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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<赤>
Aggravate 逆鱗 (3)(R)(R) U
インスタント
〜は、対象のプレイヤー1人のコントロールする全てのクリーチャーに1点のダメージを与える。これによりダメージを与えられたクリーチャーは、可能ならばこのターン攻撃に参加する。
 
 さかさうろこに触れたな! ……もう、あんな妙な言い回しのせいで一時みゆきちが漢字読めないアホの子みたいな疑惑が出て困ったわ。そんなわけないでしょ。ちゃんと大学出てるのよ。しかも大学時代にお勉強が楽しくて「将来なんの職業に就こうかな」って発言して周りから一斉に「声優やって!!」って突っ込まれたことがあるのよ。あの子、ちょっとどっかおかしいのは間違いないけど、普通に出来る子だから。……ものすごく閑話休題、今回の全体火力だ。……うわぁ。マジですか。5マナで1点が今回の全体火力ですか。そりゃま、相手にしかいかない火力だし、攻撃強制オプションもついてるし、単体で見ればそこそこのスペックだとは思うんだけど、やっぱり「鞭打ち炎」とか「轟く激震」とか、ある程度低コスト、高ダメージで「これがあるから赤は油断出来ないぜ!」みたいなカードが欲しかったのだが……今回は人間に優しくない火力は入らないってことなんだろうか。ちなみに、このカードで逆鱗に触れられて起こっているのは吸血鬼のおばちゃん。お気に入りの椅子を壊されたそうですよ。イラスト見る限りだと椅子ってレベルじゃねぇけど。
 
 
Archwing Dragon 大翼のドラゴン (2)(R)(R) R
クリーチャー・ドラゴン
4/4 飛行 速攻
各終了ステップの開始時に、〜をそのオーナーの手札に戻す。
 
 新世代の火の玉野郎。速攻持ちで手札に帰るクリーチャーといえば、古いプレイヤーならば当然知っているだろう、テンペスト期に登場したヴィーアシーノ軍団が先駆けだ。このクリーチャーと比較するなら、パワーが等しく、1マナ軽い「ヴィーアシーノの砂漠の狩人(9ED)」と、コストが一緒でパワーが1だけ高い「ヴィーアシーノの殺し屋(ULG)」の2体がいる。過去に基本セットに収録する人気投票では1マナ軽い「砂漠の狩人」が対決を制しており、この手のクリーチャーは複数回唱えることが前提となっているので、やっぱり軽い方がいいんだね、という当たり前のことを世に知らしめてくれた。そう考えると、このドラゴンは4マナと少しばかり重たい。毎ターンコンスタントに出し続けていては他に何も手に付かないだろうし、カウンターを食らう隙も大きくなるだろう。しかし、どうせこのクリーチャーは手札に複数枚来ても腐るだけだし、相手の妨害を気にせずに「火力」としてガンガン撃っていった方がいい。コストの問題についても、このクリーチャーがマナカーブの終点に位置するようなビートだったらさほど気にせずに展開していけるはず。似たようなセッティングの「地獄の雷(ALA)」は当時の赤単バーンで猛威をふるったわけで、再利用可能なこのドラゴンだって、出番はあるはずだ。
 
 
Banners Raised 掲げられた軍旗 (R) C
インスタント
あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。
 
 人間の反撃を祝して掲げられた大量のアヴァシン教シンボル。これだけ全軍を鼓舞すれば、呂布だろうが張飛だろうがかかってこいってもんですよ。ただ、担ぎあげられた旗は単なる「オークの軍旗(6ED)」。1マナの仕事と思えばそんなもんだろうが、わざわざカード1枚つかってまでして誇示するような成果でもない。我々は「やるぞー!」じゃなくて「敵将、討ち取ったリー!」の旗印がほしいのである。
 
 
Battle Hymn 戦いの賛歌 (1)(R) C
インスタント
あなたのマナ・プールに、あなたのコントロールするクリーチャーの数に等しい(R)を加える。
 
 赤がちょいちょい血迷って送り出す、赤マナ大好きカード。何度もチャレンジしているだけあって、「煮えたぎる歌(9ED)」という成功例もあるのだが、残念ながらこの割と早い世代の1枚が一番の成功例で終わってしまっているのが難儀。現環境の「業火への突入」も14引き候補の1枚になっているが、個人的にヒット作だったのが「内なる火(SOK)」。マジでどう使えばいいか分からなかったからな。で、そんな情けない先輩も多く抱えるこのカードだが、一番近いのは「輝石の儀式(ONS)」だろう。種族制限こそ取っ払われたが、その分出るマナが1マナ減ってしまった。「輝石の儀式」が使われたっていう話は聞いたことがないので、このカードも推して知るべし。これが役に立つほどクリーチャーが湧いてる状態なら、そりゃぁマナなんか出さないで殴った方が早いんだからさ。
 
 
Bonefire of the Damned 忌むべき者のかがり火 (X)(X)(R) M
ソーサリー
〜は対象のプレイヤー1人と、そのプレイヤーのコントロールする各クリーチャーにX点のダメージを与える。
奇跡・(X)(R)
 
 赤の神話ミラクルは、なるほどミラクル。めくったとたんにX火力をインスタント発動出来るわけだが、その効果たるや、一方的にインフェルノめいた爆風が相手に襲いかかる。まぁ、クリーチャーを狙う場合にはそこまででかいコストも必要ない気がするんだけど、とにかく相手はガタガタになること確実である。まさに奇跡。問題は手札に来てしまった時のコスト設定で、流石にこれだけ一方的な効果となるとコストは重め。1点微震に3マナかかり、「轟く激震」クラスまで手を伸ばせば5マナ必要になる。でもまぁ、自軍に影響を与えないことを考えればボチボチか。幸い「地震」と違って空にも届くようになっているので、現在「未練ある魂」などを対策するために投入されている「鞭打ち炎」あたりと1枚入れ替えてみるのはおもしろかもしれない。本体火力って1点や2点では評価されないことがほとんどだけど、一応プレインズウォーカー対策として使えるので、それなりに有効だとは思いますよ。
 
 
Burn at the Stake 火炙り (2)(R)(R)(R) R
ソーサリー
〜を唱えるための追加コストとして、あなたのコントロールする好きな数のアンタップ状態のクリーチャーをタップする。
〜は、対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に、この方法でタップされたクリーチャーの数の3倍のダメージを与える。
 
 重たいレア火力。そして、これを使うためにはとにかく人手が必要だ。準備が大変な火力っていうと、たとえば「心魂破(10ED)」なんかを思い出しちゃうと使えねぇんじゃねーかと思ってしまうが、このスペルは手間に見合うだけの効果が期待出来る爆弾カードにしあがっている。「3倍」というのが絶妙な設定で、最悪クリーチャー1体でも5マナ3点ソーサリーなので最低限の仕事はしてくれる。2体なら6点になってプレイヤーにぶち込んでもいいクラスになるし、3体以上ならば9点、12点。なんとクリーチャーが7体並べばそれだけでゲームに勝ててしまうのだ。そりゃ怖い。まぁ、例によって「クリーチャーが7体もいるんなら(略)」という文句はあるだろうが、7体は嘘でも3体くらいが動きも取れずに突っ立っている状態は割とありがち。そこから突然9点も吹き出せば、充分ゲームが決められるんじゃなかろうか。
 
 
Dangerous Wager 危険な賭け (1)(R) C
インスタント
あなたの手札を捨てる。その後、カードを2枚引く。
 
 シンプルなテキストに数々のチャレンジを挑む、蛮勇のドロースペル。わずか2マナで2枚引けるってのは、赤にとっては割と事件だ。いや、まぁつい最近「捨て身の狂乱」が出たばっかじゃん、と言われると返す言葉も無いのだが、このカードには「その後捨てる」なんてけちなことは書いてない。2枚引いたらそいつは手札だ。ただ、けちなことは書いてないが、無体なことは書いてある。このカードで引く前に、手札があぼん。これが「トレイリアの風(7ED)」ならば捨てた分だけ帰ってきたわけだが、このスペルにはそんなこたぁ書いてない。あくまで2枚だ。つまり、手札が2枚以下の状態で唱えないと、損するだけという結果。しかし、じゃぁ弱いかっていうと、そこが微妙なのが赤という色の難しさ。仮に先手を取ったとして、1ターン目に山を置いて「苛立たしい小悪魔」で相手に4点、続く2ターン目に引いたカードが「轟く怒り」だったりすると、じゃぁ奇跡を起こそう、ってんで本体に5点打ち込み、さらに土地を置き、手札から2体目の「小悪魔」が出ればさらに4点。この時点で既に手札は3枚。次のターンも土地を置き、何か1マナのカードをプレイすれば、2マナ残した状態で残り手札は2枚。その中にこのカードがあれば、まぁプレイしてもいいかな、って気もしてくる。流石にそこまで上手く回るもんじゃないだろうが、インスタントで引けるので奇跡のトリガーにもなるし、軽い・速い・回せる・は、「トレイリアの風」に興味を示さなかった青なんかじゃなく、赤にあってこそ活きる部分だ。さて、使えるものなのかどうか……リミテッドなら割と手札が無くなる機会はあるので、案外ふつーにドロースペルとして使えそうな気がする。
 
 
Demolish 破砕 (3)(R) C (M11などから再録)
ソーサリー
対象のアーティファクト1つか土地1つを破壊する。
 
 毎度お馴染み、再録にも貫禄が出てきた便利カード。そういやこいつの初登場はオデッセイなんだなぁ。もう「略取(7ED)」は帰ってこないのかなぁ……。とりあえず、アーティファクトを割る目的でメインから入れておいて、暇なら土地を割ってささやかな嫌がらせをするのが基本的な使い方。なんか、4マナで土地が割れるのがすっげぇ久しぶりなので、それだけで希望がもてるってもんです。ちなみに、今回赤がアーティファクトを割る手段はこれだけ。あれ、割と大事?
 
 
Dual Casting 二重詠唱 (1)(R) R
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、「(R)(T):対象の、あなたがコントロールするインスタントかソーサリー呪文1つをコピーする。あなたは、その対象を新たに選んでも良い」を持つ。
 
 タップ能力付与オーラシリーズの赤。レアで与えられたことからも分かる通り、なかなか豪儀なプレゼント、自分の呪文限定だが、お手軽に「余韻(M12)」が撃てるようになるのだ。これにより、どんな火力でも1マナで効果が倍になり、アドバンテージなんて言葉では語り尽くせないくらいのぜいたくな時間を過ごすことが出来る。リミテッドでも、5〜6枚も火力が引けたなら充分採用出来るレベルの効果である。構築においても、「紅蓮術士の昇天(ZEN)」があれだけ強かったのだから、これを用意したら強いのは間違いないのだが、実際にデッキを組もうとすると、どうしてもオーラであるという点で行き詰まる。オーラを張らなきゃいけないんだからそれなりのスペックのクリーチャーを用意しなきゃいけないけど、このカードを味わい尽くしたいなら、「赤青昇天」のようにノンクリーチャーにしてぎっちぎちにスペルを詰め込みたい。この矛盾を解決出来ない限りは、構築レベルでの登用は流石に厳しいか。ソーサリーから出るトークンでごまかす、っていう手もあるけど、その場合はクリーチャーが脆すぎるからなぁ。赤緑にして「ダングローブの長老」や「スラーン」でも使ってみるか? ……殴るよなぁ。
 
 
Falkenrath Exterminator ファルケンラスの駆除屋 (1)(R) U
クリーチャー・吸血鬼、射手
1/1
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
(2)(R):〜は、対象のクリーチャー1体に、自身の上に置かれた+1/+1カウンターの数に等しい値のダメージを与える。
 
 カウンターを載せることで大きくなっていき、さらに次の獲物を狙うために狙撃を行う。順番こそ逆だが、似たようなムーブを見せたクリーチャーとしては「戦利品稼ぎ(RAV)」なんてのがいた。射手という珍しい職種も一緒だ。ただ、あちらはフライヤー限定とはいえ、雇った時点で既に弓に矢をつがえて万全の体制で参戦してくれた。マナを払えばポロポロとフライヤーが落ち、ご褒美のカウンターはむしろ副次効果といっても良かった。しかし、このクリーチャーったら何故か手ぶらで来る。「武器は現地で調達する主義なんで」と気取ってみるも、その状態じゃぁ単なる1/1。折角の砲身は空っぽだ。じゃ、なんとか充填しようと試みるわけだが、充填方法は基本的にスリス戦術のみ。ワンパン通せれば獅子奮迅の働きだろうが、そこまで行くのが茨ロード。アンブロッカブル付けたり、相手クリーチャーを封じたり、とにかく必死に通すしかない。当初の情報だと3マナってことになってたので絶望的かと思われたが、2マナならばちょっと序盤にまごついた相手に向けて、ワンパンチ入れるチャンスくらいはあるだろうか。今まで以上に一瞬が勝負を分ける吸血鬼であるが、ブン回りがあることを考えると、入れてみたい欲求は起こるなぁ。
 
 
(Fervent Cathar 熱血漢の聖戦士 (2)(R) C
クリーチャー・人間、騎士
2/1 速攻
〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャー1体は、ターン終了時までブロック出来ない。
 
 相手を殴ろうと速攻を持って出かけたが、パワーとタフネスを忘れた陽気な「交差路の吸血鬼」。「交差路の吸血鬼」はリミテッドで獅子奮迅の活躍を見せるキーコモンであり、このカードはそこに「マルコフの大将軍」のごとく、隙を縫って自分もワンパン入れる効果が加わった。相手が「甲冑のスカーブ」なんかを使っていて「交差路の吸血鬼」が一度も殴れない、なんてシーンもそれなりに見かけるので、この速攻による2点が交差路さんを上回るタイミングも、無いことはないだろう。ただ、やっぱり彼女の強さは「素出しでも別に強い」という部分で、3マナパワー3の安心感が、単なる187の一芸クリーチャーでは終わらない強みだった。このカードの場合、残念ながら「活きる」タイミングが比較的狭い。総合的に見て悪いカードではないが、交差路さんに出会ってしまった後だと、ちょっと気もそぞろ。あのおっぱいの魔力には抗えないからなぁ。
 
 
Gang of Devils 小悪魔の一団 (5)(R) U
クリーチャー・デビル
3/3
〜が死亡したとき、最大3つまでのクリーチャーとプレイヤーの組み合わせを対象とし、それらに3点のダメージを割り振って与える。
 
 機能の微調整を行った「燃え投げの小悪魔」。あいつぁイニストラード赤コモン業界ではかなり大事な役を担っていたわけだが、今回のこいつも、なかなか大事な仕事が回ってきた模様。死んだときに与えられるダメージは3点。「燃え投げ」と一緒だが、総コストが1重たい。その理由は、使う火力が「火山の槌(9ED)」ではなくて「弧状の稲妻(USG)」だから。この2枚のソーサリーのコスト差も1なので、分かりやすくつじつまが合っている。6マナもかかってやれる仕事が「燃え投げの小悪魔」と似たり寄ったりというのは少々寂しい気もするが、やはり分配出来て無駄がない火力というのは良いものだ。ぽこぽこと湧き出て徒党を組む鬱陶しい人間どもを一網打尽にするべし。
 
 
Guise of Fire 火の装い (R) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、+1/−1の修正を受けるとともに可能ならば毎ターン攻撃に参加する。
 
 装いっていうか単なる焼身自殺なんですけどね。パワーが上がるってことは、その炎で敵も巻き込みたい、っていう意志の現れなんだろうか。赤は黒と違ってシンプルにタフネスを下げて殺すオーラというものは作れないので、こうしてパワーを上げることがほとんどである。こうすることで一応「自軍のダメージアップにも使えるよ!」ということをアピールしてみるわけだが、「流動石の刀身(STH)」にしろ「流動石の抱擁(FUT)」にしろ、結局は除去カードとしか見られないのである。あげくこのカードはマストアタックなんてデメリットもプレゼントしちゃうので、除去としての性能は割と高め。黒もコモンに−1のオーラがあるし、この世界のタフネス1はいくらか存在価値が低めのようだ。
 
 
Hanweir Lancer ハンウィアーの槍兵 (2)(R) C
クリーチャー・人間、騎士
2/2 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は先制攻撃を持つ。
 
 先制攻撃の結魂クリーチャー。3マナ2/2先制攻撃ならば割と優秀な赤コモン、ついでに他のクリーチャー1体も先制攻撃なら、直接対決の盤面はかなり有利に動くはず。人間が確実にパワーを上げる「暴動の首謀者」などと組み合わせると、とてもコモンとは思えないくらいの爆発的な突破力を生み出し、そのスピードはイニストラードで人間が集まったときの「物騒な群衆」を超える勢い。赤人間は全部方向性が統一されているので、集まった時は案外洒落にならない気がする。
 
 
Havengul Vampire ヘイヴングルの吸血鬼 (3)(R) U
クリーチャー・吸血鬼
2/2
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージ与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
他のクリーチャーが死亡するたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 
 スリス能力に加えて、他人の死を悼む「もつれ樹」能力もキープし、隙あらば大きくなろうと狙う野心的な吸血鬼。スリス能力持ちは一度殴れなくなってしまうと単なるサイズの劣るクリーチャーでしかなく、そのまま立ち往生してしまうとどうしても惨めさが際だったのだが、このクリーチャーの場合、立っていればいつかは突破できる日が来るかもしれない。そして、突破したら後は加速度的に止められなくなっていく。この世界には「大物潰し」なんてやっかいなカードはないので、いっそサクりエンジンを用意して自ら必要充分サイズまで肥大化させてしまうのもアリだ。まぁ「もつれ樹」の最大の肝である呪禁が無い時点で比較対象としてはおかしいし、そもそも突破出来るくらいに肥大化するならスリス能力は大して必要ないって話なんだけどね。
 
 
Heir of Stromkirk 流城の継承者 (2)(R)(R) C
クリーチャー・吸血鬼
2/2 威嚇
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 
 こちらもスリス能力持ちの新作だ。4マナ2/2と「自堕落な後継者」すら下回るセッティングながら、そこには燦然と輝く「威嚇」の2文字。回避能力を手に入れたことによって、スリス能力を活かしてクロックアップする機会は格段に増えたと言える。現在活躍している「吸血鬼の侵入者」+「自堕落な後継者」シナジーを1人でやっているようなものなのだから、これ1枚を死守してゲームに勝つことも夢ではないだろう。ちなみに、こいつを相手取った時には「腐肉化」で黒のゾンビにしてやる、というのも1つの対策になりうる。畏怖と違って、威嚇は色が増えるとブロックされやすくなるからね。
 
 
Hound of Griselbrand グリセルブランドの猟犬 (2)(R)(R) R
クリーチャー・エレメンタル、猟犬
2/2 二段攻撃 不死
 
 流石グリセルブランドさん。ペットも良いものを連れていらっしゃる。二段攻撃持ちは比較対象が少ないのだが、ベースとなりそうなのは「炉火のホブゴブリン(EVE)」だろうか。あちらは変則トリプルシンボルで3マナ2/2二段攻撃だ。このクリーチャーはそれよりも1マナ重たいが、そこにはまぶしく輝く「不死」の文字。基本的に、同じコスト域で二段攻撃持ちと対決して一方的に勝てるクリーチャーってのはそうそういない。こいつを討ち取るためには、最低でも1体以上の犠牲を伴うことになるだろう。そして、そこまでして一度倒したとしても、この飼い犬は更なるサイズの二段攻撃で再び襲いかかる。3/3になると今度はますます止められなくなるというわけだ。ふむ、そりゃ強いや。まぁ、レアとして見ると地味な気もするが、犬が目立ちすぎるのもどうかと思うしな。飼い主よりも圧倒的に使われていた勇丸は駄目な子。
 
 
Kessig Malcontents ケッシグの不満分子 (2)(R) U
クリーチャー・人間、戦士
3/1
〜が戦場に出たとき、〜は、対象のプレイヤー1人に、あなたがコントロールする人間の数に等しい値のダメージを与える。
 
 場に出た後は単なる3/1。3マナなら最低限のお仕事だが、流石にそれじゃ物足りない。となると、場に出たときの効果にどれほどの価値があるか。現時点では赤を含んだデッキにどの程度の人間が含まれるのか分からないので何とも言えないが、このコストならば、3点も与えれば充分元は取れたと見るべき。それに加えてこいつ自身のパワー3点を活かしたいなら、遅くとも4ターン目までにはこいつを繰り出したい。となると、2ターン目、3ターン目あたりに確実に人間が繰り出せるデッキが目標か。んー、まぁ、リミテッドならやや難、といったところか。別に1点でも2点でも、とにかく与えりゃいいんだ、っていう姿勢ならば充分登用圏内。白と組んでFlicker出来ると楽しそうだ。あと、6マナあれば今回収録された「屋根職人の反乱」とあわせて奇襲的なダメージも狙える。リミテッドでも2枚以上集まったら、脇目もふらない本体バーンとか狙えるのかも。
 
 
Kruin Striker クルーインの打撃者 (1)(R) C
クリーチャー・人間、戦士
2/1
他のクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともにトランプルを持つ。
 
 2マナ2/1は赤の基本ステータス。今の世界ならこの任を担うのが「灰口の猟犬」だったので随分頼りになったが、この子は猟犬のような堅実な回避能力は持ち合わせていない。こいつが狙うのはあくまでワンチャンス。ずらりとクリーチャーを並べれば、一気にパワーを貯めてトランプルドーンが可能になる。まぁ、1ターンに呼べるクリーチャーの数なんて限りがあるのだからせいぜい+2が限度だろうが、相手としてもわざわざタフネス1を放っておくのも癪だし、殴ってきたら相打ちは取りに来るだろう。そう考えりゃ、案外2マナのダメージソースとしては期待値が高いような気もする。
 
 
Lightning Mauler 稲妻のやっかいもの (1)(R) U
クリーチャー・人間、狂戦士
2/1 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は速攻を持つ。
 
 速攻を与える結魂クリーチャー。なんだか今回の赤は速攻の随分ご執心である。基本的に結魂クリーチャーはコストがかからない代わりに諸々の制限がある装備品だと思えばちょうどいいと思うが、このカードの場合、出た瞬間にもまず一仕事出来る(かもしれない)ところが違う。速攻という能力の関係上、恩恵を受けるのはほとんどの場合はどちらか一体になると思うが、ひょっとしたら相手が返しでソーサリー除去を使おうと思って通した「苛立たしい小悪魔」と、その後から追撃してきたこいつで、いきなり速攻6点パンチ、とかいうこともあり得なくはない。立っているだけで後続からのダメージをあげることが出来るし、何より自身が2マナでパワー2なのは嬉しい。赤の速いデッキなら、それなりにニーズはあるんじゃなかろうか。
 
 
Lightning Prowess 稲妻の勇気 (2)(R) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、速攻を持つとともに「(T):このクリーチャーは、対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える」を持つ。
 
 タップ能力付与オーラシリーズ、アンコモン部門。内容としては「火の力(SHM)」とほぼ同じだが、速攻を付けられる分だけ1マナ重たくなった。基本的には、「火の力」の方が強い。3マナもかけて速攻を付けるようなカードが、機能するような機会はほとんど無いためだ。つまり、レアリティはあがったくせに1マナ重たくなった分弱体化したカード、と見ていいと思う。まぁ、ティム化は環境に大きな影響を与えるカードだし、このくらい厳しくしないといけないのかもしれないけどね。過去の例をひもとかずとも、ティム化の強さは折り紙付き。今回は接死や「泥棒カササギ」能力などを与える結魂クリーチャーもいて、色々と使い甲斐がありそうである。早めのキープを心がけよう。


Mad Prophet 狂気の預言者 (3)(R) U
クリーチャー・人間
2/2 速攻
(T)、手札を1枚捨てる;カードを1枚引く。
 
 何とも珍しい、赤に与えられた「偽ルーター」だ。本家青が有するルーターは、引いた後で捨てるので選択肢が多いわけだが、こいつの場合はまず捨ててからの運試しになるので、当然、本家ルーターよりも弱いことになる。それでもまぁ、一応ルーターだし、「結ばれた奪い取り(FUT)」のように速攻を持つので出して即座に使うことが出来る。何故かガタイもそこそこなので、状況次第では2/2速攻クリーチャーとして殴る選択肢もあるという、変なカード。リミテッドなら充分な駒だろう。ちなみに、かつて青にも「捨ててから引く」というタイプのルーター能力はあり、「溺れたルサルカ(GPT)」などがこれに該当する。この場合、「捨ててから引く」という順番を逆に利用して、手札が無い状態で起動するとアドバンテージが得られる、というギミックがあったのだが、残念ながらこの人の場合はディスカードが起動コストになってしまっている。まぁ、流石に赤で簡単にアドバンテージは取らせてもらえないわな。
 
 
Malicious Intent 悪だくみ (1)(R) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、「(T):対象のクリーチャー1体は、このターンブロック出来ない」を持つ。
 
 赤は全てのレアリティで取りそろえております、タップ能力付与オーラシリーズのコモン。こちらは単に「気絶(10ED)」を打ち込むだけで、効果としては当然一番地味。この手の能力を持つクリーチャーはちょいちょい赤に登場するが、割と現実レベルで活躍出来た事例が、たとえば神河にいた「火の咆哮の神(CHK)」あたり。あぁ、でもあれはやろうと思えば1ターンに複数体制限出来たからなぁ。このオーラはタップ能力になってしまったためにこちらもクリーチャーが1体寝るのは確実だし、オーラだってこともあり、あんまり得な取引は出来そうにない。警戒持ちが殴ってからタップするとか、壁クリーチャーにつけるとかだろうか。うーん、そんなことしてる赤デッキが強いとは思えないが……
 
 
Malignus 害霊 (3)(R)(R) M
クリーチャー・エレメンタル、スピリット
*/*
〜のパワーとタフネスは、それぞれ、対戦相手の中で最もライフの総量が多いプレイヤーの、ライフの半分(端数切り上げ)に等しい。
〜によって与えられるダメージは軽減されない。
 
 「黒曜石の火心(ZEN)」に続く、赤神話に突如現れる謎のエレメンタルシリーズ。これまでの世界観には何の因果関係もなさそうなのがすごい。一応スピリットでもあるから「ドラグスコルの隊長」で支援できたりもするけどさ。でもまぁ、こいつを支援してパワーを1あげたところで大した意味はあるまい。何せ、相手のライフの半分のパワーとタフネスを持つのだ。こいつが先陣を切るクリーチャーだったら、なんと10/10である。そして、赤の荒々しさを体現するかのように、「軽減されない」という能力を持っている。かつてシンプルにこの能力だけを持っていた超地味レアの「責めさいなむ者(RAV)」は本当にどうしていいか分からない存在だったが、こいつの場合は5マナで10/10かもしれないという恐怖感も相まって、このオプションがかなり効果的である。たとえば「月霧」を持っていてもさっぱり安心出来ないし、プロテクションもなんのその。「幽霊の憑依」のようなオーラもぶち破る。まぁ、その結果ぶち破ると、どんどん縮んでいくという妙な性質を持ち合わせているわけだが、こいつが縮んで3/3くらいになったんなら、その時点でこいつの任務は終わったということ。「殴られるとすげぇ痛いけど、殴られないとアイツ殺せない」という絶妙なジレンマを、是非相手に味わってもらいたい。まぁ、「終盤絶対引きたくないのに5マナもかかる」という自分自身のジレンマの方がでかい気もするが……
 
 
Pillar of Frame 火柱 (R) C
ソーサリー
〜は対象のプレイヤー1人かクリーチャー1体に2点のダメージを与える。これによってダメージが与えられたクリーチャーが死亡するとき、代わりにこれを追放する。
 
 この世界の代表コモン火力。「ショック」をソーサリーにする代わりにメリットを1つつけるという、おきまりのパターンだが、まぁ、過去に「ソーサリーになったせいでめちゃくちゃ弱くなったやん!」という苦情はそこまで来ていないはずなので大丈夫。ちなみに同様の追放効果を加えた1マナ火力には「マグマのしぶき(ALA)」があり、こちらはインスタントを維持した代わりにプレイヤーに飛ばなくなっていた。一長一短ではあるが、「マグマのしぶき」は環境次第では構築にも登場する火力だったことを考えれば、やっぱりこの追放効果は強いってことなんだろう。俺のデッキのゲラルフさんが息してないの。(ゾンビだから)
 
 
Raging Poltergeist 怒れるポルターガイスト (4)(R) C
クリーチャー・スピリット
6/1
 
 「岩滓の精霊(SOM)」の種族変更クリーチャー。少なくとも去年までのドラフトで「岩滓の精霊」がデッキインされているのは見たことが無いな!
 
 
Refoge the Soul 魂の再鍛 (3)(R)(R) R
ソーサリー
各プレイヤーは手札を捨て、その後、カードを7枚引く。
奇跡・(1)(R)
 
 伝統的な呪文が奇跡コストをひっさげて復活してきたのが、青の「時間の熟達」。そして、赤にもあの呪文が帰ってきた。そう、「運命の輪(3ED)」だ。かつて時のらせん環境では「命運の輪(TSP)」というリメイクが成されたことでも分かる通り、赤のかつての大看板の復活だ。とにかく「7枚引く」と書いてある部分が強く、その骨子をたっぷり味わうのは手札が早く無くなるデッキ。つまりは赤単のスライ、バーンなどでは問答無用のドローカードとして機能する。ある程度唱えるタイミングが制限される呪文ということになるわけだが、仮に「轟く怒り」や「苛立たしい小悪魔」が大活躍する超バーンが生まれたとしたら、とりあえず4枚積み込み、引いたタイミングでちゃっちゃと手札を回してしまうのが良いだろう。おそらくデメリットは無いだろうし、それだけで赤単の弱点である息切れが簡単にフォローできる。素打ちだと5マナになるので多少重いが、他のミラクルカードに比べると、無理という設定でもない。5ターン目に土地を置ききり、手札を全て消費しての7枚ドローだってあり得ない話じゃないだろう。奇跡コストが本家よりも1マナ軽い2マナで与えられたのもお見事なところだ。さぁ、これで赤が息を吹き返すことになるのかどうか。ま、相手にミラクルチャンスを与えてしまったりするのはちょっと怖いところだが……お互い7枚ならバーンが有利さ。あ、違います、だからティボルトさんは呼んでないです。
 
 
Riot Ringleader 暴動の首謀者 (2)(R) C
クリーチャー・人間、戦士
2/2
〜が攻撃に参加するたび、あなたのコントロールする人間・クリーチャーは、ターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。
 
 すごく「小村の隊長」に似てるクリーチャー。ただ、緑じゃないのでタフネスはあがらないし、攻撃時にしか能力は使えない。ただ、だからといってデメリットばかりではない。こいつの場合は、他人にばかり目を向けていた「小村の隊長」と違って、殴りに行けばきっちり自分も増強されるのだ。しかもこちらはお手軽に集められるコモン。こいつが2体並ぶと4/2でアタック可能。そして今回は黒以外の色には人間がたっぷり。これ、割とキーカードになってくるかもしれない。
 
 
Rite of Ruin 破滅の儀式 (5)(R)(R) R
ソーサリー
アーティファクトと、クリーチャーと、土地の3つに順番を決める。各プレイヤーは、1つ目のタイプのパーマネントを1つ生け贄に捧げ、同様に2つ目のパーマネントを2つ、3つ目のパーマネントを3つ生け贄に捧げる。
 
 ややこしいことが書いてある重たいソーサリー。過去には同じく赤のソーサリーに面倒な1.2.3が書かれていたカードがあり、それが「火炎放射(10ED)」だ。書いてあることは弱くないんだけど、やっぱりめんどくせぇ、ってんでリミテッド以外では大した出番はなかった。このカードも、同じように1,2,3を決めるわけだが、火力などではなく、最終的に、お互いの場から合計6つのパーマネントが消し飛ぶ(かもしれない)。当然自分が一番得をするように並べるわけだが、土地は普通に考えたらどちらも3枚以上コントロールしてるだろうからとんとんだろう。せっかく並べた土地をサクリたくないなら、土地は1枚だ。そして、今のご時世、なかなかアーティファクトを3枚コントロールしている機会も無いので、アーティファクトは2くらいでいいんじゃないか。そうなると、やっぱりクリーチャーが3。このスペルを使って得をするには、相手がクリーチャーをいっぱい並べていて、自分は1体以内に抑えておくことだ。……そこまでお膳立てして、どの程度有利になるものやらねぇ。流石に7マナは詐欺じゃないか?
 
 
Rush of Blood 血のほとばしり (2)(R) U
インスタント
対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+X/+0の修正を受ける。Xは、そのクリーチャーのパワーの値である。
 
 大量の血をごくごく一気のみ。どんな効果が出るかとおもえば、なんとその味は「血と鉄の酒(SOK)」によく似ている。べろんべろんの大虎状態なら、「朽ちゆく沼蛇」が隙を突いて10点ダメージを与えることもあるかもしれない。そして、この呪文が本当に怖いのは重ね撃ちした場合。蛇さんならこのスペル2枚で人が殺せるわけですよ。そこまで行かずとも、3/1フライヤーに2枚使って12点なら充分致死量。残念ながらアンコモンなのでなかなかチャンスもなかろうが、懐にこっそり忍ばせる刃としては面白いカードかもしれないぞ。
 
 
Scalding Devil 煮えたぎりの小悪魔 (1)(R) C
クリーチャー・デビル
1/1
(2)(R):〜は対象のプレイヤー1人に1点のダメージを与える。
 
 最初の情報だとクリーチャーも狙えるコトになっていたので「おぉ、こんなのがコモンで?!」と驚いたのだが、やっぱり赤のコモンがそんなこと出来るはずなかった。残念ながら、プレイヤーに飛ばすがの精一杯のデビル。これなら「ゴブリンの投火師」で1点与えている方がよっぽど効率が良い。「投火師」ならズラリと並べることに意味があったが、このクリーチャーは何体雁首をそろえても与えるダメージは変わらないのだから。あえて使える点があるとするなら、プレインズウォーカーを相手取った時くらいだろうか。でも、相手がリミテッドでプレインズウォーカーを出してきたら、頭に血が上ってこんなのサイドインしてる暇はない気がする。しかも、同じ環境で出会うプレインズウォーカーって、タミヨウさんならいいけどもう1人はあの人じゃないですか。
 
 
Somberwald Vigilante ソンバーワルドの自警団 (R) C
クリーチャー・人間、戦士
1/1
〜がクリーチャーにブロックされるたび、〜はそのクリーチャーに1点のダメージを与える。
 
 「灰口の猟犬」を小さくたたんでまとめてみたら、なんか色んなものがこぼれ落ちたようなカード。こちらがブロックしたときに能力が発動しないのは仕方ない。この手のカードをブロックに使おうと思ってしまった時点で残念なのだし、「猟犬」のように攻守にわたる運用を狙うのは1マナコモンには荷が重い。しかし、やっぱり一番痛いのは純粋にパワーが下がったことだ。「猟犬」の能力が嫌らしかったのは、止めないと結構な速度でクロックが刻まれるが、タフネス1クリーチャーでは本当にどうしようもなく、じりじりと序盤にライフをもぎ取られること。このクリーチャーの場合、確かに火力は同じ水準なわけだが、「1点ならまあいいや」と思えば通すこともそんなにストレスにはならない。似ているようでも、その性能にははっきりと差があるのだ。うん、あんまり使わないと思う。
 
 
Stonewright 石大工 (R) U
クリーチャー・人間、シャーマン
1/1 結魂
〜と他のクリーチャーが組になっている限り、その両方は「(R):このクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修正を受ける」を持つ。
 
 ブレスを付与する1マナ結魂クリーチャー。ブレスなんてもんはそんなにひょいひょいつけられて嬉しいもんじゃない。2体同時についたところでつぎ込めるマナには限度があるんだし、うち1体はこいつ自身であることは確定してるわけで、本当に「ブレス付与の装備品」として使いたいならばこいつ自身は殴りにもいけない。結局は「炎のブレス」と大して変わらないってことじゃないか。まぁ、今のところブレスをつける装備品ってのは無いので比較が難しいのだが、リミテッドでよっぽど赤に寄って単色が狙えるレベルにまで揃ったら、案外面白いダメージソースになるのかもしれない。
 
 
Thatcher Revolt 屋根職人の反乱 (2)(R) C
ソーサリー
1/1で速攻を持つ、赤の人間・クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。次の終了ステップの開始時に、それらのトークンを生け贄に捧げる。
 
 屋根職人って具体的に何する人なのかピンとこないんだけど、まぁ、とにかくそんな人たちでもこれまでの鬱憤を晴らすために暴れ出すぞ、というカード。イニストラードに調教されたおかげですっかり「人間トークン」なんて不穏な言葉にも馴染んだ今日この頃。ボチボチ倫理的な敷居も下がったので、じゃぁ、ターンエンドに死ぬ人間が出てきてもいいよね、という不謹慎きわまりないカード。白が2マナで人間を2体出していたのだから赤は3マナで3体出すが、これがすぐに死ぬっていうのが赤のクオリティ。速攻はついちゃいるが、普通に考えたらブロッカーを気にしなくていい分、3マナで3点撃てる火力の方が強い。このカードを活かすには、「クリーチャーが出ること・殴ること」を使いこなさなきゃいけない。セットテーマ的にいえば、たとえば周りを結魂クリーチャーで囲む。様々な能力を共有した短命な人間トークンたちは、生涯の伴侶を得て、ほほえみながら散っていく。また、クリーチャーが出ることをトリガーとするカードとのシナジーも考えられ、単純に「教区の勇者」と組み合わせればダメージ効率無限倍。当然、「無形の美徳」との組み合わせで3マナ6点火力というのも悪くない。まぁ、白は「町民の結集」で割と足りてる気がするのでこんな一発芸に頼る必要はないと思うが、思ったよりも色々と遊べそうなカードではある。リミテッドでも、単騎クリーチャーのご機嫌を損ねずにそっとダメージ量が増やせるので、損はしない、かもしれない。それにしても、なんで屋根職人死んでしまうん。
 
 
Thunderbolt いかづち (1)(R) C (ウェザーライトから再録)
インスタント
以下の2つから1つを選ぶ。「〜は対象のプレイヤー1人に3点のダメージを与える」「〜は、対象の飛行を持つクリーチャー1体に4点のダメージを与える」
 
 黒がいじめられているのを尻目に、「うちは割と奇跡呪文が強いからいいですし」と鷹揚に構えている赤。しかし、お前らだってイニストラード世界では確実に弱者に位置していた色なのだ。油断していたら窮鼠と化した黒に踏みつけられかねない。やはり屋台骨であるコモン火力はきちんと補強しておかないと。で、これだ。……いや、私も流石にウェザーライトはまだMagicやってなかったからこのスペルを実体験したことはないんですけど……まぁ、そこまでの期待は無いわなぁ。2マナインスタントなんだから最低限の仕事をしてくれりゃいいけど、地上クリーチャーに一切触れないのは不安だよなぁ。一応、空に4点届くのはわんさと湧いた天使を撃墜するための措置なんだろうけども。無理に2マナで対応しようとしないで、大人しく「電撃破(8ED)」とかでいいような気がする。ひょっとして、本当にここまで対策しないといけないくらいにマジで天使がヤバいセットということなのかしら。じゃぁ、黒はどうなるのさ……。
 
 
Thunderous Wrath  轟く怒り (4)(R)(R) U
インスタント
〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に5点のダメージを与える。
奇跡・(R)
 
 Miracleのお目見えカード。奇跡を示す新規カード枠の「ジャジャーン!」っぷりがしばらく話題になっていた。「引いた時に忘れるなよ、ミラクルあるぞ!」ということを力強くアピールだ。で、そんな第1号カードであるが、効果は単なる5点火力。同じダメージでレアの「破壊の標(10ED)」が5マナだったので、アンコモン6マナならそこまで文句の出る設定でもないし、ミラクっちゃう可能性を考えれば充分なカード。極端な話、2ターン目以降毎ターンこのカードをトップデッキし続ければ4枚でゲームが終わってしまうわけで、下手に軽くしたらゲームがぶっ壊れるだろう。あとはリミテッドでゴッドドローを見せてひんしゅくを買うだけの簡単なお仕事。構築の場合は、やっぱり手札にいると6マナ、というのは厳しいセッティングだとは思うが、「思案」や「秘密を掘り下げる者」をぶち込んだ青赤のビートデッキっていうのがちょっと前に流行っていたし、一発の効率を考えてぶち込んでみるのは面白いのかもしれません。
 
 
Tibalt,the Fiend-Blooded 悪鬼の血脈、ティボルト (R)(R) M
プレインズウォーカー・ティボルト
【2】
<+1>:カードを1枚引き、その後、手札を無作為に1枚捨てる。
<-4>:〜は対象のプレイヤー1人に、そのプレイヤーの手札の枚数に等しい値のダメージを与える。
<-6>:ターン終了時まで、全てのクリーチャーのコントロールを得る。それらのクリーチャーはアンタップし、ターン終了時まで速攻を持つ。
 
 ついにでた、市場最安値2マナのプレインズウォーカー。これまで登場したプレインズウォーカーを見ると、やはりなんと言っても安いことは正義だ。どれだけチューンされたように見えても、3マナプレインズウォーカーである初代ジェイスと現リリアナは、その素早さにおいて大きなアドバンテージがある。どれだけ調整しすぎても、盤面に大きな影響を及ぼすプレインズウォーカーという存在は、調整しすぎることがないのである。
 ……が、これは流石に……何に使えばいいんだろう? とりあえず、出したターンは確実にプラス能力しか使えない。そしてこのプラス能力、あんまりメリットに見えない。まぁ、ランダムだからってそれほどデメリットではないと思うのだが、マッドネスもフラッシュバックも無い世界で、こいつは一体何を考えて墓地に送り込もうとしているんだろう。
 まぁいいや、プラス能力なんてリリアナさんだってそこまで強いもんじゃない。あくまで忠誠度を高めるための前戯だと思えばいい。2ターン忠誠度を貯めて、ついに使えるようになる小マイナスは……「突然の衝撃(10ED)」だ。4マナのインスタントだ。大事に大事に育てた結果が、効果不定の4マナインスタントだ。まぁ、たまには強いこともあるかもしれない。相手次第とはいえ、7点入るならそれなりだけど……手札7枚持ってて、2ターンこいつの処理が出来ないデッキって、一体どんなだ。そもそも、7点与えたとしても、その時点でこいつ死ぬやん。だからってもう1回忠誠度を貯めようにも、そのたびにランダムディスカードは流石にプランも何もあったもんじゃないぞ。
 しかたない、ここはいっそ大マイナスまで力を蓄えるんだ。大マイナスまでいけば、さすがの超必殺技、「暴動(ONS)」が発動するぞ。これは強い。ただ、必要な忠誠値は6だ。最短でも5ターンかかる。5枚の手札をランダムに捨ててる。さて、そんだけこいつを放っておいた相手の陣営に、クリーチャーが何体いるというのだろう。まぁ、膠着しやすいリミテッドならば可能性はなくもないけどさ。……あれ? やっぱ駄目か?
 一応、ランダムディスカードからアドバンテージを稼げるようにしておけば、それなりに使える要素はある。フラッシュバックデッキとか、「ゴブリンの太守スクイー(MMQ)」が大活躍するデッキとか。イニストラードは墓地環境なんだから、なんかあるだろ、なんか。いや、だから「信仰無き物あさり」でいいとか言わない。数ヶ月後に構築で大活躍してるティボルトさん見て泣いて謝ってきても知らないからな! ちなみに、俺も謝る側に回る。
 
 
Tyrant of Discord 不和の暴君 (4)(R)(R)(R) R
クリーチャー・エレメンタル
7/7
〜が戦場に出たとき、対象の対戦相手は、自分のコントロールするパーマネント1つを無作為に生け贄に捧げる。これにより土地でないパーマネントが生け贄に捧げられたなら、この手順を繰り返す。
 
 赤がたまに生み出す、なんかよく分からないけどとにかく赤っぽいエレメンタルシリーズの新作。既に「害霊」で満足したかと思っていたのだが、7マナ枠にまで送り出してきやがった。7マナ7/7という充分サイズでリミテッドならば合格点だが、これに加えて、今回のセットでは肝となる187能力を備えている。仮にこれが最後の1文無しで「ランダムにパーマネント1枚サクり」だけでも充分面白い効果だったと思うのだが、なんと、一番確率が高い(と思われる)土地にヒットするまでなら、何度でも無限ループする脅威のビッグバン仕様だ。ラッキーマンならば相手の土地以外のパーマネントをこれ1枚で吹き飛ばすことだって不可能じゃないのだ。こいつぁ無限の可能性だ。まぁ、大体の場合は頑張って出しても土地が1枚つぶれて「あぁ、うん」っていって終わる。いやならとにかくちらつかせて当たるまで粘れ。
 
 
Uncanny Speed 異常な俊敏性 (1)(R) C
インスタント
対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+3/+0の修正を受けるとともに速攻を得る。
 
 確かに、イラストを見る限りではその俊敏性は異常だ。ちょっとした百歩神拳にも見える。で、かつては構築でも活躍したフラッシュバック呪文「無謀なる突進(ODY)」からフラッシュバックを削り落とし、さらにマナコストまで重たくしたカード。だから速攻付与呪文のコスト重たくしちゃ駄目だろって。いやまぁ、インスタントになった分だけ、たとえば「雷の一撃(M11)」みたいにコンバットトリックとして使えるようになり、相手に3点を届かせる機会は増えたので、別に改悪というわけではないのだが……でもあんまり「雷の一撃」や「殺戮の叫び」みたいなパワーを上げるだけのインスタントが使われてるっていう話は聞かないんだよなぁ。まぁ、リミテッドなら穴埋め程度に。2マナで3点なので、通せば火力としてはそこそこだしね。
 
 
Vexing Devil 苛立たしい小悪魔 (R) R
クリーチャー・デビル
4/3
〜が戦場に出たとき、いずれかの対戦相手は、「〜はそのプレイヤーに4点のダメージを与える」ことを選んでも良い。そうしたなら、〜を生け贄に捧げる。
 
 1マナ4/3というパフェクトバディを手に入れたデビル。その圧倒的な戦力は「密林の猿人(9ED)」はおろか「野生のナカティル(ALA)」すら凌駕する。赤ウィニーは勝ったも同然だな! と思ったが、まぁそんなうまい話があるはずもなく、相手が4点くらうことを選んだらさっさと墓地に直行する礼節も持ち合わせている。システムとしては「長角火獣(TOR)」と全く同じですね。ずいぶん懐かしいギミックを持ってきたもんだ。とはいえ、「長角火獣」と比べれば流石にレア。このサイズを場に出すなんて選択肢はかなり限られた状態でないと選べないので(次のターンにラスゴ打つ予定があるとか)、普通は4点くらうことになる。となると、1マナ4点ソーサリーというなかなかのコストパフォーマンスとなり、後はゴブリンスライだろうが赤緑ビートだろうが、好きなデッキでとどめを刺せばいい。一応「クリーチャーが場に出たとき」の効果は誘発したりするし、クリーチャーであることを利用したギミックも期待出来るかもしれない。久しぶりに1,2マナを駆け抜ける赤単が拝める日が来るのだろうか。
 
 
Vigilante Justice 自警団の正義 (3)(R) U
エンチャント
人間が1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える。
 
 「伏魔殿(TSB)」の効果を、自分にだけ使えるように丸くしてコストを増やしたのが「戦嵐のうねり(M12)」。そして、その「戦嵐のうねり」のコストを再び4マナに戻して、どんどん牙を抜いてできあがったのがこれだ。まぁ、先の2枚はレアなので比べるのはおかしいけど、反応する対象が人間だけになり、ダメージも1点固定になってしまった。4マナのエンチャントとしては、影響力はあまり大きいとはいえないだろう。とはいえ、この1点だけでもリミテッドなら充分脅威。1点除去の重要性は割と高い環境であるし、Flickerなども駆使すれば使い方は広がる。赤に投入された「屋根職人の反乱」が一気に3点火力になるってのも見逃せない。なんか、今回思ったよりも「屋根職人の反乱」が強い環境になる気もする。
 
 
Zealous Conscripts 士気溢れる徴集兵 (4)(R) R
クリーチャー・人間、戦士
3/3 速攻
〜が戦場に出たとき、対象のパーマネント1つをアンタップし、あなたはターン終了時までそのコントロールを得る。そのパーマネントはターン終了時まで速攻を持つ。
 
 パーマネントなら何でも「脅しつけ(10ED)」られるプロの恐喝屋さん。普通の赤いカードならばクリーチャーを徴用してくるわけだが、今回は何故か、あらゆるパーマネントをパクれるという謎のクオリティアップが実現した。これでプレインズウォーカーを奪ってマイナス技を使って返却するとか、「漸増爆弾」パクって起動してあげるとか、色々と使い方があるので意外に構築レベルでも通用しそうな風格がある。リミテッドではもちろん一撃必殺のチャンスがあり、「裏切りの血」と「マルコフの大将軍」を足して2で割ったものが突っ込んでくる感じ。ダメージ効率はかなり高いだろう。そして世にも珍しい「速攻を持ったエンチャント」とか「速攻を持ったプレインズウォーカー」なんかを作れてしまうというのもこのカードだけのセールスポイント。いや、意味はあんまりないけどさ。ギデオンさんが即パンチとかね。

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