最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
今週もイカ娘が可愛かった第3話。以上、解散! うーむ、毎週それだけ言ってれば問題無い作品だな……今回は……というか毎回そうなのだが、特に一本目の「怖くなイカ?」と2本目の「天敵じゃなイカ?」については、オチの落ちてない感じはたまらないものがあり、「アニメにして演出でフェードアウトしてるから終わってる気になるが……」というもの。ほんと、サザエさんと同じくらいのレベルで「日常」を描くことだけを目的としているのだろうか。いや、不満は無いんだ。不満は…… そうそう、3本目ね。今回は3本目の「新入りじゃなイカ?」に新キャラ渚を持ってきて、ここで色々と変化があったので視聴後の満足感はそれなりのものになりました。既に3話目で「イカ娘を侵略者として恐れるキャラ」が異物として描かれるというのもすごい話だが、実際にコロコロ動いているイカ娘を見ていたら、流石にあれに怯えるのは難しいだろうな、というのがよく分かる。そして、怯えられたことによって調子に乗るイカ娘がまた愛らしいのである。自己紹介で無駄に触手を構えて威嚇する挑戦心、「そんな餌じゃイカー!」を見事に実践してくれるサービス精神、ほんと、心得てるキャラクターですよ。 アニメで見ていると、原作では全然気にしてなかったあれやこれにも目がいって新鮮な驚きや疑問が出てくるのがまた楽しい。前回も取り上げたイカ娘のスイミングフォームの流麗さは、この作品では浮いてるくらいにいいモーションだし、ずっと潜っているイカ娘が肺呼吸でなさそうなことの違和感もバリバリ。切り替えできんのかな。「海の使者」を名乗っているのにあれだけ天敵が多いっていうスタンスも謎だ。栄子は「基本イカだから」と説明していたが、はたして海の中でイカ娘を発見したシャチたちはあれをどう見るんだろうか。これが「むろみさん」だったら外敵からは単なる魚と認識されるところだが…… 3本目を見てちょっと気になったのは、栄子とイカ娘の間柄。イカ娘が千鶴を恐れているのは分かるのだが、栄子に限っては、基本的に武力でぶつかればイカ娘には勝てないはず。本人も、今回「驚いたけど怒りが勝った」と言っているように、一歩間違えれば「イカ娘を恐れる側」に回った可能性があることは理解している様子。いつの間にか職場に溶け込んだおかげで上下関係は固定されたが、渚の言うように「油断出来ない」と思ったりはしないものだろうか……いや、無いかな。あと、海の家れもんの時給がコンビニより安いってのはちょっと酷くないかな。あの労働条件で接客業なんだから、もうちょっと優遇しなイカ? 今回初登場の渚役には、しぶとく業界に生き残り続ける片岡あづさ。「マイメロ」と「セイントオクトーバー」しか知らないのでその内消えるだろうと思っていたのだが、久し振りに見たらそこそこ聞けるくらいのスキルは身につけたようで、業界での生き残りの可能性は出てきた(同日放送だった「禁書」にも登場していて、最初に聞いた時は片岡あづさだとは気付かなかった)。確かアスミスとユニット「LISP」を結成したなんて情報もあるし、仕事数が少ないのに細々と食いつないでいるようだ。案外こういうのが化けるかもしれませんな。 PR 親父の声が立木ボイスっていうだけで抵抗する気が失せる第3話。立木ボイスから中村ボイスの息子が生まれるって、どんなプレイだよ。 今週も幼なじみの子が可愛かったですね。麻奈実ちゃんっていうらしいです。名前をようやく覚えました。いやぁ、あんな子と夜な夜な電話したり、公園に2人っきりで行ったり、「お疲れ様」とか「どーぞ!」とか言われたりしちゃいたいです。しゅが美は正義。 とはいえ、今回はそんな麻奈実ちゃんではなく、流石に桐乃メインってことで。オタクを扱う作品ではクライマックスの定番とも言える、カミングアウト勝負。アキバでの流れから桐乃が自分で打ち明けることになるのかと思ったが、折悪しくアクシデントから親父に知られるという展開。よくDVDを落とす娘である。 クライマックスは親子対決ということになるわけだが、基本的に親父が言っていることは全部正しい。「悪い影響がある」云々はさておくとしても、自分で稼いでいるとはいえ、中学生が湯水のごとくああいったメディアに金をつぎ込むという行為自体、悪影響というか既に非行であろう。持ち慣れない金を渡してしまっている教育方針にも問題がある気がするが、「親に秘密にする趣味」という時点で、親がみとめられないのは仕方がない。あそこで唯一桐乃が趣味を正当化するための手段は、自らの手で両親を論破するしかなかったはずだ。「成績を維持している」という免罪符はあるわけで、あとはいかにして「後ろめたくない趣味であるか」を訴えかける意外に残された道はない。 しかし、桐乃はそれが出来なかった。「後ろめたさ」を認めたこととなり、親につけいる隙を与えてしまったのだ。この時点で桐乃の負け。日陰者のレッテルを貼られ、なおかつ、両親の扶養の下にあるという立場上、諦めろと言われても文句は言えない。どれだけ世間からの認知が広がったといっても、オタク趣味なんてそんなもんである。 そして、今回最大の見せ場となった京介の一人舞台は、そんな不利な状態から親父を説得するという難度の高いミッションであり、これがうまく決まれば、作品のメインテーマを上手く昇華できた最高のシナリオラインとなるはずのところだった。しかし、見たところ京介の説得は特に理論武装も出来ておらず、つけいる部分も弱い。感情論で押し切ろうとしていたにもかかわらず、京介自身、父親がそうした根拠のない訴えに動じないであろうことも承知しているのだ。この据わりの悪さが、啖呵を切るシーンをどうにもモヤモヤしたものにしてしまっている。多少強引でもいいので、もう少し父親を感情的な部分から描写して、ベタでもいいのでお涙頂戴でごまかせるようにもっていくことは出来なかったものだろうか。せっかく、「未成年に18禁ソフトをやらせる」という、完全に法令違反なシチュエーションを大々的にやるチャンスだったのに、うやむやで終わってしまったので消化不良だ。 最後の親父の反応も意味が分からない。京介は高校2年生らしいので、18禁ソフトの所持は基本的にアウトだし、京介の場合は桐乃と違って仕事で稼いでいるわけでもない。ソフトの購入費用がどこから出てきたのか、という問題が生じる。男同士の対話なのであまり「いかがわしさ」については突っ込みを入れない気持ちは分かるが(おそらく自分の過去に思うところはあるだろうから)、だからといって「妹物エロゲーを妹のPCでプレイする兄貴」は、「中学生のくせにエロゲーに手を出した妹」よりもはるかに危険度が高いものである。これをワンパンチいれただけで放置するのは、明らかに「躾け」の内容に合致しない。何故何事も無かったかのように翌日を迎えたのだろう。 中村悠一の熱演はなかなか面白いものであったし、相変わらず画のクオリティが高くてアニメーションとしては満足のいく物なのだが、どうしたって内容が上滑りで、いい話っぽくまとめているけど全く理解出来ない。このアンビバレンツがなかなか辛い作品です。いや、しゅが美ボイスが聞けるだけで不満はないのだけれど。なんだろう、タイトルと違って、妹が本当にどうでもいい。 あおちゃんが可愛くてどうしようもない第3話。うん、それだけなんだ。すまない。悠木碧速報とかに名前変えようか。 この作品自体、悪くない出来なんですよ。今回のターゲットは最初の娘と違って2話かけて扱ってくれたのでそれなりにシナリオラインは理解出来たし、ヒロインの愛らしさもよく出ている。画の品質も高いし、この安定感はなんだか「ハヤテのごとく!」から続く「サンデー漫画」だなぁ、と。スタッフの濃さの割には味がそこまでくどくないのも、逆に見やすい要因かもしれない。 ただ、それだけにコメントに困るんですよ。毎回それなりに面白く見られるけど、どこか引っかかる部分があった方が、良くも悪くも印象に残る。この作品で「悪い」部分といえば、メインとなる流れがちょっと強引すぎる点くらいだろう。そもそもゲームオタクっていう設定のはずの主人公が万能過ぎて、「ギャルゲー知識でリアルの女性を攻略していく」っていう基本骨子のインパクトが弱くなってしまっているのだね。まぁ、仕方ない部分ではあるが、最終的に「単なるイケメン主人公が女の子をたらし込んでいくだけの作品」みたいになってしまうと、あんまり面白くはないんだよな。エルシィの活躍次第で主人公ももう少しキャラが立ってギャグテイスト強めになってくると思うのだが……まぁ、原作がこうなってるなら文句を言う部分ではないだろう。 で、この3話に限っていえば、「いい部分」で引っかかったのがヒロインの中の人だったというわけですよ。いやー、いいね。ほんとに最近ベタ惚れですよ。今回のキャラも、本質的な部分で「庶民」と「金持ち」で揺れる部分でまず2面、それにツンデレ部分もあるのでさらに2面という演じ分けになっており、色とりどりの悠木節が堪能できる仕様となっております。中盤の「このすっとこ運転手!」のところの発声とか、マジでツボ。悠木家で運転手をやって実際に言われてみたい。そう言えばあおちゃんパパもお金持ちですよ。何故かマッチョで格好いい会社重役(部長)ですよ。そうしてみると、今回のキャラとの親和性はあおちゃんの持って生まれたもの……なのか? お父さんは大事にしましょうね。 次回以降はあおちゃん出るのかなぁ……
芳忠さーーーーーん! な第4話。Aパートのゴーストも勝生真沙子さんだし……無駄にゴーストがはっちゃけてんだよ。いや、芳忠さんが変態役に向いていることはしってますけど。
今回はこれまでよりも(比較的)大人しい題材ではあるのだが、その分病巣の根深さが確認出来るとんでもない仕上がり。特に、話の筋がものすごいありがちだったおかげか、Aパートの「ダイエット・シンドローム」の向こう見ずな勢いがより際立っていた。普段突っ込み役に回っていたストッキングメインの回だったから、より際立ったのかな。 細かいネタの回し方が秀逸で、様々なBGMが色々と「微妙に違う」パロディ音源になっていて、例えば微妙に節が外れたロッキーとか、とにかくバシバシと短いカットを連打する中で最低限のシナリオを伝達する音響、演出のキレがたいそう気持ちいい。また、今回は「ジャパニメーションとしてのカートゥーン」の持つ独自性が上手く出ており、リズムの付け方と、独特の画作りのこだわりが面白すぎる。楳図かずおのごとき1枚絵や佐藤順一ばりのぐるぐる走り。クライマックスには「あしたのジョー」ネタなのでもろに出崎統のパロディまで。変幻自在のネタ画の連打は、この作品の真骨頂だ。今まで見てきたエピソードの中で一番刺激的だったかも。ちなみにこの回のコンテは、つい2日前に「刀語」で感心した小松田大全というクリエイター。忘れられそうに無い名前になりました。 強烈だったAパートに比べるとBパートはまだ大人しい印象。立て続けに見ると、キャラクターデザインすら1話1話コロコロ変わっているのが見えて面白いけどね。あれだけ最低のネタを転がした後にヌーディストの話をされても別に驚きゃしません。パンツ降り注ぐさまも、別作品で飛び交ったパンツに比べれば大人しいもの。オチのひどさがこの作品特有の売りではあるが。ま、芳忠さん劇場が楽しかったからいいけどね。パンティって誰の下着でも武器化できんのね。しかもその人の「もの」を具現化させて。ってことはパンティ自身は……(自粛) この作品を見ていると、思い出すアニメが1つある。それは「ギャラクシーエンジェル」だ。エンジェル隊よりも3人少ないが、この野放図な感じと、15分区切りで後のことを考えない投げっぱなしが癖になる感覚、あの全盛期のGAのイメージなのだ。ま、単に今回教会サイズに膨れあがったストッキングを見て、でっかくなって「バーンてやりたい!」って叫んでたミルフィーユを思い出しただけかもしれませんが。パンティのビッチ属性とか、ダイエットに奮戦する姿とかは蘭花とも被るし、ミルフィーユ・フォルテ・蘭花・ミントの4人分くらいの属性は2人のエンジェルで埋め合わせがききそう。ガーターの濃さはウォルコットよりも強烈だしな。 ってことは、この作品だってシューティングゲームやカードゲームにすることだって……いや、いいです。この作品のBD−DVDは12月24日発売だそうですよ。どんだけ嫌なクリスマスプレゼントだよ。これで第3回まで収録されてれば「ホワイトクリスマスだね」っていう最低のジョークが使えるぞ。使用後は自己責任で。
お元気そうで何よりです! コミックス同梱版の特別編。今期は「パンスト」「そらおと」と様々な方向にエッジの効いた終わってる作品が多いのでこの作品のことは忘れかけていましたが、たった一本見るだけで全てを思い出すことが出来ました。ほんと、抜かりない作品です。
まず、せっかく金を払って見るOVAということで、マイナス面から触れておくと、いわゆる「OVAクオリティ」と言えるほどの質的な向上は見られない。特にクライマックスのアナスタシアが暴れ回るシーンなんかは動画も案外適当で、「流石に金がかかっている!」と膝を打つ機会は無かった。ま、この作品は放送当時からそこまで質が下がることはなかったので、平均値の高いものと比べるとなかなか差が出にくいとは思うが。また、話数としては「10.5話」ということで、主人公サーシャがまだそこまで覚醒しておらず、彼のおしゃれアクションや素晴らしい厨二台詞などが堪能できなかったのも残念。彼の活躍があって、この作品は完成するのだが。ちょっと物足りない部分であった。 とはいえ、この作品は最終的に乳さえ出てくればその役目を果たす。今回は、本当に捻る気が欠片も感じられないくらいにストレートな「おっぱいネタ」を恥ずかしげもなく繰り広げており、あまりの馬鹿馬鹿しさに突っ込む気力も起こらない。そう、この突き抜けた馬鹿オーラこそがクェイサーだよ。ユーリや鳳が大真面目に今回の事件などに対してコメントしており、「真面目に不真面目」な雰囲気はちゃんと出ているし、クライマックスではカーチャが奇妙なイナバウアーもどきの搾乳アクションを見せており、無駄な格好良さ、無駄な決めポーズっぷりが際立っている。人はおっぱいのためにここまで本気になれるということなのか。 そして、やはりこの作品は女性陣の活躍あってこそ。今回はまず、アバンで華とカーチャの猫プレイ。これが軽いジャブ扱いなのがこの作品のすごいところ。Aパートの身体測定シーンでは女子高生の胸談義を余すことなく披露。やってることは本放送でみせたネタの繰り返しが、美由梨の自信満々の様子や「つ〜るぺ〜た〜」と歌う史伽など、安定感のあるネタっぷり。そして、この作品の真骨頂である、保健室外で白熱したおっぱい談義に火花を散らす馬鹿2名。巨乳派代表サーシャと貧乳派代表鳳のニュータイプも真っ青の激論は、きれいなオチまで含めて今回のハイライトといえるシーンだろう。……あの保健室、便利だな。 そして、Bパートはゲストキャラ椎崎るるを交えたカーチャと華の主従漫談。もう、ほんと馬鹿。そして、くだらねぇ。こんな世界なら戦争とか起こらなくて良さそうだなぁ。華さんの甲斐甲斐しさばかりが胸を打ちます。 とにかく、あんまり視聴してるところを他人に見られたくない下劣さと馬鹿馬鹿しさは本当に健在。この勢いなら、2期もあるかもなぁ。無論、中の人の爆裂っぷりもちゃんと触れておかないとね。活躍の割合でいうと、日笠・日笠・平野・茅原・日笠・日笠・日笠・平野くらい(雨雨権藤雨権藤のノリで)。もう、ぴかしゃはこの道を究めてしまってもいいかもしれない。教団ビルでのカーチャ登場シーンでは、オフ気味でず〜〜〜っと何かいってんのね。楽しすぎる。そしてオチの一言はカーチャが決めた。もうほんと、最低。 続編まってま〜す。
何となく方向性は分かった気がする第2話。これまでのシャフト作品の中でもかなり動く漫画なので、演出方針としては正しいんだろうな。
Aパート、何故か先生を意識する歩鳥と、買い物先で警官とのバトル。お巡りさんの中の人が千葉繁っていうキャスティングは流石に狙いすぎだと思うのだが、「あの」お巡りさんよりもよっぽど常識人の設定になっているせいで、あんまり中の人ではっちゃける要素がないのは勿体ないか。演技の方はかなりトバしてるんだけど、画面でそのあたりの迫力を前面に押し出してこないからちょっと温度差がある気がするんだよね。 温度差、という意味では、冒頭からの歩鳥や辰野さんの動きもそう。なんだか無駄に枚数を使った動画になっている気がするのだが、残念ながらそこは「動かす必要が無い」パート。いや、別に動いてもらっても構わないんだけど、相変わらず中の人のトーンが単調なおかげで、画面のクオリティが無駄に浮いてしまっている。なんだか「実験的に色々な動きを取らせてみていますが、ストーリー上、画面は無視して下さい」みたいな仕上がりなのだ。シャフトは毎回紙芝居だのなんだのと非難を受けることが多いので、余力のあるこのあたりで思い切って動かすことにしたのかもしれないが……無駄遣いっぽいよね。それとも毎週このくらいの出来で出てくるんだろうか。だったら文句も無いが。 Bパート、空回り気味に頑張る歩鳥と、それを見守るばあちゃんの話。こちらもシャキシャキと動いて、文字通り「ドタバタ」が起こる勢い勝負のネタ。お巡りさんも含めて参加人数が増えて、こちらの方がAパートよりも随分賑やか。個人的な好みの範囲だが、この作品の売りの1つにはこうした「商店街を巻き込んでのドタバタ」みたいな要素がある気がするので、Aパートよりもこういうノリの方が好きかもしれない。「大人気ない」みたいな説明臭いネタは出し方が難しいのでアニメにしたときのインパクトは弱まっている気もするが、それまでの歩鳥と辰野さんの立ち回りが賑々しくて、それだけでも何となく楽しめる気がするのである。まぁ、ひょっとしたらあおちゃんの台詞が多かったから楽しかっただけかもしれないけどさ。 「シャフトらしくない」ことは、今のところそこそこいい方向に機能しているように思える。製作期間があったのか、それなりに人の手もかかっているようだし、単純な質でいえば今期では高い方に入るんじゃなかろうか。その上で、今回は龍輪さんのコンテ回ってことで、相変わらずの癖も発揮されている。このあたりを受け入れられるかどうかの勝負だよなぁ。
ゴールに向かってカウントダウン、第10話。ついに全ての刀が出揃い、一気にクライマックス! ……と行かないところが、本当にこの作品らしいところで。
10本目の刀、「誠刀・銓」。これまでおかしな刀も多数登場し、最近では「刀ってなんだろう」という哲学のレベルにまで行っていた気がするのだが、ついに、実際に存在論にまで発展することになった。ここに来てこの流れというのは、本当に原作者の底意地の悪さというか、何事も無下に片付けられないお人好しの部分が垣間見える設定である。今回の目的は、これまで少しずつ少しずつ溜まっていた澱のような「うやむや」を、さらなる「うやむや」で丸め込んでしまうこと。はっきり言えば、反則行為だ。 普通のバトルものとして見た時、今回の展開ほどつまらない話も無いだろう。刀の持ち主である彼我木輪廻とはほとんど戦っていないし、途中でとがめが「勝つ」方法を思いついた、といつものように奇策を巡らせるようなそぶりを見せたにも関わらず、その後に出てきた結論は「相手が戦わないつもりなら、自分も戦わなければ勝ちと同等の結果となる」という訳の分からないもの。はっきり言って、屁理屈を通り越した詭弁でしかない。とがめと彼我木は得心がいったような顔をしているが、読者も世間も、こんな話で納得出来るはずもない。実際、彼我木ととがめの問答シーンでは、いつの間にやら七花が画面から消えている。彼がいたら、「訳が分からない」ことが第三者の視点からも明らかになってしまうからではなかったか。 そう、今回は本当に訳が分からない。しかし、「訳が分からない」のは、この作品を「月に1本ずつ刀を集めていくバトルもの」として見た場合の意見である。12話で完結する1つのシリーズアニメとして見た場合、今回のテーマは前述の通りに「うやむやの解消」だ。そして、その解消手段が、さらなる「うやむや」なのである。そもそも、ここまでの話で限界ギリギリとはいえ一応現実レベルで話を進めていた今作において、「仙人」という存在自体がまずイレギュラーだ。作中で一切説明がなかったが、姿形を変える彼我木のデザインや、彼がもたらした幻影の数々、そして銓の効果に到るまで、どれもこれも全てがファンタジー。極論してしまえば、全てが夢幻であってもおかしくはなく、彼我木という存在自体も、「おのが姿を写す鏡」という機能さえ成立していれば、あとは個人として存在する必要も無い。実際、全てが片付いて袂に銓を忍ばせたとがめたちが百刑場を後にしてから、とがめが必死に掘った穴は綺麗さっぱり消え失せている。今回流れた全てのバトル、苦役は、銓の効果であったとも考えられるのだ。こうして「自分と向き合う」という行為自体を刀の属性としてあたえ、その延長線上に彼我木輪廻という実在しない人格を形成する。そうすることで、一切バトル要素が存在しない、単なる「内省」という行為を一つの「刀探し」エピソードに変形させているのである。この解題の仕方は、本当にしたたかだ。 「内省」というテーマが決まれば、後は描くのは容易い。奇策士とがめが振り返るべきは、過去の自分の原点。家族を失ったあの日の凄絶な思い出と本気で向き合う機会を得て、これによって動乱に飲み込まれてしまった父親の存在にようやく片を付けることが出来た。そして、そんな父の背後に迫っていた虚刀流という存在についても、「四季崎の刀の一本であった」といういかにもなネタを回収することで、一応の決着を見ている。彼女が集めるのは刀。そして、刀を集めるのは刀であった。全てが「刀」に収束する、いかにもこの作品らしい落としどころではないか。 そして、今回のメインネタといっていいだろう、七花の内省。鑢七花というキャラクターは、最近になってだんだんくだけてきてはいるものの、やはりその内実を探りづらい、謎の多い人物である。「何のために戦うか」という大命題はもちろんのことだが、勝つこと、負けること、戦うこと、守ること、そうした全ての行動について、彼は自らの意志を優先させない。そんな彼の最奥をえぐるための手段が、今回の「敗戦相手との対峙」であろう。 汽口慚愧との対峙は、まだシンプルだ。彼女ははっきりと自らの口で自分が伝えるべきことを語っており、「刀が使えないのは呪いではないか」というファクターをあぶり出した。鑢七実との対峙は、七花にとって一番重たいテーマであったが、「あくまで刀でしかない」「刀は刀を使えない」という彼女のメッセージは、最終的に「刀の使い手」の存在をあぶり出す。そして、最も根深く七花の奥に眠っていた存在、敦賀迷彩との邂逅により、七花はようやく、本当の意味で「使い手」の存在に気付くのである。「私を殺してまでして、何のために戦うのか」との迷彩の問いに対し、存外あっさりとした七花の答えは、「とがめのため」と。 結局、まとめてしまえば今回のエピソードは七花にこの一言を言わせるためだけに存在していた。内省の果てにたどり着いたのはたった1つの「目的」。この「目的」という言葉もとがめ達の問答の中で再三登場するフレーズだが、本来最も重要であるタームを軽々しく女性2人の問答の中で引き出し、あてどない方向に転がしてしまうあたり、作劇の底意地の悪さが伺えよう。表面をなぞると本当に馬鹿馬鹿しいことしか論じていないキャラクターたちは、一歩引いて俯瞰することで、きちんきちんとこの作品のゴールに向けて、切るべきものを切り捨て、拾うべき因子を丁寧に拾いながら歩いているだけなのである。本当に憎たらしい。 これだけ面倒な脚本、アニメにするのはさらなる艱難辛苦を乗り越えなければならない。今回のコンテを担当したのは小松田大全という名前のクリエイターだが、相変わらず無茶な脚本を相手に四苦八苦しているのが伺える。最終的にとられた方策は、監督の元永慶太郎の大筋の流れに沿った、「画面はのせるだけ」という方針だったか。無駄に長い問答のシーンは、本当に動きが無い。今回は特に彼我木の問答が頭を悩ませるものとなっていたので、おそらくこれに徒に画面までいじり始めると、おそらく作品としての収拾がつかなくなっていただろう。皮肉なものだが、動きを捨象して構成するという判断は正解だったと思われる。もちろん、ただ画を止めて諦めるわけではなく、1枚1枚の画のインパクトは重視しており、個人的に気に入ったのは、否定姫と右衛門左衛門の会話のシーン。いつも通りにお行儀よく座っていた否定姫はいつの間にか床に寝そべって天井裏の右衛門左衛門と会話をしており、間をつなぐカットを用意していない。一体どういうことだろう、と考えてみると、この「寝そべった否定姫」は、天井裏の右衛門左衛門から見た時に、きちんと全体像が捉えられるアングルに変化しているのである。今回、右衛門左衛門は初めて「笑みを浮かべる」というアクションをとった。2人の関係性に、主君と臣下という関係以外の、もっと濃密なものを感じさせる。物語の収束に向かって、この2人の関係性も少しずつあからさまに、そして密接に進んでいるのだ。 また、彼我木の作り出したファンタジー世界の造形も、ベタな部分はありながらもなかなか含蓄に富む。「書き割りで描かれた世界が割れる」というクライマックスの演出は、個人的な思い出から言うと「妄想代理人」の最終話と被る。どちらも逃避先を用意された『向き合いたくない現実』の打破のメタファーとなっており、今回は七花が彼我木の投げかけた問答に対する答えを導き出したことを端的に表すカットとなっている。他にも、彼我木が抱える酒瓶(?)の中がとがめの掘り続けた穴と繋がっていたのは彼我木ととがめの関係性を分かりやすく示しているし、そもそも彼我木のデザイン自体、アクロバティックな「概念の複合」をビジュアル化するという難度の高い造形の産物である。まぁ、期待していたこなゆきの活躍がみられなかったのは残念だったけど…… そして、そんなややこしい問答回だからこそ、数少ないバトルの見せ場の力の入れ方がすごい。ただ、何故か今回は彼我木とのバトルではなく、回想シーンの慚愧とのバトルの方がものすごかったけど。あの短いシーンにどれだけの労力を傾けたのだろう。劇場版と見紛うものすごい迫力だった。「動きでだって見せられるんだぜ!」という製作スタッフの維持の表れか。 とにかく色々と見どころ、悩みどころの多い今回。最後にやっぱり中の人の話で締めよう。ゲストキャラクター彼我木輪廻役は、なんか久し振りに聞いた気がする伊東みやこ。「しずくちゃん」「キョロちゃん」とひたすら人外のイメージであるが、やっぱり今回もファンタジー生物という名の異物としての存在感が濃すぎる。面白い造形だったが、ちょっと気になったのは笑い声ですかね。やっぱり「ケ」音で笑うのは人として難しすぎるよ。過去に「ケケケ」でちゃんと笑えたキャラクターって、ステカセキング(CV・二又一成)しか浮かびません。 その他、とがめ、否定姫、七実、慚愧、迷彩などのオールスター出演も今回の見どころ。やっぱりこうしてみると重要なキャラクターは全部女性なんだよなぁ……とがめは今回あんまりしゃべってなかったからちょっと不満だったんだけど、ラストのいちゃいちゃシーンで全部持っていった気がします。まぁ、本当に最後に持っていったのはエンディングテーマを歌った否定姫だった気もしますけど。作詞が畑亜貴、作曲が伊藤真澄のゴールデンコンビ。本当に「容赦無い」曲になりますよね。これってアルバム収録とかされないもんかなぁ。
週に1度のあおちゃんアワー、第3話。いや、今期は「それ町」もあるから、悠木碧成分はコンスタントに摂取できるんですけどね。
謎は謎のままとなってしまった十兵衛の正体。再び現れた「黒い」十兵衛は、とりあえず宗朗とのキスを起動条件として、時間制限ありで登場するものであるらしいことが分かった。また、彼女の言動からすると、黒十兵衛の記憶は白十兵衛にはないが(夢に登場しているが)、黒十兵衛は白十兵衛の記憶を共有出来ているように見える。そして幸村の秘術によって「魔の物」でもないことが確認され、一応の信頼は勝ち取った……のか? よく分からぬ。千姫のテンションなら、眠っている十兵衛をそのまま処断してしまっても文句は言えないような状態だったと思うのだが、何故かみんなしておとがめ無しの雰囲気になっている。又兵衛の進言があったのかしらね。 とりあえず、よく分からない世界のよく分からないキャラクターたちはそのままなのに、何となく本筋は見えてくるようになった。謎のマスターサムライである十兵衛は宗朗とバディを組んでいる状態で、敵になりそうなのは千姫の兄貴、もしくは彼が危険視している「大日本を覆う影」。今のところ黒十兵衛に悪役要素は無い。あとは……幸村の回りが落ち着けば一段落かな? 結局「豊臣側だから」とかいう理屈が分からないし、都から放逐されて無罪放免のはずがあっさり戻ってきて姿を見せていいのか、とかいう問題は残っている。一応今回千姫を助けたという貸しが出来たから、今後は共同作業で帝都の闇と十兵衛の正体を追っていくことが出来るのだろうか。いまんところメインキャラクターが一向に増えず、この連中だけで回している状態なので、幸村にはちゃんとレギュラー出演してほしいものである。 さて、この作品はストーリーの評価もそこそこにして、やはり画面の妙な色を楽しむ部分がメインである。3話目ということで墨汁演出にも慣れてきたが、今回は裸体パートも多かったので、モザイク任務に大活躍。個人的に面白かったのは、十兵衛が千姫をぶっ飛ばし、それを半蔵が庇った後のシーンで、半蔵の胸のあたりに墨汁が置かれている。おそらく片乳が出てしまったのでモザイク処理を施したものだと思われるが、この墨汁が、普段十兵衛の乳を隠しているものとは形が違うのである。垂らした墨汁ではなく、どちらかというとひっかいたようなちょっと形の荒れた墨汁。おそらく、半蔵がただ脱げたのではなく十兵衛の一撃を食らって負傷したことを表すマークとして用いられているのだろう。ちょっと気を抜けばパターンばかりを追って形骸化しそうな目新しい演出だけに、こうして細かい部分にも一工夫を入れてくれているのはなかなか嬉しい。 そして、やっぱりあおちゃんだなぁ。今週は白十兵衛と黒十兵衛が半々で大活躍。この温度差が綺麗に出るってのは、キャリアを考えたら信じられないスキルですよ。底の見えない娘だ。
マリアとステラが出てくれば満足してしまう姿勢を自省したい第3話。もう、そこだけ楽しい。すごく楽しい。
1人目・ステラ。世界で最も雄々しい「パジャマパーティー」を聴いた。髪をほどいたステラはもう桃月学園のロリっ子教師にしか見えない。でも、ベッキーの方が声はやや低い気がする。彼女の夢は巨大化らしいが、一体どこへ行こうとしているのか。Cパートの潜水モードとか、もう目標達成出来てないか? 2人目・マリア。なんであんな漫画持ってたんでしょうね。笑いを堪えて「ぷくー」ってなってるマリアさんは本当に素敵。「そのとおりねぇうふふ!」っていう台詞の言い方がドつぼ。リクが土下座しにきたとき、ちゃっかり一番いい女王様ポジションに座って見下しているさりげなさがたまりません。この2人の男性観を聞いていると、なんか中の人もこれでいいんじゃないか、って気がします。いや、気のせいですけど。 3人目はニノ。実を言うと、今回のニノがこれまで見てきたなかで一番可愛かった気がします。特に威嚇モード中。真面目なエピソードにまってしまうとぐっと見るモチベーションがさがるんだけど、ニノだけは奇人変人に徹しないで適度なヒロイン成分を維持しててもいいかもしれません。 一人だけ触れてない女性キャラがいるって? 中の人が悪いんだよ。 |
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HN:
Thraxi
性別:
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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