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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 王道王道アンド王道、第87話。予想と1ミリもずれてないのに、恐ろしいまでの存在感、満足感。これやで。

 はっきり言って、今回ストーリーについて語るべきことはほとんど無い。視聴者の9割は今週何が起こるか分かっていたわけだし、珍しく脇道の多元中継もほとんど無く、1つの試合だけを徹底的に勇ましく描いただけの回。余計な茶々を入れるのが申し訳なくなるくらいのお話である。でも、これでいいんだなぁ、としみじみ思わせるだけの蓄積があるのですよ。恰好いいのですよ。

 いよいよ出撃したハイペリオン。出がけにパラスに向かって正式に決別の宣言をくだし、タイタンにも「ひょっとしたらお前を斬らなければならないかもしれない」と告げる。ハイペリオンさんの誠実な人柄が良く出ているシーンで、ちょっと悪そうな顔をしているものの、今まで共に戦ってきたタイタンとの別れが少し寂しそうに見えてしまうのも暖かい。成年体になったおかげで、そんなハイペリオンの告白を悠然と受け止めるパラスの女神らしさも板についてきたし、タイタンの純愛っぷりもいつも通り。邪魔なガリアさんがいなくなったおかげで、パラス側もだいぶすっきりしてみやすい組織になったもんである。出来ることなら、このイケメン2人組に、アイガイオンさんが絡む男3人祭りも見たかったところだなぁ。

 出陣したハイペリオンの強さは、はっきり言って異常。「黄金聖闘士5人を前にして強気だな!」とハービンジャーさんが言っていたが、確かにラスボスでもないのにここまでの強さっていうのは過去にもなかなか無いクラス。得意げに襲い掛かったハーさんを見事な噛ませにたたき落とし、怒りに燃える紫龍の拳を翻弄、星矢にも手傷を負わせて圧倒的な強さをこれでもかと見せつける。そして、もう事ここに及んでは隠す必要も無いと判断したのか、自分とパラスの関係をネタばらしし始めるハイペリオン。紫龍・貴鬼・フドウのお利口さん組は「なるほど、相打ち狙いだったんだな……」と訳知り顔で頷いてみせるも、星矢だけが「マジ? 何言ってるんだ?」みたいな反応でちょっと面白い。どれだけ落ち着いても星矢は星矢。もちろん、アテナもおよそ理解していた部分はあったようで、「それなら私1人でパラスと戦いに行く」と提案し、うまいことハイペリオンと折り合いをつけることに成功した。まぁ、すっかり過保護になった星矢がそんなことを許すはずもないのだけど。

 このアテナと星矢のやりとりが契機となり、今まで大人しい解説役にばかり回っていたフドウさんが、ついに動き出す。思えばパラドクスの姉妹喧嘩のシーンなんかでもずっと見ているだけだったフドウ。彼はこれまで「アテナが、そして人間が正しいかどうかはまだ観察している状態」と言い続けており、積極的に戦闘には参加していなかったのだが、今回ようやく、「アテナを進ませる方が結論が出るだろう」ということで参戦を表明。高説を賜り、悠々と目を見開くまでの説法シーンは今まで溜めてきたフドウの人間性がようやく花開く記念すべき一場面である。開眼するだけでビリビリ来ちゃうってのは、流石のバルゴの面目躍如だ。

 フドウを中心に足止め部隊を結成した黄金3人衆。本当はハーさんも戦いたかったのだけど、アテナ聖衣の守護役を任されてしまったために積極的には参加出来ない。それだけだとちょっと理由としては弱いかと思ったのだが、紫龍が率先して前に出て、「弟弟子の仇を取らなければならない」と言ってくれたのはうまい動機付けだと思った。体育会系のハーさんは、隣にもっと戦わなきゃいけない男がいたら遠慮するしかないだろう。黄金軍団も無事にチーム分け成功。あとは圧倒的な武力を誇るハイペリオンと3対1の対決である。ハイペリオンの持つ天地崩滅斬は、「めっちゃ壊せる」が特性のようだ。武神光臨剣の「めっちゃ斬れる」とどう違うのかが分かりにくいのだが、黄金聖衣に魔傷のような破壊の痕跡を残せることから何となくイメージするしかないだろうか。「聖闘士は原子を砕くが、天地崩滅斬はそれよりも細かい陽子を砕く」とのこと。いや、細かさの問題じゃねぇだろ、とは思うのだが、とにかくそれくらいに粉々に、再生出来ないほどに砕くということに違いない。要約すると「ハイペリオンが持てばとにかく強い」。その証拠に、3人の黄金の最大必殺技、廬山百龍覇、スターダストレボリューション、オームと、全ての技を余裕ではじき飛ばしてしまえるのである。ぶっちゃけ、せっかく覚醒したのにフドウ単体での試合はいいとこ無しだった。もうちょっとフドウが1人で立ち回れるシーンがあれば最高だったのだけど。

 通用しないものはしょうがない。そこで行き着くゴールは、当然のアテナ・エクスクラメーションである。AEは「禁忌」である。我々はオープニングを見てるから出ることが分かっていたが、実際に撃つとなれば、本来は3人に迷いが生じるところである。しかし、大人3人がそれぞれに撃つことを決意するまでの流れは実にスムース。「世界を守る」という大義名分はもちろんあるだろうが、紫龍と貴鬼の「次の世代に託す」という意志、そしてフドウの「自らの信念を貫く」という意志。彼が自らの進退を問われたときに、ちゃんと「我が友マルス」とマルス様の名前を出してくれたのが無闇に嬉しかった。そう、あくまでも彼にとって乙女座の黄金聖闘士っていうのは、マルスとの友情の結果受け取った仮住まいだったのだね。黄金すらも過程でしかないという、本当に視野のでかい男だ。マルスの人生は決して幸せではなかったが、友達の選び方だけは間違っていなかったようである。フドウの気遣いはその他にもあって、今回大上段に構えて語りを入れるのはフドウの役目だったのだが、いざ技の発動シーンになると、こっそり最年長(?)の紫龍に中央の席を譲るように移動してたりする。やっぱり紫龍が真ん中じゃないとね。

 そして輝くAEの光。「小規模なビッグバン」とすら言われるこの技を前に、たった1つの持ち技で渡り合うハイペリオンはやはり桁違い。拮抗してギリギリの勝負になるのか、と思われたが、紫龍の口から出た言葉は意外にも「勝敗は最初から決していた」。そう、天地崩滅斬には既にほころびが生じていた。最初に命を落とした黄金聖闘士、玄武の遺志。彼の面影が中央にオーバーラップする演出には思わず涙。まさかの黄金4人によるAEの炸裂。全ての力を合わせ、互いに思い合う心がΩであるという。若い世代に教えを託し、黄金どうしの力も繋ぎ止めた玄武こそ、まさにその体現者だったのかもしれない。「我々に到達出来るのはここまで」と紫龍は言い置いて、レジェンドたちは強敵と共に盛大に散っていく。その圧倒的な小宇宙の炸裂に、星矢たちはもちろん、城の外にいる全ての関係者が紫龍たちの思いを明確に受け取るのである。師の最期を感じ取ったラキの寂しそうな表情が印象的だった。

 ハイペリオンの理屈無用の強さの体現、フドウの信念、紫龍の思い、そして玄武の遺志。全てが結集した見事な決着。個人的には今作でのベストバウトと言ってしまっていい気がする。後のことは、残された若い世代に託されることになるのか。次回は再び青銅勢のお話に戻るが、どうやら戦う相手はエウロパ・ミラー軍ということになるようだ。エウロパさんは瞬に捕まってたはずだから、二極の戦いになるのかな。そして、ついに来てしまった昴の変容。ハイペリオンの消失で、実質「あのお方」軍は壊滅してしまったからね。そろそろご本尊に登場してもらわないと。実は来週はキョウリュウジャーでもアイガロンが死にそうなんだよねぇ。水島裕のテンションがエラいことになりそうである。

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