最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「宇宙兄弟」 5
日曜朝が大変なことになっている。6時半から「星矢」が始まり、そこからこの作品に繋がり、ゴーバスターズ見てプリキュアでトリコである。まだライダー観てないだけマシだ。もっと小さい子向けのアニメ観てた人たちは、休日にこんな苦労をしていたのか……お疲れ様です。 そして、1話を見る限り、どうやらこの苦労はしばらく続きそう。悪くない立ち上がりである。割と有名な漫画だとは思うのだが原作はほとんど未読。前にどこかの書店でお試し冊子をもらったので、ちょうど今日放送した分の1話目だけ読んだことがあるが、そこから先は全く知らないのである。そんな初見の人間からすると、なるほど、悪くなさそうだ、という気はする。どういう画にして押し出すのがベストの作品であるかは判断が難しいが、適度に緩さも出しながら、やはりリアル部分はリアルで締める、「格好いい宇宙飛行士」という職業を描くアニメなら、このくらいが面白いんじゃなかろうか。 ただ、各所でささやかれていることだが、やっぱりこれが朝番組っていうのが釈然としない。小さなお子さんたちに宇宙への夢を与える作品にしたい、という意図は分かる。ラストに入った写真コーナーなんかは、まるでNHK教育でおまけコーナーをつける教育番組のノリだし、最近の子供は理系離れが進み科学や技術に興味を持ちにくい、という日本全体の問題が、こういうところから打破出来るのなら、実にありがたい話。もしコレに夢中になる子供がいれば、それこそ「宇宙飛行士を目指すきっかけ」になるかもしれないのだから、狙いとしては悪くない判断だと思う。しかし、結局これってモーニングで連載してる漫画なわけで……お子さんが観て面白いもんなのかね。オープニングがユニコーンだったりするのは完全におっさん狙いだろうし、1話目の時点で、もう子供さんはついて行きにくくなってる気がするんだけど。ん〜、まぁ、お父さんが観てるのを「ゴーバスターズ」やライダー目当てで起きた子供がついでに観られればもうけもん、っていうくらいなのかなぁ。アニメ放送枠っていうのもなかなか難しいね。 中身については、至極無難な立ち上がり。演出はこなれていて見やすく、A-1ということなので作画面についてもある程度安心して観ていられる。そして主人公むった役に平田さんが起用されており、彼のナレーションで進行するだけでも、ほのぼのして心安らいだ状態になれるのは良いポイントだ。今回も「コンビの片割れの情けない方」担当の平田さんだが、やっぱり「やるときはやる」っていうキャラクターになってるんだろうね。今後のストーリーも楽しみですよ。ちなみに1話で最大の発見は、「沢城っぽい声の子供が成長すると平田ボイスになる」ということ。なにその声優アワード受賞確実な人生。 PR
○「聖闘士星矢Ω」 5
春一番、新年度の到来とともに真っ先に始まったのがこの作品。今期一発目は、なんとあの「聖闘士星矢」の新作だ。 「聖闘士星矢」といえば、我が幼きみぎりの心のよりどころの1つであるが、本編終了後は、実はアニメでの星矢はほとんど追いかけていない。メディアのタイミングが悪かったり、色々と事情はあるのだが、結局、私の中で主人公といったら星矢なので、他の主人公を立てたアナザーストーリーにそこまで興味が持てなかったというのが正直なところである。が、これは一応「正史」としての正統続編という立ち位置になっており、あの星矢がレジェンド扱いで本編に登場。時系列的にも直後の世界ということになれば、色々と理解もしやすいし、何よりも完全アニメオリジナルなので、漫画原作を気にする必要が無いのでしがらみが少ない。ひさしぶりにあの世界に戻るのも一興かと思い、本腰を入れて観てみることにした。 で、そんな記念すべき1話目だが……もう、「馬越嘉彦が公式に許可を得て作った楽しげな同人」にしか見えない。もう、冒頭部分からニヤニヤしっぱなし。だって、全部馬越さんなんだもの。濃い顔の造形はもちろんのこと、細かいアクションの所作までが馬越節全開で、決めポーズに至るまでのギミックも、悪役マルスのマントがぱたぱたする感じまで、今にもマジカルステージが始まるんじゃないかとか、巨大プリキュアに地球ぶん殴られるんじゃないかとか、いっそ星矢対キャシャーンにして中の人困らせてみたいとか、そんな妄想ばかりが先に立つ。ファンにとってはこれだけでも楽しい作品。 そして、嬉しいのは初代原作へのリスペクトが随所に見られ、オールドファンもがっつり取り込もうというあざとさが見える点。オープニング曲のアレンジなんかは言わずもがなだが、星矢が流星拳を打つ前のモーションなんかが完璧だし、サンダークロウのエフェクトとか、辰巳が防具つけて突っ込んでくるところとか(w、とにかく懐かしさがマッハ。1話は星矢の背中を見て育った少年、ってことで星矢フィーチャーのお話だったわけだが、ここから仲間も増えるにつれ、他の懐かしキャラとのコラボも期待出来るだろう。気になって公式ページでチェックしたら、仲間側は全部で6人、次週登場がライオネットというのも笑いどころだが、性別不詳の鷲座、正当後継のドラゴンとならび、あとはオリオン座、狼座と来るらしい。ドラゴンの絡みは当然期待出来るが(紫龍の中の人をどうするかっていう問題はあるんだけども)、一輝や瞬、氷河がどう絡んでくるかは今からわくわくである。いや、ライオネットとかウルフがいるなら蛮や那智が先なのか? もう、好きにして下さい。 などと懐かしさ補正から盛り上がっているが、純粋にアニメ新番組として見ると、まぁ普通。馬越テイスト全開なので動画は非常に楽しく、今回だとたとえば倒れた光牙が必死に起き上がろうとする時の腕の動きなんかは笑えるくらいのものなのだが、バトルのエフェクトなんかは、そこまで目を見張るようなものでもない。むしろ、昔のアニメの投げっぱなしなチカチカエフェクトの印象が強いので、馬越風に爆発が起こると違和感があるレベル。一体何を基準に見たらいいのかまだ決めかねている状態なので、少し落ち着いてきたら、冷静に見られるようにはなると思います。シナリオ進行はとてもゆっくりだし、朝アニメってことで小さなお客さんもある程度意識した構成になっていくことを考えると、そこまで大はしゃぎするような作品じゃないのかもしれません。いや、来週も楽しみに観るけどさ。 中の人については、基本的にベテランしか揃っていない作品なので、問題となるのはアテナ役を任された中川翔子だけだろう。当然のことながら、上手くない。初代アテナの潘恵子さんが元気なんだから普通にやらせて欲しかったもんだが、大人の事情もあるのだろう。素人もどきのタレントの中ではしょこたんは頑張っている方だと思うので、生暖かい目で見守る寛容さが大切である。「なんでアテナは年取ったら威厳が減るんだよ」とか思っちゃ駄目。当時小学生とか中学生(!)だったアテナがあそこまで神々しかったのがおかしかったんだから。歌は達者だし、オープニングでNoBさんとコラボしてるアレンジは割と気に入ってますよ。その他、「流石にシャイナさんは声が老けたなぁ」とか、「柴田秀勝キャラに勝てる気がしねぇな」とか、「緑川主人公久しぶりだけど、なんか若さを無理矢理だそうとしてちょっと面白い声になってるな」とか、ゆるゆる楽しむのがよろしい。今後仲間キャラは増えると、どんどん暑苦しい声が増えてくるので、そのままどきどきで壊れそうな1000%歌いはじめてもおかしくないレベル。大きなおねーさん方はこの作品には寄ってくるんだろうか。
「BRAVE10」 4→3
サトリナが可愛かった作品。以上!…………以上です、ほんとに。後はあんまり真剣に見てなかったから記憶が……あぁ、アナスタシアも割と可愛かったかな。駄目じゃん、女の子の記憶しかないじゃん。 だって、この手の歴史物そっち向け作品なんて、特に興味を引く要素も無いし……高城元気の扱いが業界的にこれでいいのか、とかいう疑問は出たけど、仕方ないよな、出来るんだから。緒方恵美、齊賀みつき、時田光、三瓶由布子、田村睦心、そして高城元気って並べて「仲間はずれを探せ!」っていう企画をやったら、どれだけの人間が正解出来るやら…… あ、全然関係無い話になった。いや、あんまり書くこと無いんですよ。バトルものとして面白い点は特になかったでしょ、笑いどころは無いでしょ、映像も普通レベルでしょ、うーん、本当に「サトリナ可愛い」の一点だけがモチベーションだったからなぁ。じゃ、点数つけるなよ、って話ですけどね。すみません、その通りだと思います。気にしないで下さい。
「パパのいうことを聞きなさい!」 4→4
今期一番予想外の方向性に進んだ作品といえば、ひょっとしたらこれなのかもしれない。ラノベ原作で、いきなり女の子が3人も家に転がり込んできた! っていうスタートから、確実にハーレム展開を迎えるだけの作品だと思っていたのに、1話目からいきなりテンションが下がるお話をされ、この傷をメインテーマに、ずっと引きずったままの状態で最後まで話が続いた。考えてみりゃ、このシチュエーションでそんなに明るいお話になるわけもないのだが、昨今のラノベ文化、ライトアニメ文化の中で、「こんなスタートでも最終的に萌えアニメ」という展開に慣れきっていたので、この方向性についていくのには時間がかかってしまった。 そして、正直言って「両親を失った女の子たちと、それを引き取った1人の青年のお話」というくそ真面目なお話をするにしても、本作はそこまでうまくいった作品だとは思わない。要素要所でシビアさを出すためにリアルを意識させてくるのだが(男で一つで育てられるはずない、とか生計はどうやって立ててるんだ、とか)、結局なんちゃっての域は出ないので、どうにもそうしたフィクション要素と真面目なお話の食い合わせが良くない。視聴者がどういう心持ちで画面に向かったらいいのかが分からないのだ。なんだか素材に合わないことを無理矢理やろうとしているみたいで、コレジャナイというネガティブな印象が先んじてしまう。 筋立てとしてはある意味すごく真っ当なものだったという気もする。「いい話」の基本形は守っているのだし、個々のキャラクターの言っていることもある程度納得は出来るので、一本のシリーズものとしての破綻は無い。アニメとしての質も低いものではなく、良い言い方をすれば「丁寧な」部分も目立ったので、余計な先入観を無しに「とある青年の奮闘記」と思って見れば割とまっすぐな側面もあったのかもしれない。まぁ、それにしたってあまり身を入れて盛り上がろうという内容では無いと思うんだけど。「俺じゃあパパになれないのかな……」って、そりゃぁそうだろ。もう少し他に悩むポイントあるだろ。 結局、序盤のうちに「見せたいもの」のビジョンが固まらなかったことが最大の難点だった。原作がどうなっているのかは知らないが、このタイトル、この作画、この設定を用意してやるんなら、もう少し別なお話の方がよかったかな、ということ。漫画版をちょっと見たことがあるけど、そっちは分かりやすい話だったんだけどなぁ。ただ、この感想については、こちらの先入観による独りよがりな部分も少なからずあるし、欠点らしい欠点かといえば、違う気もする。ジャッジの難しい部分ではあるのだが、優良可でいえば、「可」が無難な落としどころではないだろうか。 中の人については、3姉妹にご苦労様をいうのが当然の流れ。キタエリは言わずもがな。ひなの中の人はさんざんネタにされている独特のしゃべりが面白いが、どう評していいものやら。若手のホープとしては色々楽しそうな出てき方だけどね。そして長女の中の人である上坂すみれ。無難な役だったおかげで特に印象にプラスもマイナスもないが……今後どうなるでしょうねぇ。
「妖狐×僕SS」 5→6
毎週感想を書いているからわざわざここで書くこともあんまりないパターンの作品。じっくりゆっくり見られる、ありがたいアニメでした。 先に難点を挙げてしまうなら、やはりそこまで突出して点数が上がるほどにスペシャルなものがあるわけではない、ということ。好きだ好きだとは言い続けても、多分半年したらその記憶は薄らいでしまうようなものだと思う。なりふり構わずインパクトを与えてくる飛び道具とは話が別だ。また、モノローグの描き方など、細かい部分では案外単純な演出も多いのである。「良いアニメだけど、これがベストなのか」と問われれば、まだまだチャレンジの余地が残されていた可能性はあるのだ。 ただ、そんなことを言っても単なる揚げ足取りでしかない。この短い1クールの間、たっぷりと凛々蝶様の肢体を堪能することが出来たし、それを見守るために設置された数々の舞台装置は、全て良い方向に働いていたと思う。妖館という「長屋」が大好きだったのは何度も書いたことだが、あれだけたくさんの住人が、そこまで強く押し出されたわけでもないのに案外記憶に残っており、それが面白さに繋がっていたのは、さりげない見せ方が上手かったおかげだろう。週替わりのエンディングなんかは端的なツールであるが、1つ1つのシーン、1人1人のキャラについて、ごまかすことをせずに描ききった結果だと思う。 ま、小難しいことを考えずに、「可愛い」「ニヤニヤする」「もにょもにょする」を楽しめばいい作品ですよね。凛々蝶様のキャラクターは、最初に設定を見せられた時には「なんとあざとい!」と思ったものだが、案外成立するものなんですね。史上初の、真正面から「ツンしゅん」を描くことを目的としたアニメ。うん、改めて「ツンしゅん」ってなんだよ。わからねぇはずなのに、気づけば分かるようになっていたよ。パイオニアがこれだけの結果を残したら、このジャンルの後追いは難しそうだな……いや、後追いする人間が現れるようなもんでもないけど。後は双熾のキャラクターも突き抜けたおかげで阿漕さが緩和された例でしょうね。執事ものジャンルは色々と発展していたわけだけど、双熾のキャラは、案外オリジナルとして輝いていたんじゃないでしょうか。 あとは、こうして作り上げたキャラ・設定を万全の状態で映像にするだけのお仕事。David proは「ベン・トー」に続いて、なかなかの看板商品を立て続けて繰り出していますね。おそらく原作画からして最上の映像化だったんじゃないでしょうか。凛々蝶様の足から尻にかけてをなめるように描くこだわりのフェチ描写の満足度といったら。あと、コロコロしたデフォルメキャラのテンポとかも上手かったですね。監督を務めた津田尚克氏は、良い看板が出来ました。しかもこの人がコンテ切ったのって1話と最終話以外だとエンディング映像なのか……際だっとる。 最後は中の人。日高里菜ちゃんが難しいところを頑張ってくれた、というのが1つ。音域が低めだったので色々と苦心の跡が見られるのも、ファンとしては逆に盛り上がる要素だったりして。あとは、実は気に入っていたのが細谷佳正の連勝さん。あの緩さが素で出せるっていうのは、割と貴重な才能な気がする。杉田は……まぁ、いつも通りで。
「P4 Persona4 the ANIMATION」 4→5
うん、これは多分、今年度の正統派ヒット作と言ってしまって言い作品だったんだろう。素直に、中身が面白かったです。なるほどこのゲームは面白そうだ。 初回視聴時にあまり引かれなかったのだが、その理由は「なんかバトルシーンがしょぼい」というもの。ペルソナを起動して対決するシーンは、結局最後までそこまで引き込まれるようなシーンがあったわけじゃないんで、予想は外れてはいなかったのだが、このアニメで戦闘シーンの盛り上がりは別に重要じゃなかった。シナリオで最も重要だったのはコテコテのギャグ要素であったし、シリアス部分だって、現実での刑事捜査や鳴上家の家庭事情、妹との家族愛なんかで構築されていた。ゲームだったらバトルが一番重要な要素だろうが、アニメなら、それはあくまでおまけですむのだ。むしろ他の要素をがっつり描いて、物語としての厚みを増してもらった方がありがたいくらいなのだ。 最初のうちはなんかヌルいな、と思っていたギャグ要素が少しずつ癖になっていって、間の抜けた空気も愛着がわいてくると、俄然楽しくなってくる。番長を中心として学生連中のおとぼけコントは古いっちゃぁ古いノリではあるのだが、何のてらいもなくやってくれるのでこれはこれで笑える。中の人的にも色々とはっちゃけられていたようで、クマはクマだから面白かったし、完二のホモがらみのネタも強烈。女性トリオも位置取りがナイスだし、菜々子ちゃんのキャラも、クライマックスに向かって盛り上がるまでにきちんとできあがっていた。そして、そんなおちゃらけばっかりかと思えば、きちんと「サスペンスもの」としての骨子がくみ上げられており、ラストの犯人を暴くくだりなんかは、誰がどう見ても怪しい人間が1人しかいないから答えなんて分かりきっているのに、それでも固唾をのんで見守ってしまった。いやはや、良くできてますよ。 また、これは聞いた話なので定かじゃないのだが、今作は出来る限りゲームの雰囲気を維持することにも注意が向けられているという。確かに、ペルソナ召還シーンなどは明らかにゲームから持ってきたものであることが分かるようになっているし、その他にも細かい部分で原作をプレイした人間を喜ばせる仕様になっているのだろう。そういう気遣いっていうのは、やろうと思っても「やっぱりアニメになると仕方ないんだ」と言って妥協する場合が多いだけに、きちんとセールスポイントとして活かせているなら、当然評価されるべきポイントであろう。 結局、これはほぼ確実に岸誠二の「成功作」の方にカウントされることになった。やっぱりアレだ、原作有りだと強いんだ。与えられたものを十全に仕上げるっていうのはアニメ監督としては求められる才能なので、この方向で良作を連発してくれるなら文句はありません。 中の人の話。……今作は浪川先生なの? えー、なんか釈然としない。みんな本当に手慣れた連中ばっかりだったから、あまりにも安心して聞けてしまえてねぇ。あぁ、そうだ、MVPは足立役の真殿さんでいいのか。こういうくせ者役で輝くのって、やっぱり素敵よね。あと、中華屋の娘さん。実は作中最強説。
あの部屋実在したんかい! 最終話! もう、幸せになればいいじゃない! 子作りでもなんでもしたらいいじゃない! 「大切なことだから考えたい」って、しない選択肢はないやろが! こん畜生!
これは妬ましいアニメになりましたね。凛々蝶様が幸せになることはこれ以上無いくらいに嬉しいことですが、ここまであからさまにいちゃいちゃされると……あぁもう! 別に「アマガミ」みてもニヤニヤするだけで済んだのに、何でこのアニメはこうも…… やっぱり、思い入れが強くなったからなんだと思うんですよ。今回のシナリオも上手いこと出来てるしねぇ。「二人になった日」っていうサブタイトルもすごく意味深で、この2人の場合、片方がいないと片方が「自分」を保てないという、すごく不完全な人間なんですよ。双熾の滅私奉公の果てに、今の「妖館の凛々蝶」ができあがったのだし、双熾が今の状態でいられるのは、本人が何度も言っているように全て凛々蝶がいてくれたおかげ。しかし、そんな状態にも関わらず、両者とも「あまりに不完全な自分」を相手に受け渡す勇気が出ず、どんどん自分が嫌いになるという状態だった。それを、今回は手紙のトラブルで強引に打破し、どちらから、というのでもなく、「2人が2人になる」ことで結ばれるに至ったのだ。ジゴロとツンしゅんの恋愛絵巻。こりゃぁもう、幸せになれとしか言いようがない。 結局、このアニメは延々二人の来し方行く末を見守るだけの内容だったわけだ。凛々蝶が優しい住人達のおかげで成長していく姿を見守りながら、相互依存の度合いを強めていく双熾も一緒に成長するという、実にポジティブな内容。妖怪漫画のはずなのに、そこに暗いものは残っていない(双熾の部屋を除く)。それどころか、凛々蝶と双熾以外の人間たちの人間関係すらほとんど残っていない。たとえばカルタが何であんなに卍里ラブなのかとか、よく分からないけど結果だけがそこにあるし、間違っても連勝さんと野ばらさんがくっつくなんてこともなさそうだ。周りの人間は、それくらいにどうでも良かったのだ。思い切った話ではあるが、これできっちり1つのシリーズのまとめができたのだから、非の打ち所がない。 いや、もちろん周りの面子が不必要だというのではない。今回のエピソードを見ても分かる通り、周りの住人たちの愛すべきキャラクターがあってこその「いぬぼく」だ。今回は割と連勝さんが前に出て動いてくれていたので、なんだか嬉しかった。野ばらさんに向かって平気で「夫婦みたい」とかいえちゃうあたり、本当にあの2人には何もないんでしょうね(野ばらさんはマイナス感情があるかもしれないけど)。他にも、実は優しいうさぎとか、中華まんを夢見る娘っ子とか、博識なオカマとか。「博識なオカマ〜」は決め台詞なの? ちのちゃんはオカマとセットの認識でいいのか? いや、もうどうでもいいけどさ。 今回のクライマックスは当然告白シーンなわけだが、声出して笑わせてもらったのは、その前段階の手紙がばれるくだり。テンパッちゃってる凛々蝶様の可愛らしさったらないですよ。悲鳴も可愛らしく「きゃ〜!」なんだよね。あのあたりのたたみかけるような展開が実にコミカル愉快である。前々から言っているが、「凛々蝶様に日高里菜を使う理由」がこのへんよね。 可愛かった、面白かった、いい話だった。何を言っても嘘じゃない作品でしたよ。最後の最後までこれだけ楽しめたんだから、お別れするのが本当に悲しい。この終わり方だと2期なんてありそうもないけど、まさかエンディングカットだけで水着回やお風呂回をこなされるとは思わなんだ……OVAとかでもいいから、「妖館の本当に何も無い日常」みたいなのが見たい。ずっとカルタが飯を食っているだけな気もするが……それはそれでアリやな。
「ギルティクラウン」 4→3
ノイタミナ2本目。こちらも点数をどうするかはかなり悩んだのだが、「ずっと期待し続けたものが結局出てこなかった」というがっかり感から、多少厳しめの採点。流石に酷すぎるだろ、という場合は「BRS」のおまけ点と足してごまかして下さい。 「期待していたもの」といえば、多分大体の視聴者はある程度共感してくれる部分があるだろう。I.G.の手によるCGワークもばりばりの、いかにも「今っぽい」見事な画面に、様々な専門用語、面白そうな独自設定が飛び交う世界観。キャラクターたちのビジュアルも細かく書き込まれて美麗なものであるし、これらのツールを使って一体どんなものが飛び出すのか、と期待が持てる。監督の荒木哲郎氏は「DEATH NOTE」「学園黙示録」と、際だった個性を出しつつ結果を残せた人だし、今回もこの贅沢な道具立てで、何を見せてくれるのかとわくわくしていたものだ。 ただ、第1話の時点では、シナリオがなんだかピンとこないまま終わってしまったので「不安点」として採点したわけだが、そんな「不安」が、1話以降、ずるずるずるずると引きずられ、気づいたら半年経ち、不安はそのまま結果となった。結局、この作品が何を言いたかったのか、さっぱり分からなかったのだ。「狙いを外した」という感じでもない。最終話まで見たら、ギミックとしては案外分かりやすいボーイミーツガールの形をなぞっただけであるし、「英雄譚」としての骨子も明確だ。集がいて、涯がいて、いのりがいる。分かりやすいスタート地点があるのだから、あとはそれを中心に回していけばいいだけだろう。いのりのアイドルシンガー設定なんかも、いかにも使えそうな、分かりやすいセールスポイントである。 しかし、どれもこれもが、結局形を成さなかった。涯が何をやりたいのか分からなかった。いのりの気持ちがどこにあるのか分からなかった。そして何より、桜満集という人間が、何を考えて何を生き、何を成したのかが分からなかった。よくネット上で「集は本当のクズ主人公」という意見を目にしたのだが、クズならクズらしい、クズの生き方があるのだ。集の場合には、クズとしての生き方を全うしているようにも見えない。その日その日で、ただシナリオの要請に添って違った「桜満集」が生まれていたかのようである。「Aがいいと思う」→「周りからBがいいと言われたから仕方なくBにする」→「やっぱりBは無理じゃないか! Cにする以外無い!」→「Cの問題にようやく気づいたので、申し訳ないけどAにして下さい」という堂々巡りをひたすらその場のノリで繰り返すだけの、傀儡のようなキャラクターである。 そして、集がそんなことでは、周りの人間だって日替わりである。特にいのりの気持ちがどこにあるのか、という部分は非常に掴みにくかった部分であり、好きあっているはずの2人の気持ちが同時に分からないおかげで、どこにもよりどころが無くなってしまうのだ。もちろん、そんな男を相手取った敵役にも主義信条など現れるはずもなく、涯も、ダリルも、そして日本国も、結局何を大望としたいのかが分からないまま終わった。行動原理がシンプルだったダリルが一番まともに見えたのではどうしようもないだろう。何故、こうも分かりにくい作品になってしまったのだろう。結局これは、脚本に芯が無いことが全ての原因に見えるのだ。 繰り返しになるが、アニメ作りのための個々のツールについては良かった部分も多い。何話だか忘れたが見事なアクション描写にはしゃいだエピソードもあったし、おそらく「バトルもの」として見るべき点は多かったのだろう。だが、まず最初に「戦う理由」を(印象だけでも良いので)固めてくれないことには、そうした装飾は単なるこけおどしになってしまう。どこかの歯車がずれていれば大爆発していたかもしれない作品だけに、そうならなかったことが何とも悔やまれるのである。せっかくなので、このスタッフによるリベンジ作品なんかがあるなら見てみたい気がするのだが。
「ブラック★ロックシューター」 6→7
流石に点数はおまけしすぎな気もするが、とにかく走り抜けてくれたこと、そして、評価点が私の好物ばかりであったことなどを加味して、サービスセールを実施してみた。何にせよ、もう一度見直したい作品になっているのは間違いないだろう。 今作の最大の売りは、なんと言っても圧倒的な動画面である。ブラックロックシューターが暴れ回る謎世界で展開されるメカギミックばりばり、弾幕ガンガンの戦闘シーンは、よくも地上波でここまで続けられたものだ、と感嘆する出来。個々のギミックも面白かったし、今石さんの手によるけれん味あふれる圧倒的アクション描写は、本当にこれだけを見ていて楽しめるレベルになっている。元々がキービジュアルから始まった作品であるということが見事に作品の良さに現れており、こけおどしでも何でも、とにかく「見得」を大事にした絵柄のインパクト勝負というのは、8話を走りきった後でも充分評価に値するポイントである。いや、むしろ8話の間を維持し続けたからこそ評価出来る部分なのかな。1話を見た時には、まさかあのクオリティで最後まで続けられるとは思っていなかったですもの。 そして、そんなバトル描写を生み出すための下地となったのが、マトたちが苦闘を続けた現実世界サイドなわけだが、こちらの物語についても、絵柄が付いてきたことも幸いし、かなり見応えのあるものになっていたのではなかろうか。そもそもの問題点として脚本を書く際に現れたのは、「何故少女が戦うのか」という部分であったと思われる。今のアニメ業界で言っても仕方ないことだが、基本的に「女の子だけが戦う」なんてシチュエーションは、どう理屈をつけたっておかしいのである。それを何とか必然レベルにまで持ち上げた上で、「格好良く戦う場所」を見つけるにはどうしたらいいか。その答えが、「女の子が戦うべき問題の具現化として扱う」こと。この発想の転換は、単純なようでなかなか思いつくものではない。さすがの岡田麿里である。「女の子が戦うこと」というのは、たとえば友情のこと、たとえば恋愛のこと。そんな些細で身近な問題でも、人によっては命懸けに思えるときもあるものだ。そんな「すごく小さな命懸け」を、そのまんま具現化したフィールドの代行者にやってもらうのがブラックロックシューターなわけだ。この設定ならば、キャラクターたちはそれこそ「死ぬ気で」戦えることになるし、バトルの結果が「死ぬほど」辛いものになることもある。この「死ぬほど」のことを、現実サイドの描写ではきちんとその純度で描けていたのである。見事な動画におんぶにだっこにならず、やるべきことをしっかりとやりきった結果だ。今後、吉岡忍という名前はアニメ業界でも無視できないものになっていくのではないだろうか。いくら密度を濃くしたところで、8話というのはシリーズとしてはどうしたって短い。そんな中に、適切な分量のプロットを組み込み、最大限に発揮出来るアニメーションで飾ることが出来たのは、非常に恵まれたことだったのではなかろうか。 そして、そんな恵まれた世界を作るために欠かせないのが、当然中の人たちだ。花澤・沢城・喜多村・阿澄・能登。もう、これだけでおなかいっぱいですよ。しかもこの5人、今作では恐ろしい密度で絡み合ってましたからね。これ以上何を望めというんだろう。あと、地味にこはっち先輩役の沼倉愛美も良い仕事をしてましたね。幕引きがしっかりしていたので続編なんかは期待出来ないだろうけど、「とある日のマトとヨミ」みたいな後日談も見てみたい気もします。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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