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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「偽物語」 6

 あいつらが帰ってきたぞ! 作品第1弾。私の「化物語」評については過去の感想を参照してもらうとして、とにかく一言でまとめると「シャフト作品の1つのゴール」という評価。更に詳しく言うなら、「尾石達也の極致」。そういう意味で期待していた身としては、スタッフクレジットに尾石さんの名前が無かったことでちょいとばかりトーンダウンしてしまったのは事実だったりする。でもまぁ、ある程度は製作のノウハウが移譲出来ているのが、製作スタジオ=製作スタイル、つまりは新房システムの良いところ。今作1話を見る限り、「化物語」との差異はそれ程大きく感じられるものではないだろう。

 出だしから怒濤のような台詞の嵐アラシ。これぞ西尾維新の真骨頂、これこそが化物語オリジナル。本当に、アフレコ現場でしゃべってる人は1人残らず大変だろうなぁ、と考えるだけでもたまらんものがあります。「千和キャラで一番いい女」ことガハラさんは、1期の最終回であんだけ殊勝だったことなんかすっかり忘れたように全力投球だったし、それを受けきる阿良々木さんのテンションもいつも通り。今回は妹2人がメインでシナリオに絡んでくるので彼の心境もおだやかではなかろうが、今のところそんな心配もどこ吹く風だ。そしてなんといっても八九時である。いやあ、よい幼女ですね。彼女が頑張っている限りはこの作品も大丈夫だ。ホント、懐かしい顔に再会できて、何の変化もなく彼女達がフル回転しているのを観るだけでも、「帰ってきたなぁ」ということがしみじみ感じられて良いものです。

 とはいえ、やはりシリーズディレクターが変わったのだから、一切変化が無いというわけではない。一番の変化は、いかにも「化物語らしい」カット割りを再現してはいるものの、尾石演出に観られたような複層性、暗示性は弱くなっている。ギャグをやるにしてもストレートなパロディの比率が上がっているし、阿良々木のアホ毛が爆発したり、八九時がダイナミックに電柱を駆け上がったり、アニメとして見栄えがして、分かりやすい演出が増えている。普通に考えて「台詞ばかりで画面に変化が出しにくいアニメを面白く見せるなら、どうしたらいいか」というタスクに対してなら、こうした画面作りが分かりやすい解答になっていると思う。八九時と阿良々木の会話を道路標識で表示してみたり、月火との会話を倒れる本で表示してみたり、そういう「見た目」の分かりやすさが、1期の時とは決定的に違う要因だろう。まぁ、1期があれだけ評価されて、今回は更に多くの視聴者層を狙っていく作品作りになると思うし、こういう方向性はアリかもしれない。

 また、作品のシナリオを意識しているのか、それとも作画スタッフに余裕があるのか、1話目はやたらと肉感的で彫りの深い、「描き込まれた」人物造形が多かったのも目を引いた。これはこれでまた面白いのだが、丸みとシンプルな線で活きる渡辺明夫絵にしてはちょっとくどい部分もあるので、好みの分かれるところか。カウチに寝そべる月火のエロさは、当然アリだとは思います。まぁ、そんな大した差ではないし、ひょっとしたら1話だけ作画の関係でそうなっていただけかもしんないけどね。

 とまれかくまれ、再び巡り会った「シャフトの申し子」となるであろう作品。引き続き期待しながら毎週見守りたい。ファイアーシスターズがメインって、ワクワクがとまりませんよね。中の人については……全員文句なし! でもやっぱり阿良々木さんの中の人のテンションが神域だ!

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○「新テニスの王子様」 5

 実をいうと、私はこの作品にほとんど興味がない。ジャンプに連載していた時にも読んでなかったし、次第に話題になるようになってからも、腐女子の方々のたしなみであるという認識が強くて、基本的にノータッチだった。最近ではすっかりギャグ漫画として愛読されるようになり、訳の分からないスタイルで人気を博していたことは知っているが、基本的に、こういうスポーツ・バトルものっていうのはある程度真面目にやった上で、そのネタが空回りしてギャグになっちゃうのが面白いのであって、わざわざ狙ってギャグ要素を入れてくる、というのは何だか美しくないような気がしたのだ。絵も全く好みじゃないし、「ギャグ漫画としても読まれるけど腐女子人気も凄いからキャラものとしてもガンガン稼いでいくよ」っていう方向性は、何だか生臭いものにしか感じられなくて、忌避していた部分もあるのかもしれない。

 そんなわけで、今回始まったこのアニメも、基本的には否定的な部分からスタートすることになった。ネタが色々あるってのは知っているが、それらは大体ネット上でもいじられているし、今更アニメでやられたからって新鮮味もなかろう。アニメとしての面白さが加わるならば興味も湧こうが、こんだけの人気作品、わざわざ冒険してアニメオリジナルの要素や演出を盛り込む意味も無い。他の多くのジャンプ作品同様、原作をそのまま垂れ流してくるはずだ。だとしたら、もし楽しみたいのであれば原作を読めばいいのであって、その原作を読む気が無い人間は、アニメも別に見る必要がない。そういう判断が出来るはず。

 ……でも、観てると悔しいけど笑うな、これ。うん、ごめん、わざとやってるだろうし、狙って作ったギャグなのは確実なんだけど、その上でやっぱどっかおかしいわ。ジャンプのバトルって、こういう「確実にどっか間違ってる人」が生みだしてきた文化なんだよなぁ。ゆでたまごしかり、高橋陽一しかり。そういう意味では、許斐先生も立派な傑物なのかもしれません。基本的に門外感なので今後何か余計なことを言うつもりはないけど、ひっそりと毎週楽しむことにはなりそうです。地味に、「とにかく人気の男性声優を全部つぎ込め!」という潔い姿勢も、耳で楽しむ分に不足はないですし。

 あと、アニメオリジナルの要素として、オープニングがなんかいい歌なのと、エンディングアニメがミュージカルを意識して爽快なものになっていた点もポイントが高い。なんだ、割といいアニメなんじゃないか。喰わず嫌いっていけませんね。

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1月6日 ドラフト模様(ISD×3)
ピック順 【Alessi】→【Thraxi】→【Metallica】→【Sangriter】→【Mei】
 
 あけましておめでとうございます。今年は年が明けても一切新エキスパンションの情報がこねーという、なんかもっさりした年明けになりましたね。みんなしてこれまで色々と無理な手段でリークしてたから、本当にウィザーズも締め付けを厳しくしてるんかなぁ。ま、ようやく来週あたりから公式に情報公開も始まりますので、ぼちぼち楽しみにしたいと思います。
 しかし、「始めよければ」のたとえからすると、この新年一発目のドラフトは今年を占うものになるのでしょうか。最下位の人間はドラフトやめた方がいいのでしょうか。それ以外の人間は今年も元気にドラフトをやればいいのでしょうか。うん、そう思う。

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本命は誰だ? 第36話。この作品って、確か39話の予定だよね……もう終わってしまうんだなぁ……これだけキワキワな状態なのに、何をどう終わらせればいいやらな。

 もう、ろくに隠そうともせずにガンガン回り始めた運命。秀吉は老け込んだせいなのか、それとも生きいそいでいるせいなのか、国内の統治については次第に疎かになりつつあり、何とか三成に治世を任せようとしている。遠方の伊達の様子などは気にしているみたいだが、足下でジリジリと迫る利休達の一派については、どうも一切気づいていない様子。もし不穏な空気をちゃんと現実の危機感に結びつけられていたら、いくら忠臣とて完全に三成に任せたりはしないだろう。

 そして、利休の方もいよいよ念願のゴールに向かってのラストラン。坊さんたちとの会話でも平気で「我らが企み」とか言っちゃうし、反逆の意志がある人間の名簿を平気で持ち歩いちゃってるあたりに、危機感の薄さすら感じられる。ここまで来たら生きるか死ぬかだし、細かいことは気にしなくていいという判断なのだろうか。枕を送ったこと+娘を配置したことで、そろそろ最後の一手を打つか、という状態だ。

 そして「本命」として選び出されたのが、かの徳川家康であった。後の世の「正解」を見れば、利休が毛利ではなく徳川に世を託そうとしたことは流石である。きちんと「任せることが出来る」人間を選び抜いたわけだし、侘び好きがどうこう、という目先の事象に囚われず、とにかく世界が変わる方向、という狙いに搾って動き始めたのはお見事。これで家康が本当の意味での野心家で、利休の誘いにほいほいついていく人間だったら、それはそれで世界が変わっていたのかもしれない。

 しかし、誤算だったのはただ1点。家康が京に上洛する際に履いていた足袋のことだ。家康は、あの仁君である明智の志を強く強く受け継いだ男だったのだ。光秀の持つ気位については利休も承知していたこととは思うが、あの時点では直接結びついていた秀吉の持つ「野心」と「利権」の方に手っ取り早い利益を見いだしてしまい、更に信長という化け物を片付ける必要性もあったおかげで、利休は光秀を単なる織田討伐の道具として使い捨ててしまっていた。しかし、ここに至って、光秀を打倒したという事実が、家康との間に大きな壁を作ってしまっていたのである。家康だって、今の徳川の世には疑問が無いではない。うまく事が運べば、全てとはいかずとも、どこかで利休と通じ合い、秀吉の天下を打ち崩すチャンスがあったかもしれないのだ。しかし、ここで過去の行いが牙を剥いた。最も大きな利休の罪、最も大きな秀吉の企み。それが、「侘び好きを自らの手で葬り去ってしまった」という事実とともに、利休に重くのしかかる。この構図は、徳に篤い人柄ながらも、信長打倒の折に人の道を踏み外し、前回のエピソードであっけない最期を遂げた秀長の末路に通じるものがある。

 今回の最大の見どころである、利休と家康の茶室での対峙。相変わらず陰影の使い分けが見事で、薄闇にぬっと現れる離宮の顔は、未だに不気味さがある。「天下にかける最後の一輪」として探し求めた家康の姿と、茶室にかけられた花がリンクするカメラワークも面白い。そして、「黒」を貫き通した利休が、光秀の辞世の句を伝えられた時に真っ白になってしまうという、画面のメリハリもインパクトが絶大だ。本当に、言葉少なにたっぷりと伝えてくれる作品だ。

 そして、そんな忙しい利休のゴタゴタとは別に、相変わらずの織部さん。彼の場合は……うん、まぁいいや。なんだかんだで政宗とのコンビは良いコンビだと思います。

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○「ハイスクールD×D」 4

 今年、我が家の新番チェックの口火を切るのはこの作品からです。正確にはBSで「ミルキィ」が始まってたんだけど、チェックし忘れたし、地上波まで待ちたいと思います。とにかくこれが一本目。うん、まぁ。

 特に言うことも無い1話目になった。「陳腐」「凡百」「お約束」、言い方は多々あるだろうが、いかにもラノベでいかにも軽そうな、そんな中身。AT−Xで始まったのでおっぱい祭りの様相はあるのだが、だからといって別に……なぁ、見せたくて見せる乳にはそこまでの価値もあるとは思えないし、おっぱいにこだわりがあるようなお話になるとも思えない。なんか「クェイサー」とか「魔乳」のせいでよく分からないハードルが上がりまくってるね。監督は柳沢テツヤ。地上波放送ではかなり久しぶりの名前だが、特に印象もないので期待するわけでもないしがっかりするでもない。でも、この作品で大きな関心を集められるという気もしない。「可もなく不可もなく」で落ち着かれるとちょっとなぁ、というくらい。先日までやっていた「マケン姫っ」よりはキャラデザが見やすいので、続けていくぶんに不満は無いが、どこまで追いかけたものやら、というのが第一印象である。ここから凄いことが……起こらないよなぁ。

 中の人としては、「ぴかしゃと御前が似たようなポジションで共演」っていうのがちょっとした事件か。いわゆる「強気黒髪ストレート」枠では完全にキャラかぶりを起こしていた日笠陽子・伊藤静の両名だが、昨年「ロウきゅーぶ」で無事に共演を果たし、今回は更にメインヒロイン+その脇という、非常に近い距離での共演に成功。これで御前でなくてぴかしゃの方がメインという配置に時代を感じるが、この2人の共演でどのような絡みになるのかは興味深い。というか、二人とも「あたって砕ける」タイプの芸人気質なので、是非ラジオとかで直接対決してほしい。そういや敵対側でナバも出てたな。シャナ以外で賢プロコンビが共演してるの久し振りに見た気がする。そして、案外面白かったのが、主演の梶君だ。最近は本当に食傷気味なレベルで梶裕貴祭りが開催されているわけだが、単細胞でエロに肯定的な梶キャラって初めてみた気がする。そういう意味では、案外見やすい作品になるのかもね。

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「THE IDOL M@STER」 5→6

 今期最後の感想となるのは、この、確実にいい仕事をした感のある「大作」だ。これを見て1年を締めくくれるというのは、まぁ、幸せなことだったと思いますよ。

 放送前には色々と不安の声も聞こえていた今作。あれだけ根強い原作ファンを抱えた上、原作ゲームの「2」の商品展開ではメーカー側とファンの意識の違いで波乱を呼び、興味がない人間からすると「アイマスとその周りを囲む環境は、なんだかギスギスしとるんじゃないか?」という状態だったのだ。ヒロインの多いゲーム原作作品というのはアニメにする際に脚本の統率を取るのが難しく、過去にも様々な作品が原作ファンから怒りを買っていたことを考えると、やはり不安が出るのも当然のことだったろう。

 しかし、幸いなことに、今作を担当した錦織敦史監督は、元々アイマスファンだったらしく、いざ放送が始まってみると、そんな心配はほとんどが杞憂であることが分かった。1話の時点で全てのアイドルを平等に扱いたい、という意向も発表されていたし、原作ファンを傷つける結果にだけはしないと太鼓判を押していた。そして、実際にその目標は最高に近い形で叶えられた。個々のエピソードのレベルでは出来不出来はあったかもしれないが、きちんと13人ものアイドル全員に目線が行き渡り、「アイマス」の世界観を崩すことなく、アニメの25話で、1本のサクセスストーリーとしての「アイドル」を描ききったのだ。ここまできちんと「やることをやりきる」というのは、いうほど簡単なことではなかったはずだ。本当に、スタッフの愛情と情熱には敬服する。

 A−1Picturesの生みだした作品の品質自体も非常に高く、作品の胆であるライブシーンを力点として定め、そこから日常風景に至るまで、出来る限り「アイドル」の魅力を損なうことのない画面を提供し続けた。「可愛い」「綺麗」「健気」と様々なタイプのキャラクターが詰め込まれた本作だが、1人1人に合った演出方向がきちんと意識されており、個々のエピソードでドラマとしてのメリハリも効いている。普通は色々なキャラのオムニバスにするとどうしてもつぎはぎ感が出てしまうものだが、今作ではそうした「とってつけた感」が薄く、きちんと「デビューから成功まで」という縦糸の上に全員を乗せた上で、そのキャラにあった見せ場を作り出していたのが印象的だ。個人的には律ちゃんを応援していたので、彼女にも度々活躍の機会が与えられたのは、本当に嬉しかったのです。ゲームを一切知らない人間でも、まだまだひよっこだったアイドル達を手塩にかけて育て上げ、立派に羽ばたくところまでのプロセスを充分に堪能出来たのではなかろうか。

 これだけきちんとまとまった作品だったわけだが、敢えて1つ注文を付けるとすれば、「アイドル」という言葉の解釈だろうか。他の職業と違って「アイドル」という職業には明確な形がない。歌い手かもしれないし、役者かもしれないし、モデルかもしれない。何かよく分からないけど、とにかく人気商売の花形としてある1つの総合職が、「アイドル」という名前で呼ばれるものだ。今作は、流石にそのへんまで掘り返す尺は無かったのでしょうがないと思うが、特にラストの春香のエピソードあたりでは、「結局、この子らは具体的に何がやりたいんだろうな」ということを訝しく思うタイミングは何度かあったのだ(千早なんかはそのへんに迷いがないからいいんだけどね)。別に必要な要素ではないかもしれないが、出来ればもう少しキャラクターの成り立ちの根っこの部分にまで立ち返って「何故、アイドルなのか」ということもはっきりと見せられれば、もう1つ違った面白さもあったかもしれない。

 でもまぁ、そんな面倒なことを考えて見る作品でもないですよね。最後のライブシーンなんかを見れば、とにかくその華やかさ、楽しさが充分に伝わってくるので、そうした「華」の在処を見るだけでも満足出来るものなのかもしれない。ホント、必要なところで手を抜かない製作姿勢が徹底していたので、見入ってしまうような動画面での魅力はかなりのものだった。「理由なんか無くても、この華やかさがアイドルなんです」と言われれば、反論の余地は無いのだ。

 そんなわけで、最後まで特に不満なく楽しませてもらった作品でした。中の人の話は……まぁ、いいかな。アイマス声優には未だに詳しくないので。個人的には、声質が面白い雪歩役の浅倉杏美や、貴音役の原由実あたりの今後に期待したい。そして、このままアイマスアニメにニーズが膨らみ、一気に「ぷちます」のアニメ化まで期待したい。期待したい。期待したい。

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「gdgd妖精s」 5→7

 今年を総括する作品はこれかもしれない。ホントにね、ヤなところに刺さる作品でしたよ。まぁ、こういうのが楽しめちゃうのはひょっとしたら声オタの特権なのかもしれないけど……いやぁ、とんでもなかったよ。

 同じクリエイターが作ってるってんなら「ネットミラクルショッピング」ももっと話題になって良かったはずなのだが、あちらはほとんど泣かず飛ばず。この作品は、少なくとも配信元であるニコニコ動画の視聴回数を見る限りでは充分なキラーコンテンツとなったことが分かる。この違いはどこにあるのかと言われれば、やはりそれは「萌え」が一翼を担った「ユーザーに媚びた」部分ということになるだろう。女の子3人が楽しげにお喋りするだけの番組なんて、いかにも昨今の「日常系」みたいなセッティングじゃないですか。この時点で、まずポイント稼ぎは出来るんですよ。

 だが、ちょっと待て。冷静に考えて、フルCGで描かれて大して動きもしないピクちゃんやシルちゃんは、本当に「可愛い」「萌える」存在なのか? いや、これで萌えが多発するってんなら、同じようなコンセプトで製作された「古墳ギャルコフィー」だってもっとファンが増えても良いはずだ(あたしゃ好きでしたけど)。はっきり言って、この作品を支えていたのは単純な「萌え」ではない。となるとやはり……最大の勝因は、gdgdだ!

 見事だったのは、ニコ動配信という形態を巧みに利用したユーザーとのインタラクションの効果だろう。ニコ動のうま味と言えば、即座に視聴者からのレスポンスが得られる点であり、最初に配信側がばらまいた「ネタ」のどこに食いつき、何が人気なのかを直ぐに知ることが出来る。普通のアニメならば、そこから製作期間がかかるので「商品の映像特典で反映させる」くらいなら不可能ではなかったが、わずか1クールの間に「視聴者の意見」を取り入れるのは流石に不可能。しかし、この無茶苦茶なスタイルだったからこそ、gdgdは完全なる双方向配信を可能としたのだ。楽しむ視聴者と、それを見て更に悪のりする制作側。「森のバックステージ」などの企画でも繰り返しメタネタを連発し、気づけば送り手と受け手の2者の共同作業で作り上げる、不可解な「悪ふざけの集大成」が完成したのだ。新時代のアニメコンテンツとして、ここまで馬鹿馬鹿しく、面白いものが出来上がったのは、なんだかとんでもなく残念な話ではないか。いや、馬鹿なことって素晴らしいですけどね。

 そして、映像面での見るべき点がそんなにないってことは、もう、中の人の話をすればいいんですよ。普通、アニメは「脚本」「映像」「音声」の3パートを別々に評価していくんだけど、この作品の場合、映像のモーションキャプチャにしろ、最終話に代表される脚本の引っ張られ方にしろ、とにかく中の人に依存しすぎである。「アフレ湖」が「本編」と言われるほどのインパクトを持っていた時点で何かおかしいよ! 朝10のテンションだからだよ!

 まず、見事なミュージカルスキルで綺麗なモーションキャプチャを見せてくれた踊り手、三森すずこ。「リアル腹黒ピンク」の名は伊達ではなく、「火傷をする突っ込み役」担当だったはずなのに、時折見せる救いようのない台詞が、この作品を単なる「ぼけ」「つっこみ」という形式から解き放つ役割を果たした。次に、フリーダム過ぎる聖闘士星矢ファン、水原薫。みずはらさん、あなた自由過ぎます。正直、どこかで「この仕事別に無くてもいいや」とか思ってません? もう、その自然体が格好良すぎますよ。相変わらずの「みさおボイス」が癖になりますね。普段のしゃべりを聞いてると、どこからあんな声が出てくるのかと不思議に思うときがあるわ。

 そして、この作品の全てを決定づけてしまった悪魔の子、明坂聡美。あけこが産み出した房子が、まさかここまで羽ばたくことになろうとは……無駄な芸、無駄な意気込み、無駄な才能。あけこの残念っぷりが徹底的に磨きあげられ、最終話にいたっては「明坂オンステージ」である。今後の仕事にも確実に影響が出るレベル。是非とも、今後のプロフィール欄には、「代表作:「gdgd妖精s・持田房子役」って書いてほしい。うん、罠だ。あけこは42歳になるまでに結婚出来るといいね……

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「UN−GO」 4→5

 今期最も判断に困るのが、この作品だ。何だか珍妙な味だ、と思っていたら、噛めば噛むほど味が出始めて、それが美味しいかというと、出てきた次の味も珍妙であるという、……つまり、珍味だ。

 1話目の感想についても、今見返すとまっとうなようでいてどこかピントがずれている。「坂口安吾なんて全然関係無いやん!」という突っ込みは当然のものだったと思うが、正直言ってそれは一切必要が無かった。「ミステリとして陳腐過ぎる」という批判についても、流石に熟練のスタッフ陣がそのあたりの懸念を持っていなかったはずもなく、数話観るうちに正直どうでも良くなった。何しろ、ミステリとして成立させるつもりなど無い作品だったのだから。そうなると、「ミステリのくせにキャラクターにギアス能力者を潜ませるのはおかしい」なんて指摘をしても、単なる道化である。制作スタッフには鬼の首を取ったように、「知ってるよ」と言われてしまいそうだ。

 では、こうして当初の批判が全て無に帰した後で、この作品に何が残ったのか。1つ目は、「雰囲気的にはミステリ物」という微妙なバックグラウンドを武器にした、何とも怪しげな人間関係。「捜査する側」「される側」という関係性ではなく、「創作する側」「される側」という構図は、作品内世界でもう1つの作品を生み出すという二重構造を産み出し、他の作品にはない独自の価値観を産み出すに至った。全てを変質させる「神」としての別天王の能力により、作中人物はもちろん、視聴者も「どこまでが作られたものなのか」を判断出来なくなり、「虚」と「実」の間を彷徨う不思議な感覚が体感出来る。主人公である結城新十郎はあくまでも「虚実を分ける」役割を任されており、因果の持つ能力も「真実を作り出す」能力だったために、「探偵」としては不適格だが、「番組の牽引役」としては正しい存在だったわけだ。

 そして、そんな不安定な世界だからこそ、奇妙な時代である「戦後」というパラレルワールドを、危ういながらも成立させることが出来た。普通の作品ならばもう少し世界背景の説明に筆を割きそうなものだが、この作品はほとんどそれが無く、いきなりボーカロイドが世界を席巻したり、AIが事件の容疑者となったり、無茶苦茶にもほどがある。しかし、この作品の場合、暴かれるべきは事件の真相ではなく、「世界の真相」そのものである。「創作される側」である敗戦探偵は、事件を解くといいながら、その実視聴者のために少しずつ世界を切り出していただけなのだ。そのために、彼は一度「創作」の中に取り込まれてしまうという大冒険にも出ているわけだ(7−8話)。

 なるほど、こうしてみるとこの作品の脚本は思いの外きちんとした信念を基に描かれていた。そして、この何とも怪しげな雰囲気が、きちんと成立したような気になるレベルにまで解題され、視聴後にはある程度の満足感も得られるものになった。オサレ作品を追究し続けるノイタミナ枠の実験作としては、今後も語り継がれる価値のある、異彩を放つ存在である。

 ただ、そこまで全てを理解しながらも、なおかついつの間にか劇場版まで視聴しながらも、それでもなお、「コレってそこまで面白かったのか……」というわだかまりが残っているのも事実。やっていることは面白い、結果も出ている。しかし、アニメとしてはもう1つ上のレベルも充分狙えたんじゃなかろうか。非常に感覚的な言い方になるが、コンセプトを活かすための作品作りとして、何だかやけに素っ気ない仕上がりになってしまっているような気がするのだ。脚本を追うために、画面が犠牲になっているような気がするのだ。本当に「面白く」見せる目的なら、もっとけれん味に溢れた、悪い言い方をすれば「媚びた」作り方もあったと思うのだが……スタッフは、そこまでのものを作らなかった。難解な世界観を、「こんなものを用意してみたんだけど」と、さらりと素材のままで持ってきた。うん、これはこれで悪くないのだが、せっかくのうま味が、やっぱり「珍味」になってしまう気がする。ひょっとしたら、まだ私には理解の及んでいない、何か隠された信念が、この「素っ気なさ」に隠れているのかもしれない。出来ることならば、もう1度見直して、作り手側の意図を探ってみたい作品だ。

 最後は中の人のことだが、今作は3人。1人は、とにかく驚きの連続だった因果役の豊崎愛生。通常だけでも2パターンの演じ分け、一度は3役にまで挑戦しており、「豊崎テンプレ」を打ち壊すだけの仕事を見せてくれた。ベストの音域ではないのでアラも目立つ部分はあったが、常に新しい仕事にチャレンジし続けるスピリットは充分に感じられる出来だったし、役者としての底の深さが確認出来る、記念碑的な作品になったと思う。そして、そんな先輩に追いつけ追い越せで頑張るのが、梨江役の山本希望。作中で唯一「普通の女の子」として描かれていたおかげでシンプルなキャラ造りにはなったが、きちんとニーズにこたえるだけの仕事を果たしていた。今作のヒロインは彼女だったと思います。そして最後は、結局ラストまで何が狙いなのかよく分からなかった謎の人物、海勝麟六役の三木眞一郞だ。あの曰く言い難い気持ち悪さ、得体の知れ無さ、これがズズッと心の内側に入り込んでくる感じ。ミキシンだなぁ。

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「森田さんは無口。2」 ー→ー

 良かったですよね。この5分枠、これからも続くみたいなので今後も芳文社主導で色々と試し食いみたいにしてみせてもらえそうです。これでコミックスを買うかどうか、とか、そういう検討材料にもなるし、制作費も大してかからんだろうし、誰も不幸にならないささやかで良い枠だと思います。実際にね、コミックスを買うかって言われたら悩むんですけど、最近ちょっと欲しいかな、って思うようになってねー。日常系4コマなんてもう飽和状態だろ、と言われても、やっぱり可愛い物は可愛いんですよ。やっぱり唯一無二の存在だからなー、なかなか他にいないよなー、女子中学生なのに柴犬なんて……


 あれ?

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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