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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 本稿は諸事情により、Magicにおける両面カード風に編集しております。


○「夏雪ランデブー」 5

 ノイタミナ枠後半。原作は当然知らないわけだが、よくもまぁ、こういう埋もれた(?)少女漫画の素材を引っ張り出してくるもんだと感心する。こういうことが出来るアニメ枠っていうだけで、価値はあるんだよなぁ。

 最初はちょっと主人公の男がひねてるだけのラブストーリーなのかと思ったら、まさかの旦那登場で事態が急変。どこかで見たと思ったら、これってノイタミナで言ったらそのまんま「あの花」と同じ設定なのか。いや、幽霊が絡むお話なんてラブストーリーに限っても前例は山ほどあると思うが、「野郎にだけ野郎が見える夢も希望もないあの花」だと思うとちょっと面白い。中村悠一に福山潤が見えて、ゆうきゃんが悪態ついてるのを福山が他人事のように茶化しながら観察する。なんかこれだけで面白い。この設定で展開されるシナリオがどういう方向に進むのか、っていう、それだけでも充分楽しめそうだ。世にも珍しい「花屋アニメ」っていうのも気になるポイントだしね。

 監督は久しぶりに大役を任された松尾衡。こういう雰囲気の作品は初めてな気がするが、確かにキャラの造形や、音響の被せ方なんかは特有のリズムが出ている気がする。この感じだと、多分今回もプレスコなんだろうな。すっかりプレスコの名手みたいなイメージになりつつあるが、元々好きな監督なので、原作有りで基盤がしっかりしたお話なら、充分に満足いくものを作ってくれるんじゃないかという期待はある。良い火曜日が過ごせそうです。
 



 
○「夏雪ランデブー」 8

 あかん! 無理! これは無理! 正常な精神状態で視聴できない! もう、開始から終了まで、ずっと腹部に悪性腫瘍抱えたような状態で見てた! 死ねる! もう死ぬ!

 「ノイタミナ大原さやかアワー」後半の部だが、「2本続けて見られるの? やったね!」なんて気軽な気持ちはバッキバキにへし折れた。持病がある人間が甘いものの濃度を急に上げて摂取すると血糖値が上がりすぎて命に関わるとか、そんな感じ。これで死ぬなら後悔は無いけども!

 すごかったですわぁ。「後家」「天然」の2大要素を抱えて登場した今作ヒロイン六花さん。でこっぱちでいきなり頭に絆創膏というとんでもない登場の仕方だったが、どう考えても30歳とは思えないそのド天然っぷりがあざとくてずるい。そのくせ、旦那の話をするときには突然年相応の女性の顔になる。何それ! そりゃぁ主人公の亮介君じゃなくてもコロリですわ。最初は「この主人公のストーカー気質はかなりキモい……」とか思ってたけど、そりゃぁ仕方ない。これは男に罪はない。あれは全部誘ってる方が悪い。

 駄目だな、どんだけ文章書いても冷静にならんな。極限まで煮詰めたさぁや分をたたきつけられると、人はかくも脆いものなのか。もういいや、今期はこれで死ぬよ。マジで。前期に「Fate/Zero」見てた時に「やったね! ついに初のメインヒロインだね!」とか思って楽しんでたわけだけど、もう、今となってはどうでもいいや。雄山の鮎喰った京極さんの気持ちが今分かったよ。「なんちゅうもんを喰わせてくれたんや……これに比べたら、アイリスフィールなんてカスや」。

 というわけで、「未亡人声優」の真髄を余すことなく堪能する作品として、毎週正座しながら過呼吸状態で見ていきたいと思います。これでプレスコ演技入りとか、本当に犯罪だと思う。ノイタミナは我々大原省職員に何か思うところでもあるのだろうか。「ハチクロ」の理花さん(未亡人)、「空中ブランコ」の2話の奥さん(離婚済み)、「四畳半」の景子さん(非実在)、「あの花」のじんたんママ(故人)、「うさぎドロップ」のゆかりさん(未亡人)…………すげぇラインナップだ! (既婚で伴侶が生存している事例が「放浪息子」のみ) 

 自分の誕生日に入籍したらしいですよ。記念日とか覚えられないから。うん、それ知ってる。現実世界では、ちゃんと記念日は旦那と祝いなさいね。

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○「もやしもん リターンズ」 6

 今期も多数ひしめく「2期もの」の中でも、最も長いブランクが空いたのがこの作品。1期の放送はなんと2007年秋。つまりあれから5年の歳月が経っているという……その間、俺は……………………

 さておき、1期の時も原作をほとんど知らない状態で見て、かなり面白かった印象が残っている良作。ただ、当時の感想を見てみると、「面白かったけど後半になるにつれてシナリオがどんどんグダグダになった」と書いてあり、確かに、そうだった気もする。結局、蛍の奇行の理由がよく分からなかったり、直保が悩んでいることがいまいち伝わってこなかったり、大学青春ストーリーとして見ると、不備もちらほらあったんだった。でも、この作品の場合にはそうした側面はどうしてもおまけに見えてしまうからね。あくまでも主役は菌だ。オリゼーたちが賑やかにかもしてくれればそれで良いと、そう思える愛らしさがある。

 5年の歳月を経て、あの当時「すげぇ!」と思った菌のCG処理なんかはすっかり普通の技術になってしまっているが、オリゼーたちが愛らしいことに変わりはない。やっぱり「菌を主役に」っていうこの漫画のアイディアは実に秀逸で、「菌が見える設定」のおかげで今回の1話のようにドラマが作れてしまえるし、この設定を中心に世界が動かせるおかげで、絶対に「菌アニメ」というジャンルから外れる心配も無い。なんで深夜アニメを見てこんなに真面目なお勉強が出来るんだろう、と驚きである。しかも、単に「菌知識」だけを垂れ流すだけならば退屈な教育番組に成り下がるおそれもあるのに、そうした退屈さは感じさせないのが上手い。これも菌たちが可愛いのが一番の理由だと思うが、シナリオを進めながらポイントを絞ってのレクチャーにしているおかげで、あくまで「アニメの中の豆知識」としてお勉強が出来るのである。良い作品じゃないですか。

 あとの課題は、1期の時に消化不良気味だった「キャンパスアニメ」としてどれくらい見せてくれるか、っていう部分になるんだろうか。1話目はこれだけ久しぶりの放送にも関わらず、ほとんどキャラ紹介のような復習要素無しでの本編突入というチャレンジに挑んでいるわけだが、1期を見ていた人間ならば、容易く全ての設定を思い出すことが出来ただろう。それだけ、キャラは濃いし、見ていて面白い。2期目に入って一体何が起こるのかはさっぱり知らないが、これはこれでちゃんと楽しめそうである。

 あとはまぁ、この作品の神がかっているところといえば中の人なわけですよ。今期ノイタミナ枠は有無を言わさぬ完全無欠の大原さやかアワーとなる。ここまで純度の高いご褒美設定は実に久しぶりで、この時代に巡り会える至福を大切にしていきたい。何しろこの作品に登場する遥さんは、「最も中の人に近いキャラ」というので(俺の中で)大評判。1期放送時の「生肉好き? 耳噛み千切ってもいい?」は、歴史に刻まれた名台詞として私の人生に大きな影響を及ぼすものとなった。ドS! 酒乱! 育ちがいいせいでの無知! 完璧!! 実はそのサポートにさらに酒乱の能登麻美子がいる、というのも非常に点数が高かったりもする。その他、野郎連中(蛍含む)のキャストも誂えたかのようにぴったりだし、樹教授役の西村知道があまりにもぴったりすぎてきゅんきゅんする。もちろん、オリゼー役の冬馬由美は言わずもがなだ。

 あと、今回のエンディング、一発でお気に入りになってしまったんだがどうしよう。これと「エレメントハンター」のエンディングで、お子さんを理系に育ててみるのはいかがか。

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○「DOG DAYS’」 4

 今期もかなり多めの2期作品が詰め込まれておりますが、こちらは割と間が空いて1年半ぶりの2期目ってことになりますか。無事にコレが作られたってことは、1期はちゃんとニーズがあったってことなんだろうなー。

 これを見た後に、改めて1期分の自分の感想を読んでみたのだが、なんか、割と毛嫌いしていた模様。何をそんなにめくじら立ててるんだろう、と思い返してみると、やっぱり「予想してたもんと違う!」っていうのが一番のダメージで、せっかくセブン・アークスで草川監督が指揮を執っているのに、大した活劇も見られず、掃いて捨てるようなヒロイン勢が何をするでもなく出ては消えていくだけのだらだら展開が気に入らなかったんだろう。確かに、「何かが見たい」という明確な意志で見る作品じゃないわなぁ。

 ただ、一度諦めてから改めてこの2期目を見ると、既に覚悟が出来ているおかげか、「この世界観はありだよね」ってな気になっている。前回同様、1話目では一切シリアス要素を見せず(いや、前期は1話目が一番シリアスともいえるのだが)、とにかく最初から最後まで和やかに、賑やかにシンクの久しぶりの来訪を祝ってくれている。キャラクターもほぼ総出演で「あぁ、いたいた、こんな奴」ってな懐かしさもあり、この世界はこれでいいんだろうな、という得心がいく。大規模に展開されるアスレチックゲームを国民全体が楽しんでいるのはよく分かるし、前回よりもパワーアップしている気がするエンターテインメントとしての国ぐるみのショー・ステージは、なるほど、確かに楽しそうである。男の子たるもの一度くらいは「俺も三国志世界とかで無双乱舞を決めてみたいもんだぜ」と思うもんだ(いや、すまん、違うかもしれない)。そういう夢をシンクは叶えてしまっていて、それが楽しそうなのである。これはこれで理想のファンタジー、といえるのかもしれない。

 とまぁ、この世界の存在意義は分かったわけだが、だからって応援したいかと言われるとそうでもない。キャラは可愛いと思うのだが……なーんか画面にのると微妙なんだよなぁ。1話からキャラ絵が落ち着かないんだよ。目が大きくて整えるのが難しい絵柄だとは思うんだけど、もう少しビシッと固まったイメージが欲しいな。そして、やっぱりどれだけ言い訳はしても、この設定でこのユルさっていうのは、あんまり食い合わせがいいものだとは思えないんだ。かといって1期目みたいに無理くりシリアス要素を導入しても駄目だろうし……難しい作品だ。正直1期では草川監督が処理し切れていない部分はあったと思うんだけど、2期を任された西村監督はどう処理してくるんだろうか。

 もし、もう少しヒロイン候補が絞れてれば、視点も固まって見やすくなるんだろうけどなぁ。ただ、1話目では犬の国、猫の国に混じって、まさかのあおちゃん率いるリスの国が乱入。しかも1期の時には一切出番が無くて単なるお飾りでしかなかった美佳子幼なじみを無理矢理ステージに上げるという。この展開は予想外である。一体どんな三つ巴が完成するというのか。シナリオの期待度は、1期よりも高いかもしれないぞ。

 後はまぁ、今作の正しい楽しみ方は中の人を愛でること。堀江由衣率いる犬軍にはアスミスをはじめとして竹達・日笠などが並び、小清水率いる猫軍には花澤・寿らが控える。これにあおちゃん率いるリス国が乱入するってんだから、後は誰が出てくるんだ、って話ですよ。試しに公式ページのリス国のラインナップを見ると、内田真礼の名前がクレジットされていたりする。まぁ、こんだけ山のようにキャストが押し寄せてくると、それだけで埋もれちゃうかもしれないけどね……こんだけ人呼んどいて、水樹奈々だけ二役っていうのがよく分からんがすごいな。

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○「この中に1人、妹がいる!」 3

 今期8本目のラノベ枠。すげぇ量だな。そしてこのタイトル、もう、わざわざ観ずとも大体の内容が想像出来てしまうという。これ、歳がばれそうだけども見た瞬間に嘉門達夫の声で再生されるよね。

 でまぁ、予想通りというか、予想を超えてきたというか。これ、多分10年前でも「今更かよ」って言われる中身だよなぁ。この手のラノベに何を期待してるんだ、って話だけど、一番やるせないのは萌え要素として受け入れられない気がする部分。最初に出てきた黒髪の子、明らかにおかしいやろ。っつうか、登場キャラが全員痴女だろ。ラブコメ標榜するなら、もう少し出会いから発展させて関係を作るとこからやろうよ。全員スタート段階からご執心状態じゃ、名実ともに単なる「ハーレムもの」じゃん。しかも、あんまりこれうらやましさが無いよ。だって、怖いもの。「え? なんでこいつこんなに迫ってくんの? 正直引くわー」ってなるじゃん。ひょっとして主人公が知らない裏でデスゲームでも繰り広げてる設定なんだろうか。「見初められなかった生徒は全員死んでもらいます」みたいな。それなら1話目の展開も納得出来るけども……

 「伴侶候補と思われる一群の中に、実は妹が紛れ込んでいる」っていう設定も、今のアニメ設定の中じゃ普通も普通。そもそも血縁があるって明示されてる純正の妹だって迫ってくることが既に様式美として確立しているわけで、「もう、知らずにくっついたんだったらそれでもいいじゃん」っていうくらいのハザードレベルの低さ。「多数の候補者の中にジョーカーが紛れ込んでいる」ことを除いてしまえば、もうこの作品にオリジナリティは欠片もなくなる。いや、そもそもあったとしてもオリジナリティは無いけども。かつては関係者13人全員が妹だったこともあるんだし、「おねがいツインズ」なら妹ヒット率はなんと5割。あのときの麻郁君と比べたら、こんなミッションなんざ屁でもないのである。

 そして、ヒロイン配置についてももう少し馬鹿馬鹿しいことをしてくれるのかと思ったら、エンディングを見る限りでは5人ぽっきりで意外に少ない(いや、「妹=13人」という謎の定式をインプットしているせいだと思うが)。しかも、その5人の中にはどう考えても興味がなさそうな生徒会長・副会長なんて通りすがりまでカウントされている。そもそも生徒会長って3年生がなるものなんだから、高校2年の主人公の妹はあり得ないのでは……(細かい設定はしりません)。

 結局、これって設定云々は興味を引かれないので、あとはなし崩し的に「ひたすら迫られるというリア充主人公の面白くもない私生活を観るだけのアニメ」になると思われる。「To lOVEる」と同じ、と言われればそうかもしれないが。……いや、違うだろうなぁ。全体的にヒロイン勢が萌えないしなぁ。これ、見続けてるうちに好印象を持つようになるんでしょうか。ひょっとして、そのうち伏線回収して手がかり集めて、消去法によって学園中の女生徒からたった1人の妹を限定するっていう本格モノにするんだったら面白いかもしれない。「実は、ここにいる13人が全員妹だったんだよ!」「なんだってー!」

 まぁ、この手の作品について真面目に突っ込んだり文句言ったりするのも詮無いことですしね。ただ、1話目で期待するようなパートは特にありませんでした、というだけの話。制作はstudio五組。最近の仕事ぶりを考えれば、目立っちゃいないが悪いことはない。ただ、監督の名和さんがなぁ。すっかり「そっち関係の仕事で食いつなぐ人」みたいになっちゃったからなぁ。決して第一印象からずれて大傑作になったりはしないはずだ。

 となると中の人のことになる。メインヒロイン勢はかなり若手にこだわって集めた布陣になっており、石原夏織・佐倉綾音・日高里菜・大亀あすか・竹達彩奈というラインナップ。やたら低身長なロリ風味強めの陣容である。エンディングも歌っている5人組だが、芸人気質が2人いるのでユニットとしては使いやすい組み合わせだ(でもエンディングはユニット名ついてないんだよね)。きゃりさんはオーソドックスな仕事が求められているだけに、実は一番面倒くさい役回りと思われる。竹達はこの中だと一番キャリア積んでるから元締めポジション、里菜ちゃんもいつも通りだろう。あやねるは今期2本目のレギュラー、2キャラともやや強めのツンデレ風味っていうのは、業界的にそういう声が求められてるってことなのかしら。本人あんなんなのに。そして、衝撃だったのが、「この中だと亀ちゃんが最年長なのか?!」ということ。とてもそうは見えないのが亀クオリティ。是非「亀VSあやねる」の激しいつぶし合いを展開して欲しい。この2人の芸風は噛み合わない気がするなぁ……

 これだけ若手でまだ落ち着いてない面々が並んでると、ママさん役の久川綾も冷ややかな目で現場眺めてそうだ。隣にいる川澄に「最近の若い子は……」とか言ってそう。この陣容だと、俺も言いたくなる。

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○「輪廻のラグランジェ Season2」 4

 ジャージ部魂でおかえりなさい、第2期目。先週は総集編だったけども、おかげで今回割と自然に帰ってくることが出来たので助かりました。1期であまり熱心な視聴者では無かった身にとっては、正しい展開だったと思ってます。

 ただ、1期は正直あまり当たりとは言えない結果に終わってしまっただけに、2期も多少なりとも不安はある。なかなかこの作品独自のアピールというのがしにくいのが現状で、果たしてどこまで「2クール目だからこそ」という見せ方が出来るか。ここからが本当の勝負所だろう。分割とはいえ2クール分のお話が元々あるはずなのだから、ここから盛り上げてビッグタイトルになれるならば、1期で多少がっかりしたとしても、大義名分は立つのだから。1期の難点が「話が良くわからねぇよ」だったこともあり、2期でちゃんと「分からなかった部分の補填」が出来るなら、これはこれで楽しみである。

 しかし、1話目ではあんまりそういう切り出し方は無かったかな。前期1話で良い掴みだったウォクスのデザインや変型システムなんかは既に見知ってしまっているし、ズラリと登場するキャラクターについても、1期で愛着を持っていないならばあまり見るべき要素になっていない。個人的にメインヒロインのまどかのキャラは割と好きなので、「2期もなかなか良いスク水である!」とは思うのだが、世界があまり彼女の活躍の舞台として整っていない。なんだか1話目から最大の売りであるはずの作画面で微妙なパートが出ており、「せっかく分割したのに」という気分。一応、ヒロイン3人娘の衝撃的な立ち位置のアピールから始まった物語であるので、次回以降にガチンコでぶつかり合う姿を見れば、もう少し盛り上がるかもしれません。エンディングについては……個性的なのは良いことだと思うよ。まぁ、パンを焼くほどのインパクトはなかろうが!

 というわけで中の人のこと。まぁ、今回も全く同じ、石原・瀬戸・茅野というフレッシュな3人が同じように盛り上げてくれればそれで良いです。

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○「ココロコネクト」 5

 まだまだ続くラノベ新枠。てっきり、枠的に「あっちこっち」の後番だったので漫画原作なのかと思っていたのだが、実際はラノベだった。まぁ、その辺の線引きはあんまり意味もないんだろうけども。

 1話目はなかなか適切に評する言葉を探しにくいのだが、「割と最近見た色んな要素を寄せ集めた作品」といった印象。多分、何よりも大きいのがキャラクターデザインなんだと思う。まぁ、ぶっちゃけ京アニ風、更に突き詰めるとけいおん風。どれだけ意識してるんだろう、と思ったら、キャラクターデザインがかつて「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」で「なんちゃってけいおん」と言われた赤井俊文氏によるものだった。そして、「いくら何でも似すぎだろ」と思って更に調べたら、元々原作ラノベのイラストを担当しているのが堀口さんだった。じゃぁしょうがない。何周か回って正しいことが起こっているという、よく分からないセッティング。

 もちろん、元絵が似ているだけで作劇はけいおんとは全然違う。京アニの真似なんてそうそう出来やしないんだから当然ではあるのだが、今作の担当は「黄昏乙女」の興奮冷めやらぬSILVER LINKである。正直、あんまりSILVER LINKっぽくもない。というか、あんまり大沼さんらしくない。今回大沼さんは「総監督」とクレジットされているので、実際どの程度の関わり方をしているのかは謎だが、おそらく全体的なイメージを固めているのは監督名義の川面氏だろう。川面真也という名前は以前からちょくちょく面白い映像を見せてくれている人だったので気になっていたのだが、今回満を持しての初監督作品ということになる。これを機会に来歴を調べてみたが、元々の出自はどうやらビィートレイン関係のようだ。そこからJ.C.に関わって、今ここ。なかなか面白い実績である。一体どんな味わいを見せてくれるのかは今から興味深い。

 メインシナリオが「入れ替わりもの」ってことで、ベタなだけに描き方は易しくないが、1話目はボチボチの印象。この手のことをやられると「1話目でまだ個々のキャラクターも固まってないのに、入れ替わりとか言われてもピンと来ない。まずキャラの掘り下げからしてもらわないと!」っていう文句を言うものなのだが、この1話目の場合、何となくキャラが分かるような気がするから不思議だ。別に大した紹介もしてないはずなんだが……男女が入れ替わった直後に狙うのが胸、っていうのがなまじリアルで真に迫ってるからかもしれん。キャラどうしの掛け合いのテンポは悪くないし、ロケットスタートとまでは行かないが、後々の展開にほのかに期待を寄せるくらいのスタートにはなってると思う。あとはやっぱり、各々のキャラクターが分かってからでしょう。「何の目的もない寄せ集めの部活動」ってアニメじゃよく見るけど、リアルの学校じゃ絶対に許可されない存在だから、今のところ地に足がついてるとは言い難い状態ですんでね。勝手に納得してるのは、中の人イメージで置換してるせいかもしれない。

 そう、結局1話目は中の人で持って行った感がある。「男女入れ替わり物語」というやっかいな仕事を任されたメイン5人は、沢城・豊崎・金元・寺島・水島の5人。ふむ、なるほどこいつは面白そうだ。みゆきちは今回入れ替わりの被害者にはなってないが、彼女の突っ込みのおかげで強引な展開も自然に見られたってのは大きい。そして1話目で中心となって回した豊崎・だいちゅうのコンビ。だいちゅうは男女の幅をもって演技出来るところから引っ張られてきたんだろうな。ふわっふわした感じがなかなか面白い。そしてあいなまははっきりと「女の子」を意識させる役柄。このくらいの抜け方の方が、シリアスになりすぎなくて良いあんばい。おそらく、アフレコ現場ではだいちゅう先輩が「これが豊崎の真似だ!」という素晴らしいお手本を見せて盛り上げているに違いない。逆に「だいちゅうの真似」って案外難しい。その辺はこのキャスト陣ならきっちりやってくれると思うけど。

 あと、飛び道具だったのが眼鏡のサブキャラやってた伊藤静かな。テンションの高い迫り方がまんま中の人で笑った。そうか、確実に御前はあいなまの胸を揉んでいるわけか……

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「黄昏乙女×アムネジア」 6→7

 今期終了作品もこれでようやく一段落。いくつか書けなかったものもあるけど、これで本数は19本。まぁ、2クールものは終わらないタイミングなので、本数にしたらこんなもんですかね。そして、トリを飾るのがこの作品っていうのはちょっと嬉しいかもしれない。今期の中で何か一本選べって言われたら、悩んだ末にこれを推す可能性が高い。

 結局、何はともかく大沼心が好きなんだな。今まで監督作品やメインで関わってる作品でハズレって一本もないし。そして、今作はそんな相性の良い大沼監督作品の中でも、一際「上手く活きた」方向性の作品だと思う。まず、「怪しい」ってのが1つ。骨子となるのが怪談話で、メインヒロインは幽霊少女。つまり「あらざるモノ」を描くお話ということで、方向性としては「忠実に原作通りに画を組み上げる」人よりも、大沼さんみたいに「どぎつく自分テイストは入るけど、その分表現に幅が出る」人の方が有利。それに加えて本作はどうしたってギャグ要素、萌え要素は欠かせないものであり、脱力ギャグで経験値を重ねてきた大沼さんのホームグラウンドとしても機能する。独特の色遣いのセンスも、「怪しくて色っぽい」という夕子さんのパーソナリティを出すのに向いていたし、締めるところはしっかり締めるホラーへのスイッチも、カット割りの多い作風にマッチする。本当に、「大沼版」と言える作劇の展示会場みたいな状態になっていた。

 トリッキーな部分を見れば1話が面白いし、まっすぐな物語の描き込みがみたいなら6話がキツくて良い。それを足しあわせた大舞台は10話で用意されているし、その後の2話できっちり1クールシリーズとしてのけじめもつけている。ラストについては「俺の涙を返せよ!」ってな幕引きだが、これはこれで正しい終わり方だしねぇ。基本的にけちをつけるポイントがないのである。相変わらず「アニメのくせに動いてないじゃねぇか」と言われるとそう見える話数もたくさんあるのだが、矛盾するようだが、「動かさない動き」「止める動き」っていうのが見ていて楽しい作品ってのもいっぱいあるのだ。個人的には、そういう軸線をずらした方向で作品を組み立ててくれる人が好きみたいです。ひょっとしたら、「ぎゅんぎゅん動いて楽しいアニメ」を見るのとは全く別な脳のパーツに効いてるのかもしれません。

 ストーリーテリングにそつなし、映像はモロ好み。減点要素ナシのところに、キャストも基本的に加点要素だけ。福圓劇場、キタエリフィールドを中心に形成された空間で、堂々と主演女優をやりきった原夕実の胆力に拍手。最初はあまり知らなかったけど、今となってはこの人以外の夕子さんはいないと思える。もちろん、まだまだ伸び盛り。これからガンガン色んなところでスキルアップを目指して業界を席巻する美人のおねーさんになって欲しいもんだ。そして個人的には、やっぱり紫子さんが気になります(2回目)!

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 2話目もキレッキレやな、第2話。「新しく結成した合唱部が最終的に発表会に出られるように頑張っていくアニメなんやな」と思っていたら、2話目でもう発表会っていうね。「最後のチャンス」っていってたくせに、次から何すんねん。

 いやぁ、テンション落ちず。今回は正直言って「早すぎんだろ!」という突っ込みが色んなポイントで発生する展開になっておりますよ。発表会出場もそうだけど、「合唱部出来るの早すぎ!」「部員集まるの早すぎ!」「和奏ちゃんデレるの早すぎ!」などなど、普通のアニメなら「多分このあたりの要素で1話分だな」とか思っている要素がものの数秒で片付くという。ばしばし予想を裏切ってくれる恐ろしい作品となっております。

 しかし、その分期待は裏切らない! 前回の雪辱に燃えた入浴シーンは、なんと禁断の天丼である。「もうやめろって!」じゃねぇよ! こっちの台詞だよ! 無駄にいい画で艶めかしく見せてるんじゃねぇよ! そして、今回はその他のギャグのテンポも恐ろしく詰め込んでハイテンポ。サラッと流す容赦無い見せ方がやたらと癖になる。冒頭のウィーン空回りのところとか、かなり意図的に構成と音響いじってあの雑多な雰囲気出しているのが楽しい。その他にも「生臭坊主」のくだりとか、紗羽ちゃんのおふくろさんのキャラとか(P.A.作品で麻美子が出てくると「巴さん!」って思うよね)、校長の訳の分からんキャラ作りとか、病院での遭遇とか、産婦人科のシーンとか。登場キャラクターが総出でボケに回るってのはなかなか無いセッティングよね。現状真面目なの教頭先生だけじゃんよ。

 もちろん、そんな楽しげな雰囲気を醸し出しつつも、真っ当なシナリオ面も問題無く進行している。結局発表会がどの程度の意味があったのかがよく分からないところだけは次回以降に持ち越しだが、ちゃんと来夏の雪辱については「何があって、何がしたいか」は伝わって来たし、「真面目に合唱をやる」ことの意義は伝わってくる。来夏ちゃんは普段ノリが軽いのに、合唱することについては裏表無しでまっすぐなのが良いね。残りの面々についても、合唱をやることに対しては思いの外真摯なのですよ。この姿勢が無いとクライマックスは映えないのでね。あとは気になるのは教頭先生と合唱曲の関係くらいかな。あの曲を一度封印しようとしたのは一体何故で、それを来夏に再び与えることにしたのは何故だったのか、という。普通に考えたらやっぱり「教頭が作った曲だった」っていう展開だよね。教頭は来夏に随分こだわっているみたいだけど、同じように校長は和奏に何か思うところがあるみたい。まぁ、まだ分からないことはありますわな。

 そして、それらの「なんか賑やかで忙しないエピソード」を締めくくり、ちょっとくらい分からないことがあってもいいや! と全てを吹き飛ばすのが、ラストの合唱シーンというわけだ。クライマックスではさぞかし良いものを見せてくれるだろう、と思っていたわけだが、2話目からいきなり素晴らしいものを見せてくれました。瀬戸・早見のコンビというだけでこの完成度。そりゃま、これが出来るから採用されたキャストだってのは分かっていたが、やはり見せつけられると圧倒される。ちゃんと「合唱曲らしさ」がフォローされているのがすごい。前回気になった来夏、紗羽の2人エンディングイラストは、今回のエピソードに続くものだったのだね。まだ遠くで見ているだけの和奏が、2人の間にいつ入ってくることになるのか、それが楽しみで仕方ないのです。

 正直、始まった時には「歌うことがメインのアニメ」ってどの程度作り込めるのかな、っていう不安はあったんだけど、これなら何の問題も無くいけそうだ。

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 突然思い立っての企画を実行に移す。新番チェックで大わらわなこの時期に何やってるんだろう、と思わないではないが、時季を逃すともう2度とチャンスがなさそうなので、どさくさに紛れて発進させることに。

 企画というのは、「地獄少女三鼎」の全話レビューである。この文書は、実は「三鼎」の放送当時(2009年に放送終了しているので既に3年前か)に、完全に自分に向けて執筆したものである。このブログを始めたのが、放送が終わった2009年の6月。ぎりぎり記事が載らなかったわけだ。実は、この全話レビューにチャレンジして書ききったことが、「もういっそブログ始めりゃいいじゃん」という踏ん切りになったという背景もあったりする。

 で、そんな記念すべき作品である「地獄少女三鼎」が、このたびAT−Xで再放送されることになった。そこで、せっかく書いた文書なんだから、一応あげておきたい、という気持ちが高まり、放送に合わせて1話ずつ載せていこうと思ったわけである。改めて読んでみると、本当に大好きだったことがよく分かる文面。週に1本だけの感想だとここまで身を入れて書けるんだなぁ、と懐かしく思う。今回、改めてブログ掲載するに当たって多少の修正などは加えるが、基本的には当時の状態をそのまま載せることになる。気合いを入れて書いているので、私のアニメ視聴のスタンスが一番よく出ている文書だ。多分、わざわざ見に来る人もいないと思うが、もし、なんかの機会に「三鼎」を初めて見る視聴者が現れた時に、うっかりこのページに引っかかってくれたら幸いだし、当時見ていた人は、懐かしい作品を改めて見直すきっかけになれば良いなぁ、と思う。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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