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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 おやっさんの職業、顔つきからしてもっといかつい商売だと思ってたのに、まさかの喫茶店経営に腰砕けの第4話。うむ、似合ってるような、そうでもないような……コーヒーについて蘊蓄を語るポーズが絵になるのは、ひとえに藤原啓治ボイスがずるいせいだ。

 今回、ようやく山内監督がコンテ業務から外れることになり、よく言えば見やすくすっきりした内容になっているが、悪く言えばその分味も素っ気もなくなった。3話までは楽しみに見ていただけに、担当するクリエイターでこれほどまでに変わるものかと再認識してちょっとがっかり。いや、ちょっと度が過ぎたファン意識なだけかもしれませんけど。原作が素直なんだろうね、あんまり引っかかるポイントが無いんだわ。

 とはいえ、今回はシナリオラインそのものにもちょっと「?」が飛び交う内容になっている。現時点で「夢魔」というのがなんなのかは未だはっきりしていない部分が多いのだが、そんな中でどんどんイレギュラーな事態が進行しており、ベースに何をおいていいのか分からない。

 具体的に言うと、今回の部長と夢魔の関係性は、どこまでがセーフで、どこからがイレギュラーなものであるのかがいまいちピンと来ないのである。夢路は1話で夢魔に追われていたが、彼の場合は「突然白昼夢(もしくは普通の夢)の中で襲撃される」という被害であり、現実世界への影響力は皆無だった。先週登場したみなととイチマの関係にしても、友情があったおかげでみなとちゃんは現実世界でもイチマのことを思って友達を作らずにいたようだが、イチマ自身が現実に干渉する力は持ち合わせていなかった。

 しかし、今回のクリスの場合、確実に現実世界にも侵攻している。二重人格となって一時的に「器」である肉体もコントロールしていたし、部長が携帯端末を2つもっていたことを考えると、文通のための携帯を用意するくらいの行動はとれたということだろう。そこまで出来るのだったら、既に半ば「現実に現れた」といってしまっていいのではなかろうか。もちろん、クリスは部長に対して害意があったわけではないことは描写されているので、夢路を襲ったジョン・ドゥや先週のイチマと違って部長を乗っ取らなかったことの説明は付くが、既に「器」を共有している状態ならば、無下に追い払うだけでなく、何か共存共栄の道を探るという選択肢もあったと思うのだが。

 つまり、一番分からなかったのは、部長が落ち込んでいるのを見ていきなりキレ始めた夢路のテンションということになる。確かに、初めての恋に胸を躍らせる乙女を裏切ったというのは許し難いことなのかもしれない。雨の中を呼び出して、彼女をびしょ濡れにさせていたことだって、腹立たしいと言えばそうだろう。しかし、それはクリスとて仕方なくやったことである。彼には部長と顔を合わせる手段が思いつかず、文通という不格好な方法でしか意思疎通が出来なかった。そのような状況において、部長の「器」を乗っ取らずにコミュニケーションを続けていたことは、これまで登場した夢魔と違い、クリスが友好的だったことを示す証拠ではなかったか。

 そう考えると、いくら何でも夢路の行動は短絡的だ。クリスを失って悲しむのは部長であるはずだし、夢路が真っ先に考えなければならないのは、「クリスを消し去ること」ではなく、「唯一デイドリームや夢魔の存在を知るものとして、クリスと部長の逢瀬の方法を考えること」だったはずである。それをせずにただ拳を振り回すだけというのは、いささか頭の悪い行動パターンだ。

 そして、そんな夢路の勢いに乗る形で、メリーも「夢喰い」を名乗っての夢魔討伐を決意してしまう。ま、あの状況なら夢路をボコボコにしていたクリスを悪者だと思うのは仕方ないが……それにしても、「自分が夢の世界に帰るための方法を探る」っていう第一目的を忘れてやしないか? 問答無用でぶっ飛ばしたら証拠も何もあったもんじゃないだろうに。「私を祓えるのか?」なんて意味深なことを言ってたクリスなんか、格好の情報提供者だったかもしれないのにな。

 という感じで、メイン2人の行動原理が無茶苦茶なので、今回はあまり楽しむことが出来ませんでした。バトルシーンにしても、やっぱり「メリーの武器は単なるパンチキックだけ」という決定的な「見栄えの悪さ」があまり解消されていないし、何かもう一工夫ほしいところである。画面で引きつけてある程度シナリオの齟齬を吹き飛ばせるような作品を期待したいものだ。いつまでも「メリーちゃんが可愛い」だけでは保ちませんぜ。

 それにしてもメリーちゃん、よくもまぁ、あの短時間で野球ゲームのスコアをあそこまで離されたもんだな……夢路は一体どんな難易度でプレイしてたんだろう。

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 開いた口を塞ぐ気が欠片も無い気がする第4話。だからさ、もうさ……

 既に4話目を迎えているこの作品、正直言って、この時期に既にどうでもいい作品の筆頭候補になっているわけだが、その炸裂するグダグダ感はたまらないものがある。どこぞで「ゆでたまごの劣化版みたいな救いようのなさ」という表現をしたのであるが、今回もまさにそんな感じで、作中のキャラクターの反応がいちいちおかしくて、「いや、お前らそこは突っ込みどころとちゃうんかい!」と叫ばずにいられない。なんという冷静で的確な判断力なんだー!

 今回の突っ込みシーンも色々ありますが、やっぱりトップはあれですよね、「もうギャンブルでも何でもないやないか!!」と。やっぱり世界的なディーラーともなるとクレー射撃の一つも出来ないと駄目ですよね。……どうなってるのよ。他にも自販機のちんぴらの話とか、こっそり描かれたリオたちの生い立ちの過酷さとか、どこまで真面目でどこまで冗談なのかわからねぇよ。ある意味すごいさじ加減だぞ。ちなみに今週一番笑ったのは、豊かな髭を蓄えていかにも泰然とした老紳士が「脱衣ゲームは、基本的に小物から取っていくものです」とか語り出したとこ。じいさん、女性相手に何しれっとセクハラトークしてやがる!

 もうそろそろ真面目に見るのやめようかなー、とか思い出していたんですが、最後の最後で、ちょっとラスボスっぽい影が登場しましたね。……うわー、見るしかないわー。黒さぁやキタコレだわー。今期レギュラーあんまり無いと思ってたのに存外忙しいわー。本当に求められる声優って、こういうスタンスが理想なのかもしれません。テレスティーナさん級の悪役希望。

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 一番気になったのが先生の英語の授業だった第4話。あまりにぶっ飛んだ内容だったものだから「最近の保健体育は進んでるなー」とか思ったら、英語かよ! 30歳云々言い出したらほむらの中の人とか仁美の中の人がナイーブになるからやめろよ!

 前回の騒動のおかげで、嫌でも注目が集まる今回だったが、むしろちゃんと「話を作りに来た」ので好印象でした。あれだけ世論ではキュゥべえが悪者扱いされ、魔法少女への勧誘についても、やれ悪徳業者だのやれ詐欺まがいの恐喝だの言われていて、そのあたりの見る側とキャラクターの温度差がどの程度のものか、というのは無視できない因子になっていた。マミの一件があってなお、キュゥべえがまどか達を勧誘し続けていたとしたら、それこそ悪魔の所業。そして、まどか達がそのことに恐怖心を持たなかったとしたら、流石に異常である。

 マミの喪失というファクターは予想通りにまどかとさやかにショックを与えており、2人の中で「魔法少女になる」などという選択肢は無くなった。「優しさがより大きな悲しみを産む」とほむらに言われたまどかは、マミを犠牲にして自らの進路を修正した己の行為に慚愧の念が強いようだが、だからといってわずかな期間に育んだ友情のみを代償として、命を賭けるような行動に出ることは出来ない。「あたし、無理」の一言が全てを物語る。既にこの世にすら残っていないマミの幻影にひたすら謝り続けながら、見てはいけないものに出会ったことへの後悔ばかりが先に立つ。

 一方、さやかもマミの死に対する衝撃は大きいが、彼女にはもう1つの「人生の喪失」の物語がある。不慮の事故によりそのアーティスト生命を絶たれてしまった不遇の少年、上條恭介。恭介に強く思いを寄せるさやかだったが、これまでただひたすら信じ続けていた彼の回復と、日々の献身に対する自己満足。「恭介はいつかまた演奏が出来る。自分はそんな恭介の為に頑張っている」。そんな幻想が、ふとしたきっかけから全て崩れ落ちた。「自分は嫌な奴だ」とエレベーターの中で独りごちた彼女。前回3話の中でも、マミから「献身が望みであるのか、献身による自己の幸福感が望みなのか」と問われ、そのスタンスは揺らいでいるところであったがために、この変化は、彼女の人生を変えるのに充分なインパクトがあった。

 かたや、友情を育んだとはいえ、つい先日であったばかりの、素性もよく分からない「先輩」の死。かたや、自らの人生を捧げてすらいる気になっていた、最愛の人の「喪失」。天秤にかけた時に、彼女の中に既に選択の余地は無かった。マミの命を賭した「訓戒」とほむらの「忠告」を無視し、さやかは魔法少女になった。

 やはりこの作品は、「魔法少女になるとは」という部分が最大のテーマとなっているらしい。このテーマ設定は実はものすごく斬新で、過去のアニメ作品ならば1話で確実に終わらせている部分だ。「魔法が使えるってどういうこと?」「これまで持ちつけなかったような力を得て、環境や自己が変わらないことなんてあるの?」「そもそも、何で面倒なのに魔法少女の任務なんて引き受けちゃうの?」などなど、誰もが何となく考えていたような疑問を、徹底的に「ひどい」シチュエーションで掘り起こしたのが、この作品である。その結果として、メインヒロインであるまどかが全く魔法少女になりそうもないという看板詐欺が実現しているわけだが、窮地に陥って選択の余地無く魔法少女の任を与えられたマミ、悪魔の誘惑のごとき「安易な」解決に手を出してしまったさやかと、それぞれに異なった動機が設けられた。「魔法少女になるなんて、ひょっとしてこれくらいの覚悟が無いとだめなんじゃないの?」という、ライターの悪意がにじみ出ているようだ。

 悔恨と恐怖に留まり続けるまどか、一時の激情から禁断の麻薬に手を伸ばしてしまったさやか、それを険しい顔で見つめるほむら、新たな火種杏子、そして、未だ真意の読み取れないキュゥべえ。まだまだ先の見えないこの作品だが、シャフト演出だのなんだのという些事はさておいて、純粋に楽しくなって参りました。

 今週は(今週も)、本当に印象的なシーンが数多く、列挙していくと、まずは台所でまどかが泣き出すシーン。「生きているとパパの料理が美味しい」って、突然そんなことを娘に言われた両親はどうしたらいいやら。弟さんの声がナニなのでさらに涙を誘います。そして、屋上でキュゥべえと会話している時のキュゥべえのひどい台詞、「非難できるとしたら魔法少女の運命を背負った者だけ」。いや、その理屈はおかしい。ほむらとまどかが2人で歩く帰り道、ほむらの放った一言「魔法少女の最期なんてそういうものよ」。いや、過去にそこまでの覚悟がある魔法少女なんて見たことねぇし。

 しかし、やはり今回の最大の見せ場は、病室での上條君ご乱心のシーン。CDプレイヤーを叩き割るという、リハビリ中の身とは思えないパワフルな行動に出た上條君に対し、さやかは決定的な一言を放つ。今回のサブタイトルにもなっているその台詞は、「奇跡も、魔法も、あるんだよ」。そして窓の外を見れば、そこには1つの影……「そっちは駄目ぇぇぇぇ!」と叫ばずにはいられない、痛々しさの溢れる名シーン。来週もきっと、怖い。

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Blinding Spray 目潰しのしぶき (4)(U) U

インスタント

対戦相手のコントロールする各クリーチャーは、ターン終了時まで−4/−0の修正を受ける。

カードを1枚引く。

 青が躍起になって毎回作ってるのに誰も使ってくれない寂しい「パワーだけ下げるよ」部門。ほぼ毎セット1枚ずつ収録されているのだが、これがメジャーになることは未だ無い。メジャーにしようとして繰り返し使える仕様にするとコモン最強カードとかになっちゃうのでなかなか面倒なのである。そういう意味では、ある程度使えていた「迷宮での迷子」ってかなりの秀作。そんな部門の新人は、「恐慌盲(ISD)」のキャントリップ版。キャントリップの計算式は元のコスト+2マナがセオリーなのでコスト計算に間違いはないのだが、さて、「恐慌盲」がほとんど使われていなかった時点でこのスペルもいかがなものか。ただ、一応の可能性として、「手札が減らない」という部分は大きな改良点かもしれない。ノンクリーチャースペルの数をキープしたいジェスカイにとっては、キャントリップはどれだけ重くとも一定以上の価値がある。コンバットで「死ななく」なるこの呪文は、そういう意味では確かに貴重な一枠なのだ。さて、使うタイミングがあるかどうか。それにしてもイラストが最悪に嫌だな。あとフレーバーが「スゥルタイ」じゃなくて「スルタイ」になってるのがちょっとした誤字。

 

Cancel 取り消し (1)(U)(U) C (色んなところから再録)

インスタント

対象の呪文を打ち消す。

 もうそれでいいよ。同じ3マナで出てくる変異をカウンターするかどうか、せいぜい悩むがいい。ちなみに、同じく変異環境の先輩であるオンスロートのコモンカウンターって一体何だったか。全く覚えてなかったので確認したら……「イクシドールの意思(ONS)」だった。普通って大事。キャンセル万歳。

 

Clever Impersonator 賢いなりすまし (2)(U)(U) M

クリーチャー・多相の戦士

0/0

あなたは、〜が戦場にあるいずれかの土地でないパーマネントのコピーとして場に出ることを選んでも良い。

 ついに出た、(ほぼ)万能のコピーカード。これまで各々のパーマネント・タイプについてコピーするカードは個別に出ており、クリーチャーなら当然クローンで、以下「彫り込み鋼(MRD)」「ヴェズーヴァ(TSP)」「エンチャント複製(RAV)」と続いたが、最新のパーマネントタイプだったプレインズウォーカーだけはコピーするカードが存在していなかった(そもそもルール上2枚同時に存在出来ないようになっていたからだろうが)。そしてルール改正を受けて(?)、ついにそのおまとめ版が神話レアとして登場である。この汎用性はなかなかヤバい。相手が出したどんなに強いカードでも4マナでもらえる、っていうのが「クローン」の強みだったわけだが、プレインズウォーカーもコピーできることで、その強みは確固たるものとなった。無駄になる状況がほとんど無いので、適当に突っ込んでおくだけでも割とデッキの底上げになるっていう。レジェンドルールのせいで弱体化の一途を辿っていたクローン業界だが、ここでなんとか歯止めがかかるだろうか。

 

Crippling Chill 悪寒 (2)(U) (アヴァシンの帰還より再録)

インスタント

対象のクリーチャーをタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

カードを1枚引く。

 今回はちょいちょい出番が多い「霜のブレス」系列の呪文だが、基本形のインスタントは2年前にも割と人気があったこのコモンが再録。3マナで相手クリーチャーを2ターンに渡って封じた上に手札損が無いために非常に使いやすい。デッキが求めていなくても、最悪キャントリップだけだと割り切って使ってしまってもそこまで心も痛まない。ニーズがあるのは当然ジェスカイということになるが、細かいスペルを繋ぐのは中盤以降の巻き返しを狙うスゥルタイ的戦術にも噛み合っているし、アタック・タップをまとめて封じられるので、マルドゥにもアブザンにも刺さるタイミングは少なくない。良きところでのキープを狙いたいものである。ちなみに日本語名は「すげぇ寒く感じるよ」という意訳で「悪寒」としてるいるが、今回はティムールのマジで極寒の環境を描いたものなので、出来れば「ひどい寒気」みたいな訳の方が自然ではあった。もう遅いんだけどね。

 

Dig Through Time 時を越えた探索 (6)(U)(U) R

インスタント

探査

あなたのライブラリを上から7枚見る。そのうち2枚をあなたの手札に加え、残りを好きな順番でライブラリの下に置く。

 ようやく「タイムトラベル」というこのブロックのテーマに関係ありそうなカードである。探査ってことはスゥルタイに属するカードってことだが……一体誰が何のために時間を超えて調べ物をしてるんでしょうね。イラストだと割と美人のおねーちゃんだけどね。で、そんなタイムトラベル探査は、ダイナミックにライブラリを掘り進む。7枚突き進んで2枚ゲットというのは昔懐かしい「祖先の記憶(7ED)」と同じ効果。あちらは5マナのソーサリー、こっちは8マナインスタントだが、ここまでヘヴィーコストの呪文なら探査枚数もそれなりに稼げるだろうし、インスタントなので利便性は高い。実際に増える手札は1枚だけだが、こんだけ掘るのだから実質利益はかなり高い。目標は4マナくらいで唱えることかな。「予感(M11)」くらいの感覚で使えれば合格。ただ、「祖先の記憶」と違って残りの5枚が墓地に落ちずにライブラリに帰っちゃうのは残念ね。まぁ、もし墓地に置けたらこのスペルが連打出来るようになっちゃうので強すぎたわけだが。

 

Disdainful Stroke 軽蔑的な一撃 (1)(U) C

インスタント

対象の、点数で見たマナ・コスト4以上の呪文1つを打ち消す。

 「〜以上、以下」で分けるというのは定番の境界線であり、マナコストも、除去などを使う際にはよく指標となっているものである。しかし、実はこの呪文は史上初。点数で見たマナコストを参照するカウンター呪文で値が固定したものは、これまで3マナ以下を打ち消す「液化(TOR)」と4マナ以下を打ち消す「思考縛り(CHK)」の2枚だけ。「〜以上」を参照したのは史上初なのだ。構築レベルのガチな戦場を考えれば、普通は低マナ域をカウンター出来る方が強い。中盤以降に出てくるカードはやろうと思えば普通のカウンターでも打ち消せるわけで、いかに軽いマナで、序盤の脅威に対処出来るかがカウンターの1つの命題といえる。おかげで「呪文嵌め(DIS)」や「精神的つまづき(NPH)」といった、製作チームが「大丈夫やろ」と思っていた呪文すらも禁止されてしまうのである。このスペルはその真逆を行く呪文なので、禁止される心配は無いし、リミテッドレベルでもやきもきすることは多いだろう。しかし、やっぱりデカブツガオーが抑えられるカードというのは魅力的だ。この世界は3マナ変異で入場してしれっと正体を現すデカブツもいるので質が悪いが、それでもわずか2マナで大きな脅威に対応出来るこのカードは、ちゃんと出番があるはずだ。リミテッドの戦略として、このカードをかいくぐるための変異、というのも1つの指標になるのではなかろうか。

 

Dragon’s Eye Savant 龍の目の学者 (1)(U) U

クリーチャー・人間、ウィザード

0/6 変異(手札から青のカードを1枚公開する)

〜が表向きになった時、対象の対戦相手の手札を見る。

 手札公開変異サイクルの青。このサイクルの白以外は素出しコストが2マナ以下なので、どっちのモードで出すかはちょっと悩むことになる。ただ、この青の場合は慌てて出す必要性はほとんど無いし、パワーがある方が当面の活躍度合いは高いので、やっぱり2ターン目に出すよりは3ターン目に2/2で出す場合がほとんどだろう。オンスロート当時のように「変異状態で戦闘、スタック後に変異解除」という使い方で相手クリーチャーを殺せなくなったのは残念至極。変異誘発で「のぞき見(ODY)」出来るのも、まぁ、あって困る能力じゃない。普通の環境ならば「ふーん」程度で終わることも、この変異世界なら「あー、そんな変異いるんだー、へー」とか言えるので相手に与える精神的ダメージもそこそこ大きいのである。別に余計なこと考えずとも、2マナ0/6って「つぶやく幻(DGM)」を上回るスーパーがっちりングなんだよな。うぜぇ。

 

Embodiment of Spring 春の具象化 (U) C

クリーチャー・エレメンタル

0/3

(1)(G)(T)、〜を生け贄に捧げる:あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 毎度お馴染み「不屈の自然(M12)」内蔵クリーチャーであるが、多色セットってことで緑ではなくティムールカラーの青に回された。同じことはディセンションの「絹羽の斥候(DIS)」でも起こっている現象であり、土地サーチの第2色は青ってことになるようだ。「夜明け歩きの大鹿(DKA)」などの同型クリーチャーとの違いは、完全防御型ステータスになっていることと、起動にタップが必要なこと。前者については、世界中に2/2が溢れかえる予定の環境ではかなりありがたい設定である。基本的にこの手のカードってのはマナ加速、色調整のために半分以上はスペルだと割り切って入れているものだが、こいつの場合はそれ以外のクリーチャーとしての仕事も十全にこなすことが出来る。そして、タフネス偏重で殴る意味の無いボディなので、後者のタップ制限についてもそこまで問題にはならないだろう。出したターンに起動出来ないが、このクリーチャーが相手の除去に晒されるなら御の字であろう。どっちかっていうと、問題は「青マナで出して緑マナで起動」という部分。既に2色揃っているわけで、「序盤の色事故防止」としては機能しにくい。ティムールかスゥルタイで青緑部分が濃くなり、残り1色ないし2色くらいをタッチ風味にしたデッキでないと回しにくいだろう。スゥルタイだと土地が伸びる上に墓地も肥えるのでかなり良いカードなのだが。

 

Force Away 引き剥がし (1)(U) C

インスタント

対象のクリーチャー1体を、そのオーナーの手札に戻す。

獰猛 - あなたはカードを引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

 基本バウンス。「送還」に獰猛ボーナスがついて1マナ重くなっただけ。まぁ、「傲慢」や「航海の終わり」といった現在のバウンスと同じ感覚で使うだけですわ。獰猛ボーナスは、もちろんあればあるだけありがたいわけだが、あまりに適当過ぎるし、別に無くても構わない。つまり、普通のバウンスである。なんだかなー。

 

Glacial Stalker 氷河の忍び寄り (5)(U) C

クリーチャー・エレメンタル

4/5 変異(4)(U)

 バニラ変異サイクルの青は、割とでかい。普通に出すと「呪禁がない水底の巨人」という残念極まりない存在であるが、変異経由ならば5マナから出撃出来るので、緑や他の色に引け劣らない体躯を堪能出来る。これ、普通の世界なら「相手が島をコントロールしていないと攻撃出来ない」とか書いてある枠じゃないかな。それにしても、忍び寄るにしてはでかすぎるしグロすぎるような……。絶対これ、テントでビバークしてると夜中にずしーん、ずしーん、って足音が近づいてくる系の奴やん。

 

Icy Blast 凍氷破 (X)(U) R

インスタント

対象のX体のクリーチャーをタップする。

獰猛 - それらのクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

 霜のブレス(M14)」系の最新版が、ついにこのタイプでは初めてのレアにまで登りつめた。獰猛が無い状態で使うと単なる「交通渋滞(GTC)」の下位互換でしかないのでデッキインすらためらわれるが、ひとたび条件を満たせば、なるほど決戦兵器となる。「霜のブレス」の完全上位互換であるし、比較的容易く相手陣営を2ターンに渡って無力化出来るのだ。確かにこれがアンコモン以下でばしばし出られてもリミテッドがつまらなくなってしまう恐れはあるだろう。でもさ、頑張っても「霜のブレス」(コモン)の拡張版ってことだよね。……「睡眠(M13)」のインスタント版だよね。……レアねぇ……。

 

Jeskai Elder ジェスカイの長老 (1)(U) U

クリーチャー・人間、モンク

1/2 果敢

〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚ひいても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

 果敢能力のお目見えとなったカード。普通、戦闘を推奨するギミックってのは当然クリーチャーを引き立てるものであり、それはクリーチャーそのものに搭載されるものである(狂喜然り、湧血然り)が、トリッキーなジェスカイはそこを捻ってきた。ノンクリーチャー呪文での後押しである。例えば全体エンチャントの設置や装備品を置くなんて行為を戦闘前にしておけばワンサイズ大きく殴れるわけだが、それじゃどうしてもソーサリー。インスタントトリックとして使おうと思うと、結局戦闘中に使って意味がある呪文なので、それってコンバットトリックじゃないかっていう。まぁ、「思考掃き(DKS)」みたいな青の軽量キャントリップが副次効果を持つようになるので、イゼット的スペル中心の構成でも意味を持つ……かな? このクリーチャー自体はダメージ誘発のルーター。これって「アカデミーの略奪者(M14)」でええやん、って話もあるけども、ほら、久しぶりに青ルーターだから。3ターン目に2/3で殴れればそれなり?

 

Jeskai Windscout ジェスカイの風物見 (2)(U) C

クリーチャー・鳥、スカウト

2/1 飛行 果敢

 普通のフライヤー。3マナパワー2なのでそこそこだし、ところにより3点パンチも可能。これが上手く使えた時にはジェスカイしてんなー、っていう実感が湧いてドヤ顔しやすくなる。基本的に、パワーのプラス修正能力なのだからジェスカイも前のめり前提のクランと考えていいだろう。その先兵としては計算しやすいコモンのベースになるんじゃなかろうか。

 

Kheru Spellthief ケルゥの呪文奪い (3)(U) R

クリーチャー・ナーガ、ウィザード

3/3 変異(4)(U)(U)

〜が表向きになった時、対象の呪文を打ち消す。この方法で呪文が打ち消されたなら、その呪文をオーナーの墓地に置く代わりに追放する。あなたは、それが追放されている限り、マナコストを支払うことなく唱えても良い。

 変異誘発のカウンター生物。そのひな形は「虚空魔道士の弟子(LGN)」ということになるが、ヤツは3マナで設置、4マナで起動させる手間がかかりながら、後に残されるのが単なる1/1という体たらくだったためにリミテッドも含めてほとんど使われることの無かった「弱いカウンター呪文」であった。まぁ、「全カードがクリーチャー」なんてふざけたセットに無理矢理ねじ込まれたカウンターが強いわけがないのでしょうがないわな。今回はそんな「カウンター変異」がレアになり、装いも新たに攻めの姿勢を打ち出した。カウンターには6マナもかかるようになってしまったが、なんとその内実はカウンターではなくて呪文パクり。更に、「奪取(6ED)」や「標本集め(ALA)」といった諸先輩と違い、この呪文は純粋にパクってこちらに権利が所有権が移る仕様になっており、強制的に唱える必要がなく、後のタイミングまでキープ出来るのである(When節から始まる1つの能力なので、こいつ自身が死んだとしても、追放された呪文を唱える権利はずっと残るものと思われる)。このため、これまでならこの手のパクり呪文で奪っても意味が無かったカウンター呪文、タイミングを選ぶ除去やコンバットトリックなどもおいしく頂ける。変異誘発は「もみ消し(SCG)」以外では邪魔されることはほぼ無いし、考え得るほぼ最強のパクりである。ここまでの能力なら6マナもやむなし。さぁ、どんどんパクっちゃおうね。

 


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Angel’s Mercy/天使の慈悲(AVR)」 C
 ハハッ、こやつめ。
 
 
Angelic Benediction/天使の祝祷(ALA)」 U
 賛美をフィーチャーした置物。書いてあることは便利にみえるのだが、当時のリミテッドでは大したニーズは無し。そりゃまぁ、クリーチャーに付いてて殴れる賛美の方が確実だからなぁ。
 
 
Aven Squire/エイヴンの従者(CON)」 C
 軽量賛美の期待枠。飛んでいるおかげで3ターン目から2/2で殴りに行けるし、戦術の基本をなすことが出来るはじめの一歩。
 
 
Captain of the Watch/警備隊長(M10)」 R
 2年ぶりに復帰した兵士の偉い人。1枚でパーマネントが4つ増える骨太な作りは確かなもの。構築でもそれなりの実績があるぞ。ただこれ、よく見るとトークンは「兵士」であって「人間」じゃない。惜しい。
 
 
Divine Favor/神聖なる好意(M12)」 C
 もう「聖なる力(M11)」が戻ってくることはないんですかねぇ。
 
 
Divine Verdict/神聖なる評決(M10)」 C
 個人的には「首のへし折り(LRW)」っていう名前の方がエグくて好きだな。
 
 
Erase/消去(ULG)」 C
 これまで「啓蒙(M12)」がお約束だったが、今回はワンランクアップ。「別にリムーブとかいらなくね?」とか一瞬思ったが、同時に収録された「怨恨」が流行るとこいつにも光が当たるという、露骨すぎるマッチポンプ。
 
 
Glorious Charge/栄光の突撃(M10)」 C
 現在白の基本設定となっている全体増強スペルが2年ぶりの復帰。まぁ、だからどうしたと。
 
 
Guardians of Akrasa/アクラサの守護者(ALA)」 C
 がっちり系賛美。立ってるだけでうぜぇわ、殴り力はあがるわで、ラヴニカ世界では結構な人気者。これを固め取りする戦術とか、案外リミテッドだといけそうで怖い。
 
 
Intrepid Hero/剛胆な勇士(8ED)」 R
 「大物潰し」撃ち放題。出番があるかどうかは環境次第だが、こいつさえ立っていればトラフトさんが単なる呪禁のおっさんになると考えれば悪くないのかも。
 
 
Oblivion Ring/忘却の輪(M12)」 U
 吉報なのか凶報なのか。引き続き、無慈悲なリムーブ行為は続く模様。こいつがいるせいでエンチャント耐性が無い赤と黒がしんどいねん。
 
 
Pacifism/平和な心(M12)」 C
 引き続き、無慈悲ななべも続く模様。こっちはまぁいいや。リミテッドでは相変わらずのナイスなべ。ほんわかふわふわ。
 
 
Pillarfield Ox/柱平原の雄牛(ZEN)」 C
 まさかのゼンディカーからのバニラ再録。「柱平原」なんて微妙な地名を再録してもいいもんか。
 
 
Planar Cleansing/次元の浄化(M10)」 R
 全世界をがっかりが覆う再録。ラヴニカには良いラスゴが収録されるのかなぁ。これで「報いの時(RAV)」だったら白の沽券に関わるぞ。
 
 
Rain of Blades/刃の雨(8ED)」 U
 そういやこれ、一回だけ基本セットに入ってたことあったんだ。うん、使った記憶が無いな。6マナ以上がテーマのスカージで1点火力って、いじめか。
 
 
Safe Passage/安全な道(M11)」 C
 実は割とあなどれない容赦無きプリベントスペル。ミル系デッキでの採用実績もあるぞ。
 
 
Serra Angel/セラの天使(M12)」 U
 がんばれ、負けるな。
 
 
Serra Avatar/セラのアバター(USG)」 M 
 謎の復活劇。割と話題に上ることが多いカードだけど、初登場のウルザズサーガ以来、実は15年ぶりの初再録だ。最近だと「アジャニが出す奴」っていうだけで片付く存在で、何に使うのかは謎。何故神話なのかも謎。
 
 
Serra Avenger/セラの報復者(TSP)」 R
 世界最軽量、あの才色兼備の天使がアヴァシンに誘われたかのように復帰。なるほど、これなら基本セットから入るユーザーにもバッチリ媚びが売れる。白ウィニーなら普通に期待出来る優良小兵。
 
 
Silivercoat Lion/銀毛のライオン(M11)」 C
 あれ、1年休んでたんだ、と思ったら、M12は「鎧の軍馬」だったんだね。劣化してるやん。
 
 
War Priest of Thune/テューンの戦僧(M11)」 U
 ナイスサポーター。「解放の天使」との相性の良さも見るべき点か。

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  全世界の母親の声は全て同じになってしまえばいいと真剣に考える第2話。すげぇなぁ。前クールからカウントして、ものすごい数のママ役無双じゃないですか。砂戸家、結城家、高梨家、そして二鳥家……(あ、あとざくろの家も)。日本の理想の母親像は、大原さやかで確定しましたのでよろしく。

 ちょっとしか出ていないキャラの話はさておき、相変わらず画面の白さが目に眩しい2話目。導入が終わって少しはダラダラと見られる展開になるかと思いきや、相変わらず1話と同じく緊張感がずっと張り詰めた状態である。このコンテはホント疲れる……と思ったらやっぱり監督なんですね。しかも演出が別所誠人氏だ。なんかもう、今期はこの作品に全力で突撃でいいような気もしてきた。だって、面白い。

 相変わらず変態性癖のるつぼな気がする中学校。そこには人間的にも色々と面倒な連中が多く、些細なことでも先輩に気を使わなきゃいけなかったり、友達との関係でやきもきしなきゃいけなかったり、女装趣味の友人に配慮しなきゃいけなかったりする。この「すごくどーでもいいのに当人達にはすごく重要」な感じ、本当に中学生だなーという気がする。「先輩が挨拶したのに返さなかった」とか、そりゃ気になる人は気になるんだろうけど、ここまで大事になるような問題でもなかろうに。また、同じ班になった自分が心を寄せている人がクスリと笑った、なんていう些細なことでも、ものすごく印象的に見える瞬間がある。これまた青い春。そして、そんな「独特だけど普通の教室」の風景の中に、しれっと「女みてーだと言われて頬が緩む男子」とかが紛れ込んでいるのである。どさくさに紛れてヘアピンのプレゼントとか、男性担任に対して露骨に興味を持ってみたりとか、そっち方面の異常さは全力投球。なのに、友達との喧嘩みたいな日常風景に溶け込んで描写されているので、あくまでそれが「青春の悩み」に見えてしまうのである。ほんとのほんとに真性の作品だと思う。

 そんな風にして、異常な要素も、そうでない要素もない交ぜにして描かれているものだから、画面はともするとものすごく単調になる。喧嘩したり、歩み寄ったりしている姿にドラマはあろうが、それは決して絵になるものではない。単なる子供の悩みごとなら、ダラダラ垂れ流されても面白くはない。実際、この作品はBGMなどの音響もひどく少なく、画面の切り替えにしてもそこまでスピードはない。むしろ、1つ1つの場面を切り取ったアルバムのような、静的な「繋ぎ」の印象が強い。それにも関わらず、緊張感は持続している。この白い画面の中に、何か「気になる」要素が埋め込まれている。もうそれが何なのかは分からなくなってきているが、出来れば作品が終わるまでに、その正体をつかみたいところだ。

 ものすごくどうでもいいのだが、キャラクターと中の人に両方「千葉さん」がいるのがややこしい。作中で名前を呼ばれても「え? どっちの?」とか思ってしまう私はどうしたらいいんだろう。「え? どっちの……って、何でですかー!」とシャロなみのセルフ突っ込みを入れながら観る「放浪息子」。すまん、病気だ。それにしても、この作品の豊崎もまた上手いな。本当に器用な子やで。

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  引き続き世界観説明無しの第2話。こういう不親切さ、というか覚悟の決め方って、ものすごく引き込まれるか、「わっかんねーよ」ってことで早々に切られるかのどちらかになる場合が多い気がするんだけど、今作の場合、分からないけど切るのも癪っていう、何とも微妙なスタンスになっております。まだまだお話は進まないので、分からないことが一切ストレスになっていないのは助かるんだけど。

 1話はかなり気合いの入った作画演出で実に立派だと思っていたのだが、2話では流石にややペースダウンしたか、作画枚数は確実に落ちている。他のパートが高い完成度を誇るだけに、ちょっとでも油断するとその部分が浮き彫りになってしまうのは辛いところで、今回で言うなら、最初にクレインとネッサがチャリで駆け抜けるシーンの地面の描写が何か変。高速で移動していることをCG処理で表現しているわけだが、そこだけ浮いてしまっているように見えて、ちと気持ち悪かった。

 とはいえ要所要所でのがんばりは引き続き活きており、例えばキャンプベースでネッサが騒ぎを起こしてそこらじゅうでパラソルが飛んだりロボットがトチ狂ったりしているシーンなんかは、一斉に動く人いきれの様子が丁寧に描かれていて、それこそ劇場作品のような独特の趣がある。今回のコンテ演出はなんと神戸守が担当しているのだが、色んなものをまとめて動かすとなると手慣れたものであった。あとはネッサのとにかく騒がしいドタバタした動きとかかな。このあたりの中心となる要素がちゃんと描かれている間は、まだ中身のことは心配しなくてもいいような気がします。

 で、シナリオ面であるが、現状は正直あまり変化がない。世界説明が何もなく、「ドッペルって何?」「フリュネって誰だったの?」「クレインは何者?」などの疑問が完全に解消していないうちに「触れるドッペル」というイレギュラー要素を持つネッサが登場し、事態がさらに混迷している。今回のエピソードを最後まで観れば、この世界と現実の最大の相違点であるドッペルの存在意義というのは理解出来るようになっているのだが、先に埋め合わせておいた方が、ネッサの登場と暴れっぷりがより際立って面白かった気もする。時計塔での突然の消失とか、機械を暴走させてしまう性質とか、いきなり見せられても、どこまでがこの世界に許された現象で、どこからがイレギュラーなのかピンと来なかったからね。何となくくみ取れるレベルだから「視聴者の理解力の問題」と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、不親切の誹りを受ける危険性は常に意識せねばなるまい。ま、どうしても穿った見方をしてしまうが故に出てくる不満点ではあるかもしれないけど。

 少しずつ見えてきたこの作品のバックボーンの1つは、どうやら「家族」「家庭」というファクターであるようだ。「フラクタル」を利用したドッペルシステムは、この世界独特の「自由」の概念を端的に表すツールであり、たとえ家族であろうとも一緒の時を過ごすなどというのは「信頼感を疑うこと」であり「自由を束縛すること」になってしまうという。それ故に、「家を持つ」ことに執着したクレインはこの世界でははみ出しものであり、他の人間連中は放浪するなり何なりして、とにかく家族と時間を共有することはない。しかし、それでは不都合も生じるというので、ドッペルが「自由な家族」を代理で受け持っているわけだ。何とも奇妙な光景であるが、おかげで「異端児」たるクレインに感情移入しやすいのは助かる部分。

 「触れ合い」みたいなものを探求した結果が、ドッペルであるネッサとの関係っていうのも妙な話だが、ここから先は、おそらく「自由とは何か」「関係性とは何か」みたいなテーマで面倒なお話になっていくのだろう。説教臭くなるのはごめんだが、今後とも注目していきたいテーマだ。

 ただ、1つ疑問だったのは、「家族同士一緒に暮らすなんて信頼していない証拠だ」とクレインは言われていたわけだが、わがままゆかちキャラのエンリちゃんは、普通にお兄さんと一緒に活動してたんだよね。ああいう兄妹も普通にいるってことなのかな。ま、ゆかちだからいいや。そして今回はぶっ飛ばし気味の花澤香菜劇場にも注目が集まる。やっぱり花澤はテンションあげ目で少し引きつったくらいの声が一番キュートだ。

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 イイハナシカナ−? な第3話。ヴィクトリカは可愛い。それはそれでコーラを飲むとゲップが出るくらい確実なのでいいのだが、いちいち本筋の内容がめちゃくちゃなので、それが気になって没頭出来ないのである。ひょっとしてミステリ風味のストーリーラインの方は気にしたら負けなのかな?

 一応、1話から始まる一連のエピソードが終幕。一弥とヴィクトリカの間で友情が深まり、ブロワがヴィクトリカの名を借りて事件を解決するというテンプレートも完成。まとまったエピソードとしては、それなりに統制がとれていて後味は悪くない。基本的に2人がいちゃいちゃしている図を見て楽しむのがメインであるなら、このあたりに焦点を当ててずっとヴィクトリカ劇場をやってくれればそれでいいのである。老獪にしてデレ、略して老デレ。新ジャンルか?

 ただまぁ、やっぱり事件の謎の方の投げ槍っぷりが半端じゃなくてね。2人のいちゃいちゃを書きたいだけの一種のスパイスとして事件を持ってくるなら、あんな大仰で風呂敷のたためない事件でなく、もう少しあっさりした、分かりやすくてもいいから違和感が生まれない内容にしてくれれば良いと思うのだが。

 前回からの引きで疑問点を羅列していくと、一番わからねぇのはネッドが死んだふりをした理由。終わってみれば彼も被害者側だったわけで、何故あそこで突然過去の事件を再現して死んだふりをしたのだろうか。「死んだことにしておけば後から殺されなくてすむぞ」という計算なのだとしたら、その後突然プレデターと化した意味が分からない。武器を持って襲いかかってくる算段なら、わざわざ死んだふりをして無防備な姿をさらすより、銃を捨てさせた時点でさっさと襲いかかってくりゃ良かったと思うのだが。このあんちゃんの行動原理が結局何一つ理解出来ない。また、ジュリィがネッドの死体(仮)を見て「あのときと同じ」などといううっかり発言をしているのもスルー(存在を知らなかったはずの無線室を見て「あれが無線室よ」っていう失言ネタもスルーか)。自分たちが「野兎」であることがあからさまになっているわけだが、実は死んでいないとおぼしきネッドの前でそんな発言をする意図はどこにある?

 ここまで事件の裏側が明らかになり、さらに犯人側がどう見ても隠す気がなさそうなので推理もクソも無い気がするのだが、その上でヴィクトリカの弁舌も全く意味を成さない。「ターンする癖」とか無茶なこといいよるし、「ドアには鍵がかかってなかった」などということが何故分かるのか。全て後付けの理由ばかりなので、およそ推理ではなく妄言である。疑うなら、不自然な言動をしている比率はジュリィよりネッドの方が圧倒的に多いのだ。先週のエレベーターの一件も結局説明がなかったな。ネッドが犯人ならば「ロクサーヌを呼び出すつもりが手違いで招かれざる一弥たちが来ちゃったから、あらかじめ仕込んでおいたエレベーターの罠に入ろうとしたところを慌てて止めた」という理由が出来たのだが、残念ながらそうじゃなかった。もう、伏線も何もあったもんじゃない。

 あと、これはもうどうでもいいのだが、確かあの船って浸水して沈みかけてたはずじゃ……なんでみんなあんなにのんびりしてんだよ。しかも警察が乗り込んできて、無事に接岸してるじゃねぇか。全然慌てる必要ねーよ。多分この手の若年向けミステリには共通してるんだろうけど、全編を通じてその場凌ぎの緊張感とその場凌ぎの推理で雰囲気だけを重視しようとするために、全体としての理屈が一切通らなくなってるんだよな。ま、多分原作に責がある問題なので、アニメスタッフは苦労しているばかりなんだろうけど。アニメとしての見せ方はかなり美味しい方なので、お疲れ様としかいいようがないです。

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 全然ペースが落ちない第3話。こんだけ中身が凡庸な話のはずなのに、むしろ病巣が深くなっている気すらします。これホント楽しい。

 今回も奈緒劇場、キタエリ劇場と言ってしまえばそれでしまいの内容なのであんまり感想は書けない気がするのだが、加えて彩葉劇場、つまり麻里奈劇場も同時開演されており、この2人が互いに勢いを増していく相互作用が本当によいテンポを生み出している。

 今回のハイライトはなんと言っても夜の街で徹底的に修輔を誘惑し続ける彩葉と、それを観察して別世界にトリップしてしまう奈緒。うしろの友人2人の視点をメインに描かれているので、途中の段階で奈緒がどんな気持ちになっているのかが全然分からず、突如送信されたメールでその超人的な感覚を見せつけると同時に、意味不明な司令で友達を困惑させる奈緒。いざその表情は? と思って見に行けば、完全にヘヴン状態で悦に入っているという、恐ろしく倒錯的なシチュエーションである。他にも抱き合う二人に勝手にアテレコしてみせたり、翌日にも彩葉と楽しげに会話をしたり、常にテンション上げ気味の奈緒の、アゲきった状態でのぶっ飛びぶりがいちいち常軌を逸しているのである。

 対抗馬たる彩葉も、幼馴染み、尻軽、ビッチと呼び方はいくらでもあるが、そんな下らない誹りを消し飛ばすほどの徹底したストーカー気質と、何故かそれをヤンデレに分類させない妙な勢いが大迫力。ストーカー2人の挟み撃ち状態に追い込まれた修輔は本当に大変そうだ。

 でもまぁ、彼のパーソナリティもよくわからなんですけどね。奈緒からみれば「童貞エロ魔神」であり、妹がいつ部屋に押しかけてきてもおかしくないような家庭環境においてさえ、なりふり構わず挑戦できる(彩葉風にいえば「自家発電」出来る)ほどのあふれ出るリビドーはサイバディに乗っても戦えそうなレベルなのに、どこをどう見ても「据え膳」であるはずの彩葉に対しては、完全にヘタレ状態で逃げの一手。もちろん強引な幼馴染みに対する苦手意識や、ほのかに心を寄せている妹に対する罪悪感などはあるだろうが、誘われたあのシチュエーションでは、奈緒のことは考慮しなくてもいいはずなのだ(まさか見られているとは思っていなかったはず)。その状態で結局何もせずに脱兎のごとく逃げ帰るとは……意外に草食系なのだろうか。

 それに加え、AGE探検隊への復帰申請の手土産がコンビニ売り雑誌の付録、というのもなんだかショボい。昔のことなんで思い出せないけど、高校2年生の時のエロの水準なんてそんなもんだったかなぁ……今の若者はネットを使えばいくらでも「そういうもの」が転がってるんだから、わざわざ1500円をありがたがる意味もよく分からないんだけどね。あんだけ暴れ回っているのに、修輔はコンビニでエロ本買うのすら躊躇ってるくらいだしな。意外とレベル低いぞ、あいつら。

 ま、何はともあれ奈緒のテンションと奇特なキャラクターだけでもまだまだいけそう。「兄好きの妹」なんて吐き捨てるようなテンプレかと思っていたものだが、ここまでキャラが立っているのは脅威である。しかしそれでも、キタエリのリミットはまだまだこんなところじゃない。エロでもギャグでも突き抜けろ! 大丈夫、別に奈緒も彩葉も、どんだけきわどい台詞や下品な単語をいってもあんまりエロいとは思わねぇから! やっぱりあのキャラデザが原因だよな。

 余談だが、奈緒と彩葉が見に行った映画がゾンビもの、っていうのがちょっとタイムリーで笑ってしまった。お前ら(の中の人2人)は、つい最近までゾンビだらけの街で逃げ回ってたじゃないかよ。規制だらけの作品にばっかり出てる状態やないか。……そういや、この番組の規制レベルがよく分からないね。同じパンツでも見えて良いパンツと悪いパンツがあるのは何故なのでしょう。まぁ、個人的にはモザイク替わりの猫とペンギンのイラストが可愛いので別に構わないのだが。

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