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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 アブノーマルな恋愛観を持つ友人にアブノーマルな恋心を抱く主人公がアブノーマルな秘密を持った男の子の一言で元気になった第2話。どれだけ麗しい百合の花が咲き乱れる作品になるのかと思ったら、異常性癖の固まりだったでござる。

 汐は熱しやすい性格なのか、1話ではあれだけ傷つけられて恋に散ったにも関わらず、今度は雑誌の読者モデルにお熱。いつものように「可愛い、可愛い」と連呼される純夏はたまったものではない。男子に揶揄されたこと、一緒に服を選びに行ったことなどとも重なって、「小さくてドジっ子、やわらか〜い」という汐の理想像の真逆の自分にひどく落ち込む。まぁ、確かに女性で175㎝ってのはでかいな。和田アキ子よりでかい。っつうか大体私と同じくらい。目線の高さが同じ女性って、それだけでなんだか違和感がある。冒頭きよりや汐と並んでるカットで、汐は顔が純夏の首元あたり、きよりにいたっては胸元あたりに目線が来るようになっていて、「どんだけでかいねん!」と思ったが、どうやらあのカットもあながち間違いでは無かったらしい。加えて家のタンスを引っかき回しても寒色系の衣類があふれるばかりで、確かに女性としての色気は皆無。「暴刀村雨」は伊達ではない。あぁ、でもスタイルはものすごくいいよね。垢抜けた格好すればモデル体型なのは間違いないんだけど。残念ながらそれでも汐の「好みのタイプ」には合致しなかった。

 しかし、そんな純夏に力を与えたのは、同級生の朱宮君。見るからに内気でひ弱そうな彼は、純夏に押し迫られると地面から両足が浮き上がってしまうほどの体型。そして、それを活かした(?)ご職業にもついている。もう、このクラスにまともな人間はいないらしい。でも、憧れの人を前にして、きちんと「可愛いと思います」って声をかけて上げられるあたり、案外男前だと思うんだ。たとえ男の娘であろうと、やるべきことはやれる人間。でも、お願いだから寝るときのフリルのキャミソールとかは勘弁して。

 そして、再びわき起こる「辺の閉じた」三角関係。汐は朱宮に憧れ、朱宮は純夏に一目惚れ。そして純夏は汐に秘めた想いを打ち明けられずにいる。今後のことを考えれば、カギを握るのはやっぱり純夏。彼女のテンパリがどこへ行くかが、今後の物語の焦点になるのは間違いないだろう。それにしても……なんでこんな連中が集まるかなぁ……

 予想していた展開とは違って斜め上に方に進んでいる気もするのだが、このラブストーリーは確かに気になる。個人的には、今回のエピソードでより純夏の魅力が確認出来たように思える。この手の「男前の女性」キャラは、1つの萌えテンプレートとして存在している。近年の萌え歴史で端を発するとしたら個人的には榊さんあたりだと思うのだが、その後もサンプルには事欠かず、直近のアニメなら「かなめも」のユーキが近いか。こうしたキャラはベースに「黒髪ロング」「何をやっても万能」「基本的に寡黙な質」「不器用なので賢いのに一周回ってアホ」「褒められ慣れていない」などの属性をもっている。しかし、今作の純夏の場合、最後の属性が非常に極端な形で現れる。朱宮に「可愛いと思います」と言われたあとのテンパリぶりは尋常ではなく、あまりのことに半分酩酊状態で浮かされたようにその場を去り、何を思ったか、花束を抱えて汐宅へ直行。おい、何をする気だったんだ。

 その後も先週までの悩みなど無かったかのように「告白することは確定」の態度で時期を待つ純夏だったが、実にあっさり、当たる前に砕けるという悲しい結末。それでも「自分では駄目だったから」と叫んで朱宮を追いかけるなど、最後までずっと汐のことを思っていられるのは凄い。どう考えてもこんな素晴らしい嫁はいないと思うぞ。汐もうだうだ言わずにもらっとけばいいのに。

 というわけで、現時点での視聴動機、視点は完全に純夏。適度なギャグも交えつつ描かれる彼女の生真面目さは非常に好感が持てるし、非常に画面の動きの少ないこの作品で、実は最も表情豊かに動いて見せているのが、一見クールビューティーな純夏なのだ。今後とも頑張って欲しいです。もちろん、中の人もね。彩陽は達者だから未だにどのあたりに地声のベースがあるのかが掴みにくいです。

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 今期はあんまり感想が書きたくなるような作品もないなー、というよく分からない悩みを、最も嫌な方向から解決してくれた絶望の第2話。すまん「ミラクルトレイン」、お前よりも「もうやだこの国」な作品は存在していた。腐女子のパワーというのもものすごいものがあるが、やはり男性ヲタ向け作品の方が、芸術点は上を行く。やおいやBLがいる場所は、萌えエロが既に三千年前に通過した場所なのかもしれない。

 視聴してからざっと見ただけでも分かるのだが、この第2話、既に各所で話題を呼んでいるようだ。そらそうだよな。これまで様々なアニメが作られ、ギャグもシリアスも実に多種多様な角度から創作が行われているわけだが、ここまで「バカ」の一言が似合う創作物も珍しい。たった1つ「パンツ」というキーアイテムをとことんまで突き詰めることで、ここまで馬鹿馬鹿しいものに仕上げてくるとは。このスタッフ、ほんまもんや。確認すると、コンテ切ってるのは斎藤監督本人。まぁ、これは仕方ない。こんな気の狂ったコンセプトで他人に指示を与えるのは無理だろう。そして、演出には奥野耕太。……奥野さん、何してはるんですか。あんたやっぱりすげぇよ。

 具体的に何がバカなのかはエンディングを見れば分かるのでここでグダグダ説明する必要も無いだろうが、野暮とは知りつつ更に余計な掘り下げを行いたい。まず、この作品を支える大事な要因の1つに、前回感想でも取り上げたキャラクターのデフォルメ化がある。ギャルゲー原作などの萌え作品の場合、野郎のキャラにも「愛らしさ」のステータスを損なわないためにデフォルメで描くというのはよくあることなのだが、この作品の主人公は、これが徹底している。最近だと「ケメコデラックス」の三平太なんかが近いイメージだが、極端な場合には他のキャラクターが全員普通の等身なのに、智樹だけが1人でずっとデフォルメを維持している場合もある。そはらが水たまりを渡るシーンからの連続モロ未遂シーンなんかは、デフォルメでやってるからギャグになるが、もう、あり得ないレベルで色々アウト。いや、どう弁護しようがやっぱりアウト。これが世間の選択だというなら、とりあえず「乃木坂」の湯気をとってくれるようにYTVに乗り込むべきだとは思う。

 他にも、非常に爽やかかつ鮮やかな映像を使って真顔で小ネタを連発しているために、息つく暇もない。最初は羽ばたいていただけなのにブルマを境にジェットで飛び出す下着類(正確にはジャージやスパッツも飛んでるから下着じゃないけど)、ご丁寧に包帯だけは何の爆音も出さずにひょろひょろと飛び出す。幼い頃の回想では、智樹が偉そうにそはらにチョップの指導を行っており、幼児の瓦割りという非常に珍しいシーンもみられる。現在あれほど智樹が恐れている殺人チョップだが、実際はお前が伝授したんじゃないかと。ご丁寧にそはらはどんな体制からでも打撃はチョップ限定。チョップを連打で繰り出せるヒロインってのは珍しい(「SOUL EATER」のマカくらいか)。

 そしてエンディングでは大群を成すパンツを、何故か鷲が捕獲して持ち去る。「あぁ、これが弱肉強食の自然の摂理か」……って、鷲は巣に持ち帰った後に途方に暮れたんだろうなぁ。パンツがきれいな群れを成して飛んだり、疲れて樹にとまってみたり、非常に細やかな表現が見事なのが、かえってこの作品の病巣をくっきりと浮かび上がらせる。パンツのみをわざわざCGでモデリングして美麗なグラフィックに仕上げるという手間のかけ方は、「努力」でも「演出」でもなく、単なる「病気」だ。あぁ、褒め言葉ですけどね。そしてバックに流れる歌がちょっと懐かしい感じでまたいい歌なんだ。もう、こんな国に誰がしてしまったんだ。

 とにもかくにも、2話目で一気に話題をさらった超絶バカアニメ。ただ、「ケメコデラックス」も2話がピークであとはトーンダウンした、なんて実績もあるので、来週も同じように感想が書きたくなるかは分からない。今のところトピックス立てたのがこれと「超電磁砲」って……今期のアニメは大丈夫なんだろうか。

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 突如現れた卑弥呼の亡霊に、「何かちょっと名前出てたけど全然イメージできてなくて、出てきたら出てきたでそんなに強烈な印象も与えないまま引っ込んだRPGのラスボス」を思う最終話。ずーーーっとハーゴンの話しか聞いてなかったのに突然「シドーもいるよ!」って言われても、なぁ。

 とまぁ、最終回としてのバトル展開には盛り上がりにかける気がしたが、全体的な総括エピソードとしては大きな失点もなく、無難にまとめたという印象。ラストということでコンテ演出も監督自ら行い、作監もあり得ない人数が並ぶ、気合いの入った体制。大崩れしなかったのはありがたい。唯一、地下空洞やアトラス内にいるあいだずっと目の下にポイント入ってたのが気になったけどね。光源の向きにこだわったのかもしれないけど、最終決戦や感動の別れのシーンでみんなして目の下に隈があるみたいで余計な気がした。今まで特にこだわってなかったくせに。

 さておき、今回、画的に感動したシーンは大きく3つ。1つ目は、エンディング前の國子の笑顔。一応主人公らしい締めではあったかな。國子の顔ってわりとのっぺりしてるから可愛く描くのが難しいのだが、今回は全体的にいい表情が多かった。2つ目は、美邦様を庇う一瞬のミーコ。幻影のようにふっと現れて銃弾を受け止めてふっと消える。コンマ何秒の動きの中に、ミーコの持つ力強さと柔らかさを見せてくれた得難いカット。そして一番キた3つ目は、小夜子の袖を引く美邦様。お持ち帰れますか?

 シナリオ面では、まずやっぱり一番どうでも良かったのが主人公サイド。天沼矛はあっさり抜けたのに、卑弥呼は宿らず、涼子も移らず。2週前にフルボッコだったはずの格闘戦も、何故か矛アタックで瞬殺。一時的に何か霊的なパワーが宿ったってことなのかな。そしてラスボスである卑弥呼戦には、仲間の力の象徴である特大ブーメランを持って参戦し、こちらも瞬殺。見せ場は……特になし。一応主人公らしい台詞を言っていた気もするが、それだって「私たちの未来は私たちで決める」みたいな陳腐なもんだしなぁ。頑張ったんだろうけど、いまいち応援するタイミングのつかめないヒロインでした。

 他方、今回きっちり泣かせるエピソードを紡いでくれたのが、残りの幼女2人。美邦様はミーコとの別れと、小夜子から受ける初めての体罰。ミーコにハンディキャップを全部持って行ってもらったのはいささか都合が良すぎるが、今まで幼い身で頑張ってきたんだから、これくらいのご褒美はあげてもいいだろう。日の光の中で見る美邦様の抜けるような白さは、國子とは別の、まっさらな未来の象徴かもしれない。

 そして失意のどん底にたたき落とされていた香凛。自失の体だった彼女が、最後の最後、涼子の思惑を乗り越えるべく、メデューサの「視野」を書き換えていた。ここ数週にわたってあれだけ苦労していたメデューサ退治があっさり片付いたのはやっぱりご都合主義ではあるのだが、「両親との再会という唯一の望みが絶たれる」→「メデューサという、夢を叶えるための装置に未来を託せなくなる」という流れから、「生みの親」である香凛自らメデューサの命を絶つ決心がついたと思えば、理解は出来る。そして、何もかも失った香凛(このときの独白で真っ先に「お金もない」から入るあたりが流石だが)。最後に残ったのは、チャンとクラリスという現実の仲間たち。バーチャル空間のみで生き、バーチャルに望みを絶たれた彼女に、きちんと現実から救いの手がさしのべられるエンディングは、非常にきれいにまとまっている。クラリスはなかなかいい女であった。

 他には、出自を説明され、がっかりし、オカマに慰められる国仁。基本的に、モブ。あと、最後の最後でどさくさに紛れて逝ってしまった、我らが武彦。思いの強さは分からなくもないが……何も死ななくてもよかったのでは。涼子取り巻き野郎ズの1人もうっかり巻き添え喰っているが、彼らの死には何を思えばいいやら。貴重な人柱に2人追加。

 最終的に、分からないこと、もやもやしたことが多い話ではある。例えばアトラス体制が崩壊したとて、世界的に炭素経済は続いていくんじゃないかとか、もともと「ダイダロス」のせいで東京の森に住めなくなって移住してたはずなのに、また森に放り出されて大丈夫なのかとか。もともとアニメではそこまで踏み込まないで舞台設定を描いてきたので、考えれば考えるほど穴は多い。しかし、それでも「何となくきれいにまとまった」感を出すにはほどよい最終回だったとは言えるだろう。エンディング後に鳴り響く鐘の音は、12時をさして「新たな世界の夜明け」を意味する。東京空襲の際には「東京の終焉」の象徴として打ち鳴らされた鐘の音が新たな「シャングリラ」の幕開けを告げるというのは、なかなか気の利いた演出だ。他にも、それまでじっとりとしたアトラス内部ばかりが描かれていたのと対比して、ラストシーンはちょっと飛ばしすぎじゃないかと思えるくらいにまぶしい日の光の中にメインキャラクターたちが居並ぶ構図になっており、「夜明け」のイメージが強く打ち出されている。もともと鬱蒼と茂った森のイメージから始まったこの作品だが、空襲で焼け野原になった東京にも、光がさすことできちんとポジティブなイメージを上乗せさせているわけだ。一番の売りだったビジュアル的な美しさが最後の画面に活きているのはうれしかった。

 何はともあれ、無事に風呂敷をたたみきった24話。ひとまずスタッフの人にはお疲れ様の一言を。そして、それなりの構成力と創造力を示してくれた別所誠人監督の次の作品にも期待したい。

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 次回予告がレンジムラタの1枚絵だったので「マジで次回は村田さんが原画描いたり、あわよくば作監したりしねぇの?」とかあり得ないことを考えてしまった第23話。気付けば次回は最終回のようです。何か微妙な時期に終わるもんだな。

 前回からの引きで一気に盛り上がる! と思ったのだが、思わせぶりな反逆を起こした国仁は開始5分であっさり改心してしまうというあり得ない展開。結局おかぁちゃんはどうなったのよ。何で國子に啖呵切られてあっさり参ってるのよ。本当にまこっつの声あててるキャラクターはヘタレしかいねぇな。今「まこっつ」か「マコッツ」かどっちの表記が一般的か確認するためにググったらwikiのプロフィールに「ラッパー」って書いてあったわ。爆笑しちまったじゃないか。

 さておき、美邦様を引き連れてアトラス最深部へ向かう涼子。途中の取り巻き野郎ズの反乱のおかげで、奇跡の復活を遂げた小夜子からは美邦に従う気など全く無いことをあっさり看過されるも、全く意に介した様子もなく、その超人的なパワーで全ての難敵を叩き臥せていく。兄を裏切って味方に付いてくれるとまでいったドMの福山(中の人名)にも躊躇なく発砲。小夜子に対しては、唯一の甘い思い出だった大学時代の教授を奪い取ったこと、彼女の娘を見殺しにしたことなどの非道を嘲笑とともに明かし、さらに2週続けて奈落にたたき落とすというあり得ない体験までさせている。どう見ても美邦は涼子に従う道理などなくなったのだが、最後の最後は脅迫で力押しの展開に。おそらくこれまでの裏工作は、自分にとって最も都合のいいトリプルAである美邦をここまで連れてくるためのプランだったのだろう。万一このままアトラス支配が完了すれば、あとは後継者たる美邦を始末すれば、涼子にとっての完全なる「シャングリ・ラ」が生み出せることになる。

 涼子の計画のもう1つの大事な軸が、メデューサを利用しての国連の核制圧。こちらには凪子たち年寄りコンビまで巻き込んで健闘していた香凛に対して、3年越しの衝撃の真実を告げている。香凛の両親は既に死んでおり、その情報を隠匿したのが、既に開発中だったメデューサに目を付けた涼子だった。香凛はこれまで、「パパとママに会えるから」という理由だけをよりどころにメデューサを駆使した金儲けに走っていたわけで、そんな幼い彼女のアイデンティティを根本から突き崩し、メデューサを完全に掌中に収めることに成功している。突然イメージ映像の上に2体の熊が現れたシーンは一瞬感動の再会かと思われたのだが、熊の語る真実は夢幻のような現実感に乏しい「事実」ばかり。じわじわと香凛の思い出を浸食していくプロセスは、これまでずっと石田香凛という少女の成長を見てきただけに、痛々しいのを通り越して戦慄すら覚える。どこまでも悪役に徹した鳴瀬涼子というキャラクターも、この作品で生み出された最大の見どころかもしれない。

 そしてようやく、本当にようやく、主人公の登場だ。実は今回もちょっと器用なブーメランキックを見せたくらいであとは延々5分以上もたった一本の宝剣を頼りに自由落下しているという状態。「いや、無理だろ」という突っ込みはいいとして、一度は涼子にボッコボコにされた身で、果たしてどういう自信があるやら。最後くらいきちんと締めてほしいもんだが……あと一週で香凛が立ち直れるかなー。 

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 一言でいうなら、小夜子無双な第22話。散らかり放題だった伏線が、人物関係が、そして感情が連なりはじめ、一気に物語が引き締まっていく。

 メデューサを止めるためにアトラスにあるゼウスへと突撃をかける國子とモモコ。立ちはだかるのは美邦様のために全てを投げ出す覚悟の小夜子。科学者であり、執務役であり、そして母親でもある彼女の執念はすさまじく、2度目の対峙となるモモコをメス地獄で撃破し、どう考えてもはるか先を駆け上がっているはずの國子に超高速で追いついて叩き臥せる。最終的には美邦と涼子の会見の立会人となり、自らが最後の障壁であると悟ると、母のぬくもりを残してその身を散らせた。はっきり言って、この作品に登場したどのキャラクターよりも勇ましく、潔い退場であった。

 そんな小夜子を中心に、様々な感情が巡る。これまで完全にモブキャラとしか思ってなかった涼子様取り巻き野郎ズの中に小夜子の弟がいることが判明。野郎ズの中で内乱が発生し、これまで完全に小夜子の操り人形だと思われていた意志が遅ればせながら動き始める。確かに小夜子の脱走劇とかもあったけど……もう色んなことが有りすぎてすっかり忘れてたわ。当然、桜井(キャラの名前が分からないので中の人の名前で勘弁)が涼子を裏切ろうとしたきっかけのシーンなぞ覚えているはずもなく、正直「いや、今そんなことを言われても」という状態なのだが、涼子の下卑た発想はいかにも、といった印象ではある。

 そして、そんな涼子もいよいよその正体を現す。前回までは唯一世界を救うためのよりどころだったはずの「ゼウス」。なんとその顕現した姿が涼子である。インターフェースとしての実体の保持というのがどのレベルで行われているのかはよく分からないが、少なくともこれまでの突拍子も無い気まぐれの動機付けは一気に解決した。涼子が一個人ではなく、あくまでアトラスのセントラルコンピューター(の化身)であるとするなら、総理の任や日本の趨勢、そしてメデューサという矮小なシステムに興味を示さずに鷹揚な態度であったことは納得できる。アトラスというシステム自体は涼子もいうように地脈などの多数の要素で構成された「楽園」であるからゼウスだけで成立するかどうかは微妙であるが、その全てを理解し、破綻しないギリギリのラインを見切り、その上で「大きすぎる世界を細かくしよう」という意志は、突拍子も無いが理には適っている。アトラスがあればいいのだったら「世界」には興味も無かろうし、核の冬にも、炭素経済の破綻にも影響は被らないというわけだ。まぁ、結局「鳴瀬涼子ってどんな存在なの?」っていうのが一番気がかりな点ではあるけど。

 そしてアトラスランクAAAの競演。ミーコと小夜子の意志、そしてそれらが培った自らの不遇を克服するため、自らの意志で世界の崩壊を選択する美邦。愚かしい決断であるのは間違いないが、幼い美邦にここでクールな判断を要求するのは無茶というものだろう。今彼女の中にあるものは、小夜子とミーコに対する無念のみである。対して、ゼウスと美邦という世界の敵を前に、最後の抵抗に出る國子。しかし、唯一の救いと思われていたゼウスに裏切られ、窮地に立たされた主人公は今のところ頼りない。そして、全く分からない状態になっているのが、国仁。まぁ、次回を待ちます。ようやく全てのパーツがつながっていく実感がわく展開になり、来週以降は目が離せません。

 今回は加えて作画、動画の状態が良好で、ちょっと癖のある画風ながらもモモコVS小夜子、涼子VS國子などのアクションシーンはけれん味たっぷりの美味しい画面。村田絵に無理に似せろとは言わないので、こうしてきちんと統制の取れた画面でいい物を見せてくれるなら毎回不満もないのだが。気になって調べてみたら、今回作監の小林利充氏という方は、お気に入りだったufotable作品にも大きく関わっていたクリエイターのようだ。何か馴染みがあると思った。 

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 ついにやってきた、香凛が全編しゃべりっぱなしの第21話。最近は色んなところとの絡みで台詞も増えてたけど、今回はほぼ全編出ずっぱりで話の中心となっていた。ただまぁ、作画はあまり好みでなかったのが残念だけど……ほんと、少しのバランスでものすごく崩れて見えてしまうのは何でなのかなぁ。

 前回の対テロ爆撃により全てを失ってしまった香凛。救援に駆けつけた國子にも惚けた様子を見せるが、國子は持ち前の強引さから彼女をアキバの三老人の元へ引きずり込み、メデューサ対策を命じる。結果的には全てメデューサに先回りされており、残される手段は「ゼウス」による特攻のみ。しかし、ゼウスの指揮権は今や美邦に移ろうとしていて……というところまで。美邦様も別な理由で色々と苦労しているので「あぁ、美邦様がアトラスに入ってしまったのが全ての終わりの原因か」とはいまいち思えないのがシナリオ上の気になるところ。これで美邦様がすんなり涼子を蹴り倒してアトラスを手に入れてくれれば美邦VS國子という構図になるのだろうが、相変わらず涼子はどこまで考えているのか分からない余裕ぶりを見せている。おかげで誰がどこでナニをすればピンチが回避出来るのか、直感的に伝わりにくいのだ。香凛も過去に家宅捜索のピンチをあっさりクリアして見せたし、お金持ちのクラリスに至っては一度破産してるはずなのにあっという間に元の地位に戻ってきた。このアニメは何が起こればゲームオーバーなのかが分からないのが困る。少なくとも凪子達の話では炭素経済が終焉を迎えるために日本どころか世界まで崩壊するらしいのだが……たった1つのAIのせいでそこまで瓦解する世界経済ってのもどうなんだろうね。最終的にはメデューサも経済云々をぶち抜いて核にまで手を出しちゃってるし。分かりやすくなったのはいいことなんだが、やっぱり今まで悠々と泳いできたメデューサとはイメージが違うんだよなぁ。

 こうした「コンピューター上での電脳バトル」というのはとかく表現が難しい。直近では「CANAAN」の爆撃回避シーンが、いまいち何をやっているのか分かりにくくてのめり込めなかったし、この作品も、メデューサを破壊するために衛星にアクセスしてたたき落とすなんて派手なことをやっているわりに、それが画面に現れにくい。「ファイアーウォールが4枚残ってる」とか画面上のモデルで見せられても、あまり緊迫感はないのだ。まだ以前の小夜子や香凛のゼウス進入作戦のビジュアルの方が見栄えがしたなぁ。個人的にこの手のシチュエーションで最も燃えるのはエヴァの13話。

 せっかくの香凛の見せ場がいまいち盛り上がらなかったのは至極残念。まだ出番は終わったわけではないだろうけど、残りわずかな話数で、混迷を極めた現状をまとめきることが出来るのだろうか。そして、武彦はどこへいってしまったんだろうか。

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東京、焼け跡、炊き出し生活。なんだかやたらと「東京マグニチュード8.0」とイメージが被ってしまう第20話。アトラス住民とメタルエイジはすっかり仲良しさんだけど、確執とか一切ないもんなのかなぁ。メタルエイジからしたらアトラス組はこれまで自分たちをないがしろにして豪遊してた高等遊民に見えるし、アトラス組からしたらメタルエイジ達ドゥオモ組は違法難民みたいなもんだと思うのだが。まぁ、困った時に力を合わせるのはいいことですが。

 前回の引きでメデューサが暴走したので今回はその話になるのかと思ったが、意外にも香凛はメデューサの暴走を放置。お金持ちのクラリス共々、賢いくせにその辺の危機管理能力に欠けているのが不思議。そしてそんな彼女が目をつけたのは、国仁の持つ最後の宝剣。これを無理矢理奪い取ったことで、ついに美邦様がトップ(何の?)に躍り出ることに。

 しかし、「国を守る気概」がおありの涼子様にはそんなことは関係ない。メデューサの暴走を利用して、大義名分を得た秋葉原空爆を誘導する。ロシア方面からの国連軍に街を焼かれ、美邦様をかばった水蛭子は消滅した。凪子の話ではあの水蛭子がアトラスを支えていた礎であるはずだが……ほんと、涼子様はどこまで考えて動いているのだろうか。空爆で発生した二酸化炭素は誰が責任を負うのだろうか。そして、香凛は無事なのだろうか。

 大きくストーリーが動き続けるこの作品だが、局面が絡み合う忙しい展開のため、エピソードによって非常に見やすさが変わる。今回は場面転換が多かったにも関わらず、きちんと「つなぎ」のファクターを意識した構成になっていたので筋を追うのに苦労はなかった。凪子たちの台詞なんかはどうしても不自然な説明台詞になってしまうのだが、まぁ、そのあたりは仕方ないところだろう。東京の地面に描かれた六芒星のデザインを見て「魔動王グランゾート」を思い出してしまうのも、世代的に仕方ないのだ。アトラスの地下からでっかい顔が出てきたら面白いのに。

 冒頭、モモコが現役時代を思い出している回想の音声で仲間とおぼしきオカマの声が響くのだが、これを余ったキャストが総出でやっているのが面白かった。中村悠一や柿原なんかは分かったのだが、他は誰だったのかな?

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 森を焼き、故郷を焼き払った第19話。熱に反応して爆裂するダイダロスに対して爆撃ってのはどうなんだろうとか、よりによってこんな話の放送日が810日とかどうやねんとか、色々考えてしまう。世の中に「正しい行いとしての爆撃」なんてものが存在するのかなぁ。

 そんな非常に暗示的な「破壊と別れ」を描く今回は、まるまる一本東京を焼き払うのに費やすという、非常に余韻を多めに取った構成になっている。クライマックスであるドゥオモ爆撃時にはオープニングテーマの別バージョンが流れて盛り上げてくれたりしたのだが、どっちかっていうと「せっかくサントラ買ったのにこのバージョン入ってなかったわ!」とかが気になって仕方なかった。サントラは1枚だけだよなぁ。どっかに収録されるのかなぁ……まぁ、こんな退廃的なシーンで流される曲が「キミシニタモウコトナカレ」というのは非常に意味深ではあるのだが。最期の鐘の音が住民達の耳に届くという演出は、ベタではあるが美しいグラフィックと相まってなかなか印象深い仕上がりであった。

 ただ、シナリオ上の盛り上がりには不満も多い。住民をアトラスに移しての爆撃というのは、これまでのストーリー展開からすれば非常に大きな転機であるはずなのだが、涼子も國子もいまいち正念場という気概が見られず、どちらかと言えば惰性で動いているようにすら見える。ドゥオモ爆撃のシーンの感情の高ぶりだけは少し受け入れられたが、他のシーンはどちらかというと淡々と作業をこなしていた印象。凪子の紡いだ創世神話もいまいち意味が分からなかったし、全体的にはこれまでと真反対でどこか物足りない印象ですらある。もう少しドラマティックなシーンがみられるかと思ったのだが……そのあたりはちょっと期待はずれ。まぁ、メデューサの暴走という引きだったので、真のクライマックスはまだまだ先なのだと思うことにしよう。

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 東京大空襲の決定、色んな問題があっさり解決しちゃった第18話。美邦様と國子の出会いやモモコとミーコの再会、そして凪子のアトラス突破など、今まで微妙にかわしていた問題が何の前触れもなくガンガン進行していくので、今までの苦労は何だったんだろうと拍子抜けしてしまう。

 今回は作画の状態は中の上。たまに遠景になると國子の顔がおかしくなることもあるのだが(今週はメタルエイジの作戦会議のシーンとか)、全体的には雰囲気は維持できているくらい。もう、少しくらいぶれても笑って許せるようになりましたがね。GONZOさんも大変なところらしいので、暖かく見守ってあげましょう。

 本筋では、2つの出会いと東京空襲の進行、そして凪子の帰還にアトラス再上陸と、イベントてんこ盛りでせわしない展開。香凛、國子、美邦というロリ3人が集まってくれているおかげで視点が散らかっている印象は薄いものの、ミーコと出会ったモモコが一体どんな気持ちであの場を後にしたのかとか、美邦様が妹だと判明した國子は何も言わずに帰ってきたのかとか、あんだけ苦労して、死人まで大量に出して進入したアトラスにこうもあっさり再入場出来ていいものかとか、クエスチョンマークは枚挙にいとまがない。様々な伏線を回収してまとめる時期に入ってきているとはいえ、流石に説明不足の感は否めないだろう。國子の画策する東京空襲も、ダイダロスという植物がその絶対的な繁殖力からここまでの驚異になったことを考えるなら、空から爆撃した程度で根絶やしに出来るのかどうかも疑問である。そもそもそんなことが可能だったんなら、もう少し早い段階で金を積んでアトラス側と武力で交渉することも出来たと思うのだが。話の規模が大きくなっているせいか、最近不条理な展開が多い気がする。

 それでも楽しみなのはやっぱり幼女達の共演。毎回毎回美邦様の前での会話は「誰かが大した意味もなく嘘をつきやしないか」とハラハラしてしまうのだが、相変わらずモモコや國子に対して誰もルール説明をしてくれないのは鬼畜。でも、ルールってどれくらい厳しいもんなのかね。今回もモモコの「(イヤリングは)凪子からもらってきたの」とか、「せめてお母さんと言ってよ」あたりは「嘘」と言ってしまってもいい気がするのだが……本人に嘘付いてるつもりがなければセーフなのかな? 注意して聞いていると、やっぱり慣れているのか小夜子は非常に巧みな言葉遣いで嘘を回避しているのが分かって面白い。

 とにかく来週は東京空襲。もう誰が敵で誰が味方で、誰が何をすればミッションコンプリートになるのかもよく分からなくなってきているが、一応完結している小説原作なのだから大団円があるに違いない。一抹の不安を覚えながらも、次回の美邦様と香凛の活躍に期待したい。

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Thraxi
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男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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