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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ミカグラ学園組曲」 6→5

 凄まじい作品であった。これ、ラノベは現在も刊行中なんだよな……一体どんな中身なんだろう。ちょっと活字で読むイメージが出来ないなぁ。魔法の合い言葉は「ぱっぱっぱのぱっ」で全部処理出来るんだろうか。

 何が「凄まじい」のかを一口に説明するのはけっこう難しいのだが、端的に言ってしまえば「何も無い」部分である。世間的に「中身のあるアニメ」「無いアニメ」という(時に不毛な)議論が起こることがあるが、このアニメはいわゆる日常系アニメなどを揶揄する時に使う「中身が無い」とは訳が違う。何しろきちんとバトルはあるし、恋愛(?)はあるし、主人公の成長物語もある。決して「何気ない女子高生の日常を描いたゆるふわコメディ」とかではないのだ。しかし、そうしたメインプロットをひとたび掘り起こしてみると、その裏側に「何もない」。びっくりするくらい「そうなる理由」がない。これが怖い。

 初見の時点で「はやて×ブレードみたいだな」という感想を持ち、実際、お馬鹿主人公が様々な相手に「勢い任せの無手勝流」を使って「星を取っていく」というバトルスタイルがまるきり同じだ。しかし、「はやて」の場合はそれが剣術で行われる。何故星を取りたいかという理由も分かるし、主人公の成長過程にある人間関係や人並みの悩みも、およそ理解の及ぶものだ。しかし、翻ってこの「ミカグラ」は、そうした設定こそ共通するものの、「何故そういう世界なのか」という説明が一切無い。エルナは何となくミカグラに転校し、何となく能力に目覚め、何となく戦ったら何となく強かったのである。彼女が「おもちゃの銃」を使える理由も分からなければ、それが何故強いのかも分からない(「一宮の家系だから」でいいの?)。もちろん、彼女を相手取る様々なキャラクターについても、その能力が強いのか弱いのか、さっぱり分からない。新人戦ではアスヒが決勝まで行っていたわけだが、奴が強いと思える描写は全く無いのである。もちろん、おとねちゃんの強さも理由なんてあるわけがないし、星鎖先輩のキリングアートが何なのかなんて分かるわけがない。

 こうして「設定自体はどこかで見たことがあるから何となく理解できるけど、それはさておきこの世界では何故そうなっている?」という部分が一切説明されず、「まぁ、みんなそう思ってるから」というので進行する部分が凄い。「実は違うんじゃ?」と誰かが僅かでも疑問に思ったら崩壊してしまいそうな、危うい世界なのだ。実際、最終話ではエルナの白昼夢で全然違う世界が見え隠れしたわけだが、あのまま「実は全部一宮エルナの見た寂しい夢でした」というオチになってもさっぱり驚かない。というか、むしろそっちの方が据わりが良い可能性すらある。とにかく「何となく」進み、「何となく」終わった。そんな不可思議な浮遊する作品だったのである。

 で、そんなよく分からない世界は破綻してしまって面白くなかったのかと言われると、案外そうでもない。視聴中は特に退屈していないし、なあなあで終わった最終回にしても「まぁ、こんなもんじゃない?」と不思議に落ち着いた部分もある。昨今のラノベアニメを色々観て分かる通り、「個性ある世界観を理解してもらい、楽しんでもらうためにどの程度筆を割くのか」というのはアニメ化における大問題の1つであり、説明にばかり腐心すればアニメとしての彩りが無くなるし、説明をなおざりにすれば視聴者を置いてけぼりにしてしまう。そのさじ加減はなかなか難しい。そして、今作は「説明? しなくてもいいでしょ、勢いで押せば」という実に潔い手法を採っており、この「勢い」が割と有効に働いている。何もかもが分からないことだらけで陽炎のような作品世界の中で、たった1つだけ、はっきりと分かっていることがあり、それは「一宮エルナは馬鹿だ」という事実である。そのエルナの「馬鹿」を拠り所にし、そこだけを接続点として様々な物語を(足下の覚束ないままで)繋いでいく。全てはエルナの胆力次第。エルナがこければ作品全部がこける。そんな危うい状態ながらも、エルナは飄々と渡りきってしまった。そこが今作の凄いところだ。

 結局、我々はシグレと同じように「エルナちゅわ〜ん!」とルパンダイブするだけの存在なのだ。いや、「ことねちゅわ〜ん」でも「熊野すわぁ〜ん」でもいいんだけど。とにかく、「世界がどうこう」ではなく、「この女の子がどうこう」だけで作品を判断するしかないのだ。そしてこれが、別に悪いことではないのだ。まー、「何もなかったやんけぇ!」と突如冷静になってちゃぶ台をひっくり返したくなる人も少なからずいると思うが、個人的には「熊野さんは本当に可愛いな! つって!」と言ってる分には特に不満は無いし、エルナのネタ回しが毎週見られるだけでも割と満足しているのである。「これでよく分からないバトルをしないで、部活と称して色んな女の子といちゃいちゃしてくれるだけなら最高だったのに」と思わないでもないが、まー、そこはしゃーない。「空虚さ」を売りにするという不思議な作劇、今一度、色んな部分について考えさせられる作品でした。

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