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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「キルミーベイベー」 5

 関東圏ではちょっと前に既に放送が始まってたみたいだけど、関西は「はがない」枠に入ったのでちょっと出遅れた感があるのがこの作品。原作は既読。そして、先にはっきり言っておくと、原作はそんなに面白くないと思っている。ちょっと昔書店でプッシュしてた時に、個人的にもユルい4コマがブームだったことがあったのでそのタイミングで買ったのだが、「ひだまり」や「GA」のように「良い漫画だ」とは特に思わなかった。ま、即売らなかったことを考えると別に嫌いじゃなかったのかもしれないけど、結局2巻で止まってその後を買ってないことからも、大して肩入れしてないことが分かる。「リコーダーとランドセル」ほどじゃないけど、やっぱりワンパターンが過ぎるんだよなぁ。

 そして、そんな原作をアニメ化すると聞いて、「流石に無茶やろ」と思っていたのが正直なところ。そりゃ、ネタがネタなので動きはあるかもしれないが、決定的にアニメ化に向かないのは、そのキャラの少なさである。メインで動くのがやすな・ソーニャ・あぎりの3人こっきりで、それ以外はモブですらほとんど出てこない漫才のような4コマ。柴いぬ子さん率いる5分枠ならまだしも、1クールもののアニメにするなんて無謀もいいとこだ。絶対にすべると思っていた。

 が、予想を裏切り、アニメは思ったよりも斬新な形で姿を現した。こういうのを見るたび、「やっぱりアニメってのは原作がどうこういう次元で語っては駄目なのだ」と再認識させられる。アニメと漫画は別物。アニメの作り手次第で、どんな作品でも化ける可能性はある。

 アニメを「動画」として見ると、この作品はほんっっっっとうに大したことない。それこそフラッシュアニメで作っちゃってもいいくらいのレベルだ。やはり画面のメインが2人だけという代わり映えのしないシチュエーションは、神がかったミラクル動画で変化を産み出すなどという奇策は使えなかった模様。だが、そんな単調で平坦な画面にも関わらず、なーんかテンポがおかしい。見ていて退屈さが出てこない。その点については、見事としかいいようがない。独特の味つけは完全に原作の軛を逃れており、巷で噂の電子ドラッグオープニングに始まり、謎めいた空気を持つアイキャッチや、すっとぼけた背景との混ぜ込みなど、いちいち変なところが気になる。もともとこの作品は「何故かクラスに殺し屋の女の子がいる」というヘンテコなシチュエーションを、一切説明もせずにダラダラと描いているわけだが、その何とも気の抜けたようなシュールな状況を、更に掘り下げてアニメ世界として展開させた形になっているのだ。なるほど、その発想は無かったわ。

 この1話目の「違和感」の楽しさが、今後1クール続けていくうちに馴染んでくるのか、飽きてくるのか、そのあたりはまだ想像出来ないが、少なくとも1話目の時点では、「なんか妙なものを見せてくれてありがとう」というのが素直な感想。序盤に眺めていて「なーんか『ナオコサン』みてーだな」と思ってたら、そのままずばり、ナオコサンの中の人がナレーションやってて吹いた(正確には「エトセトラガール」だが)。ずるい。新井里美ボイスのナレーションはそれだけで反則ってことは、「オオカミさん」でわかりきってることじゃないですか。しかも次第に慣れてきたところで今度はチョーさんにシフトさせるという嫌らしい変化球まで使ってきやがった。この2人を置いた時点で、なんかもうどうでもよくなった。「らきすた」で立木さん・くじらコンビをモブに置いたのと同じような発想かねぇ。みっこ達もモブとか色々兼ね役でやってるしね。天井からぶら下がる幽霊役はちょっと笑った。

 まぁいいや、そんなよく分からない、面白くもなくもない作品です。この奇妙な雰囲気にもう一役買っているのが、おそらく中の人の効果なのだろう。なんといってもやすな役の赤崎千夏だ。この名前はここ最近色んな作品で見るようになっており、確か私は「魔乳秘剣帖」や「セイクリッドセブン」の時にちょっと気にしてたんだっけ。今回はわがまま勝手でムカつくはずのキャラ、やすなのどこかネジのはずれた感じを好演。絶妙なトバし方だ。これは癖になるかもしれん。相方のソーニャを務める田村睦心は、既に安定した芸風。女の子役は案外珍しいのだが、まぁ、特に変化を付けるわけでもなく。突っ込み役ならこのくらいでしょう。そしてあぎり役の高部あいという子は知らん子で、素人臭さが抜けてない部分はあるのだが、すげぇ妙なトコから声が出ているのが気になる。こういうのって持って生まれたもんだろうから、今後スキルを磨くときにも、こういう面白さを維持できればいいな、とは思う。

 なんか、観るもの全部が新しいアニメだな。

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