最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
とにかく終わったことだけは間違いない最終話。……うん、終わったよね。
ヒーローマンが敗れた。絶望するジョーイと、地球の終わりを宣言するゴゴール。全てが片付いたそのとき、ジョーイの捨て身の覚悟が発動する。自分がやらなければ地球は救われない。命をなげうった彼を支えていたのは、同じようにして仲間達を救った父への思い。 しかし、いざ捨て身の一撃を加えんとゴゴールに突撃した瞬間、ジョーイは何者かに行く手を阻まれてしまう。彼の命を救ったのは、既に機能停止したはずのヒーローマンだった。すんでのところで生き延びてしまったジョーイの下へ、ようやくたどり着いたリナとホリーが駆け寄り、活を入れる。誰もジョーイの死など望んでいない。お前が帰ってこなければ、この世界が残る意味など無い。父親だって、そのことを知っていたからこそ、最後まで帰ってこようと戦ったのだと。 自らの成すべき事を本当に悟ったジョーイは、デントンのマシンによる充電を受けたヒーローマンと共に、ゴゴールに最後の一撃を見舞う。新たな意志を受け継いだジョーイとヒーローマンの一撃は、極限までエネルギーを高めたゴゴールのビームを超越し、彼を大気圏外まで吹き飛ばしてしまった。 地球の勝利は、全てこの星の意志だったかもしれないと、後になってデントンは語る。この星を守るヒーローの志を受け継ぎ、それを実現させる運命を背負ったのがジョーイだったのではないかと。 さて、次なる敵は…… ……………………うん、終わった。実に見事に強敵をやっつけたヒーローマンたち。見事なまでのヒーローでしたよ。………………いや、何で? そりゃま、心のパワーは強いでしょうが、いくらなんでもデントンの充電マシン(落雷)でエネルギーを得ただけヒーローマン単体が、タマ×5+マントルエネルギーまで吸収したゴゴール様を一撃ってのはどうよ。なんかもう少しさ、それっぽい理由がだな……いらんか? 別にいいか? 勧善懲悪に理由を求めたら駄目か? ……それにしてもなぁ。だったら別に左手がでっかくなったスーパージョーイがブン殴って勝利でも良かった気がするんだけど。よりにもよってここまでずっとパンチだけで見せてきたヒーローマンの最終奥義が「あのポーズ」だったなんて。うーん、面白いけど見栄えが良くないんだよ。やっぱり血湧き肉躍る肉弾戦とか、せめて最後に拳を握るくらいのアクションは欲しかったところなんだが。 ま、先週の時点で100%満足のいく格好いいエンディングになるとは思っていなかったけど、ここまで突き抜けた打ち切りエンドみたいな終わり方だと、流石に勿体ない気がしてしまいます。結局喧嘩別れしてたはずのリナとはすぐにくっついちゃったし、どちらかというとホリーの方が活躍してたように見えるし。海辺で発動した「ヒーローマンの新しい技」っていうのが今回のビームだったんだろうけど、なんかもう少し伏線めいたものがあれば良かったのにね。結局一瞬だけみせた巨大化技は最後まで使わずじまいだったし。ウィルも最後は単なる介護役しかしてないし。むー、色々とわだかまっております。 もちろん、最終回ってことでそれなりに画面は盛り上がっていました。赤く染まったジョーイの突撃シーンは流石のボンズだし、過去の情景がフラッシュバックして少しずつジョーイが覚醒、最終的にホリーにたしなめられて真実に到達するまでの流れも悪くない。欲を言えばもう少しリナに出番を増やすべきだった気もするんだが、結局ジョーイは愛の力よりも家族の絆の方が重要なエネルギー源になってたってことだろうからね。ビーム発射後の「地球」→「ロゴ」っていう演出も、緊迫したシーンだったのにあまりに馬鹿馬鹿しくてちょっと笑ってしまった。こういうことを恥ずかしげもなくできるのは悪くないところだったと思う。 でもなぁ、やっぱりシナリオの肩すかし感がなぁ。実はゴゴール様、1戦目のときより今回の方が負けるまでの時間が短いんだよね。復活から殲滅までおよそ3話っていうのは、ラスボスとしてはちょっとショボい。しかもこれまで隠されてた最終目的が「宇宙に帰る」って、スカイドンかよ。あれだけでかいタマを5つもコントロール出来る能力があるなら、地球は放っておいてさっさと出てってくれればよかったのにな。 まぁ、色々と釈然としないまま終わってしまったのは素直に残念です。………………が。が、がっ! ラスト! 続編作れ! やっぱりぼくらのヒーローはDr.ミナミやったんや! 彼なら、きっと彼ならヒーローマンなんか目じゃない合衆国の大看板を作ってくれるに違いない。もう、最後のシーンだけで全部許した。さぁ、始めよう! だー、終わるなー! PR
久し振りに破壊力抜群のとがめ節、第9話。そうだ、この作品は、最初はとがめの魅力でもっていたんだ。やっぱりボスキャラは本領発揮したら違うぜ。
9本目の刀ということで、流石にもう展開に差が出しにくい頃になってきていますが……今回は、なんと「七花は刀が全然使えない」というネタをメインに持ってきてすったもんだする展開。いや、ここまで馬鹿な設定がまだ生きているとはおもわなんだが……これまでの刀集めとは緊迫感が全然違うよな。北海道の山の中にある刀とか、海賊の頭領が持ってる刀は流石に集めにくそうだけど、単なる田舎道場の師範が持ってる刀なら、マニワニにしろ幕府にしろ、ちゃっちゃと集められそうなもんだけど。とがめがラストで何か訝しんでたけど、この刀の蒐集が随分遅れたことには何か意味があるんだろうか。前回までの白熱した戦いが、急に色恋混じりの緩い展開になったから、ちょっとどうしていいか分かりませんでした。 とは言っても、七花ととがめは勿論大まじめ。なんとか正攻法で刀を譲り受けるべく、奇策を巡らせて……って、今回は10日間もうだうだしてたけど、「あの勝ち方」だったら別に10日間もいらんよなぁ。これって単純に「とがめの頭がテンパってたから良いアイディアもしばらく浮かびませんでした」ってことでいいのかな。何の障害も無い状態だったら、最初に勝負を挑んでから2,3日で奪えてた気がするんだ。やっぱり9話目に持ってくるような試合ではないなぁ。 いや、別に今回のお話に不満があるというわけではない。ただちょっと妙な流れに肩すかしをくらっただけ。今回のシナリオの焦点は、前回までですっかり円熟した夫婦みたいになっていた七花ととがめの間に爆弾を落とすこと。特に具体的な契機もなく、半年以上もの旅路で自然と結びついた七花ととがめ。このまま何事も無ければ2人は相思相愛で片付くところなのだが、ここで敢えてそれをかき回すことで、より密な関係性を示唆する。それが今回のシナリオのメインプロットだろう。そして一番分かりやすいかき回し方は、「ライバルを出すこと」だ。 元々朴念仁でしかない七花を釣り上げるための「恋のライバル」は、普通の女の子では務まらないので、わざわざ刀の持ち主として汽口慚愧が登場する。刀の力により非の打ち所のない清廉潔白な人間となった慚愧に対しては、どこかズレた七花も文句をいうことは出来ない。話の流れからいつの間にやら門下生として修行をすることになり、師1人、弟子1人の修行の時間は、言い換えれば男1人に女1人の空間。武道といえば七花はホイホイついていくわけで、気付けば奇跡的なセッティングで「とがめがやっかむ恋のライバル(大誤解)」が生み出された。 基本的に、とがめが1人でどつぼにはまってギャーギャー言ってるのを楽しむことになるわけだが、誤解の仕方とか、いつの時代の漫画だよ、と突っ込みたくなるくらいにベタベタ。はたして原作小説でこれを読んで面白いのかと不安になるくらい。しかし、アニメはこれで面白い。今回はとがめさんの百面相を描くのに全精力がそそがれており、泣いたり怒ったりふくれたりあざ笑ったりするとがめの顔を見ているだけでも楽しくて仕方ない。慚愧のキャラクターがあの通りの鉄面皮なので、それとの対比でいつも以上に賑やかで可愛らしく見えました。ほんとに1人上手なんだから。 そして、そんな(勝手に)切羽詰まったとがめに、遅すぎる一歩を踏み出させたのが今回の大オチ。「10日とは言え練習したから素人とは言えないよ」という七花に対し、必殺の忘却兵器を炸裂させたとがめ。あんた、これまでずっと奥手だったくせに、こういう時には躊躇いないんだな。奇策のためならなんだって「肯定」出来るってのはこういうことをいうのかねぇ。しかも、実際に使った作戦をみたら、別に七花が素人だろうがセミ素人だろうが全然関係無いやんけ。今回の奇策っていうのは「慚愧に勝つための策」というよりは、「七花を自分の下に引き戻す策」としての奇策だったのかもしれません。 さて、そんな浮ついた雰囲気の2人とは対照的に、どんどんシリアス風味が増しているのはマニワニと尾張城の面々。残り3人しかいなくなってしまった真庭忍軍は、「最も強力な変体刀」を手にしたことで一気にビハインドを取り返そうとしている。そして、そんな真庭忍軍を追うのは、否定姫の僕である右衛門左衛門。海亀の復讐を願う鴛鴦との直接対決は前回の海亀戦よりは白熱したものとなったが、それでも右衛門左衛門の持つ銃(刀?!)によって突然の幕引き。これにより、真庭忍軍は残り2人。なかなか強烈な個性を発揮してくれていたマニワニたちがどんどん減っているのはちょっと切ない。今回の鴛鴦にしても、海亀同様にほとんど活躍出来なかったからなぁ。残り3話でどうにか一花咲かせてくれるんでしょうか。 今回は場面転換も多く、とがめが騒がしかったので普段のような「台詞の圧倒的な多さ」は(そこまでは)気にならない回でしたかね。ひょっとしたら9話も見てるから単に慣れてきただけかもしれないけど。残念ながら否定姫の活躍があまりみられなかったので、次の一ヶ月が待ち遠しいですわ。 最後は当然キャストの話。今回のゲストキャラである汽口慚愧役は、固い役といえばこの人、伊藤静である。ま、中の人の本性を知ってしまうとこういう役はどないやねん、とも思うんだけど……イメージはしっくり来るのが不思議だ。御前はちょっと前までは少しずつ出番が減って中堅どころとして落ち着いてきたイメージだったのだが、今期は森島先輩にオオカミさんなど、メイン級での当たり役が多い。こういう年がある役者っていうのはしぶといですよ。個人的には「セキレイ」の紅翼が一番「らしくて」好きなんですけどね。 ただ、今回はやっぱりそんなゲストキャラよりも、回りを全て食ってしまうとがめの中の人を褒めるべきでしょう。嫉妬に暴れるお子様な部分から、ちょっと背伸びして七花をいじってみる策士としての側面まで、本当に見てて聞いてて楽しい見事なさじ加減。出来ることならこれを収録してるアフレコ現場をずっと見ていたいくらいです。ちぇりおー。
<黒>
Appetite for Brains 脳食願望 (B) U ソーサリー 対象の対戦相手1人は手札を公開する。あなたは、その中から点数で見たマナ・コストが4以上のカードを1枚選び、それを追放する。 今回のハンデスのコーナー。イニストラードは本当に手札破壊がしょんぼりしっぱなしの世界だったわけだが、ようやくそれらしいカードが登場してくれた。見ての通り、構築でも活躍した「コジレックの審問(ROE)」の逆バージョンである。ただし、当然「軽いコストで軽いハンドを攻められる方が強いよ」と言われるだろうことは予想されていたのだろう、リアニなどの余計な不安要素を排除するため、このカードはリムーブという貴重なボーナスを手に入れている。基本的に、この設定は「メタ次第」という一言で片が付く。「コジレックの審問」の場合、世の中に3マナ以下のカードが入っていないデッキなんてあるわけがないので安定して使うことが出来たが、逆に4マナ以上のカードが入っていないデッキは、割と普通にある。世界中が赤単だらけ、手札全部が「秘密を掘り下げる者」みたいな世界になったら、泣こうがわめこうがこのカードに出番はないだろう。しかし、やはり1マナハンデスで「相手の強いカード」が狙えるのは魅力なのではないだろうか。「墓所のタイタン」に「スラーン」、「出産の殻」に「地下牢の霊」。このカードが引き当ててビンゴ! と叫びたくなるデッキは少なくないだろう。まぁ、落とせないカードの方ばかり見ていると寂しくなるけどねぇ。「忘却の輪」「戦争と平和の剣」「ゲラルフの伝書士」「ドラグスコルの隊長」に「聖トラフトの霊」……いやいや、前を向けよ。ギデオンもジェイスもガラクもソリンも、プレインズウォーカーならほとんどいちころだぜ! いや、ティボルトさんは呼んでないんで! Barter in Blood 血のやりとり (2)(B)(B) U (ミラディンから再録) ソーサリー 各プレイヤーはクリーチャーを2体生け贄に捧げる。 ひたすら苦境に立たされる黒が望みを繋ぐのが、アンコモンで堅実に入手出来る除去カード。除去枠が優秀なら、何とかやっていけるはず。そして、そんな期待を背負いながら10年の時を経て帰還したのがこの「血のやりとり」である。……ん、まぁ、悪くない。使いづらいのは性格上仕方のない部分であるし、黒はこれの影響をもろに食らう単騎を推し進めているのが本当にどうなんだろう、という気もするのだが、逆に言えば単騎駆けしていたクリーチャーが死んでしまえば、心置きなくこのスペルが使えるということでもある。また、今回の黒は「死亡誘発」がサブテーマになっているのだから、積極的にそうした効果を発動させる意味はあるはずだ。そう、物事はポジティブに考えるべきなのだ。天敵である呪禁も対策出来るし、最高効率ならアドバンテージが狙える除去になるのだから、決してはずれ選択肢ではないのだ。これで「無謀な悪意(INV)」とかが再録されたら、それはそれで文句が出るところでしょ。 Blood Artist 血の芸術家 (1)(B) U クリーチャー・吸血鬼 0/1 〜か他のクリーチャー1体が死亡するたび、対象のプレイヤー1人は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。 現在非道な活躍を見せる「ファルケンラスの貴族」の能力だけをコンパクトパッケージ。能力的には0/1という単なる置物になってしまったが、「貴族」の場合も、自身によるパンチが(主な)強さの理由にはなっていなかった。この能力があるだけで、相手は死にたくなくなり、殺したくなくなる。ひたすら味方をサクるだけでもあり得ないスピードで広がるライフ差は、このクリーチャーでも充分再現可能だ。手軽における毒薬として、この世界でもきっちり要望に応えてくれるだろう。まぁ、タフネス1というのがこの世界では存外響くデメリットになってしまっているのが気になるが……除去を使わせた上で1点吸えればそれでいいか、という気も。ちゅるり。 Blood Connoisseur 流血の鑑定人 (2)(B) C クリーチャー・吸血鬼 1/1 クリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 ブロックする力を得ることに成功した「屍肉喰らい(SCG)」。おかげで2マナも重たくなり、3マナ1/1と魅力が薄いステータスに見えるようになってしまったが、これは決して弱体化ではない。どうせ他人に依存するクリーチャーなので先んじて登場する意味はそこまで大きくなかったし、膨れあがるパワー・タフネスを最大限に使うためには、ブロック出来るかどうかは大きな差になるからだ。まぁ、このクリーチャーが使われる理由のほとんどは「1マナで出せるサクり台」っていうのが大きかったから、そういう意味でコンボデッキなどに使うことは出来なくなってしまったんだけどね。リミテッドならば無駄なく自軍戦力を拡大出来る中堅クリーチャーとして重宝するだろう。 Bone Splinters 骨の粉砕 (B) C (アラーラの断片より再録) ソーサリー 〜を唱えるための追加コストとして、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。 対象のクリーチャー1体を破壊する。 どんどん天使に押し込まれてじり貧になっている黒が、破れかぶれで導入したグリクシス原産の1マナ除去。アラーラ当時にはジャンドの特殊能力の1つであるトークン生産と組み合わせて確実な殺戮を刻んでいたわけだが、この世界では、残念ながら黒にそうした物量を稼ぐ手段は与えられていない。大人しく虎の子のクリーチャーを差し出して、アドバンテージロスに唇をかみしめるだけだ。とはいえ、大したことのないクリーチャーの多い状態でなら、天使を撃墜するのに迷いは無いだろうし、単騎狙いならば脇に控えているクリーチャーがいらなくなるタイミングはあるかもしれない。そして、どんな犠牲を払おうとも、やはり1マナで無条件の除去は手放すことなど出来ないだろう。このスペルを撃ちながら、「クリーチャー除去ってこっちのクリーチャーが増えるんだから、本当にトリナクスって強かったよな」とかいうことを思い出すといい。尊い犠牲を払ったのに相手が「雲隠れ」とかで逃げたらキレていい。 Butcher Ghoulグールの解体人 (1)(B) C クリーチャー・ゾンビ 1/1 不死 大丈夫、既に「盲いたグール」と「絡み根の霊」の時に覚悟は決めてたから。黒が緑にクリーチャーの質で圧倒されることなんて、よくあることですよ。むしろリミテッドで「若き狼」と同じ環境にいなくて良かったな、とポジティブなことすら言える。この素体って、2マナでも充分強い部類だよね。よかったな、黒。 Corpse Traders 死体の交易商人 (3)(B) U クリーチャー・人間、ならず者 3/3 (2)(B)、クリーチャーを1体生け贄に捧げる:対象の対戦相手は手札を公開する。あなたはその中からカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーは選ばれた手札を捨てる。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動出来る。 他人の死を使って一儲けを企む闇商人。この手の、クリーチャーを使って手札を攻めるカードというのは黒には脈々と流れる系譜であり、このクリーチャーに近いイメージなのは「サディストの催眠術師(ODY)」あたりだろうか。実際は起動出来る能力が「強要(9ED)」なので、ハンデスとしての性能は「精神創傷(8ED)」か。起動コストは多少重たいが、効果の絶大さを考えれば致し方ない。なにせ1回手札を確認すれば、次にもう1回起動するべきかどうかは大体判断出来るわけで、無駄遣いの心配は少ないのだから。そう、この手のカードは、相手の手札が目減りすると役立たずになりがちだ。「精神創傷」のような専門エンチャントは、すぐに無駄な置物になってしまうので「わざわざ設置するのもなぁ」というレベルだったわけだが、こいつが偉いのは、システムクリーチャーのくせに4マナ3/3と無駄にでかいところ。やっぱり死体を扱う人間はある程度体力に自信が無いとやっていけないんだろう。自分の能力で前方視界を確認し、大丈夫ならパンチパンチ。八面六臂の自己完結っぷりである。 Crypt Creeper 墓所を歩くもの (1)(B) C (オデッセイから再録) クリーチャー・ゾンビ 2/1 〜を生け贄に捧げる:対象の、いずれかの墓地のカード1枚を追放する。 オデッセイから出張してきた普通のコモン。当時はそれこそ徹底した墓地環境だったので、フラッシュバックを取り除いたりスレッショルドを邪魔したり、スタックルールを利用してきっちり相打ちを取りながら嫌がらせが出来る、お手本のような基本コモンだったのだが、さて、この環境に帰ってきて何をするつもりなんだろう。いや、2マナでパワー2だから普通に使うんだろうけど。ゾンビに厳しい世界ではあるが、頑張って生きてほしい。死んでるけど。 Dark Impostor 闇の詐称者 (2)(B) R クリーチャー・吸血鬼、暗殺者 2/2 (4)(B)(B):対象のクリーチャー1体を追放し、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 〜は、これによって追放された全てのクリーチャー・カードの起動型能力を持つ。 恐ろしく直接的な方法で息の根を止めにくる、珍しいタイプの暗殺者。何せ6マナ払えば問答無用の追放措置だ。未だかつて、ここまで圧倒的にクリーチャーを処罰する効果も無かった気がする。「6マナから始まる殺戮劇」といえば「戦慄をなす者ヴィザラ(ONS)」であるが、こいつも同じように、場に出ているだけで6マナがゴールテープになるのだ。なんか能力まで頂いたり、自分が大きくなったりするオプションもあるけど、6マナの起動型能力を複数回使う前提の時点であまり気にしなくてもいいだろう。使い続けられりゃ、そんなもんは無くても勝てるのだから。起動型能力を集めて何か恐ろしい生物を生み出す「壊死のウーズ(SOM)」みたいなプランも立てられなくもないが、ものすごい友情プレイが必要なので、夢にも見ない方が良いのです。 Death Wind 死の風 (X)(B) C インスタント 対象のクリーチャー1体は、ターン終了時までーX/ーXの修正を受ける。 今回の、貴重な「よさげな除去」。コモンであり、インスタントであり、対応範囲も広く、確実性もある。でかいクリーチャーを殺す時にはそれ相応の手間がかかるが、どうせこれまでも確定除去なら「死の愛撫」みたいにコストはかかっていたわけで、この程度の出費なら安いものだ。是非とも黒をやるなら複数枚そろえておきたい。ちなみに、イラストで白骨化しているのは、なんと天使である。天使さんの骨格標本なんて珍しいものが見られるのも、このカードだけ。 Demonic Rising 悪魔の顕現 (3)(B)(B) R エンチャント あなたの終了ステップの開始時に、あなたが丁度1体のクリーチャーだけをコントロールしているなら、5/5で飛行を持つ、黒のデーモン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 白が天使を出し過ぎるんだったら、黒だってデーモンを出しまくってやるぜ! という意気込みが表れたカード。うまくいけば何のコストも支払わずに毎ターン5/5のデーモンが助太刀に来てくれるわけで、効率だけならリミテッドで暴れ回る「スカースダグの高僧」をも上回る。割と頑張った方なのは認めてあげるべきだろう。だが、やっぱりこの制限はなぁ……黒は単騎駆けが好きらしいので条件を満たすのは案外簡単なのかもしれないが、結局これが起動してしまうともう単騎ではなくなってしまう。毎ターン「スカースダグの信者」のような生け贄機構と一緒につかえばアドバンテージも狙えるが、それだったら「目覚めの領域(ROE)」でも「リスの巣(ODY)」でも、もっと軽くて楽なカードがいっぱいある。わざわざデーモンに依頼するようなお仕事じゃない。ということは、場に出たときのサイズを使わせてもらうべきか。ほら、「戦嵐のうねり」みたいな。……俺が手慰みで組んだ「荒れ野の本質」デッキの方がまだ強そうだ。やっぱり、最大の問題はこれが5マナエンチャントっていうところでさぁ。黒はなんか5マナのエンチャントに含みでもあるのか。 Demonic Taskmaster 悪魔の監督官 (2)(B) U クリーチャー・デーモン 4/3 飛行 あなたのアップキープの開始時に、〜以外のクリーチャーを1体生け贄に捧げる。 今回黒に与えられた「Loners(単騎)」というイメージの能力。1人でいればコスト以上のお得カードだけど、仲間がいるとすげぇ邪魔。人間どもが手に手を取って攻めてくるのと真逆の発想というわけだ。リミテッドで白黒とか組みにくそうだな。で、そんなアンコモンクラスの単騎駆けだが、3マナ4/3飛行は普通に考えればチビるレベル。かつて3マナで出てきてパワー4で殴れたフライヤーっていうと、何故かぱっと浮かんだのが「穏やかな霞(RAV)」だった。なんか違う。まぁ、それだけあのカードが強かったってこと。現環境でも「幽体の飛行」をしょった「金切り声のスカーブ」でお手軽に再現できます。こんだけ強けりゃ単騎だろうが損気だろうが何とかなる気がするけど、クリーチャー並べないと話にならないリミテッドだとやっぱりきついのかなぁ。かつて黒にデメリットを与えた「アーボーグのシャンブラー(INV)」とか「剃刀顎の鬼(SOK)」とか、なんやかんやで使いにくかったしなぁ。 Demonlord of Ashmouth 灰口の悪魔王 (2)(B)(B) R クリーチャー・デーモン 5/4 飛行 不死 〜が戦場に出たとき、あなたが他のクリーチャー1体を生け贄に捧げない限り、〜を追放する。 登場時に生け贄を要求することで無体なパワーを手に入れた、悪魔らしい悪魔。過去にも黒には犠牲を要求するカードはたくさんあったわけだが、レアデーモンってことで、そんな中でも破格の性能を持ち合わせている。4マナ4/4のスラーンさんが大活躍なんだから、同じコストでパワーが高くて空を飛んでるこの人が弱いはずもないのだ。いやいや、分かってる。スラーンさんは圧倒的な防御力が売りなだけですから、このカードと比較するのはおかしいですよ。でもね、このカードにも不死が付いている。一回までなら死んでも大丈夫だし、むしろ死んで6/5ならそこそこ「深淵の迫害者」の領域にまで到達する。出されたら相当危険なカードなのは間違いないだろう。ちなみに、「不死がついてるから全体除去にも強くて、ミラクル元気!」とか思いがちだが、不死で帰ってきた時にも当然生け贄は要求しますので。仲間がいないと結局あぼん。割と綺麗なバランスなのかもしれん。 Descent into Madness 狂気堕ち (3)(B)(B) M エンチャント あなたのアップキープの開始時に、〜の上に絶望(despair)カウンターを1つ置き、その後、各プレイヤーはX個の、パーマネントと手札の組み合わせを追放する。Xは〜の上の絶望カウンターの数である。 今回のセットは黒がいじめられているらしい、という被害妄想が着実に進行しているわけだが、多分本当だ。このカードは神話であるが、非常に使いどころが難しいカードになっており、アホみたいな天使が飛び回る他の色の神話とは一線を画している。効果だけを見れば、決して弱いカードではない。過去には似たようなカードでも「煙突(USG)」や「陰謀団の先手、ブレイズ(ODY)」なんかはきっちりデッキを作った経歴を持つ花形カードなのだから。このカードは、さらにそれらの狙いにハンデスを加えることで、より黒らしさをアピールする形になっている。ひょっとしたら当時の「煙突」のようなソフトロックが組める可能性もあるだろう。ただ、残念ながら諸先輩方に比べると、はっきりと弱くなっているのは事実。一番の差は、効果が自分のアップキープにしか起こらないという部分。「煙突」も「ブレイズ」も、「サクりはじめはまず相手から」というのが強さの一要因であり、特に「煙突」はカウンターの増加によるダメージが相手に行ったあとで、自分はゆっくり「煙突」自体をサクるという技が使えたので反則じみた動きになったわけだが、このカードにはそんなペテンは通じない。あくまで仲良く、リソースがドカーンである。また、手札をも食い尽くすようになったのは面白い部分ではあるのだが、序盤は単に相手に選択肢を与えているだけである。今までのようにタイトな縛りを生み出す前に、手札である程度ごまかされてしまうのは速度の面で不安が残る。そして決定的な3つ目の欠点は、やはりどう考えても5マナは重すぎるということ。毎度毎度言ってるけど、5マナエンチャントに頼るデッキなんて、そうそう成立するもんじゃない。この神話は、お近づきになれない。 戦慄の奴隷商人 Dread Slaver (3)(B)(B) R クリーチャー・ゾンビ・ホラー 3/5 このターン、〜によってダメージを与えられたクリーチャーが死亡するたび、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。そのクリーチャーは、本来の色やタイプに加えて黒のゾンビでもある。 殺した相手を洗脳する能力というと、「魂の収集家(SCG)」のように吸血鬼の能力だと思うのだが、何故か今回はゾンビである。そして、同じコストの「魂の収集家」が3/4フライヤーだったことを考えると、このクリーチャーはあんまりパッとしないレアである。タフネス5ってことで相当死ににくくなっており、この「ダメージを与える」能力とは噛み合っているのだが、だからって嬉しいかと言われると、そんなにぴんと来るもんでもない。1パック目を開けて出てきたところで「レアが……弱くはない、でも、そこまで引きたいかといわれると……」と頭を抱えてしまう。いや、弱くはないですから。緑と組み合わせて格闘に使ってみたり、赤のティム能力を付けたり、色々とあるじゃない。 Driver of the Dead 死体の運び屋 (3)(B) C クリーチャー・吸血鬼 3/2 〜が死亡したとき、対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナコストが2以下のクリーチャーを、戦場に戻す。 強いて言うなら「グレイブディガー」的な枠で、書いてあることは悪くない。4マナ3/2は黒としてはそこそこだし、殺されたとしても代打が墓地から出てきてくれるので、アドバンテージも狙いやすい。2マナ以下に限定されているので大した援軍は期待出来ないけど、無いよりあった方がいいのは間違いない。……でも、なんだろう、この地味さ。吸血鬼なんだよね、こいつ。吸血鬼らしさが欠片も無くて、墓地から云々が何をイメージしたものかさっぱりわからんのだ。あげく、「単騎」というこのセットの黒のコンセプトも華麗にスルー。なんなんだろう。何に使おう。2マナ以下で拾いたいカードっていうと、真っ先に「瞬唱」が思いついちゃうのが本当に酷い。こいつが死んで瞬唱戻って、瞬唱から「墓暴き」でこいつ回収とかどうだろう。……意味が無い! まぁ、最初の情報だとアンコモンってなってたけど実際はコモンだったので、アドバンテージゲット出来るコモンなら文句は無いわな。 Essence Harvest 本質の収穫 (2)(B) C ソーサリー 対象のプレイヤー1人はX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。〜は、あなたのコントロールする、最もパワーの高いクリーチャーのパワーの値である。 ドレインスペル。黒のドレインといえば最近だと「魂の消耗」ということになるが、このスペルはコストにXを採用しておらず、参照するのはクリーチャーのパワーだ。まぁ、3マナ固定であることを考えれば、Xの値は3〜4でも不満はないのかもしれないが、それってクリーチャーにも打ち込める火力だった場合の話。このカードって、本体のライフしか狙い撃てないんですよ。……ちょっとひどいな。そりゃまぁ、4ターン目に「朽ちゆく沼蛇」からこの呪文連打してたら勝てることは勝てるだろうけど、そんなチャンスそうそうないだろうし、そもそもこの呪文を集めまくったデッキが勝てるか、と言われると、いくら何でも無謀過ぎる気がする。なんらかのパワーをあげる装備品とかとの併用かなぁ。そこまで頑張りたいカードにも見えないんだけども。 Evernight Shade 常夜の影 (3)(B) U クリーチャー・シェイド 1/1 不死 (B):〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。 このブロックのシェイド枠。あれ、そういやシェイドって最近いなかったか。直近だと変則シェイドの「ゾフの影(ROE)」が最後、随分久しぶりですね。せっかくなので復習しておくと、シェイドの基本形は3マナの「立ちはだかる影(M10)」。大体拡張セットの場合はそこに能力を1つ加えて4マナとか5マナになることが多い。1マナ増やしただけでステータスアップした上に速攻まで付けた「墓所の切り裂き魔(ZEN)」あたりはヒット作。で、このクリーチャーもそのフォーマットに従っており、1マナの増加で不死がついた。他の不死クリーチャーを見ると、たとえば「盲いたグール」はどう考えても不死が無かったら2マナ以下のカードだったわけで、その増加コストは3マナだ。「復習に燃えた吸血鬼」も元々は「ギザ蜂の群れ(WWK)」なので2マナの増加。そう考えると、1マナ増えただけで不死を手にしたこのカードは充分やりよるデザイン。シェイドの弱点は、出したターンにマナが無くて無力であるという部分だが、このクリーチャーはよみがえることで一回分の弱点をチャラにしているし、サイズアップのプレッシャーがさらに大きくなるだろう。いっぺんでいいからピカレスク気取りの黒単なんかを組んでこいつに我が世の春を味わってもらいたいところだ。 Exquisite Blood 極上の血 (4)(B) R エンチャント いずれかの対戦相手がライフを失うたび、あなたはそれに等しい値のライフを得る。 かつて僕が好きだったエンチャント「血なまぐさい結合(M10)」の真逆の能力を持つエンチャント。「結合」は自分がライフを得ることで相手のライフを削ったが、こちらのカードは相手を削ることで自分が回復する。デッキの組みがいがあるのは当然「結合」の方。ライフを失わせる効果は直接勝ち手段になりうるし、ライフゲイン効果というのは軽んじられることが多く、低コストで相手のライフを攻めやすくなったからだ。しかし、ライフゲインってのは狙ってやらないとなかなか起こらないのに対し、ライフルーズは試合をしてりゃ必ず発生する。このカードは適当に置いといて殴るだけで、幾ばくかのライフリソースとして使えるということである。そう考えると、無駄なカードではないということになるが……いらないよねぇ。5マナだもんねぇ。回復出来る上限は20点なわけだし、そこまで回復出来るほど攻められるデッキでこんなカード入れてる暇が無いし。「火炎の裂け目(NEM)」みたいにダメージがお互い発生するカードをガンガン使うとかなら面白い……かなぁ。使わないだろうなぁ。一応、「血なまぐさい結合」を置いた状態でこの似たもの兄弟を並べると、1点のダメージ、1点のライフゲインのどちらかで相手を瞬殺出来る謎のコンボが成立する。レッツ5マナエンチャント。 Ghoulflesh 腐肉化 (B) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは−1/−1の修正を受けるとともに、本来の色やクリーチャー・タイプに加えて、黒のゾンビでもある。 白が天使にするなら、黒はゾンビにしたろやないか、というオーラ。とりあえず-1除去なので、リミテッドならば重宝する。また、相手クリーチャーが「奉仕へのいざない」で天使のコスプレを楽しんでいる時にこれを張ると、黒くなるので相手のオーラがはがせる、なんて小技もある。基本的に黒のゾンビになることに一切メリットは無いので、単なる除去として使うしかないカードなんだろうね。「死の重み」に慣れた状態だと、本当に切ない。 Gloom Surgeon 鬱外科医 (1)(B) R クリーチャー・スピリット 2/1 〜に戦闘ダメージを与えられる場合、そのダメージを全て軽減し、その値に等しい枚数のカードを、あなたのライブラリの上から追放する。 まず1つ。こいつの日本語名、流石にどうかと思う。「Gloom」の定訳は確かに「鬱」もあるのだが、その他に「薄暗がり」というのがある。イラストのイメージやフレーバーを見ると、どう考えてもこいつは「薄暗がりの外科医」で良いと思うのだが、なんでこんな、絶対に執刀を任せたくないような危険な名前になったんだろうか。「メス、鉗子、……死にたい……」とか、嫌だろ。さておき、そんな鬱病患者であるが、書いてあることはかなり斬新。「相手のライブラリを攻める」というカードならたくさんあるわけだが、こいつの場合、自分勝手に「ライブラリを攻めさせる」。ライフが20点、ライブラリは60枚(リミテッドなら40枚)、それなら、相手がライブラリを攻めてくれた方がこちらとしては助かるわけだ。その間、こいつは死なずに2/1クリーチャーとしての仕事を続けられるので、リミテッドでは手頃な延命装置として役に立つし、序盤に出せれば死なないアタッカーとして結構なダメージをもたらしてくれるだろう。構築においても、クリーチャー戦闘で死なないというのはでかいし、こいつにブロックさせて墓地を増やすことはアドバンテージにも直結する。相手がそれを嫌がってくれるならしめたものだ。なかなか面白そうな素材ではないか。 Grave Exchange 墓の入れ替え (4)(B)(B) C ソーサリー 対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を手札に戻す。対象のプレイヤー1人は、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。 コンセプトは面白い。自分の墓地からクリーチャーが舞い戻り、相手の場からはクリーチャーが1体消え去る。アドバンテージ面でいえば1枚分のお得。そりゃまぁ、悪くない。でもさぁ、これ、6マナのソーサリーかよ……似たような「交換」をイメージするカードは過去にもある。たとえば「残酷な蘇生(ONS)」ならばクリーチャーを屠った上で墓地からゾンビを戻せたし、近いところでは「囁く者、シェオルドレッド」様の交換は激烈だった。また、1枚のソーサリーでのアドバンテージ方法というなら、「疫病の胞子(INV)」みたいに2枚の対象を狙い撃つ方法もあるだろう。このスペルがやっていることは、片方が「墓暴き」で、もう片方が「残酷な布告」である。しょせん1マナと2マナのソーサリー、足しあわせて効率はあがるが、それでも6マナっていうのはどうかと思う。この呪文が一番突き刺さるのが単騎狙いの黒っていうのがどうにもこうにも…… Griselbrandグリセルブランド (4)(B)(B)(B)(B) M 伝説のクリーチャー・デーモン 7/7 飛行 絆魂 7点のライフを支払う:カードを7枚引く。 安心のブランド、それがグリセルブランド。……言ってみたかっただけ。へぇ、これがあのグリセルブランド様ですか。アヴァシンさんよりもちょっと小さいくせにクアドラプルシンボルとか、どうなのよ。しかも別に防御力が高いわけでもなし、攻撃力が高いわけでもなし、とてもじゃないけどあのリリアナさんに一泡吹かせた御仁には見えなくてよ。ただ、アヴァシンさんみたいな八方美人じゃないだけに、その能力は使いどころがある。とにかく場に出てしまえば「7ライフ払って7枚引くインスタント」がいつでも使えるようになるわけで、むやみにライフに満ちあふれたデッキだったら何とかなる。もしくはさっさと墓地から釣れば早いターンのうちにアドバンテージを爆発させる加速装置になるかもしれない。ご丁寧に本人に絆魂付きなので、出したターンに「捕食」とか使ってライフを稼いでおけば色々とごまかせそうだし。そういう突出した使い方が考えられるだけ、まだアヴァシンさんよりも人気が出そうなのは、黒スキーとしてはちょっと助かった部分だ。今のご時世だと何になるのかね。「掘葬の儀式」でも構わないけど、個人的にお勧めなのは「降霊術」。グリセルブランドコピーでカードを引き、その7枚にグリセルブランドがいたらどうせ捨てることになるから、また7枚引いて……さて、どうやって勝とう。 Harvester of Souls 魂の収穫者 (4)(B)(B) R クリーチャー・デーモン 5/5 接死 他のトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、あなたはカードを1枚引いても良い。 デーモンとは思えない素直で使いやすい能力を持った、普通のレア。書いてあることは充分強いが、天使がこれだけ好き勝手やっている状態で6マナ5/5接死のみ、飛行も持ってないのはちょっとだけ寂しい。まぁ、カードが引けるなら文句はいうもんじゃない。相手のターンに引く回数も増えるので、それだけでこの悪魔が奇跡を起こすチャンスは増えているんだ。こいつと「墓所這い」で爆裂ドローシステムとか、やってみたいもんだが。 Homicidal Seclusion 人殺しの隠遁生活 (4)(B) U エンチャント あなたがちょうど1体のクリーチャーをコントロールしている限り、そのクリーチャーは+3/+1の修正を受けるとともに絆魂を持つ。 ひでぇ日本語名だな。カードのコンセプトとネーミングの意味合いもさっぱり分からんし。まぁ、とにかく力強く単騎コンセプトを押し出すエンチャントである。「単騎」というテーマが無茶にしかみえないのは、1体でがんばれるクリーチャーなんてそうそういるはずもなく、どれだけ優れていても数で押されたら結局負けるだろう、ということがわかりきっているからだ。結魂は集まれば強くなるメリット能力なのに、単騎は「1体じゃない」時にデメリットになるというのもなんだか気乗りしない理由である。では、そんな無茶なコンセプトを成り立たせるにはどうしたらよいか。答えは、クリーチャー以外の方法で単騎駆けしてるやつを支援してやればいい。このカードは本当に直接的に問題解決に乗り出したカードであり、どんなクリーチャーでもパワーが3も上がって絆魂が付けば、相当ライフアドバンテージが稼げるようになるはずだ。単騎クリーチャーは元の性能が高く、たとえば3マナ4/3フライヤーの「悪魔の監督官」に続けてこれを出せば、それだけであっという間にゲームが終わるだろう。コンセプトを尖らせる分には面白いカードである。ただ……やっぱりリミテッドで実現させるのは難しいんじゃなかろうか。ほとんどのシチュエーションで置物だからなぁ。まぁ、相手がクリーチャーを除去するのをためらってくれるだけでも意味はあるんだけどさ。せめてもう1マナくらい軽くならなかったもんなんでしょうか。 Human Frailty 人間の脆さ (B) U インスタント 対象の人間・クリーチャー1体を破壊する。 最軽量除去。このコストでも、黒にはきちんと除去を送り出してきた歴史がある。たとえば過去に墓地環境で基本除去としてリミテッドを支えた「恐ろしい死(ODY)」。使用制限はあったものの、きちんと一軍の仕事をしていた。変わり種ならば各種シナジーが美味しかった「暗黒破(RAV)」なんてのもある。修正は小さくてもピリリと辛い、良い除去であった。そして最近でも、「見栄え損ない(ZEN)」は構築でも見事に活躍したヒット作だったし、直近のセットからも「悲劇的な過ち」が小さな身体で本当に頑張ってくれている。1マナインスタントだからって、捨てたもんじゃないのである。で、このカードだが……うん、まぁ、それなりじゃない。大丈夫、ゾンビがいない色はたくさんあるけど、人間がいない色は無いから。今回は割とどの色も人間祭りだし、とにかく人間の邪魔をしまくるのが良いだろう。……で、天使はどうすればいいんでしょう。 Hunted Ghoul 狩り立てられたグール (B) C クリーチャー・ゾンビ 1/2 〜では人間をブロック出来ない。 狩り立てられたんならしょうがないよな。うん。 Killing Wave 殺戮の波 (X)(B) R ソーサリー 各クリーチャーにつき、そのコントローラーはX点のライフを支払わない限り、それを生け贄に捧げる。 白!白!白! どいつもこいつも白! なぜだ! というわけで黒がお怒りになったパワーを発散するためのカード。過去にもこうして「各クリーチャーについて追加料金を払って下さい」というカードはあったが、大体がマナの支払いを求めてきた。たとえば一時期あの「ブラストダーム(NEM)」が殺せるってんで使われていた「関税(6ED)」、クリーチャーの多いウィニーを消し飛ばせる「溶暗(EXO)」など。どれもこれも唱えるタイミングはこちらが選べるので、大体の場合は「コスト払え」じゃなくて「とにかく死ね」だった。このカードの場合は黒いアレンジが施されたために、X呪文であり、かつライフを要求する。ライフってのはどんな状況でもそれなりに「ある」リソースなので払おうと思えば支払えるわけだが、おそらくこのスペルのXはそれなりにでかい数字になるだろう(最低でも3か4は欲しい)。問われたタイミングでライフを犠牲にして良いものか、小さいクリーチャーだったら1体2体いなくなってもよいものか、なかなか難しい判断が迫られるだろう。数を頼みにするデッキならそれなりに効きそうだ。でもまぁ、結局相手に選択権があるからなぁ。強いクリーチャー1体残せばいいっていう状態なら、単なるXライフ喪失呪文。使う方も難しいぞ。 ここは俺に任せて先に行けー! な第12話。王道王道。大して役割分担出来てねーはずなのになんかうまい具合にばらけましたね。 ラストバトルの舞台、帝都タワー。実に108階という超高層建築を1時間で登頂するという無理難題をふっかけられたチーム出雲荘は、罠と知りつつもひたすら上へ上へ。その間には数々の古式ゆかしいトラップが仕掛けられており、1人、また1人と仲間が欠けていく。 一方、地下からの侵入を果たした松と草野は、偶然も手伝って無事に目的のサーバールームへ。あらゆる局面でピンチを迎えていた塔の中の面々を救出するファインプレーを見せる。しかし、皆中の仕掛けはそのサーバールームにも及んでおり、戦闘力の低い松たちは大ピンチ。草野の能力でなんとか堪えようとするも、興が乗った皆中はそのまま塔の起爆装置に手をかけて…… というわけで、実に見事な王道展開。やっぱりこういうことをされると、苦笑いをしつつも何となく燃えてしまうのは、ジャンプに洗脳された我が身を呪うしかない。 まず、塔の上では分断されて狙い澄ましたマッチメイク。第1試合は風花VS紅翼。紅翼の本心から言えば結を叩きたかったのだろうが、一応風花にも3話での借りを返すという大義名分がある。相手が誰であろうと、とにかく拳がふるえれば彼女の場合は満足なのかもしれないけど。一応風花が元懲罰部隊であるという警戒心はあるのか、巨大なコンテナ状のトラップに幽閉することで彼女の風の能力をシャットアウト。一方的なブン殴り劇場を演じる。そうか、風花の能力は屋内だと弱いのか。……でも、3話も倉庫の中だったよね。そもそも幽閉したって言うけど、元々塔の中は屋内じゃんね。とにかく密閉された容積が問題なのかな? とすると、あのトラップは幽閉装置というよりも密閉装置。空気の出入りする隙間さえ与えない完全防御壁だったわけだな。流石MBIである。しかし、痛快な打撃を披露する紅翼の活躍も、松のハッキングにより終了。ガチンコで戦っていたら流石に風花には負けるのかな。 第2試合は、今まであんまり真面目に戦っているのを見たことがない灰翅と、案外すんなり結に花を持たせることを選んだ月海。月海は意地でも皆人についていくイメージがあるのだが、何故かあっさりと壁役を引き受けている。灰翅との絡みとかも特にないのにね。 試合自体は、流石に月海有利で展開する。灰翅も懲罰部隊なんだから弱くはないのだろうが、固有技が特にないので水を操る月海相手には防戦一方。「駄目じゃーん」と思っていたら、なんと主な役割はトラップルームに月海を引き込むことだった模様。何で日本の一企業のビルにそんなもんがあるんだ、と突っ込み待ちのスライドウォールは、月海自慢の水でも破壊することが出来ない代物。ただ、こちらも松の尽力のおかげでギリギリ停止。余裕が出来た月海は水流によって部屋を脱出することが出来た。……なら最初からドアを破れた気もするんだけどな。 前回から続く、屋外で行われた第3試合は、焔と御子神のとこの2人組。氷+霧のコンボで完封されたと思われた焔だったが、その体内の炎は皆人と契って以来安定しているとのこと。あっさりと脱出に成功し、屋外での一戦は「北」陣営の勝利。だが、その後の焔は高美さんから電話を受けて慌てて駆けつけるも間に合わないという、なんだか損な役回りに。槍をよけたり落とし穴をかわしたりするのは分かるけど、何でご丁寧にハードルや跳び箱も跳んでたんでしょう。 松と草野が目撃したのは、突発イベントである鴉羽VS陸奥のハイレベル剣戟バトル。元懲罰部隊同士の斬り合いはもっともっと凄惨なものになるかと思われたが、今回も鴉羽の気紛れによって没収試合。脇でギャーギャー言ってる御子神がウザイが、そもそも最強戦力である鴉羽様をわざわざ地下の防衛にあてた皆中の胸中が気になる。それとも単なる鴉羽様の気紛れだったのだろうか。読めない連中だ。 そんなラッキーハプニングのおかげで無事にサーバールームにたどり着いた松と草野のコンビも、こちらはこちらで大奮闘。草野は屋内での戦いにはあまり向いてないのだが、一応用意してきた武器でなんとか戦えている状態。松は松で色々と活躍してくれてるんだけど、結局彼女の場合は能力云々じゃなくて「単にめっちゃタイピングが速い人」としての出番しかないような……それにしても、あれだけでかい外付けのインターフェースがあるサーバールームって凄いよな。どんだけ脆弱なシステムやねん。 そして、残されたのは頂上を目指す皆人と結。実際は、ラス前のクライマックスなのにメインヒロインの結がやったことといえば転がってきた鉄球を破壊したことくらい。バトルがなかったので、むしろ損してるようにも見える。まぁ、1時間で108階のぼらなきゃいけないとなると、なかなか戦っている余裕もないだろうけどさ。1時間で108階……1分に2階ずつくらいか。しんどそうだなぁ。もうのぼっても意味が無さそうだけどさー。 今回はバトルが3〜4局並行して描かれ、画面の見応えもなかなかのもの。中でも、個人的な趣味は入るが紅翼の身体を使ったアクションがお気に入りで、気合いのこもった鉄拳やキック、それに「粉☆砕」などの超必殺技の見せ所も心得たもの。やっぱり草川監督のヒロインは殴り合ってナンボみたいなとこありますよ。 次回はいよいよ最終回。塔が崩れ落ちるラストっていうと本当に終わりみたいに聞こえるが、これはあくまで「鶺鴒計画第二段階」の終了らしい。原作も続いているし、まだまだ先は長いんだろうな。……どうやって終わるんだろうな、これ。
<青>
Alchemist’s Apprentice 錬金術師の弟子 (1)(U) C クリーチャー・人間、ウィザード 1/1 〜を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。 能動的に機能できるかどうかの違いがあるが、大体は「眼魔(MBS)」。つまり、リミテッドであんまり良い具合にカードが集まらなかった時の自然な穴埋め要員。一応2マナキャントリップとしてすぐに回せるのは「眼魔」よりも偉いのだが、スタックルールが無いのでタフネス1と相打ちを取ってドロー出来ないのは劣っている点。トータルで見ればトントンくらいか。ただ、一応この世界特有のシナジーはそれなりにあって、人間であることで各種トリガーを誘発させることが出来るし、結魂志望のクリーチャーが多いこの世界では、穴埋めだろうがキャントリップだろうが、とにかくクリーチャーであることに意味がある。もっと強いクリーチャーが来て結魂相手が不満を漏らすようになったら自ら命を絶って離縁出来るというのも、悲しいかなプラス要素になっているのである。ちょいと悲しきNTRクリーチャー哉。そういや「不運な研究者(JDG)」とか、下っ端の研究職って大体死ぬよな。これがワーキングプアかー。 Amass the Components 材料集め (3)(U) C ソーサリー カードを3枚引く。その後、手札からカードを1枚あなたのライブラリの一番下に置く。 3枚引いて、1枚減らす。在りし日の大人気カードである「強迫的な研究(RAV)」と同じセッティング。送り場所が墓地とボトムという差があるので今の環境だと結構違うんだけど、一応土地以外も捨てられる部分でとんとんと見よう。ということは残った差はマナコスト。やっぱり3マナと4マナは大きく違うかなぁ。しかし、純粋に3ドローの「集中(8ED)」も4マナだと考えると、あながち悪い取引でもないのかもしれない。1枚分のアドバンテージ差はあるが、手放すのは手札で一番いらないカードでいいわけだし、実質的には3ドローとそこまで大きくは違わない。となれば、これがコモンで手に入るのって結構大事なのかもしれない。カードの質にムラがあるリミテッドなら、とにかく3ドローというだけでも強烈だし、意外に青の命運を決めるカードになったりするか。結局は環境の速度次第だけども。 Arcane Melee 秘儀の打ち合い (4)(U) R エンチャント インスタント呪文とソーサリー呪文は、唱えるためのコストが(2)少なくなる。 なにかやってくれそうだと思ってたら実際に割とやりよるカードだったのが、イニストラード原産の「心なき召喚」。やっぱりコストが2も低くなると、多少のデメリットは気にならないものですね! というわけで、味を占めたイニストラード世界は、さらにインスタントとソーサリーにも市場拡大をもくろんでいる。こいつぁ大成功の臭いだぜ! ……とはいかないのがMagic業界の難しいところで。まず、どう考えてもクリーチャーよりもソーサリーなどの方がデッキに入る可能性が低い。この時点で専用デッキが作りにくいのが難点。もちろん、ソーサリーには大きな影響を及ぼすカードも多いので下の環境まで広げたコンボデッキならばプールは潤沢であるが、今度は5マナという重さが致命傷。「心なき召喚」はやはりデメリットを負ってまで達成した2マナというコストが偉かったのであって、「他のカードのコストを下げるために、まず重たい置物を置かねばならぬ」というのはかなり厳しい条件である。ワンチャンあるとしたらやはりなにがしかのコンボデッキということになると思うが、まだちょっと思いつかないよねぇ。これを置くと「牧歌的な教示者(MOR)」で2枚目のこれを1マナサーチ出来るようになって、重ね張りして……とか考えたけど、オチが浮かばない。 Captain of the Mists 霧の海の船長 (2)(U) R クリーチャー・人間、ウィザード 2/3 他の人間が1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜をアンタップする。 (1)(U)(T):あなたは、対象のパーマネント1つをタップまたはアンタップしても良い。 青に時たま収録されるタップ&アンタッパー。しかもこいつはレア収録ということで、なかなかに珍しい。そして、レアになると何が出来るようになるかというと、まず、3マナ2/3とでかい。同じ能力を持った「くぐつ師(10ED)」が3マナ1/2だったことを考えれば、一回り安定感が違う。その分起動コストが余計にかかるようにもなっているが、パーマネント全てを対象に取れるようになったので「リシャーダの港(MMQ)」を気取ったり「通電式キー(M11)」ぶったり、実に様々な任務がこなせるようになっている。そして、人間1体でアンタップという能力。単純な発想ながら、たとえば「スレイベンの破滅預言者」と手を組むとマナがあるだけ人間トークンに注ぎ込めるようになるし、いっそ起動型能力を無視して今回登場したティム化エンチャント「稲妻の勇気」の土台にしてしまってもいい。リミテッドでも1ターンに2体タップ出来たりするので、まぁ、とにかく便利なのは間違いない。まぁ、その場合最低でも5マナかかるんだけどさ。たまに「あぁ、それレア、ふーん」とか言われるレベル。何か双子デッキみたいなコンボが狙えないもんかなぁ。 Crippling Chill 悪寒 (2)(U) C インスタント 対象のクリーチャー1体をタップする。そのクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。 カードを1枚引く。 対象を狭めた代わりにキャントリップになった「霜のブレス」。結局基本セットのリミテッドってあんまりやってないから知らんのだが、「霜のブレス」ってあんまり使われてないカードだったね。それをマイナーチェンジしたところで、そこまで差は無い呪文なんじゃないかって気がする。一応、キャントリップってのはそれだけで仕事になるので、相手のファッティを足止めしながらライブラリ回すのが望みなら、一応。今回は結魂クリーチャーがたくさんいて、擬似的に速攻風味で不意打ちを食らわせる展開が多くなっている。そういう事情も鑑みれば、安全装置としては悪くない気もするな。 Deadeye Navigator 狙い澄ましの航海士 (4)(U)(U) R クリーチャー・スピリット 5/5 結魂 〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は「(1)(U):このクリーチャーを追放する。その後、このクリーチャーをあなたのコントロール下で戦場に戻す」を持つ。 青の結魂は一筋縄ではいかない。このクリーチャーはなんとFlicker能力を与える。しかも、これが2マナ起動とやたら軽いのが特徴だ。こいつ自身は6マナと重たいが、一応5/5という青らしからぬボディを備えているので我慢も出来るレベル。あとは一度マナさえ自由になってしまえば、こいつも相棒も相手の除去など一切通用しなくなるし、ペアを組んでいないクリーチャーが除去に狙われた場合も、「こいつがちらつく」→「出てきた時にペア組み直しで死にそうなクリーチャーと手を組む」→「そいつがちらつく」というルートで回避出来るようになってしまうのだ。とにかく鉄壁。とにかく無敵。当然、ペアを組んだクリーチャーが187なら阿鼻叫喚。これと「霧鴉」がペアを組むと、「貿易風ライダー」すら裸足で逃げ出す地獄が待っているぞ。「修復の天使」とかだと、もう何がなにやら。これ、「出産の殻」に面白そうなんだけど、どうかな。 Devastation Tide 壊滅的大潮 (3)(U)(U) R ソーサリー 全ての土地でないパーマネントを、そのオーナーの手札に戻す。 奇跡・(1)(U) パッとテキストを見ると一瞬あの「激動(ODY)」の再来かと思ってしまうが、もちろんそんなこたぁ無い。どっちかっていうと近いのは「脱出(10ED)」の方だろうか。土地でないカードなら問答無用で全て戻るということで、当然リセット力は「脱出」よりも高い。ソーサリー限定なので奇襲的に使うことは出来ないが、何らかの「時間が稼ぎたい」デッキがあるならば、5マナの疑似リセットは使われてもおかしくないレベルではある。相手がトークンだったら除去になるわけだし、立派に育ったプレインズウォーカーなどにお帰りいただくのもまとめて出来る。特定のニーズにはばっちり応えているはずなので、今後のデッキタイプの発展が楽しみだ。そして、奇跡で起動すればわずかに2マナ。まぁ、この手のスペルは非常に使うタイミングを選ぶので簡単に「引いたから使っちゃおう」という風にはならないと思うのだが、中盤以降、上手いタイミングで引けた時に余剰アクションにマナが回せるかもしれないのは悪い相談じゃない。もともと5マナで充分な効果なわけで、不意打ちからの立ち直りで先行出来るのも面白いポイントだろう。なんか白の「終末」と比較されることが多い気もするが、青はもともとこういう色なの。「脱出」ファンとしては応援してみたい1枚だ。 Dreadwaters 戦慄水 (3)(U) C ソーサリー 対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリを上からX枚墓地に置く。Xは、あなたがコントロールする土地の数である。 その衝撃のお値段や謎の効能で一時期ワイドショーを盛り上げた謎の液体が「なんとか還元水」だ。結局何を還元したものかなど誰も分かるわけがなかったが、今回の商品は、そんな日本政府の馬鹿馬鹿しさをも凌ぐ恐ろしさを秘めている。その名も戦慄水。そりゃぁもう、そういう名前なんだから戦慄するんだろう。どれくらい戦慄するかというと、並べた土地の枚数くらいだ。……うん、そんなに増えないよ。個人的にはこの環境でも一応ライブラリが攻められるということが判明して喜ばしい限りだが、この4マナのソーサリーが「夢のよじれ」を超えるのは、最低でも7ターン目以降。土地が7枚もならんでりゃ、「高まる混乱」で18枚削れている。うむ、流石に嘘くさいな。ナントカ戦慄水の費用は、税金ではまかなえそうもない。 Elgaud Shieldmate エルゴードの盾の仲間 (3)(U) C クリーチャー・人間、兵士 2/3 結魂 〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は呪禁を持つ。 「盾の仲間/Shieldmate」といって思い出すのは、やはり「マキンディの盾の仲間(ZEN)」だろう。同盟者がいれば鬼に金棒だが、そうでなくとも3マナ1/4でがっちり防御のその後ろ向きさが、「速く無ければデッキじゃない」とでも言いたげなゼンディカー環境で一際輝いていた。相変わらずライブラリを攻めたりしていた僕は、思わずこいつが好きすぎて構築戦でもこいつが入った「同盟者ライブラリアウト」を使ったくらいだ。まぁ、最終的に盾の仲間は抜けたんだけど。で、そんな盾大好きさんだが、冗談めいた名前とは裏腹に、持ち込む能力は今や史上最強のキーワード能力と名高い、呪禁。そりゃぁあんた、ちょっと駄目だよ。なんでお前さんコモンなのさ。お前みたいなのがいると、本当にもう、どうしようもないんだよ。知ってるかい、現在の環境で私のデッキに勝とうとする場合、「アヴァシンの仮面」か「もつれ樹」を入れればいいって言われてるのさ。そして、実際その2枚には絶対勝てないのさ。それくらい呪禁は嫌いなんだ。それが何で2体も同時に生み出されるのさ。……まぁ、2体同時といっても片方はこの4マナ2/3で固定だし、相棒の方だってそうそう選べるもんじゃない。ただ、青は今回3マナに3/1アンブロッカブルの「掛け金探し」がいるんだよ。あぁ! 誰かが元気になる様子が見える! やめて! 今回のセット、こいつを除去れるカードが一切無い。ほんと、マジでない。一応の弱点として、「あまりに2人して死なないから、ペアの組み直しが難しい」っていうのがあるんだけどね。ん? 「現実からの剥離」? あー。 Favorable Winds 順風 (1)(U) U エンチャント あなたがコントロールする飛行を持つクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。 なるほど、飛行クリーチャーの攻撃力って、風向きで変わるもんなんだな。わずか2マナのエンチャントのくせに、フライヤー全部強くなるっていうのは割と大盤振る舞い。リミテッドではなかなか狙って出来るものではないのでこの設定なのかもしれないが、現在のリミテッドでも時折「無形の美徳」が役に立っているデッキを見ることがあるのだ。そして、トークンデッキよりは、フライヤーてんこ盛りデッキの方が組みやすいのではなかろうか。まぁ、今回は緑がやたらと飛行対策を充実させており、飛んでいることが今までよりもメリットとして働きにくいのかもしれないが。あれ、このカードって、「未練ある魂」のデッキに入れるとどうなるの? 「無形の美徳」「清浄の名誉」に続いての、12クルセイダーズ!! ……いらないかぁ。ちなみに、イラストで大量発生しているのは、鷺の頭と馬の胴体を持った謎の生き物、グリフ。なるほどキモい。 Fettergeist 枷霊 (2)(U) U クリーチャー・スピリット 3/4 飛行 あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールする他のクリーチャー1体につき(1)を支払わない限り、〜を生け贄に捧げる。 3マナ3/4フライヤーということで、現在も大活躍中の「縫い合わせのドレイク」に肩を並べる優良クリーチャー。あちらは雇用契約時に色々と要求してきたが、こちらは維持コストとして毎ターン年俸を要求してくる。長い目で見れば、やっぱり明朗会計の先輩の方が安定感がある。このクリーチャーは後半になればなるほど維持するのがしんどくなるし、早めに出しておくと後続を送り込むのに支障が出るので、どのタイミングでも常に悩みの種になりうる。ドレイク先輩なら中盤以降は何の気兼ねもなく雇うことが出来たのだ。しかし、ドレイクと違って3ターン目に確実に出てくる、というのはやはり魅力。単騎駆け状態なら維持コストはいらないし、3ターン目に登場した3/4になすすべもなく殴り殺される展開だって充分あり得るだろう。デッキタイプにもよるが、ある程度遅めで、1ターン目、2ターン目にクリーチャーが出にくいようならば、規格外の先兵として充分期待に応えてくれるはずだ。 Fleeting Distraction 一瞬の散漫 (U) (エルドラージ覚醒から再録) インスタント 対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−1/−0の修正を受ける。 カードを1枚引く。 何故帰ってきたし。見たこと無いよ、エルドラージ時代に使われてたの。そりゃま、無駄にはならないはずなんだけども。あ、そうか、相手ターン奇跡発生用のインスタントドローなのか。そう考えると、前の環境よりはお呼びがかかるのかも。 Galvanic Alchemist 電位式錬金術師 (2)(U) C クリーチャー・人間、ウィザード 1/4 結魂 〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は「(2)(U):このクリーチャーをアンタップする」を持つ。 どういうことやねん。科学力なの? 魔法力なの? パンチ力なの? 破壊力なの? 透視力なの? 岩砕くの? なんなの、実態。……とまぁ、そんな謎の存在である電気の力の錬金術だが、まぁ、能力を見る限り、フィーチャーされているのは「電位式」の部分だけな気もする。だってアンタップ。この子とお友達は仲良くアンタップ。当然ティムやらプリベンターやら、そういうシステムクリーチャーと仲良くすることが求められているわけだ。でも、3マナのアンタップって案外大変よ。「蟹の陰影(ROE)」の時もそんなに使われてなかったし。まぁ、3マナ1/4の壁なので、電気の力よりもそっちがメインで起用されそうな気もする。とてもタフネス4もあるようには見えないんだけどなぁ。 Geist Snatch 霊奪い (2)(U)(U) C インスタント 対象のクリーチャー呪文1つを打ち消す。1/1で飛行を持つ、青のスピリット・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 新たに生み出されたオプション付きカウンター。「キャンセル」が3マナだから1マナ足してオプションつきっていう、いつも通りの設定……のはずなのに、これも「骨を灰に」と同じようにクリーチャーに限定されているのが謎。まぁ、「骨を灰に」はシンプルにドローが付いているだけだったので実はリミテッドならそれなりに使えるカードだったのだが。このスペルはドローの部分が1/1トークンへと入れ替わったもので、比較するならば「お前の次のドローと1/1のスピリット、どちらに価値があるか」ということを考えなければならない。そして、これに対して即答するのは案外難しい。そりゃまぁ、大体のカードは単なるスピリットトークンよりも強いだろうが、このスペルは即座にトークンが出せるのですぐに殴りに行けるし、安定した効果を望めるのはセールスポイントと言ってしまっていいだろう。ドローしたところで土地を引いたらしょんぼりかもしれないし、とにかく追加戦力がほしい、という状態ならば、充分選択肢たり得るカードではある。そういや、青のスピリットトークンって意外と珍しいな。 Ghostform 幽体化 (1)(U) C ソーサリー 対象の、最大2体までのクリーチャーは、このターンブロックされない。 「巧みな回避」をフラッシュバックしたときと全く同じ効果になる呪文だが、結局「巧みな回避」ってあんまりリミテッドでも使われてない。青っていう色合いがブロック禁止と大して噛み合わないのが最大の難点なんだよねぇ。ブロックされたくなきゃ空飛べよって話だし。ドローに繋がる「二人組の見張り番」とかがシナジれるならワンチャンあるくらい? 無理に使わんでもいいと思うけど。 Ghostly Flicker 幽霊のゆらめき (2)(U) C インスタント 対象の、あなたのコントロールする、アーティファクトやクリーチャーや土地の組み合わせ2つを、ゲームから取り除く。その後、それらをあなたのコントロール下で戦場に戻す。 今回のミニテーマであるFlicker効果を2体まとめて行うインスタント。青が触れる最大限に手を広げたので、土地とアーティファクトにも触れるようにケアしてあるのがちょっとした気遣いっぽくて心憎い。でも、この効果ってあんまり2体まとめて使いたいタイミング無いような気もするんだけどね。多分、必ず2体対象にしなきゃいけないことのデメリットを消すために、土地も対象に取れるようにしてあるんだろうね。土地1つ対象に取ると事実上2マナで打てるしね。あとは、その辺のメリットが2マナ軽い白の「雲隠れ」に勝ってるのかどうかって話だけど……あんまり勝ってるように見えないな……まぁ、2体ちらつかせることで劇的な何かが起こることに期待するか。同じセットにこんだけ似たようなカード入れんでも、と思うけどもな。 Ghostly Touch 幽霊の接触 (1)(U) U エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは、「このクリーチャーが攻撃するたび、対象のパーマネント1つをタップ、またはアンタップしても良い」を持つ。 「壺のニブリス」やら「マーフォークの空偵者(ROE)」なんかの諸々の能力を備えることが出来るオーラ。これが単純に「タッパー・アンタッパーを作るオーラ」ってんなら問答無用で強いわけだが、残念ながらアタックでしかトリガーできない仕様。まぁ、このコストなら仕方ない。現在「壺のニブリス」は、「悪くない能力だけど、こいつ自身は飛行を持ってるからあんまりブロッカーは気にならないよね」というシチュエーションが多く、実はせっかくのタップ能力もあんまり役に立っていない。そこで、いかにもブロッカーを排除したいような地上クリーチャーなんかにこれをつけてやれば、いくらか突破力が向上して「疑似アンブロッカブル」のような使い方が出来る。もちろん、防御的に使えば疑似警戒。最低限の仕事はこなしてくれそうだ。ただ、張る場所はかなり影響するのでプレイは難しいし、はっきりと主義主張のあるカードではないので、漫然とデッキに入れていてもその恩恵は実感しにくいかもしれない。ティム戦術なんかに絡めば面白いのだが。 Gryff Vanguard グリフの先兵 (4)(U) C クリーチャー・人間、騎士 3/2 飛行 〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。 確実堅実一安心。青コモンの花形である5マナパワー3のフライヤーに、これ以上ないおまけ能力がついてのご提供。よりコストが重たい「空長魚の群れ」と比較すると、タフネスの差こそあるものの、やはりこちらが圧倒的に強いだろう。リミテッドなら当然必須カードだ。似たような組成のクリーチャーとしては、たとえば緑の「木登りカヴー(10ED)」がおり、あちらは緑バニラの基本である象に2マナ足してキャントリップ1枚。こちらは、なんと「噛みつきドレイク(M10)」にキャントリップなので、わずか1マナでドローが出来るようになったことになる。過去に青のキャントリップクリーチャーとして「秘密の商人(8ED)」がいたが、随分な進歩である。しかしまぁ、現在比べるべきは、多分もっとシステムに寄せた「塔の霊」なんだろうけどな。アンコモンと比べるのはいくない。 Havengul Skaab ヘイヴングルのスカーブ (5)(U) C クリーチャー・ゾンビ、ホラー 4/5 〜が攻撃するたび、あなたがコントロールする他のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。 6マナのゾンビっていうならば、コモンとはいえある程度の制圧力がほしい。現在活躍中の先輩には「スカーブの大巨人」なんて規格外もいるし、普通に考えたらクリーチャー1体を除去るくらいの気概があってもいいレベル。あ、いや、「したたる死者(ONS)」とか思い出さなくてもいいから。幸いこのカードはどこもしたたってはいないし、4/5とそれなりのステータスを与えられてはいるのだが、何故だろう、殴るたびに仲間が減っていくよ。え? なんで? なんで戻るの? Flickerするとかなら分かるんだけど、単に手札に戻るんだよ。しかもマストで。……まぁ、187を再利用とかね、いやなオーラを無効化とかね。使えるタイミングはあるさ! ……使えないタイミングの半分くらいは。一応自分自身は戻らなくてもいいから、単騎で使う分には問題無いけど、別に単騎で使いたいカードではない。絶対にない。どなたか使い方を教えてプリーズ。 Infinite Reflection 無限反射 (5)(U) R エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) 〜がクリーチャーにつけられた時、あなたのコントロールするそれ以外のトークンでないクリーチャーは、そのクリーチャーのコピーとなる。 あなたのコントロールするトークンでないクリーチャーは、エンチャントされたクリーチャーのコピーとして戦場に出る。 誰もが思うことだろうが、一言で言うと「荒れ野の本質」製造器である。ただ、「本質」は登場後の後続にのみ影響を与えたが、このカードは出た瞬間に自軍を全てコピーに変えてしまう。「荒れ野の本質」のような筋肉馬鹿が増えてもデッキはなかなか作れないが、自由自在に自軍をメタモルフォーゼ出来るってんだから、色々と夢の膨らむカードである。現在なら、たとえば自軍小兵を全て「霜のタイタン」に変えて特攻してみるとか、全員「地獄乗り」にしてワンパンチで特大ダメージ、なんてのも面白そうだ。きちんとクリーチャーが「出る」ところからフォローしてくれるので187能力をコピーするという基本的な使い方は出来るし、「出産の殻」デッキにいるような連中なら全て候補たり得るだろう。まぁ、6マナのオーラの時点でわりとドリーム寄りのカードには違いないが、かつて「集団変身」デッキなんてのもあったし、「鏡編み(SHM)」だって構築に食い込んだ。このカードも、何か面白いデッキにならんもんだろうかね。ちなみに、相手クリーチャーに張る、というオプションがあることを忘れてはいけない。リミテッドならとにかく場で一番強いカードがそろい踏みすることになるだろうし、クソ重たいレジェンド処理装置としても使えるのだ(まぁ、自軍は壊滅するわけだが)。相手の「エリシュ・ノーン」に使えば……多分、とにかく全部死ぬ。 Into the Void 虚空への突入 (3)(U) U ソーサリー 最大2体までのクリーチャーを、そのオーナーの手札に戻す。 今回は各レアリティにバウンスが豊富だが、これはそのアンコバージョン。2つ戻せるバウンスというのは、いつの時代もとても強い。個人的な最初の記憶は「急流(PLS)」だが、最近はコスト調整した「水銀の噴出(MBS)」がリミテッドでそれなりの活躍をしている。そしてこれらの始祖となるのは、2体を3マナで戻せた「再帰(VIS)」ということになるようだ。このスペルは、そんな先輩と比較すると、1マナ重くなってしまったが、一応対象を2つ取らずに使えるという、ちょっとしたメリットはついている。ちなみに、ほぼ同型の呪文がポータル三国志にあった、なんてどうでもいい知識も蓄えてみた(「対敵情報活動(PTK)」という)。レアリティは三国志側と同じアンコモンだが、なんだかオーラが多い気がするこの環境なら、バウンスは結構な活躍を見せてくれるはずだ。 Latch Seeker 掛け金探し (1)(U)(U) U クリーチャー・スピリット 3/1 〜はブロックされない。 前のめりさが青らしからぬ、向こう見ずスピリット。アンブロッカブルは青のお家芸だが、毎度この枠に収録されるカードってのは、大体がパワー2。コストが2マナならパワー1だ。現在大活躍中の「不可視の忍び寄り」がそうだし、同じコストならベテラン選手「幻影の戦士(M10)」ってことになるだろう。パワー3を手に入れようとしたら、基本的には「秘密調査員(LGN)」の5マナあたりが初期費用として必要なはず。しかし、このクリーチャーは純粋にアンブロッカブルで、純粋にパワー3。ありとあらゆる方法で死ねるが、相手が対策手段を持たない白緑だったりしちゃうと、本当にこいつが7回殴って勝つことすらあり得るレベルだ。もちろん、「ドラグスコルの隊長」で被覆っちゃえば防御面も安心だし、クロックがさらに早まったりもする。味付けシンプル質実剛健。あ、このアンブロッカブルな感じ、うちの誰かがすごい好きそう。わざわざ「荒廃の工作員」だけを大切に持って帰り、「不可視の忍び寄り」のためなら単騎青タッチも辞さない、あの男が。 Lone Revenant 孤独な亡霊 (3)(U)(U) R クリーチャー・スピリット 4/4 呪禁 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたが他にクリーチャーをコントロールしていないなら、あなたのライブラリを上から4枚見る。そのうち1枚を手札に加えて、残りをあなたのライブラリの一番下に置く。 孤独な、というか、孤独だと強くなる亡霊。まるで元生徒会長黒神めだかのごとく。ただ、めだかちゃんは既に「完成(ジェンド)」しているのに対し、この子はたった1人で戦うには色々と足りていない。5マナ4/4に呪禁まで持ったボディは青としては破格なのだが、能力を活かそうと思うともう一工夫が必要になってくる。相手にダメージが通らないと、彼の孤独っぷりは単なる痛々しさで終わってしまう。まぁ、ダメージを与えるのに成功してアドバンテージを得ても、そのカードがクリーチャーだと彼は弱くなってしまうわけなんだが……「貴様は守るものが出来て弱くなったな」とか、昔のライバルに言われるに違いない。「そうじゃない! 僕は……仲間という大切な強さを見つけたんだ!」後ろで波がざっぱーん。クライマックスな奴。 Lunar Mystic 月の神秘家 (2)(U)(U) R クリーチャー・人間、ウィザード 2/2 あなたがインスタント呪文を唱えるたび、(1)を支払っても良い。そうしたなら、カードを1枚引く。 どんなインスタントもお手軽キャントリップ。当然マナは必要だが、それでも1マナ追加で1ドローならお安いご用だ。軽めのインスタントの多いデッキならば1ターンに複数枚のアドバンテージも狙えるかもしれないし、フラッシュバックまで絡めればそのアドバンテージはてんこ盛り。青にはぴったりの小粋なクリーチャーだ。リミテッドでは投入されるインスタントの枚数が少なくて使いづらいだろうが、5〜6枚もキープ出来ればそこそこ。構築の場合はデッキも組みやすくなるだろうが、ちょっと脆弱過ぎるかしら。これ、「弱者の師」にあわせて3マナだったらもう少し期待が持てたんだけど。 Mass Appeal 大衆への呼びかけ (2)(U) U ソーサリー あなたがコントロールする人間1体につき、カードを1枚引く。 ものすごく勝手な思い込みでもうしわけないが、「我々は勝った!」と高らかに訴えているこのおっさん、多分、何にもしてないと思う。多分どこぞの教会とかのお偉いさんなんだろうけど、「砂の栄冠」のガーソみたいなことして迷惑かけただけだと思う。そんな勝手なイラストからの思い込み。さておき、そんなおっさんの呼びかけに、大衆は大盛り上がり。やんややんやの歓声に混じって、飛んでくるのはおひねりじゃなくてドローである。過去にも、特定種族の数を参照してドローするソーサリーには「空からの援助(ONS)」があったが、この世界の人間は少なくともオタリアの鳥よりは多いし、集まった時に力を発揮する。そして、何よりもこのカードは3マナと軽い。きちんと狙ったデッキならば3〜4枚は期待してもいいだろう。コストあたりのスペックで考えれば2枚でも損はしてないわけだし、リミテッドならば早めにデッキの方向性を決定づけて人間を固めるための重要な指針になると思われる。ガーソやりよる。 Mist Raven 霧鴉 (2)(U)(U) C クリーチャー・鳥 2/2 飛行 〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャー1体をそのオーナーの手札に戻す。 「大クラゲ(TMP)」に端を発し、現在も「霊気の達人」に受け継がれたバウンス内蔵クリーチャー。「霊気の達人」はごく希に構築でも見かけるが、それに1マナを加えることで空を飛び始めたこのカラスが弱いはずもない。リミテッドのお手本である2/2フライヤーにお手本のようなテンポメイカーの任務が加わったのだから、これを集めるだけでも相当相手に嫌がらせが出来るはずだ。当然、白と組んでFlickerで回しまくるなんて素敵プレイも可能だし、こいつがいれば謎の強制バウンスゾンビにも生きる価値が見いだせるかもしれない。当然のように人気クリーチャーになるだろう。ちなみに、これの日本語テキストは若干おかしい。「その後」いらんだろ。 Misthollow Griffin 霧虚ろのグリフィン (2)(U)(U) M クリーチャー・グリフィン 3/3 飛行 あなたは〜を追放領域から唱えても良い。 すッ、すげぇ……まさか追放領域から唱えることが出来るなんて……こんな能力を持つクリーチャーは当然史上初だぜぇ。流石神話だ。俺たちが出来ないことを平然とやってのけるっ! そこにしびれたり憧れたりしたい! けど! 別に! ……うん、まぁ、4マナ3/3フライヤーだから、リミテッドで使うと普通のアタッカーとして強いよ。同じマナ域のコモンにタフネス4の天使とかいるからフツーに止まるけどね。……場に出ている限りあまりに普通な神話である。追放領域からの参戦って、現時点では「忘却の輪」が効かないことくらいしか利点がない気がするんだけど。……あ、あと「雲散霧消」も平気。「赤の太陽の頂点」も「血統の切断」もへのカッパだ。……うん、まぁ、それくらい。でも、大抵の場合は除去されたら墓地にいるよね……何がしたいクリーチャーなんだろう。あ、でもそんなときのための「ムーアランドの憑依地」ですか。自分で取り除けばいいんじゃないか。……コンボとすら言えない使い方やな。
「あにゃまる探偵キルミンずぅ」 5→7
最終回だって? HAHAHA,何を言っているんだ。終わるわけないじゃないか。キルミンが終わったら、……俺はどうやって月曜日を終えたらいいんだ…… 終わって、終わってねぇよ…… 今期終了する中で、最も別れが惜しい作品。1年間ものお付き合い、本当にありがとうございました。思い残すことはいっぱいあります。最終回の超展開と投げっぱなし感、どうしたら良いんでしょうか。結局キルミンとは何だったんでしょうか。アニマリアンの革命は、どのように続いていくんでしょうか。カノンたちのおじいちゃん、結局何だったんでしょうか。カノンの親父さん、画面上に一度も姿を現してないけど、いいんでしょうか。リコたちのママさん、結局変身しなかったけど、何の動物だったんでしょうか。タマオ成長しすぎて時代飛び越えちゃったけどいいんでしょうか。……もう、なんとかしてくれよ…… いや、逆に考えるんだ。これだけ煮え切らない要素があるなら続編だってある、と。誰かこの10月から「あにゃまる探偵キルミンずぅ♯」とか「キルミンずぅダイナマイト7」とかが始まる情報を入手した者はいないか? この際だから「よりぬきキルミンさん」みたいな総集編でもいいぞ。もう、話の内容とかはサザエさんクラスのダラダラでも一向に構わない。ケンロックホームズの名推理をダラダラ流すだけでもいい。どうにかして毎週月曜日にリコやリムたちに会わせてくれ。あの愛らしいグルミンの百面相を見せてくれ。ポチ姉の無駄にエロい愛嬌の振りまき方を堪能させてくれ…… あ、少し真面目にまとめますね。結局、この作品はどこに向けての作品だったのかがイマイチ分からないというのが最大のポイント。キルミンのおもちゃを発売したわけでもなし、放送時間が半端だからそこまで大きなお友達に迎合したというわけでも無し。後半の怒濤のシリアス展開(?)はとても子供さんじゃついていけない気がするけど、あのグダグダっぷりは真正面から物語を作ろうとしたようにもみえない。二ツ木の最期とか、実に寓話的で面白い終わり方ではあったんだけど、彼の目的意識の不鮮明さのおかげでどう驚いていいのか分からないしなぁ。最終回で乱打されたサプライズの数々も、ぽかーんの度が過ぎて全く印象に残らなかったぞ。結局どうなったんだよ、ドクトル! ひょっとしてあれか。やっぱりこの番組の視聴方法は私の姿勢が正しかったのか。毎週「うは! キルミンフォーゼした後はリコの顔とグルミンの顔のどっちを見ればいいんだ!」と叫びつつ彼女たちのコントを楽しむと。幼女は可愛いし、小動物はもっと可愛い。だったら小動物の着ぐるみを着た幼女は至高の愛らしさを誇るはず、という安直な思想は、見事に的を射たものだったわけだ。この勢いを維持するには……フィギュアか? 三次元造形物に手を出せば少しは悲しみも紛れるのか?! 誰か「眼鏡透けてるバージョンのリム」か「髪おろしてるバージョンのリコ」を立体化して下さい。 最後に当然キャストの話。もう、この作品は散々叫んでいるので語るべきものもないのだが、とにかく悠木碧+佐藤聡美という珠玉のコンビネーションが絶対領土の不可侵域。ミジンコ扱いでも構わないので御子神家の父親になりたいです。あおちゃん成分としゅが美分を摂取する新たな手段を考えなきゃいけないのか……どうしよう…… 他にも色々とキャリアの浅い面々が声をあてていたわけだが、探偵団メンバーはもちろん、牙組の男性キャストなんかも割と面白かったです。ママさん役の根谷さん、二ツ木役のおっきー。みんなみんな素晴らしい世界をありがとう。ほんと、神浜市は原色の色づかいが毒々しい街だったので、結局どこの国なのかよく分からなかったよ! 韓国との共同制作だとこういう色づかいになるんだろうな。「アニマル横町」もそうだったし。なんだ、日韓共同制作でも名作は生まれているんだね…… リコリムカムバーーーック! 「オオカミさんと七人の仲間たち」 5→4 気付けば空気のように終了したこの作品が、今期の最終評価1発目。実際は「黒執事」が先に終わってるんだけど、時間帯の関係で感想が書けるほど真剣に見られていなかったのでパスです。嫌いじゃなかったですよ。1期よりは楽しめました。 さておきこの作品。端的に表すならば、「岩崎&J.C.ならこうなるだろうな」と。可もなく不可もない状態で過ぎ去っていたこの作品は、ざっと見た感じではそこまで好意的な評価が見られないのはちょっと残念。ただ、個人的に岩崎良明という人は決して嫌いな監督ではなく、むしろここまで没個性に原作を浮き立たせる作品作りにこだわる人というのは珍しい気がするので、この作品も評価出来る部分は評価したい。 全く原作を読んでいない状態なので完全に憶測なのだが(よって間違ったことを言っていても原作ファンには許してほしいのだが)、この作品の最大の問題点は、「原作が面白くないこと」なんじゃなかろうか。監督へのひいきのためにそういう結論になった気もするのだが、正直言って、この作品が何作も続く人気ラノベシリーズとはとてもじゃないけど思えない。筋を追っていても、何一つ新鮮なものが得られないのである。 キャラクターの造形については、1話目視聴時点では期待できる部分もあった、テンプレ臭の強いキャラがほとんどとは言っても、「個性的な面々が集まって恩返し組織を営む御伽銀行」という設定自体は悪くないのだし、ここからオオカミさんと亮士を中心としたラブコメ+学園コメディにするなら、それなりに話らしいものは作れるはずなのだ。それなのに、この作品はその設定から一歩も先に進もうとしない。「ツンデレキャラとして設定したのでこの人はツンデレっぽく振る舞います」「腹黒キャラという記述があったので、この人は腹黒として読んで下さい」というサボりだけが見え隠れして、その上っ面だけで話が進行してしまう。最後まで見終わってまだ興味が維持出来ているキャラクターといえば、魔女子さんとアリスさんくらいなもので、この2人の共通点は、「まだエピソード中でメインを張っていない」ことである。他の連中はそれなりにスポットが当たってしまい、「底の浅さ」が確認出来てしまっているのだ。例えばオオカミさんの設定の1つである「ジムに通ってずっと強さを求め続けている」という状態は、「あれだけ好き勝手にさらわれて、しかもバトルで特に活躍したシーンもないのに何を言うか」と思うし、林檎の腹黒設定も、白雪姫エピソードを見たら一切説得力がない。おつうさんの恩返し属性なんて意味すら分からないし、乙姫・浦島コンビはあれだけ登場シーンが多かったのにそのバックボーンに全く興味も魅力も感じない。本当に、話を作るのが下手なのである。 こうした「全く面白味を感じさせない原作」を、なんとかアニメ的に盛り上げようと努力するのがアニメスタッフの仕事。作画面は非常に良好で、その部分は評価すべき部分だろう。加えて、最も分かりやすいアニメの注力ポイントといえば、なんと言っても新井里美によるナレーション。賛否が分かれた被せ気味のナレーションだったが、今にして思えば、あれがこの作品に唯一与えられた「オリジナル要素」であった。一貫して流れ続けたみっこ節によって、なんとかこの作品は作品として維持されたのだ。未だに「あり得ない語尾!」とか聞くとちょっと面白い。 ただ、残念なことにこのナレーションについても、どうしても「作品を描写する能力が欠けるために、それを補うツールとして用いられた」という印象がある。みっこナレによって「可愛らしい」とか「強そう」とか「腹黒そう」と言われると、何となくそんな気がするという効果があるのだが、あまりにそれに依拠しすぎて、他の部分での欠落が目立ってしまう.実際、作中でみっこの語るナレーションに対し、「いや、そうでもねぇけど」と思うことも何度かあり、画面の中での物語の不備が浮き立つシーンも見受けられた。「そこは地の文(ナレーション)で説明するのではなく、なんとかしてシナリオや画面で見せるべき部分だろう」と、そうした不満ばかりが起こってしまうのだ。 こうした「不備の目立つ」構成にしてしまったことは、アニメスタッフの責任であろう。ただ、「じゃあどうやったら面白くなったのか」と言われると非常に難しい。みっこナレは、これはこれで充分魅力的なものであったし、ナレを入れること自体が悪かったわけではない。むしろそこまでやっても脚本の山の無さをフォローしきれなかったと見るべきで、普段の岩崎監督の「原作維持」の方向性は、あまり良い結果を生まなかったということだ。原作もののアニメ化も、難しいのである。 そして、この作品で最も悔しいのは、いかにも岩崎J.C.らしい豪華過ぎるキャスト陣。御伽銀行だけでも、御前、かな恵ちゃん、ホの字、川澄、きみきみに豊崎。その他にも釘、中原、甲斐田、美佳子におはぎにしゅが美などなど、若手から中堅まで、完璧すぎる布陣を敷いているのに、何故こうも印象に残らないのか。ここまで残念な気持ちになったのは「ポリフォニカ」以来である。おそらく、どれもこれも「ま、このキャラ設定ならこの人でしょう」という安直なセッティングでやっているおかげで、全員が「どこかで見たキャラ」にしかなっていないせいだ。川澄や釘の使い方なんか、既に一周回ってネタレベルかもしれない。同じようにテンプレっぽく集めた「れでぃばと」はそれなりに堪能できたんだけどなぁ…… 最終話で突如しゅが美キャラが登場し、なんかそれだけで許せる気になったけど心を鬼にして点数は下げる。最終話はどうせ新キャラなんぞ感情移入も出来ないだろうから、脳内で律ちゃんに変換していたのは内緒。 終わったね……最終回。原作と同時に最終回を迎える作品っていうのは、愛されているので成功する気がします。ソースはARIAととらドラ。 ラストとは言っても放送的にはまだ2話残されているし、それと同じように、唯たちの生活はまだまだ続いていく。20話における明確な「終わり」とは対照的に、今回はそうした「続く」ことを意識させるような最終回となっていた。視聴時も、20話ではボロボロ泣いたけど今回は要所要所でうるっと来るくらいで泣くには到らず。露骨に「泣かせ」に来てもおかしくない話数だけに、この演出は作り手側の信念が感じられます。あくまで「けいおん」に必要なのはゆる〜い日常風景であって、劇的なドラマではないのですな。 卒業式の最中もどうでもいいことで盛り上がる面々。寄せ書きやら伝言ゲームやら、本当にどうでもいいんですよ。「流石軽音部だね、ギリギリで生きてる感じ」とは純の言だが、彼女たちに限ってギリギリってことはないよ。卒業しようがすまいが、一向に変わりゃしません。そのためか、さわちゃんやらあずにゃんやら、周りの人間ばかりが感極まって彼女たちを眩しく見ているような気さえしてきます。確かに卒業式って、送り出される側はいまいち実感が湧かないまま終わっちゃう気がするなぁ。 最も端的に実感を与えてくれたのは、なんと言っても梓の涙。文化祭でも、受験のときでも見ることが出来なかった貴重な泣き顔は、やはりこのときのために。それまで必死で気をはって唯たちを送りだそうとしていた梓だったが、ほんの些細なやりとりの中で気持ちが決壊し、ポロポロと胸中があふれ出す。一瞬の心の揺れだったが、それだけにどうしようもないくらい本当の気持ち。それを笑って受け止めて、おおらかにいつも通りのテンションで接してくれる諸先輩方の大きさがありがたい。背伸びしていつも心配ばかりしていた奇妙な関係性も、今日をもっておしまい。随分時間はかかったが、ようやく余計な気を遣わない、素直な先輩後輩の関係になれたような気がする。最後の最後に送った言葉が「上手くないですね」とは、何と良くできた後輩だろう。 クライマックスとなるのは梓のためだけに演奏する、「放課後ティータイム」のラストライブ。映像も、中身も、ごくごく普通の、ある意味「味気ない」ライブ風景ではあるのだが、このスケールの小ささこそが彼女たちが到達出来た最後の一歩。今までのライブはあくまでイベントの一部でしかなかったが、今回はたった1人の観客のために歌えた、最も目的のはっきりした演目。凡庸で、ありきたりで、だからこそ伝わりやすい歌詞に、梓は遠慮無く泣き、笑うことが出来た。本当の意味で、最高のライブでした。 ラストシーンは「ふわふわ時間」のイントロで締め。「ふわふわ」は1期の最終回でも流れていた曲で、このオーバーラップは明らかにアニメ的な演出として狙ったものだろう。そのまま曲に乗せてエンディングっていうのもアリだった気もするのだが、この作品の場合はきちんと通常エンディングを流すんだな。ま、そのへんのメリハリもありっちゃありかな。晴れやかなままで、いつも通りに。それが、「けいおん」の世界なのです。 蛇足と分かりつつ、中の人の話をさせておくれ。今回もクラスメイトの描写が実に細かくて、最後の最後まで3年2組の色んな側面が見えたんですけど、序盤に律に寄せ書き渡してた人、なんか中の人が微妙だったよね。せっかくの最終回で突然ああいうのが入ってきたのは何だったのか……な。 今週の1枚。歌ってるカットとかでも良かったんだけど、なんだか妙に印象に残ったので、みんなで並んで唯を見守る暖かい笑顔で。部員全員を心配するお母さんのような安心感があります。中の人的にいうと、餃子の皮のように包んでくれますよ。
意外にとんとん拍子の第11話。先週の時点では色々どうしようもないと思っていたのに、割とあっさり諸々が解決していきました。どれもこれもそれなりに納得出来てしまったのが凄い。
タイムリミット2週間を強制された地球とキャーティア母船の危機。どこをどう見ても八方ふさがりの状況に、キャーティアシップのクルーは自爆の覚悟を決める。しかし、艦長は意識を失う前に、とっさの判断で最上の保険をかけていた。なんと、艦長権限が騎央に移っていたのである。 艦長が動ける。そのたった1点から打開策が見える。なんとか宇宙にさえあがることが出来れば、騎央が母船を再起動して軌道を変えることが出来るようになったのだ。地球製のロケットでも、とにかく打ち上がる推進力さえあれば残りの部分はルーロスの本体が管理するし、時間凍結はいちかの特製護符で突破。肝心のロケットも、アントニアのコネを使ってギリギリエンジンのみ調達出来た。はるかロシアの地で念願の足を手に入れた面々は、犬の人たちの執拗な攻撃を乗り越えて、いざ宇宙へと向かうのである。 プロットだけを追えば、単にピンチの打開策を集めて宇宙に飛び立つ準備をしたというだけなのだが、なんだか色々なパーツが少しずつ集まってくる感じが、無茶苦茶なのに不思議な説得力がある。猫耳巨乳宇宙人少女の発情期とか書いてるくせに、多分この作品の作者はそれなりにSFが好きなんだろうし、そのあたりの要素もきっちり書きたいっていう意識があるんだろう。フィクション部分の整合性が、ラノベっぽくない。いや、もちろん色々と無茶はしてるんだけどさ。今回は騎央のチートクラスの情報管理能力を除けば、それなりにありそうな展開じゃない? 強いて釈然としない点をあげると、地球内における犬の人の影響力の強さが流石に無茶な気がする。一気に圧力をかけて全てのロケット使用権を封じる手はずを整えるっていうのは、かなり面倒な案件のはず。わずかな期間で全世界の宇宙へのルートを掌握できるほどの実権があるのはちょっと妙だ。何せ犬の人たちは表だって地球との外交を結べていないのだから。裏ルートで繋がってあそこまで出来るなら、実力行使なんて不器用なことをせずに、絡め手でキャーティアの地球侵攻を防げそうな気もするし。 そして、わざわざ宙域への進出を妨害する手はずをうっていたということは、「万が一でもエリスたちに宇宙に飛ばれたらまずい」という意識があったということ。艦長の機能停止やルーロスの駆逐など、細かいミッションを全てこなしていた犬の人たちは、更に最悪の最悪(つまり今回の艦長権限譲渡)まで想定していたということなんだろうか。更に更に、ロシア地下部におけるロケットエンジンの確保にまで目を光らせ、NATO軍に無茶苦茶な軍事演習要請まで出来たり……もう、お前が地球政府でいいよ。 ま、すったもんだはあったけど、とにかく騎央達は宇宙にいけるらしいので、頑張ってミッションをこなしてほしいもんです。これに成功すれば、あからさまな実力行使に及んだ犬の人たちとの関係性も変化しそうだしね。 で、今回はそうしたSFミッションに加えて、いつも通りに真奈美・アオイの恋愛沙汰がさらなる混迷を極めているのも見どころ。アオイは後ろ向きさ加減が全く変わらないのに、開き直って真奈美を責めるという姿勢にまで移行した。わざわざ真奈美の秘めたる思いを刺激してライバルを増やしちゃうあたり、奥手不器用もここに極まれり。真奈美も真奈美で、「女の子がどんな相手のためだったら、命を賭けたり職をなげうったり出来ると思ってるの?!」などと騎央を諭すのだが、このカテゴリーに自分自身が含まれているということに気付いているのだろうか。あなたもCIAへの就職を蹴って騎央を助けているのですよね。意識せずにそんなことを言っちゃうあたり、なかなか意味深で面白い。 アオイはアオイで逆ギレ気味のビンタを炸裂させたりしているが、戦闘機械じみたあんたのビンタは一般人相手に繰り出していい技なんだろうか。あと、騎央を人質に取った密告者と対峙している時に思ったのだが、あのとき両手で相手の銃とスイッチをアポーツしたら良かったんじゃなかろうか。ま、そんなことせんでも、無茶苦茶な狙撃で強引に解決してましたけどね。恋愛対象の男の子に向かって眉一つ動かさずに引き金を引けるってのも、逆に問題がある気がします。 今更だけど、この作品、アバンの彩陽の語りが面白いよね。毎回なんか元ネタがあるんだろうけど、あんまり詳しくないからよく分からないのが残念。 |
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