最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
Armored Skaab 甲冑のスカーブ (2)(U) C
クリーチャー・ゾンビ、戦士 1/4 〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から4枚墓地に置く。 普通の環境なら「なんで俺がそんな目に!」と叫ばれてもおかしくない、絶妙なアクションを起こしてくれるがっちり系ゾンビ。3マナ1/4ってことは完全に「角海亀(10ED)」ポジションであり、1/6のカニともども、青の地上防衛ラインを固めてくれるはずだ。そして、出たときの効果であるが、名前に「スカーブ」と入っていることからも分かる通り、ゾンビのために餌を提供してくれる飼育員の役割を果たすことになる。4枚も落とせば多分クリーチャーが1体くらい混じっているだろうから、誰の犠牲も出さずにすんなりと「縫い合わせのドレイク」や「その場しのぎのやっかい者」のコストを支払うことが出来るようになる。その他フラッシュバックを詰め込んでいるなら、これだけでもアドバンテージになっているはずなのだ。あとはそんな潜在的なアドバンテージ機構を、どの程度積極的に採用出来るか。デッキ次第ではあるが、「別に墓地とかいらないけど、とにかく1/4が欲しいんでいれるしかないんです。ライブラリが心配です」とかいうことにならないことを祈る。 Back from the Brink 瀬戸際からの帰還 (4)(U)(U) R エンチャント あなたの墓地からクリーチャー・カードを1枚追放し、そのマナコストを支払う:そのカードのコピー・トークンを1体戦場に出す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられる時にのみ起動できる。 一度だけ墓地からクリーチャーがプレイ出来るようになるという、この世界でなかったら全く青らしくないエンチャント。帰ってくるクリーチャーがゾンビに限定されていなかったり、「今回はゾンビカラーだから普段やってないことやってもいいよん!」とどさくさに紛れて単なる便利エンチャントを生み出した感があるが、一旦墓地に落ちてる時点で瀬戸際とかいうよりも完全にアウトだったんじゃねぇかという突っ込みは無しの方向で。効果が効果なのでそれなりに重たいが、これを置いて一度安定すりゃ、それはもう強い。青ならば自分のライブラリを積極的に削れるわけで、延々墓地からクリーチャーを繰り出すことでアホみたいなアドバンテージを生み出すことが可能になる。長期戦が許容出来るデッキならエンドカードクラスだろう。ただ、これを張るくらいに長期戦を見込むデッキと、ライブラリを削ったりしてそれなりにクリーチャーが落ちるデッキっていうのは、あんまりかみ合わないような気もする。結局夢は夢のままのカードかしら。 Battleground Geist 戦場の霊 (4)(U) U クリーチャー・スピリット 3/3 飛行 あなたがコントロールする他のスピリット・クリーチャーは、+1/+0の修正を受ける。 白の「絞首台の守部」と対をなすちょびっとロード。白と違って前のめりにパワーを上げてくれるので、効果は段違いであろう。例えば白の「深夜の出没」でトークンを2体出しておけば、こいつを加えて2/1が2体と3/3フライヤー。それだけでゲームを決めることが出来るポテンシャルだ。アンコモンなのでうまくいけば連打も可能で、その場合にはお互いに増強し合うので想像以上のパワフル飛行が楽しめる。リミテッドでスピリットに行くための大きな指針になりそうだぞ。 Cackling Counterpart 大笑いの写し身 (1)(U)(U) R インスタント 対象の、あなたのコントロールするクリーチャーのコピー・トークンを1体戦場に出す。 フラッシュバック・(5)(U)(U) 青のお家芸であるクローン生成。最近は「幻影の像」が予想以上のヒット作になったおかげでその評価はうなぎ登りのジャンルだが、今回は、未だかつてないインスタントでの提供。これによりトリックとしての利便性を得ることになり、緊急ブロッカーの追加など、相手の計算を狂わす展開を作りやすくなった。ただ、3マナインスタントで純正クローンが作れるほど世の中は甘くない。なんと、「自軍クリーチャーのみ」という制限が作られてしまい、この手のスペルの利点である「場で一番強いクリーチャーを真似る」という使い方が出来なくなってしまった。もちろん、インスタントなので「出産の殻」とのシナジーなんてあるはずもなく。まぁ、専用のデッキを作ればそこそこの利便性は得られるだろうし、フラッシュバックもあるのでリミテッドレベルなら最低限コスト分くらいの働きはしてくれると思うのだが、それでもわざわざレアで仕入れたいスペルかというと、やや疑問なレベルに落ち着いてしまったのである。我が同盟者デッキならば存分に働いてくれるとは思うのだが…… Civilized Scholar 礼儀正しい識者 (2)(U) U クリーチャー・人間、アドバイザー 0/1 (T):カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。この方法でクリーチャー・カードが捨てられたなら、〜をアンタップして変身させる。 ↓(裏側) Homicidal Brute 人殺しの粗暴者 ー (このクリーチャーは赤である) クリーチャー・人間、ミュータント 5/1 あなたの終了ステップの開始時に、このターン〜が攻撃していないなら、〜をタップして変身させる。 これまた斬新奇抜なカードである。変身前も変身後もそこまでたいそうなことが書かれているわけではないが、何故か変身すると色が変わるのだ。普通、マナコストが無いカードはサブテキストで「この呪文の色は○○である」と書かれるものだが(「常在精神(SOK)」や「超起源(TSP)」など)、このカードはしれっとカードの色合いを変えて色変更をアピールしている。ルール上は、サブタイプ欄脇のマークが色を表すことになってます。さておき、そんな色変わりクリーチャーだが、表の顔はパワーを失った「マーフォークの物あさり(M12)」。ルーターはどんな環境でも英雄扱いなので、このカードだって当然強い。ただ、この効果でクリーチャーを捨て去ると、自分でやったことなのに「生き物を捨てるとはなんたることか!」とキレて5/1に大変身。学者ぶった博識などどこ吹く風の粗暴パンチである。他の変身カードと違ってアップキープなどの制限無しにいつでも変身出来るため、ターンエンドに変身して次に殴りにいくことも出来るし、自分のターンに起動して唸りを上げて殴りにいくのもいいだろう。相手からすると、単なるルーターにいきなり5点持って行かれる可能性を常に意識しなければならなくなり、普通のルーターよりもかなり危険度が高い。唯一の難点は、望まざるタイミングでクリーチャーを捨てると次のターンにルーター業務を行えなくなることだが(変身はすぐに解ける)、まぁ、些細な問題だろう。このデコボコした不安定な感じは、いかにも赤青のイゼットカラーらしい、面白い生き物である。 Claustrophobia 閉所恐怖症 (1)(U)(U) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) 〜が戦場に出たとき、エンチャントされたクリーチャーをタップする。 エンチャントされたクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。 毎度お馴染み、青の基本形除去オーラ。今回はまるで基本セットに入っているかのようなシンプルな仕上がりだが、実はこれはこれで初めて登場する能力だったりする。この手のカードで一番シンプルなのが、単に張った相手のアンタップを阻害するだけの「麻痺の掌握(ZEN)」。これをベースに色々とおまけを追加してバリエーションを作っていくわけだが、今回はそれに「張った時点でタップ出来る」が付き、その分色拘束が厳しくなった。同様のボーナスがあったのは更に1マナ重くして瞬速を付けた「秘教の抑制(CHK)」で、当然これらのカードはリミテッドで大活躍している。出たときタップ能力は警戒持ちにも使えるので安心感があり、どんなタイミングでも気軽に使っていけるので重宝する。青がある程度濃いデッキならば、確実におさえておきたい必須カードだ。 Curiosity 好奇心 (U) U (8版などから再録) エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーが対戦相手にダメージを与えるたび、あなたはカードを引いても良い。 青にぽろりと再録されたオーラは、過去には「鋭い感覚(PLC)」として緑にカラーシフトされるなどの実績もあり、再録機会が少ないにも関わらず、青の代表的オーラの1枚と言える名作カードである。今回なんで帰ってきたのかはあんまり分かんないのだが、同じくアンコモンには呪禁とアンブロッカブルなんておあつらえ向きの能力をひっさげた「不可視の忍び寄り」という相棒も登場している。また、戦闘ダメージに限らない部分がこのカードのポイントなので、何らかのダメージ機構を有する赤のカードなんかと組み合わせることもできるだろう。どうせ1マナのカードなのだし、1枚引ければ上等の心意気で、ガンガン攻めていきたいところである。 Curse of the Bloody Tome 血まみれの書の呪い (2)(U) C エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) エンチャントされたプレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは自分のライブラリを上から2枚墓地に置く。 「呪い」カードの先駆けとなったのがこの青呪い。簡単に言えば全自動の「石臼(10ED)」である。設置コストがちょっとだけ重くなったが、設置後は一切手間をかけずに自動でガンガン削ってくれるので、ライブラリを攻めるカードとしてはなかなか優秀。リミテッドでも3〜4枚集めれば割とあっさり削り切れるんじゃないか疑惑もある。ただ、この世界は相手の墓地を肥やすことで敵に塩を送る結果にもなりかねない。使う際には、それなりの覚悟を。ちなみに、このカードのフレーバーの一文が何だか知らないが気に入った。「そろそろ狂ってもいい頃だ」って、汎用性が高そうなフレーズである。マローも言ってそう。ちなみに「石臼」の場合にも、色んな魔術師がキチガ○になったみたいですよ。 Delver of Secrets 秘密を掘り下げる者 (U) C クリーチャー・人間、ウィザード 1/1 あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリの一番上を見て、それを公開しても良い。それがインスタント・カードがソーサリー・カードであったなら、〜を変身させる。 ↓(裏側) Insectile Aberration 昆虫の逸脱者 ー クリーチャー・人間、昆虫 3/2 飛行 ある朝ザムザが目を覚ますと、自分が3/2で飛行まで持った毒虫に変わってしまっているのに気が付いた。「あら、1マナで3点クロックなんて、こいつは便利だわね」。めでたしめでたし。……上手いこと変身出来れば未だかつてないダメージ効率を叩き出す強烈なカードである。ちなみに、リミテッドにおけるインスタント・ソーサリー含有率は多くてもせいぜい2〜3割。デッキとよく相談しての投入を。ボクは、虫が苦手なんでパスしたいです。一体どんな研究したら自分を虫にするとかいう発想が出てくるんだか…… Deranged Assistant 錯乱した助手 (1)(U) C クリーチャー・人間、ウィザード 1/1 (T)、あなたのライブラリの一番上のカードを墓地に置く:あなたのマナ・プールに(1)を加える。 突如青に出現したマナ加速クリーチャー。青はこれまでもマナ加速クリーチャーがいないではなかったが、大半の場合はアーティファクトが絡んだりする特殊なマナだった。今回は、無色とは言え制限無しにマナが出せる仕事が回ってきたので、リミテッドを含め、青いデッキでマナが出したいなら、常に検討に値するカードになるだろう。ま、「銀のマイア」もいるからどっちがいいかは選択の余地があるけど。そして、このカードだけが出来る新たなお仕事は、起動するたびにポロポロとライブラリがこぼれること。オデッセイ環境ならば分かりやすいスレッショルド達成装置に……って、ここまで書いて、ようやくこのカードが「ミリキン人形(ODY)」が青くなったカードだということに気づいた。ミリキンは出番が多かったし、このカードもリミテッドでは活躍するでしょう。今回はスレッショルドがないけど、代わりに青はゾンビ戦略がそこそこあるので、マナ加速も含めて、痒いところにカードが送り込める渋いサポートである。 Dissipate 雲散霧消 (1)(U)(U) U (ミラージュより再録) インスタント 対象の呪文1つを打ち消す。その呪文が打ち消された場合、それを墓地に置く代わりに追放する。 墓地にカードを落としちゃならねぇ、ってんではるばる10年以上もの時を経て復活した渋いカウンタースペル。定番コストである(1)(U)(U)で純粋に追加効果が付与された形なので、「取り消し」の純正上位互換。フラッシュバックを黙らせることが出来るのでリミテッドでは当然必須レベルだし、本当に今後の世界で墓地が暴れ出すならば、構築も見えるレベルのカードになりうるだろう。まぁ、リムーブってのがどこまで必要な能力になるかは分からないんで、「マナ漏出」などに加えての更なる追加戦力にまでのし上がるかは微妙なとこだけどね。「中略(ODY)」や「邪魔(CHK)」クラスと考えれば、それなりか。 Dream Twist 夢のよじれ (U) C インスタント 対象のプレイヤーは、自分のライブラリを上から3枚墓地に置く。 フラッシュバック・(1)(U) 実直なライブラリ掘削呪文。1マナインスタント、しかもコモンってことで大したことがない効果に見えるかもしれないが、青マナだけで起動できるフラッシュバックがあり、往復で6枚削れるのは結構馬鹿にならない。これを4,5回も打ち込めば、リミテッドのデッキならば虫の息なのだ。過去に同じテイストのスペルとしては「記憶の放流(SHM)」や「秘本掃き(M11)」があったが、1枚のカードで削れるライブラリの平均は大体6〜7枚が限度だ。2マナで10枚の「不可視の一瞥(RAV)」がレアだったことを考えれば、このスペルだって負けちゃいないんじゃなかろうか。徹底的に行くならば、当然相手のライブラリを攻める使い方。青の特性を活かすなら、自分のライブラリを積極的に削ってもいい。これを撃って2枚目のコレが出れば謎のループも繋がったり、デッキの組み甲斐のあるカードではないか。 Forbidden Alchemy 禁忌の錬金術 (2)(U) C インスタント あなたのライブラリを上から4枚見る。そのうち1枚をあなたの手札に加え、残りを墓地に置く。 フラッシュバック・(6)(B) 青の得意技であるドロー調整呪文だが、これまで登場した類似品に比べると、掘削能力はかなり強化されている。最もシンプルな比較は、同じマナコストで2枚見て1枚選ぶ「目録(8ED)」だろう。コモンどうしの比較だというのに、掘り進む量が2倍で、更に重たいとはいえフラッシュバックまで搭載。なんというアップグレードだろう。この手のスペルで構築クラスの使用実績を叩き出す方策として、条件を限定してアドバンテージに繋げるギミックがある。例えばミラディンにおける「知識の渇望(MRD)」や、ラヴニカにおける「脅迫的な研究(RAV)」などだ。このカードの場合、フラッシュバックを絡めないとアドバンテージには繋がらないが、まとめて3枚のカードを墓地に落とせるという効果が青のゾンビ戦術にがっちりかみ合うことで副次的にアドバンテージに繋げている。楽しいゾンビライフを送るなら、1枚と言わず2枚3枚と詰め込んでおきたい素敵スペルだ。ライブラリが薄くなるな! Fortress Crab 要塞ガニ (3)(U) C クリーチャー・カニ 1/6 あぁ、うん……「角海亀(M10)」に1マナ足したら更にタフネスが2もあがった。流石にここまで来ると迫力があるよな。ぶっちゃけると昔白にいた「古石の神(9ED)」はもっと堅かったんだけど、あいつはアンコモンだしね。これ、コモンか……変身後の狼男でさえがっしりと受け止めるその圧倒的甲殻類ボディの信頼感は理屈抜きで強い。がっつりおさえて飛行ビート、もしくはライブラリ破壊。いやぁ、青使ってるって実感が湧くなぁ。でもね、このカニ、まずいらしいんだなぁ…… Frightful Delusion 恐るべき妄想 (2)(U) C インスタント 対象の呪文1つを、そのコントローラーが(1)を支払わない限り打ち消す。そのプレイヤーは、手札を1枚捨てる。 こっそりカウンターのふりをした手札破壊呪文という、なんだか分かりにくい立ち位置の呪文。まずカウンターとしての素体を見ていくと、こちらは3マナ払って、相手に1マナを要求する。これって実は3年前に「どこをどういじったらこんだけ弱体化したんだよ……」と文句を言われた弱小カウンター「呪文摘み(ALA)」と同じだったりする。同じ効果の「魔力の乱れ(7ED)」が1マナなわけで、それをわざわざ3マナ払えと言われても馬鹿正直に払う奴はいない。そこで、このカードはちょっと黒っぽいテイストを足して、1枚手札を要求することにしたわけだ。相手に選ばせての1枚ディスカードは過去の基準で言えば1マナソーサリー以下。その2つを足しても、ちょっと3マナはどうかな、というぐらいかもしれない。でもまぁ、うまいこと決まってカウンター出来たときの喜びは格別で、やられた方としてはギリギリで呪文が通らないわ、アドバンテージは持って行かれるわで踏んだり蹴ったり。相手を絶妙に嫌な気分にさせたいならば、是非とも使いこなしたい1枚。手札で腐ることなんか気にしちゃ駄目だ。もっとも、これに1マナ追加すると確定カウンターの「陰鬱な失敗(PLC)」になるんだけどね……一応、この世界の青は相手の墓地が増えるとちょっと嬉しいこともあるので、そのあたりも計算に入れて使っていこう。 Grasp of Phantoms 幻影の掌握 (3)(U) U ソーサリー 対象のクリーチャー1体を、そのオーナーのライブラリの上に置く。 フラッシュバック・(7)(U) 単発だと1マナ重くなっただけの「時の引き潮(9ED)」。ミラディン環境では「消失の命令」はちょっと重くてあまりデッキに入らないスペルになってしまっているが、やはりトップに置く効果が強いことは間違い無い。コントロール重視の青デッキになった時には、考慮に値するトリックになるだろう。そしてやたら重たいとはいえ、フラッシュバックもついている。これでめでたくアドバンテージカードとなり、更に長期戦を見込むコントロールデッキでのニーズが出てくる。デッキは選ぶが、いかにも青らしい渋いサポートだ。こういう重たいフラッシュバックカードは、「どうせ使えないでしょ」と思って使い捨てる傾向にあり、万事窮したと思った終盤に墓地から掘り出した時の喜びはひとしおである。我々のコミュニティの名言の1つに「モビハンあった!」というフレーズがある。忘れられた「病的な飢え/Morbid Hunger(ODY)」が相手の残り3ライフを削って勝利したシーンだ。他にも「焦熱の飛弾(ODY)」のフラッシュバック頼みのデッキなんてのもあったし、案外8マナくらい余裕なのかもしれない。 Hysterical Blindness 恐慌盲 (2)(U) C インスタント あなたの対戦相手がコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで−4/−0の修正を受ける。 毎度お馴染み、青の全軍パワー低下インスタント。登場時に少しだけ期待していた「形成一変(MBS)」は結局リミテッドでも使うチャンスがない残念スペルに終わってしまったわけだが、このカードは1マナコストを増やしたことにより、なんと効果が2倍、狼男まで含めて、ほとんど全てのクリーチャーのアタックを無効化するクラスにまで格上げされた。これでほぼ確実に1ターン分のアタックはチャラに出来るだろうし、トリックとしての説得力は増している。残された問題は、これをどうやってアドバンテージに繋げるか、という部分である。せっかくアタッカーのパワーを下げているのだから、何とかブロックして1体でも2体でも餌食を討ち取りたいところ。しかし、今回青に収録されたコモン戦力は1/4だったり1/6だったり……さて、デッキに入ることになるのかどうか。一応、単に時間稼ぎが出来ればいいや、ってんでライブラリを攻めるデッキでの採用は期待出来るかもしれない。 Invisible Stalker 不可視の忍び寄り (1)(U) U クリーチャー・人間、ならず者 1/1 呪禁 〜はブロックされない。 徹底的に不可侵。それが青クオリティ。2マナでアンブロッカブルを持つクリーチャーというのはこれまででも案外存在していたものだが、ここまでの安定感を醸し出すカードはなかなかいない。全体火力などの対処法を持たないデッキならば20ターンキルが確約されたようなものだろうし、一方通行である呪禁能力を活かせば、強化系オーラを使って更なるスピードアップを見込める。かつての基本セットリミテッドでの「囁き絹の外套(M11)」の重要性を思い出せば、このカードが今後の青でどのような役割を果たせるか、想像に難くないだろう。 Laboratory Maniac 研究室の偏執狂 (2)(U) R クリーチャー・人間、ウィザード 2/2 あなたが、ライブラリにカードが無い状態でカードを引くことになった場合、代わりにあなたはこのゲームに勝利する。 上記の「錯乱した助手」と一緒にプレビュー記事に登場したことで立ち位置が明らかなクリーチャー。これまでだったら敗北条件だったイベントが逆に勝利条件になってしまうという、何とも倒錯した青らしい馬鹿馬鹿しさ。これで青は、200枚以上のライブラリと0枚のライブラリという、両極で勝利をものに出来るようになったわけだ! そして、この条件を達成するためのカードが、今回はセットテーマも相まってそれなりに用意されている。弟子に手伝ってもらって地道に削っていくのもいいだろうし、下記の「鏡狂の幻」あたりも自分のライブラリをガンガン削ってくれる。もちろん、相手を選ばない「マーフォークの催眠術師」や「記憶の熟達者、ジェイス」で削ってもいいだろう。とにかく、自分のライブラリを削りきるのは相手のライブラリを削るよりも簡単である。そこから勝利をもぎ取れれば、新たなマゾヒズムに目覚める時も近いかもしれない。まぁ、もちろんこいつ一体が除去られれば死もすぐそこなんですけどね。チャレンジしてみる? 俺は相手のライブラリ削る方が楽しいからそっちでいいっすわ。とりあえず「地ならし屋(MRD)」がものすごい勢いでアップを始めています。落ち着いておじいちゃん! ライブラリならさっき食べたでしょ! Lantern Spirit ランタンの霊魂 (2)(U) U クリーチャー・スピリット 2/1 飛行 (U):〜をそのオーナーの手札に戻す。 3マナ2/1フライヤーというリミテッドの基本戦力に、好きなタイミングで帰還できるバウンス能力。これは、リミテッドでは人気カードとなったあの「空翼のエイヴン(TOR)」が持つ能力である。焼こうにも叩こうにも、ぬるりと手札に戻る厄介な鳥野郎にイライラした経験は今でも鮮明に覚えている。ただ、アイツの場合は共鳴者としての能力あり、マナを払わずに戻せる利便性あり、かてて加えて当時のスタックルールのおかげでクリーチャー処分出来たり、色々とこのクリーチャーとは違うのだけれども。1マナ残せばでかいフライヤーに対する無限ブロッカーになったりはするので、いっそのこと守備メインでの採用もありかもしれません。 Lost in the Mist 霧の中の喪失 (3)(U)(U) C インスタント 対象の呪文1つを打ち消す。対象のパーマネント1つを対象とし、それをそのオーナーの手札に戻す。 「流石にこんだけカード作ってると、もうカウンタースペルのネタもねぇよなー」「そうですねー、こっちもバウンスの新作考えてるんですけど、なかなか思いつかなくてー」などと制作スタッフが愚痴りあっている時に、二人の利害が一致して生み出されたスペル。かどうかは分からないが、とにかく奇妙な形でカウンターとバウンスが手を結んだ。5マナと重たいが、見事決まればカウンターとバウンスを同時にこなす、新世代の「謎めいた命令(LRW)」になる。あの伝説クラスのインスタントと肩を並べられるってんだから、多少重たくても充分に一線級。ただし、コモンでそこまでのものを手に入れようってのは甘い考えである。残念ながら、このカードはモードが決まっているし、必ず対象を2つ取らなければならないことが大きな制約となっている。どれだけ場に嫌なパーマネントが降臨しようとも、とにかく打ち消す目標が無ければバウンスとして機能しないのだ。そして、カウンターとして使うためには、ほぼ確実に相手ターンまで5マナを維持しなければならず、厄介なパーマネントを放置したまま苦渋の「エンド」宣言をする必要がある。これで相手がスペルを使わなければ踏んだり蹴ったりだ。まぁ、リミテッドレベルでのやりとりならば、それだけのリスクを冒してでもキープする価値のある効果ではある。余ったマナを上手いこと他に流用出来る体勢を取りつつ、何とかマナカーブの後部座席に座らせてみたい。 Ludevic’s Test Subject ルーデヴィックの実験材料 (1)(U) R クリーチャー・トカゲ 0/3 防衛 (1)(U):〜の上に孵化カウンターを1つ置く。その後、〜の上に孵化カウンターが5つ以上置かれていたなら、それらを全て取り除き、〜を変身させる。 ↓(裏側) Ludevic’s Abomination ルーデヴィックの嫌悪者 ー クリーチャー・トカゲ、ホラー 13/13 トランプル 変身カードの一種だが、白の変身軍団と同じように、ギミックとしてはレベルアップクリーチャーみたいなもの。なんでわざわざこのデザインにする必要があったのかは理解に苦しむところだ。登場時は単なる壁で、その後10マナを注ぎ込んだら化け物が生まれる。10マナというと重たいイメージだが、分割払いが出来るので現実味はそこそこだろうか。構築戦なら増殖と組み合わせることで色々と踏み倒すことも不可能ではないだろう。ただ、構築で「灯台の年代学者(ROE)」が活躍したという話は一切聞かないし、多分単なる夢クリーチャーで終わる予感。リミテッドなら、「タイタンの炉」よりはゴールが近いようには見えるな。 Makeshift Mauler その場しのぎのやっかい者 (3)(U) C クリーチャー・ゾンビ、ホラー 4/5 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放する。 なんかもう、日本語があまりにもやっつけじみているので大したことがないカードなんじゃなかろうかと錯覚するが、いざ出されると結構ヤバい、そんなカードである。その場しのぎ程度でこんなものを出してくるなんて、屍錬金術師のルーデヴィック先生はどんだけ偉大な科学者だったんだろうか。登場に必要なコストは「縫い合わせのドレイク」と同じクリーチャー1枚分。そのために最序盤に唱えることは難しかろうが、例えば白には死にたがりの人間がいっぱいいるし、青だって序盤からライブラリをガリガリ削る方法は多い。「甲冑のスカーブ」で3ターン目に4枚削って、4ターン目にこいつが降臨するならば、必死で変身を狙う狼男すら蹂躙する脅威の戦力となり得るだろう。ほんと、今回の青は質実剛健過ぎて困ってしまう。しかしこのフォルム……「ハルシオンランチ」のクリーチャーみたいだな。 Memory’s Jorney 記憶の旅 (1)(U) U インスタント 対象のプレイヤー1人は、最大3枚までの、そのプレイヤーの墓地にある対象のカードを加えて、自分のライブラリを切り直す。 フラッシュバック・(G) リミテッドだとあんまり使わないんだけど、墓地を悪用する嫌な奴が出てくるとまずいので必ず1つのセットに1枚は収録される、墓地リセット系の呪文。この手のカードは青か緑に収録されることが多いので、コスト設定は青緑で調整されている。ここ最近はそこまで墓地利用というものがクローズアップされなかったため、「古き秘密の探索(ZEN)」や「不死の霊薬」といったライブラリ修復カードはリミテッドでは邪魔者扱いされることが多かったのだが、この世界はそうも言ってられない。陰鬱機構のせいで緑や白までもが墓地をいじり始めているし、墓地の枚数がダイレクトにデッキの動きに影響する青ゾンビからしたら、重要なカードが3枚も戻されたら死活問題になりかねない。メインで入れたいカードじゃなかろうが、思い出したように引いておくと、決定的な何かが起こるかもしれません。起きないかもしれません。 Mindshrieker 精神叫び (1)(U) R クリーチャー・スピリット、鳥 1/1 飛行 (2):対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリの一番上のカードを自分の墓地に置く。〜は+X/+Xの修正を受ける。Xは、そのカードの点数で見たマナ・コストである。 なんだか見たことがあるような、そうでもないような、割と地味な能力を与えられたレア。一応、似たようなギミックを持つカードには「生物の原形質(GPT)」や「ゴブリンの機械技師(ONS)」あたりがいるが、ライブラリが絡んでいるのに青のクリーチャーでは例がないかもしれない。こんな地味なくせにレアでいいのかしら? と思ったが、よく考えてみりゃ、3ターン目にパンチしてたまたま6マナのカードでもヒットしたらいきなり7/7フライヤーなわけで、想像以上にやることはエグかった。連打可能なので中盤以降には容易に身を守れるようになり、ワンパンチの破壊力はどんどん大きくなってく。まさに「1枚で勝てる」カードである。俺のドラコがエクスプロージョン。 Mirror-Mad Phantasm 鏡狂の幻 (3)(U)(U) M クリーチャー・スピリット 5/1 飛行 (1)(U):〜をそのオーナーのライブラリに加えて切り直す。そうしたなら、そのプレイヤーは自分のライブラリを、上から「鏡狂の幻」という名前のカードが出るまで公開する。そのプレイヤーは、そのカードを戦場に出し、公開された他のカードを自分の墓地に置く。 何とも青らしからぬところから攻めてきた奇妙なお化け。今回は青の神話は何だか妙な方向性になってますね。そして、神話なのでやっぱり強そうに見えるのである。5/1飛行というあまりに尖ったステータスは、多分「除去られなきゃ強い」という言葉が一番しっくりくるだろう。そして、このクリーチャーには除去から逃れるための実に見事な能力がついているのである。一見するとそれは、「紺碧のスフィンクス(RAV)」のようなライブラリ帰還機能に見える。戻ることは戻るが、次にいつ引けるか分からないアレだ。しかし、このお化けは神話なので、そんなけちくさいことは言わない。なんと、すぐに戻ってくるのだ。そのための代償は、幾ばくかの自分のライブラリである。実際に使ってみると、使用後にやたら墓地が増えることを除けば、「ちらつくスピリット(TSP)」と同じようなもんである。除去をいくら打っても、するりと逃げる5/1飛行。何だか強そうである。あとはライブラリが無くならないことを祈るのみ。リミテッドではちょっとした博打。相手の状況次第だが、とにかくこいつが4回殴れば勝てることを考えれば、1,2回くらいは除去をかわすために起動する価値はある気がする。構築なら、4体投入することでデメリットはほとんどチャラに出来るが、このカード、わざわざ4枚積むようなカードには見えない。むしろここは、下の環境で大活躍している「セファリッドの幻術師(TOR)」のように、ライブラリを積極的に削りに行くクリーチャーだと思えばいいのではなかろうか。こいつを1枚だけ入れて能力を起動すれば、うまくいけばほとんどのライブラリを墓地にたたき落とすことが出来るのだ。あとはライブラリが無くなったら勝てるあの人の出番である。まぁ、不確定要素が多すぎるシステムなので使いにくいとは思うけど。あと、相手が出したこいつを「幻影の像」なんかでコピーして能力を起動すると、自分のライブラリが全部墓地に行くっていう素晴らしい友情コンボを思いついたんだけど、誰かなんとかして。 Moon Heron 月鷺 (3)(U) C クリーチャー・スピリット、鳥 3/2 飛行 とにかく、イラストが綺麗。貴重な人間の希望の象徴らしいが、確かにこれが空を舞っていたら、なにかの吉兆と感じずにはいられないだろう。頑張れ月鷺、ぼくらの希望をのせて。月光蝶が空を舞うとき、人類が滅亡するとかどうとかいう話もあるが、月鷺は、一体何をもたらしてくれるのだろう。で、クリーチャーとしてはどこをどういじっても「噛みつきドレイク(M10)」の種族変更版。いつの時代もリミテッドならエースとなるこのバニラっぷり。今後の世界でもお世話になることだろう。スピリットなので地味に色んなカードの支援が受けられるのがポイントだ。ただし、注意点が2つ。1つは、今回は青のコモンに3マナ3/4という無体なステータスを持つ「縫い合わせのドレイク」がいるので、多少地味に見えるかもしれない。注意点2,今回、白にはどさくさに紛れてスピリットを除去してくる「緊急の除霊」というイラッとするスペルがあるので、とばっちりを食らうかもしれない。 Murder of Crows カラスの群れ (3)(U)(U) U クリーチャー・鳥 4/4 飛行 他のいずれかのクリーチャーが死亡した場合、あなたはカードを1枚引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。 他者の死を感知して起動する一種の「陰鬱」ルーターだが、もうルーター云々なんかよりも5マナ4/4フライヤーという素敵ステータスにばかり目がいっちゃうのでおまけはなんだっていい気がするでっかい鳥。もう、ウィザーズは「大気の精霊(M10)」を虐める手を休める気が全く無いな。現環境で「空長魚の群れ」が活躍していることを考えれば、このクリーチャーのマンマミーヤっぷりは説明不要。たかだかカラスに負けちゃうエレメンタルって…… Rooftop Storm 屋根の上の嵐 (5)(U) R エンチャント あなたは、ゾンビ・クリーチャー・呪文を唱えるために、そのマナ・コストの代わりに(0)を支払っても良い。 青のゾンビは、これまでのmagicのゾンビ観とは少し異なったものになっており、「人体改造」「生命創造」という観点から、フランケンシュタイン的な怪物を作り出す文脈である。マローがいうには、フランケンシュタインもゾンビの一種ってことで、青はゾンビ軍勢に参加することになったわけだ。これさえ出せれば、どんなゾンビでもコスト0! 6マナだろうが7マナだろうが踏み倒してキャスト出来るのが最大の売りで、公式ページでは我らが大将「スラクジムンダール」を出すプランなんかも紹介されている。他にも、オラクルでクリーチャータイプゾンビを手に入れた「触れられざる者フェイジ(LGN)」や、ミラディン業界の愉快なおっさん「大霊堂の長、ゲス」なんかもノーコスト。こいつぁ豪儀だね! でもね、このカード自体に6マナかかるからな! この手のカードのお約束として、活用して連打したカードが増えれば増えるほど価値は上がっていくので、いっそ「青の太陽の頂点」みたいなカードでごっそりドローして、そこからゾンビをまき散らすようなデッキにするといいのかも。ちなみに、このセットに収録されるゾンビは、最も重くて青の「スカーブの大巨人」が6マナだが、あとは大体3〜4マナ程度。……あんまりいらなくない? Runic Repetition ルーンの反復 (2)(U) U ソーサリー 対象の、あなたがオーナーであるフラッシュバックを持つ追放されたカードを、手札に戻す。 フラッシュバックの、フラッシュバックによるフラッシュバックのためのカード。過去にはフラッシュバック応援スペルとしては「物静かな思索(JDG)」があり、「チューターカードに弱者無し」のセオリー通り、気づけば構築クラスでも猛威をふるうキーカードになっていた。このカードはそうした強烈な効果があるわけではないが、2回使えるフラッシュバックを帰還させることで、確実なアドバンテージを刻んでいく。スペル自体はそこまで重たいものではないが、フラッシュバックには帰りのコストが重たいカードが多い。上手く使うならばそこまでごうつくばらずに、「熟慮」あたりを戻して手軽なアドバンテージを楽しむくらいでも充分である。もちろん、相手の墓地掃除後のフォローにも最適。この世界で、追放領域など一時的な対策でしかないことを教えてやろう。 Selhoff Occultist セルホフの密教信者 (2)(U) C クリーチャー・人間、ならず者 2/3 〜か他のクリーチャーが1体死亡するたび、対象のプレイヤーは、自分のライブラリを上から1枚墓地に置く。 まだまだ出てくるライブラリアタッカー。他のカードが一気に3枚4枚と削っていくので、1回につき1枚しか削れないこのカードは地味にも見えるのだが、陰鬱条件で誘発するので発動機会は決して少なくない。これが2体並んだりしたら、結構な速度でライブラリは薄くなっていくはずだ。3マナ2/3と青にしてはしっかりした体幹も持っているので、このあたりのクリーチャーを主軸にして相手を抑え込み、空やライブラリから勝利を狙っていくことになるだろう。侮っていたら痛い目見ますぜ。 Sensory Deprivation 感覚の剥奪 (U) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは−3/−0の修正を受ける。 ここ最近は青が何としても1枚はねじ込もうと必死になっている、パワー低減系カードの2枚目。多い多い。上記の「恐慌盲」もそうだが、その他ミラディン世界に限っても「形成一変」だの「防御姿勢」だのがあり、どうせ誰も使わないのになんでここまでこだわり続けているんだろうか。このカードについては、「これまではインスタントだったから悪かったんじゃないか」ってな反省になったようで、コスト抑えめで使いやすさを前面に押し出したオーラ形式を採用。これを張ると恒常的にパワーが下がり、事実上クリーチャー1体のアタックが無効化出来るようになる。これまでのパワー削り系カードはトリックとしての効果に重きを置いていたので使いづらいことこの上なかったが、このカードなら、大体アタッカー1体くらいならば手軽に押さえ込めるようになったので、割と悪くない選択肢ではある。もちろん、同じセットにタップして完全に押さえ込む「閉所恐怖症」が収録されてることはどう考えても問題なのだが、世の中には与えられたカードで勝負しなきゃいけない時だってあるかもしれないのだ。スヌーピーだってそう言ってるのだ。デッキに入れるときには、精一杯「考えた結果、この1マナという軽いコストが意味を持ちます」というふりをしよう。 Silent Departure 静かな旅立ち (U) C ソーサリー 対象のクリーチャー1体を、そのオーナーの手札に戻す。 フラッシュバック・(4)(U) 基本コモンバウンス。フラッシュバック付きになったために、1マナソーサリーという絶妙なバランスで提供された。オデッセイ時に与えられたフラッシュバックバウンスは、パーマネントを戻せる「ブーメラン」仕様だったが、行き4マナ、帰り7マナとなかなか使いにくい「非物質化(ODY)」だったので、それと比べれば随分使いやすいコストに収まってくれたんじゃなかろうか。ただ、過去の歴史を遡っても、ソーサリーで単に手札に戻すバウンスって、あんまり活躍したタイミングがないんだよね。バウンスは緊急避難に使ったり、トリックとして使える部分が売りなので、ソーサリーになると急に価値が落ちてしまうのだ。ここまで軽けりゃ問題無いとは思うのだが、どの程度デッキに積まれることになるのだろうか。 Skaab Goliath スカーブの大巨人 (5)(U) U クリーチャー・ゾンビ、巨人 6/9 トランプル 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを2枚追放する。 各レアリティに配備された追加コスト系ゾンビのアンコモン版。コモンの「縫い合わせのドレイク」「その場しのぎのやっかい者」は墓地1枚で3マナ3/4飛行と4/5、神話レアの「殲滅者」は墓地3枚で3マナ5/6飛行おまけ付き。そして、このアンコモン版の巨人は墓地2枚で6/9トランプルである。コストが他のサイクルに比べて倍も大きく、これがキャスト出来るタイミングなら墓地2枚はさほど厳しいコストではないだろう。パワー6のトランプラーということで迫力も充分だし、リミテッドでは確実な決戦兵器として猛威をふるいそうだ。シングルシンボルなのでタッチしやすいのが青には悩みの種かもしれない。 Skaab Ruinator スカーブの殲滅者 (1)(U)(U) M クリーチャー・ゾンビ、ホラー 5/6 飛行 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを3枚追放する。 あなたは〜をあなたの墓地から唱えても良い。 驚きの軽さと、コストに見合わぬヘヴィーステータスを実現させた夢のゾンビが神話で登場。3マナ5/6だけでも充分おかしいのに、ゾンビのくせに空を飛ぶおまけまでついている。今の時代、ウィニーで攻めるなら青単だね! とはいいつつも、当然の追加コストはいかにもゾンビらしく、ずしりと重たい墓地要求である。「墓忍び(FUT)」と並べて6マナ5/6飛行で「探査」持ちだと考えると、なるほど確かに普通のレアっぽい。上手く使いこなすには、それなりのデッキで、それなりの下準備が必要になるだろう。となると、当然専用のデッキで使うことになる。墓地にクリーチャーが溢れかえれば、3マナで出せるファッティになり、更に墓地から何度でも蘇る脅威のエンドカードになる。これだけでも過去の「イチョリッド(TOR)」や「冥界のスピリット(MMQ)」のような専用デッキが組めそうではないか。最大の難点は、このカードがクリーチャー専門色ではない青に配付されたという1点である。墓地にゴロゴロ落ちる「幻影」シリーズと組み合わせて何か楽しいことが出来ないものだろうか。 Snapcaster Mage 瞬唱の魔道士 (1)(U) R クリーチャー・人間、ウィザード 2/1 瞬速 〜が戦場に出たとき、対象の、あなたの墓地にあるソーサリー・カードかインスタント・カード1枚は、ターン終了時までフラッシュバックを得る。そのフラッシュバックコストは、本来のマナコストに等しい。 「埋め合わせ(ODY)」の能力を持った身軽な魔法使い。なんか妙に庶民的な顔をしていると思ったら、どうやらインビテーショナルらしい。「埋め合わせ」は何とも絶妙な設定だったおかげで本当に埋め合わせっぽいカードになっていたが、フラッシュバックをつけるカードにフラッシュバックがついているという、マニアックな設定のおかげで当時のリミテッドでは使われたり使われなかったりした。このカードは、そんな微妙なカードをクリーチャーにし、更に青に転移したことでインスタントもカバー出来るようになったもの。2マナ2/1瞬速ならば青という色を考えれば立派なボディだし、そこに幾ばくかのアドバンテージを搭載しているのだから、そりゃぁ文句は無いだろう。こいつ自身のコストを支払う必要があるのでフラッシュバック出来るカードは限られてくるだろうが、青単体で考えても、「思案」や「マナ漏出」がフラッシュバック出来るんだから弱いはずもない。4マナ瞬速、「マナ漏出」内蔵の2/1って、「神秘の蛇(TSB)」が活躍していたことを考えれば採用されて当然のスペックだし。他にも、使うスペルが「水銀の噴出」ならこいつ自身を戻して更なるアドバンテージを狙うとか、色々と悪さが出来そうな作りになっているので、今後のスペル次第ではかなり期待が持てる。青らしからぬ、小気味よいクリーチャーである。 Spectral Flight 幽体の飛行 (1)(U) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは、+2/+2の修正を受けるとともに飛行を持つ。 しれっと与えられているが、書いてあることは結構凄いコモンオーラ。青の名物である飛行付与オーラの最新作なのだが、ステータス修正が入っているために、これを張るだけで1/1だった坊やがいきなりエースクラスの戦力にまでのし上がる。過去にこうした修正を与えるカードといえば、必殺の1枚になった「ゼフィドの抱擁(USG)」があり、これはその廉価版と見ても馬鹿に出来ないコストパフォーマンスになっているのだ。今回青にはタフネスの大きな地上クリーチャーが多く、そのへんに付けると気軽に3/6とかいう訳の分からないサイズが実現可能。このクラスのフライヤーを討ち果たすのは並大抵の苦労ではないはずだ。なんで今回の青、こんなに武闘派なん? Stitched Drake 縫い合わせのドレイク (1)(U)(U) C クリーチャー・ゾンビ、ドレイク 3/4 飛行 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地からクリーチャー・カードを1枚追放する。 青ゾンビシステムのおかげで3マナで3/4フライヤーというスーパースペックを実現させた脅威のコモン。当然追加コストが必要になるわけだが、1枚くらいだったら何とかなるだろう。「ヴィリジアンの密使」や「眼魔」みたいな軽くて死んでほしいカードを入れれば運用は楽だし、ちょっとばかり登場が遅れたとしても、このスペックなら何の問題も無い。これがコモンとか、マジで青マッチョ。 Stitcher’s Apprentice 縫い師の見習い (1)(U) C クリーチャー・ホムンクルス 1/2 (1)(U)(T):2/2で青の、ホムンクルス・クリーチャー・トークンを1体戦場に出し、その後、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。 フレーバーテキストがなんか可愛い、頑張り屋さんのホムンクルス。過去にはひたすらブロッカーとしてホムンクルスを呼び出し続けた「くぐつの妖術師(ALA)」なんてカードもあったが、このカードは残念ながらクリーチャーの数はほとんど増えない(「マイアの種父」みたいなカードがあれば別だが)。せいぜい、チャンプブロックに差し出したホムンクルスを新たなホムンクルスに入れ替えるのがせいぜいだろうか。もちろん、登場するトークンが2/2という点を利用すれば、1/1クリーチャーは純粋にパワーアップ出来るし、どんな強大なクリーチャーでも、死に瀕したところを2/2にしてやれれば御の字。損をしないことを続けていけば、いつか得できるという精神だろう。今回は赤コモンで誘拐スペルが収録されているので相手のクリーチャーを魔改造することも容易だし、「幻影」クリーチャーや阻害系エンチャントを張られた味方の有効活用にも使える。そして何より、このブロックなら能動的に「陰鬱」能力の起動が出来るのだ。ふむ、悪くないね。最終的に自分を2/2に改造してる姿が見えるのが何とももの悲しいなぁ。 Sturmgeist 嵐霊 (3)(U)(U) R クリーチャー・スピリット */* 飛行 〜のパワーとタフネスは、それぞれあなたの手札の枚数に等しい。 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引く。 らんらんれーい! ……間違っちゃいませんよ。日本語カードにはちゃんと「らんれい」ってルビがふってありますからね。「あらしれい」じゃなくて「らんれー」、みんな覚えて帰って頂戴。さておき、新たな世界に生まれたマロー、しかも空を飛んでいるので「初めて夢見たもの、空麻呂(SOK)」の方である。「空麻呂」よりも1マナ軽い代わりに能動的に手札を増やすエンジンは無くなってしまったが、うまいことワンパンチ入れることが出来ればそこからはめくるめくアドバンテージの楽園。こいつ自身が大きくなり、手札が増えるので相手ブロッカーも排除しやすくなる。再び突破すればまた手札が……という夢の永久機関だ。リミテッドで決まれば相手は泣き出すレベル。ただ、リミテッドの場合には5マナのクリーチャーを出すときに残っている手札の枚数はあまり心強いものではない。手札を抱えようにも、放っておいたら相手の人狼がわっふるしてフルボッコ、なんて展開も余裕であるのだ。何をどうすれば勝てるのか、ちゃんと考えた上での投入を。どうなるか分からないのがマジック→どうなるの?マジック→ドナルドマジック! らんらんれーい! Think Twice 熟慮 (1)(U) C (時のらせんより再録) インスタント カードを1枚引く。 フラッシュバック・(2)(U) 時のらせんで生まれた優良ドロースペルが帰還した。書いてあることはものすごく地味なので最初はその効果を実感しにくいのだが、実際に使ってみると、カードというものは額面の効果よりも「使いやすさ」が大事なのだということを実感させてくれる。気づけばその「使いやすさ」は構築レベルになっていたというのだから驚きだ。序盤にとにかく墓地に投げ入れてワンドロー、更に中盤以降にマナが余ったら、それが即座にカードに化ける。これほど小粋で、「小さな魔法」を意味する「キャントリップ」という名前がしっくり来るカードもそうそう無いだろう。青いデッキならライブラリを削ることでこのカードの恩恵を受けることも出来るし、うまいことギミックが繋がらなくても、どうせ2マナのインスタントだから大して悔しくもない。良いスペルです。 Undead Alchemist アンデッドの錬金術師 (3)(U) R クリーチャー・ゾンビ 4/2 あなたのコントロールするゾンビがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与える場合、代わりにそのプレイヤーはダメージに等しい枚数のカードを、自分のライブラリの上から墓地に置く。 クリーチャー・カードがいずれかの対戦相手のライブラリから墓地におかれるたび、それを追放し、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 色んなギミックをやってみたかったんだけど、やってみたらどれも半端で、なんだか丸くなっちゃった感のあるクリーチャー。まず、自軍ゾンビが全員相手のライフから目先を変えて、突然ライブラリを殴り出す。相手プレイヤーからすると、普通に考えたらライフよりもライブラリの方が多いわけで、専用デッキでもない限りは一安心。単なるゾンビが殴りまくるデッキならライブラリよりもライフを攻める方が早いのだから、こいつが削れるライブラリはせいぜい1ターンに2〜3枚くらいのもんだろう。そして、そこにクリーチャーが混ざっていれば、めでたく追加戦力を獲得し、その後の削り幅が少しずつ大きくなっていく。うーむ、この取引は得なんだろうか? 青にしちゃ珍しくパワーが4もあるので自ら殴りに行くことも出来るのはプラスだが、致死ダメージに充分な殴り値が無い場合には、こいつでライブラリを削りきることはあまり期待しない方がいいだろう。むしろ、このカードはライブラリ破壊デッキで補助的に使う方が良くて、「ジェイスの消去」や「マーフォークの催眠術師」などでライブラリを削りつつ、その傍らでブロック要員となるゾンビを手に入れられるカードだと考えれば、持久戦デッキなら選択肢たり得る。ジェイスさんがアップを始めています。秋からエルドラージもいなくなるし、オラわくわくしてきたぞ。 PR |
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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