ドラフト通信No.118 5/17

５月１７日　ドラフト模様（DGM,GTC,RTR,Guild Pack）

ピック順　【Metallica】→【Alessi】→【Sangriter】→【Thraxi】→【Serra】→【Mei】→

 

　DGM３戦目ですが、今回は特別企画、たまに発生する、高値シングルを売り払ったことによる利益還元祭である。普通は単なる無料ドラフトが発生するだけなのだが、今回は私がたまたまショップで妙なものを見かけたので、そちらから企画を立ててみた。それが今回のギルドパックボーナスである。

　ギルドパックとは、プレリリースで使用された、10のギルドをフィーチャーしたオリジナルのパック。一応その中身にパターンがあるらしいのだが、あくまでシールド用にチューンされたものである。今回は、それを10パック購入したので、３パックのピック終了時点で、各人がギルドを１つ指定し、そのギルドパックのカードも使っていいというルールを採用したのである。まだこの環境のドラフトには不安が多く、なかなかまともなドラフトが出来ないというお悩みの声を解決する方策だと思ったのだ……が、単にピック中に気がゆるんだだけだった気もする。あげく、「出来上がったデッキの４割くらいギルドパック依存」という状態にもなり、「ドラフトで使うと強すぎるな」という至極当然な結論が得られたのであった。まぁ、普段作れないような強いデッキが組めて楽しんでくれた人もいたようなので、お祭り企画としては結果オーライかな。次回からは普通のドラフトに戻りますからね。

（●は累積パック数）

　　　　ＡＬ　ＳＥ　ＴＨ　ＳＡ　ＭＥ　ＭＴ

ＡＬ　　ー　　○　　×　　○　　×　　×　　２ー３　４

ＳＥ　　×　　ー　　×　　×　　×　　×　　０ー５　６　●●

ＴＨ　　○　　○　　ー　　×　　×　　◎　　３ー２　３　●●

ＳＡ　　×　　○　　◎　　ー　　×　　×　　２ー３　５　●

ＭＥ　　○　　○　　○　　◎　　ー　　×　　４ー１　２　●●

ＭＴ　　◎　　○　　×　　○　　◎　　ー　　４ー１　１　

 

１位　【Metallica】　赤黒緑<ラクドスパック>　＜のたうつ苔犬　忌まわしい光景　刷毛履き＞

　勝ったおかげで楽しかったのか、それとも楽しいデッキを組んだから勝てたのか、よく分からんが今環境２戦目でいきなり優勝していった男。環境がカオスになる方が勝率が上がるってのも、なんだか「らしい」存在である。そういやファイレクシアでも戦績良かったし、「第３エキスパンションの男」と呼んであげよう。今回のデッキは、ピック表を見る限りじゃそこまで大したものでは無い。１パック目で２体の「残忍な精霊信者」を引いていることからグルール方向の寄せであるが、黒に触ることも早めに視野に入れていたらしく、２パック目では「忌まわしい光景」が１引き、「聖堂の金切り声上げ」が２引きという状態。更に３パック目で「戦慄掘り」を引いたことなども重なって、最後のギルドパックはラクドスをオーダーした。そして、このギルドパックからきっちり攻めのカードが埋まるラクドス祭り。レアが２枚目の「戦慄掘り」だった時点で笑うが、他にも「穴開け三昧」「跳ね散らす凶漢」「リックス・マーディの落とし子」「逸脱者の歓び」などで序盤から中盤までを大きくフォロー。これに緑が綺麗に絡み、上述のようなグルールの骨子に、ゴルガリからは貴重な速攻戦力となる「屑肉の刻み獣」が入った。珍しく、速くたたき込むデッキがこの環境で成立したのである。黒入りで除去安定のラクドス・グルールビートっていうのは理想的にはこのあたりなんだろうなぁ。結局、「破滅のワーム」に負け無しってことですわな。

 

 

２位　【Mei】　緑白青<セレズニアパック>　＜ワームの到来　シュラバザメ　サイクロンの裂け目＞

　こちらはパック開封前に「ギルドパックとかあるなら今日はセレズニアにいける」とか言っておいて、本当に「ワームの到来」を開けるというチートを披露。おかげでそこからは決め撃ちぎみでセレズニアに寄せようとしているわけだが、まぁ、ぶっちゃけどれだけ頑張ってもそこまでセレズニアっぽくなるわけではないんだよな。今回はなんの因果かもう一人セレズニア狙いがいたこともあり、単にギルドパックから出た「ロクソドンの強打者」とか、大量に集まった「ケンタウルスの癒し手」とかで殴る分かりやすいデッキ。サポートには青が加わり、ようやく出てくれた「甲虫体の魔道士」や、これまたレアの「サイクロンの裂け目」、そして「シミックの魔除け」などが除去の無いデッキで適度な嫌らしさを提供していた。レア乙だった。あ、ちなみに質問の回答その１。「ゴブリンの電術師」がいる状態で融合呪文を唱えても、呪文は１つとカウントされるので軽くなるコストは(1)どまりだそうです。そう言われるとそうかもしれないし、なんか違うような気もするルール。多分、融合のテキストが「両方を唱えても良い（may cast one or both）」って書かれているのが違和感の元なんだろう。「両方を１つの呪文として唱えても良い。だったら分かりやすいんだけどな。

 

 

３位　【Thraxi】　５色<アゾリウスパック>　＜イマーラ・タンドリス　急速混成　短剣広場のインプ＞

　５色ってのはちょっと違うかもしれない。緑のカード、赤のカードはともに１枚しか入ってないから。まぁ、１手目から間違いだらけのピックだから今更細かいことは気にしないように。１引きの何がおかしいかというと、開けたパックからイマーラさんが登場し、「レアだから使うか」と思い（間違い１）、フォイルだったおかげでもう１枚入っていたレアの「花崗岩の凝視」を流し（間違い２）、「強い強いイマーラさん（間違い３）１引きで決め撃ちセレズニアやで」と思い（間違い４）、トークンを出すカードということで「太陽塔の門番」を集めたのでゲートを大量投入する必要が生じ（間違い５）、結果「色が合わないゲートまでぶちこまな回らないんだから、色増やしてもいいよな」と判断したのである（間違い６）。でもほら、「猛火の猛士」とかセレズニア向けじゃん（間違い７）。結局、セレズニアパックはより欲しそうな顔をしていた人と競合になったのでさっさと譲りわたし、メインカラーになっていたアゾリウスパックを選択。なんの問題もなくアゾリウスメインで行けてたじゃないですか、というオチ。途中のオルゾフの誘惑という難度ハードのミッションで負けたおかげで、結局アゾリウスメイン、「千叩き」「慈善獣」「ダスクマントルの予見者」でタッチ黒、「猛火の猛士」でタッチ赤、イマーラさんと「唯々／諾々」のタッチ緑という５色である。引いた門は全部ぶち込んだので５枚です。流石にこんだけあると門番強いや。ちなみにギルドパックから出てきたレアは「アゾールの雄弁家」でした、こいつはこいつでそれなりに活躍しちゃうからやるせない。

 

 

４位　【Alessi】　緑青黒<シミックパック>　＜混成体の培養　古き道の信奉者　ロッテスのトロール＞

　早くアゾリウスの呪いから抜け出したがっていたのがこちらだが、１引き「混成体の培養」とまた青に絡んでいる時点できわきわである。今回は「遠隔／不在」がダラダラ流れて２枚引けるなんて訳の分からない奇跡も起きているので、そこから白に流れることはなく無事にアゾリウス縛りから脱却することには成功しているが、青白だろうが青緑だろうが、あんまり基本的な攻め手は変わらない。これで「シュラバザメ」や「両生鰐」がいなかったら、また先週同様に「鍵達人のならず者」でペチペチ殴るデッキになっていたかもしれない。一応、今回は「乱打する混成体」が大量に出る展開だったので、シミックらしさはそれなりに維持出来ていたか。でもなぁ、結局デッキで１番活躍してたのって３パック目で出てきちゃった「ロッテスのトロール」だった気がするしなぁ。ギルドパックから出たレアが「予想外の結果」っていう時点で色々とお察しであるが……そういや、まだ我々ゼガーナさんって開けてないなぁ。

 

 

５位　【Sangriter】　黒緑赤<ゴルガリパック>　＜化膿　両生鰐　打ち上げ＞

　こちらは最近評価を上げているゴルガリメイン。１引き「化膿」のところに、巡り巡って「花崗岩の凝視」も来ちゃったせいで、割とかっちりゴルガリに寄せており、ギルドパック選択にも迷いは無かった。ま、評価が上がってるといっても相変わらず地味なギルドなことにかわりはなく、今回は攻めカラーの赤を３色目にとり、さっさと引いた「モルグの噴出」×２を決め技として主に運用する。除去である程度凌いで下地を整えられれば、毎度お馴染み（？）一撃必殺「武装／物騒」でゲームを決めてくれるって寸法だ。ギルドパックから除去がでなくてがっかりとのことだったが、３パック終わった時点で「殺意の凝視」「忌まわしい光景」「打ち上げ」「貧民街の刈り取るもの」「電謀」「滅殺の火」など、かなりの枚数が集まっていたのであまり問題にはなってないはずだ。それよりもレアで引けた「死儀礼のシャーマン」で充分ペイしている。個人的に一番の問題は、なんで私はあそこまで「雇われ拷問者」にフルボッコされたのかということである。いくら遅い環境とはいえ、あんな奴に拷問されまくるとは思わなかったよ……

 

 

６位　【Serra】　赤青白<イゼットパック>　＜猛火の猛士　大規模な奇襲　塔のドレイク＞

　１位になった某氏とは対照的に、この環境に入ってからすこぶる振るわないのがこちらである。今回は全ての試合で１勝２敗と食らいついているものの、結果的には全敗というフラストレーションの溜まる結果に。真逆の性格ということを考えると、ひょっとしたらパックの種類が増える第３エキスパンションが苦手な男なのかもしれない。今回は「猛火の猛士」スタートでしばらくは色を探っていた感のあるピック。赤をメインにサブカラーで青、白が揺れており、最終的にギルドパックはイゼットを選択したが、そこまでの流れではややボロス優勢くらいの状態だろうか。おそらく、ラヴニカの方がカードのポテンシャルが高いという判断でイゼットを選択したのだろう。まぁ、こちらもレアが「対抗変転」という残念過ぎる結果だったわけだが。最終的にはほぼ均等にボロスとイゼットが共存する形の攻めを展開するデッキになっており、航空戦力でのビートと火力で畳みかける。見たところ大きな弱点も無いし、やっぱり巡り合わせだろうとは思うのだが、本人も自分のミスを認める部分がちょいちょいあったようなので、やっぱりまだこのカオス環境に慣れてないってことなのかもしれない。ちなみに質問の回答その２。「猛火の猛士」はダメージを「与えた」かどうかをカウントする。FAQの文章で分かりやすかったのは、「インスタントやソーサリーに、『与える』と書いてある分だけ（英語だとdealだろうか）トークンが沸きます」と書かれていた。つまり、質問された「敵への処罰」なら『〜に３点、〜に３点を与える』と書かれているのでトークンが出るのは１回である。まぁ、発生源の数だと思ってれば間違いないとは思うけども。

 

 

今回のピック表

 

　【Metallica】（赤黒緑）→【Alessi】（緑青黒）→【Sangriter】（黒緑赤）

　　↑　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓

　【Mei】（緑白青）←【Serra】（赤青白）←【Thraxi】（白青黒緑赤）