忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1073] [1074] [1075] [1076] [1077] [1078] [1079] [1080] [1081] [1082] [1083]
○「リトルバスターズ!」 4

 ……ん? なんじゃこりゃ? 視聴後にしばらくぽかんとしてしまった。こりゃ謎なタイトルが出てきたもんだ。

 色々と面倒なのだが、このタイトルは聞いたことがある。いわゆる一つの鍵系作品の1つという認識であり、そっち系のゲームを一切プレイしない私にとって、それはつまり「Kanon」や「CLANNAD」と同じカテゴリということだ。制作が京アニかJ.C.かという違いはあるが、とりあえず脚本や骨組みを作っている人間が一緒なのだったら、まぁ、そんなに違うものは出てこないだろうと思っていた。思っていたんだけど……これ、何アニメなん?

 いや、別にレッテル貼りしろというわけではないのだが、何も知らない視聴者が1話目を見終わる段階でですね、ひとまず「なんのアニメか」っていう指針はほしいじゃないですか。上記のKanonやCLANNADだったら初っぱなから「あ、恋愛ものなんだな」って分かります。他にもバトル、ギャグ、サスペンス、日常系、色々あるだろうけど、とにかく「何となくこの枠」っていうのはあるじゃないですか。しかしこれの場合は……一番近い枠でいうと「日常系」になるのか。訳の分からない団体行動っていう意味ではSOS団も大して変わらないけど、SF設定も何もないんだから、どちらかというとごらく部とかの方が近い。「Aちゃんねる」とか「らき☆すた」と同じ分類。まぁ、そういう枠ならそれでもいいんだけどさ。……全く想像してなかったな。しかも、野球すんの? 野球アニメなの? 浪漫ちっくがストライクなの?

 とりあえず恋愛ものではなさそうだ(惚れた腫れたが欠片も感じられない)。バトルものにもなりそうもないし、サスペンスでもないだろうな。残された「日常ギャグ」という分類が正しいのかどうか分からないが、もしそうだとして、正直あんまピンと来ないんだ。キャラクターの造形なんかを見ていると確かに「CLANNAD」なんかに似ているし、ギャグを挟む時のテンポも春原と岡崎の掛け合いとかに似たものを感じるのだが、この手のギャグって、メインコンテンツってわけでもないだろ。それがここまでの話題作というか、期待作になるもんなの? それなら僕ぁ女の子が多い分「あっちこっち」でいいんだけども。この作品だけから得られる特別な何かがあるんだろうか。少なくとも1話ではそういう掴みは感じられなかった。

 製作がJ.C.ってのは画面を見ると「そうかもね」というのは感じられる。そして監督は「キルミーベイベー」と同じ人。うむ、あまり参考にならない情報だな。画面に特に不満はないが、やっぱり京アニ品質を覚えた後で出てくる「似たような土壌の作品」だとやや物足りなさはある。特に事前情報がなかったら「まぁ、日常系ならこんな感じのもあるよね」っていうんでサラッと入ってきて特にこだわりもなく評点出来たと思うのだが、どうも世間的な話題性が先に立ってしまうと、正面から作品が見られなくなってしまう。決して悪いものにはなってないんだろうが、少なくとも初見の私は1話目で「良いところ」も特に見つけていない。悪いところばかり見つかった「Angel Beats!」よりは良いと考えるべきか。まぁ、このまま「Aちゃんねる」と同じくらいだったら悪いもんじゃないけど。

 中の人は元のゲーム版に準拠しているのだろう、割と地味、というか、あんまり知らない。確定出来るのが堀江由衣・緑川・そして神奈延年くらいである。うん、キャスト面でも広がりにくい作品なんだ。すまない。やっぱりエロゲ業界方面は苦手ジャンルだなぁ。今更勉強する気にもならんしなぁ。まぁ、分からないものは分からないなりに、だけど。

拍手

PR
○「BTOOM!」 5

 「TARITARI」の後番組、というとちょっと物寂しい気もするが、久しぶりにこういう単発作品でマッドハウスが製作していることを考えると、ちょっと楽しみではあるかもしれない。ガンガンCMを打っていたので1話目の内容は予想通りのものだったが、決して悪い印象はなかった。

 一時あらゆるジャンルでバブルが起こって火がついていたデスゲームもの。最近はそこまででもないが、なんだか久しぶりに純度の高い(ベタな)こういう作品を見た気がする。色々と無茶な部分があるのは間違いないだろうが、少なくとも仮想ゲーム世界で実際に命を取られるよりは分かりやすい設定だ。やはり、どう考えても「実際に殺されるかもしれない恐怖」を描きたいなら、仮想ゲーム設定は邪魔だよね。緊迫感に欠けるし。この作品の場合は、殺し合いの武器が「爆弾のみ」というのが面白い効果になっていて、1話目で描かれた「最初の1殺」という高いハードルも、ギリギリありかもしれないくらいの自然さでクリアすることが出来た。この手のデスゲームの場合、主人公が「人を殺す」という心理的抵抗を超えるのが非常に大変なのだが、今作の場合、時限爆弾という「直接的でない」手段を用いているため、ゲームと現実の狭間の微妙な心理的負担が構成されている。最初の噛ませ犬にシンプルな手投げ爆弾っていうのも(まぁベタだしご都合主義だが)上手い設定で、とにかく「殺さなきゃ殺される」が、ろくに説明も受けてないのに肌で感じられるというのは良いことだ。どうも、こういう設定の作品だと最初のルール説明で辟易しちゃう場合が多いからね。

 作画はマッドハウスということなので特に問題なし、そこまで目新しく綺麗という程でもないが、リアルめの等身のキャラクター作りは、マッドの得意とするところだろう。主人公のキャラも割と共感が得られるものになっているので導入は見やすかったし、今後、このありきたりの設定からどこまでオリジナルで見せ場を作れるか、という脚本部分への期待が高まる。まぁ、CMを見る限りじゃ原作が連載中なわけで、このアニメが完結するわけないのがちょっと残念ではあるが……。なんで途中の作品を後先考えずにアニメ化するかねぇ。まぁ、バンチの連載作品にアニメ化の話がきた、っていうだけでも逃がしちゃならねぇチャンスなのは間違いないんだろうけども。放送が終わってから「まだ早かったんじゃないの?」とならないように祈りたいところである。

 本作のメインキャストは、きいたことがない名前である。どうやら俳優業がメインで今回は声優初挑戦とのことだが、これが案外悪くない。確かに、確実に声優の発声ではないのだが、少なくとも最初にアカギやったときの萩原聖人よりもよっぽど達者である。こういう方向から突然男性声優業界に風穴を開ける人が出てきたら面白いんだけど。メインヒロインはみもりんらしいですが、ほとんどしゃべってません。そういや今期メインヒロイン2本目か。相変わらずシャロだけ輝いてるなー。他のメンバーどうなのよ、と思ってミルキィメンバーのWikiを観に行ったら、佐々木未来の出演作のところが半分いぬっころで泣いた。みころん超がんばれ。

拍手

○「ジョジョの奇妙な冒険」 4

 まさか、生きているうちにジョジョの完全アニメの開始が拝めるとは思ってもみなかったことである。既に十年規模で「ジョジョってアニメ化しないのかな」「無理だろ」みたいな会話を何度も繰り返してきたわけだが、まさかこんなタイミングで長年の夢(?)が実現することになろうとは。ちなみに、過去のアニメで言えばOVA版JOJO3部はかの今敏の手による仕事だったりするのだが、そこまで有名じゃないよね。

 とにかく、そんな「積年の何か」が降り積もったアニメ化。もう、色々なしがらみやら迷いやらこだわりやら、何をするにもフラットな感想なんて出てくるはずもない作品。「満を持して」のこの舞台が、一体どのようなものになるのだろうか。

 そんな大役を任されたのは、「妖狐×僕SS」で監督を務めていた津田尚克氏。davidプロとの関係も深かったのでその関係での抜擢だとは思うが、なかなか肩の荷が重いことだろう。何せ、普通に考えてあの荒木飛呂彦の画がそのままアニメになるわけもないし、たとえなったとしても、そのまま再現するだけでは原作漫画のかっ飛んだ面白さを表現することは出来ないだろう。誰が指揮を執るにしても、「奇策」を使わなければならないのだから、クリエイターにとってこれほどの難題はなかなか無い。そして、今回制作陣が採用したプランは、映像面でいわゆる「アニメ的な」頑張り方をするのではなく、原作でのデザイン性を優先し、出来る限り1枚絵の見栄えを守ることで、原作の持つテイストを保持しよう、というもの。飛び出す書き文字もそうだし、原作のコマの通りの構図、デザインでほぼ止めたようになるアニメーションは、「ここが原作のここに対応する」というのがはっきり分かるのである。

 なるほど、確かに面白い作戦である。とにかく目先が変わるので「どう頑張っても他のアニメと同じ軸線に乗らない」という難所はクリアしたことになるだろうし、アニメ化の最大の難所であったキャラクターデザインについても、多少の違和感こそあるものの、3Dを強く打ち出した美術によって、まるで中世英雄の石膏彫刻のようにどこか雄々しくも見える。派手でエキセントリックな色彩についても、原作絵の自由さを上手い具合にアニメの画面としての「見え」に取り入れているように見える。下手に「アニメーションとして」凝るような方向よりは、こちらの方が原作にはマッチしているのではないだろうか。

 ただ、それはあくまで「奇策として問題を解決する手段」であって、「アニメを面白くする手段」ではない。確かに絵は悪くないと思うし、確かに雰囲気はあるのだが、結局そこどまり、なかなか「アニメになって良かった!」という感想にはならない。極端な話、過去にゲーム化された5部の時の3Dや「ファントムブラッド」のアニメパートと区別しにくいくらいの着地点になってしまったので、なんだかゲームムービーの長い奴を延々見せられているような気がしてきて、「これがメインコンテンツなんだ」という説得力が今ひとつ。どうしたって「ここはアニメになって動くところが観たいなぁ」と思う部分というのはあるもので、そうした「動かしたい」パートに、全く魅力が無くなってしまっている。ジョジョがいじめっ子に喧嘩を売って腹を殴るシーンなんて「フラッシュアニメかよwww」てな感じだし、怒りに任せてジョジョがDIOに突っ込むシーンも「長い! 館の玄関超長い!」ってなるし。まぁ、今後のジョジョ関係の素材には困らなくなりそうだが……うむ、1話目の印象は「ややきつい」である。

 でもなぁ、結局、ジョジョの世界が動いて、あの台詞もこの台詞も全部しゃべってる、っていうだけで面白いのがやるせないなぁ。1巻の内容なんてさ、「当時の編集部はよくこんなんで打ち切りにしなかったな」っていうくらいに訳分からん中身なのに、こうして大見得切ってみせられると一から十まで全部ギャグに見えるんだぜ? やっぱ怖いよな、この漫画。そして、キャストが楽しそうなんだわ。最初にキャストが発表されたときに「興津君とかはいいんだけど、子安だけはあかん、子安がDIOとか遊んでるとしか思えん」とか拒否反応を示したのに、こうして「ネタフラッシュ画像オンパレード」みたいな仕上がりで出てくると、もう、このDIOでいいや、このDIOが恰好いい、と思えてしまうのだもの。まぁ、3部までいった状態のDIOなら、この声でもしっくり来ると思うけども。やっぱりキャストになんか納得いかなかったのは、あまりに3部ゲーをやり過ぎたせい。もう、DIOは千葉さんのイメージしかなかったからな(1部ゲーム版の緑川ディオはあまりイメージが残ってない)。まぁ、この愉快なDIOなら子安でいい。

 ま、なんやかんや文句は言ってるけども、結局「文句が出ないアニメ化」なんて絶対無理だったわけだし、これはこれで「また1つ新しい解釈のジョジョ」だと思えば、案外今後も楽しみだったりするのだ。ゆっくりと数々の名シーンを楽しませてもらいましょう。ただ、個人的には「オサ!オサ!」が無くなったのは納得いってない。ジョジョの幕開けといったら「血は命なり!」で決まりだろうに。

拍手

○「バクマン。(第3期)」 4

 もう3期目ですよ。クールでいうと既に4クール終わっており、今回も全25話予定なので合計6クール分。3期で6クールってシャナと同じ長さかよ。すげぇな。

 まぁ、すっかりこのアニメ世界にも慣れてしまったもので、「また始まりましたなぁ」というくらいの印象。ただ、これまで2回は第1話に作中作を持ってきてオープニングで遊ぶ、という趣向が見られたのだが、今回は作中作でアニメ化が決定してるのが「+NATURAL」だけなので、流石にオープニングを作るところまでは至らなかった模様。おかげでフツーのオープニングでした。なんかやたら乳を強調したシーンが多かった気がするけど、夕方のNHK教育であれはセーフなんでしょうかね。まぁ、香耶ちゃんが性的すぎるのが悪いんだろう。

 ま、そんなわけで特に「始まったよ!」というお祭り感もなく、いつものように順調に原作を追っている。ぶっちゃけ原作でこの後どういう展開だったかとかあんまり覚えてないんだけど、少なくとも原作で退屈してた記憶はないので、今期もきっと刺激的な事件が待ち構えていることだろう。そういや七峰の登場って今期か。ドキドキもんやな。そして、1話目でもはっきりしていることなのだが、すっかり「バクマン」というより「バク声」みたいな作品になっている。声優が必死に「声優になって」って言ってるのを聞いてるとなんだか面白いのだが、原作のときにもイラッときた展開が色々と待ち構えている。この漫画って漫画家は応援してるけど声優は別に応援してないからなー。亜豆に責任があるわけじゃないけど、彼氏のためにっていうあまりにもぼやっとした理由でメインヒロインのオーディション辞退すんのはなぁ。他の同年代の役者陣にそんなこと言ったらキレられるぞ。今回の「+NATURAL」のオーディションだって、プリンセスエイト(亜豆の所属事務所)のマネージャーさんはわざわざ他の若手を切って亜豆をエントリーさせて、しかもそれで審査を突破してるんでしょ? それを無下に断るってのは、業界的にはそんな生半可なことじゃないと思うんだけどねぇ。いや、フィクションですけども。どうもその辺がね。このまま最終回まで行くとなると、どうしたって「声優恋愛騒動」もいよいよ出てくるわけで……、まぁ、あそこまでいくと完全に少年漫画のノリだから、逆に楽しみではあるんだが。

 というわけで、「いつも通り」です。安心してダラダラ見ます。毎週「香耶ちゃん可愛いな」って思います。「岩瀬も可愛いな」って思います。亜豆はちょっと露骨すぎるからあんまり好みじゃないです。そっちは中の人のこと考えて、「そういやパイセンとタソが絡んでる現場ってここなんやな」とか思います。

拍手

実は「京まふ」で売っていた限定版前売り券を衝動買いしていたので、見ることは決まっていた作品。学園祭周りのために訪れた遠方で、「そういや別に観光する元気もないんだし、いっそここで映画館に足伸ばして封切り日に見ちゃえばよくね?」ということを思いついた。なかなかあり得ない観光計画である。でもさ、地元でも放映してる映画館まで足伸ばすのが結構めんどくさいんですよ。それならどうせ歩き回っている時についでに抑えた方がいいかなー、と思って。今回は後編の公開もあるのであんまりのんびり見てらんないしね。
 
(一応ネタバレ? あるかも。まぁ、無いかも)
 
 というわけで、前編である。総集編だというのは聞き及んでいたし、別に高い金を払ってまで見なくてもいいのかな、とは思っていたのだが、前売り券買っちゃったなら行かなきゃ損だ。「まどマギ」は本放送時はそれなりに熱心な視聴者だったし(各回の番組感想参照)、あれ以来ほとんど再視聴もしていないので、改めて作られた総集編を見たらどんなもんだろう、という興味もあった。
 
 「前編」はおよそ8話までの内容をカバーしており、映像についても、地上波版のものをそのまま使っている部分もあるし、ちょっと映像をなおした部分もあるし、完全に描き下ろした部分もたくさんある。編集はなかなか悪くない出来で、この1本を見るだけでも、それなりに「まどマギ」の内容、そして良さを理解することは可能だろう。特に8話までの内容ということでとにかく直滑降に鬱へ転がり落ちていく展開が分かりやすく、密度は恐ろしく濃いのだが、あまり展開で迷うようなことも無いはずだ。1話ずつゆっくり観ていた時の次第に降り積もっていくような重苦しさもなかなかだったが、約2時間にまとめられて畳みかけるような展開もかなりのものだ。まぁ、地上波版も一気に観たらこういうことになるんだろうけども。
 
 とはいえ、結局「総集編」なのであまり大きく拾うべきポイントは無い。メインプロットが変わっているわけではないのだから、地上波版を観たときと同じ視点で、同じような部分を楽しめばいい。特に圧縮された中身だとテーマ性が浮き彫りになるので、個々の魔法少女が持つイデオロギーの部分はかなりはっきりしていて見やすくなっているのではなかろうか。短命だったマミさんの更なる幸薄さも見逃せない。
 
 そう、タイトルこそ「まどかマギカ」であるが、8話までの内容ということで、当然まどかは一度たりとも変身しない(地上波版冒頭にあった契約シーンなども劇場版には無い)。一応彼女(の中の人)が描いた魔法少女デザインに片鱗だけは確認出来るわけだが、まどかが「魔法」に触れているのなんてせいぜいその部分だけ。また、徹頭徹尾「傍観者」である彼女はシナリオ面においても大きな役割を果たすことはないので、もし知らない人が見たら「まどか☆マギカ」というタイトルは詐欺である。逆に言えば、この映画は「魔法少女マミ」であり「魔法少女サヤカ」であるということだ。
 
 マミさんに関しては、中の人が要望していた「もっと別な、素敵な死に方がしたい」という願いはまだ聞き届けられていない(新規版に期待だ)。ただ、代わりに死亡時の描写が地上波版に比べて随分あっさりした。代わりに、変身シーンがものすごく贅沢に追加されたり、生前にまどかと友情を育んで「1人じゃない」ことを堪能するシーンが多く盛り込まれたりと、「幸せになりつつあった巴マミ」の要素が大きく取り上げられている。これはマミさんに対する罪滅ぼしのつもりだったのか、それとも、逆に死ぬことの喪失感を増すためだったのか。一応、前者であるようには感じられたのだけど、はたしてどうだったのだろうか。ちなみに、「ベテラン」と呼ばれてまどか達からは本当に雲の上の存在のように見られているせいか、ほむらとの衝突もなんだか激しさを増しており、ただでさえ調子乗りに見えたのによりふんだんに死亡フラグをばらまいてくれているのは愛嬌である。
 
 そして、そんなマミさんの勇姿も立派なはずなのだが、残念ながら作品視聴後にはその姿は霞んでしまう。なにせ、2時間のうち後半すべてがさやかのために裂かれたパートだからだ。やはり、一気に見た時のさやかの顛末の救いの無さは圧巻だ。時間がないおかげで上条君が本当にひどい奴に見えてしまい、そんな男に振り回されるさやかちゃんも大変である。「奇跡も魔法も」のくだりがあっという間に過ぎ去り、ものの10分もしないうちに恭介に裏切られ、高速召喚された仁美さんにかっぱらわれるジェットコースターっぷりは、下手したらコントに見えるレベル。そりゃ魔女化もするわ、という恐ろしいまでの説得力だ。
 
 しかし、そんなドタバタも、杏子のキャラクターがビビッと立っているおかげで、「利他」「利己」の対比が鮮やかになり、上手い具合に悲劇として仕上がっている。このあたりの配分は本当に脚本が上手いところだと思うのだが、地上波版でもすんなりといった「敵から味方へ」という心情の変化が不自然でなく、杏子がちゃんと短時間で「格好良い奴」になるのである。このあたりの仕事は、多分地上波版以上の仕上がりになっていると思う。個人的には、最後に廃ビルでさやかがほむらに脅されて、そこを杏子が救出しにくるシーンがカットされたのはちょっと残念だったけど。あれが無いと後編での杏子の「ひとりぼっちは」がちょと弱くなっちゃうんだよな。まぁ、尺の都合で仕方ない部分ではあるのだが。その分、救いの無さは水増しされており、さやかが激昂してまどかを怒鳴りつけるシーンは新規で描き直され、最後の一幕であるあの電車のシーンもライティングがいじられてより凄惨さが増している。さやかの「堕ちる」部分だけは、何故かやたら盛り込まれていて不憫さに磨きがかかっているのである。ひどい采配だ。
 
 そして、そんな鬱のどん底から「Magia」に繋ぐエンディングのエグさったら。劇場だからサラウンド音源、大音響の「Magia」に、あのアニメエンディングとほぼ同じおどろおどろしい映像、しかもスタッフロールが長いからフルコーラス。もう、あの「Magia」が聴けただけでも劇場に行った甲斐があるというものだ。そういえばオープニングは描き下ろし映像で新曲でしたね。地上波版の時に比べると映像の種類が減っていたが、徹底的にまどほむでキマシしてくれているのでまどほむ派歓喜のフィルムとなっている。必見。「コネクト」が流れないのはなんだか物足りない気もしてしまうが、まぁ、10話のために取っておいてるんじゃないかな。一応杏子がDDRで踊ってるときに流れてましたけど。
 
 結論:大スクリーンでイヌカレーは死ぬほど怖い。
 
 以上です。

拍手

 念願の、本当に念願のイベントがようやく訪れた。今回の記事はいつもに増して恥ずかしいことも平気で書けそうなものになっているので、お読みになる方はそのあたりを覚悟してから読むようにして下さい。
 
 私が声優ファンとなったのはおよそ2000年前後のこと。きっかけとなるのは「開闢の祖」である桑島法子なのだが、その病巣を順調に悪化させてくれたのがいくつかの声優ラジオ。順番からいったら「スパラジ」の方が早かったので荒鷲先生の影響もさることながら、未だ私の中では至高のラジオとして君臨し続ける「ぽぽらじ」によって、この流れは決定的なものとなった。考えてキレのいいボケをとばす浅野真澄、そしてボケる暇が無くて突っ込むしかない珍しい状態の桃井はるこの2人と対峙したのが、後に「ラジオの女王」の異名を持つことになる大原さやかである。
 
 その類い希なるやらかしてる感と、容姿や声とのギャップにメロメロになったファンも多いだろう。かくいう私もそんな1人で、その頃から「私の一番好きな声優」の欄には、常に「始原の名」と「至高の名」が刻まれ続けている。この2人が、生年月日にしてわずか6日しか違わないというのも何とも縁深いものである。
 
 さて、そんな至高の存在、言ってしまえば私にとっては神にも近い存在である大原さやか様(以下さぁや)が、単独でトークショーをやるというのだから黙っちゃいられない。前日のドラフトも早めに切り上げて、一路関東へ。開催地は昨年もお世話になった慶應義塾大学理工学部、矢上キャンパスである。この地の、収容人数が200人程度の大教室に、我々ファンが結集した。ご本人は「人が来てくれて良かった」と宣っていたが、そりゃ集まるわ。駅のホームアナウンスに始まり、各種携帯電話や百貨店館内放送、はてはgoogleの翻訳音声までもを任された「日本を代表する声」に、人が集まらないはずがない。しかも面白かったのは、今回集まった面々は、いつものお友達(年齢層やタイプなどで大体同族と分かる面々)に加えて、頭に白いものが混じった年配の方々もかなり多く見受けられた。一体、さぁや旋風はどのような層を相手に巻き起こっているのであろうか。また、普段のイベントではまず見られない「年配のご婦人」も何人かおり、普段見慣れた「声優イベント」とはちょっと違う、不思議な空気があった。
 
 とはいえ、一度イベントが始まってしまえばそんな不思議な感覚も一切無くなる。そりゃそうだ、会場に集まっている人間はみな同じものを見るために、聞くために集まっているのだ。ひとたび主役が現れれば、そこに迷いが生まれるはずもない。一糸乱れぬ喝采の中登場したさぁやであったが、わずかに数秒で、会場の空気を全て持っていった。これまで幾度となく写真や映像で見ているその姿を、初めて生で見る。しかも、今回はくじ運が良くて座席は前から4〜5列目といったところ。言ってしまえば目と鼻の先に、「神」と敬うその人がいるのである。なんか、入場直後から泣きそうになった。マジで、自然に敬服した。もう、AKBの卒業なんちゃらで号泣してるおっさんとかを馬鹿にしたりしません。人間、感極まるポイントってのはそれぞれなんです。
 
 イベントの内容は、割とスタンダードな「学祭イベント」であるが、やはり主役の性質に合わせてか、アニメ中心というよりもナレーションなどを交えたものになっていた。キャラになって様々なアナウンスに挑戦してみるコーナーや、毎度お馴染み質問コーナー。名言「COOK DO!」が飛び出し、会場は爆笑の渦に包まれた。人妻になって割と日が経つというのに、お料理の方は相変わらずのようである。まぁ、さやカレーから劇的にレベルアップするかと言われると不安は大きいが……いやいや、そんなこたぁ無いよね。川澄綾子のお力さえあれば、料理なんてあっという間に上達しますよ。本人もキャラ造りのためにああいうネタを振ってるんですよ。……多分。
 
 続いてこちらもお馴染み、お悩み相談コーナー(別名、煩悩罵倒コーナー)、そして「人生初」になるらしい、客前での朗読イベント。この日は何故か怪談話を朗読するという、ご本人の性質を考えるとなんとも酷な内容だったのだが、驚いたことに、客前でのアフレコなどではない「朗読」にチャレンジしたのは今回が初だったというのだ。これは会場も皆驚いた。ここまで「朗読向き」の役者が、今までそういった機会を持っていなかったというのは本当に意外である。折角の機会の大きな損失。出来ることなら今後はこういうイベントで積極的にやってもらいたいと思う。
 
 そして、ラストはお約束のプレゼントコーナー。大体の場合にはサイン色紙やグッズが数個抽選で配られるのがセオリーだが、今回はそれに加えて、なんと生台本(サイン、当選者名前入り!)という垂涎のお宝が3つも繰り出された。「夏雪ランデブー」の3話、11話、そして「TARI TARI」でまふゆさんが一番しゃべった6話。もう、これは家宝になるレベル。「○してでも奪い取る」レベル。必死に念を送るも、まぁ、当たらないことくらい知ってるのさ。当選した方々、おめでとうございます。いつでも僕にくれていいんだからねっ!(ちなみにググったら一発で当選した人のブログがヒットした。ウラヤマシス)
 
 という感じでイベントはつつがなく(巻き気味で)終了しました。こうして文字に起こしてみると(あんまりイベント中にメモとか取らないんで細かい部分まで覚えてないから)フツーの展開に見えるかもしれないが、まぁ、その場に居てご覧なさい。すげぇから。毎回声優イベントにいくと「発声、声量がまず凄い」というのに驚くが、この人は本当に「ラジオの女王」なんですよ。今回は一緒にイベントを回している主催者の学生さんもなかなかいいキャラだったこともあるかもしれないが、とにかく会話のテンポに一切の空きが出来ない。自由奔放なトークながら、しっかり場を回し、湧かし、繋いでいく。最近ラジオがあまり聴けていなかったのでとても懐かしく感じたが、「あぁ、そういえばこの空気に惚れたんだなぁ」ということを再認識しました。さぁやのしゃべりは、本当に見事です。そして、それに一切作りの空気が無いのが凄いんです。若手なんかだと特に「頑張ってイベントを回しているな」ということを感じることがあるわけだが、「頑張っているな」と感じさせるのではまだまだ二流ということ。それを感じさせず、ありのままの空気で笑いっぱなし、感心しっぱなしの1時間を作れるのが真のイベンター、真のラジオパーソナリティ。この人の場合は確実に天然だが、それだけに、真似できない芸になっているのである。
 
 「現人神に逢う」という、人生の目標の1つは無事に達成された。しかし、一度見てしまったからには、もう、早く次が欲しくなって仕方がない。素晴らしいイベントを本当にありがとう。そしてこれからも、一生涯の大原さやかでいてくれることを。

拍手

10月5日 ドラフト模様(RTR×3)
ピック順 【Alessi】→【Thraxi】→【Serra】→【Mei】→【Sangriter】→
 
 今年もやって参りました。年に1度のお楽しみであるセット更新である。まぁ、最近はラージエキスパンションが増えてしまったせいであんまりお得感はなくなってしまったかもしれないが、突然全てのパックから出てくるカードの価値が分からなくなるカオスぶりはなかなかのもの。そして、今ひとつコンセプトが分からず微妙な評価だったアヴァシン環境に比べて、今回は個々のギルドがはっきりと個性を示すあのラヴニカ世界だ。きっと面白いリミテッド環境が待っているのだろう。待っているに違いない。事前のリストチェックで「やたらクリーチャーが地味」とか思った気もするけど、多色環境なら何とかなる。なんとかしてくれ。ちなみに今回は諸事情により1人少ない気がするが、多分来週からは6人に戻っているって、おっちゃんは信じてる。

拍手

○「神様はじめました」 5

 今期は少女漫画関係もなかなか充実しているが、そんな中から期待の一本がこれ。なにせ、久しぶりの大地丙太郎監督作である。調べて見たら、地上波長編では2006年の「僕らがいた」以来なので6年ぶりなのだ。まぁ、諸々のチャンネルで「ギャグマンガ日和」とかしょっちゅう見るし、つい最近までアニマックスで「十兵衛ちゃん」をやっていたからあんまり懐かしいって感じもしないんだけどさ。

 お話の方はタイトルから想像がつく感じのもので、設定としては「会長はメイド様」とか「スキップ・ビート」なんかを思い出す。家庭があまり恵まれていないそれなりに芯の強そうな女性主人公が、男に引っかけられて面倒ごとをを背負い込んで戦っていくパターン(まぁ、こんな大きなくくり方したら大体引っかかりそうな気もするが)。石田彰ボイスの神様を信じてしまうという誰が見てもアウトなフラグを立ててしまった主人公の奈々生が、一夜明けて気付けば土地神様である。「神様」っていうキーワードだと「かみちゅ」とか「猫神やおよろず」とかもイメージさせるね。神道の道具立てって古めかしいけどありがたみがあるし、色んな妖怪などのファクターに繋げやすいから、割と使われてるテーマなのかも。

 1話目の印象は、予想通りというか、予想以上にテンポが早いということ。会話の息継ぎすら切って切って嵐のようにカットを割っていくのはいかにも大地監督らしい見せ方で、奈々生の身に起こった信じられないサプライズが次々に繰り出されるこの世ならざるものによって組み上げられていく。最初のナレーションにはじまり、2人の小坊主の煽りなどでスピーディーに繋がっていくシーンを見ていると、よくもまぁこれだけのものを描いて回せるもんだと感心する。この速度が維持出来るのは桜井弘明とか、最近だと水島努くらいのもんじゃなかろうか。普通に考えたらおよそ思考が追いつかないレベルのスピードなのだが、話が分かりやすいこともあり、とんとん拍子で詰まれていく話のメリハリを見ているだけでも楽しいと思えるのは流石。相変わらず画面は可愛らしいし、久しぶりにこの好き放題の大地ワールドを堪能出来そうである。少女漫画って普段あまり接しない媒体なので、どんだけベタでもまだ飽きが来にくいから助かりますわ。

 情報の速さ、濃さという点でいうと、ほぼ全ての歌詞が画面上に織り込まれたOPも割とお気に入り。こういう遊び方もいかにも、っていう感じがするし。キャストにもナレーションに久しぶりの山崎バニラを起用していたり、本当に各方面から愉快な演出が多いのである。そんな中、主人公の大役を任されたのは、ピンでメインって実は初めて(?)な三森すずこ。奈々生はほぼ彼女の地声と同じくらいのやや低めのトーンだが、キャストにも難行をふっかけるであろう本作で、更にもう一歩上にいけるかどうか。

拍手

○「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」 4

 この中に一人、妹がいるよ。これがハーレムアニメだっ! という筋を通しまくり、結果的にその筋だけが残っているという恐ろしい作品。ここまでされると逆に驚くレベルで迷いを断ち切った、ある意味現代アニメの粋と言っても間違いでは無い気がするが、そのこと自体が大きな間違いな気もする作品。

 少し前までは必死に実の妹を探していたラノベ世界だが、今回は冒頭から嫌というほど妹である。誰がどう見ても妹、自他ともに認める妹。しかし、非常に残念な妹。「兄を溺愛している妹」という設定はこれまでいくつもあり、「おちんこ」なんてど直球だったし、言ってしまえば今期再放送が始まっている「俺妹」だって似たようなもんだろう。しかし、この作品は、そんな「飽き飽きしたぜ!」の声に対しても、「いやいや、もっと面白くなる新しい作品なんですって」というこすい売り方ではなく、「黙れ! ブラコン妹をそのまま使って何が悪い!」と開き直ってしまっている。これ、当然ラノベ原作なんだが、一体どういう層に売れているものなのだろうか。謎は深まるばかりである。

 そして、このアニメは謎の一端を垣間見せる力がある。監督は川口敬一郎。SILVER LINKでは初仕事のはずだが、この人はとりあえずドタバタギャグをやるならはずしはしない。今作の場合も、おそらく自分が何をすべきなのか、充分に理解している。この1話の脚本、実はものすごいことになってるんですよ。何せ、まず妹と兄が何故今まで離ればなれだったのかが分からない。そして、何故今になって再会して2人暮らしをすることになったかも分からない。何故寮に住んでいるかも説明していないし、その寮に学園の生徒会メンバーが一気になだれ込んできた理由も謎だ。あらゆる謎は投げっぱなしで、とにかく「そこに妹がおり、その妹が兄を溺愛している」ことだけが分かる。1話で衝撃の事実を告白させた「おちんこ」とはエラい違いである。

 もちろん、多分今回起こった諸々の事情説明は2話以降で行われることもあるのだろうが、とにかく1話目ではそうしたものを全てなげうって、ひたすら「兄は妹に迫られる」という事実と、「兄はそれをかわし続ける」という事実、更に「兄を狙うライバルが一つ屋根の下に大挙している」ということが分かり、それは全て「妹の偏愛」に収束する。姫子という妹ヒロインさえ全力で描ければ、それでいいという1話目なのだ。これ以上ないくらいの決意表明、これ以上無いくらいの内容説明ではないか。Aパートなんて延々自宅で兄妹がどうでもいいことしゃべってただけだもの。えらいこっちゃ。

 しかし、それでも何となく見てしまうのが悔しい。別に川口監督が特別上手いとも思わないのだが、とにかく「振り切ってしまっている」ので、その勢いに負けた形だ。キャラクターデザインも色々と諦めたり挑戦したり、潔い造形を徹底させており、風呂シーンの人体としてはおかしすぎるムチムチ感はどうして良いのか分からないレベル。エロい……のか? そもそも妹キャラにあのムチムチきょぬー感が求められているものか。まぁ、他のキャラも色々分かんないけどさ。一番分からないのは生徒会長かな。あいつ、絶対人望無いだろ。どう考えても叩かれる以外の選択肢がなさそうな駄目テンプレキャラしか寄り集まってないのに、そのことにすら一切説明を要さず、色に狂ったかのような熱烈アプローチに理由付けをしない時点で、我々は考えることすら許されていない。「このキャラ、とりあえず見とけ」とぶん投げられただけだ。ひどい話だ。川口さん、あんた男だよ。そして、多分これ書いてる原作者も救いようが無いくらいに男だよ。

 さぁ、2話目以降を楽しむことが出来るかな? 出来なくても特に悔しくないぞ?! ちなみにメインヒロインである秋子役は、新人さんである。「なんかアカンな」と思って聞いていたのだが、なんとなんと、まだ14歳だと。あかんやろ、流石に義務教育終わってない人間にあんな役やらせるのはどうかと思うぞ。中学生だと思って聞けば、実は案外上手いのでは、という気もする。回りを取り囲むのはキタエリ、下田、茅原という面々で、主人公役はいつの間にか自然に業界に溶け込んだ逢坂良太だ。うーん、これでいいとは思うんだが、まずもってキャラがどうなのかも分からないからOKというのも躊躇われる……なんやねんこれ。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2025/11 12
S M T W T F S
17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[11/12 とみしの]
[10/29 とみしの]
[10/22 とみしの]
[10/15 とみしの]
[10/10 とみしの]
バーコード