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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Just Becaouse!」 5→5

 なんとも不思議な味わいの作品でございました。全話見ていても衝撃的な何かが襲って来るなんてことはないのだが、これまでに観てきたものとは少し違う、そんな微妙なズレを楽しむ作品だったのかも。

 本当につかみどころがなくて、視聴中はずっと「どこが芯なんだろう?」ということがつかめずにあっちへフラフラ、こっちへフラフラしている印象だった。普通、ドラマ作りといえばメインの筋立てがまずあって、そのゴールへ収束するために周りを固めていくもの。本作だって終わってみればごくごく普通の、瑛太と夏目さんの恋愛ものだってことは分かるわけだが、その間にもお互いの気持ちがなかなか見えてこなかったり、他のカップリングでも主役級のテーマが持ち上がってきたり、視線が移ることが多い。そして、その全てのトピックが、あまり熱量を持たずに淡々と進んでいくのである。おかげで、ドラマの見え方がぼんやりしてしまったのだろう。

 しかし、考えてみれば現実世界なんてそんなもんである。現実にキャストロールはなく、誰が主人公かなんてわかったもんじゃない。それでも人は人を好きになってみたり、友情を確かめたり、何もできない自分に苛立ったりするのだ。その積み重ねが、いつしか恋愛ドラマを形成していくのだ。そういう「何気ない日常の積み重ね」みたいな部分に、不思議な近しさがあったのもまた事実。熱量を持たず、何ごとも淡々と進める瑛太だからこそ、その恋愛観には妙な生々しさがあるような。

 こうした筋立てを作る上で面白かったのは、「高校3年生から始まるドラマ」という珍しいセッティングであろう。部活を引退してあとは受験を残すだけの半年間なんて、普通の学園恋愛ドラマだったら後半戦どころか終盤戦である。そりゃイベントも色々あるかもしれないが、すでに出来上がった関係を固めていくためのクライマックスステージ。そういう扱いが普通だ。しかし、本作はそこが全て。そこで出会い、戦う物語。受験を巡って何ができるだろうと思っていたら、これが思いの外刺激の多いドラマになるのである。考えてみれば、学園ドラマなら「卒業」がゴールになるのは半ば必然。そして、そこにゴールがあると決めた上で話の密度を上げようとしたら、ゴールまでの期間を短くするのが一番手っ取り早いのである。そうして作られた「高3物語」は、突飛なようで実に理にかなっている。受験を題材にしたクライマックスも、経験したことがある人間ならば嫌なリアリティを伴って思い出せる、独特の緊張感が恋愛だけじゃない若者の焦りや悩みを想起させるものになっている。よくもまぁ、こんな妙な構成を思いついたものだ。

 個人的には、見ているうちにすっかり写真部ちゃん贔屓になってしまったので終盤に向かうにつれてどんどん辛くなっていったのだが、可愛い女の子は振られても可愛い(ひどい話だ)。彼女のバイタリティなら、もっといい男を見つけて……どうだろ、その辺不器用そうだなぁ。メインの2組はさっさと爆発すればいいと思うけど、あそこまでじっとりした「若者の恋愛」を見せられると、おっちゃん目線からは文句も言えないなぁ……。うむ、良いお話でした。

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