最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「バクマン。(第3期)」 4→4 真白も髙木も、自分のヒット作の主人公のキャストまでやってるなんて、大変だよなー……そこは別な人起用しなかったのね。まぁ、阿部敦・日野聡のダブルヒーローのアニメならそれなりにニーズはありそうだけどさ。 さて、めでたく終了しました、6クールにも及ぶ長尺作品である。分割で3期に分けての放送とはいえ、これほどの長さは最近の(夕方以降の)アニメでは本当に珍しい。一体何がそこまでこの作品を長続きさせたのかと考えてみても、あんまり思いつかないのだよな。「メジャー」ならばNHK教育でスポ根ものっていうので分かったけど,こっちの作品の場合、あんまり教育的に良いものばかりでもないし、やたら金の話になるし。ジャンプ漫画なんだからそりゃ売り上げも大したもんだろうが、そこまでアニメを熱望されていた作品とも思えないしね。まぁ、どういう背景であれ、無事にゴールイン出来たことはめでたいことであろう。最初から最後まで基本的に作品クオリティは維持されていたし、大きく原作イメージを損なうこともなく、「原作に従ったアニメ化」としては充分及第点の出来だったんじゃなかろうか。七峰編カットっていうのは個人的には残念な判断だったんだが、まぁ、こればかりはなぁ。尺の問題もあるし、倫理的な部分でやっぱり七峰って教育向けじゃないからね。 あとは原作の中身についてあれこれ言うのと同じことになるのであんまりアニメについて語る意味は無い気もするのだが、しいて3期目の特徴をあげると、作中世界の価値観が定着してしまっているせいで、もうアンケート順位とか発行部数とか、そうした「パワーの値」がどんどん形骸化して、あんまり盛り上がりに繋がらなくなってしまったことが気になった。1話の中で「今週何位でした!」って言ってるだけで終わったときとかあったしな。そういう方法でしか表現出来なかったものなんだけど、やっぱり「頑張って夢に向かっている若者の物語」としては無味乾燥で味気ないものになってしまった気がする。もう少し他の尺度、つまりアニメにして画面映えするようなものがあれば中盤にももう一山作れたと思うのだが……まぁ、題材が題材だから難しいよね。あと、やっぱり声優云々の話とか、漫画だと分かっていても若干引く部分がございましてね。なまじっかリアルめいた題材なもんだから、そういうところで典型的な少年漫画ご都合主義が展開されるとどうにも据わりが悪い。スキャンダル中の声優の生ラジオで誰とも分からない視聴者からの電話繋ぎって、ラジオスタッフの首がどれだけ飛ぶか分からんぞ。 ということで、トータルでみると、内容的には1期、2期よりも素直に盛り上がりにくい部分は増えたかな、というのが総合的な印象だ。まぁ、強くなってきた主人公が無双し始めると嘘くさいってのは仕方ないことだけどね。大きく加点される要素も無いので、最終的にはこれまでと同じくらいの評価になるのです。あ、でも前半のオープニングはホント好きだった。最終回でラストテーマが「もしもの話」だったのは嬉しかったです。 「そして輝け」って言われるとやっぱり「ウルトラソウッ!」って言いたくなるよね、第51話。一応「最終話」って言った方が良いのだろうか、とにもかくにも、1年間の激闘にひとまずの幕引きである。長らくの戦い、お疲れ様。 最終エピソードというと、後日談、エピローグに時間を割いてほしいな、というのが基本的な方針なのだが、流石に今回はエピローグとかやってる余裕は無い。30分で最大の怨敵であるアプスをぶっ倒さなきゃならないわけで、正式なご対面は今週が初ってんだから何かと忙しない。いや、やってることは単にお互いに言いたいことを言い合ってるだけなんだから大した中身では無いはずなのだが、1年間も色んな人間を手玉に取ってきたアプスをこれまで地味だった光牙が倒すためのセッティングは本当に色々と大変だ。マルス戦が2週あったのにアプス戦が1週で終わるのはどうやねん、という気もしたのだが、考えてみりゃアプス自体は存在として姿を現した期間がかなり短いので、あんまり踏ん張られても仕方ない部分はある。30分たっぷりバトルしてくれたんだからこれはこれで満足行く結末だったのかもしれない。何しろ画が凄かったからな。5人のパワーを一つに合わせたあたりから光牙の右手が「線画かよ!」ってレベルの尖った演出になっており、そこからモノトーンの荒々しい線画で展開される最後の殴り合いパートは、とにかく「殴りつけること」にこだわり抜いた今作らしい、最大の見せ場になっている。決め技が流星拳ですらないからな。凄まじかったです。 基本的には、光牙の人生はアプスによって産みだされたようなものなので、2人の会話は「父と子の対話」みたいな空気で展開していく。アプスがこれだけもめた後なのにまだ「闇に帰ってこいよ」と誘う構図は、あれだけの反抗期を迎えたのにメディア様がまだエデンを可愛がっていたのにも似ている。前回星矢が光牙の中の闇成分をぶっ飛ばしてアプスが単体で覚醒したんだから、元々ただの人間であるはずの光牙から闇はすっかり抜けきったのかと思ったのだが、長年のつきあいで闇も定着していたのだろうか、アプスが揺さぶると光牙のガングロが一瞬蘇ったりもした。しかし、そこは流石に憧れの沙織さんの眼前である。光牙さんはアプスのやりたい放題に怒り心頭であり、何が何でも対抗するという意識を明確にした。おそらくアプスが抜けて光りやすくなったのだろう、光の小宇宙を燃やし続け、ジャンプ作品の定番「みんなの力をオラにくれ」モードへ突入。仲間達の力を合わせ、ついにアプスに一撃を見舞った。 全員のパワーをもらった一撃で粉砕もされずに平気で立ち上がってくるのはやはり空気を読めないアプスさんらしいタフさだが、普通なら一撃で使い切る気がする友情パワーは光牙の右手に宿り続け、そこからは小細工無しのガチタイマンへ突入する。光牙が5人の名前を呼んで感謝するシーンは、ちゃんと出会った順に名前を呼んでくれたのでちょっとホッとした。やっぱり友情レベルだと蒼摩をトップにおいて欲しいもんな。これで最初に呼ばれるのがユナだったりしたらみんなグレてるとこだ。ちゃんとみんな光牙の名前を呼んで応援していたわけだが、そういやエデンだけ呼び方がずっと「ペガサス」なのね。まぁ、確かに自己紹介してなかったかもしれない。ちなみに、各人に対応した激励コメントは蒼摩が王道中の王道、炎属性「燃えろ」、ユナが自分のキャラに合わせた風属性「羽ばたけ」、水の龍峰は「わき上がれ」、栄斗だけちょっと違和感があるが「超えろ」、そしてエデンは雷なので「轟け」だ。光を持つ光牙は「そして輝け!」である。この辺はきちんと決まってたと思う。一年前に「属性とかwww」ってなってたのが懐かしいですね。もう、みんな属性どうしの相性とかいう設定思い出そうともしないけど。 最後はアリアのサポートも受けつつ、光牙は自分にしか出来ない方針でアプスと対峙。それは「元々俺も闇なんだぜ!」という同族パワーを活かすという方向性。その上で、闇を憎み、忌避するのではなくて「闇を認めつつも光輝くぜ!」という光と闇のハイブリッドな光牙の人生そのものをたたき込んだのだ。上述のような特大インパクトの壮絶ゲンコツ動画は、まさに光と闇の合わせ技一本。相変わらず理屈は分からないが、この一撃がアプスを叩き潰し、沙織を無事に地上へと戻したのであった。「沙織さんは先に行ってくれ! みんなが待ってるんだ!」「光牙!(……いや、でもわたし、あの人らとはほとんど初対面みたいなもんなんだけど! なんか変な忍者とかいるし!)」 アプスの闇は消え、火星の接近も解除。アリアの最後のエネルギーによって、地球の崩壊は次第に修復され、みんなの魔傷も回復して全てが丸く収まった。もちろん、死んでしまった人たちは帰ってこないだろう。降り注ぐアリアの光の中で映し出されたのがマルスとソニアの亡骸っていうのがちょっと切なかった。多分冥界のシラーさんとか時間の狭間の時貞にまでは光は届かないだろうけども。あれ、パラドクスさんはどうしたんだろうか……。そしてもちろん、光牙も地上へと帰還を果たした。次の世代へ小宇宙を受け継ぐために。 一切最後の説明は語られないが、とにかく大団円な雰囲気は分かる。こうしてみると、だらだらエピローグをやられるよりも後味はよいのかもしれない。どうせ来週色々と説明はあるんだろうし。ただ、もう少し細かくこのシーズンの後片付けを見てみたいなぁ、というのもあるんだよね。それこそパラドクスさんのその後とかさ。あと、基本的にはお調子者だった星矢がどういう立場で十二宮に帰還するのかも見てみたい。ドヤ顔で黄金聖衣を着てる貴鬼を見たら絶対にいじりたくなると思うんだけど。まぁ、平和な世界での様子は来週ちょっとでも見られることに期待しましょう。 そして最後に感動してしまったのは、次回予告のナレが星矢から光牙に引き継がれたこと。まだ新しい声での「君は、小宇宙を感じたことがあるか!」には慣れない感もあるものの、次の鋼鉄聖闘士編に向けて、ちゃんと世代が繰り下がったんだなぁ、というのが分かってしみじみする。多分、光牙の中の人もこの台詞を言えたのは感無量なのではなかろうか。 「琴浦さん」 5→5 今期ダークホースとなった一本。放送前に欠片も期待していなかったことは1話目の感想の時に書いたが、衝撃の1話からあとは下がる一方だろうと高をくくっていたのに、意外にもそこまでテンションを落とすことなく、1クールを走りきったのである。 最大の誤算は、「どうせ1話目の衝撃展開が終わったら、あとはずっといちゃいちゃしてるけだろ」と思ったら、意外にも中身があったということ。基本的には琴浦さんの能力によるトラブルというくくりで良いわけだが、「真鍋が琴浦さんの心を開く」→「森谷によるいじめからの琴浦逃走、捕縛劇」→「琴浦さんの能力による通り魔事件の捜査と危機」という風に、ちゃんと物語の方向性にはバラエティがあるのである。もちろん、そうしたプロットを包み込んでいるのは、真鍋との激甘ラブラブストーリーなわけだが、単なる「ユル萌え」ではなく、真鍋の男前っぷりや琴浦さんのちょっとした弱さ、優しさを出すためにシリアスパートが適度に手綱を握っていた印象。昨今、萌えものにシリアスが入るだけで拒否反応を示すなんて事例も起こっているらしいが、今作のように「とにかく2人の関係性を描くため」という明確な目的意識の下でシナリオが構成されているなら、狭量な人たちも一安心であろう。 もちろん、だからといってすげぇ面白かったかと言われると、そうは思わない。あくまでも原作のユルさ、ショボさは変わらないわけだし、やってること自体は非常に陳腐なもの。最低限与えられた素材を魅力的に見せるために、アニメになるに際して最大限にプラス方向に揺り動かせたんだろうな、というのが正直な感想である。太田監督の安定した仕事ぶりには感心するしかないが、これが「ゆるゆり」や「みつどもえ」より上に行くかと考えると、まぁ、よくてトントンといったところ。ギャグメインで見せる作品ではないので瞬間風速は出ないため、そこまで大きなインパクトがあったとはいえない。 今作を評する上で忘れていけないのは、やはりキャストのお仕事であろう。当然真っ先に出てくるのは琴浦さんの中の人、金元寿子である。また新しいひーちゃんの看板キャラが出てきたことによって、そろそろ諸々のイベントで「侵略?」とか言われなくなってくるだろう。流石にゲソとピカリンじゃんけんばかりを求められるのは可哀想だし。まぁ、今作で何が求められるかと言えば……エロス? そして、周りを取り囲む面々も良い仕事が多く、もう1人の主人公である真鍋を演じた福島潤の立ち位置は絶妙。昨今の男性主人公の中では珍しく、男女ともに敵を作らない、真っ直ぐで恰好いいキャラに仕上がっていた。もちろん、部長役の花澤、室戸役の下野あたりも安定のお仕事。森谷さん役の久保ユリカについては、「マジでこの人がラブライブのかよちんなのかよ!」と驚いた。若いくせにやりよる。そして、個人的に嬉しかったのは最後のクライマックスを作ったあの犯人役での渡辺明乃のお仕事。やっぱり変幻自在で良い声だよなぁ。こんなに便利で達者な声優なのに、今ひとつ地味なスタンスなのは何故なのだろうなぁ。 あ、そだ、この作品のもうひとつの功績があった。「福浦さん」が面白かったこと。一瞬話題になって盛り上がったけど、あのあともちゃんと毎週細かくあらすじの更新してたのが偉い。「(球宴には選ばれなかった……)」とか「エースにあるまじき投球をしていたことがばれてしまい」とか「勝ち星を付ける約束をするが、なかなか付けることが出来ず……」とかな。今年も無事、開幕戦で勝ち星つかずの善久君。誰が興味あるんや、こんな話題! 「幕末義人伝 浪漫」 4→2 で、結局これって何だったんでしょうね。そりゃまぁ、途中で切っちゃっても据わりが悪いから最後まで見るには見たのだが……ひょっとしたら今期一番「なんで見てるんだろう」と悩んだ作品かもしれない。 基本的には、スタート時に想定した通りの作品。ベタな脚本に、江戸時代ルパンとでもいうべきキャラ設定、そして、そこからちょっとずらすことで何かを狙った風な変身ヒーロー設定など、およそ企画がどのように固まっていったのかは想像に難くない。そして、その枠を飛び出すことは徹底的に回避しており、どこかで見た展開にどこかで見た演出を当てはめ、どこかで見たようなキレの悪いエンディングを迎えたのである。……残念ながら、褒める部分は見あたらない。これを求めていた層が現代日本にいたのかと問われれば、「少なくとも私は知らないし、おそらくいないと思う」と答えるしかない。パチンコアニメってのは本当に謎が多いのよね。 こうした「箸にも棒にもかからない作品」というのは、「まぁ、それでも映像は悪くなかったし」というフォローを入れることが多く、たとえば「問題児が異世界から〜」だって筋立てで言ったらコレと大して変わらない。ただ、あちらは一応黒ウサギが可愛かったとか、そういう加点要素を見込んでギリギリ維持する部分はあったのだが、いかんせん古めかしいモンキーパンチ原作絵では、現代人はなかなか萌えられない。幼子の方がまだちょっと可愛かったか。峰不二子ポジションの阿国とかに盛り上がる要素がほとんど無いのである。一応、阿国の中の人の仕事が面白かったとか、相変わらずのキタエリだったとか、そういう中の人要素で加点するパターンもあるのだが、正直、この作品をそれで加点してしまうと流石に際限なしになってしまう気がするのでやめた。つまり、減点要素のみが残った。ギャグがね、ことごとくスベるんだよね。……うーん、まぁ、こういうのがたくさん作られた時代もあったんだしね、1期に一本ぐらいはね。……いや、たくさんはないな……。あ、オープニングは好きでした。 封切り日に観に行きました。別に先着入場特典があるとかいう事実は全然知らず、たまたま日程的に都合が良かったし、「まぁ、ゆーてもそんなメジャーアニメじゃないし、初日でもそこまで混むことはないやろ」という目算もあっての、いつにない素早い行動である。まぁ、ぶっちゃけると、そんだけ大好きなんですよ、「いろは」。ちなみに、5人のヒロインからランダムで配られるらしい特典のイラスト色紙は、なんと巴さんでした。俺的には大当たりだよ! ひゃほう! まぁ、出来たら5枚コンプしたいくらいだけど、流石に無理だからとりあえずはこれで充分満足。
<以下、別に大ネタがあるわけじゃないけどネタバレを含みますので未視聴の方はご注意下さい。ついでに、以下の感想はとにかく「花咲くいろは」が大好きな私が書くものですので、面白いかどうかの参考にはあまりならないかもしれないことも付記しておきます> 「ビビッドレッド・オペレーション」 6→4 毎週感想を書いてきたものなのでまとめる要素は少ないが、改めて総括すると「おもてたんと違う」。まぁ、何事も先入観を持って見始めると良くないな、という戒めである。 まず、1話感想を読み直してみると、開始直後は「これは戦隊アニメだ」と思っていた。ということは、戦隊ものの中で繰り広げられるお約束の諸々を楽しみにしていたわけだ。実際、気合いの入った変身シーンやど派手なバトルアクションが1話では目を引いたのだし、これに萌えもののエッセンスを掛け合わせた新たな時代の戦隊ものが作られることを期待した(まぁ、それってプリキュアじゃねぇかって話もあるのだが)。しかし、回を重ねるにつれて、だんだん変身バンクの扱いがなおざりになっていった。それだけでなく、アローンとの戦闘要素自体がなおざりになっていった。これではせっかくのパレットスーツも合体ギミックも持ち腐れである。要所要所で面白いものは出ていたと思うのだが、いかんせんそのウェイトが軽すぎて、入れ込むモチベーションになりにくかったのは完全にミスだったと思う。戦闘に力が入らないとなると、戦隊ものに残された要素は「お約束の勧善懲悪路線」ってなことになるのだが、こちらも敵キャラのセッティングに失敗した感がある。カラスさんの無茶な敵対要素はシナリオ全体が破綻しているように見えてしまい、そこまで思慮の無い女子中学生が戦う相手としても、あまり相応しいものではない。れいちゃんを巡ったややこしい善悪の判断と友情を絡めるならば、それに抗する敵対勢力は、極力分かりやすい存在にすべきだった。それこそプリキュアみたいに。 メインシナリオに難が出てしまうと、残る要素としては高村監督頼みの萌え要素。つまり「百合」と「尻」である。こちらのファクターについては割と良かったはずなのだが、やっぱりキャラの造形というのはシナリオラインがあって初めて形作られるものである。心情が追いにくかったり、とってつけたような行動に出てしまうキャラたちでは、どれだけそこに萌え要素でドーピングしようにも、没入度が違う。同じ高村監督の「ストパン」の方は、キャラが多いにも関わらず破綻が無く、シンプルに楽しむことが出来たのは、やはりシナリオが分かりやすく、そこで生きている各キャラクターの個性が見やすかったおかげだと思う。今作の場合、不安定なメインシナリオを回すために時間を取られ、個々のキャラクターにまで時間を割けなかった印象がある。おかげで百合要素を推すにしてももう一歩、というところである。すると、残った要素は「尻」だけになってしまう。まぁ、ここはね。 というわけで、この作品は「股間からご来光を拝むアニメ」という結論になった。うーむ、唯一無二ではあるが……ストパンのズボンでも代用が利くからなぁ。ストパン見直せばいいと思う。一応中の人絡みで今作の功績を最後にフォローしておくと、1つは当然内田真礼の良い起用方法だと思うが、最大の功績は村川梨衣の発掘だろう。ん、まぁ、埋もれさせといた方が良かったんじゃないか疑惑もあるが……声優業界にまた新たな爆発物が誕生したのは、この作品のおかげ。りえしょん地獄の幕開けだ。 「gdgd妖精s」 5→5 安定の2期目と見るか、挑戦を続けた2期目と見るか。1期ですぐにファンになってしまった身としては、大きな変化を加えた今期はどちらかというと挑戦したシリーズだったと思うのだが、正直言うと、その挑戦はユーザーが求めていた方向だったのかな、というのはちょっと疑問であった。 今期ももちろん、ぐだぐだが売りのアニメなのだから基本的にはぐだぐだ。メンタイやアフレ湖も健在だったし、次回予告のひどさも相変わらず。オープニング、エンディングもバラエティに富んで毎回飽きない工夫は随所にちりばめられていた。ただ、今期のメインボディとなっていた部分の1つに4話あたり(うろ覚え)から始まったタイムパラドクスネタなんかがあり、ぐだぐだと言うにはちょっと頑張り過ぎたギミックもかなり盛り込まれた。新キャラもごく自然に3人増え、最初にネタにしていた「○○登場!」がネタでなくなってしまい、場所によっては妖精6人体制が基本になっていた。エンディング映像も、どうやらニコ動界隈でコンペを行ったらしく、制作陣のこだわりというよりも、ファン有志による披露試写会みたいになっていた。様々なギミックを多重に仕込んだ結果、ファーストシーズンの持ち味だった徹底したユルさが影を潜め、強く「笑わせるネタを仕込みたい」という意図が見えるようになってしまった。もちろん、こういう方向性は労力がかかっているわけで、楽しみが増えたと感じる視聴者も多かったと思うが、個人的には初期の雰囲気が好きだっただけに、なんだか無理をしているように見えてしまった。 まぁ、タイムスリップのギミックやその他小ネタには2期目であることの利点、つまり1期のセルフパロディなんかも含まれていたのでやっぱり楽しい部分は多いのだが、どうしても慣れが生まれてしまった部分はインパクト重視のギャグとしては振り切れないものがあり、アフレ湖は1期に比べるとちょっと物足りなかった気がする。ピク父の映像が完全に内輪向けになっていたし、房子ほどのインパクトのあるネタもなかった。素ピーカーもあんまり面白さがなかったしなぁ。同時進行で、今回抜けた脚本の石館さんが繰り出してきた「直球表題ロボットアニメ」があったおかげで、新鮮さの対比が出てしまったのもなんだか。 まぁ、ここまで文句を言ってても毎週笑わせてもらってたんだけどね。1期が好きすぎてちょいと高望みをした部分はあります。相変わらず中の人への無茶ぶりなんかは絶好調だったし、このまま本当にぐだぐだしてもらえれば別にいいや、という気も。 「しろくまカフェ」 5→7 終わってしまうことが未だに信じられない作品。いや、ぶっちゃけ1年の長丁場を放送し続けた方が脅威だとは思うのだが、すでにこの1年で生活の一部になってしまっただけに、「しろくまカフェ」の無い木曜日なんて信じられない。しろくま君に締めてもらわないと木曜日が終われない、そんな身体になってしまった。 改めて思い返しても、本当にどうでもいい世界だ。あり得ないくらいに理不尽な世の中だ。動物たちが我が物顔で闊歩する「普通の町」の光景は、どこまでもほのぼのしているせいで、その裏に隠された狂気がより鮮烈に感じられる。1年かけてゆっくりとピースがはまっていき、広い世界の全てが動物ワールドで満たされるまで、ただただ見守るしか出来ない自分の存在がとてもちっぽけなものに感じられる。もう、この世界は手の施しようがない。しろくまカフェはあるんだ。ラマさんの小学生時代はあるんだ。常勤で動物園に勤めるとシンガポールに転勤しなきゃいけなくなるんだ。全て、当然のことになってしまうのである。 もう、この世界に一度でも「いいかも」と気を許したら、そこからは土足で人の心に踏み込んでくる。どこまでも馬鹿にしたような話を、どこまでもゆったりと。確かに世界はサザエさんやちびまる子ちゃんに匹敵する「日常もの」であるが、その端々に伺える笑いの種は考え始めたら気が触れてしまいそうなカオスに満ちている。考えたら負けの世界なのだから、むしろ「考えずに観られること」を幸せに思うしかないだろう。全てを諦めれば、パンダ君は可愛いし、ラマさんだって愛らしい。グリズリーさんとシロクマさんは本当に男前だし、メイメイもパンダママも魅力的な女性キャラじゃないか。あとは、そこにある「日常」をたっぷりと堪能するだけである。 つくづく私は動物に弱いんだろう。そして「日常もの」に対するハードルも無闇に低い。そうした要素が全てプラスの方向に働いてしまい、今作は本当に大好きな世界だった。日常ものの辛いところは、何気なくフッといなくなってしまうために、最終回を迎えた時の喪失感が段違いなのである。「ひだまり」なんかも辛いところだが、日常に何一つ変化を与えないこの世界とのお別れは、より一層信じられないのである。常勤パンダさん1人との別れでもあんなに泣けたのに、いきなりパンダ君たち全員と別れなきゃいけないなんて、こんな辛い話も無い。真剣に、また春から録画していた分を1話ずつ流して心の平穏を保ちたいくらいである。 いやぁ、本当にいい世界だった。「2クールだと色々やれていいよね」っていうのが今期よく書いてる部分だが、そりゃ1年使えれば、どれだけ些細なことでもじっくりゆっくり出来る。パンダママとエゾリスママが2人してヤマアラシのコンサート観に行く話とか、ほんとどうでもいいし、オチもなにもねぇのに、それだけでいい。好きなキャラクターは、多分ほぼ全部。愛らしさでいうとメイメイだけど、渋いグリズリーバーの客たちだって同じように好きな気がする。やっぱり中の人で遠慮無くふざけてくれているのが大きいよなぁ。最初は「やり過ぎだろ」と思っていた無茶なキャスト陣も、もうこの布陣しかないっていう完成度になっていたからなぁ。多分、ペンギンさんは神谷キャラの中でも何か良からぬ金字塔を打ち立てたと思うよ。なかなかいないもの、あんだけ苛つくヤツ。ペンギンって地上でも最大級に可愛い生き物のはずなのに、ペンギンさんだけはムカつくのである。他にも、終盤になって「ここで石田彰かよ!」とか、最終回直前になってグリズリーママでひとネタかまして度肝を抜いてくれたり、本当にサービス精神に溢れるキャスティングであった。 是非、このままの勢いで、2期と言わずにサザエさんなみの長寿番組として復活してほしいものである。もう、NHK教育とかで放送を始めたらいいんじゃないかな。「日常」だって出来たんだから、これも問題ないやろ(次回予告は適当にいじろう)。 「絶園のテンペスト」 5→6 多分コレが今期最後の「2クールあって良かったね」枠。「新世界より」や「ロボノ」ほどではないが、最序盤はなかなか目的が見えてこずにしんどい思いをした作品だった。しかし、左門さん登場後はじわじわとその空気が変容し、なんかよく分からないニッチな方向での面白さが開眼した。一体どういう形容が正しい作品なのかよく分からないが、「屁理屈言い合いアニメ」とでも言えばいいのだろうか。世界の命運を握っているのは事実なのに、本当にどうでもいいことに心を砕き、周りにいる人間を徹底的に見下し続ける愉快な高校生のお話である。 「ガンガン連載」ってことで最初に魔法飛び交うファンタジーが出てきた時にはちょっと抵抗があったのだが、実際にこの作品で重要なのは魔法のドンパチバトルではなかった。もちろん「はじまりの樹」「絶園の樹」という大きな存在があるのでエフェクトバリバリの超能力バトルも大事な部分ではあるのだが、この作品の場合、そうした直接的な衝突を迎える頃には、およそ勝負がついてしまっている。最も時間を割いた吉野・真広・左門さんの三つ巴ぐだぐだ口論はほとんど武力が影響していないし、その後に登場した最大級の力を持った絶園の魔法使いが羽村っていう時点で真面目に戦う気が無い。史上最大の攻防になるはずの「はじまりの姫宮」葉風対「絶園の魔法使い」愛花の戦いだって、ほぼ語り合いだけで直接的な武力衝突はそこまで大きなものになっていなかった。基本的に「人ならざる超越的存在」との対決を描くお話なので、試合前から結果が分かっており、努力や根性ではどうしようもない場面しか無いのである。 そう考えると、いわゆる「ガンガンの漫画」とはちょっと毛色が変わってくる。ファンタジーだろうがスポーツだろうが、最終的に少年漫画の主人公なんて根性で成長を築いていくものだろうが、この作品の場合、主人公として設定されている吉野も真広も、登場時からキャラクターがあまりにも完成されているのである。いや、人としてはまだ未熟な部分はあるのだろうが、本人達にそんなつもりは一切無いし、キャラクターの描かれ方としても、この2人は誰がどう説得しようともてこでも動かない不動の存在として時間を止めている。そうなってしまうと、あとは成長性ではなく、それらのヘンテコキャラクターを使ってのプロットで勝負するしかない。その結果が、謎の恋人探しゲームだったり、時間を遡っての殺人捜査だったり、最終的には恐ろしい「樹」による末法思想だったりするわけだ。色々と捻くれているが、このシナリオラインは、色々と不意打ちが多くて素直に面白かった。そして、気付いてみればあれだけ不動の存在だったはずの吉野達も、最終回ではきちんと一回り大きくなっているのである。何とも不思議で頑固なキャラクターたちだ。 キャラがひねてて「動かない」ということは、その「固定されたキャラ」によほどの自信が無い限りは回せない設定だと思うのだが、本作はそういう意味では割と頑張っていたと思う。吉野と真広のとてもじゃないが高校生には見えない達観ぶりもそうだし、それに輪をかけて全てを悟っちゃった愛花のキャラも強烈。幸い葉風はこれよりもなんぼかまともなので、多分一番「成長物語」風だったのは葉風だと思うが、それでもとんでもない力を備えた姫宮には違いない。こんな連中を相手にしていたら、そりゃ左門さんだって心労でぶっ倒れてもおかしくない。左門さん、ほんと頑張った。だって、あと周りにいるのってフロイラインだろ、潤にぃだろ……うん、俺だったら全てを諦めて始まりの樹にスルーパスするレベル。中盤以降はこういう濃いキャラクターがドタバタしてるだけで何となく楽しかったものな。 よくもまぁ、これだけとりとめもない作品を、うまいこと魅力を抽出してアニメ化したものだと思う。左門さん同様に、本当に面倒くさい連中の面倒を見てくれたスタッフの頑張りはお見事。シェイクスピアを中心としてどこか戯曲的な演出も多く、最初は「なんか変な臭いがするな」と思っていたものだが、最終的に愛花の存在が確立する段になって、ちゃんとそうした演出方向にも意味が出てくる。1つ1つのパーツがきちんと考えられていることがよく分かる、実に良心的な作劇だったのではなかろうか。やっぱり安藤監督、好きですわ。さぁ、「いろは」の劇場版を観に行こうぜ! |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧 |