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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「あそびにいくヨ!」 5

 ハードなミリタリーものかと思ったら突如猫耳宇宙人が現れ、光線修正も入ったのでギャルゲ原作のエロメインだったのかと思い直したら、先生や幼なじみが再び武装や情報戦に絡み始めて、最後には映画鑑賞仲間のおとなしめの黒髪少女が無敵エージェントだったりするお話。予備知識無しの1話視聴ではどーゆーノリで見ていいのか分かりませんでした。

 はっきり言えば、今のところ強力に視聴者を引っ張るような誘致要因は見いだせない。ありがたいことに作画などのベースは全て及第点といえるのだが、どれもこれも、今のところ「この作品ならでは」というものが見えてこない。1話目でそれを打ち出せってのも酷は要求ではあるが、結局、見終わった時点で何をどう判断して良いのか分からないと、ちょっと不安になってしまう。

 要素を1つずつ解体していこう。まずは脚本。シリーズ構成が高山カツヒコということで、期待は出来るが油断は出来ないという印象。この人のことなので分かりにくい方向にいじってくる可能性が高く、1話で提示された情報も、どこまで脚本家が恣意的にぼかしたり、選択したものかが分からない。「典型的な幼なじみだなー」と思っていたキャラクターが突如自宅で無線をいじり出したり、常識人に見えた先生がすぐさま秘密組織にアクセスしたり、表面的なサプライズ要素は散見されるのだが、1話目はキャラ紹介の話数なので、このへんのどんでん返しはちょっとばかり情報過多。ベースが無いのにいきなり積み重ねられる負担は、視聴者に優しくないのである。ずっとこのペースで進むほどに密度の濃い作品ってならしかたないが、これで後々スカスカになったりすると困るんだが……でもまぁ、基本線はベタな要素を押さえてあるだけの「ファーストコンタクト」ものなので、人物関係の配置さえ把握できていれば、多分観るのに支障は来さないんだろうけどね。

 次に、デザイン・作画のこと。本作は今期やたら製作本数が多くて心配なAICによるものだが、AICは部署分けがきっちりしていることでも有名で、幸い作画の乱れはなく、強めに押し出された沖縄要素などはそれなりに気を配っている。キャラ絵もど真ん中の萌え絵というわけではないが手堅くまとまっており、これならラブコメやりつつミリタリー、SF要素を加える方向性でもさめることなく観ることが出来そうだ。主人公が誰かに凄く似てる気がしてたのだが、「おねティ」の草薙桂だな。家に宇宙人が転がり込んでくる眼鏡男子ってんだから、大して違わない。

 動画面では、冒頭のスパイアクションのようなシーンを観ると、まぁ、並。ミリタリー、猫耳+しっぽというと「ストライクウィッチーズ」と被ってしまうのだが、こちらはそこまでバトルメインになるのかどうか分からないので、そこそこレベルのバトル描写については一応合格といったところか。

 あとはディティールですね。個人的に良いと思ったのは、何故だか無闇にこだわる沖縄の描写。BGMや細かな背景、食べ物の描画なんかにそれがよく現れていて、一応、舞台をアピールしているだけの新鮮さはあると思う。今後は有名無実化するのかもしれないが、最近の沖縄ものというと、方言のおかげでちょっと処理に困ってしまった「うみものがたり」があるので、あそこまで徹底して地元感を出さずにやってもらってもいいのかもしれない。

 全体的には「中の中」といったところで1話の感想は終わりなのだが、やはり問題は中の人談義。まず、田村睦心がめでたく1人でメイン。新世代の男前声は、三瓶や画伯あたりからショタボイスの仕事のシェアを奪うことが出来るだろうか。

 そして、そんな少年の周りを固めるのが、すでに食傷気味との声も多い、若手花形のオンパレード。メインの猫耳宇宙人には伊藤かな恵。気付けば2期続けての迷い猫。ちょっと怪しげなハイテンション幼なじみには、スーパーオールマイティ、戸松遥。戸松については、私は聞き飽きるということはないです。そして、影のある眼鏡友達には、そのうちぶっ倒れるんじゃないかと心配になる、オーバーワーク神、花澤香菜。ほんと、大沢事務所は一発当てるとその時期を1人の声で埋め尽くしてくれるな。あと、地味に次回予告が彩陽だったのだが、花形じゃなくて裏方に回されるあたり、本当に彩陽。今期もなんだかんだで仕事が多いから良しとする。

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 神回確定! な第14話。今回の主人公は誰だい? ムギ回? 違うね!

 さて、何をさておいてもオープンエンドの変更がニュースですかね。既に各所で話題にはなってますが、あれだけ評判になった元の曲を変更しても全くクオリティが落ちた印象にならないのが流石です。オープニングは相変わらずの電波全開、何を言っているのかはさっぱり分かりませんが、軽音部員どうしの仲の良さがより強調されており、たまらんものがあります。サビ部分でのライブシーンもこれまでよりも小さくて密なコール&レスポンスを意図して構成されており、いかにもありそうな振り付けの雑多な感じが素敵。今後行われるであろう中の人メインのライブ会場では、ぐるぐると一斉に回り始めるオーディエンスが目に浮かぶようです。

 エンディングもこれまで通りの流れで、澪の格好いいボーカルにスタイリッシュなアニメーション。前期までのような特別な衣装でなく制服でのパフォーマンスもあり、より「リアルに格好いい」仕上がりになっている。アンニュイな表情を見せるメンバーもまたひとしお。ぴかしゃのボーカルは勇ましくて本当に「似合う」声だ。青空バック+スプレーによる演出っていうとどうしても「まなびストレート」を思い出してしまうんですが、これはどこぞからクレームがきて修正なんてことにはならないもんでしょうかね。どこに落書きしてるか明示されてないから大丈夫なのかな。

 さて、今回は誰が見ても明らかな律×ムギ回。ゲル化を皮切りに、妙ちきりんなムギのテンションが鮮烈。そして、普段あまりみないカップリングの新鮮さは感じさせつつも、それが違和感に繋がらず、ごく自然な「友達同士のデート」に仕上がっている。そりゃ3年つきあってんだから自然なのは当たり前なのだが、仮にこのカップリングが澪×ムギや唯×ムギでは絶対にうまくいかない。破天荒なムギの言動を自然に受け入れてコミュニケーションを成立させているのは間違いなく部長の度量ゆえである。講習の日にムギの隠された意図を察知した洞察力は目を見張るものがあるが、それだけ部員全員の様子に目を光らせているということだろう。部長さんかっけー。

 ムギを連れて行くデートコースのプランニングも流石の一言で、ゲーセンと駄菓子屋は、ピンポイントでムギの憧れのスポット。彼女が何を求め、何を提供すると喜んでもらえるかをきちんと把握していなければチョイス出来ないのは間違いない。ムギ相手でも肩肘張らずに、自分なりに提供できる最大限の楽しみを選び抜けるのは素晴らしき才能である。

 しかし、そんな律にも出来ないことが1つ。それは、何もしていないムギを殴ること。どれだけがさつだと言われようとも、そんなこと心情的に許されなかったのである。最初は「何を遠慮することがあるんだろう」と思ったのだが、考えてみれば、確かに案外やりにくいかもしれない。叩くって急に言われても加減が難しいしねぇ。SPもいるかもしれないしねぇ。

 その後は、ムギと「常識人」律ちゃんによるボケの講習会。先生の自然な会話の流れを構築するスキルの高さが改めて確認出来ますね。あと、冷静に見るとおかしいのはムギのボケのセンスじゃなくて澪の突っ込みの流れじゃねぇかって気もするんですけど。後ろ向き証明写真のセンスは、なんだか苺ましまろみたいなシュールさがあって好き。

 これだけのボケを重ねたエピソードのくせに、最終的に澪が全部持っていった気がするのはずるい。言いたいことは色々あるが、泣くな。和がどう反応していいか困ってるやないか。こんだけ律×ムギで引っ張ってきたのに、最後の最後はやっぱり律×澪で締めるのは、アリだ。澪ったら、構って欲しいくせに!

 今回はわざわざ取り上げるまでもなく、出番も多くて名シーンの連続です。1つを選びきれなかったのでセレクションを並べてお届け。オープニングでおしゃまに出しゃばる律ちゃん、おどろかし返しをくらってドびっくりの律ちゃん。腕相撲ゲームにねじ伏せられて「ふひゃぁ」な律ちゃん(こういう声がたまりません)。澪におねだりしてきらきらしてる律ちゃん。褒められると案外弱い律ちゃん。そしてエンディングでばっちり決めてる律ちゃん。

 個人的なベストは、やっぱり澪との絡み。「制服で来ちゃったの〜? ぷぷぷ〜!」

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 ○「ストライクウィッチーズ2」 6

 今期、ある意味最大の注目作と言える作品。「パンツじゃないから〜」の名台詞を残した、あの「ストライクウィッチーズ」の続編である。「あの」とか形容した割に、個人的に1期はそこまで入れ込んだ作品ではなく、過去の評価を見たら、最終的に5点がついていた。まぁ、そこまで魅力的なシナリオがあるというわけでもなく、キャラ萌えの最前線みたいな部分があるので、はまらない人間から見たらそんなとこだろう。実は1期は最終回だけ録画をミスって残せなかった恨みがあったことは内緒だ。

 で、そんな2期だが、まず、冒頭のウィッチーズとネウロイの激しい戦闘シーンに圧倒される。1期は何がウケるかの確証が持てないだけに探り探りでやっていた部分もあるわけだが、2期が作られる理由は、もう誰が見たってその「画面の華やかさ」にあることは自明。それはアクションの見応えでもあるだろうし、キャラクターの愛らしさでもあるだろう。そしてもちろん、「パンツじゃないもの」の力でもある。そうした前作のノウハウが1分足らずの短い戦闘シーンに全て凝縮されており、敵ネウロイを包囲しながら乱舞するウィッチーズの面々は、1話だからという補正をさっ引いても美麗なグラフィックで、これでもかと動き回る。そして、高村和宏の本領はなんと言ってもその接写技術。「股監督」の名を欲しいままにする氏の技術が惜しげもなく疲労されており、そこに見えるは、格好良さ、デザイン性の高さなど、全ての要素を一手に取り込んだ、ズボン(仮)の舞い踊り。見たいとか見たくないとか、必要とか不必要とか、そんなちんけなこだわりをぶっ飛ばす、至高の「高村アクション」の絶頂。もう、誰も文句を言うことは出来ない。ここまでアクションシーンのコンテワークで「馬鹿だ!」と思ったのは、ひょっとしたら「グレンラガン」以来かもしれない。やっぱガイナ関係の人間は突き抜けた才能が多すぎる。

 画面の安定感とぶっ飛び方を差し置いても、1話目としては実に模範的な立ち上がり。前作ラストの引きを自然に導入部に用い、更に一度は退役(?)した芳佳が、わずか1話で復帰する流れが不自然になっていない。メカアニメでは必須の「主人公がマシンに乗る理由」が、惰性ではなくてきちんとシナリオで描かれているのだ。1話で必須の「マシン登場からの飛翔シーン」の迫力も充分である。坂本少佐のテンションがちょっといきなりな感じはあるが、過去に戦ったネウロイの脅威を考えれば、2人の心情も致し方ないもの。もっさんが「芳佳を危険な戦闘地域に引き入れることは、自らの信条に背くものである」として断固拒否したのは、先の戦闘での自分の負傷など、戦うことの負の側面を嫌という程認識しているため。自分勝手な希望から、芳佳を巻き込みたくないという軍人気質の表れだ。

 他方、芳佳を突き動かしたのは、電話口から漏れたリーネの声。彼女にとっての最大の原動力は、やはり「友情パワー」である。だからこそ、もっさんの叱咤に一度は折れたものの、彼女の自己犠牲を捨て置くことが出来なかった。「私も守りたい」という台詞は、実にシンプルながら、芳佳と少佐の目的意識が合致する、最大級の共通意識である。

 さぁ、次回からはいよいよ本編に突入します。仲間達の勇姿も久し振りに見られるわけで、存分に期待していきましょう。余談ですが、私が好きなキャラクターはミーナとルッキーニです。もちろん、中の人で選んでます。今回もルッキーニが自分のポジションをがっちりキープしてたので好発進。また、芳佳も前作に比べて一段と可愛くなった気がします。福圓先生ってどこか不思議で、キャリアからいったら間違いなく中堅以上のポジションのはずなのに、何故か(良い意味で)初々しさみたいなものを感じさせるんだよね。いい人材だと思います。

 そして、唯一の気がかりであった坂本少佐のキャスト変更。千葉紗子ファンとしては正直複雑な気持ちだったのだが、2代目となった世戸さおりさん(失礼ながら初めて認識した)は、なかなか良い感じにはまっていると思います。長いことさえぽんファンをやってるので「さえぽんと違う!」という意識はあるんだけど、そこまでもっさんの声を聞いてたわけじゃないので、「まぁ、これはこれで」ぐらいの気分。エンディングテーマの歌唱も無難にこなしてたしね。新生もっさんの方が女性らしさが感じられる、という噂もあります。

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 ○「世紀末オカルト学院」 6

 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」、「閃光のナイトレイド」と続いた「アニメノチカラ」枠が送る完全オリジナルアニメの第3弾。「ソラヲト」は充実したスタッフ陣からそこそこの成績を残したものの、「ナイトレイド」はあまりにぼんやりした設定と目的意識のために最終話まで視聴を継続できずにリタイア。個人的には不安な時間帯だ。ここでプロジェクトの命運を握るであろう第3弾は、何とも怪しげな路線から攻め入った、今まで以上の挑戦作となった。

 何ともB級臭いタイトルで、その名の通りに怪しげなスタートを切ったわけだが、第1話の印象は予想外に良い。視聴後に考えてみると「悪霊に取り憑かれた父を娘が追いかけ回してぶった切る」というだけの話なのだが、そんな平坦さを全く感じさせずに、一気に導入としての1話目を終えてしまったような感じ。実にテンポが良く、スルスルと見ることが出来てしまった。あれ? これってひょっとしていい出だし?

 評価のポイントは主に2つ。1つは、「オカルト」というテーマとしても微妙なものを扱いながらも、何故かグロやナンセンス、上っ面のSF描写などに走らずにどこか取っつきやすさを残した、軽妙なシナリオ。やってることはそうとうグロいし、女生徒が悪霊に取り憑かれたり、肉親の首をためらいなく切ったりといったシナリオは本当に「オカルト」という素材の中で結構キツい内容をやっているはずで、見方によっては「学園黙示録」のような精神的にクるしんどさをもたらすはずなのだが、合間合間にギャグが入っているおかげで一本調子にならず、肩の力を抜きながら見ることが出来る。具体的にはどこかすっとぼけた教頭のキャラクターや、主人公の一本気なのに空回りしている立ち振る舞い、更に取り憑かれた女生徒の緊張感のない憑依っぷりなど、作中のキャラクターたちは大まじめにやっているだけに、何とも滑稽で視聴者も振り回されてしまう。

 そしてもう1つのポイントは、「オカルト」という題材そのものと、「世紀末」という微妙な年代の複合技。画面上にはいわゆる「オカルト」と呼ばれるカテゴリに含まれるようなものの要素がポロポロと登場し、主人公も色々と蘊蓄を語っているのだが、このオカルト独特の胡散臭さが、かつて日本が通過した世紀末という「今より雑多で、どこか賑やかな時代」の昔日感や郷愁みたいなものと不思議なマッチングを見せている。次回予告で流れる曲が「LOVEマシーン」ってのも、オカルトとか名乗ってる作品のテーマそのものを完全に無視したチョイスになっているので無闇に浮いていて、それが面白い。どこに向かって餌針を投げているのか分からない部分もあるのだが、意図が読み切れないだけに、どうしても気になってついて行ってしまうパワーがある。

 ラストは、突如後光に照らされた全裸の男が登場するという、これまたギャグにしか見えない引きを見せているが、果たしてこの後正真正銘の「オカルト」の要素と、主人公が力説するような「やらせ」の嘘くささが、どういった展開を見せてくれるのか。1話の作り込みだけでもスタッフの本気加減は伺えたので、ちょっと予想外の興味が湧いてきました。さぁ、1話のクオリティを維持出来るかな?

 こうしたノリの良さ、力強さみたいなものをサポートするのは、当然のことながらキャストの力。今期すでに2本目のメインを勝ち取った日笠陽子は、ここでも存分に中の人のふざけたパワーを発揮してくれている。なんだろう、ぴかしゃがやると、キャラクターの大まじめな様子までどこかコミカルに見えてしまうのは不思議なところだ。もちろん、締めるところはがっちり締めてくれる安定感もあるしね。その他若手陣では、お友達コンビが花澤香菜・高垣彩陽という最高の配置。特に1話では、霊に憑依された花澤の「あ、顔はぁやめて!」って台詞が無闇に面白かった。「ちょっと霊に取り憑かれてるからって調子にのってんじゃねぇ!」って、どんな台詞だよ。脇を固めてるのが高橋広樹と子安ってのが贅沢でいいですね。ほんと、子安ってどこにでも入り込むことが出来るな。画伯は……まぁ、飛び道具ってコトで。

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○「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」 6

 もう、ド直球。藤川や五十嵐も真っ青な直球勝負を挑んでくる、正真正銘ゾンビもの。個人的に、こういう「ホントにどうしようもない状況」が描かれる作品って、マジで苦手なんです。ホラーが大っ嫌いで、極力こういうのは観ない、読まないようにしてるんです。実際、当然のことながらこのアニメは夜中に1人で観てるわけですが、これを書いてる今も背中が気になって仕方ありません。助けて!

 「大っ嫌い」といっても、それは生理的に嫌悪感が湧くとか、面白さが理解出来ないとか、そういう類の「嫌い」じゃなくて、ほんとのほんとに怖くなっちゃうから駄目なんです。だから、ある意味「ホラー映画を一番見るべき姿勢で見ている」とも言えるかもしれません。この作品もその例に漏れず、ジワジワと狭まるゾンビどもの包囲網の恐怖、人が人でなくなってしまう非情さと、パニック時に見せる人間の醜さなど、この作品が描きたいものを余計なほどに受け取ってしまう。もう、辛抱たまりません。見てる間中、ちらちらと部屋のドアを確認しながらです。

 で、そんなチキン野郎の情けない愚痴は置いておいて、アニメとしての評価なわけですが、ドがつく直球勝負を挑んできているということから、その自信の程はなかなかのもの。遠慮無くぶちまける血潮と、容赦なく叩きつけるグロ。この作品は余計な規制などかけずに一から十まで全部「ひでぇ」部分を描いてもらわないと伝わりませんからね。おかげで痛々しさもストレートに伝わってきて、実にやりきれない。テンポもいいし、画面の質も高くて見たくないものがたっぷり堪能できます。ほんとね、あの主人公の友達(名前がまだワカラン)が首を押さえたのにぐるっと首が回ってくるシーンとか、マジで助けて欲しかった。

 他にも要素のピックアップが実にまっとうで、いくらか時間をかけて描いた校門での惨劇のスタートシーンや、トチ狂ってしまった先生が自ら命を絶つシーン、多少阿漕な感もある「親友」2人組の裏切りのシーンなど、これでもかと悲惨な状況を並べ立てて絶望のズンドコにたたき落としてくれます。パニックのスタートになったチョークが落ちるカットとかも、ベタっちゃぁベタだけどベストの効果をあげてましたよね。

 今作の監督は、「DEATH NOTE」で名をあげたマッドハウスの若き精鋭、荒木哲郎。そういや彼は「黒塚」なんて作品もやってたし、どれだけ作中で人を殺せば気が済むんだ、という虐殺監督になっております。CGとの合わせ方なんかは心得たもんで、1話で多用された「ぐるっとカメラを回して全体を俯瞰するカット割り」は、途方もない絶望感と、主人公達の小ささが嫌でも伝わってくる本当に憎らしい演出だ。うえー、救いが欲しい!

 そして、そんなグロと絶望の中でも現代アニメとしてのしがらみが残るのが、やたらと揺れまくる女性キャラクターたちの胸。メインヒロイン(だよね?)の娘の乳なんざ、他のアニメと同様、重力完全無視で揺れております。しかも、若干垂れ気味です。マニア向けです。キャラクターデザインは田中将賀ってことで、相変わらずなかなかキツめの仕上がりですな。まぁ、これだけドロドロした作品だと、思い切りエッジの効いたデザインの方が画面に映えて面白いとは思う。でも流石に尻でかくねぇ?

 そうそう、キャラクターのグロさという意味では、たった1話だというのに、メインヒロインの扱いと性格が本当に酷い。親友に寝取られ、それを寝取り返すという、私好みなのかどうなのかよく分からないシチュエーションになっているわけですが、その間のヒロインの行動や態度が、いちいち本当に神経を逆なでする。「あんたなんかもう興味ないんだから」と振っておいて、さらに親友A(CV:宮野)がゾンビ化したときには「どうせなら彼と一緒にゾンビ化して死にたかった」と適当なことをぬかす。「じゃ、好きにしろや」と放置しようとすると、手のひらを返したようにすがりついてくる。うわぁ、マジでウザい。1人で出て行こうとした主人公の冷血っぷりには思わずナイスと叫んでしまいます。今後この2人の間もドロドロしつづけるんかなぁ……色んな意味でキツいシチュエーションやで。まぁ、見ますけどね。基本的にMですから、自分。

 そして、そんな面倒な女の中の人はというと、ここは一発井上麻里奈です。便利な役者ですが、基本はちょっとイラっとさせるのが得意技かもしれません。OK、ビッチ役でも文句なし。そして今回メインで登場したのは、主人公役がベーさん、親友(故人)に宮野、謎のツインテクラスメイトにキタエリ、といったあたりか。ブレません。金髪巨乳の保険医が登場したときにはあの人がCVかと思って期待してしまったが今回は違った。無念。

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 大活劇な第15話。Bパート通してほぼバトル展開ってのは久し振りでございます。ま、ヒーローマンは回避してばっかだったけどさ。

 ついにヒューズに追い詰められたジョーイだったが、意外なことに、彼の目的は話し合いだった。ヒューズの方は一方的にジョーイのことを知っていたし、常々「ゴーストは人間の意志で動いている」と語っていたので、この展開はある意味まっとう。これまで散々疑問に思っていた「何故ジョーイたちはあそこまで必死になって逃げるのか」という謎を、ヒューズが手ずからジョーイに突きつけてくれた形だ。

 最初は訝しんでいたジョーイだったが、ヒューズがフランクに話しかけてくれたり、あれこれと尋ねる前に自分語りしてくれたおかげで、いくらか緊張も解け、何とか共存共栄の道を模索する方向で固まる。ここまでとんとん拍子で話が進むと、先週まで命を賭ける覚悟で頑張っていたデントンとサイがピエロにしか見えないのが悩みの種だ。

 しかし、そんなぬるい展開を許すはずもなく。自らの武力を知らしめるという純粋利己的な目的を持つDr.ミナミは、「もうその兵器で直接攻撃しろよ」と思うほどのハイパーな電波妨害装置(というか、電波干渉攻撃装置)によってヒューズを足止めすると、巨大ロボットによるゴースト殲滅に挑む。以前の戦闘でヒーローマンの弱点は分析済らしく、ロングレンジの決め技である電磁パルス照射装置(EMP!)と、足止めのためのマシンガンという2段構えの戦略に打って出る。そしてこの作戦が功を奏してしまうあたりがこの作品の凄いところで、自分の間合いに持ち込めないヒーローマンは防戦一方。「お前、確か巨大化しとったやないけ」などという野暮な突っ込みは無しだ。多分、巨大化するとEMPの的になるからやらなかったに違いない。

 しかし、逃げ惑うだけだったジョーイも、EMPが電磁パルス照射兵器であり、チャージに時間がかかると分かったところで突撃開始。結局足下を狙うバルカンは大して脅威にはならず、ジワジワとミナミを追い詰める。そしてあと一歩というところで、ヒューズが停戦命令を携えて2人に割って入った。ジョーイにとっては終了命令、ヒューズにとっては罪状宣告となるこの一声に、ヒーローマンは足を止めた。そして、無情にも襲いかかるミナミの電磁パルス……ついに白目を剥いて膝をついたヒーローマン。さぁ、次回どうなる?

 という、実に気になる引きだったわけですが、まぁ、次回予告ではしゃきしゃき動いてたので、彼は大丈夫だと思います。むしろエネルギーをもらってかえって元気になってる可能性まであります。うーむ、無敵すなぁ。

 今回はサイとデントンが全く登場せず、完璧に3人の間のみで展開されるストーリーだったわけだが、これまで溜まっていた鬱憤を晴らすかのようなミナミのはっちゃけぶりが面白い。デザインや行動原理のおかげで「ほんとにワイリー似てるなぁ」と思っていたのだが、今回の弾けぶりはあの愉快なジジイをも上回る大活躍。いちいち宙づりのままでポーズを決める彼の楽しそうな様子を見ているだけで、こっちまでなんだかうきうきしてきますね。しかもあれって、あの状態からマシンをコントロールしてんだよね。おそらくグローブにWiiコントローラーみたいな動体感知システムを内蔵しているんだと思うが、単に見得を切るためだけにあんなギミックを用意する博士が可愛すぎる。あれだけ不安定な体勢から自由に人文字まで作りながら戦えるんだから、デスクワーク専門のくせにかなり身体能力が高いんだろうな。もちろん、個人の権限であれだけの兵器や高精度の熱感知システムを搭載できるんだから、技術力の方もそうとうなもんでしょうけど。

 なんだか、今回は全部Dr.ミナミに持って行かれちゃいましたが、影ではマスコミリポーターコンビなんかも動いて色々と起こりそうな気配もあります。とにかく展開の早さが売りのこの作品。まだまだ落ち着いている暇はなさそうです。

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○「祝福のカンパネラ」 4

 なんだか無闇に懐かしい雰囲気のする、純正ギャルゲー原作アニメ。正確にはエロゲらしいけど、地上波放送では大した問題ではなかろう。

 ここ最近は下手なエロゲよりもエロをプッシュした「普通の」作品も多い中、この作品はそれほどエロを前面に押し出す様子もなく、ただ淡々と女の子が愛嬌を振りまくという、2000年代前半のアニメの雰囲気を漂わせている。主人公は至って無個性だし、数多押し寄せるヒロイン勢も、そこまではっきりと識別出来るほどのキャラクターがあるわけでもなく、ビジュアル的にも似たり寄ったり。製作スタッフ陣を調べて「はぴねす!」と同じ会社だと知り、何となく分かったような気がした。

 ただ、そうした「取り立てて見るべき点がない」という最大の難点を排除してみると、そこまで不出来な作品というわけでもない。負の感情を一切表さずに和気藹々とふれあうキャラクターたちに特に悪感情を抱くこともないし、判子絵ではあるが、各々の登場シーンのおかげでヒロイン勢の立ち位置は一応区別出来る。キャラクターたちの動き回る作品世界のファンタジー風味は丁寧に描写されており、冒頭で流れた活気のある市場の様子なんかは、雰囲気作りには効果的だった。あとはまぁ、メインヒロインの登場後にどのような「物語」が始まるかという部分にかかっているわけで、この1話だけで判断するのは早計というものだろう。ただまぁ、1話でこれといった掴みを用意していないというのも問題かもしれないが……

 監督はウシロシンジ。どっかで聞いた名前だとおもったら「おまひま」の監督ですね。むー、特にコメントは無いなぁ。あの作品ほどどぎつい描写にしないならかえって見やすくなるかもしれないけど、一応エロゲ原作なわけで、どこまで穏当な物語を紡げるかは微妙なところ。そもそも、このアニメを見たい視聴者層には、ある程度エロも見せ場として作らなきゃいけない気もする。一応助監督名義で及川啓の名前もクレジットされているので、そのあたりのコンビネーションに期待しましょうか。

 そして、この作品のキャストは、ほぼ全員が原作からの引き継ぎというのがちょっとした売りのようだ。もちろん名義はエロゲ出演時とは異なるだろうが、ファンには嬉しい要素かもしれない。逆に言えば、原作を知らない人にとっては、「この人達がエロゲOKの人たちなんだな」と確認出来る場でもあるわけだ。まぁ、だいたいは常連さんだから知ってる名前ばかりですが。唯一、門脇舞以がエロゲOKってのはしらなんだ。事務所の異動で最近解禁したんでしょうかね。あとはこおろぎさとみや後藤麻衣とか。エロゲ声優はあまり詳しくないのでちょこちょこ調べてみたのだが、成瀬未亜を巡るゴタゴタなんかを初めて知ってちょっと面白かった。そういえば、高野直子の名前もすごくひさしぶりに見た気がします。エロゲが絡むとまだまだ知らない情報が出てきて面白いです。

 最後に一言、いえすっ! ミズハス! 

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○「オオカミさんと七人の仲間たち」 5

 諸事情により随分遅れてしまったが、ようやく第1話を視聴。これは原作がラノベ? 予備知識無しで見ると何が元なのがいまいちワカランです。

 で、とりあえずの第一印象だが、もう「新井里美のオーディオコメンタリーで見るフツーのアニメ」という印象しか残りませんでした。これはこれでいい……んだろうか。

 作品自体はものすごく普通。いかにもラノベっぽい学園もので、おとぎ話の要素を解題してまとめ上げるというネタは古今東西あらゆる媒体でやられているので、なにかそこに特別なものを見つけることもない。メインヒロインのおおかみさんは、割と素直なツンデレキャラで、見た感じはどこぞの手乗りタイガーに似ている。幸い中の人の影響で全然似ている感じはせず、1話目時点ではちょっと粗野な程度で特別な印象もない。謎のネコパンチが無闇に可愛い。主人公の少年もご多分に漏れずヘタレで自己主張の薄いタイプで、どんな展開がこの先待ち受けているかはだいたい想像が出来る。つまりは、お約束である。後半の展開のむちゃくちゃっぷりもいかにも最近の作品らしく、「退部届を出すことを阻止する」目的のはずが明らかに無駄なこと、迂遠なことをやったり、「そんなチャリの用意してる暇があったら走れ」とか「目かくしした奴にチャリを漕がすとかどんだけ無責任だよ」とか、シナリオへの突っ込みどころは山のようにある。

 その上で、岩崎良明監督作品ということで、そうした「ふつーで適当な」ものでも、それなりに見ることが出来る。印象に残った画面でいうと、例えばおおかみさんがパンチを決めて「にゃーん」なところなんかは可愛かったし、クライマックスであるドロップキックのシーンなんかは動きもしゃきしゃきしていて何となく笑えてしまう。エンディングで流れた映像(多分OP?)も賑やかだったし、シナリオ云々を気にせずに単なるギャグとして見る分には、そこまで目くじらを立てて見るようなものではないだろう。

 そうした全ての要素を加味しながらも、この作品はナレーションでもっている。もう、意味がワカラン。普通ナレーションってのはなるべく背景化させるもので、敢えて目立たせる場合にはそれなりの意味があるものだが、この作品の場合、「とにかくみっこと一緒にアニメみよーぜ!」という雰囲気しかない。同じく岩崎さんが監督をやった「ハヤテのごとく!!」では若本が似たような「濃いナレーション(天の声)」をやっていたが、あれともまた違うインパクトがある気がする。みっこの場合、どの程度アドリブが入ってるんだろうか。

 「1人で空気を作れる役者は素晴らしい」と何度か評したことがあるが、そういう意味で、珍獣新井里美は無敵かもしれない。めくるめくみっこワールドを堪能する作品。それがこれ。でも、確か小期間の活動休止を発表したところだが……大丈夫かしらね。まぁ、大丈夫よね。バナナ喰ってりゃね。

 で、全部みっこに持って行かれそうなこの作品だが、他の面子も無駄に気合いが入っている。ヒロインの静は正直そのまんまの役だが、サブに伊藤かな恵がついたことでなんだか親分な雰囲気がグレードアップ。やりやすそうな現場である。さらにおおかみさんが部活の本部に転がり込んだ直後にステレオサウンドで堀江・川澄ボイスが聞こえてくるというサービス。なんだ、完璧じゃないか。中の人補正だけでも充分埋め合わせが効くわ。

 余談だが、みっこボイスで何度も何度もキャラクターの胸をネタにするのは、本当にアフレコ現場がギスギスしそうで面白い。まぁ、御前は手ぇ突っ込んでるんだろうけどね。 

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 「さらい屋五葉」 6→6

 毎週の感想文を読んでもらった方が話は早いのだが、基本的には存分に楽しませてもらった作品。粗製濫造、ものすごい消費スピードでアニメが浮かんでは消えていく中で、こうして強烈な自己主張を持ちながらも、どぎついものとしてはそれが現れず、ひたすら自分のペースで構築されている作品というのは、非常に特殊で、好感が持てました。

 本作で評価すべき部分は様々な切り口があるわけだが、最初にあげるべきは、その徹底した演出プランだろう。始めに原作ありきなのでシナリオラインはアニメスタッフがいじれる部分も少なかっただろうが、とりたててアニメ的な見せ場もない「地味な」作品を、ごまかすことなく正面から「地味に」描くことにより、かえってその魅力を引き立たせることになった。具体的には、時代劇につきものの切った張ったのシーンを極力廃し、「暗」と「静」を基盤とした世界のみでシチュエーションを固めていった。作中では何人もの人間が刀で斬られて命を落としているはずなのだが、それが具体的に画面上に現れることは少なく、あくまで「斬った側」の心情にフォーカスを当てることで、心の奥のザワザワした感情や、冷え切った狂気のような感情を画面上に表出させることが出来た。この方向性は、おそらく成功だったのではなかろうか。

 「描ききらない」という指針はその他の人間ドラマにも現れており、主人公の政之助が口べたで人付き合いが苦手なこともあり、キャラクターどうしのコミュニケーションには、必要以上の会話が乗らない。元々気むずかしそうな梅がそうだし、口数の少ない松吉、最初から最後まで得体の知れない弥一など、この作品の男共は、本当に「背中で語る」を地でいくキャラクターばかりである。そして、そんな硬派な演出が、作品の物寂しい空気や、一口では語れないもどかしさなどにも直結している。台詞の数が減るからこそ、一言一言の重みも増し、「最初からこうすりゃ良かった」「恩人が3人になっちまう」などの台詞が活きてくる。最終回など、弥一は墓の前でなにかをしゃべるでもなく、ただ嗚咽を漏らすだけだし、そこに助けに来たマサも、特に慰めの言葉をかけるわけでもない。この「会話のない関係性」が、この作品をがっつり見せてくれた一つの要因だ。

 そして、そんなシナリオラインを決定づけるのは、やはりアニメの画の力。マングローブの制作ということで独特の風合いはそれだけでも見どころであるが、暗く湿った江戸の町の空気と、同様にじっとりと湿って先の見えにくい五葉という組織の空気が見事にマッチしている。基調が鈍い色であるおかげで、楓の葉の赤色や匕首の銀色など、ピンポイントで彩りを加える要素も画面映えするし、必要以上に押しつけないさりげない風景の1つ1つが、政之助達の生活の実感を与えてくれる。動くばかりがアニメでなく、しゃべるばかりが作劇ではない。こういう骨太な演出方針と、それを実現させられるだけのスタッフを見ると、まだまだ知らないものが楽しめそうだと思える。とにかく、楽しかったです。

 もちろん最後はキャストの話。今作は渋く渋くという、やや専門外のキャスティングになっており、さらにいくらか腐女子向けのサービスも動いていたので全部が全部分かるわけではないのだが、それでも政之助と弥一の2人の魅力だけは分かる。浪川大輔、櫻井孝宏。現在もっとも脂ののった2人の共演は、本当に耳に楽しかったです。他にも梅役の高塚正也、松吉役の内田夕夜など、周りを支えるキャストもやたらかっこよかったのが印象的でした。女性キャラはほとんどいなかったけど……一番可愛かったのは、ネコ?

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