「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」 4→3
どんどん迷子になる作品。作品自体の方向性がよくわからなくなり、視聴者も途方に暮れてしまう。「異世界スマホ」に比べて作画部分では一定の安定感があったものの、そのせいでかえってネタアニメとしても処理しきれないという嫌なジレンマ(?)を抱えてしまう。
もう異世界モノには飽き飽きで、チートで並み居る強敵をガンガン倒して世界を救うような話は見たくない! というニーズに応えるため……なのかどうかは定かでないが、今作は「じゃぁ、いわゆるバトル部分でのチートだけにとどまらない、本物の異世界チートをお持ちしますよ」ってんで、なんと日常生活のありとあらゆる要素を全てスキル値で規定し、どんな些細なことでもチート設定にしてしまおうというわけのわからないブレイクスルーを図った(まぁ、スマホの場合はそれがなんの説明もなしに行われたのがすごかったのだが)。これによりバトル以外の部分でも異世界チートを楽しむことが可能になり、「ポーカーフェイス」なんて部分まで全部能力で処理できるという、もう人格も何もない状態に突入。主人公じゃなくてボットでもいいなこれ。おかげでますますストレスフリーだね!!
……すげぇよ、あらゆる楽しい要素を剥ぎ取っている印象のある異世界転生から、さらに「冒険譚」という縦軸も捨て去ったことで、一体何を目的にこの世界で生きているのかすら分からなくなった。当人たちは善行を重ねながら漫遊していると言っているが、物語というのは緩急があるから面白いのであって、あらゆるものに対して全てスキル割り振りを垂れ流すだけで前に進める状態のことを「物語」と呼んでいいものか。ある意味で最上級者向けの異世界物語と言えるかもしれない。これを楽しめるようなら、もう何を見ても楽しい気がする。多分、ゲームの攻略本買ってきてスキル一覧とかイベントの分岐一覧を見てる方が有益だとは思うが(オススメはパワプロのクッソ分厚い完全版マニュアル)。
正直、スマホと同じ点数にしてもいいとは思うのだが、一応映像部分での成立を考えてなんとなく差をつけてみた。一応それなりにちゃんとしたスタッフが制作を担当しているはずなのに。はずなのに……。まぁ、パワプロやるよりは短時間で済む娯楽だからね(比較がおかしい)。
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