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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「イクシオンサーガ DT」 5→5

 今期最後に感想を書くのがこれってどうなのよ(一応「直球表題」は残ってるけども……)。でもまぁ、半年間楽しませてもらいましたよ。監督が最後の提クレ横で書いてた通り、あと半年やってもらっても全然構わないくらいに。

 結局、「もっとずっと高松&大和屋作品」という以外に表現のしようもないアニメ。何から何まで全ておふざけで構成されており、一度たりともその手を休めることはなかった。考えてみりゃ、こんなくだらない(褒め言葉)ギャグで、飽きもせずに延々半年やり続けるのってけっこう大変だ。「銀魂」なんかは原作があってそれを使っているのだから労力は少なかろうが、こっちは完全にアニメオリジナルである。よくやりきったものだと心底感心する。別の言い方をすると、心底アホだと思う。企画とか脚本会議とか、楽しかっただろうなぁ。あと、多分アフレコ現場も楽しかっただろうなぁ。

 何が凄いって、基本的に無駄になったキャラがいないってところ。メインとなる紺ご一行とインコグニートご一行は、全員方向性の違う馬鹿なのにそれぞれに個別エピソードで活き活きしており、最後の最後まで1人たりとも自己主張をおろそかにしなかった。持ちネタも大して多くなくて、ギュスターヴなんか単に延々「キャバクラ」って言ってただけなのだか、それでも何となくキャラが立ってる気がするのだ。良いタイミングであの酒場回とか入ってるし、存在感が薄くなりそうでならない。この持続力が凄い。あとはゲームやアニメのお約束を紺がいじり、世界がいじるというのがメインボディなわけだが、気付けばちゃんと紺が最後に英雄譚としてそれなりの格好を付けているのもすごい。最終回だけ見れば、割といい話な気がしてくるのだから不思議なもんである。やっぱりエレクさんが完治したのが大きいよなぁ。あのままEDで世界が終わってたら、本当に不憫でしかたなかったもんなぁ。

 あとは特に書くこと無いです。しいて1つだけ結論を書くなら、「やっぱり福山潤はすごいよな」。これを見ればイクシオンサーガがやりたく…………なるか?


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○「フォトカノ」 5

 懐かしい雰囲気だネー。キミキス、アマガミ、そしてここへ。ゲームに興味が無いので中身は全く知らないが、つまりそういう流れの作品ということらしい。ま、CGモデルバリバリの画面ばかりが出てくるので前2作とは似て非なるものになっているようだが、アニメにすればどうしたってコンセプトは似てくるからね。

 非常に分かりやすいギャルゲ設定で、今回はそのメインテーマに「写真」を据えている。ゲームでは実際に写真を撮ることを目標にしているが、アニメの場合にはそういう楽しみ方はできないので、写真というツールを使ってどのように女の子といちゃいちゃしていくか、という部分が焦点になるだろう。基本的に大勢のヒロインからルート分岐させていく形だろうから、最終的にどういうルートになるのか、というのも1つの焦点になるだろう。今回は1話目でほぼ全てのヒロインを出し切っており、更に個々のヒロインとの接触もちゃんと描いている。ということはシナリオは一本道ということになるはずだが……さて、どうなるのだろうね。ファンからしたらあの「キミキスの悲劇」は繰り返して欲しくないと思うのだが……だからといってアマガミ形式にするにはまだ土壌が整っていないのか。見た感じだと幼なじみヒロインがメインのようなので、やっぱりそこに収束する設定になるのかなぁ。

 基本設定は分かりやすいし、お話自体も割と入り込みやすくて悪くない。主人公にカメラが与えられた、という切り出し方は物語が進み始める1つ目の刺激として分かりやすいし、そこで初めて写真部に入り、カメラを通じてヒロイン勢とコミュニケーションを取るというのも、無難な設定である。どう考えても校内でカメラを構えてうろうろしてる奴は不審者だが、写真部という大義名分が出来れば一応理屈は通るし、元々カメラってのはコミュニケーションツールとして有用なのだから、(下心なしで)振りかざせれば武器になるのは道理。あとはこのままの主人公の性格を維持しながら、どこまでエロに転じていくかだ。正直言うと、この設定ならあんまり露骨なエロも必要無い気もするんだけどね。「女子高生が写真を撮られる」ていうシチュエーションだけでもそれなりに雰囲気が出てるわけだし。安易なラッキースケベとかにするよりも、もっと「写真部らしさ」を見せてくれると個性が出るんじゃなかろうか。まぁ、既に今回登場した写真部の設定の時点でその辺は怪しいけどさ。

 あとはなんと言っても個々のヒロインがどの程度魅力的か、という話になってくる。既に1話で一気に女の子が登場したわけだが、登場のタイミングやきっかけはそこまで無理矢理詰め込んでる感じもしないので、割と自然に認識出来る。各キャラのパート分けは相変わらずアマガミキミキス設定だから「いつもの奴やな」という感じだが、一応「写真が撮りやすそう」な配置にはなっているだろうか。何よりも、これ以上無いくらいに高カロリーなキャスト陣のおかげで、もうお腹いっぱいである。かな恵ちゃんを筆頭にして、沢城・中原・千和・ミズハス・ひーちゃん、伊瀬茉莉也。もう、これだけで確実に重量オーバーだ。そういえば、ゲームの第1作の情報が出たときにも、「このキャストは……PSP買うか?」と真剣に悩んだものである(なお、キミキスの時もアマガミの時も壮絶に悩んだ模様)。もう、キャスト目的だけで見続ける、聞き続けることはほぼ確定だろうな。

 あ、沢城、ほんと休め。(今期4度目)


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○「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」 3

 臭い。もしくは痛い。これらを引っくるめて書くと「ラノベ」になる。典型的なラノベ作品なのだからいい加減慣れたものだとは思うが、気持ち悪いという意味ではやっぱり一歩引いてしまう部分がある。

 この手のものをこき下ろすのもいい加減飽きてきたし、つい最近まで「はがない」を見ながら「やっぱり理科かなぁ……あ、小鳩は別枠でね」なんて独りごちていた身では何を言ってもむなしいのだが、それだけに、続いて登場した作品に何一つ進展はなく、むしろ劣化すら感じられるとなると、そこに価値は見いだしにくい。方向性は完全にはがないと一緒なのだから、後発のこちらは「はがないに無かった何か」が出てこないことには意味が無い。果たしてそれが得られるのか分からないし、そもそも「はがないの後追い」って、なんか「僕は将来長嶋一茂みたいな立派な野球選手になるんだ!」って言ってるのと同じくらいのわびしさがある。そこって、目指したくなるような高みなのかよ、っていう。

 ということで、基本的にはがないとの比較になるのだが、現実感を潔く削ってしまった分だけ、先輩作品の方が見やすかったと思う。学園の設定や肉の諦めきったハイパースペックの設定など、完全にギャグレベルになっていたし、その方が無茶な設定にも諦めがついて、お話として楽しめる部分があった。今作の場合、1話目だからということもあるのかもしれないが、まず主人公とヒロインの人となりがさっぱり分からない。お互いに「友達がいない」をステータスにしてるわけだが、主人公なんていかにもやれやれ系のラノベ主人公らしく、独白も含めて恐ろしく饒舌である。女の子にもてないことに異論は無いが、別にこの程度の奴ならそこら中にいるのだから、それなりの友人くらいいるだろう。何故そこまでして「ぼっち」を強調したキャラになったのかが分からないので、見ていて共感も同情も、そして忌避すら出来ない。なんとも中途半端で「設定のために理屈抜きで作られたキャラ」である。

 メインヒロインも同様で、まだ説明されていない部分なのかもしれないが、彼女が四六時中あそこに座っている意味も分からないし、嫌悪感を抱いているはずの見ず知らずの男子に突然自分語りを始める意味も分からない。夜空のような徹底した残念系にも設定されておらず、こいつも普通に友達の1人や2人いるだろう。今回登場した2人目のヒロインがすぐにまとわりついていることからもそれが分かる。最初からあり得ない設定をあり得ない導入で持ってこられても、まったくピンと来ないのである。どう見てもリア充臭いのに友達が出来ないと嘆くという茶番ははがないで散々見てきたので今更文句を言うのも間抜けだが、今作の場合はそうした設定を作ろうとせずに、最初からあるものと考えているのがイラッとするのだと思う。

 まぁ、多分ここから女の子はいっぱい出てくるだろうし、今後はそういうキャラに期待を寄せて見守っていくしかないが……キャラクターデザインもなんだか独特で、1話目の時点ではあんまり好きになれないんだよなぁ……最後の頼みの綱ははやみんボイスの暴君キャラだということ。あの声で罵られたいというニーズはおそらく一大レジャー産業クラスなので、そこに一点突破の望みをかければ視聴動機にはなるだろう。ま、俺妹でいいんじゃないかって話もあるのだが……


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○「ムシブギョー」 4

 夕方枠で始まったサンデー漫画のアニメ化。サンデーは読んでないので、当然原作は未読である。

 そういえば少し前にサンデーのCMの中でアニメとして制作されていた作品で、こうして夕方に放送が始まったということは、それなりに人気がある作品なのだろうか。1話目の感想といったら、もう「うわぁ、サンデー」ってなもんで、ラノベだらけのアニメに毒されて身にはいっそ清々しいくらいに分かりやすい少年漫画の導入部であった。こういうのも久しぶりに見ると悪くない気もするのだが、盛り上がるかどうかは未知である。1話目の筋立てだと、主人公の少年にあまり魅力を感じないのがやや難。真っ直ぐなのは分かるのだが、今のところ「単なる無鉄砲」だな。もう少し見ていって義理堅さとか極まった暑苦しさが出てくれば面白さも出てくるかも。この手の作品の1話目で何かをくみ取るのはちょっと難しいわね。時代背景が江戸ベースなのに、あんまりそちらの雰囲気を強く押そうとしていない設定面も半端で気になってしまうが、どの程度ギャグにしたいのかもまだ分からないしね。

 制作は、ちょっと名前が変わったけど大体セブン・アークスだと思っていいのだろう。そして監督は浜名孝行氏である。浜名さんの担当作品は当たりも多いし、「韋駄天翔」のファンだった身としては、まっすぐな少年漫画でセオリーを守りながらの良作作りに期待したいところである。今後の焦点は、分かりやすすぎるとどうしても夕方番組は視聴が続かないことが多いので、どこかで一つでもいいから「この作品ならでは」の部分を出してくれるかどうか。とりあえず1話目は「巨乳でエロい」っていうのが話題になっているが……別にそういうのじゃなくてね。そんなもん、別に深夜アニメ見ればいくらでも転がってるんだから。最近はこれとか「ジャイロゼッター」とか、夕方アニメが無闇にエロい。青少年の健全な育成を考えると、大変良い傾向である。

 中の人的には、1話目の段階では特に触れるところもないのだが、3人の業師みたいな連中の中の1人に、芹澤優という名前があった。最近どこかで見たような気がしたので調べたら、「プリティーリズム」のようだ。割と可愛い声だったので、今後どのようになるのか、ちょっと気にならないでもない。まだ分からんけど。


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○「悪の華」 4

 さぁ、凄いのが出てきた。巷ですっかり話題になっていたので、覚悟を決めての視聴。原作は未読なので作品情報はほぼ皆無の状態。この作品をどのように受け取るかで、今後のアニメ視聴にも大きな影響が出そうな問題作である。

 まず、第一印象であるが、世間での有象無象の意見を見てしまった後だったためか、思ったよりもネガティブな印象は無かった。どうも騒ぎ立てる声ばかりが大きいので悪印象がほとんどだったのだが、やはりそうした発信者は悪意を多分に含んだ情報を出しているのは事実だろう。そこかしこに散らばるキャプチャ画像は「ひどく見える」部分が多く、実際に動画として流れてみると、ほとんどのシーンについてはそこまで「キツい」ものではない。もちろん、なんの事前情報も無しにこれをぶつけられたら「なんじゃいこりゃ!」となって拒絶する気持ちも当然理解出来るので、自分がそういう立場だったらどうなっていたかは分からないのだが。まぁ、原作を知らないのもある意味助かっている部分なのかもしれない。

 今作の特徴は、とにかく「全編ロトスコープ撮影」というその1点である。このことについての長所と短所を、1話目の段階で判断出来る部分だけでも検討してみよう。まず、長所であるが、やはり「実写取り込みからの書き出し」ということで、問答無用のリアルさがあげられる。普段のアニメでは背景がどうこうとかモーションがどうこうというのが話題になるわけだが、今作の場合にはリアルもなにも、実写なのだから「現実への近さ」は疑いようもない。キャラクターのモーションだってそのまま人が演じたものを使っているわけで、そりゃ「リアル」になるのは当たり前の話である。こうして産みだされた画面は、既存のアニメの尺度では測ることが出来ないものであろう。何しろコンテ担当も演出担当もクレジットが無いのだから。「リアルさ」の超越によって普通のアニメでは実現出来ないレベルの画面が産みだされ、たとえばクラスメイト全員が一斉に起立、着席するシーンなどでは、1人1人が全て違うモーションで動くことを許すし、紙に何かを記入するシーンでは、紙がぺらりとめくれる細かい動きにまでアニメが「ついていっている」。登校シーンでたくさんの生徒たちが自由に動くシーンなども、まさに「実写さながら」である。こうした画面が産みだせるのは、当然ロトスコープならではの結果といえるだろう。そして、普段の画面が「リアル」に寄ればこそ、主人公の心中に芽吹いた「悪の華」は唯一のアニメ的存在となり、その存在感を際だたせることとなる。原作を知らないので推測でしかないが、このまま中学生の男女の心情に切り込む作品になるのだとしたら、この拭いようのない「リアル」は武器になると思われる。

 ただし、やはり反面でアニメとのかみ合わせの悪さ、新しいものへの拒絶心が強いのも事実である。「実写に近いからすげぇ」と手放しで褒めるのだったら、そこにアニメの存在意義はない。「じゃぁ実写でやれよ」と言われておしまいである。もちろん、今作の場合は「実写とアニメに折り合いを付けて、アニメの良い部分は使っていこう」というのが意気込みとなっているわけだが、現時点においては、未だ食い合わせの悪さによる短所の方が目立っている、というのが正直な感想である。

 「アニメで描く」ことの利点というのは、制作過程において必然的に産みだされる「捨象すること」「誇張すること」そのものである。横文字で書くとデフォルメ、ということになるが、現実にあることないことから描きたいことだけをピックアップし、それを際だたせるのがアニメや漫画に共通する特徴だ。今回のロトスコープの場合、そうした「捨象」の度合いがどうしても低くなり、画面に乗せられた情報量は多くなる。すると、せっかくアニメにして「掘り込むこと」が可能になったはずなのに、その集約性は弱いものになってしまう。

 具体的に映像的な部分で見てみると、詳しくは知らないのでこれも推測になるが、ロトスコープによる映像処理は、おそらく「動いた部分」をアニメーションとして反映するというデジタル的な処理が大きいと思われる。登下校時の生徒たちを遠景から撮ったカットなどに分かりやすいが、遠くに映る学生たちの顔は、最初のっぺらぼうであり、近づいて動きが認識出来るレベルになると、まず目と口が表れ、次にディティールが分かるようになり、口元の動きが見える。遠くにいる人間は、表情の情報が捨象されるのだ。現実の「見え」を反映すればこれは「リアル」でこそあるが、結局、そこに情報を載せることが出来ない。主人公が憧れの女子生徒を遠くから見守るカットでも、対象の女性は遠くにいるため、彼女の目線が何を見て、その顔が何を語っているのかが伝わらない。普通のアニメならば、この状況にいくつでも意味を載せることが出来るはずなのだ。残念ながら、ロトスコープ製の「リアル」にはそれが出来ない(もしくはしていない)。動きと認識されないような細かいモーションも画面上に表れず、アニメでお馴染みのリップシンクなども少なくなるので、どこで誰がしゃべっているのかが分かりにくい、なんていう端的なデメリットもあるし、流石に動画処理にも限界があるのだろう、どうしてもコマ送りのように動きが飛び飛びで処理されるのも見た目に分かりやすい難点だろう。

 1話目で全てを判断するのは早計だろうし、まだ監督ら制作陣の意図は汲みきれないのでしばらく様子見になると思うが、現時点に於いては、ロトスコープという思い切った手法を採用したことによって産みだされたプラスの要素は、アニメーションという媒体が元々持っていたメリットを損なっている部分が多く、こちらの目が慣れていないこともあり、まだまだネガティブな部分の方が目立っている。総合すると「やや不可」である。もちろん、わざわざこのようなとんでもないスタイルを採用しているのだから、その利点を活かすような見せ方ががこれからどんどん広がっていく可能性もあるわけで、新しい物好きとしては何とかそうした萌芽を見つけられるよう、じっくりとこの「実験」には付き合いたいと思っている。しかし、どうしっても既存のアニメに慣れてしまうと、退屈な部分が多いのは事実です。どうしたってカット数が少なくなるし、焦点が定めにくいのでダラダラと間延びすることになっちゃうんだよなぁ。あと、完全に個人的な事情を付け加えると、主人公の中の人があかんのがね……事務所を見る限り、少なくとも声優ではないよなぁ。


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○「這いよれ!ニャル子さんW」 5

 SAN値がピンチで第2期目。良くも悪くも全くお変わりないようで何よりですわ。

 でもほら、1期って完全にオープニング詐欺だったわけで。いや、詐欺ってほどひどい中身でもなかったけどさ、うーにゃー言ってるときが一番楽しかったわけで。今回もSAN値ピンチしてる間が楽しい、っていうのがオチなんじゃなかろうかね。テンションが長続きする期待があまり持てないのが悲しいところ。

 相変わらず1話目のテンションはほぼMAX。ニャル子のキャラは相変わらずだし、1話目からオールキャスト勢揃いなので賑々しさもひとしお。これにパロとエロを交えて節操の無さを売り出すのが今作最大の見せ方である。パロディのねじ込みかたも容赦なく、「そうか、タイトルのWってウィザードのWか」と納得しそうになるほどである。このままの勢いが最後まで保てばそれだけでも魅力的な作品になるのだが。まぁ、1話時点で既に展開がマンネリぎみな気もするんだけど。ニャル子が積極的なエロヒロインっていう設定は色々と新鮮で良かったのだが、冒頭から全力なのでシナリオが進むにつれての盛り上がりが作りにくいんだよね。最初から最後まで同じテンションになってしまうと、やっぱり飽きは来るからなぁ。真尋の方に変化を付けていくしかないけど、ちょっとでもデレたらニャル子の良さが死ぬし……単純そうに見えて、案外面白くするのは難しい作品である。開き直って全編ギャグで覆い隠すくらいしか逃げ道がないかも。

 ま、真面目に考えても仕方ないよな。クー子が「結婚」だの「妊娠」だのいうたびに、中の人の不憫さを思って涙が止まらないよな。ハス太の中の人もそろそろ洒落になってないよな。珠緒の中の人、このくらいの立ち位置だと大人しくていいよな。シャンタッ君可愛いよな。


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●「Aegis Angel/神盾の天使(M12)」 R

 破壊不能がキーワード化したのでテンプレが書き直されて再登場。そこそこ出来る奴な気はするが、「まず自分を守れよ」というみんなの突っ込みにはdon’t have 聞く耳。

 

 

Ajani Steadfast 不動のアジャニ (3)(W) M

プレインズウォーカー・アジャニ

<+1>:対象の、最大1体までのあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに絆魂と先制攻撃と警戒を得る。

<-2>:あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置き、その後、あなたのコントロールする他の各プレインズウォーカーに忠誠カウンターを1つ置く。

<-7>:あなたは、「いずれかの発生源があなたかあなたのコントロールするプレインズウォーカーにダメージを与えるなら、それを1点に軽減する」という紋章を得る。

【4】

 前代未聞の出来事。なんと、つい2ヶ月前に新作を登場させたプレインズウォーカーが、立て続けに新たな形態を産みだしてしまったのである。これまで、新規カードが登場したプレインズウォーカーが1年以内に新たなカードになるということは無かった。それが、まさかの隣接セットという、最短距離まで一気に更新してしまったのである。彼のイラストに描かれているマントはエルズペスがまとっていた遺品とのことで、「ただでさえ白単のプレインズウォーカーって少ないのに、あの娘死んじゃったから俺ががんばらないと……」みたいな義務感が感じられる。どこぞの傭兵のおっさんは何してるんでしょうね。

 さて、そんな新生アジャニの能力だが、割と過去の作品に似てる部分が多い。特に小マイナスは初代アジャニのものとほぼ同じであり、コストが大きくなった代わりにプレインズウォーカーの面倒まで見てくれるようになった。これを起動してまだ1年は活躍出来るペスたんにカウンターをのせてやるのが彼なりの優しさというものだろう。まぁ、共闘するなら緑アジャニ使えよ、って話だけど。プラス能力も過去のアジャニがやってきたことに似通っているが、付与される能力が割とやりすぎ。先制と絆魂つくだけでどんな木偶の坊でも必殺兵器になってしまう。初代アジャニのプラス能力が「2点のライフを得る」だったことを考えると、この成長はヤバい。一応「自身を守れる能力じゃない」というのがネックにはなってくるだろうか。そして、100点のライフにはもう飽きたのか、奥義も割とガチンコである。その能力をもっと早めにマスターしておけばペスも死ななくて済んだんじゃないか、って気もするが、終わってしまったものはしょうがない。カウンターが7つ溜まったら即起動し、その後安心して2枚目を出すのが鉄板である。コスト4マナで、登場時に忠誠5という骨子も安定しており、引き続き白はプレインズウォーカーメインのゲーム展開がやりやすい。10月までの期間は「群れの統率者」も加えて総勢3種のアジャニを楽しむことが出来るので、いっそこれに「アジャニの群れ仲間」や「アジャニの存在」、お友達の「ブリマーズ」までぶち込んだアジャニデッキを作ってみるのも良いかもしれない。まー、1種類しか場には出せませんけど。

 

 

Ajani’s Pridemate/アジャニの群れ仲間(M11)」 U

 ライフゲインをちょこちょこサポートする猫。毎ターンゲイン出来る「魂癒し人」と組み合わせるとそれなり。ただ、アジャニが100ライフゲインしたとしても、乗るカウンターは1つである。仲間のくせに。

 

 

Avacyn, Guardian Angel 守護天使アヴァシン (2)(W)(W)(W) R

伝説のクリーチャー・天使

5/4 飛行 警戒

(1)(W):このターン、あなたの選んだ1つの色の発生源から他の対象のクリーチャーに与えられる全てのダメージを軽減する。

(5)(W)(W):このターン、あなたが選んだ1つの色の発生源から対象のプレイヤーに与えられる全てのダメージを軽減する。

 どうやら今回の基本セットのふざけっぷりはあらゆる場所に及んでいるようで、黒のデーモンはゼンディカー代表のニクシリス様だったのと同様、白の看板である天使には、なんとイニストラードの象徴であるアヴァシンが出張。この「次元とかどうでもいいからもりあがっちまえ」感は、もう基本セットというよりも「次元にとらわれない、やりたい放題オールスターセット」みたいな雰囲気である。幸か不幸かレアリティが下がっての新作なので、無体すぎるディフェンス能力はいくらか抑え気味。コストに見合ったステータスになっているし、立っているだけではなーんにも守護してはくれない。ダメージ抑止のためにはこまめな見回りが欠かせないし、プレイヤーを守るには結構なみかじめ料が必要になってしまう。下の能力は7マナと重い分効果は高く、相手が単色ならば毎ターン7マナ維持出来れば戦闘では絶対に死ななくなる。いや、そんな悠長なデッキがあるとは思えないけども。戦闘特化でないので打点が高いわけではないし、まずもって自身に除去耐性が無いので防壁としてもやや不安。庶民派になったアヴァシンさんだったが、やっぱり高貴過ぎるくらいが夢見られて良かったのかもしれない。「だってグリセルブランドばっかり使われてて悔しいじゃない」とか文句言ってそう。

 

 

Battle Mastery/熟達した戦い(LRW)」 U

 じわじわ二段攻撃も基本セットに浸透してきた。キーワード与えるだけの基本っぽいオーラなのに再録初めてなんだな。

 

 

Boonweaver Giant 加護織りの巨人 (6)(W) U

クリーチャー・巨人、モンク

4/4

〜が戦場に出たとき、あなたは自分の墓地とライブラリと手札からオーラ・カードを1枚探し、それを〜につけた状態で戦場に出しても良い。あなたがこの方法でライブラリを探した場合、あなたのライブラリを切り直す。

 オーラ掠りの魔道士(RAV)」の強化クリーチャー。1マナ重くなったが、代わりにステータスが上がり、全ての領域から探してくることが出来るようになった。これで、万一お目当てのナイスオーラが手札に来てしまったとしても問題無くプレイ出来ることになる。7マナと相変わらずのコストだが、オーラがついた状態の能力が前提なのだから重たいということも無いだろう。「神聖なる好意」をつけるだけでも7マナ5/7(3ライフゲイン)ならそれなりにペイする。もちろん、これより強いオーラがあるからこそこのクリーチャーを使うわけで、「シヴの抱擁」ならば本家のドラゴンも上回ることが出来る。まぁ、相変わらず授与クリーチャーがサーチ出来ないので、あんまりそれより上のレベルを目指すことは出来ないのだけども。

 

 

Congregate/集い(M14)」 U

 かつてマローをして「壊れ作っちゃった」と言わせたカード。まぁ、別に去年何もしてないけどね。パンチラが拝めるカードとして人気。

 

 

Constricting Sliver 束縛スリヴァー (5)(W) U

クリーチャー・スリヴァー

3/3

あなたのコントロールするスリヴァー・クリーチャーは「このクリーチャーが戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーを、このクリーチャーが戦場を離れるまで追放しても良い」を持つ。

 今回、各色アンコモンに1体ずつスリヴァーが収録され、これでスタンダードで使えるスリヴァーは21体になった。スリヴァーデッキを組むなら緑から「捕食」「マナ編み」が必須で、当然「巣主」を狙いたいところだが、他の色は一体何が入ってくるか。出来ることなら色はなるべく抑えめにして「変わり谷」突っ込みたいけどね。白のアンコスリヴァーは、なんと全軍が「放逐する僧侶(M14)」になってしまうという大盤振る舞い。スリヴァーなんてのは数を並べるのが使命なのだから、これを出してから「巣の活性化(M14)」でも撃てばとんでもない騒ぎである。ただ、その分コストは高嶺の花。ちょっとペイするには届かないラインかなぁ……白は二段攻撃、タフネス増強という役割をこなせるからスリヴァーにはそこそこニーズがある色合いだが、さて……。

 

 

Dauntless River Marshal 不屈の河川司令官 (1)(W) U

クリーチャー・人間、兵士

2/1

〜はあなたが島をコントロールしている限り+1/+1の修正を受ける。

(3)(U):対象のクリーチャーをタップする。

 M13でサイクルとして登場した「隣の土地があると強くなるよ」サイクルが今回も登場。あのときは次のセットがラヴニカということで、多色(ギルドランド)への橋渡し役を務めるサイクルとして機能していたが、流石にタルキールは多色ではないだろうから、単に「友好色っていう概念を基本セットで提示するのに丁度良いアイディアだったね」ってことだ。サイズアップするのは単純に強く、「火打ち蹄の猪(M13)」は予想以上の活躍で構築でも暴れ回るほどであった。今回は、前回とは逆回りの関係性になっており、白のクリーチャーが島を参照する。2マナ3/2は「真紅の汚水這い(M13)」と同じスタイルだが、残念ながら同じ2マナ域でも割と相打ちには取られやすいので、クリーチャーとしての素体はそこまで魅力的ではない。その分、タップ能力が終盤まで活かせる形になれば図抜けて強力になるので、よほど相手がもたつかない限りは、長期戦用のクリーチャーとみた方が良いだろう。前回のこのサイクルが全て前のめりでサイズを武器にしたクリーチャーだったのに対し、今回は割とコントロール寄りでも使えるのは面白い対比になっている。

 

 

Devouring Light/貪る光(RAV)」 U

 リミテッドで強い(当時使ってたおっさん並みの感想)。

 

Divine Favor/神聖なる好意(M14)」 C

 気付けば4年目。もう「聖なる力」は帰ってこないのかね。

 

●「Divine Verdict/神聖なる評決(THS)」 C

 「評決あるんでしょ?」って言いながら殴る様式美。

 

 

Ephemeral Shields 儚き盾 (1)(W) C

インスタント

召集

対象のクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。

 「アジャニの存在」の修正無し召集版。召集がついたために1マナ重くなったが、そこまで大きな違いではないので召集なしでもそこそこ。でもやっぱりフルタップからトリックをかわしてドヤりたい。やっぱりオススメの相棒は「マカール王」な気がするんだよなぁ。召集スペルの項目には全部「マカール王」って書きたいくらいに。

 

 

First Response 初期対応 (3)(W) U

エンチャント

各アップキープの開始時に、あなたが直前のターンにライフを失っていたなら、1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 名前の割には後手を踏んでいるように見えるのだが、誰かが怪我したら「どうしました!」って素早くすっ飛んでくるイメージなのだろう。置いておくだけでトークンが手に入るのだから決して悪い効果ではないのだが、白ならこのコストを払えばすぐに3人は駆けつける(「隊長の号令(M13)」)わけで、元を取ろうとすると、最低でも4〜5回は分割してダメージを喰らう必要がある。毎回1点ずつとか小刻みならいいが、相手はそんなこと気にしてくれないので、そんだけダメージくらったらもう瀕死だろう。いくらなんでも悠長過ぎる。自分からダメージを喰らう手段、たとえば今回再録したペインランドとの組み合わせなどは考えられるが……もう1マナ払って「軍勢の集結(GTC)」でいいんじゃないかな。

 

 

Geist of the Moors 原野の霊 (1)(W)(W) U

クリーチャー・スピリット

3/1 飛行

 3マナ3/1フライヤーといえば、青の「リシャーダの飛行船(MMQ)」「雲の精(STH)」「空回りのドレイク(M12)」の同型三部作の印象が強い。しかし連中はブロック制限があったので、そこからデメリットをはずして完成形となったのがこのカードというわけだ。まぁ、多色まで目を向ければ「リーヴの空騎士(RTR)」という圧倒的上位存在がいるのだけども。リミテッドならもちろん有用だが、正直このコスト、このパワーのクリーチャーをブロッカーに回してる時点でアレなので、わざわざアンコにまでなって頑張らなくても良かったんじゃないか、って気もする。ちなみにこのクリーチャー、イラストから察するにイニストラードのクリーチャーであるが、同郷のコモンである「礼拝堂の霊(ISD)」と余裕の相打ちコースであることについてはどう思ってるんでしょうね。

 

 

Heliod’s Pilgrim ヘリオッドの巡礼者 (2)(W) C

クリーチャー・人間、クレリック

1/2

〜が戦場に出たとき、あなたは自分のライブラリからオーラ・カードを1枚探し、それを公開して手札に加えても良い。そうしたなら、あなたのライブラリを切り直す。

 族霊導きの鹿羚羊(ROE)」と同じ能力を持った小兵。肉としてはほんとのホントに大したことないが、そこには一応「アドバンテージ」という言葉が書かれている。今回のセットはとにかくクリーチャーを並べれば意味はあるので、数合わせとしても重宝するし、なんだかんだでピンポイントでサーチ出来る能力はリミテッドでも十分強い。白だから「神聖なる好意」が引っ張れるだけでもこいつは2/5として機能するわけだし、「硬化」のような除去オーラがサーチ出来ればデッキの安定感もグッと増すだろう。オーラをキーとするデッキが登場するなら、一応構築レベルでも出てきておかしくないカードである。まぁ、オーラメインのデッキで1/2バニラが入る隙間があるかどうかは微妙だけど。授与クリーチャーがサーチ出来れば利便性がグッとあがったんだけどなぁ。

 

 

Hushwing Gryff 静翼のグリフ (2)(W) R

クリーチャー・ヒポグリフ

2/1 瞬速 飛行

戦場に出るクリーチャーは、能力を誘発させない。

 倦怠の宝珠(NPH)」を内蔵したグリフ。グリフってことは、多分イニストラードの生き物だろう(イラストもそんな感じ)。「倦怠の宝珠」は幅広い環境で活躍するアンチカードであり、多くのコンボデッキを封殺出来る他、ナチュラルに相手クリーチャーの機能を削ぐことが出来る良いサイドボードだった。欠点として、完全にメタる相手が決まっているので他の場面では役に立たないし、手札に複数枚来ても無駄になってしまうこともあった。また、たとえ「欠片の双子」能力を封じていると安心していても、相手がこちらのターンエンドにアーティファクトを割り、すぐさまコンボをスタートさせたら対応しきれなかった。しかし、このカードならば瞬速がついているので大丈夫。一番いいのは、相手がキーとなるカードを唱えたのに対応して置くパターンで、こうすることで相手の手札に後顧の憂いを残すことなく、無駄遣いさせることが出来る。パワーを持つクリーチャーなのでメインでもいれやすくなるし、ステータスもそこそこ優秀。現在も活躍中の「エイヴンの思考検閲官(FUT)」の亜種として、今後様々な環境に影響をあたえそうだ。

 

 

●「Inspired Charge/鼓舞する突撃(M11)」 C

 白には珍しい、パワー偏重増強。召集があるので数並べるスタイルがそのまま攻め手になるのは良いが、「ラッパの一吹き」でいいって話も。

 

Kinsbaile Skirmsher/キンズベイルの散兵(LRW)」 C

 突如ローウィンからやってきたちょっとだけおまけがついた白クマ。基本セットっぽいといえばそうかもしれん。

 

 

Marked for Honor 名誉の印 (3)(W) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受けるとともに警戒を持つ。

 普通のッオーラっ! M13で「吸血鬼の印」が新たに開発されたように、「適当な修正値とキーワードの組み合わせを与えるオーラ」ってのは、ありそうでも案外なかったりするので一応新しいカードたり得る。このカードもそんな隙間産業の1つである。表現する他の方法としては、「トークンが出せない『騎士の勇気(RTR)』」や、「クリーチャーになれないアルセイド」など多数。コストが重くて比較出来る連中はまだいいが、同じ4マナで飛行もつく「セラの抱擁(10ED)」と並ぶとちょっと涙が。レアリティなんだよぉ、ジョジョォ!

 

 

Mass Calcify/集団の石灰化(SHM)」 R

 なんでよりによってこれやねん……最近「次元の浄化」がようやく日の目を見始めたところだったってのに……。

 


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「リトルバスターズ!」 4→3

 初回放送で抱いた疑問が、そのまま最終回まで持ち越された作品。その疑問をどのように形にしたらいいのかはよく分からないのだが、一言でいうと、「これ、なに?」である。結局、何がしたいアニメなのかがさっぱり分からないまま、シリーズが終わってしまった。いや、細かいポイントでの目的意識は分かる。「ここで感動させたい」「ここで泣かせたい」というのは分かる。ただ、それってあまり分かっていい部分でもないんだけども。そして、そんな小さな「いい話を見せたい」がとりとめもなく集まって出来上がった2クール。素材の欠片はポロポロとこぼれているものの、1つのシリーズとしてこれをまとめる要素とは何だったのか、それがどうにも理解しかねる。

 一応、原作ゲームをやっていたそれなりのファンを捕まえて「なぁ、リトバスっていつ面白くなるの?」と聞いたら、「いや、あれは本気でやろうと思ったら10クールでも足りないくらいだから」という答えが返ってきた。うん、なんか質問の答えになってない気がするのだが、その答えをそのままで解釈すると、「つまりアニメは面白くならないよ」と、そう言っていたのだろうか。聞いた相手が悪かった気もするのだが(普段からあまり日本語が通じないタイプの困った奴だから)、それでも、このアニメは原作ファンでも何か悩ましげな顔色がうかがえる気がするのだ。「これじゃ本来の良さは伝わらない」と思っている部分もあったのかもしれない。だとしたら、原作を全く知らない私は、楽しみようが無いではないか。

 個人的に一番気になったのは、やはり総合的な目的意識の希薄さである。1話目の時点から、作中で「リトルバスターズ」と言われている面々が何故集まり、何故仲良くしているのかが分からなかった。別に幼なじみなら幼なじみというので構わないが、それならばもっと友情を前面に出した描写が強くないと世界が分からない。全編通じて主な流れはリキが女の子にちょっかいを出すことで女の子がグループとの関わりを持つようになり、それが必ず悲しいお話になり、何とかして解決すると最終的に仲間になるというもの。つまり、後続の面子になればなるほど、「悲しいお話」で友情タッグを結ぶ経過が見られるのに、初期メンバーにはそれが無い。合間でちょこちょこ過去の話が語られることもあるが、基本的には主人公リキの一人語り形式であり、彼はナルコレプシーと独特な価値観のせいで、なんだか視点人物として取り入れにくい。彼の目線から見ると誰もがヒーローに見えるし、誰もが悲劇の主人公になる。「ここがベース」という基準点が見えず、どこからが基盤でどこからがお話なのかが分かりにくい。

 そして、「お話」をまとめるための軸が見えない。困っている人がいたら助けてあげるというリキの性根は立派なものだろうが、基本的に彼は非力で、頼りない人間だ。そんな彼が拠り所としているのが緑川ボイスの恭介というキャラだが、アニメを見ていても、この男の魅力が全く伝わらない。単に偉そうな物言いで、頓狂なことを言うだけの変人である。そこにカリスマ性が見えず、リキが彼に依存する理由が分からない。もちろん説明はある程度されているが、恭介が単体で活動して存在感を示すことが無いので、うわべだけのものに見えてしまう。そんな彼が突然提案した「野球チームを作ろう」が、物語の主軸たり得るわけがないのである。周りを囲むキャラも、男はアホだし、女の子はデザインのせいもあってか、やたらイメージが被る。途中から完全にモチベーションを失ったことも理由だろうが、最後までキャラの名前や特徴を覚えられずに終わってしまった。

 結局、ギャルゲエロゲは苦手なので、この作品が全く受け入れられずに終わっても「まぁ、そんなもんかな」とは思うのだが、ほとほと不思議なのは「CLANNAD」は直撃したってことなのですよ。2作を並べて見ると、非常に乱暴なまとめだが、ヒロイン勢の配置なんかは割と似ているし、悲劇の質も似たようなものだったはず。それでも「CLANNAD」は見入ってしまったのは、京アニの力ももちろん大きかろうが、やはり岡崎&渚という明確な中心線が見えやすく、加えて朋也のキャラが親しみやすいものだったおかげだろう。やはり、リキの受け身体質では、ここまで散逸的なシナリオをまとめるだけの求心力はない。そういえば恋愛要素っていう分かりやすい中軸もこのリトバスにはないんだよなぁ。これで本当に10クールかかるのだとしたら、作中では一体何を掘りさげているのだろう。お化けみたいな二重人格ぎみの少女の生い立ちとか、謎の国でロケットを飛ばす突飛な天才幼女の奮戦とかなのか。見ていてもあんまり盛り上がらなかったのは、どれもこれもあっさりしすぎていたせいであり、ひょっとしたらがっつりゲームで掘り込んだら面白い話なのかもしれない。まぁ、他のギャルゲー同様、プレイしたいとは思わないが。

 放送前に何かと話題になっていたし、よく聞くタイトルだったので過剰に期待した向きはあるかもしれないが、何を期待してものれんに腕押しで、何も返ってこない作品だったので本当に拍子抜けして終わった、というのが今作の結論。周りを取り囲むガジェットに良い物は転がっているのだが、それだけでは流石に評価がプラスに転じることはない。まぁ、「ゲームをプレイした人のための商品」だったと思って、諦めるしかない。たまにそういう作品もあるからね、元々参加権自体が与えられていなかったのだろう。


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○「デート・ア・ライブ」 5

 今期のプロダクション・エース枠。つまり角川枠。ただ、この手の枠にしては珍しく、メインヒロインらしい3つの枠のうちエース声優が担当しているのは富樫美鈴の1人分だけである。いきなり中の人的な方向から入る時点でナニだが、実は毎度のエース作品というのは意外にもハズレじゃない場合もある。前クールの「問題児」は見事にハズレ枠だったが、その前の「うぽって!」は悪くなかったし、「これゾン」だってはずれとはいえない。この作品は果たしてどちらになるのか。

 驚いたのは、監督が元永さんだということ。元永さんは今期「マジェスティックプリンス」も担当しており、なかなかのハードワークになっている。ファンとしてはじっくり腰を据えて良い作品を作ってもらった方が嬉しいのだが、作品数が増えるのはそれはそれでありがたい。ただ、今作はラノベ原作ということもあり、どうもあまり良さそうな臭いがしないのが残念ポイント。事前情報無しでボーッと見ていて思いだしたのだが、そういえばちょっと前に「絶対的な能力を持つ敵キャラとデートをするっていうラノベが出たぞ」って情報は見ていた気もする。これがそれだったのか。設定は本当にラノベ的だし、設定を新しく思いついたところで、それが面白いかどうかは全く別物。少なくとも1話の時点では「斬新だな!」と膝を打つようなことは一切無く、「いつも通りだな」という印象が先に来る。精霊の設定とかを彫り込んでも仕方ないとは思うが、ここから伸びるとして、よくてもネクロマンサーといちゃいちゃする「これゾン」くらいなんじゃなかろうか。元永さんの手腕で何とかこれを面白く、ということには期待したいが、あくまで期待にとどめておこうと思う。

 なんで今ひとつピンと来ないんだろう、と思って考えると、一番大事なはずの妹のキャラがあんまり気持ちよくないからなんじゃないかという気がしてきた。超デレとドSの二面性を持つ妹キャラなんて、実に阿漕で売り方次第ではなかなかキャッチーな存在になるはずなのだが、すごく上滑りしてる感がある。やっぱりあれかな、個人的に竹達があまり好きじゃないからかな。画は嫌いじゃない部類だと思うし、シリアスからギャグに振るタイミングとかも悪くはないと思うんだけど。

 ふむ、なかなかジャッジの難しい作品。とりあえず、不安を抱きながらももう少し追いかけて様子を見よう。


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