色々と騒がしい作品でしたね……。あらゆるレベルでさ……。
まず、言うてもしょうがないことだとはわかっちゃいるが、私はスーパー戦隊シリーズが(たとえ一時のことであっても)途絶えてしまうことに納得いってない。そりゃさ、モロに少子化の煽りを受けてビジネスとして難しくなってる事情は理解するけどさ……代替策が似たようなギャバンっていうのが軟着陸にしても半端じゃない? とは思ってしまう。でもここでほんとに特撮シリーズが完全に切れちゃったらもはや再開の目処も立たないだろうし、色々と苦しい部分はあるんだろうなぁ。色々考えながらも、結局単なるいちファンが感じるのは「頑張って続けてくれよ」しかないので、終止符を打たれたことはただただ悲しい。
そんな悲しいナンバーワンが、さらにほんとにどうしようもない理由で作中に拭えぬ汚点を残してしまい、花道を飾れなかったと言うのも本当に悲しい。スタッフさんは本当に頑張ってくれていて、ギリギリの現場はよく作品を成立させたとは思うが、当初予定していた完璧な形で提供されなかったことは残念でしかない。結局、「人」を資源にして作り上げているエンタメは、こういうリスクが常に伴うってことなのよねぇ……。スーパー戦隊シリーズ、なんで周年作品で毎度毎度トラブルに巻き込まれるんでしょうね。
などという外野の要素を全部取っ払って「ゴジュウジャー」という作品単体で見ると、実は中盤にちょっと心離れた部分があったことは白状せねばなるまい。個人的には、今作の戦隊リング、歴代レッドの使い方はあんまり好みじゃなかったんだよな。まぁ、どこまでいってもゴーカイから戦隊に入った人間はレジェンド戦士の使い方であれ以上のものを求めてしまうので絶対に叶えられない夢を持ち続けているだけなのだが……「変質した過去の先輩たちと戦う」という構図、ジオウで危なくなって路線変更したアイディアなんだよな。「変質した戦隊魂」については数代前のイカレ野郎どもがやり尽くしてしまったし、もう少し別なアプローチでアニバーサリーを飾る手段があればよかったのに、とは思っていた。
でもまぁ、そこはほんとにないものねだりだったし、中盤以降にどんどんキャラどうしの絡みが増していけばいつも通りに楽しめるようにはなっていた。ここんところ引き合いに出す機会が多い概念だが「敵組織のわちゃわちゃ具合」が本作はかなり良かった。テガソード・テガジューンの2体は最初から最後まで「仲良く喧嘩してる」状態なわけで、身も蓋も無い言い方をすればずっと茶番を見せられていたようなものなのだが、クルクル変わる敵組織のモチベーションはきちんと刺激として機能しており、常に新鮮なマッチメイクでドラマも戦闘も盛り上げてくれた。まぁ、やっぱ最大の立役者はファイヤキャンドルさんだと思いますけどね。キャストの三本木大輔氏の名演もあり、ヒーロー勢を差し置いて今作のMVPに認定したい。ちなみに時点はおにーちゃん。敵組織の濃さが本当に最高の作品。ちなみにヒーローサイドで一番のお気に入りは竜儀。名言・名エピソードの数々に加え、ブレない姿勢はあちこちに振り回される作品の世界観を強固に支えてくれていた。イエローが格好いい戦隊は良い戦隊である。
総括すると、いろんなレベルで「心残り」がある作品にはなってしまったが、これはこれで歴史の一里塚。これを1つのけじめとして、次なる歴史のスタートを、ただただ願うのみである。
いやさか。
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