最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
もう間もなく公開が終わっちゃう! ってんで、最後まで悩んではいたんですが、結局行ってきました。せっかく見られるのに見に行かないのは、やっぱり勿体無いよね。見ようかと思っても「トワノクオン」とかだと劇場が遠くて面倒だものね!
というわけで、ちょっと前に観に行ったのですが、既に時期も去り、1日2回上映という少ないスケジュールになっていた本作。平日朝にはもう客もおらんだろうと思っていってみれば、これが案外いる不思議。公開が終わる頃だから、最後のリピーターが来ていたんでしょうかね。当然、客層はそちら方向のおねーさまがたが多くお越しになっていました。ご立派です。 正直、そこまで期待した作品でなかったんですよ。アニメ1期は好きだったけど、2期目はシナリオを真面目に(?)やりすぎてあんまりパーリー出来なかったし、アホな内容とはいえ、あの大舞台である関ヶ原を2時間程度の劇場版でやるなんて無茶な話。どうせ馬鹿活劇のダイジェスト版的なものになるんだろうということは容易に想像出来た。一応記念程度に、というレベルのモチベーションである。 で、終わってみてだが……馬鹿だねぇ。本当に馬鹿だねぇ。面白いか面白くないかと聞かれたら、面白かったですよ。割と画面にはかぶりつきでしたよ。吹き出すのを堪えるのに必死だったシーンもありますよ。このノリはねぇ、腐女子向けアニメ云々とかじゃないね。古き良き「東映まんが祭り」の香りだ。とにかく意味は分からないけどでっかい敵がいて、それをよく分からないうちにでっかい技でみんな協力して倒す。非常に明快で盛り上がれる、日本男児カタルシスですよ。思い切ってここまでの構成にしたのは、スタッフ陣の手柄じゃないかと思います。そこは素直に賞賛して良いかと。 (そういえば、一応以下は「ネタバレ」になりますので注意が必要です。まぁ、気にする人はいないだろうけど) 先に不満な点を上げておくと、どうしても政宗と幸村をメインにしなければならないという縛りのせいで、キャラの見せ方がぶれてしまったことだろう。本作は関ヶ原をメインの舞台として描いているのだから、視点としては三成と家康を中心に持ってくるのが妥当なはず。振り返ってみると、実際にストーリーを引っ張っていたのはこの2人であり、幸村と政宗は、単にどさくさに紛れて喧嘩に混ざった傍観者の立ち位置でしかない。仲裁役の慶次の方がいい動きを見せていたくらいだろう。 そんな状況で、(シナリオ上は)不必要とも言える政宗の描写、幸村の描写に時間を取ってしまったのは、テンポを悪くする一因になってしまっている。信玄候から位を賜った幸村についてはまだドラマがあるのだが、政宗については、あれだけ猪突猛進を小十郎に怒られ続けていたというのに、今回も冒頭で三成とタイマン挑んで負傷、加えて幸村との遭遇イベントでは他人の制止も聞かずに喧嘩をおっぱじめて、最後の大決戦では特に見せ場があるわけでもない。単なるアホの大将である。まぁ、もともとそういうキャラなので仕方がないといえばそれまでだが、今回はそんな政宗の行動が全て悪い方に動いてしまっていたので、あまり爽快感に繋がらなかったのは残念であった。 あと、これは完全に個人的な恨み節だが、今作は「BASARA3」を扱った作品だったはずなのに、孫一が出てこない。鶴姫も出てこない。いや、出てこないことは覚悟してたけどさ、一応3が舞台ならその辺のキャラに一言でいいからしゃべらせてくれれば……ぶつぶつ。今回かすがにすら出番がなかったじゃないか。キャストクレジットで「夢吉・桑谷夏子」って、そっちでしかしゃべってねーのかよ。うーむ、残念。 とまぁ、何点か不満は出たものの、大筋の流れは与えられた時間枠でちゃんとおさまっていたし、特に関ヶ原突入後のお祭り騒ぎはこの作品の魅力がたっぷりと詰まった見事な晴れ舞台。個人的に一番良かったのは、これまで一切登場していなかった「新キャラ」であるはずの石田三成のキャラクターが明確にたっており、そこに人間的な魅力が感じられたこと。今回一番格好良かったのって、三成だと思いますよ。「絆」をもって日の本を平定することを望む理想家の家康と、ただひたすら失われた主君の仇討ちのみを考えて孤軍奮闘する三成という「和と個」の対立が綺麗に出ていて、合戦のメインテーマが見やすくなっていたのが良かった。最後の大谷刑部の翻心についてはちょっと分からない部分もあったが、ちゃんと三成にも救いの未来が与えられるエンディングも良し。やっぱりいつの時代も友情で努力が勝利の鍵です。 そして、本来なら石田対徳川連合軍という歴史の分け目となる関ヶ原が、まさかの魔王討伐イベントになるというトンデモ設定が素敵。「これは俺の知ってる関ヶ原じゃない!」と叫んでみたものの、こっちの方が確かに「天下分け目の決戦」に見えるのである。完全に闇に堕ちたお市のポテンシャルと、それを巧みに操る怪僧天海(一体何者だってばよ……)の手による、ビッグイベント「魔王復活」。もう、このあたりになると、ひたすら好き放題やってくれた作画スタッフと、怪演・好演のオンパレードだった中の人たちを絶賛するしかない。あのイベントは、男の子だったら燃えざるを得ないだろう。あの魔王は倒すしかないだろう。ほんと、楽しかったです。 いい話的に終わった本編の後では、およそ2年ぶりに見られたあの雑兵ダンスもフルスロットル。いやー、馬鹿だねー。楽しいねー。あんな仕事しなきゃいけないって、戦国時代の足軽たちも大変だなー。 最後に、素敵な馬鹿を演出してくれた中の人たちについて1人1人。今作でMVPをあげるとしたら、それは三成役の関智一だろう。「普段通りのセキトモ」といえばそれまでなのだが、やっぱり彼の持つ熱血指数の高さと、高低を自在に操る没入度の高さは天下一品。「復讐に燃えた孤独な凶王」というとクールで地の底に沈んだような印象があるにも関わらず、三成はそれだけでなく、秀吉に対する盲目的な忠誠心、信仰心が熱く篤くたぎっている。そうした冷酷さと激情のバランスの取り方が、抜群なのだ。今作屈指の名シーンとしては、夜の山中で家康と三成が語り合い、決別するシーンを挙げたい。「秀吉様を過去と語るな!」って、いい台詞だと思うんですよ。 そんな三成に対峙する家康についても、大川さんが頑張ってくれていたと思うのだが、いかんせん主義思想が理想論で軽いキャラだったからね、三成の格好良さと比べるとちょっと水を空けられた感じ。あの真っ直ぐさは大川さんならではだと思うけど。その他、信玄候のいつも通りのテンションとか、小早川秀秋の本当に情けない風体とかは実に楽しかったです。福山潤々自由自在。そして悪役勢。魔王様の中の人については、もう「あー、何言ってるか全然分からん!」という投げっぱなし感がたまらない。声出すだけで芸になるって、本当にずるい。そしてそんな魔王の影で暗躍しながらも、最後は何故かコメディリリーフとして落ちていった天海。やっぱり速水奨はすごい。そんでお市役の能登麻美子ね。でも、今回のお市は強烈な武器を手に入れて自信を持っちゃったせいか、「2」の時みたいな不安定さが無くなってたなぁ。あのおどろおどろしい感じが好きだったんだけど。 あと、鳥肌が立ったシーンで言えば突如現れた毛利の大戦艦がお気に入り。あのシーンの元就の台詞も(はっきりは覚えてないけど)やたら格好良かった気がする。なんだかんだで、やっぱりダーティーヒーローの方が憧れになるもんです。 とにもかくにも、「BASARA」が好きな人間なら後悔しない出来になっているのは確かだ。さぁみんな、劇場へ行こう! もう終わってるけどな! PR 明智の最期、第14話。辛いお話になりました。これが群雄割拠の乱世の厳しさであることは分かっているが、こういう無情を見せられると、やはり色々と考えさせられるものがあります。 明智軍の包囲網は次第にかたまり、大きくなっていくばかり。加勢に馳せ参じようとした徳川勢にも、羽柴の軍勢が4万を超えたという絶望的な報せが届く。それでも義に殉じようと馬を向ける家康であったが、家臣から上がった声は「三方ヶ原を忘れたのか」という決定的な一言。あの戦での醜態は、家康の未来をも左右した決定的な教えである。意気に任せて進軍を決めようとした家康の表情が強ばる。 そんな状況は何も知らぬ光秀は、既に自らの時代が「三日天下」で終わったことを理解していた。わずかばかり残された部下との「最後の晩餐」では、未来を憂う必要も、部下を守る必要も無い、純粋な「楽しむための夕餉」を久し振りに迎えることが出来た。わずかな手間と発想で無念の晩餐に彩りを添える光秀。「武に尽くすより、数寄に興じてみたかった」と自らの無念が詰まった半生を振り返り、「武など美には勝てぬ」と達観した様子。しかし、時代の動乱を生み出した自らの進退については、きちんと1つのけじめを付けなければならないのも、彼なりの流儀である。 そんな光秀に対して、「反信長」という1つの旗印を拠り所に、延暦寺からの救いが差し伸べられる。信長の命とはいえ、本来ならば僧たちを攻め滅ぼした光秀に恨み言こそあれ、救いを差し伸べるなど想定の外。その信義に感じ入った光秀は、何とか最期の生に賭けてみる決断をする。落ち延びる山中において、延暦寺の僧たちも一枚岩ではないことをしらされることになったが、それでも自分を求める人間がいるのならば、その思いに答えてみせるのが武人である。 しかし、世はかくも無情である。結局、光秀は生を長らえなかった。どれだけ徳を積もうとも、あの「魔王」の下で働き続けた業は容易く祓えるものではない。最期に民を守りながら別れを告げる光秀の目には、燃え落ちる自らの人生そのものが、至上の「侘び」として理解される。一度は思いを異にし、事実、自らの進退を左右して人生に終止符を打つ直接の原因になった男、千利休。彼の身にまとう「黒」は、人生においては喪の色として扱われる。その「黒」に彩られた末期の一瞬に、彼は利休の思惑すら越える侘びの極致にたどり着くことになったのである。艶やかな色彩もいらぬ。余計な人生も、末期を見取る臣下も要らぬ。そして、下の句すら蛇足である。義に篤く、信義を尊んだ1人の武士は、こうして目を閉じたのである。彼の残した思いは、1足の足袋を通して、次の天下に受け継がれることになる。 そんな壮絶な最期とは一切関係無く、気づけば羽柴軍の目利き役として重宝がられることとなっていたのは、信長への思いから頭を丸めることになった古田左介である。数寄の道は信長への忠義、憧れが後押ししていた感情であり、目標を失った今、彼の目にはどんな大名物も心を動かすことはない。……とかいいながら、火炎土器を相手にするとやっぱり変な顔。確かに、これまで持ち続けた「数寄」への情熱は失われたが、彼の性根はどこまで行っても一数寄者。嗜好が遷移し、新たな美の地平を切り開く段階に入っただけで、そこから情熱が消え去ることはなかった。現時点において、彼の目指す道は明確には見えていない。あの事件のとっかかりとなった八角釜によって、新たな美の可能性である土器が粉々になってしまったことが、その「未だ成らざる道」の存在を端的に表しているだろう。 左介の行く道が正しいのかどうか、それはまだ誰にも分からない。しかし、あの明智光秀が最期に思ったのは、最期の一瞬こそ最愛の妻であったが、その直前には、「一途な数寄に迷いがない男」である左介の姿を思い描いている。少なくとも、1人の武人に憧れられた、理想の人生であることは間違い無い。時代は巡り、天下は変わる。左介の美、そして利休の美。大成の時は、まだ先のことなのだろう。
「電波女と青春男」 4→4
終わってみたらこんなもの、という感想。途中から、この作品を快適に見る方法を編み出したんですよ。それは、台詞類を特に聞かず、キャラの中身など一切考えず、ひたすら画と音として楽しむこと。そうすれば、これって立派なシャフト作品。そして、徹頭徹尾絵柄は可愛らしいのです。そういう意味では、実にクオリティの高い作品だったと思います。 1話目の時点でも、そのグラフィックの美麗さには心奪われたものです。西田亜沙子の艶のある絵をここまでアニメの上で再現出来たというのは実に見事で、女の子は40歳のおばさんにいたるまで、全員可愛らしい。中の人もそんなグラフィックイメージを崩すことなく、メインとなった大亀あすか・野中藍・加藤英美里の3人は、完璧にその任をこなしたと言って良い。可愛らしい絵が可愛らしい声を出しながら動く。そのことに何の不満があるだろう。普段作画というとふざけた方向にばかり尖ってしまうシャフトだが、こうして「綺麗な」画面で正々堂々勝負することもできるのであるよ(まぁ、コンテは相変わらずだけどさ)。 で、問題となる脚本部分なわけだが……まぁ、ほら、気にしないって大事なんだと思う。これも1つの「日常系アニメ」なわけだし、起こっている事象だけをのんびりと眺めていれば、案外不可思議なノスタルジーに浸れたりもするんですよ。こんだけ駄菓子屋のシーンが多い作品なんてなかなか無いしね。どんな台詞をしゃべっていようと、それはアニメスタッフの責任じゃないしね。しかし、こんな小うるさい脚本に本当にニーズがあるものかね。 真面目に見ていくと、タイトルにある「青春」という要素を切り取れば、このラノベも普通にいい話だと思う。不登校児との出会いから始まり、気づけば町内会の交流にまで広がる世界は宇宙人など持ち出さずともよほど「広がった世界」であるのだし、流子さんのほのかな思いをメインにした高校生の男女交流なんて、至極健全なものだ。世界の広がりと自己鍛錬という側面から見れば、エリオの方がよっぽど「青春女」であり、ヒロインとして、見るべき点、共感すべき点がある。問題となるのは、基本的に全て「青春男」こと真の方である。こいつの言動が、いちいちイラッとするのである。「青春」や「電波」などという言葉で覆い隠しているものの、このキャラクターが体現するのはまさに厨二を通り越した恥ずかしさのオンパレード。この作品で許し難いのは、そうしたものを「恥ずかしいだろ、恥ずかしいものを書いてるんだから恥ずかしい台詞になるに決まってるんだよ」と作者が得意げになっているのが透けて見えるところ。 そうじゃないんだ。確かに恥ずかしいには違いないが、こういうものを「そのレベル」で書くことを良しとしている姿勢が根本的に恥ずかしい。もし本当に「青春の痛々しさ」を真っ向から書くなら、そこに「電波」なんて隠れ蓑はいらないはず。そこで敢えてエリオを「電波女」に設定したのは、「電波を容認する設定だから、多少筆が滑ってもそれは演出ですよ。僕が本当に厨二世界にどっぷり浸かりたいわけじゃないんですよ」という言い逃れのためにしかみえない。実際、「電波女」であるはずのエリオはすぐにその挙動から電波性が抜けて、結局残るのは痛々しい真の言動のみ。「青春」と言いつつ、結局は痛々しさを体現するのは主人公の方。それじゃ、フェアじゃない。どうしてもそこんところが気になって、この作品を一から十まで楽しむ気にはなれなかったのである。 でも、女の子は可愛いよ。今作で名実ともにヒロイン声優として名乗りを上げた大亀あすか。可愛いじゃないですか。最初は絶対に聞いてられないと思っていたオープニング歌唱も、少しずつ少しずつ癖になっていきました。次に40歳母親ヒロインという新たな地平を切り開いた謎のイタキャラ女々さんではっちゃけていた野中藍。以前どこかで「野中藍は次代の水谷優子」と書いたことがあるが、この役こそが、そうした橋渡しがうまくいっている証拠ではないだろうか。おばさん萌えっていうジャンルはまだ馴染みがないが、これはアリです。そして、個人的にはメインヒロインだと疑っていないリュウシさん、加藤英美里。何をやらせても花があるなぁ。りゅうこやっちゅーねん。
#27「ネバーエンディング茨城犬」 (CV:飛田展男)
茨城といえば……まぁ、誰の予想を外すこともなく、納豆犬の登場です。昔懐かしの藁仕込みボディに、ほっこりさせる飛田展男ののんびりした声色。まぁ、落ち着くキャラクターでありますね。本人も、ねばねばを使って世界を救うことを夢見る、何とも夢見がちな良い奴である。水戸近辺も震災の影響を受けていて納豆が全国的に不足気味らしいけど、大丈夫なんでしょうか。 で、そんな納豆犬と文字通りに「絡む」のは、我らが暴君、愛知犬。自分が名前を間違えられるのは気にするくせに、人様の名前は一向に頓着せずに「いばらぎ〜いばらぎ〜」と心ない呼びかけ。前回の三重の時の反省など全く活かす様子もなく、ベタベタと触りまくって実に分かりやすい展開に。ほんと、トラブルを起こす方向にしか動かないんだから……中身を散らかしてしょげかえる茨城に対し、全く悪びれる様子もなく「こういう日もあるっ!」と肩(?)を叩き、その拍子で再びのねば〜。まさに、サブタイトル通りのネバーエンディングである。無限ループって怖くね? 納豆とエビフライの食い合わせは……案外悪くなさそうだな! #28「そこに鹿児島犬があるから」 (CV:大川透) 九州も南端、鹿児島まで旅行にやってきたのはいつものんびり、ドリンクコンビの愛媛と静岡。仲良し二人が山頂に到着して早速静岡が「ヤッホー!」すると、帰ってきたのはめちゃめちゃいい声での「さっつまーいもー!」。吹かずにいられないシチュエーションだが、叫んだ当人達は困惑するばかり。確認のために愛媛も「ヤッホー!」すると、今度は「さいっごーどーん!」とのお返事。晴れやかな山頂でのちょっとした怪奇現象である。そしてその実体は……史上最大級の犬(??)! 鹿児島犬の仕業であった! というわけで、JOJOでいうならVS女皇帝戦を思い起こさせるような大がかりなオチを迎えた鹿児島エピソード。これまでも山梨が隠れられるくらいのサイズを誇る鳥取砂丘の化身こそ存在していたが、まさか静岡と愛媛が登っていた桜島そのものがキャラクターになっているとは。そりゃ、あんだけでっかかったら声も大川透的ないい声になるわ。どれだけ回を重ねてマンネリズムに陥る危険性があったとしても、その斜め上をいく新たな展開を生み出すこの作品の心意気が感じられる、とんでもねぇキャラクターである。でもこいつ、今後万一全員集合絵とか描かなきゃいけない時にどうすんだ……縮尺が大変なことになるぞ…… それにしても、自分たちの仲間だと気づかずに登山にきていた愛媛と静岡のコンビは相変わらず癒されるな。特に静岡は、古式ゆかしい唐草模様の風呂敷包みにお弁当を入れての登山。無駄に可愛らしくてほっこりするわ。常に刺激とトラブルに囲まれた愛知とはエラい違いである。そんな2人に悪戯して怖がらせるとは……鹿児島め、見た目の大きさと違って案外小さい奴なのかもしれないぞ。 そして……大川さんって鹿児島県民だったのか。薩摩隼人だったのか。……なんだろう、見た目にしっくり来すぎて逆に嘘くせぇ。何故か、俺の知ってる鹿児島県民はみんなタイプが似てる。
○「廻るピングドラム」 6
今期本命作品その2。木曜日は大変だこりゃぁ。実をいうと、私はアニメに入った時期の関係で「ウテナ」を全く知らないのである。おかげでこの作品が幾原邦彦監督作品である、といわれてもそこまでピンとくるわけではないのだが、彼の略歴に「のだめカンタービレ」や「放浪息子」のオープニングコンテが入っているのをみて、ほぅ、と思うくらいは出来るの。ふむ、色々と刺激の強そうな作品になるのだろう。 そしてこの1話である。……うむ、分からんな。中盤までの流れは、画面構成こそ気合いの入ったものではあったが、正直そこまで目を引くようなものではない、という印象。敢えてあげるなら、一番目が行ったのは常に意識される色彩についてのこだわりだろうか。舞台が3人兄弟が暮らす狭い下宿でも、電車の中でも、そして水族館の館内でも、必ずどこかに目を引く色彩を持つプロップを混ぜてくるな、というのが画面で一番印象的な部分だった。下宿の襖など、本来なら地味な色で統一されるはずのパーツがいちいち明度の高い色彩で飾られており、それが単調になるはずの画面をこの上なく刺激的なものにしている。水族館のグッズショップなども、細かい部分に様々な色を配し、「普通の」日常シーンをどこか賑やかなお祭りムードに仕立て上げているのだ。そして、そんな色彩へのこだわりは哀しみに暮れる兄弟がぶつかりあった霊安室で一瞬だけなりをひそめ、妹の復活から舞い戻った日常で、再び機能するのである。あのシーンがこの物語の決定的な転機であることが実に分かりやすい。 そして、「他人には見えないペンギン」という意味の分からない現象が発生し、そのままなだれ込むようにペンギン女王との共同生活、謎の幻想空間、壮絶で艶やかな歌劇、そしてこの作品のキャッチコピーとなるであろう、「生存戦略しましょうか」である。なんとまぁ、なんとまぁ。分からないことだらけだが、とにかくひたすらテンションが上がったのは事実。この無駄に強烈な説得力は、何に起因するものなのだろうか。 とにかく、歌劇パートに入ってからのアニメーションは1カット1カットが魅力的だ。非常に打算的な側面もありつつ、存分に見る側に媚びを売り、徹底的に快楽を与えることのみを目的とした「動くために動く」アニメーション。現時点で断言するのは乱暴だが、あのパートの1つ1つのオブジェクトに大きな意味など与えられていないに違いない。とにかく見た目に賑やかに、ものすごそうに見えたら勝ち。そう感じてしまった時点でこちらの負け。ニュアンスとしては1クール前に「分からない」作品を生み出した中村健治の「C」と似たような方向性といえるかもしれない。ただ、こちらの方が古き良きアニメーションの技法を、そのまま素直に持ち込んでいるだけに、「分からないけどまぁいいや!」のレベルが高い。なんだか、何も言ってないのと同じ感想だし、何も言えないんだけど、奇妙な満足感が得られたので1話はこれで良しとしよう。わたし、水族館に行くとずっとペンギンの前に居たいくらいにペンギン好きなんですよ。フンボルトこそ至高。 一応蛇足で拾っておくと、「生存戦略」「神が作った人間の運命への嫌悪」などのタームが、主人公(兄)の度が過ぎた妹への執着(近親愛)を揶揄する内容であるということは分かっている。今後は兄妹の関係性と、そこに介入した謎のペンギン星人の絡みで物語が進んでいくことになるのかな? うーむ、アニメの意味はよく分からんが、とにかくすごい展開だ。 で、最後は当然中の人のこと。今作はキャストの多くをフレッシュな面子で固めており、キャストロールを見ても、馴染みがあるのは木村良平と屋良有作くらいのものである(あと石田彰もだけど)。そして、そんな中で注目すべきは、当然主役を務めることになった「綺麗なジャイアン」こと木村昴。先日放送された「ぼいすた」を見て、「なんとまぁ、濃い男よ」と思った印象がそのまま継続されているので、細身のイケメンに声を当てているのがやたらおかしかった。技術的な面でいうと、基本が舞台役者であるためか、アニメの音声としてはちょっと癖があって違和感が残る。音の端々に見られる「濁り」が強いせいかもしれないが、この違和感はすぐに消えてくれるもんだろうか。でもまぁ、決してまずい仕事をしているとは思わないので、これが「2枚目の」看板になればいいな、というくらいの段階か。そして妹の日鞠役には、俳協の新人、荒川美穂という娘が抜擢された模様。1話目を聞く限りでは、正直「新人すなぁ」というくらいだが、印象としては初期の坂本真綾を彷彿させる。声質は割と良い感じなので、ここで一発のし上がることに期待です。
○「BLOOD-C」 6
今期本命作品その1。MBS制作で刀を振り回す主人公、そして父親が藤原啓治というと、どこぞの兄さんが父さんを殺しすぎる作品と被っている気もするが、その実体は随分違う。「イカ娘」「アザゼルさん」とヒットを飛ばし続ける水島努が、あの「BLOOD」シリーズの新作を手がけるというのだから、そこには本格派のアニメーション作りが期待される。原案は当然の藤咲淳一、そこにCLAMPも1枚かんでいるので大川七瀬が脚本参加。制作はI.G.であり、キャラデザは黄瀬和哉と並ぶのだから、スタッフ的にはあの「×××HOLiC」の正統後継ということになるだろうか。「おお振り」以来の「白水島」が見られる作品ということで、一体どんな仕上がりになるものかと、期待は高まるばかりだ。 1話目の時点では、連発されていたCMから大体予想される内容のものが予想通りに展開された。主人公ヒロインはベースがドジっ子だけど妖魔討伐の時は覚醒するというあまりに陳腐な設定だが、BLOODシリーズということを考えれば、前作「BLOOD+」の(音無)小夜との対比は綺麗に出ている。あとはまぁ、前半部分が家族交流と学園ドラマ、後半部分が妖魔との壮絶バトルということで、ドラマ+バトルを描きたい、というMBS制作アニメの定番の設定が非常に見やすい。「投票で待ち受け画面配信」とかいう企画を見てると、同じ時間帯に放送してた「ギアス」を思い出すよね。 シナリオラインは実に普通なので、見るべき点は1話時点での雰囲気作りと、そこにどの程度の手間をかけているかという心遣いの部分。そして、この要素について、水島努に心配するのは野暮というものである。「HOLiC」「おお振り」を手がけた水島監督は、本当に「忠実な脚本意図の再現」という面においては神がかった安定感を誇るのだ。今作も、きちんとこの作品のシナリオ・キャラクターに求められる要素を十全に解題し、アニメの画面として再構築することを徹底している。製作体勢を見る限りではなかなか金がかかっているということも分かるし、次回以降にも何の不安もない状態だろう。 一応、いくつか注目すべき点をピックアップしておこう。学園ドラマを含む日常パートについては、主人公小夜が登校するシーンが実に印象的。中の人のうま味を存分に使って「即興で歌を歌いながらのんびり歩く小夜」というシーンがたっぷりと尺を取って流されるわけだが、あれだけのシーンに徹底して尺を割くという判断はなかなか出来ないものだろう。そして、このシーンはただひたすら小夜のアカペラ歌唱だけが流され、そこに余分なBGMは流れない。ただひたすら、小夜の声、小夜の日常だけが静かに流れるのだ。このワンシーンだけで、小夜というキャラクターが大体分かってしまうってんだから大したもの。「敢えて音を増やさない」という音響演出も、なかなか水島さんらしい。 そして、後半のバトルパートが今回の最大の見どころ。登場時は無機質で動きも単調だった地蔵型の化け物が、少しずつ成長してダイナミックに暴れまくるだけでも恐ろしく見応えがあるし、対決場所に選ばれた湿地の、足首程度まで浸された水の使い方が抜群に上手い。水しぶきを上げて滑走する地蔵だけでも迫力が出るが、その水に小夜が沈み込み、息苦しい中で戦い続ける緊張感や、水の中を利用して滑り込み、刀にたどり着くシーンなど、画面を上下に揺さぶってのアクロバティックな動きの出し方が見事。動画面では、地蔵がハンドスプリングのようにして小夜の前に大ジャンプで回り込んだ後に、小夜が思い切り吹っ飛ばされたカットが格好良くて印象的だった。 そして、全編を覆い尽くす「血」というモチーフへのこだわりも徹底している。冒頭、妙な形の温度計は、血管を流れる血液(赤血球)を強くイメージさせる。独白の台詞では「人を人とするのは血肉ではない」と語るが、その根源には「血」が横たわっていることが、画面のオブジェから語られるのである。また、「鼻をすりむく」ことから始まった小夜の物語は、化け物に大出血させることで幕を引き、その残滓は御神刀にこびりついた血糊に残される。無機物の象徴たる地蔵が激しく血しぶきを飛び散らせて倒れ伏すシーンも、「血」というものの存在を強く印象づけるものになっていただろう。 そして、「血」のモチーフが実に扇情的に使われたのが、とんでもない注力のされ方で実現したオープニング映像。手がけているのは、最近すっかり「オープニング職人」になりつつある梅津泰臣である。もう、流石としかいいようがない。本当に艶めかしさなら天下一品。 色々と見どころが多い本作であるが、中の人的には「プリキュア」以来の水樹奈々主演作品。普段のドジっ子スタイルは水樹奈々の真骨頂であるが、今後のシリアス展開でちゃんと「強い」キャラになれるかどうか、久し振りに真価が問われるキャラクターとなりそうだ。他には……まだあんまりキャラが出てきてないな。荒鷲こと浅野真澄先生が注目作で久し振りにレギュラーなのが印象的。荒鷲先生は本当に、本業が何だか分からない人だよな。
フルスポイラが出揃ったので、出入りによってどの程度このセットがスタンダード環境に影響を与えるのかを、ざっとではあるが見ていくことにしよう。ちなみに、当方なんちゃってプレイヤーであり、あんまり環境についての知識は深くないので、見当違いのことが書いてあっても御容赦願いたい。
○「異国迷路のクロワーゼ」 5
「GOSICK」の終了と時を同じくして始まった、武田日向の漫画作品。原作については未読だが、見た感じではいかにも「らしい」雰囲気といえるスタートではなかろうか。 いわば「日常系」といえる中身にちょいとした異国情緒を交えた内容となっており、描出する要素はとにかく世界の雰囲気を構築する部分から。そういう意味ではやはり「GOSICK」の1話に似ていて、あちらは架空の国であるソヴュールを描くことから始まったが、こちらは19世紀フランスの町並みを「それらしく」描くことから始まる。オープニングテーマの雰囲気や、それをバックにしながらぶらぶら歩く町並み、細かい人々の所作に至るまで、とにかく「普通っぽさ」を重視しながら、馴染みの薄いフランスの風景に何とか息をさせようとしているのがよく分かる。1話目ということもあって背景とキャラクターのかみ合わせはなかなかのもので、まるで初期ジブリ作品のような、ちょっと懐かしさが感じられる「遠い別の国」の独自性は良く出ていたのではなかろうか。そして、そこで展開されるのは悪人が1人もいない穏やかな穏やかな日々の物語。異国から単身訪れた少女には苦労も絶えないだろうが、それでも回りにいるのはみんな度が過ぎるくらいに良い人たちばかり。これからも、きっとこの穏やかな世界で彼女が頑張っていく姿を見守ることが出来るのだろうと思えば、それだけでも楽しむ要素は多いと思われる。 ただ、一応気になる点もいくつかあって、シナリオ面でいえば、「度の過ぎた人の良さ」のバックボーンがまだ見えてこないのがちょっと据わりの悪さに繋がる。クロードについては「本当に相手のことが考えられる良い奴なんだろうな」という程度で済まされるのだが、湯音の徹底した奉公人根性については、ちょっと引くくらいの強さがある。少女の信念の強さを描き出すのには最善だったのかもしれないが、いくらなんでも身寄りも無く訪れた異国の地で、あそこまで徹底して自分を貫き、「正しさ」を守れるというのは、ちょっと外見から見えるキャラクターとそぐわないイメージになってしまうのだ。もちろんこれから眺めていく間にそこは馴染んでくるとは思うのだが、湯音が強すぎると、せっかくの「異国情緒」という異質さまでもが、そのまま「普通の日常風景」へと溶け込んでしまい、オリジナル要素が活かしにくくなってしまう。1話目くらいは、少し戸惑って年相応におろおろして欲しかったもんであるが。 そして、もう1つ気になるのは作画、特にキャラクター作画について。武田日向デザインのキャラクターは、特徴が強いので綺麗に描ければこれ以上ないくらいの魅力が出ると思うのだが(実際「GOSICK」は作画面での失点は一切無かったと思うのだが)、この作品のキャラクターは、時たま顔の造形に違和感が出る時がある。どこぞのミサワじゃないけど、「あれ? ちょっと目が離れすぎているような……」と思うシーンがいくつか確認出来た。これも慣れの問題と言ってしまえばそれまでだが、おそらく湯音の可愛らしさを前面に出して勝負する作品になると思われるので、女の命とも言える顔の造形については、細心の注意を払って欲しい。 とはいえ、シリーズ構成佐藤順一の名前の信頼度は抜群であるし、監督の安田賢司氏についても、「しゅごキャラ」シリーズの監督ということなので連携はしっかりしているはず。キャラ作画についても、オープニング・エンディング原画に伊藤郁子の名前が出るなど、チームサトジュンの精鋭がここで力を発揮してくれる期待がある。是非とも「特に何も無い日常」の良さというものを見せ付けてくれることを期待したい。 最後に中の人のこと。今回は近藤隆や田中秀幸に触れる必要は無いので、当然湯音の中の人、東山奈央について、ということになる。クレジットを見るまで誰だか分からなかったのだが、たどたどしい湯音の発声の演じ方はなかなか面白くて見るべき点が多い。これが事実上のヒロインデビューということになるだろうから、アーツの放つ期待の新人として、ここで是非とも代表作を打ち立てて欲しいものである。
○「にゃんぱいあ The Animation」 ー
あ、うん。ねぇ知ってる? これって、あのGONZOが幾多の困難を乗り越えてようやく到達した、久し振りの元請作品らしいぜ! すげぇぞGONZO! 復活ののろしだ! ……いや、分からんし。3分ぽっちのアニメじゃ何がなんだか分からんし。評価のしようがないし。 あ、でも可愛かったんじゃないでしょうかね。にゃんぱいあは愛らしいと思いますよ。大してアニメにする労力もかかってないし、ローコストで愛くるしさを振りまけるなら悪い相談じゃないんじゃないですかね。ただ、これってどこまで追いかける必要があるアニメか分かりませんけど。にゃんぱいあ役が小清水、ナレーションに後藤邑子っていう配置もいいですね。最近なにかと物騒な噂が絶えないバオバブの力を結集させたキャストですよ。割とマジで。 そして3分しかないアニメについたよく分からないテンションのエンディングね。実写て。ただでさえアニメ本編短いのに実写て。いや、別にいいですけどね。麻生のなっちゃんも楽しそうでしたし。ヒャダインの曲+麻生夏子の声っていう組み合わせば案外ベストマッチな良い組み合わせかもしれません。ただ、個人的に前山田健一は好きだけど、ヒャダインはそうでもないんですよ。曲作りの腕前は本物だと思うので、あんまり調子に乗って前に出てこないでクリエイターに徹して欲しいんだけどな。まぁいいや、正直、来週見るかどうかも分からんし。覚えてたら録画するさ。 |
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HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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