最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
水菜萌さんの水着がどちゃくそエロいのバグだろ、第12話。その性格、そのポジションのヒロインがそんなエロい水着きちゃいけません! ……アトリの水着も布面積だけでいえばポルノ級なのだが、しょせんアトリなので別にエロくはないな……。 などと夏の海を満喫してみたが、急に海洋冒険サスペンスになってちょっと戸惑う。まぁ、次回が(ほんとの)最終回ってことでラストタスクが容赦無く襲いかかってきているわけだが、こちらもずいぶんインスタントなタスクである。前回のエピソードで「アトリの記憶がなくなっちゃう? いきなりそんなド定番悲劇を言われても!」とか思ってたらその問題はあっさり解決し、「ほなこれは問題ちゃうかぁ」という流れから「海面上昇問題とか解決させられないよなぁ」と色々考えていたら、あながち解決できなくもない展開でちょっと笑ってしまった。いや、問題そのものはなんも解決しないんだけど、そんな世界のピンチから生き延びるための方策を婆さんが仕込んでいたという展開だった。まー、分かるような、分からんような。 とにかく婆さんがとんでもない天才であり、問題児であり、悪役になってるのが最大の困惑ポイントなわけよね。そりゃね、これまでのアトリの言動を見ていれば「こんだけのヒューマノイドを作れるのはよっぽど埒外の才能だよな」と言われてみれば納得はするのだが、その婆さんが、ロボット作りと同時並行してこの世界の危機を解決するための「生き残りプラン」を着々と進めていたという。しかもとんでもない規模で。いや、だとしたらマジで世間に知られてないのは驚きだが……一応新聞に載ってたってことでプロジェクト自体は公的に申請されていたものかもしれないが、その成果は文字通りに「霧の中」であり、婆さんが開発した生き残りアイランド「エデン」はひっそりとどこぞの海域に身を隠し、全てをオートメーション化して「中心部」の頭脳を待っていた。もう、ここだけいきなりSFのレベルが跳ね上がってないか? アトリのポンコツな情報だけからエデンの場所を割り出したのもプチ奇跡だが、そこを守ために立ちはだかっていた「霧&海流」の二重トラップも個人製造のシステムだったとしたらマジで悪魔。婆さんの技術力と開発力はとどまることを知らない。しかし、そんな神レベルの妨害でもお孫さんは根性で突破。一歩間違えれば秒でお陀仏の進路を取り、貧弱な潜水艦1つでエデンへと辿り着いてしまった。機械だらけの「楽園」って、これ単体でピックアップしてもディストピアみがありますな。 まぁ、婆さんが何をしようが勝手だし、やってること自体は一応善行なので「見つけられてラッキーじゃん」くらいのものだったのだが、そこに余計な条件を付け足しやがるせいで悪役レベルまでもが跳ね上がる。なんと、この島のシステムの中心にアトリを据えて頭脳にしてしまおうというプロジェクト。えぇ……だって現時点で島は特に問題なく機能してるじゃん。これ以上の管理システムを増やす必要あるか? しかもそんな「アトリ取り込み計画」のために時限式のボムを仕掛けており、提案に乗らなかったアトリはやっぱり記憶ボッシュートの刑。前回解決したと思った問題があっさり帰ってきてしまった。あつらえたようにデッドラインは3日後。一番の驚きは「アトリと出会ってまだ一ヶ月ちょいしか経ってないんかい」ってところでしたけどね。一夏の思い出にしちゃ色々ありすぎたな。 結局アトリが取り込まれなきゃいけない理由はよく分からんかったが、今は亡き婆さんがそう言ってるんだからしょうがない。結局また降りかかるデッドオアスリープの悲劇の二択。そして今回は婆さんが余計なことしてなけりゃ起こりすらしなかった完全に人為的なトラブルである。夏生さん、そんな婆さんの言いなりになるわけにはいかないですよね。 とはいえ、アトリの方は……まぁ、命令者として婆さんの方が夏生よりも上位の可能性もあるからね……。さぁ、再び降って湧いた存在消滅の危機、夏生のキャンパスライフは間に合うのか? そして、船上にほったらかされてる水菜萌さんたちの運命は!?(心配してるやろな) PR 突然のアイナナ!! 第11話! まぁ、TORYCA繋がりですけどね。流石にいきなりぶっ込んでくるのはいくらなんでも不自然やろがい、と思ったが、あそこに写ってたキャラのCVが夏生と同じなのか。ほなしょうがないかぁ(そんなことないやろ)。 残り話数も少なくなったけど、前回のドタバタでアトリ周りの問題は全部解決したし、もうイチャイチャするくらいしかやることないやろ、と思ってたら最後にスナック感覚で大問題が浮上。元々「低電圧」だったアトリが日常的に動作不良を起こすようになり、さらには停止まで。俺の前のPCもバッテリーに問題をかかえてたもんで、突然落ちたりするようになってヒヤヒヤしたことがあったっけ。そりゃいくら高性能ヒューマノイドとはいえ、この世界のロボも日常的に肉じゃがやハンバーグから栄養を摂取してエネルギーに変えることはできないようだ(歯磨きまでさせるくせに)。体内に原子炉を内蔵してどら焼きすらエネルギーに変えていたタヌキ型ロボットがいかに優秀だったかがよく分かる話だが、とりあえず現実的なエネルギー問題の解決法は、「定期的にメーカーに出して充電処理をしてください」というものだったらしい。現代の電気自動車だって公共の充電ステーションとかあるんだから、もうちょいサポートしやすい形にはならなかったもんだろうか。まぁ、自動車と違って半年に1回とかならしょうがないかって気にもなるが……アトリのこれまでの駆動期間ってどれくらいだったんだろう。ずっと椎菜を見守ってる時代もバッテリーの補充なしで見守っていたのだとしたら数年単位で稼働できる可能性すらあるが、あの時代は自分から定期的にカプセルインしてたんでしょうかね。 とにかく電力が足りない。これまで島では電気をめぐるあーだこーだはあったが、所詮子供達の浅知恵にも限界はあり、メーカー専任の充電ポートなど再現できるはずもない。挙句「このまま充電しなかったら一時的メモリに保管してたはずの夏生との記憶まで失われちまうぞ」という、アンドロイドロマンスのお約束がここに来て突然浮上。ラストタスクとはいえ、ちょっと取ってつけた感は否めない感じもするし、このまま来週まで解決せずに悲しいお別れエンドとかになったら「その御涙頂戴はさすがにダメ」って言おうと思ってたんだけど、よかった、ちゃんと解決策はあった。まぁ、あのカプセルとて無限のエネルギー源ではないわけだからこのまま放置したらいつかは底をつく問題ではあるはずだが……まぁ、ばあちゃんの技術力はとんでもないものだったらしいので、しばらくはこれで大丈夫なのだろう(それにしても急速充電すぎる)。そして、電力をもらったついでに余計な記憶までさらにインポート。さて、アトリに託された最後のミッションとは? ってなところで次がラストか? 現状、もはや問題は残ってない気がするのだが……何するんでしょうね。流石に海面上昇問題の解決とかは無理やんな? とても正しい意味で俺たちの戦いはこれからだ! 最終話! Season2は1月スタートということで、1クールくらいの休止期間は品質保持のためなら喜んで待ちますのでね。 さて、一旦中休みということだが原作ではとにかく盛り上がりまくる一番いいところでの容赦ない休止。まー、でも止めるとしたらここに挟むしかないものね。あとはマジで一気に走り抜けるしかないだろうし。今確認したらピラミッドリングの試合がコミックで45巻までなので、話数は多少変わるかもしれないが、尺でいうと今シーズンと大きな差はない。今回11話とちょい短く終わったことを考えると、次は多分1クールでピラミッドのラストまではいけるんじゃなかろうか。 ま、後のことはスタッフに任せるとしていつも通りに今回分だけ切り取って見ていくが、やはり衝撃なのは一番しゃべってたネメシスの存在でしょうかね。原作読んでない人からしたらその名の通りに絵に描いたような「宿敵」キン肉族。我々だって彼の正体についてはあーでもないこーでもないと色んな憶測を飛ばして楽しんだもんです。ま、王位争奪編の時点でキン肉マスクの敵5人と戦ってるからそこまでびっくりするような展開でもないはずなのだが、ちゃんとネメシスの設定を固めて、そこに余計なまでにドラマを盛り込んでくれているのは現代ゆでたまごの才ですよ。まぁ、ベタといえばこれもベタではあるんだが……いい男だよね、ネメシス。 そしてその傍らにはファンが最も気にしていた男、グリムリパーの姿も。いやぁ、べーさん、割とはっきり「ニャガニャガ」って発音しとったな。多分もっと笑い声っぽく発音してお茶を濁す選択肢もあったんだろうが、やはりニャガさんの代名詞はこの笑い声なので、そこを誤魔化すのはよろしくないというディレクションでああいう発声になったのだろう。もう、1回やっちゃえば変だろうがなんだろうがキャラとして成立しますので、あとは好き放題のニャガさん像を作っていってほしいですね。ちなみに他の追加メンバーも一通り笑い声は披露しているんだけど、割と「それっぽく」ぼかしているのがマーベラスの「ギュガ」ですね。これはこれで匠の技。ポーラマンの「パギャ」についても割と笑い声っぽいアレンジが効いている。まー、みんなして色々と大変そうではあったな。多分アフレコ現場でジャックチーに対して「お前のジャジャジャはまだ楽でずるくね?」みたいな会話があったに違いない。ジャックチー、ギミック超人だからデザインが間抜けなはずなのに、なんかスマートなの不思議だよなぁ。 そして個人的に今回のハイライトはなんと言ってもスプリングバズーカ! いやぁ、これが令和の世に拝めただけでも感謝感激なんですが、あの無茶なフォルムをなんとかアニメで実現させるため、結構原作絵と構図とか2人のサイズ比とかが調整されてるんですよ。そんな中で最大の萌えポイントはバッファローマンの拳をしっかりと握りしめてるスプリングのおてて。原作絵でも握ってはいるんだけど、画面構成の関係か、アニメ版はより仲が良さそうに(?)、きゅっと握っててとてもプリチー。まさかこんなヘンテコなネタ技が30年の時を超えて格好良くキマるシーンに使われるとは……。 他にもジェロニモが離脱前にブロッケンに託していく台詞がカットされてたり、細かい修正はちょこちょこ入っているのだが、注目したいのは正義超人4人衆の登場シーンでの台詞の順番。原作ではラーメンマンが(何故か中国語で)締めてるんだけど、今回アニメでは登場順が変わり、「ブロッケン→ウォーズ→ラーメンマン」ときて、最後にロビンが登場して彼の台詞で締めている。やはりこのグループにおける参謀役、一番の上位がロビンだという判断での変更なのだろう。こういう細かいところでのこだわりも良いですよね。まぁ、この後のロビンの戦績とかやりたい放題っぷりを考えるとやっぱ笑えるのだが。いやぁ、でも立ち姿がほんとに絵になるロビン。来年からの活躍が楽しみだぜ! その関係性にどんな名前をつけていくのか、最終話。2つの明日は同じものになるのかどうかはまだ分かりませんが、改めて「赤の他人だった2人が、本当の家族になる物語」って書き方は上手い。 意外にも最終話できっちり落とし前つけてくれましたね。今作のテイストで言うならそこまでも辿りつかないんじゃないかと思ったんだが、ラストは一気に距離を詰めて2人のとりあえずの「ゴール」にたどり着けた。まぁ、この形がベターでしょうね(ベストかどうかはまだ分からないけど)。今回のお話で強いて気になった点を挙げるとするなら、悠太が出会った謎の賢者・藤浪さんがあまりにも賢者すぎたところだろうか。彼女が今いくつなのかすら定かでないのだが、逆境を生き抜いて強くなったその人生訓を、出会って間もない悠太に遠慮会釈なくぶつけてきやがった。藤浪がそうした人生訓を得ていること自体が歳にそぐわぬとんでもポイントだが、それが悠太にとって必要な訓話であるということも理解した上で、わざわざ場をセッティングして下賜している状態。あまりにも導き手として手慣れすぎている。これで種﨑ボイスじゃなかったら流石に違和感があったところだが、種﨑ボイスのせいで違和感がなさすぎてかえって困ってしまうくらいである。「フリーレン様、ようやく人間への理解も深まってきましたね」くらいのもんである。過去に種﨑ボイスの愚者って存在したっけ?(アーニャかな……) 閑話休題、そんな賢者の導きにより、ついに真理へと辿り着いた悠太。放っておいてもこの2人だったらいつかは辿り着いてしまう結論だったと思うのだが、今回はわざわざ2人して同時に「現状じゃダメなんだ、もっと外を向いていかないと」って違う相手をあてがったと見せかけて、わずか1、2週で「君じゃなきゃダメみたい」に戻ってくるというスピード処理。まぁ、すでに答えは分かってたってことなんだろうけど。可哀想なのは沙季にあてがわれた方の男で、あいつは純粋にフラれた。理由もよく分からず、単に「生理的に無理」という理由で(そんな失礼なこと言ってない)。それくらいのショック療法がないと臆病な沙季は自分と向き合えなかっただろうからしょうがない。先週のヘンテコ教授が予言を残し、実際に今週その通りになった。そのセットがあって初めて、沙季は自分の心と向き合うことになった。 そして悠太に至っては藤浪さんが当て馬ですらなかった。「おっ、互いに違う異性に興味を持って別々な道を歩むんやな」と思ってたら、むしろ強引にルート修正するガイドだった。なんか、翌週に実習室に行ったら藤浪さんが影も形もなくなってて「もしかして中秋の名月が生み出した幻影だったのでは……」くらいの処理になりそうで怖い。まぁ、そこはシンプルで明確な外付け倫理(逸脱)装置として出てきたと割り切っておこう。 そうして悠太は結論を出し、沙季との「すり合わせ」に臨む。ことここに至っては予防線もガードも何もない。ただ本心を打ち明けて結果を待つしかない。毎度お馴染みリビングのシーン、今回は朝食時だったので画面全体が比較的明るく照らされているが、今までになかった要素として「家の外、ベランダに置かれた鉢の樹木」がはっきりと見えている。過去にリビングのシーンといえばカウンターの上の花瓶がこの場を支配していたが、それまで窓の外、カーテンの向こう側にひっそりと隠れていた植木が、堂々と顔を出したのだ。陽光に照らされて存在感を放つ植木は当然悠太の象徴。これまでと違って本心を包み隠さなくなり、はっきりとこのリビングにある「2つの心」の存在を示している。そして対比的にカウンターの上の花瓶は直射日光を浴びていないのでやや暗めのライティング。沙季の心がまだこの時点では打ち明けられないことを含意する。 しかしまぁ、お互いの心は結局結ばれているのだ。私室のドアを挟んでのやり取りに昨日見た「ルックバック」の光景が重なって一瞬ドキッとしたが、このドアを巡るシーケンスのカット割りも実に興味深い。今作最大の特徴であるカメラの押し引きがここでも遺憾無く発揮されており、珍しく躍動感のある立ち回りを際立たせた。 そして沙季が悠太を部屋に招き入れ、「一線を超えて」からは話が早い。お互いに自分の感情と向き合えたとはいえ、2人して余計なまでに理知的な性格。「擦り合わせ」は万事滞りなく進むのである。こちらのカットでも印象的だったカメラワークがあり、それは露骨なイマジナリーラインの越境。いや、わたしゃ専門家でも何でもないのでイマジナリーラインの何たるかをよく分かってないんだが(「パプリカ」で見聞きした程度だが)、今回は沙季が悠太を抱きしめるシーンで思い切り視界が反転し、通常なら超えないと言われるラインを軽々と超えた。確かに、実際にそうして「ラインを越える」カット割を見るとその印象は強烈。それまでずっと「悠太が前に出る」シーンだったところを、一気に「沙季が迎え入れる」構図に早変わりする。たったこれだけの演出で沙季の決意がはっきりと分かる。お見事。 無事に結論に辿り着いた2人。しかしまだまだこれからの課題も多いし、ラブストーリーとして見るなら、ここから先も刺激は多いことだろう。原作はまだ未完のようだが、この先の展開はどうなるんでしょうかね。だいぶ気になります。 アンドロイドは夢を見るか、第10話。一気に核心へと駆け込む展開、今回のコンテは加藤誠&あおきえいという、TROYCAの総力戦とでも言うべきお仕事ぶり。そんだけ思い入れのある作品なんだろうなぁ。 VS須藤の決着は存外あっさりと。強制的に極限まで追い詰められた状況下で、アトリは自分が優先すべき行動のために全てを捨てた。そこに至るまでの葛藤は、もはや心であるかどうかを議論することすら不要であるように見える。ロボット三原則を無視した暴挙は敵側の狙い通りだったはずだが、アトリはそんな場所はとっくに通過している。スカッとバラエティのごとく容赦無くボコボコにした挙句、終わってみれば暴走ヒューマノイド側には(今のところ)お咎めなしという最良の結果に。まー、いくらなんでも相手側の無茶が過ぎたからな。 結局、「アトリに心があるか否か」というのは外野からしてみれば些細な問題だったのだ。あると思えばあるだろうし、無いと思い込みたければいくらでも理由づけはできる。プログラムの果てに人間に手を上げたのだとしたらそれは人間の責任なのであるし、その先にある「心」を信じるなら、それはきっとなんらかの理由がある行動なのだ。単なるバグや暴走として処理するには、もはや機械と人間の関係性は進み過ぎている。 そうして当座の問題は解決へといたり、あとはどこに着地点を見出すか。そして、これまではずっと夏生の方が「アトリの心の有無」に結論を出すべき物語なのだとばかり思っていたが、結局他者にとっての「心」はさほど大きなファクターではなかった。最後の最後に求められる結論、それは「アトリ自身にとっての心」である。数奇な人生を歩んできた高性能ヒューマノイドは、自分自身の行動の中に「心」を見出して良いものかどうか、数十年にもわたって悩み続けていた。周りの人間の反応をみれば、自分は心を持っている方がいいように思える。しかし、それが度を過ぎて「あまりにも人間らしい行動」に出た結果、前のマスターである椎菜にはバケモノ呼ばわりされた上で断絶してしまった。もちろん、周りの環境があまりに悪かったという不可避の要因があったのは事実だが、本当の高性能であれば、そんな窮地だって脱することができたかもしれない。大切な主人のために何もできなかったこと、それが長い間アトリの中で後悔の念として残り続け、「心を持つこと」への迷いにつながっていた。自分はプログラムで動く機械人形であるべきなのか、それとも、受け入れてもらえる新たな心を宿すべきなのか。そして何より、自分は「心がある」と思っていいものか。 結局、“心”を規定する最大の要因は自認なのだろう。どこまでも深く自己へと潜り、そこに見出せる情動を認められるか否か。アトリはずっとそこに眼を向ける必要を理解しつつ、過去のメモリに蓋をしていたこともあり、どこまでもロボのラインを守り続けた。この度その一線を超えたことで、新たに客体としての自己を認識し、そこに心を見出すことを真剣に検討する必要が出てきたのだ。そして、規定を大きく後押ししてくれるのは当然他者視点での認識。もはや夏生は迷っていないし、周りの人たちも同じこと。「心を持ってもいい」、そう認められ、アトリは本当の意味で「高性能」になれたのかもしれない。 ……それにしても水菜萌さんの達観はすごいな……アトリと夏生の関係性を見ても、一切動じずに全てを見通しているかのよう。この世界で一番器が大きいのは間違いなく水菜萌さんです。 「ビーエイチ」って発音しちゃうんだww第10話。いや、別にそれでもいいんだけどさ、今回のエピソード中、原作のセリフでは「BH」表記が2回あって、1回目のバッファローマンは「ブラックホール」って呼んでたから「まぁ、流石にそやろな」って思ったらそのすぐ後でスプリングの奴が「ビーエイチ」って呼んでるもんで、何が何やらよくわからんかった。もしかしてバッファローマンはまだちょっと気まずさが残ってるからあだ名呼びできない、みたいな演出なんでしょうかね。 などとどうでもいい話題はさておき、今週の最大の見どころは何といっても悪魔超人軍のわちゃわちゃである。なんかよく分からない地下洞窟住まいの面々、あれほんとにどこなのか謎なんだけど、アトランティスの特訓とかもみんないっしょにやってたし、もしかして普段から集団生活してるんでしょうかね。アニメ化に際して惜しかったのは、尺の関係で悪魔マント(?)に関わるくだりが全カットだった部分で、1人1人が適当な理由をつけて完璧超人をターゲット指名していく台詞はなくなってしまった。まぁ、すげぇいい加減なことしか言ってなかったから切ってもいい部分ではあるんだが、特にカーメンの「クラッシュマニアの血を吸ってしまえという神のお告げ」は下ブレ感が尋常じゃないのでちょっと残しておいてほしかった気も。代わりに、ちょけるステカセさんのシーンは完全収録でほんとに可愛い。っていうかこいつらみんなして和気藹々とふざけ合ってる姿が全部可愛い。あれだけ冷酷に悪魔の使命として味方の犠牲を尊重していたスプリングマンが、この後の展開で最大級の友情パワーを発揮していくっていう展開を知っていると尚更である。あと、みんなして憎まれ口を叩きながらバッファローマンを補佐して盛り立てていく姿勢についても、この後の展開を知ってると「こいつらめっちゃ見る目あるやん……」って感動してしまうポイント。やっぱり付き合いが長い分だけ、バッファローマンがスペシャルであることを感じ取っていたということなのだろう。 そんなバッファローマンに「全てを見ておけ」と託した魔雲天。残念ながらバッファローと武道の直接対決は叶わなかったので試合そのものを見せた意味はあんまり無いんだけど、バッファローマンが後々に始祖の欺瞞を見抜いて勝機につなげる展開に関わったといえば関わったのかもしれない。なるほど確かに大殊勲である。魔雲天って本筋での出番は割と少ない方の超人だったはずなのに、この短いエピソードだけでグッと好感度あげたよね。どこぞのマキマキとはエラい違いである。 そうそう、今回の魔雲天の決めポーズのおかげで今更気づいたんだけど、グランドキャニオンでの試合、ナイトシーンになってましたね。思い返せばテムズ川も暗かったので、これってもしかしてキン肉マンのとんでもネタあるあるの「世界中から中継してるはずなのに時差が無い」っていうネタをきっちり回収して整合性をとった結果なのか。だとしたらアニメスタッフのこだわりすごいな。別にそこに矛盾があっても全然気にしないのだが……。大峡谷での対決がナイトシーンになったことで、この度の魔雲天の唯一とも言えるキメシーン、トップロープ上での宣誓が逆光に映えて格好良く仕上がっている。こうやって花を持たせてくれる演出いいよね。紹介ムービーでも「数々の超人を葬り去ってきた」とか紹介してくれたしね。我々熱心な読者でも「魔雲天が葬った超人」が誰なのかは全く知らないんですけどね。 ちなみに魔雲天については「柔道超人」という部分にも割とツッコミが入ることが多いが、今回はアイキャッチのTIPSで「柔道から学んだチーム戦術」とか書かれちゃってるので「お、おう」と納得するしかない。今回に至るまで、あいつにチーム戦略の要素なんて1つもなかったやんけ、とか思わない。霊になって邪魔してたあたりが多分チーム戦略。ついでにTIPSからもうひとネタ拾っておくと、魔雲天ドロップといえばやはり「ペシャンコに」する技です。こちらはキン肉マン超人テーマソング、魔雲天のテーマ「地獄の山脈」の歌詞にも象徴的に登場するフレーズである。「ぺしゃんこ」っていう間抜けなワードも、宮内タカユキ歌唱でバシッと決めると格好良く聞こえるんだから不思議なもんだぜ。あ、ちなみに武道については「剣道超人」と言われていますが、同じく超人テーマソング「覆面の狩人」内の台詞によれば「武道、すなわち剣道柔道空手道など、あらゆる武芸に精通」しているらしいので、武道の概念は柔道超人の上位互換です。 さぁ、第1ラウンドを終えて試合は次のフェイズへ。この度完璧第2陣のキャストも発表され、特にグリム=べーさんというあたりが話題になっていましたが、引き続き出し惜しみなしの良いキャスティングになってるんじゃないでしょうか。特にネメシス役の草尾毅については「そうきたかぁ!」というナイス采配。それにしても体が緑。 ハリネズミパペットかわいい、第11話。ちょっとほしいけど、可愛いパペットって意外と難しい。 今週も相変わらずで色々と刺激の与え方を考えさせてくれる構成。話をざっくりまとめようとすると割と普通の「義妹」ものっぽくなりそうなんだけど、あの手この手でそれを印象的に伝えてくれる手練手管が素敵。 Aパートは軽めに、三者面談のお話。これまでずっと家の中、特に暗い夕方や夜にばかり出番が多かった亜季子さんが珍しくお昼の日の光の中を歩いており、それだけで可愛い(露骨な中の人贔屓)。でも、今作における光の演出ってすげぇ分かりやすい含意があるから、亜季子さんがパッと昼の光の中に出てきたっていうのも、家族の関係性が進んだ証だとは思うんだけどね。 三者面談というイベント、ぶっちゃけほとんど記憶にない。当方、高校時代は超優等生だったもんだから、確か秒で終わっちゃったんだよな。進路も迷ってなかったし(まぁ、まさかその後の人生でこんなに迷うとも思ってなかったが)。だからどのくらい真剣なイベントなのかもよく分からんのだが、多分悠太も似たような感覚だっただろう。「どんな進路でも大丈夫ですよお母さん」と言われ、それに対する返答で確実に亜季子さんからの好感度がアップ。ほんとによくできたお子さんで。高校のセンセってそういう家庭事情って全然把握してないもんなのかしら。そして沙季の方は絶対的な優等生とはいかなかったので一応三者面談で話すことはいくらかあったようだが、悠太の影響で確実に成績アップした沙季も結果的には希望的な評価を与えられ、自分の人生の進路を改めて考える機会になった。そしてその結果が後半パートのオープンキャンパスである。 というわけでBパートは謎の大学教授編。これまでとは違って「1人で歩く沙季」を暗示させる内容で、そんな彼女の内面を掘り下げ、今後を考えるためにダイナミック変なキャラとして謎教授が投入される。世間的に大学の先生ってこういう変人ばっかりだと思われてるんだろうか。まぁ、当たらずといえども遠からずかも。ただ、今回のセンセはあまりに突飛な行動だったもんでちょっと受け入れるのが大変だったが。いや、変なのは教授の方じゃないんだよな。多分読売先輩が単にバイト先の後輩だからって悠太とか沙季のことを大学の指導教官にペラペラしゃべりすぎじゃね? というのが気になるんだ。倫理が専門ってことで、「義理の兄妹」なんて珍しい関係性に興味があったんでしょうかね……。そんでその先生が実際に沙季に会って、なんでそんなとっくりと話をしようと思ったのかも謎。模擬講義の前の忙しいタイミングで、初めてあった女子高生とあんな話をしようと思ったのはなんでなんでしょうね。 まぁ、そこを悩んでも答えは出ないので、作品的な要請としては「この機会に改めて悠太のことを考えるきっかけにしろよ」というだけの装置だとは思うんですけどね。先生曰く、沙季が抱えている恋愛感情はもしかしたら環境が生み出した勘違いかもしれないよ、というお話。まぁ、そう言ってもらえた方が安心する場合もあるだろう。やはりどこかに禁忌を匂わせる関係については「違うよ」って言ってもらう方が楽な可能性が高い。もちろん「そんなこたぁない、これこそが真実の愛じゃ」と反発する可能性もあり、その辺はさすがの大学教授、どっちに転んでも沙季の精神的安寧を害さないようにアフターフォローも入れている。何が目的の先生かは分からなかったが、多分悪い人ではないのだろう。悪い奴がいるとしたら、勝手に個人情報を漏洩しまくっている読売先輩の方である。 教授と対談している一室の描写も、例によって光の演出がさまざまに描かれる。興味深いのはハリネズミパペットの使い方で、登場時以降はとっとと手から外れて放置されていたが、沙季との対話の内容からして、「上から被って外見を作る」パペットは一時的に沙季の象徴として機能しており、そんなパペットがちょうど影の境目に入って日向と日陰で白黒に二分される構図は、今もまだ迷いを孕んでいることの表れ。沙季がどっちに振れるかは、案外先生も興味を持っている部分なのかもしれない。そして、この対話と並行して挿入されるのは予備校の実習室で勉強する悠太と、突発的種﨑ボイスで出てきたメガネちゃんの関係性。いつの間にやら昼飯を一緒に食べるまでの関係になった2人のシーンと、教授の部屋の沙季のシーンが対比的に挟み込まれ、沙季のシーンは右(上手)から光が差し、悠太のシーンは左(下手)から光が差している。舞台において「上手からの力」は何らかの介入、強制の含意。沙季は今回のオープンキャンパスの結果、何かしらの大きな力を受けていることが想起されるのに対し、悠太の方は下手からの光に支えらえるような安定、現状維持、停滞などを想起させている。別に2人の行動に良し悪しはないが、同じようにして「互いに違う道を進んで余計なことは意識しないようにしよう」と考える兄妹でも、そのモチベーションにはいくらか違いがある。 そのことはいつもの通り、夜ご飯のリビングでも描かれている。毎度お馴染み「カウンターに置かれた花瓶」。今回も慎ましくその姿を見せているが、今回象徴的だったのは「悠太の後ろに隠れて半分しか見えない花」である。露骨に悠太が何らかの隠し事、後ろめたいことを抱えていることの暗喩になっており、「予備校の友達」が女性であることを沙季に話さず、2人きりでご飯を食べたことがどこか後ろめたいことが伝わってくる。いや、別になんも悪いことしてないし、悠太のモチベーションとしては全く正しいものなのだが……「悠太は公正だ」とは、以前も沙季に太鼓判を押されていた性質であった。そんな「公正」な悠太は、今の自分の立ち位置に正当性を感じているんだろうか。 まっすぐな兄妹の進路、そこに本当に交わりはなくなるんでしょうか。 心って、なんだろうね、第9話。ほんと、水菜萌さんはいちいち的確なことを言ってくれるなぁ……。 というわけで、結局前回までで愚痴愚痴と考えてたようなことが堂々巡りである。アトリは間違いなくプログラムに従って動いている。そこに心は無さそうだし、実際、今回夏生からクリティカルな質問・命令を受けたらあっさりとこれまでのキャラを崩壊させた。「本当に心があると思っているのか」という質問と「心があるふりをするな」という命令。これだけであっさりと様子が変わってしまったことで、夏生が余計にショックを受けるのはしょうがない。自分で勝手にやったことなのにね。アトリのプログラム上の優先順位ってのも悩ましいところで、「主人の命に従え」がおそらく最上位コマンド。その下に「夏生が喜ぶことをせよ」などがあると思うのだが、例えば「本当に心があると思っているのか、YESかNOで正直に答えよ」という質問が夏生から飛んできた際に、「主人の命に従え」が優先されれば答えはNOになる(実際そうなった)。しかし、もしここで「夏生が喜ぶことをせよ」が優先された場合、適当に嘘をついてYESと答えることだってありえたのだ。アトリがヒューマノイドのくせに嘘をつけるというのはこれまで散々示されてきたことである(まぁ、もしかしたらほんとにロケットパンチが撃てる可能性もあるが)。 結局はプログラム。それは間違いなくその通りなのだが、しつこく言っている通り、今回の水菜萌の台詞に代表される「でもそれって人間と一緒じゃない?」もまた真理。相手の反応を見て、都度最適解を選んでいくという戦略性は人間どうしのコミュニケーションでも必須であり、そのオンオフの判断のどこまでが「理」でどこからが「情」なのかなんて簡単に割り切れるものではない。結局は「どれくらい理解が及ぶか」によってそれを振り分けていくしかないのだ。 人と人との間には「情」のコミュニケーションが存在しているという前提、いやさ幻想。これは「自分は感情を有している」という前提と、「おそらく相手も同様に感情を有している」という前提から成り立っている。だからこそ相手を慮りもするし、想定と異なる反応が返ってくれば不和も生じるだろう。「想定している感情と異なる人間」なんてのは世の中にたくさんおり、わかりやすいところでは宗教的な思想の違いや生育環境の差から生じる文化の違いなど、「そんなこと思うわけがない」という誤った他者認識が世に溢れかえっている。それらの不和の種がありながら、それでも人と人とがコミュニケーションを取れると信じられるのは、どこかでヒトという種に共通の感情基盤が横たわっているという強固な前提があるためだ(往々にしてこれらの前提は犬猫のペットなどにも拡大するが)。転じて、「相手が人に造られたヒューマノイドである」という理解はこの前提構築を大きく阻害する。もしそのロボに積まれた思考回路がヒトと酷似していて「感情がある」と認定するに充分な機能を備えていたとしても、ただ1点、「それがロボである」という前提によって感情のコミュニケーションは成立しなくなる。今回夏生がぶつかった壁は、ただそれだけのもの。とはいえ、直感のレベルで軽々と乗り越えられる水菜萌のような人間の方が少ないのかもしれない。 ぶっちゃけ、この問題は平行線だ。心なんてものは定義し放題でいくらでもその所在は変わりうるものなので、あとは夏生がどう自分に都合のいいように納得できるかというだけの話なのだろう。そこで一番手っ取り早い解決方法として、「とにかくもうヒューマノイドが憎くてしょうがない」という非常にわかりやすい(ある意味安易な)外部刺激が投入される。これにより、夏生はロボを忌避する感情を外において観察することになるのである。自分は目の前の男と同じ感情をアトリにぶつけていたと感じた時、その対象たるアトリをどのように見ることになるのか。まぁ、1つのお話としての落とし所は、この辺りが無難だろうなぁ。 確定演出アツい、第9話。やっぱアニメ版キン肉マンにとってシンボルとなるのは「キン肉マンGo Fight!」なんでしょうかね。個人的にはシリアス味が強い「炎のキン肉マン」の方がどっちかってぇと印象深い派です。そっちも是非どこかでリメイクしてほしいな。なんならセンセーションの方も。串田アキラが元気なうちにやれること全部やろうぜ。 毎回きっちり原作3話分ずつ進行しているので今回も大きな改変などは無く進んでいるのだが、原作首っ引きで確認しながら視聴している身としては、今回が今までで一番細かい編集が多かった回かな、という気がする。ざっくり言うと台詞のカットがかなり多く、詰められるところをぎゅぎゅっと詰めまくった感じ。これは改めて原作を丁寧に読むと理由が分かって、今回展開された3話分、とにかく設定の説明が必要な話なので他のエピソードに比べて圧倒的にネームの量が多いのである。説明しなければいけない要素としてはまずは「ピークのトンデモな性質」について、そして「キン肉マンとカメハメの関係性」「カメハメがキン肉マンに伝えたこと」「その精神がなぜピークを凌駕したのかという理屈」「ピークと武道の関係性」「完璧超人の掟とピークの変心」と、丁寧に掬っていかないと訳のわからなくなる要素がてんこ盛りなのだ。そのどれか1つを完全に切り捨てるという措置がありえないため、それぞれの要素からちょこちょこ抜ける部分を抜いて軽量化を図っているのである。改めてこういうのを見て、「やっぱアニメの脚本家って難しい仕事だよなぁ」と尊敬の念を新たにする。いや、うまくいってる作品だからこそだけども。 要素が多いのでいちいち全部は回収しないが、毎度のことながら過去エピソードでも切り捨てていい部分は容赦なく切っている。具体的には今回「ジェシーメイビア」という名前は1回も出てこない。まぁ、無くても問題ないのでしょうがない。一応そのために回想シーンのキン肉マンがカメハメに言った文句が「お前の代理でジェシーメイビアと戦ってやるのに」みたいな内容から「お前の技を受け継いでやるというのに」とだいぶ恩着せがましくなってる部分だけがちょっと気になったくらいか。まー、ここで「カメハメが1度ハワイ王者を譲り渡した」みたいな面倒な説明いれてられないしな。 他には、バッファローマンの「こうして私はキン肉バスター返しを誕生させました」みたいな丁寧な解説もカット。これも画面を見てれば不必要な要素なので問題ないし、当然風林火山の歴史の説明なんかも、そもそも「あんま覚えてる人はいないだろうけど!」って言ってるくらいだから端折ってもいいだろう。まぁ、原作読んでる時は「確かに、風林火山ってアニメでめっちゃ使ってた印象あるけど、原作だと出てきたの1回だけなんだよなぁ」ってしみじみしたので、その辺の要素が響く人からしたら残念な修正かもしれないが。でも、そんな「アニメ版の象徴たる風林火山」にメインテーマ重ねるのはやっぱアツいのでナイスな演出でしたよ。地味に、技の説明にその後カメハメが捕捉してくれた「それぞれの技にどんな意味があるのか」を織り交ぜてくれた改変も○。そして何より、カメハメの声で風林火山の文言を詠唱してくれたのが◎。もう、我々にとっての最大級のご褒美でした。ありがとうございます。 こうしてきっちり主人公の帰還を印象付けてくれたマッチメイクは素直にとても良いものだったと思う。キン肉マンにおける超人レスリングって、作中でキン肉マンも言うようにどんどんド派手なオリジナルホールドの応酬になってジャンプ的な能力バトル感が強くなっていくと思うのだが、根っからのプロレスファンであるゆでたまごはそれをあんまり良しとしてなかったきらいがあるのよね。その揺り戻しが「2世」で露骨に出てきて、2世の時代って、現実のプロレスの流行り廃りもあるのかもしれないけど、やたら渋いグラウンドでねちっこく展開する試合描写が多かった。画力の向上もあってそれでも作品としては成立してたんだけど、やっぱ活劇漫画としてどうしても地味なところがあって、2世の頃の間延びした雰囲気は試行錯誤の過程だった気がしている。そしてこの新シリーズ。キン肉マンという象徴を使って「渋い技も見せたい」という主張を声高に叫びつつ、それをしっかりギミック超人の打開策として意味を持たせ、ドラマを膨らませているストーリーテリングが実に綺麗。「ゆで、やれば出来るやん」と本当に感心したものだが、まぁ、有能すぎる若手編集のアイディアがどれくらい関わってるのかは不明。なんにせよ、この辺のバトル展開、シナリオ展開で新シリーズキン肉マンがその支持を磐石のものにしたのは間違い無いだろう。 こういう話をすると2世を馬鹿にしてるように見えてしまうが(まぁ、実際その傾向は否めないが……)、別に2世も嫌いじゃなかったんですよ? いろんなテイストをまるっと飲み込んで、老境にいたり完成したキン肉マンが今のシリーズ、それでいいじゃないですか。だから、次の確実に消化試合にしか見えない魔雲天の試合だってちゃんとフックがあるんですよ。たとえ「まぁ、こんだけ男気を見せた魔雲天も、十数年後には可愛いオーバーオール着込んでトラックで息子の部活の送迎してくれる子煩悩なパパになるんだけどな」とか思っちゃってもね。あれはあれでいいエピソードだ。 |
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