに敵を作らない、真っ直ぐで恰好いいキャラに仕上がっていた。もちろん、部長役の花澤、室戸役の下野あたりも安定のお仕事。森谷さん役の久保ユリカについては、「マジでこの人がラブライブのかよちんなのかよ!」と驚いた。若いくせにやりよる。そして、個人的に嬉しかったのは最後のクライマックスを作ったあの犯人役での渡辺明乃のお仕事。やっぱり変幻自在で良い声だよなぁ。こんなに便利で達者な声優なのに、今ひとつ地味なスタンスなのは何故なのだろうなぁ。

 あ、そだ、この作品のもうひとつの功績があった。「福浦さん」が面白かったこと。一瞬話題になって盛り上がったけど、あのあともちゃんと毎週細かくあらすじの更新してたのが偉い。「(球宴には選ばれなかった……)」とか「エースにあるまじき投球をしていたことがばれてしまい」とか「勝ち星を付ける約束をするが、なかなか付けることが出来ず……」とかな。今年も無事、開幕戦で勝ち星つかずの善久君。誰が興味あるんや、こんな話題!


拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/01 朝美砂織]
[03/31 NONAME]
[03/31 NONAME]
[03/31 とみしの]
[03/28 とみしの]
バーコード