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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「終わっちまったよ……」と思わず呟いちゃった最終話。最後の最後まで、「さらい屋」は「さらい屋」であり続けました。この胸の中の気持ち、どこにどうしていいものやら。

 感情的になって酒を浴びていた弥一に、ついに八木が接触した。薄々感づきながらもはっきりとは問いたださない八木の口から、「誠之進」について語られ、自らの「家」が既に無いことを確認してしまう弥一。今更あの家がどうなっていようが、弥一の今の感情はどうしようもない。「もうふらふらですよ」というサブタイトルは、やけ気味になった現在の弥一の心境はもちろんのこと、憎き「弥一」を探し求めて途方に暮れてしまった彼の人生そのものが悲鳴を上げた台詞でもあるのかもしれない。

 そして、「ふらふら」の弥一に再び接触したのが、彼の人生を大きく曲げてしまった男、仁である。「くたばる前に」と言い置いて、仁は「弥一」の真実を語る。誠之進を拐かした計略に、「弥一」は一切絡んでなどいない。下郎に身を落とし、復讐に身を焼きながら生きてきた弥一の人生は、たった1つの嘘から生まれ、たった1つの告白でどうしようもなく壊れてしまう、脆いものであった。

 あまりの事実を突きつけられて自制を失った弥一は、そのまま仁を川に沈め、自らは「弥一」の墓に赴いて嗚咽するだけ。白いものが空を覆い始め、このままではただ、雪の中に泣き続けることしかできない状態。そんな誰がみてもやるせない状況ですら、「空気を読まずに」介入してくるのが、政之助という男なのだ。恥も外聞もなく彼にもたれかかる弥一。一夜の悲劇は、雪が止むのと同時に、空に上がっていったかのように溶けて消えた。

 いつも通り、梅の店に集まる五葉の面々。弥一がどうなったかはみんな気が気でない状態だったが、そこにメッセンジャーとして松吉が現れる。「五葉は、まだ終わらない」。矢も楯もたまらずに弥一に会いに行く政之助。彼が力なく転がる弥一に差し出したのは、初めておごられる側から差し出す側に替わった、たった1串の団子。政之助が差し出したものを初めて弥一が受け入れた。

 

 うーむ。終わっちまったよ……多分視聴後にほとんどの人間が思うが、「仁の始末は?」というのが最大の心残り。いや、弥一とマサが安定を取り戻せるならばお話としては構わないが、どれだけ酷いトラウマを植え付けられたとしても、衝動的に人を1人始末してしまったことに対する埋め合わせは出来ていない。「義賊」としてなりたつ五葉は人殺しなんて容認できるはずもないし、仁がメッセージを届けるだけ届けて退場したことは、流石にこんな短い時間で消化しきれるものではなかった。

 あとはまぁ、マサ×弥一っていう組み合わせが鉄板っぽく扱われていることに対する感情かな。マサの気遣いは良いのだが、今回のエピソードだけでは弥一があの絶望的な状況から立ち直る理由が見あたらないのだよね。確かに政之助があのシーンで弥一の墓にやって来る理由はなく、あそこで巡り会えたことに運命的なまでの「マサの気遣い」を感じることは出来るが、流石にそれで過去の一番辛い出来事が流されるかというと……うーむ。弥一の心のゴールがいまいち見えませんでした。

 ただまぁ、そうしたブラックボックスを描くための構成としては、今回も徹底的な「静けさ」を維持していたのは1クール見てきたファンにはたまらないもの。白刃きらめく刃傷シーンでも具体的な動きを見せないのはこれまで通りだが、最終回と言うことで、飛び散った血潮が画面上にへばりつくというキツめの演出によって、今回の「事件」が作中でも特別なものであったことを示唆している。そして、執拗な「静けさ」は最後の最後にまで影響を及ぼし、政之助が差し出した団子をほおばった弥一は、特に何かを言うわけでもない。ただ少しだけ相好を崩し、団子を受け入れただけだ。これまでの積み重ねがあればこそ、あのシーンは「エピローグ」たり得るのである。そう考えると、この作品のエンディングはやっぱりアレで良かったのかも。

 最後の最後まで、信じ抜く道を貫いてくれた本作。ずぶずぶと沈み込んでいくような視聴感は癖になりました。本当に、そんなものをわざわざ言葉を割いてまとめていくなど、野暮でござった。

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 後戻りは出来ない、第11話。弥一の過去に肉薄し、思い悩む政之助。悩むのは結構だが、遠慮無く聞きづらいことを聞いてくる空気の読めなさは、既に野暮を通り越して勇気とすら言える代物になっているぞ。

 「五葉最後の仕事」として、旗本の息子のかどわかしが行われた。政之助はこれまでなんだかんだ言いながらも五葉を「義賊」であると認識していたわけだが、今回の件については弥一の意図が見えない。訝しがりながらも取引現場についていくと、ターゲットである旗本の息子は身代金の支払いを拒まれ、見捨てられてしまう。

 「嫡男ではないから切ってしまえ」という家の意向を知り、五葉の面々はそれぞれ苦い顔になるが、弥一だけは奇妙な反応を見せる。薄汚い真実を人質に叩きつけ、今まで見たこともないような、自嘲的な高笑い。流石の政之助もその裏の意味は感じ取れたようだ。今回のかどわかしは、そんな人質の身の上を知ってのことだったのだろうか。暗い部屋の中で、真実を問いただす政之助。無遠慮な質問はこれまで通りのはずだが、その質問が、遂に弥一の古い傷に触ってしまった。激昂した弥一と、額から血を流しながらも哀れむような目を向ける政之助。ここに来て、コントロールする側とされる側が入れ替わってしまったような状態だ。

 弥一を巡る状況は、更に加速する。ついに過去の仲間にその所在を突き止められたのだ。憎き誠之進に襲いかかる過去の仲間、仁。事情は分からないが、政之助は初志を貫くべく、弥一の護衛の任を果たす。過去の「誠之進」が今は「弥一」である。それを知った仁は、きっちり片を付けると残して姿を消した。

 弥一の過去、それは、仲間を繭一つ動かさずに切って捨てたというしがらみ。けじめとしては正しい判断かもしれないが、義理で渡世を渡る世界では、その選択は許されるものではない。「誠之進」の血塗られた過去と、現在の「弥一」の歪んだ欲求の現れである「五葉」。最終的に、誰が何を償えば終わるのか。物語は混迷を極めている。

 今回はいつもに増して画面が暗い。それもそのはず、毎回毎回重たいエピソードが繰り広げられるこの作品の中でも、中心に居座る弥一の物語なのだ。金の問題や義理の問題など、全てを片付けることが出来た梅や松吉たちが心配する中、弥一の表情は明るくならない。そして、そこに突っ込める人間といえば、政之助くらいのものであった。今回のマサは本当に積極的に、しかもピンポイントで核心ばかりをつく。基本的に鈍くさいのに妙に勘の鋭いところもあり、それを支えている人間性が基本は純なのが質の悪いところ。弥一はこのマサの「魔の手」から逃れることが出来るだろうか。

 そして、今回はこの作品にしては珍しく、割と明示的に「動き」をみせた回でもある。もちろん、政之助がブン殴られるシーンとか、弥一が襲われるシーンなんかの具体的な「接触」部分は相変わらず画面には現れないのだが、独り高笑いしたり、政之助をにらみつける弥一は普段の鷹揚な態度とは打って変わって直情的な描写になっている。流石に、そろそろ上っ面で処理出来るレベルを超えているということなのだろう。また、画面上のメリハリも今回意図的にビビッドになっている部分で、顕著だったのは弥一襲撃シーンの闇夜に光る匕首の銀色。本来ならば灯り一つ無い夜道のこと、どれだけ研ぎ澄まされても刃物が反射するはずはないのだが、弥一を襲撃した仁の迷い無き意志がその輝きに現れ、それが画面の上に横たわることで、「弥一が襲われる」ことの大きさが嫌でも感じ取れる。やっぱり、最後の最後はこの作品は「刃物」がものをいう世界だね。

 次回は最終回。まさかのネコによる次回予告は腰が砕けたが、弥一は、五葉はどんな末路を迎えるのか。要注目でございます。 

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 本当に、嘘がつけない第10話。表だって特に事件が起こらなかった話数っていうのは久し振りかしら。ただそれは、現在の時間軸でのかりそめの平和。これまで色々と臭わせながらも謎に包まれていた弥一の正体が、ここに来て一気に明らかにされそうです。

 桂屋での用心棒生活にもいつしか馴染み始めている政之助。初期の頃の初々しさも残してはいるが、女郎たちに囲まれても何とか対処出来るようになるなど、五葉のメンバーとうまくいっている影響が、他とのコミュニケーションにも発揮されているようだ。

 懸案の1つだった妹の幸も、宵闇に紛れた弥一とおたけを盗み見て、郷里へ帰る気になったらしい。おたけへの憧れは有りつつも、かんざしをくれた松吉に対しては妙な誤解を持ってしまったおかげで、「江戸に住まう自分」にも一応の満足感は得られたらしい。もしくは政之助と一緒に江戸見物出来たから少しは溜飲が下がったのかな。なんだかんだいいながらも長兄であるマサを慕ってくれている幸の様子は、短いながらもなかなか微笑ましく見ることが出来ました。すれっからした女性ばかりなので、こういう単純で分かりやすいキャラクターというのは貴重ですよ。

 しかし、そんな晴れやかな江戸の空と対照的なのは、女郎屋の座敷で泥のように沈み、煙をふかす弥一である。政之助が引っ張り込んでしまった異分子、八木の存在によって、彼の奇妙な過去が蘇る。彼の本名は誠之進。八木の生家の近所にある、旗本の家の嫡男であり、現在名乗っている「弥一」は、小さい頃から親しくしてくれた家臣の名前。その「弥一」は既にこの世にはいない。いつぞやの回想では、そんな「弥一」に裏切られたような描写があり、今回の回想でも、自分の身分を隠して必死に「弥一」の行方を追っていることが分かった。彼の目的は、一体何だったのだろうか。自分を盗賊に渡してしまった「弥一」に対して、復讐を誓っていたのか? しかし、純粋にそうした負の感情しかないのなら、自ら「弥一」を名乗っているというのはいささか不自然である。やはり、幼い頃からの「唯一の友」であった「弥一」に対しては、一筋縄ではいかぬ感情を抱えているのだろう。柄にもなく悶々とする弥一に、過去はどんな姿で対面しようとするのだろうか。

 そんな弥一の素性を探るのは、同じく「弥一」を友として慕っていた男、八木。彼の場合は「弥一」に対しては純粋に親愛の情があるだけだろうが、そんな「弥一」の名を名乗る怪しげな男が気になるのは至極当然のこと。今回は政之助を通して大胆な探りを入れてきたが、どうやら彼の読みは的中したらしい。今のところ具体的な動きは見せていないが、もしかどわかし集団の「五葉」の首領が過去に自分も可愛がっていた「誠之進」であるなら、彼は一体何をもって正義と成すのだろう。2人の間に入っているのが希代のややこしさを誇る政之助なだけに、このあたりの感情の機微というのも、まだまだすっきりとは終わりそうにない。

 そして、事態を最も直接動かすのは、弥一(誠之進)に追っ手をかける盗賊一味。その包囲網が弥一を捉えるまでには時間がかかりそうであるが、もし接触を果たした場合、弥一は嫌でも「誠之進」としての自分と向き合わねばならず、遅かれ早かれ五葉の面々にもそれは伝わる。梅に松吉、そして今回はおたけの過去も浮き彫りになった状態であるが、弥一の過去だけは、弥一自身がしまい込んでいるために誰にも触れられない場所にある。そんなパンドラボックスに対して、野暮の固まり政之助は、どこまで肉薄できるだろうか。桂屋の女将は弥一の「おかしくなった時期」を政之助との出会いであると看過していたが、やはり裏稼業に手を染めた人間からすると、政之助はどこか調子を狂わせる、イレギュラーな人間である。弥一の底の底に沈んでいる過去を引き揚げられるのは、彼をおいて他にはいないだろう。

 今回は、弥一という名の「謎」にスポットが当たったため、ちょっと変則的な画面構成なんかもあったのが印象的。冒頭では一人称視点で誠之進の過去が描かれており、薄暗い中を、誰の助けもなしに1人で生きてきた弥一の孤独さがにじみ出ている。一人称視点だとカメラワークのブレや視点の移動などの振れ幅が大きくなって画面に動きが出るものなのだが、この作品の場合、歩こうがうつむこうがダイナミックな動きを採用せずに、ひたすら淡々と「視線」を維持し続けているのが興味深い。

 また、弥一を中心とした過去話や女郎屋とは対比的に、政之助や幸のシーンでは突き抜けるような江戸の青空が眩しい。さらに今回改めて五葉の名の由来である楓にもスポットが当たっており、現在の江戸(政之助の日常)、弥一のやけど、誠之進の家の庭など、様々なファクターを繋ぐために印象的に画面を彩っている。ほんと、画面が綺麗な作品なんですよ。

 そうそう、今回1つだけ気になったのは、冒頭でも書いた「嘘がつけない」政之助の人柄。ことあるごとに八木には「嘘が下手だ」と看過されていたわけだが、1度だけ、八木が「嘘だろう」と言わなかったシーンがある。それは、八木と政之助が手合わせをして、政之助が負けた場面。どうやら弥一の指示で手加減をしていたらしいのだが、八木はそのことに気付いていたのだろうか。もしそこだけでも「だませて」いたのなら、後々に響いてきそうな気もする。剣でだけ嘘がつけるとしたら、マサは本当に大した奴だ。 

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 実に見事な、非の打ち所のない最終話。これが……現代アニメの本気か……

 私の個人的な好みも入るのだが、やはり「後日談」はたっぷりとってほしいもの。最終回にクライマックスを持ってくる構成というのも勿論意義は分かるのだが、そうするとどうしても尻切れトンボになってしまう傾向にあるので、特に2クール以上の尺をもった作品なら、きちんと作品世界を「閉じる」ために余裕のあるエピローグ展開をしてほしいと、色々な作品を見て思っていた。

 その点、この作品は本当にお見事。前回のうちに既に黄金のクェイサーを倒しており、今回はサーシャとまふゆの関係性をまとめるためだけにしっかり1話が割かれている。それだけでも、まずありがたい。そして、そんな大切な最終話であっても、この作品はぶれない。最後まで「クェイサー」は「クェイサー」であるべきと、実に見事な「乳」縛りのエンディングである。

 「乳がしぼんだ」。ギャグにしか聞こえないまふゆを襲ったアクシデントも、この作品では大問題。乳がしぼめば聖乳に影響が出るかもしれないし、何よりおっぱい星人のサーシャに愛想をつかされるかもしれない。そんな乳の問題を中心にして、事件後の「平和」と、サーシャとの「恋愛」に決着をつけるってんだからキチガイじみている。オープニングアクションとして、リズィが「巨乳なんて馬鹿馬鹿しい!」って突っ込んできたところでまず笑った。清水愛ボイスで「巨乳がなんだー!」ですよ。「二の腕があればいいじゃないかー!」ですよ。いや、んなことはいってないけど。

 更にたたみかけるように、あれだけ格好良く散っていたイケメンキャラ、鳳による乳批評の回想シーン。やべぇ、鳳先生が男前過ぎる。そうだよね、ロリコンは病気じゃないものね。堂々と宣言しても何も問題無いよね。でも、大川ボイスでそんなことを力説されても……「巨乳ぅ? とても賛成できない。金輪際、私の前で巨乳などと口にしてはいけないよ」。額に入れて飾っておきたい名言です。

 続く盛り上げ役は、我らが美由梨様。馬鹿だねぇ、素晴らしい馬鹿だねぇ。シリーズを通してギャグキャラで貫き通したのって彼女だけだもんねぇ。史伽や華も好き放題やってくれて、学校パートも愉快愉快。今回一番修正が入ってたのが相変わらずカーチャ×華のシーンだったので、そのへんの無修正バージョンも楽しみですな。

 そしてクライマックスは、ついに正面からデレてみせたサーシャとの別れのシーン。この期に及んで純愛ムードに走られたら興ざめだなー、とか思っていたのだが、この作品に限ってそんなことはなかったぜ! 乳丸出しのヒロインに対して、「俺が巨乳ならなんでも喜ぶと思っていたのか!」からスタートする告白。「俺はまふゆのおっぱいだから好きなんだ!」。史上最低の告白台詞じゃないでしょうか。そして神々しいまでの最後の授乳シーンと、お互いのファーストキスを分け合うという「純愛」。馬鹿って突き抜けると綺麗なもんですよね。もう、好きにしたらいいじゃないの。最後にサーシャが鉄柵で鎌を作り出した意味が全然わからねぇけど、すごくいい笑顔のサーシャが「お前は震えたことがあるか」で締めるっていうラストは文句も浮かばない。大団円って、こういうモノのためにある言葉だよ。実は色々解決してない問題が有るんじゃないかとか、気にしたら負けだよ!

 エンディングテーマに「Errand」っていうお約束の演出も嬉しいが、Cパートがあの短い中に2ネタも突っ込んできたのは感心した。「サーシャが笑顔で女装を受け入れるようになった」というのが1つと、「華が嬉しそうに転校してた」っていうのが1つ。カーチャ組も無事にその愛を成就させたっていうことが、たったの1カットから分かるっていうのは秀逸な落とし方だと思う。

 いやぁ、達成感のある、実によい締めでありました。無修正版でもう一回楽しみませう。

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 まさかの妹キャラ登場に話題騒然の第9話。え? そうでもない? まぁ、話題性の無い作品ですからなぁ。

 前回の引きから、どれだけ颯爽と松吉を救援するのかと思っていたら、ものすごく地味に、あっさりと奪還を終了させてしまった政之助。雇われのふりをして忍び込んでいる手前、おおっぴらに救助は出来ないんだろうと思っていたので、あっさり真正面から助けに行ったのは少々拍子抜け。自分の見張り当番の時間帯ではなかったようなので松吉との直接の関与は明るみに出ていないのだろうが、これで近江屋の一件に続いて「用心棒に入ったとたんに警護対象がさらわれる」という事態が重なってしまいました。信用商売ならおしまいです。

 ただ、救助の前に展開された、松吉が囚われた蔵の前での小競り合いはなかなか面白いシーン。痛めつけられた松吉を庇おうとする政之助に訝しげな顔をする菊屋の用心棒。それに対し、政之助はこれまで見たこともないような毅然とした態度で、その場をおさめてみせた。普段なら考えられないまっすぐな視線と、その場に適した無難な受け答え。あの場で疑いを膨らませず、さらに松吉の身を守る方法としてはベストの選択肢だったのではなかろうか。あのシーンだけ別物みたいだったなぁ。

 そして、ちょっとした反則ツールである八木が暗躍したことにより、大津屋と菊屋の事件は万事解決。八木の絶妙なサポートにより、大津屋にも被害は出ず、松吉は嫌でも「恩」を感じざるをえないような状態。なんだかうまく行きすぎたような気もするけど、政之助は晴れやかな顔で「めでたしめでたし」ってな風だったので、これはこれで良しとしますか。後日談の中では各人の松吉への接し方が描かれており、お互い皮肉混じりながらもしっぽりと友情を確認し合う梅と松吉が実にいい感じ。「親馬鹿過ぎるおめぇを見たくなかったけど、実際のところすごいと思うよ」というツンデレ風味の松吉。そして、それに炊事洗濯で応えてあげる家庭的な梅。こうしてみるといいコンビじゃない。

 政之助は相変わらず空気が読めないままであるが、松吉の現状と心情を根掘り葉掘り尋ねてまわり、いちいち「野暮でござった」と頭を掻く。このキャラクターで許されるのはあんたくらいのものだ。でも、松吉もきちんと「3人目の恩人」として認識してくれているらしく、友情アイテムである「松のかんざし」を贈呈。五葉の働きで手に入れた金の使い道も判明したし、松さんテラツンデレ。

 そして、1人達観したような視線を送り続けるのが、弥一である。「無事で良かったね」の一言も無しに、松にかけた言葉は「仕事を頼みたい」。この2人の関係性は、あくまでこのままがベストであるということを、どこかで感じ取っているのだろう。松吉の方もそれが自然であるらしく、怪我も快癒していない身であるものの、早速弥一のために動き出してくれている。これはこれで面白い友情の形と言えるかもしれない。

 そして、そんなかりそめの平和を乱す事件が2つ。1つ目は、突如来訪した政之助の妹、幸。兄の家を訪れたら妖艶な女性が1人の時点でドギマギ。その後懐かしの兄に実家での不満をぶつけるも、政之助は自分の言い分に共感してくれず、結果は幼さの残るふくれっ面。政之助、こうして頼られてきたってことは、一応兄としては慕われているみたいね。行き場を無くした幸は、おたけが気になってしばらくくっついてるみたい。秋津家の人間は人の心の隙にするっと入り込んで犬みたいに可愛がられる属性でもあるのかしら。

 そしてもう1つの事件は、八木の介入を快く思わない弥一による牽制。確かに、悪党集団の仕事に与力同心が一枚噛んでくるのは都合が悪い。しかも八木という男はなかなか食えない奴で、弥一が自分の思惑通りにコントロールしている五葉という組織にとっても異分子には違いない。この2人の小競り合いが、最終回に向けたクライマックスになるわけですな。

 そして、そんな八木が絡んでしまったせいで面倒なのが、弥一と政之助の関係性だ。「初めのうちは面白かったが、今は鬱陶しいとしか思えない」という弥一の言葉に、政之助は素直に狼狽する。そして、「それが駄目だ。ポーカーフェイスを貫けないなら、八木には会うな」というのが弥一の命令。言っていることはもっともなので、政之助も言い返すことも出来なかった。

 ここで微妙なのは、この「今はお前さんが鬱陶しい」という台詞が、どこまで弥一の本心なのか、という部分である。作中の流れからすると、弥一はこの台詞でもって政之助の動揺を誘い、「それみたことか」と揶揄するための台詞ととれる。実際に政之助もそう受け取っており、「先ほどの弥一殿の台詞には驚いた」と溜息をもらしている。しかし、本当に単に政之助を驚かすためだけに、弥一が口からでまかせを言ったのだろうか。彼の中で、政之助という人間の持つ奇妙な魅力のようなものを、処理しきれなくなっているのではないか。彼がきてから、梅も丸くなったし、自分にしか懐いていないと思っていた松吉までもが政之助に懐柔されている。この状況を、弥一はどのように思っているのか。最終的には、やっぱりこの2人の心の通わせ方がメインテーマだと思います。

 なにやら情報屋を介して五葉に近付く黒い影もあり、最後のヤマもきっと大きい。どうなりますことやら。 

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 ラストバトルで馬鹿大爆発の第23話。流石にこの馬鹿馬鹿しさは素晴らしいと言わざるをえない。突き抜けた先に待っていたラストバトルが、なんかショボくてもいいじゃない。だって、はなから真面目に戦う気なんてないんだもの。エロ馬鹿だもの。

 水の聖堂に突入し、念願のサルイ・スーの生神女の前で激戦を繰り広げる燈(黄金のクェイサー)とサーシャ。頑張っているのは分かるのだが、基本的にサーシャの攻撃なんて単調な剣撃だけだし、黄金のクェイサーは「分子分解」という素敵な特殊能力を見せてくれた以外は、単に殴りつけたり石をぶつけてきたりするだけのいやらしい敵。特に絶望感も演出されないし、そこら中に乳を丸出しにした女性キャラがいるせいで、余計な修正と静止画が混ざるのでシーン自体ももっさりしたもの。こればかりはしかたないことはこの半年で分かっちゃいるけど、抱く感想といえば「うわー、豊崎愛生ががんばってんなー」というくらい。いや、豊崎はこの作品で本当に面白い仕事をしてくれてますよ。正直、それだけでも充分楽しいくらいに。

 だが、修正入りでもあの画は流石に吹く。過去には某アニメではおっぱいリロードなどというアホな必殺技もあったが、今作で炸裂したのは、サーシャの魂の一撃を受け止める「巨乳白羽取り」。……ハラショー……ここまでアホな絵面はなかなか作れませんて。あとはアホにアホを繋げるこの作品の真骨頂。乳が吸いたいために死の淵から立ち上がる主人公。威勢良く啖呵を切る台詞は、「この乳はお前のような下衆が汚していい乳じゃない」「お前の乳はお前のものだ」「吸い出してやる、全てを、何もかも!」……ほんと、いい病院が紹介したくなります。あれだけ絶望していた燈の操りも、搾乳であっさり解決。

 最終戦の勝敗を分けたのは、その場にいる全ヒロインからの一斉授乳という最終手段。敵の攻撃を華麗にかわし、テレサからは普通に授乳、華からはアクロバティックなローリング授乳、そして燈からは天へ舞い上がりながらの廬山昇竜授乳。あらゆる乳を吸ったことで、世界は救われたのです。あんだけ剣を振るってきたのに最後の一撃は拳骨かよ、とかいうことは、もうどうでもいいんです。修正が入っているせいで見えないところは見えないわけですが、とにかく馬鹿なことだけはわかりました。ヒロイン一斉エクスタシーが決めシーンのバトルアニメって、どうよ。恐れとともに跪くよ。

 流石に今週分は、無修正が楽しみだな。

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 友達って言葉の難しさを痛感する第8話。八木に「交友関係が広いな」って言われたときの政之助のきょとんとした顔が実に印象的。「あれ? 弥一とかって……自分にとって何?」みたいな心情だろうか。この不器用さ、自信のなさは、「おお振り」の三橋に通じるものがあるな。

 自分の一件を無事に解決し、念願の(?)五葉抜けを宣言する梅。元々表面上は仕事の付き合いだけが繋いでいたドライな関係だけに、松吉との決別宣言は薄情と思えるくらいにひどくあっさりしたもの。ただ、それを回りが特に止めなかったのも、関係性が薄いからではなく、「どうせそんなこと言ったってダチはダチなんだろ?」みたいな安心感があるから。お絹が手土産を送ることを思いつくと、それが自然に梅、マサと繋いで届けられるあたり、どう考えても根が善人な小料理屋の主人の計らいが見て取れる。

 そして今週は松吉のターン。彼が五葉で仕事をしている動機が判明し、それを五葉のみんなでバックアップしてやるという、実にシンプルな筋立てだ。まぁ、いくら恩人のためとはいえ、松吉が大津屋に突撃したのは流石に浅慮が過ぎるとは思うのだが、菊屋の旦那が言っていた通り、優秀には違いないのに回りが見えなくなるところはあるんだろうね。そんな松吉だからこそ、回りの人間も助けがいがあるわけで。

 今回最もクローズアップされたのは、我が身をなげうってでも義理を果たそうとする、松吉のシンプルかつ徹底した義理堅さである。今回のタイトルは「恩人が二人いる」で、1人は盗人働きをした松吉を、何のかかわりもないはずなのに身を挺して庇ってくれた弥一のこと。そしてもう1人が、顔もろくに知らない息子を救うために、盗人に金を掴ませてくれた菊屋の旦那。どちらも、悪人であることが一目瞭然な松吉に対して、躊躇いもなく善意を施してくれた人間だ。この2人のためなら、松吉は過剰なまでの恩返し行動に出てしまうらしい。そして、今回新たに候補として登場したのが、これまで散々邪険に扱ってきたのに、我が身をなげうって助けに来てくれた政之助。「恩人が3人になっちまう」というつぶやきは、松吉のまっすぐな人柄が表れた実に印象的な台詞だ。まぁ、実際に命の恩人という意味では、これまでの2人と同レベルの恩人と言うことになるが……政之助にぴったり張り付いて献身的になっている松吉はちょっと想像しにくいな。

 他方、義理人情という側面で未だに怪しい動きを見せるのが、話題の中心ともなる弥一である。一度は抜けると宣言した梅が、話の流れとはいえ、犬猿の仲の松吉を「仲間」と称し、救うために尽力したいという意志を表した。それに対し、五葉の首領であるところの弥一は、「仲間、ね」と思わせぶりな台詞を残し、例によって感情を表さずに事態を静観している。もちろん、これまでの振る舞いから考えるに、松吉を見捨てる気などは無いだろう。ただ、緊急時にがむしゃらに動き回る梅やマサと違い、彼の中では未だ「仲間」という理念が他のメンバーと共有されていない感がある。最後の最後まで「五葉」は「仕事の上での道具」なのか、それとも「苦楽を分け合った仲間」なのか。弥一の心中、未だ図りかねる。

 そんな弥一が、今回八木と初接触を果たした。前回までの流れだと顔見知りなのかと思っていたが、八木の方から弥一への具体的なアプローチは無し。弥一の方は、政之助に漏れ聞いた八木の話から何か思うところがあるらしいが、さて。

 そして八木であるが、相変わらず何くれとなく政之助の世話を焼いてくれている。別に縁もゆかりもない弱虫侍のことなど放っておいてもいいのだが、政之助に子犬のような放っておけない何かを感じ取っているのだろうか。「交友関係が広いな」とは言うものの、その政之助の不思議なパーソナリティに籠絡されてるのはあんたも同じですがな。マサの方は八木のことを「友達」と思っているのか、「恩人」と思っているのか。人見知りのくせに変なところで遠慮しない部分がある奴だからよく分からないね。今回松吉の家に上がり込んであれこれ詮索する空気の読めなさとかもなかなかだったし。「野暮でござった」なぁ。

 今回は松吉が闇に蠢く人種だったせいもあり、いつもに増して画面が暗い。そして、そんな中で実に印象的に画面を彩ったツールが「ろうそく」である。今回ネタに絡んだ菊屋と大津屋というのがろうそく屋であるというのにもかけてあるのだろうが、例えば盗みに入った松吉にさしのべられた菊屋の旦那のろうそくは、そのものずばり「救いの光」を表すだろう。か細いながらもゆらゆらと柔らかい光は、松吉の人生の貴重な「恩人」を示す。また、蔵の中で疲弊しきった松吉の前には短くなって今にも消えそうなろうそくが1本置かれている。これはもちろん、松吉の「命の灯火」のメタファー。闇に生きて、無様に死んでいく己へのこの上ない悔恨が、彼のろうそくを縮めている。そして、最後に訪れたのが、政之助という新たな「光」なわけだ。無駄に身体だけはでかい政之助、彼の存在は、松吉の人生にとって、新たなろうそくを提供できるのだろうか。

 さぁ、頑張って松吉を「さらって」もらいやしょう。 

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 政之助と剣を巡る第7話。ようやく主人公らしくメインでスポットがあたった政之助だったけど……うん、相変わらずで切ない。

 ご隠居宅での療養を終えて江戸に戻る政之助。道すがら弥一に身の上の話をしてみるが、弥一は珍しくはっきりとしゃべりたくないという意思を表してみせる。なにやらご隠居にも顔を知られた賊の一味であったらしいが、立場の弱い政之助では、それ以上の詮索は無理な相談だ。

 弥一の不思議なところは、これまで誰もそのバックグラウンドを詮索してこなかったということ。もちろん五葉というのは互いの干渉をあまり好まない徒党であるが、それでも皆、弥一を慕って集まってきた者ばかり。松吉も、梅も、苦労した過去を弥一に救われたからそこにいるわけで、弥一はメンバーの素性を大体は知っている。その上で、自分の素性だけは知られたくないという一種のワガママがまかり通っているわけだ。これは勿論他のメンバーとの人間関係もあるだろうし、弥一の徹底した秘密主義も原因となっているだろう。実際、今回弥一は「今が一番幸せだと思いたいから過去は話さない」という、なんだかいい話っぽく政之助を丸め込んでしまっているのだが、冷静に考えれば詭弁以外の何物でもない。それでも、わざわざ弥一がそのように「逃げ」を打つということは、語りたくないし、語る気もないことの表れである。そう言われてしまったら、他のメンバーとて黙っているしかない。あくまで、「野暮」なのだから。

 そして、そんな弥一の過去が暴かれずに終わってしまった代わりに、今度は政之助の過去が少しずつ切り開かれていく。2度目の出会いとなってしまった絡み癖のある浪人に勝負を挑まれて情けなく逃げ出す政之助。これまでの立ち振る舞いからすれば決して剣の腕は悪くないはずなのだが、徒に刀を抜くことは性格的に躊躇われるし、人の目のあるところではどうしても萎縮してしまう。どうやら郷里の弟もこの「極度のあがり症」に関わっているようだが、彼の剣に、一体どのような過去が秘められているのだろうか。そして、そんな臆病者の政之助にすら刀を握らせてしまう弥一の「気迫」とは一体何なのか。

 今回は謎の親切侍、八木が政之助に積極的に絡んできている。稽古をつけてやろう、なんてのも随分な申し出だし、プライベートな墓参りにも嫌がるそぶりもなく政之助を帯同させているし、飯もおごってくれたりしている。政之助は本当に色んな人の善意で生きていけてるな。ここまでのストーリーで何回飯おごられているやら。

 そして、そんな八木が墓前で呟く親友の名前は「弥一」。さて、これは偶然か、何かの因縁か。そこまで珍しい名前とも思わないが、政之助からしたら気になる過去が2つも「弥一」で重なったのだ。今後も無視するわけにもいくまい。そして、独自の動きを見せていた松吉だが、こちらも何か動きがある様子。最近なかなかグループ活動が出来なかった五葉ですが、久し振りにミッションスタートになるんでしょうか。

 今回も相変わらずのジリジリとした空気が特徴的。晴れた日のエピソードが描かれているはずなのに、まるで雨上がりのような妙な湿度を感じさせる演出が印象的だ。日本は「湿度の国」であるから(ソースは「ギャラリーフェイク」)、江戸時代の物語の描き方としては、至極まっとうだし、実に味があります。せわしなく動き続ける「四畳半神話大系」の後にこの作品が放送されるので、本当に救われるんですよ。 

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 珍しく、切った張ったの第6話。多分これまでの中では一番動きがあった回じゃないでしょうか。それだけに、この作品の中では異色の回と言えなくもない。

 梅のかつての知人、仙吉を追い詰めていた悪党の伝七は、小金を脅し取るだけでは飽きたらず、仙吉には仲間に戻るように詰め寄り、それが高じて梅の店や、ご隠居にまでたかりの範囲を拡大していく。元々梅のことを恨めしく思っていた仙吉だったが、今回のことは完全に不測の事態。あれよあれよと追い詰められ、最終的な結論は、「最初からこうしてりゃ良かった」という台詞が漏れ聞こえた刃傷沙汰。悪党どもの腹の探り合いが繰り返される世界ではあったのだが、やはり実際に人死にが出ると、取り返しのつかない事態になってしまったことが実感出来る。かどわかしのみで事を成す「義賊」の面々に、今回の事件はどのように映ったのだろうか。

 正直言うと、伝七の命を奪ってしまうという幕切れは、いささか拍子抜けではあった。五葉の本質はあくまで建前上の義賊という看板を守りながら、「誰1人悪人のいない悪党」として、なるべく不幸の規模が大きくならないように立ち回ってきた印象があるからだ。今回、実際に伝七を手にかけたのは仙吉であるが、彼の凶行を事前に防ぐ手段もなく、ことが起こった後でも積極的に解決に導けなかったのはちょっと残念。そりゃま、あの状態からどうなるものでもないだろうが、もっとミラクルな何かを期待してしまっていたので、事件の本質的な部分ではちょっとしょんぼり。

 勿論、それはこちらの勝手な望みであって、今回メインで描かれるべきは、梅を中心として描かれた五葉の「思い」の形。メンバーの全員が梅の事情を一切聞いておらず、その上で、今回の事件が少しでもマシな形になるように、各人が心を砕いているのが分かる。おたけは単に野次馬根性からご隠居宅を覗きに行ったのかもしれないが、伝七の存在が発覚した後の松吉と弥一の心遣いは最後に確認出来た通り。そんな心遣いを思わず口に出して確認してしまう野暮な政之助も、きちんと「梅との義理」を守るべく、ご隠居の前に出ることが出来たのだ。お互いに距離を置き合っているように見えて、気付けば1つの問題に5人であたっている五葉の姿は、ちょっといい話。

 そして、画面上の特徴としては、冒頭でも書いた通り、この作品にしては動的なシーンが多かったのが印象的。例えば伝七が仙吉の首根っこを掴んで脅しをかけるシーンなんかはカメラアングルも動きを意識したポジションであったし、実に1話以来(!)となる政之助の用心棒らしい剣裁きのシーンも、短いながらもシュッとした動きが目に映える。そして、驚くべきことに、今回あれだけのすったもんだがあったにも関わらず、めだって「動きがあった」シーンはこれくらいのもの。普通の作品なら、流石にもう少しダイナミックなシーンで売り込んでくるべきところだ。

 しかし、この作品は本当に徹底的に「動き」を捨象する。今回顕著だったのは、伝七が匕首を抜いて斬りかかった最初のシーンで、画面の切り替わりで、突然政之助が腕から血を流す場面になる。実際に伝七が刃物を振り回した場面はカットされているのだ。また、仙吉が伝七に出刃を突き刺す場面も、上半身のみの描写なので実際に突き刺したところは描かれていない。今回2回もあった「斬りつける」シーンが、どちらも全く描かれないのだ。このこだわりは凄い。おそらく監督の意向だろうが、この作品からは、江戸ものというと典型的にイメージされる「チャンバラ」を要素を極限までそぎ落とし、それを取り囲む五葉の人間関係だけにスポットを当てる意図があるのだろう。

 このこだわりは、個人的にはそれなりに評価出来るものだと思っている。陰影の深いキャラデザのおかげで、夜中に碁を打ちながら語らうご隠居と政之助の会話劇もじっとりと重みが出るし、ラストシーンで弥一が姿を現した際のご隠居の感嘆の声も、画面に描写される以上の存在感をもって現れる。このあたりの心情の揺れの描写は、全編を通じて「静かな」画面が貫かれているからこそ、映える部分であろう。

 出来ればこのままの演出姿勢で貫き通してほしいとは思っているが、ラストで弥一の過去に関わる何かが動き出しそうな気配。今回以上に動きの多い展開になったら、今後はどうなっていくかな? 気になるところです。

 ちなみに、髪を下ろして行水をしていた政之助のところに弥一が訪れ、政之助が「あらまぁ、あなたが来るならもう少し身だしなみに気をつけてましたのに」とちょっとテレ気味で言ったシーンは…………腐女子向けのセッティングなのでしょうか? マサさん、なんでそんな恋する乙女みたいな顔するのよ! 

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