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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「超速変形ジャイロゼッター」 5→5

 ちゃんと1年間観てましたね。そして、無事に観られましたね。それだけでも良かったんじゃないかと思ってます。この時間帯でこの方向性のアニメは、だんだん飽きてきてフェードアウトすることも多いので。

 いや、ぶっちゃけると飽きてはいたんだけどね。流石に毎週毎週退屈せずに見る作品、というレベルにまでは至っていなかったのだが、そりゃまぁ、狙ってる年齢層を考えれば仕方ない部分だ。ある程度「捨て回」を挟みながら、1年というスパンでメインシナリオを少しずつ進めていく。興味を惹かれた時だけでもちゃんと観られて、そのエピソードがちゃんと収束したなら、それはそれで目的を達成したと言えるのではなかろうか。ま、流石にしんどかったので、多分来期からは夕方アニメにはあまりタッチしないようにすると思うけども(ホント、視聴本数減らさないとやばいんだって、マジで)。

 今作で最も興味を惹いた部分というと、多分想像以上に作り込みが面白かったSFパートだと思う。「謎の碑文ロゼッタグラフィーに記された車型変形ロボ」の時点で意味が分からないし、別段そこに理由付けを求めようとも思っていなかったはずなのだが、タイムトラベルものの要素をもって過去と未来が錯綜した救済の物語としての骨子が浮かび上がってからは、個々の人間関係なども割と複雑になり、それを1つずつ解きほぐしていく物語は素直に興味を惹かれた。もちろん、理由付けなどは子供向けなので適当なものであるが、ちゃんとSFとしてタイムパラドクスなんかも活用しており、案外そういった方面への入門アニメとしては出来が良かったんじゃないかと思う。いや、ドラえもん観ればいいんだけどさ。せっかくだから巨大ロボががしゃんがしゃん変形するアニメでそういう素養を培うのも良いではないですか。ロボ戦はCGメインなのであっさりしたものではあるが、決してみすぼらしい印象ではない。作劇同様に作画面も1年を通じて安定していたし、長尺の作品に求められる要素は過不足無く満たしいていたんじゃなかろうか。あとはまぁ、エロ要素だよね。夕方アニメとしては破格の萌えエロ要素をぶっ込んだ英断は評価に値するのである。ここで育った若人たちが、そのまま深夜アニメに流れたり……しないかな?

 唯一残念だったのは、結局メインヒロインだったはずのりんねちゃんが最後に割とモブ扱いになってしまったこと。時空旅行をカケルと一緒に経験したあたりでは「流石のヒロイン!」と思ったものだが、それ以降はあんまりメインヒロインだから、という特別な活躍がなかった。女性キャラが無駄に多いおかげで長い尺の中でも視点は散ってしまったし、終盤の展開だけを観ていたら、間違いなくメインヒロインはハルカしゃんである。悲劇、恋愛、そして克服、全てのヒロインとしての要素が詰まっていたのはハルカさんの方。相手が俊介っちゅうのは気に入らないが、要所要所で可愛かったので良しとする。

 ま、キャラに目が行ったら後は中の人でしょうね。基本的に「麻里奈のショタが観たい」という理由で視聴を開始した作品なので、1年もの長きに渡ってカケルが活躍出来ただけでもある程度満足。これにカケルのママンまで加わり、麻里奈ファンならば是非押さえておくべき作品であると言える。まぁ、同じことは「ヴァンガード」とかそっち系の作品でも言えるんだろうけどね。なかなか手が回らないジャンルなので、今回この作品をしっかり観られたのはラッキーだったかもしれない。その他、ハルカ役の藤田咲、壮太役の田村睦心あたりが聞きどころだろうか。サトリちゃん役の清都ありさちゃんって子も悪くなかったと思うのだが、他で名前を見かけたことはないね。ここからステップアップ出来るだろうか。ゆかちは……いつも通りでした。まる。

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 さぁもげろ、第12話。ま、実質この作品は「オタクの皮を被ったリア充漫画」なわけでね。知ってた。知ってたさ……。

 Aパートは前回引き起こされた斑目インパクトのフォロースルー。いくらか晴れがましい表情の斑目と、それに対しても適度な容赦なさで突っ込んでくる春日部さんのコンビネーション。更にげんしけん全体に事後報告を行うというなかなかのシチュエーションを加え、良くも悪くも長年にわたる斑目問題は解消したことになる。まぁ、斑目からしたら人間不信に陥ってもおかしくないような結末ではあったが……あれが許されるのがサークル仲間ってことなのだろう。あの後、田中・久我山と一緒に自室に戻って、どんなやりとりがあったのだろうね。あそこの学年は優しさに溢れていて良いよね。颯爽と現れて自分の仕事を完璧にこなした咲ちゃんも無事に退場。最後までぶれない仕事ぶりは流石。あれだけの女性も高坂が相手だと考えると致し方ないと思えてくるマジック。

 そして、ややこしく拗くれた斑目・春日部間の関係性とは一転して、Bパートではこれまでほとんど触れられなかった大野・田中組にスポットが移る。こちらは相思相愛、本当に「もげろ」「爆発しろ」の言葉しか出てこないどストレートなカップルであるが、就職でお悩み中の大野さんがちょっと荒れて見せるというお話。……しょうがないよね、就活とかね、嫌だからね……学生自治会が就職や卒論のことをねちねち言ってくるとか、ホントに最悪やな。ほっとけや。

 大野さんは挫けて引きこもることこそしないが、ストレス発散先はコスプレという、面倒な人である。今作の女性キャラはそりゃぁ面倒なのが揃っているが、一番シンプルな意味でのダメ人間って大野さんなのかもしれない。現状に行き詰まれば行き詰まるほどに、逃げに向かうベクトルは大きくなるものですよ。そしてまた田中が無闇に良い奴だから、そこに依存してしまうのも仕方ない。現時点ではどちらも安定していない身の上なので将来への不安がどうしようもないとはいえ、何となく頼りにさせてしまうのが田中の人間性というやつなのだろう。あとは大野さんのご両親が許してくれるかどうかだよなぁ。まだまだ先の見えない男に娘を預けるのはちょっとねぇ。やっぱり、先に大野さんが腰掛けでも良いので就職しておくのがベストだと思うのだが……あの娘は無理だろな。とりあえず「ゆかなボイスでのろけやわがままやエロが聞ける」というご褒美プレイだけでも充分満足である。田中の中の人も、今作では近ちゃんになっているのだが、色々と中の人が被る人の良さそうな発言は心に染みるね。

 成り行きとはいえ、酒を飲んで前後不覚となった大野さん相手に事実上のプロポーズをかます田中。そしてそれを周りでやいやいいいながら見ている一年生軍団。こいつら、げんしけんに入ったおかげで色々と珍しいもの見放題だな。笹原が1年の時にはここまで刺激的で浮ついたサークルじゃなかった気がするんだけど。将来的には矢島や吉武にも同じように浮いた話が来るんだろうか。まぁ、案外矢島っちは誠実な男が見つけられそうな気もする(願望)。吉武は……相手の男が可哀想。問題は波戸君だよな。結局、最後にオチに持ってこられたメインヒロイン斑目は、失意のままに職を辞し、根無し草として後輩からも心配され、その趨勢を見守られることに。そして、そんな「総受け」体質の斑目の窮状に、波戸君は黙っていられなかったのです。……別にそっち方向のエンディングは見たくないのだが……最終話はスーで一本お話が出来るとか、そういう選択肢はないですかね?

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「きんいろモザイク」 5→5

 可愛かった。うん、可愛かったよ。少なくとも「ゆゆ式」を観ていたときみたいに禅問答のような激しい自問自答ループに陥るようなこともなく、「可愛いものだから観ていて楽しいなぁ」と思える作品だった。そして、そこから先は、特には。

 色々と質の高いアニメだったのは事実である。Studio五組も最近はすっかり「萌え作画の安定ブランド」となりつつあり、常に白みがかってほわほわした「きんモザ」ワールドは統一感があって良いデザインだったし、監督の天衝氏によるディレクションも確かなもの。この作品を売るにはこの方向が一番だろうな、というポイントを見事に射貫いた作品作りになっていたのではなかろうか。5人のメインキャラがそれぞれに独自のカラーを出し合い、素直に可愛らしさと可愛らしさが絡んだ結果の世界が構築されている。この「既にある世界を壊さない画面作り」は非常に安定しており、製作スタッフとしても、監督ほか名和氏、名村氏、佐藤卓哉監督や池端監督まで並べて、非の打ち所がない。脈々と流れ続けるきららアニメ文化の1つとして、確固たる地位を築いた作品だろう。

 ただ、個人的にはもう一押しが欲しかったところ。具体的にあげるなら、他の4コマアニメに比べて、どうしても単発ネタのぶつ切り感が強く、「ここからここまでが4コマの1ネタなんだな」というのが分かりやすい。これは悪いことではないのだが、全ての区切りをアイキャッチで固定してしまうと、どうしても統一感に欠け、作品総体としての評価がしにくい。そして、個人的に一番惜しかったのはアリスの心情面について。たとえば、忍は幼い頃から単身イギリスに乗り込むほどの金髪マニアであり、ちょっとしたことでもたがが外れる危険人物として描かれているので、アリスへの過剰な愛情は理解出来る。同様に過剰な愛情がたった1人に向いている綾のキマシ脳も非常に分かりやすく、あざとすぎるとはいいながらも、真っ直ぐな百合模様は微笑ましいカップリング。しかし、唯一アリスが忍に向けている愛情だけが、理由を持たないのである。鬼畜こけしの名をほしいままにする要注意人物大宮忍。幼い記憶を元に彼女に憧れて日本に渡ってくるところまではいいのだが、流石にあそこまでの暴走や裏切りを見てもなお、アリスが忍を偏愛しているのはどうかと思う。あれだけ浮気性(?)の主人公なのだ、アリスはもっともっと壊れていいと思うのだが、その部分だけは何故か「アリスだから」の一言で片付いてしまっていた。理由無き百合も良いものだが、過剰な偏愛レベルにまでなるなら、やはりそれなりのバックグラウンド、惚れられる対象の人間性に説得力が欲しいのである。忍は、流石に、ちょっと……。

 いや、でもこのアニメで最もオリジナリティを発揮しているのは忍である。「重度の金髪マニア」というよく分からない設定のおかげで、モラルを全てかなぐり捨ててでも萌えに走れるその才気。彼女が中心にいるからこそアリスとの関係性もヒートアップするし、脇を固める百合成分もほどよく毒気が抜けておいしく頂ける。今作で一番好きなキャラを選べと言われたら、(からすちゃん先生を置いておくと)忍ということになるだろう。鬼畜こけしフォーエバー。もっとキチガイじみた方向に行ってしまえば唯一無二の作品にもなっただろうが……その方がファンは減る気がするけども。

 ま、余計なことを考えなければ、なるようになって充分ペイのある作品だった。今作は中の人も顔出しで踊り狂う大変な作品であったわけだが、やはりそんなキャスト陣を引っ張り続けた鬼畜こけしの中の人、中の人も鬼畜でこけしっぽい西明日香がMVP。「洲崎西」の放送も同時に始まり、彼女の爆発物としての特性も存分に世間に知らしめられた現在、更なる鬼畜の所業にも期待が高まるのである。サポート陣に配された東山・内山・種田・しゅが美あたりの仕事ぶりも見事なもの。じわじわと若い世代の地固めが進んでいる印象。そして、今作で華々しくメインキャストの舞台に上がった田中真奈美。アリスから解き放たれた後、彼女がどのような活躍を見せるかも注目が集まるところである。問題なんて、何もないね。

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「神様のいない日曜日」 5→3

 一言で片付けるなら、「何とでもなる」作品である。ラノベ原作を評する時に「どうせラノベだし」という言葉を免罪符(というか諦観符?)として用いるのは私の悪い癖だが、この作品の場合、そうした諦観すら飛び越えた、一段レベルがズレた「支離滅裂さ」があった。これは、多少ならば「気にしても仕方ない」と思う事にしている身にも、おののかずにはいられない。

 既に3話感想でこの困った作品については一度触れているのだが、結局第1部「死の谷」でぽかーんとした状況は、最終話に至るまで解消されることなく終わってしまった。勝手な想像であるが、この作品の作者は「物語の設定を作ること」で満足し、「物語を作ること」を放棄してしまっているのではないか。一度舞台設定を整え、その舞台に何となく似つかわしいようなキャラクターを配置するだけで1つの作品を作ったような気になってしまい、実際に「ストーリーを語る」ことに対してびっくりするほどこだわりがない。「死の谷」の場合、「人が生まれなくなり、死ねなくなった世界」という設定を作ったところで満足し、そこに似つかわしい存在として「墓守り」というキャラクターをつくって満足した。主人公を「墓守り」の少女にしてしまえば後はその世界を少女が歩くのを黙って見ているだけで、主人公の父親が誰だろうと気にしないし、父親の生死も、世界設定に関連づけたり、少女の生い立ちに絡めたりもしない。ただ、人が旅をしている場面を書き、面倒になったら「死ぬ」という決着を付けて退場させるだけである。

 その後も「死者の街」という設定を作ったりするが、そこで何が描きたいという目的意識はないため、気付けばシステムとして導入したはずの墓守りが子を成したりするし、問題山積みの「死者の街」を通過しても主人公の少女には特に蓄積する要素がない。「時間がループする学園」に至っては、設定そのものもどこか借り物臭いし、もちろん、そこで描かれる独創的な物語なんかあるわけがない。突如現れる「能力者」なんて設定も、いかにも「思いついた舞台設定」である。とにかくキャラが思いつきで現れ、その思いつきには物語を支えるほどの説得力がないため、特に得るものもなく、自然消滅のように事切れていく。実に不可解な、お話に見えないお話なのである。この「支離滅裂さ」は、目的意識と技術次第で本当に「何とでもなる」大きさはあるが、統率者がいなければまとまるはずもない。駆け足でいくつもの世界を走り抜けた後に、視聴者に残されたのは「一体何のために歩き続けてきたんだ」という至極当然の疑問のみである。今まで散々「しょうもない話」「へたくそな話」「拙い話」はアニメ作品で見てきたつもりだが、「話にならない話」を見たのはすごく久しぶりな気がする。こういう虚無感、何か他の作品でも感じた気はするのだが、あんまり覚えてないもんだね(「神様のメモ帳」が一番近いか?)。

 とにかく、見ていると本当に「期待したい部分はあるのに」とすがりつきたくなる、非常に残酷な作品。なまじっか雰囲気を作っているだけに勿体ない部分が多い。製作がマッドハウスだったので、画面の作り方は悪くなかったと思うし、「織田信奈」の時と同じように、キャラはちゃんと可愛らしく描けていたのだが。あ、そうそう、エンディングテーマが凄く好きだったのは数少ないプラス要素か。みかこしは本当に良い曲をもらうよね。

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「ハイスクールD×D NEW」 4→5

 予定通りって、悪いことじゃないよね。この作品は求められたものを求められた通りの形で忠実に製品化したものである。そういう意味では文句のつけようはない。そして当然、そこまで求めてない人間にとっては、「そこまで求めてない作品」になるわけだ。

 今回は2期目ということで、作画の方法論も固まり、おそらく予算的な部分も1期よりは安定したものだと思われる。アニメーションとしてのクオリティは高い水準で推移し、「エロい絵をそこそこお求めやすいスタイルでご提供する」というこの手のアニメに求められたお仕事は、より高い純度で達成した。年齢制限はあるが、その制限に見合っただけのサービスが与えられて説得力は増したし、その部分に力点があったことが分かりやすい様々なこだわりは、熟練の職人集団が集まった結果の産物として充分答えが出ている。こうして見ると、本作主人公イッセーの振り切れた設定は、非常にピュアで、作品作りの邪魔にならない良い設定である。最近だと「煩悩に素直な主人公」っていうのも割とテンプレ化してきたジャンルではあるのだが、イッセーの場合はそれを実現させるだけの能力を持ち、更に上のステージを目指して世界設定まで活かしながら日々精進を忘れない真っ直ぐな主人公体質なので非常に見やすいのである。周りの女性陣も適度にあけすけなエロさで、余計なお約束を気にせずに「寸止めプレイのみ」を楽しめるように全てが整っている。2期ということでキャラが増えたことにより、賑やかさが増していかにもハーレムアニメという雰囲気が出るようにもなっている。変則的な構成で潔くシナリオの分散を受け入れたことで全体構成の縛りを気にして細かい流れを考える必要も無くなり、「こういうアニメにはこういうアニメの売り方がある」という割り切り方がよく分かる。なるほど、何事もプロに任せるのが良い、という分かりやすい事例である。

 まぁ、どれだけ「そっち系として完成度が高い」と褒めたところで、結局はラノベシナリオだからドラマとか有ってないようなもんだけども……少なくとも、「見る時に悩まずに良い」というのはこの作品ではプラス要素だと思ってもいいのではないか。最終回で繰り出されたイッセーの魂の籠もった連打など、シンプルな少年漫画ドラマでこそ活きるギャグである。結局、「ドラマとか、そういう方面でもっと質が高いものを見たい人は、別な作品を観る方が手堅い」っていうだけの話ですし。わたしゃ1シーズンに1本くらいこういうアニメがあってもいいと思います。いわゆる「紳士枠」が頑張ってくれないと、今の風潮ではどんどん腐女子向けが加速していきそうで怖いしなぁ。

 というわけで、「求めてないけど嫌いじゃないぜ!」という中途半端な感想でお茶を濁させてもらいますが、加点要素としてなら中の人の話も付記出来るだろう。今回は新キャラが節操なく増えており、若手からは内田真礼・種田梨沙・佐倉綾音などが加わった。この中でやっぱりインパクトがでかかったのはギャスパー役のあやねるだろう。ショタでも面白い仕事が出来ることが証明されて喜ばしい限り。ギャスパーは後半登場なのが勿体ないくらいに良いキャラだったと思う。あと、後半荒ぶってた明乃さん役の御前も良い。やっぱりエロいよね。リアスさんの中の人は…………まぁ、こういう仕事多いから……同じ現場に竹達・あやねるか……若い世代からの突き上げは胸囲、違う、脅威だよね。

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 二転三転、第12話。初期のあのゆるりとした空気はどこへやら、常に波乱含みの大活劇。京都はほんま、おっかないところどすえ。

 今回はもう、サブタイトルが全てを物語っている。海星の力を借りて何とか逃げ出した矢四郎。しかし、彼の力だけではこの窮状を救うことなんてできやしない。そこで彼が思いついた唯一の活路が、まさかのニセ電気ブランである。社会勉強がてら、嫌々ながら働かされていた工場の商品、これを突っ込むところはどこかと言えば、もう、そりゃぁ井戸の中に引きこもった実兄の口の中しかないだろう。家族の大ピンチを報されても情けなく困り果てるだけだった矢二郎だが、あの雪辱の夜の再来か、アルコールを注がれたことで眩きシャイニングソウル。カエルの姿から狸をすっ飛ばして大虎に至り、繰り出すはあの日の思い出、偽叡山電車である。もう、この作品の「ニセ」の自由奔放さは実に良いポイントをくすぐってくれる。総一郎の一世一代の「偽比叡山」に始まり、今回は「偽叡山電車」が滑走する「偽寺町通り」である。もう何がなにやら。

 そうなんだよ。こないだわざわざ巡礼してきたが(いや、正直に言うとその近所にあるボードゲーム・カフェに寄っただけだが)、矢三郎が捕まった「竹林亭」の元となった蕎麦屋は出町柳商店街の西側、寺町通りに位置している。あそこからは一気に南下するだけであっという間に金曜倶楽部の会合場所へとたどり着くのだ。今回金閣銀閣をいじめている間に叡山電車が爆走したのは、まさにこの寺町通りだ。御所の東を渡り、市役所の脇をすり抜けて、寺町商店街へ。残念ながらあんまり細かい操縦は出来ないので三条で止まれず、そのまま新京極方面へ向かった。おそらく、三条を越えたあたりで夷川親衛隊の手による「偽寺町通り」に入ったものだと思われる(三条交番のあたりまでは実際の景色を走っているが、そのあたりから背景がループし始める)。化かし合いの結果、5匹の狸は鴨川へダイブ! するところだったが、矢四郎の機転で何とかそれだけは回避、「寺町から飛び出して鴨川上空をホバリングする叡山電車」という、京都人でなくとも爆笑してしまう愉快な物体が、夜中の繁華街上空に現れることになる。あの飛行用の釜は矢四郎の機転だったようだが、あれはどこから持ち込んだんだろうなぁ。

 そして、拾い物の扇でちょいと扇いだ結果、問答無用の叡電ミサイル発動。不覚にも爆笑してしまった。すげぇな扇。結果として四条の鴨川べりに叡電の車両が激突するという、現実では絶対に絶対に絶対にあり得ない事態に(まぁ、阪急だろうが京阪だろうが激突はしないだろうが)。しっちゃかめっちゃかの会場で、何とか第一目的である矢一郎救出には成功する。ここでハッピーエンドならば良かったのだが、あれよあれよとことは進み、続くのは母上のピンチである。この辺りからのしたたかな化かし合いの展開は、狸と人間が入り交じった本作の真骨頂と言っても良いだろう。怪しげな術を駆使し、なおかつ隣に弁天をはべらす謎の老人、寿老人。どこまでことを知った上で誘導しているのかは定かでないが、そんな危険人物を前にして阿呆の切り込み隊長である矢三郎は、次から次へと口から出任せをはき出して何とか食らいついていく。母狸の危機、集まる事件現場、そして矢三郎自身も常に危険と隣り合わせ。そんな状況で、全てを知っている弁天は相変わらず不敵な笑みを浮かべるだけである。何とも恐ろしい女だ。

 一方、ラストステージに選ばれた仙酔楼では、辛うじて生き延びた矢一郎が、必至に立ち直って早雲と丁々発止のやりとり。事の顛末を詳らかにすることで糾弾しようとするも、したたかな早雲は素知らぬ顔。しれっと「狸の風上にも置けぬ」とかいうあたり、流石に下鴨総一郎の弟、肝の太さは大したものだ。現状、この2人のバトルは平行線であろう。矢二郎が久しぶりに顔を見せたところで、残念ながら説得力が増すわけではないのだ。勝負のターニングポイントとなるのは、奇しくも隣室に入った金曜倶楽部の面々である。あそこに母狸は幽閉されている。そして、母狸が鍋に落ちることは、夷川早雲も望まぬことなのである。策略に謀略を積み上げた権力闘争のなれの果て、早雲はかつての想いを取り戻すことが出来るのか。そして、矢三郎の一世一代の大勝負、ここで弁天や寿老人を相手に、愛する母親を助けることが出来るのか。狸VS狸に狸VS人間が絡み、それを見守るのは赤玉先生と弁天という2人の天狗。「何か恐ろしいこともたまに起こる」とさらりと言えてしまう京都の夜に、一体どんな顛末が待っているのやら。

 次週で最終回、とびきりの有頂天を期待したいところだ。おそらく次週が矢三郎の見せ場となるわけだが、なんとか矢一郎にももう一働きしてもらいたいところだね。今週も自分の不甲斐なさに涙してるだけだったから……まぁ、ヘタレ可愛いのが矢一郎のチャームポイントなんだけども。そして、今週は当然矢二郎の最大の見せ場となったわけだ。偽叡山電車の無茶苦茶さを見て、「なるほど、これは見事なキャスティングだった」と感心することしきり。普段の「井の中の蛙」の情けなくもがんちくを持っていそうな表情に声を当てる吉野裕行も素晴らしくマッチしていたのだが、「けんどちょーらーーい!」と叫んで愉快に走り回る矢二郎の晴れ姿も、やっぱりよっちんがやってこそ、という気がする。良い物を見せてもらいました。

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 「小馬座の聖衣をまとったものは必ず命を落とすという」、第72話。いや、当たり前ですやん、別にまとわなくってもいつかは死ぬだろ……いや、どこぞの乙女座みたいに死んでも思念体で元気にしてる人とかもいるから、聖闘士相手には下手な揚げ足取りは出来ないな……。

 まぁまぁまぁ、綺麗に予定調和な展開。大体先週の時点で準備したお話が滞りなく進行した。人々のために死力を尽くして息絶えたケレリス、そしてそんな彼の意志をも受け継ぎ、新たに青銅聖衣をまとう昴。ケレリスの末期のシーンで昴が泣き叫んだりせず、グッと決意を込めて聖衣石を受け取るシーンはなかなか恰好いい。そして、聖衣装着シーンの熱さはやっぱり良いですね。がぎょんがぎょんとパーツがはまっていくのは初代からの伝統だし、「昴はどんな聖衣でも決めポーズは両手突き出しなんだな」とかね。先代2人が命懸けで放っていたスーパーノヴァ・エクスプロージョンを、きちんと同じモーションで放つ昴も恰好いい(昴はまだマキシマムではないので死ぬ心配は無い)。実に都合良く聖衣が修復&パワーアップしたな、という突っ込みもあるかもしれないが、昴はどうせ神の血を引くことは示唆されているのだから、彼の本気ならば聖衣の覚醒くらいできたってことだろう。今まで特殊イベントが発生しなかったのは、星の力を宿していない鋼鉄聖衣だったせいだ(多分)。わずかな間で2回も聖衣を交換し、そのどちらも元の持ち主の意志を受け継ぐという、なかなか忙しい男である。

 味方側は王道展開をきっちりなぞっただけの話だったので、今回も笑える活躍をしてくれた敵側もチェックしておきましょう。流石に前回の撤退エンドでは恰好がつかなかったハティさん、ブランクを空けずに即復讐にやってきました。しかも、これまで色々とこすっからいことをしてきた「策士」とは打って変わって、強引にケレリスを呼び出して真っ向からタイマン勝負に挑むという男らしさを見せている。もう策略を巡らしたり物陰から見守ってる余裕もないってことなんでしょうか。でも、他の3級パラサイトもあれだけ失敗してリトライしてたんだから、もう1回ぐらい退いてからチャレンジしてもタイタンさんは怒らなかったと思うけどね(そもそも、あの人あんまり3級に期待してないと思う)。出世欲にまみれたハティさんは焦りが先んじて、柄にもない特攻をかましてしまったわだが、プライドだけは人一倍高いおかげなのか、恨みパワーをまとったハティさん、強い。前回近接戦闘の地味な攻防でボコボコにされたマッチメイクだが、今回は一方的にケレリスをなぶり者に。何が彼をここまで強くしたのか。更に、昴の援護が入っても一蹴する(まぁ、これは当然)。やったぜハティ、ダガーなんて細かいのを投げてるよりも普通のソードとして使ってた方が良かったんや! と気付いたあたりで、ケレリスさんが最終奥義を発動。やっぱり命懸けの攻撃をかわすほどの冷血漢にはなれませんでしたね。断末魔まで出世の話という、なかなか芯の通った良いキャラだったよ、ハティ。

 そして、残りのメンバーが走っていた地下通路には、コウモリのように待ち伏せするキュレーネ・グレイブ兄弟の姿が。前回は栄斗1人にいいようにやられるという、3級の中でも格別の3級感を出していたコンビなのだが、何故か知らないが格段に強くなっているらしい。聖衣がボロボロの光牙や栄斗が苦戦するならまだしも、エデンや蒼摩も一緒で苦戦するのはどうなのよ。あいつらが強いとはとても思えないのだが。そして、飛び込んできた新生聖衣の昴が更に相手の「最終奥義」を吹き飛ばしたという。つまり、現在の戦力状況は、昴>3級2人>青銅6人。どんだけだ主人公ども。いや、ひょっとして昴がそんだけ強くなったってことかい? いやいや……しょせんブロンズだしな……。ひょっとしたら、昴が戻ってくるのを分かった上でエデンが時間稼ぎのためにぼ〜っとしていた可能性が? ないな……。

 まぁ、とにかく昴が新たな聖衣を引き継いで正式に青銅軍団の仲間入りを果たし……たかどうかもまだ分からない。今回は3級パラサイト戦の途中で来週へ続くという珍しい構成だが、どうも、まだ小馬座聖衣は昴に馴染んでいないようである。ケレリスから引き継ぐだけでも大仕事だが、どうもケレリスの話を聞くと、彼が先々代小馬座から聖衣を引き継いだのも割と最近のようである。こんだけ短い間にひょいひょい主が変わってしまったら……そりゃ聖衣だってやさぐれるかもしれん。選ばれし者しか着られないっていう聖衣の設定はどこにいった。水瓶座聖衣と共に葬り去られたかな。そういえば、先々代小馬座からケレリスが聖衣を引き継いだ日は、パラスがパラスベルダの制圧を果たした日のようなのだが、あんだけ大々的に都市1つ制圧されて気付かなかったアテナ軍ってのもどうなんだろうと思った。いやいや、忍者の里じゃないんだから、流石にあれだけの城塞都市が征服されたら誰でも気付くだろうに。んんでパラスベルダだの存在はアテナが命を削るまで気付かれていなかったのだろう。謎である。

 次週、ようやく黄金に動きがあったようで、しゃきしゃき暴れるハービンジャーさんに期待。また、何故かしらんがラキちゃんが久しぶりに登場? 「2つの聖衣」って、小馬座ともう1つが誰なんだろう。話が動きますかねぇ。

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9月20日 ドラフト模様(DGM,GTC,RTR

ピック順 【Alessi】→【Mei】→【Metallica】→【Serra】→【Ebi-chiri】→【Thraxi】→

 

 環境最終回ッ! 終わり良かった人は全て良かったかな? 心残りはなくなったかな? まぁ、そもそも出席できなかった奴なんかもいたけども……、私は心残り有りまくりだよ! 苦手意識は次の環境に持ち越したくないね!! 覚えてやがれ。

 次週はいよいよテーロス突入である。エビチリ先生が興味を持っていたので、また7人になるかも。加えて、既に開催場所の状況があやしいので、スタート時間は割と遅くなる可能性があります。覚悟してご来場下さい。

 


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「犬とハサミは使いよう」 5→4

 京まふのイベント記事のところでも書いたけど、実は案外嫌いじゃなかったこの作品。こういうのを評して「愛すべきクソアニメ」っていうんだと思う。なんだか5〜6年前にありそうな典型的な「誰が買ってるんだコレ」っていうラノベ原作のアニメ。男GONZO,ここにあり。

 本当に中身はしょうもない。思いつきで作られたキャラクターの個性、設定だけでお話をゴリ押しするので、中身に説得力は無いし、展開は突飛なのでついていくのも大変。ついていこうと思ったら、真剣に頭を空っぽにして「うはぁ、麻里奈可愛いなぁ」とか思いながらキャラのディティールにだけ目を付けて見るしかない(キャラ全体を捉えようとするとどうしようもない破綻が生まれる)。アニメーションとしても残念ながら強くお勧め出来る部分はあまり多くなく、キャラ造形が合わない人は基本的にアウトだろう。そういう意味では、最近の作品で一番近いのは「ニャル子」なんじゃないかって気がする。こじつけ臭いが割と共通点が多く、「キャラ萌え、特殊な性癖のエロ押し」というのは基本だし、話に脈絡のなさも一緒。ニャル子の場合はキャラの可愛らしさで勝負するが、この作品は「犬のモフ可愛らしさ」も勝負の一手。キャストたちもしきりに褒めていたが、確かに今作主人公の犬姿はかなり可愛い。「ここまで犬の犬らしさをしっかり描いてるアニメは無いよ!」(by千和)とのことで、犬好きならばその愛くるしさを見るだけでも価値はあるだろう(まぁ、中身が男子高校生であることに目をつむれば、だが)。そして、なんと言ってもオープニング。特に注目されてないけど、非常に良い伝統に則った電波ソングだと思うんだけどね。間奏で飛び交うキャラどうしの掛け合い(言いたい放題)も実に賑やかだし、曲自体も訳が分からなくて楽しい。こういうところが評価出来るのだから、割と受け皿は広かったと思うのだけどね。

 でもまぁ、「そういう楽しみ方を受け入れられれば」というのは事実であり、流石に知り合いに勧めたりはしないかな。ひとしきり「どのキャラが好き?!」とかで盛り上がれるような下地もないし、何よりストーリーは面白くないし。「本好き」っていうのを前面に押し出して話を作っていたけど、これ、別に読書家が主人公じゃなくてもいいんだよなぁ。トンデモ作家バトルとか、捻れば「作家がメインヒロインである意味」をもう少し出せたような気もするのだが……あんまりそういう部分に期待するもんじゃないね。

 結局、最後まで特に不満もなく見られたのは、期待度の高いキャストの功績が大きい。メインパートを麻里奈・御前・アスミス・千和などで固め、その隙間に芹澤優・加隈亜衣という期待の若手を挟み込んだキャスティングは、実に華やかで様々な楽しみ方が出来る。特にシャイニー役の芹澤優ちゃんは、形はどうあれソロシンガーとしてもデビューしたわけだし、ここから上手く時流に乗れれば若手では頭一つ抜けられる可能性もある。是非頑張ってほしい。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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