最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
御前の演じる委員長がエロくてエロくて仕方ない第8話。もう、彼女のヒストリーだけ取り出したら完全にエロ漫画の設定だよね。それをあんだけ艶っぽい描写で描かれちゃ、もうどうしていいか分かりません。今年の夏コミでは委員長陵辱本が大量に……は、出回らないだろうな。時期もわるけりゃ作品自体あんまり話題になってないし。そもそも原作設定そのまんまの同人なんて売れねーか。 さておき、シャフトがあまりの過密スケジュールに音を上げたために、1週休んでの放送再開というあからさまな対策を講じて復活した本作8話。偶然なのか狙ってなのか、前話で一応の区切りがついていたので、今回は2週ぶりに始まった新章ということで、ブランクがそれほど気にならないのが救い。作中でも1ヶ月が経過しているらしいし、ある意味雰囲気作りのためのお休みと取れないこともない(や、取れないけど)。 物語は、一応法的に成立が決まり、バンドが一応の安寧を得たところから始まる。序盤は由紀とミナの友情タッグ成立を描くパート。前回の教会でのドンパチはあまりに観念的過ぎてオチがよく分からなかった部分があるのだが、あのやりとりをみて、どうやら由紀は暁とミナの間の結束を痛感し、身を引く覚悟をしたらしい。どこまで損な役回りなんだ。あげく隠れて書いていた小説をミナに見られてしまうなど、踏んだり蹴ったりの新しい日常。そんな中でもなにがしかの「女の友情」が芽生えたのは、ひとえに由紀がものすごい人格者だからだ。「お互いに非もあるし、足し合わせたら案外ちょうどいいかもしれん」とは姫様の言だが、普通に考えて、由紀の方には特に非はないのである。単に浮気性の暁がミナを選んだという厳然たる事実があるだけだ。そう考えると由紀はまだふくれっ面でいる方が正しい気がするのだが、それでも大人しく「姫の友達」というポジションを受け入れられるというのだから、どんだけ良い子なのかと。暁は選択を間違えてないかしらね。 そしてBパートは、新たな敵であるヒステリカの襲撃と、委員長の苦悩。大量の吸血鬼が姫を裏切っており、「君主を頂点とした縦社会っていう設定はどこいった」とか、突然出てきて容赦なく雑魚をボコボコにする妙な護衛連中はひどすぎやしないかとか、色々突っ込むところは多いのだが、まず一番に叫びたいのは、「そこにくぎゅかよ!」ということ。あり得ない露出とどぎついメイクで年齢不詳の敵キャラ、ヒステリカ。普通にビジュアル面だけで声を決めるなら、もう勝生真沙子とかでいいんじゃないかって気がするのに、そこに敢えて釘宮。いやぁ……それでも出来るのがすげぇけど。こういう釘が見られるっていうのは、ある意味非常にありがたいキャスティングです。多分、本人もこれまで演じてきた役の中で文句なしの最年長キャラなんじゃなかろうか(見た目的にね)。ま、冷静に考えればそんなヒステリカとやり合っている甲斐田裕子の方が釘よりも年下なわけだし……声優って本当におもしれぇな。 とまぁ、そんな中の人ネタはさておき、今回は敵組織の顔見せ程度なので内情はよく分からなかったが、とにかく委員長が大変な状態になっていることは分かった。序盤は単なる慰み物キャラだと思っていたのだが、どんどん切なくしんどい方向に行ってますね。そして勿論、エロい方向に行ってますね。委員長が泣き叫んだり身もだえたりするカットは止め絵にしろ動画にしろ、なかなか妄想がかき立てられる良い仕上がりになっており、その筋の人でなくてもたまらないビジュアル。他方、大量の雑魚吸血鬼を前にしての大乱戦バトルパートなどは、一週休んだというのにいささか頼りない仕上がり。面倒なシーンなのは間違いないのだが、どうせ全編通してじっとりと薄暗い雰囲気が続く作品なので、もう少し動くシーンのメリハリは欲しいところなのだが。まぁ、その分独特の台詞回しでアクセントは加えているので、ギリギリ合格ライン上ってレベルにはなってるんだけど。 そういや、何故かこのタイミングでエンディングも正規品(?)バージョンへ。元の1枚絵でも別に良かったので変更後もそこまで感じ入るものではないのだが、なんだかいかにもシャフトらしいガジェットに溢れていて、苦笑い半分で面白かった。鎖のモチーフが「ef」シリーズだし、壊れた時計などのガラクタは「月詠」のイメージ。でも、一番イメージが近いのはシャフトじゃないけど「SOUL TAKER」かもしれないね。 とりあえず、来週以降もバトルシーンは続くんだろうから、なんとか持ちこたえてクオリティを維持してほしい。特に、委員長が出るシーンではね。 PR 意外や意外にも益子先生大活躍の第8話。原作だと読み飛ばしてしまうような部分で、意外に登場してたんですね。「益子ちゃん、時間通り来すぎ」とか、きちんと原作確認してたら言ってました。あ、学食でテーブル囲んでたのはアニメオリジナルですけどね。この学校、未だに先生が4人しか判明してないような…… 今回のAパートはカニチャーハン。一応タイトルの「クラブ」の通り、カニ型の雲が浮かんでいたりするのは「ひたぎクラブ」の(DVDカバーの)パロディだろうか。これまでのシャフトだったら悪ふざけでもっと直接的なパロディを入れてくるような気がするんだけど(それこそ尾石さん力作の「重し蟹」を混ぜるとか)、この「☆☆☆」ではそんな阿漕なまねはしません。あくまで原作通りにきちんと「ひだまり」をやるだけでした。ただ、これまでブツブツと文句を言ってきたこれまでの話数と比べると、場面に動きがあって「普通のアニメ」っぽいおかげか、割と見やすいエピソードにはなっていた。今作のオープニングにも採用されているテーブルばしばしの乃莉も可愛らしかったし、学内での宮子とゆののやりとりもテンポがいいので会話だけでもそれなりに楽しめる。まぁ、何故かAパートBパートの両方で、廊下のシーンが適当な背景動画になっていたんだけど、そこだけやたら安っぽくて興ざめでしたけど。 そういえば、途中(確かチャーハンが食べられなくてひだまり荘に帰るシーン)で、これまで一度たりとも描かれなかった「普通の絵柄からへちょ絵に変わる瞬間」があってものすごくびびった。自然に繋がれば格好いんだけど、宮子の顔が突然変形したから、なんか不自然な形に……ま、細かい部分ですけどね。 そしてBパートは、なんと毎度お馴染みゆのの入浴シーンから幕を開けるという、これまたエポックメイキングなエピソード。今回は「課題」というキータームから無理矢理去年秋のコンクールの回想に繋げるという構成で、ちょっと不自然な気はしたけど、これまでみたいに「そういえば去年はこんなことがあってね……」みたいな説明台詞で繋げられるよりはなんぼかマシかもしれない。一年越しで思い出すにはふさわしいエピソードでもあるしね。ちなみに、この「やっぱりナスがすき」は作中の日付だと9月26日〜27日のエピソードということで、原作よりもちょっと時期が早い。アニメ時系列準拠だと、このコンクールの翌日に、ヒロさんが体育館の地下通路で頭を打って気絶することになる。 さておき、この「敏感なスウィートハート」は、今期は割とウェイトが大きい、シリアスめのお話。ゆのはこの直前にOBの岸さんに会って進路に思い悩んでいるわけだが、有沢先輩に出会って進路へのわだかまりが解消するのはまだ先の話。絵に携わる者として、存分に悩んでいる時期だ。本来ならばもう少し鬱々とした描写になってもおかしくない内容なのだが、そこは「ひだまり」、適度な密度で適度な描写。ラストは寝不足だったはずなのに布団から起き出して絵を描き始めるゆので締めるわけだが、なかなか青臭くてよろしいではないですか。まぁ、この後もなずなに「何故絵を描くか」と聞かれて悩んでしまうわけですけどね。 最後まで観て、ようやく「あぁ、今回入浴シーンが間に挟まっていたのはそういうわけか」と分かる構成はなかなかうまい。何せ、この話のラストはどうしたってお風呂で終わるわけにはいかないのでね。この構成が自然になるまでずっとこの話をストックしていたのだとしたら、なかなかしたたかなものである(まぁ、偶然だろうけど)。 注意点として、直前に「ひだまりラジオ」を聞いてから本編を見ると、なんか息苦しい。いや、ファンの人は重々承知しているだろうけど……こればかりはほんとに注意な。 瓶詰めにされた首への偏愛を描く物語に、どこぞの拝み屋が絡む匣の物語を思い出さずにはいられない第9話。鍵を握る首は、眠りについたまま、みっしりと。 今回の語り手は、弟に対する常軌を逸した愛情を持つマッドサイエンティスト、矢霧波江。彼女と、その弟である矢霧誠二が今回のエピソードでは中心となる。ここ数話の間は語り部の重要度が徐々に下がっていたのだが、今回は今まで登場シーンの少なかった波江の心情が描かれているため、再び語り手の重要度があがって、序盤の構成に近いものに戻っている。 物語は、錯綜しつつも次第に1つの終点へ向かっていることを感じさせる。まず、セルティの「首」の所在が、断片的にとはいえ判明したのは大きな進歩。どこをどう巡ったのかは分からないが、一時は波江たちの叔父の家に所蔵されていたらしく、その美しい素顔は一種のオブジェとして完成していたらしい。が、その首の魔力に取り憑かれたのが誠二であり、そんな弟に「取り憑かれ」ているのが波江。この池袋にはどこかネジの外れた連中が多いのだが、この姉弟の場合はストレートに犯罪者気質なのでまだ分かりやすい部類かもしれない。誠二は、完全に「首」に魅入られてしまったただの青年。一度は愛する姉の下から首を奪い去り、それが原因で張間美香を死の一歩手前にまで追いやった。そして、そんな誠二が頼れるのは、女傑と謳われる自慢の姉。波江は波江で行きすぎた愛情を持っており、弟の罪の告白を聞いて、戸惑いも怒りもせず、喜びを感じるという真性だ。どうやら、1つのものに対する執着心という部分ではそっくりな姉弟であるらしい。 そして、そんな矢霧家のごたごたに巻き込まれる形になったのが、これまた犯罪者気質のストーカー少女、張間美香。波江の力で「首」と同じ外見を手にした少女は、誠二の心を捉えることには成功したが、この成功の裏にある波江の存在をどうにかする必要があることも理解している。波江は美香の存在が「自分の既知のものである」という点において精神的均衡を保てているわけだが、駒として使われているだけの美香はそうも言っていられない。誠二の全てを掌握するために、携帯を処分したり、姉の膝元である池袋から脱出しようとしたり。女同士の熾烈な覇権争いの間で、一人お花畑の誠二は何を思うのか。まぁ、今回の立ち回りを見る限り、彼は「愛情」に対してはひたすら真っ直ぐみたいなんだけど……ちょっと頼りないなぁ。 そして、そんな偽りの「首」を見つけちゃったもんだから、セルティさんもそりゃ大変。20年来の捜し物を必死に追走するも、間一髪で取り逃して意気消沈。確かに、「ずっと探してきた首は、もう自分(身体)を必要としていなかった」っていう結末なら、これ以上恐ろしいことはない。彼女が思い悩むのも仕方ないことだろう。でも、そんな中でも「新羅と話がしたかった」って寄り添ってくれる彼女が本当に可愛い。普段はそれなりにクールに振る舞える女性が取り乱す姿ってのはいいもんですね。最近はキーボードに打ち込んでもいない声が出ることが多くなってる気がするんですが、多分新羅は感じ取っているんでしょう。 そんなセルティの面倒を見てくれるのが、少しずつ怒りのコントロールを覚え始めた静雄。両膝と手のひらに合計3本ものボールペンを突き立てられながらも冷静なのは流石だが、青臭いガキから愛だの恋だのを唱えられて、ちょっとだけカチンときた模様。サングラスの有無でスイッチを切り替えたり、相変わらず細かい演出のおかげで非常に良い味が出ています。最近はセルティも随分彼のことを頼りにしているようだし、案外この街ではまともな方なのかも知れません。 そして、最後のとばっちりは美香とたまたまぶつかってしまっただけの帝人君。彼の場合は本当に「巻き込まれた」だけの存在で、どれだけ気を遣ってみても主人公には見えないのが正直なところ。次回は久し振りに語り手の役目が彼に戻ってくるみたいだが、ここで一念発起、主人公としての矜持を見せることが出来るだろうか。 そしてそんな全てをてっぺんから見下ろしているのが、諸悪の根源(?)折原臨也。彼のここまでの所業をまとめておくと、まず、ダラーズの構成には彼が絡んでいる。そして、矢霧製薬と繋がり、試験体の情報提供もしている。にも関わらず、一方では拉致集団に襲われた神近をセルティを使って救出したりもしている。さらに今回は張間美香との繋がりも臭わせており、矢霧製薬を四方八方から絡め取っているようにも見受けられるのだ。彼の目的は未だ闇の中だが、その全てが「人ラブ!」の一言で片付いてしまうんだろうか。この街に溢れかえる「愛情」は、おしなべて面倒ごとでしかないのかもしれない。 今回も様々なキャラクターが入り乱れての相変わらずの構成だが、毎回切り口を変えているおかげで、少しずつ視野が広がっていくようなこの感覚が毎回楽しくて仕方がない。そういえば今回は1度も例のチャットシーンが出てこなかったし、全てが画面上の画だけで展開すると、それだけ見応えが増して30分などあっという間である。みっしりと、みっしりと。 1度は満員で門前払いをくらったわけだが、今回は無事に入場。流石にそんなに長い間満員御礼なわけはないけど、今回も会場充填率は8割程度となかなかの入り。フィルムの力は偉大やでぇ。近くに座ってた連中がリピーターだったらしくて何を引いたか確認してたんだけど、ラストパートの読書長門だったらしい。あんさん、それ大当たりですがな。 さておき、封切り後も数々の話題と伝説を生み出している本作。視聴に当たっては、「なるべくフラットな姿勢で視聴しよう」というよく分からない義務感があった。同じ劇場版でも「なのは」は純粋にファンとして観に行ったが、「fate」は明らかに一見さんとして興味半分で観に行ったもの。そしてこの「消失」の場合、そこまで「ハルヒ」のファンじゃないし、かといって観なくても構わないというほど無関心でも無し、「シリーズの熱心なファンじゃないけど好きな視聴者」として、どんな作品が出来上がったのかを観てこようかと。 まず、先にいくらか否定的な部分から入ろう。本作の制作は当然京都アニメーションなわけだが、京アニというブランドは、地上波作品の制作段階において、既に病的なまでの潔癖さを売りとしているスタジオである。過去作品を見れば分かる通り、作画に乱れなど生じるはずもなく、ただひたすら丁寧に丁寧に、与えられた題材をテーマに忠実に描くことを至上命題とする制作集団だ。そんなわけで、この劇場作品である「消失」も京アニ独自のこだわりに溢れているわけだが、地上波版で既にクオリティの高い作品なだけに、劇場版でそのグレードを上げても、ありがたみが薄いというのが唯一の難点である。「普段からいい物」を「よりいい物」に仕立て上げるのは厄介な作業で、他作品なら「流石劇場版! 動く動く、画面がきれい!」というもてはやされ方が当然なのに、京アニ作品の場合、「まぁ、京アニだからこのくらいは当然だよね」で終わってしまうわけだ。普段からよくできているだけに代わり映えしないというのは、本当に可哀想な部分ではある。「別に劇場で観なくても、普通の地上波放送で5〜6話くらいにすればいいじゃね?」という印象は、誰だって持っていたはずである。 と、ネガティブ評価から入ってみたものの、感じた不安などそれくらいのもの。はっきり言って、やっぱり劇場版ともなると迫力が違うのは間違いない。地上波作品なら要所要所で「流石の京アニ!」と膝を叩くところなのだが、劇場では、2時間半、ずっと京アニクオリティなのだ。目をはなせる箇所が一箇所たりとも存在せず、視聴後は心身ともに尽き果てた。ずっと見どころ、ずっとクライマックス。これはきつい。 いや、視聴開始時からそんな風に観ていたわけでもない。何しろ作品の中身をふるい分ければ8割方キョンの独白で進行する「杉田単独ライブ」みたいな構成なわけで、序盤は「キョンうぜぇ」というおきまりの感想からダラダラ観ていたのも事実だ。しかし、起承転結の「起」の部分からは、そのダラダラが全て必要なパーツだったことが痛感できるのである。キョンが受けた衝撃はそれまでの伏線パートが無ければあそこまで奮い立たないだろうし、衝撃のテンションが無ければ、そこから先のトンデモ展開についていくことも大変だろう。あれだけの情報量であれだけ無茶な事件が起こっているのに、一切気が緩むことなく走り抜けられる脚本構成は、巷で噂の「消失」クオリティそのものであった。 具体的な中身については触れる必要も無い気がするが、一応ポイントごとに評価点を観ていくと、まず地上波作品で構築された「ハルヒ」ワールドの集大成としてのお祭り騒ぎの色が濃い。今回の事件をキョンが解決するため、言い換えれば視聴者が理解するためには、「憂鬱」「笹の葉」「エンドレスエイト」などの記念碑的な事件が全て伏線として必要であり、行き交う時間軸の中で、それらの事件に出会ったときのショックや興奮がプレイバックされる。完全に映画が初見の視聴者は置き去りの構成ということになってしまうが、こればかりはシナリオ上致し方ないところだろう。きちんと筋を理解している人間が観れば、「あれも」「これも」「それも!」とガンガン流れ込んでくるハルヒ世界にお腹いっぱいである。 こうしたある意味「無茶な」シナリオラインの中において、キャラクターの立たせ方が実に見事である。「消失」は長門の話であることは既に漏れ聞いていたのでおおよそのシナリオについては何となく知ってしまっていたわけだが、それでも他のヒロイン勢がお飾りになることは決して無い。みくるは今回サポートに徹しながらも、長門という「メインヒロイン」を前にしてきちんとその異質さを際立たせる役割を果たしていたし、クライマックスに至るまでの案内役として、最もニュートラルで視聴者に近いスタンスをもって、存在感を失わずに引っ張る役割を果たした。また、今回は出番がそこまで多くなかったハルヒだが、それでも的確に自分の役割を果たしていたし、シリーズ全体を通じての「メインヒロイン」としての座を譲ることなく、主人公であるキョンの行動原理として、絶対的に頂点に位置し続けた。どれだけ長門やみくるが個性を発揮しても、特に画面上に姿を現さなくても、あらゆる側面から「世界」を左右し続ける姿は、まさにこの作品におけるハルヒの立ち位置そのものと言えるかもしれない。そして、劇的な復活を遂げた朝倉さんの存在感も凄い。最初のシーンでキョンがやたら怯えていたので「お前、そこまでトラウマになってたんだな」と意外に思ったものだが、「あのシーン」のことを思えば、その恐怖も致し方なかったと納得出来る。今作で一番イメージが変わったヒロインといえば、ひょっとしたら朝倉涼子その人かもしれない。とにかく格好いい、あのシーンを観るためだけにリピートしてもいいくらいです。 そして、やはりなんと言っても今回のキーパーソンである長門有希である。個人的には「ハルヒ」は萌え作品として受け取っている部分が少なく、長門がどうのという空気はいまいち乗り切れない部分があったのだが、その上で、今作の長門はずるい。大事なことなのでもう1回書くと、「今作の長門はずるい」。あれを観たら……どうしようもないじゃないか。もう、これまで通りに長門を見られないじゃないか。どうしてくれるんだ。 今作を通じて、長い間ラノベ業界を席巻してきた(らしい)「セカイ系」という概念の一端が見えたように思える。「ハルヒ」シリーズ自体が、涼宮ハルヒという1人のヒロインを「セカイのあり方」そのものに置き換えた端的な省略と概念化の要素を含む作品であるわけだが、今作の場合、そんな「ハルヒのセカイ」に長門が介入し、もう1つの「セカイ」で主人公を試すことになった。そして、その動機として根底に眠っているのは、あくまで1個人の「感情」という非常につまらないファクターでしかない。こうしたボーダレスの構成自体が、ある意味考え無しで陳腐な物語性の元凶と捉えられることもあるわけだが、本作の場合、このセッティングは充分な効果を上げている。ラストシーンの屋上での2人のやりとりは、この作品があくまでシンプルなラブストーリーであることを確認させてくれるが、長門有希というたった1人のキャラクターの心情を効果的に描くためには、セカイを動かしてみせることが一番分かりやすかったということだ。それが一番長門らしい方法だったし、一番「ハルヒ」らしい結末だった。振り返れば、やはり「面白い」作品だった。 蛇足になるが、敢えてアニメ的な部分などもちょっとピックアップしておくと、やはりクライマックスとなるべき部分の演出技術の高さには舌を巻く。屋上での会話もそうだが、校門前での長門の世界改編シーン、朝倉無双など、呼吸すら忘れてしまうような緊張感は流石の京アニクオリティ。また、序盤は引っ張るだけ引っ張ったおかげか、キョンが長門からのメッセージを手に入れるハイペリオンのシーン、そしてプログラム起動シーンなどは、鳥肌ものの効果がある。キョンvsキョンの独白特盛りシーンは流石にちょっと引き気味になってしまったが、散々ハルヒへの気持ちを吐露した後だけに、寝袋ハルヒのシーンのドキドキ感もまた格別である。 また、今回特に気合いの入った美術が目を引く。屋上シーンのあり得ないクオリティの夜景などが分かりやすいが、他にも実写とまごう背景ボードが頻出し、この作品に対するスタッフ陣のこだわりと熱意が確認出来る。美術作品としての見応えというのも、当然劇場作品の楽しみの1つといえるだろう。 そして最後は当然キャストの話。まぁ、今回は誰がなんと言おうと「杉田お疲れー」としか。流石にこの収録はきつかったろうなぁ……そして、後は長門役の茅原実里ということになるか。消失長門はどういう演出で攻めてくるのかと思っていたのだが、まぁ、予想の範囲内ではあった。1期の頃に比べると中の人も流石にスキルを上げてきているので、もきゅもきゅしながら観るのに充分なスペックを保持していましたね。そして、なんと言ってもみのりんについては、メインテーマのアカペラ歌唱だろう。見たところ最後のアカペラには賛否両論あるみたいだが、個人的にはあれはあれで良かったのではないかと思う。作詞は当然の畑亜貴、作曲には伊藤真澄という豪華な布陣のメインテーマ「優しい忘却」。確かに完成度を考えるなら伴奏も入れた状態で聞くのがいいのだろうが、あのエンディングに、おそらく永遠の別れになるであろう架空の存在「消失長門」の心情を歌い上げるならば、ひっそりと声だけで歌い上げるというのは何とも味のある演出ではないか。後にも先にも、「エンドロールがブラックバックで本当に良かった」と思えるエンディングは初めてである。 何はともあれ、魂の籠もった、クタクタになること請け合いの2時間半。さて、まだフィルムは残っているんだろうか。 なんか、園児が大人びてるとかどうとかいう問題が気にならなくなってきた第8話。もう、ここまで来ると幼稚園設定とかあってなきがごとし。でもさ、これだと見た目上は単なるハーレムアニメになってるんだよね。いささか猟奇的ではあるけど。 今回のAパートは、杏たちのクラスメイト、葵ちゃんの実家の魚屋のお話。園児たちが一人たりとも生魚に怖じ気づかないのがまず凄いよね。魚が食べられるようにみんな良い教育を受けているってことなんだろうけど、個人的な印象だと、やっぱり子供って魚が苦手なイメージがある。でも、はなまる幼稚園にそんな心配はいらない。食べるのも好きなら店先で扱うのだってお茶の子だ。ただ、いくらうまいこと丸め込まれたからって、やっぱり園児に生の商品扱わせるのはやめような。衛生面が心配だから。 最初に桜さんが杏たちを連れてきたときには何が起こっているのかと思ったのだが、あれよあれよと策が展開し、気付けばクラスのみんなの目標である、「葵に仕事の手伝いをさせてあげる」をあっさりクリア。全てのシナリオを計算通りに進行していたのだとすると……柊師匠、恐ろしすぎます。あんな恐ろしい計画、夜神月でも考えつきません。しかも、あの作戦は桜さんが協力してくれる前提なんだよね。この町の人達はそろいも揃って園児に対して寛容だなぁ。いくらなんでも園児を1人で帰宅させるのは危ないと思うんだけど。何はともあれ、友達思いの3人の気持ちが伝わる良いお話。 そして、Bパートでは杏の「ライバル」となる雛菊が登場。おませな杏、博識な柊師匠と、既に園児の枠を飛び越えたキャラクターが散見されるこの世界だが、さらに一際おかしなのが出てきました。いや、雛菊自身は百歩ゆずって「ちょっと落ち着いた園児」だとしても、組の総力を挙げて年中組の園児に従っているヤクザもんがおかしい。相変わらずアニメに登場するヤクザってのはどこかしらコミカルである。当然のごとく五月田根組とイメージが被るのだが、残念ながら会長の中の人は柊の中にいました。雛菊の中身は伊瀬茉莉也。初めて聴いた時にはスーパー棒だったのだが、いつの間にか「普通の」声優になっています。でも、特に印象はありません。 今回の雛菊の登場のおかげで、「幼稚園児のくせにどーたらこーたら」というコメントが特に必要無いことが分かりました。この作品、幼稚園じゃなくて中学校くらいでもよかったんじゃないのか? ものすごく無邪気な女子中学生や女子高生がつっちーを取り巻くハーレムアニメ……うん、幼稚園でいいや。 今回も相変わらずエンディングが素敵でしたね。コンテ演出がサムシング吉松。「BLACK CAT」のエンディングとか、好きだったなぁ。 序盤ずっと「パウークはボーッとしてないでフォローしてやれよ」と気になって仕方なかった第20話。あんなにリトゥーシャの好き勝手にさせて、それで問題起こしたらあとあと面倒だと思うのだが。ESメンバーもシャドウワーカーもコンビのバランスはちょうどいい連中が多い中、この2人だけは完全にリトゥーシャ主導なんだよな。 「記憶」という本作のキーパーツが2つの方向に転がることで混迷を極めるのが今回の主旨。クフィーユは記憶のロストとシェードの洗脳という二重のハードルがあり、前回までの流れを見る限りではそうそう帰ってこられないように見えたのだが、今回リトゥーシャの嫉妬が原因であっさり「事実」が歪んでしまい、シェイドの外付け妨害装置をもってしても、余計な記憶の喚起を押しとどめることは出来なかった模様。まぁ、「パートナー同士は共鳴し合う」なんてぼんやりした現象が起こる世界なので、うわべだけの洗脳じゃどうしようもない部分はあるのかもね。なんで今までそういう現象が起こらなかったのかは、謎。とにかく、「ストーリーが進んだから」といういただけない理由により、まもなくクフィーユの洗脳も解けそうです。もうちょっと劇的な何かがあれば画面映えするのになぁ。 そして、もう1つの「記憶」はアスクールの過去。Gソサエティの本拠地(どこだよ)に進軍したアスクールは、初めて訪れたはずの土地にデジャビュを感じてしまう。しかもエラい具体的なエピソード記憶を伴って。まぁ、これでガクトエルが言ってた「お前は俺の妹」という妄言まがいの宣告の裏が取れた形になりますけど。次回予告を見る限りではお兄さんが手ずから具体的な記憶まで呼び起こしてくれそうなので、お姫様の記憶物語の方もそろそろ佳境でしょうか。「正義の味方と洗脳されたパートナー」という構図が、実際は「純正培養された正義の味方の子と記憶を失っただけの敵側プリンセス」だったという反転構図は、それだけでも割と面白い。この作品じゃなきゃ、もう少し有効利用出来た設定だと思う。 ま、予想を1ミリもずれることなく、きちんと進むべきストーリーを進んでいる感じです。今回楽しかった部分っていうと、イヴェール局長がちょっと浮かれてたことぐらいだろうか。全く気合いの入っていない宙域戦闘とか正直どうでもいいし、「GソサエティってGTOを乗っ取って実権握ってるはずなのに本拠地が謎めいたところにあんのかよ」とか、「結局単機で突破されるとか、どんだけ防衛体制ショボいねん」とか、色々文句も多いのは相変わらずです。もう、ごちゃごちゃ言わずに無事に終わってくることを祈るのみだなぁ。 Lone Missionary 孤独な宣教師 (1)(W) C クリーチャー・コー、モンク 2/1 〜が戦場の出たとき、4点のライフを得る。 「ありがたい老修道士(10ED)」のミラクルバージョンアップ版。タフネスこそ1下がったが、コストが軽くなり、得られるライフも2点増えた。長年基本セットで頑張っていたおじいちゃんに鞭を打つ、非情な世代交代の宣言者である。……ま、おじいちゃんが使われたっていう話は聞かないけどさ。何にせよ2マナで4点は破格の設定。適当に使ってもそれなりの説得力。どこぞの台所で嫌がらせしてた奴とか、思い出したら負け。 Luminous Wake 光明の目覚め (2)(W) U エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーが攻撃かブロックに参加するたび、あなたは4点のライフを得る。 普通に使ってもそれなりの効果を発揮するウザオーラ。4点のライフは強いし、それが繰り返し得られるようになるってのはかなりのもの。ブロックされにくい序盤の飛行クリーチャーなんかとかみ合うと、二桁得点も狙える優良ゲインカードなのは間違いない。また、今回多数登場する防衛持ちとのかみ合わせも良好で、ただ突っ立ってるだけの壁は複数のクリーチャーが出てくるとちょっぴり切なくなることもあるが、これをはっておけばどんな壁でも「精油の壁(STH)」を気取れるようになるわけで、防衛戦術の時間稼ぎにはがっちりかみ合う。そして、白にありがちな作戦として、これを相手のクリーチャーにはるというのも当然効果的。「魂の絆(10ED)」が「絆魂」になってしまったせいでこの手の使い方が出来るカードは最近なかったのだが、これなら実質パワー4以下のクリーチャーのアタックを押さえることが出来るようになるわけだ。攻防に安心の渋いサポート。手頃な価格で手頃なフォローを。 Makindi Griffin マキンディのグリフィン (3)(W) C クリーチャー・グリフィン 2/4 飛行 白いクリーチャーで、過去に4マナ2/4で飛行を持つカードは3枚ある。まずは「司令官イーシャ(JDG)」。レジェンドなので単純な比較は出来ないが、プロテクション(クリーチャー)を持つ鉄壁ブロッカー。続いて「夜明けのマラク(PLS)」。ゴツ過ぎる容姿に再生を携えたニクい奴。そして最後は「エメリアの光守り」。多重キッカーでライフをくれる、優しい天使。こうしてみると、基本ステータスに見えても案外数は少なかった。だから「普通すぎるコモン」とか言って誹ってはいけない。そう、先生との約束だ。 Mammoth Umbra マンモスの陰影 (4)(W) U エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) 族霊鎧 エンチャントされたクリーチャーは、+3/+3の修正を受けるとともに警戒を持つ。 アンテロープがタフネス、ハイエナが先制攻撃なら、マンモスはどっしりと警戒を与える。まぁ、個人的にはマンモスというと獣性と知性と光ファイバーを兼ね備えた文武両道の英傑のイメージがあるわけですが、残念ながらマジックにはそんな伝統はなく、扱いとしてはせいぜいアーモドンの延長である。で、そんなマンモスのご加護により、警戒によるがっちり守備と+3というそれなりの修正値が得られる。正直言うと警戒はいらないから2マナ軽くして「猪の陰影」と同じにして欲しい気はするのだが、個性を出すためのオプション料金は致し方ない。「似たようなコストで『巨身化』とか『天界のマントル』とかつけられるのになー」とか考えたら負けだ。でもまぁ、やっぱり族霊鎧は総じて強いと思うのだがね。 Near-Death Experience 臨死体験 (2)(W)(W)(W) R エンチャント あなたのアップキープの開始時に、あなたのライフがちょうど1点ならば、あなたはゲームに勝利する。 名前だけ見るとちょっとだけパピヨンな臭いのする、アホな勝利条件カードの最新版。ここ最近出た勝利条件カードっていうと……と考えていて「らせんの円錐(EVE)」あたり? とか思ったら、その後に「メイエルのアリア」と「フェリダーの君主」がいたんだな。こうしてみると、なんだか白だけ勝利条件カードが多い。で、このギデオン様の雄姿が格好いいカードであるが、マナバーンが無くなったこの世界においては、充分勝利条件に値するくらいの難度のミッションに仕上がっている。現在ライフを支払うカードというとフェッチランドと「朽ちゆくヒル」しかなく、失うカードも「ジャンドの戦闘魔道士」「縞瑪瑙のゴブレット」など、微妙なカードが多い(一応「ニクシリス」も自分のライフを削れるが、3点ずつだと怖い)。しかも白マナシンボルが重いので、これで勝ちを狙うデッキを構築するには、かなりの労力が必要だろう。そして、それが労力に見合うデッキになるかといえば……うーん。一応、今回は黒にインスタントのX火力が登場しているので、奇跡的にそういう白黒デッキが出来たらチャレンジしてみてもいいかもしれない。責任は持てないけど。 Nomads’Assembly 遊牧の民の集合 (4)(W)(W) R ソーサリー あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、1/1で白の、コー・兵士・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 反復 レア反復は、流石にきな臭いことが書いてある。出てくるトークンがドローンで無い時点でこのブロックの主旨とは若干ずれる気もするのだが、ひとまず「エルフの行列(LRW)」の白版だと思えばいい。プレイ時にクリーチャーが6体以上いないと「征圧者の誓約」以下の効率になってしまうのは難点だが、それでもクリーチャーが倍に増えるのだから弱くはない。そして、そのまま次のターンまでクリーチャーを持ち越せば、倍率ドン、更に倍だ。当然前のターンに出したトークンもカウントするので、ネズミ算ならぬコー・ソルジャー算でものすごい数になる可能性がある。仮にスタート時のクリーチャー数が3体だとしても、2ターン後にはこれが12体に。むぅ、流石レア。もちろん、この世界には大量の落とし子トークンが渦巻いているわけで、落とし子トークン4体とかからスタートすれば、あっという間にパワーを持つトークンが12体手に入る。流石にこれは勝てそうな気がする。多少重たいコストもドローンがいればある程度ごまかせるだろうし、何か凄いデッキが組めるかもしれない。リミテッドでは、当然エンドカードだ。 Oust 失脚 (W) U ソーサリー 対象のクリーチャー1体を、そのオーナーのライブラリの上から2番目に置く。そのコントローラーは3点のライフを得る。 「流刑への道」で最強1マナ除去を欲しいままにしている白が、さらに1マナに除去枠を増やしてきた。ソーサリーとはいえ、場からクリーチャーが消えて見返りが3点のライフとは、随分安くみられたもんである。そのトリックは、2ターン後には再びそのクリーチャーが登場するという部分で埋め合わせる。恒久的な除去とは呼べないために、ある程度の温情を受けているというわけだ。しかし、だからといって弱くなるかといえば決してそんなことはない。例えば戻したのが大量の落とし子を犠牲にして出てきたエルドラージならば、2ターン後に引いてもプレイ出来ない可能性は高い。また、構築レベルでも1ターン目にプレイされた「ステップのオオヤマネコ」や「ゴブリンの先達」を抑える目的なら2ターン稼げれば充分であろうし、フェッチを多用するデッキなら、2枚目に送り込んで2度と帰ってこない可能性もある。これと「流刑への道」を併用して強引にシャッフルしてもらうという手もあることだろう(シャッフルされなければ、別にそれはそれで損しないわけだし)。「流刑」と違って自分に撃って土地をのばすというような汎用性こそないが、このカードはアドバンテージロスが無いという利点がある。今後の環境次第では、面白い選択肢になるのではなかろうか。 Puncture Light 刺し込む光 (1)(W) C インスタント 対象のパワー3以下の、攻撃クリーチャー1体かブロッククリーチャー1体を破壊する。 秘儀じゃなくなった「天羅志の評決(BOK)」。対象が限定されているが、2マナと軽いので序盤の運用がとても楽。壁連中は総じてパワーが低いので、あり得ない高さにそびえる壁をぶち壊すのにも最適な、この世界の基本白除去である。リミテッドなら必須。ただ、全日本トリナクス死んでしまえ連盟本部では、何故追放効果にしてくれないのかとコールセンターに電話殺到中。 Repel the Darkness 闇の追い返し (2)(W) C インスタント 対象の、最大2体までのクリーチャーをタップする。カードを1枚引く。 「踏み外し(JDG)」にキャントリップが付いただけのカード。キャントリップのコストは「素のコスト+2マナ」というのが基本なので、1マナ増えただけでドロー出来るこのスペルはなかなか強力ということだ。「踏み外し」の場合は使い切りなので大事なところまでとっておいてしまうとベストタイミングを見つけにくいというもどかしさがあったが、これならばどうせドロー出来るので、そこまで気にすることなく1回の攻撃の無効化や、無理矢理ワンパンチ通す目的だけでも気楽に使っていける。もちろん、エルドラージを1回黙らせるスペルとしてもニーズはあるだろう。無くても困らないが、1,2枚さしておくとなかなか美味しい呪文だ。 Simte 強打 (W) C (ストロングホールドより再録) インスタント 対象の、ブロックされているクリーチャー1体を破壊する。 12年もの時を経て復活した白の優良除去。基本的に防戦にしか使えないデザインになっているおかげで、対象制限も特になく、最小のコストで最大の効果が上げられる実にシンプルなデザインである。これにより、どれだけ恐ろしい能力を持ったエルドラージだろうが、先制攻撃や接死をもった相打ち上等野郎だろうが、確実に戦闘前に葬ることが出来る。特に壁が前面に押し出されてブロック大好き環境となったこの世界なら、何の不自然さもなく、あっさりと敵の本命を叩くことが出来るはずだ。攻め気の強いデッキでは優先順位は落ちるが、確実に使える逸品である。 Soul’s Attendant 魂の従者 (W) C クリーチャー・人間、クレリック 他のクリーチャーが戦場に出るたび、あなたは1点のライフを得ても良い。 何かよく分からないけど、突如現れた「魂の管理人」の名義変更クリーチャー……ではない。「魂の管理人」のテキストは「You gain 1 life」だ。このカードは「You may gain 1 life」だ。つまり、どうしてもライフを得たくない場合に得なくてもいいこいつは上位互換クリーチャーなのだ! ……まぁ、強いからいいよね。これでもしM11で「管理人」がおちてもしばらくは安心。 Soulbound Guardians 魂縛りの守護者 (4)(W) C クリーチャー・コー、スピリット 4/5 飛行 防衛 「剣の壁(10ED)」のコストが1重くなった代わりにパワーが1上がった、と言われれば何となく納得出来るのに、「セラの天使」のタフネスをあげた代わりに防衛を付けた、と言われるとものすごく弱く感じる。不思議! 壁デッキで「崇敬の壁」に続けてプレイして4点のライフを得るのが今後のトレンドとか。以下悪斬禁止。 Stalwart Shield-Bearers 断固たる盾持ち (1)(W) C クリーチャー・人間、兵士 0/3 防衛 あなたのコントロールする他の防衛を持つクリーチャーは+0/+2の修正を受ける。 防衛持ちをさらに強化するための「城壁(7ED)」を内蔵したがんばりブロッカー。自身は2マナでタフネス3とそこそこレベルのサイズだが、2体並べばタフネス5だし、他にもたくさん集まった防衛持ちは、既に火力やクリーチャーの力程度では突破できない不屈の布陣に。何が制作チームをここまで壁に傾けさせたのだろうか。流石にここまでタフネスが高くなってくると、火力もそりゃ強くなるわ。 Student of Warfare 闘争の学び手 (W) R クリーチャー・人間、騎士 1/1 Lvアップ・(W) <LV 2-6> 3/3 先制攻撃 <LV 7+> 4/4 二段攻撃 各色に与えられた、コスト1でレベルアップしてくれるレアのサイクルの白。このサイクルは、手軽に片手間でレベルアップの研鑽を積めるのがセールスポイントだ。で、こいつの場合は、まず3マナで3/3先制。まぁ、強い。色拘束が厳しいが、最近は白単じみたデッキも多いことだし、使おうと思うデッキでマナの色に苦心することは無いだろう(キツいなら採用しないだけの話だし)。そして、さらに5マナを費やすことで4/4二段攻撃というフィニッシャーサイズに。まぁ、「数多のラフィーク」が半分以下のコストで同じスペックを実現させてたこととかは気にしたら負けだ。あっちは神話で、しかもレジェンドだから。でもまぁ、納得したところでこれを使わなきゃいけない理由もないわけで。リミテッドの大将として頑張ってもらう程度だろうなぁ。このサイクルの2つ目の共通点、「地味レア」。 Survival Cache 生き残りの隠し場所 (2)(W) U ソーサリー あなたは2点のライフを得る。その後、あなたのライフがいずれかの対戦相手よりも多い場合、カードを1枚引く。 反復 何とも不思議な使い心地の反復スペル。3マナもかけて2ライフだけなら即くずかごに消えてもらうところだが、うまいことライフを失っていなければ、まずキャントリップでドローが出来る。その後、次のターンにかけても3点以上のダメージを喰らわないで過ごせれば、更に2ライフと1枚ボーナス。「アミーシャの口づけ」が7ライフ2ドローで6マナかかるわけで、半分のコストで似たような効果を発生させられるのは脅威だ。壁でがっちり守り抜き、更にこれで手札も有利に持ち込む。なかなかシュートなコントロール模様が展開出来そうではないか。 Times of Heroes 英雄の時 (1)(W) U エンチャント あなたのコントロールするLvカウンターが置かれている各クリーチャーは+2/+2の修正を受ける。 レベルアッパー支援装置。つまりキャパシティダウンの逆。幸い、このセットに「全てのレベルアップを持つクリーチャーは1/1になり、能力を失う」などというカードは収録されておらず、ガンガンレベルを上げてもAIMバーストは出てこない。そりゃま、せっかく作った(大して強くもなさそうな)ギミックを潰されたら立つ瀬がないからね。で、このカードの効果だが、コストが2マナと軽いのが実はかなり重要。なんだかんだで結構な枚数のレベルアッパーが登場しているので、リミテッドでデッキを組んだ場合、1枚もレベルアップクリーチャーが入らないという事態は少ないだろう。つまり、このカードをはっておけばそれなりの確率で「最低1体くらいは+2出来そう」ということ。2マナで+2出来るオーラがあればそれなりに使われるであろうから、このカードだって充分にデッキに入れていいということである。構築ではレベルカウンターを増やしてくれる「敬慕される教師」なども全力で突っ込んだ「レベルアッパーデッキ」が誕生するなら可能性はあるか。……流石に無理かなぁ。佐天さんをいじめるのはやめて! Totem-Guard Hartbeest 族霊導きの鹿羚羊 (4)(W) C クリーチャー・アンテローブ 2/5 〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリからオーラ・カードを1枚探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 誰もが思うことだろうが、「鹿羚羊」っておかしくない? ふりがなは「シカレイヨウ」ってふってあるんだが、鹿とレイヨウって別もんじゃないのか? 「アザラシオットセイ」っていってるようなもんじゃない? よく分からん生物だよな……まぁ、アンテロープなんですけどね。現在世界に存在しているアンテロープは6体だそうで、あの「放牧の林鹿」もお友達だよ。で、そんな種族特性など欠片も無いアンテロープだが、何故かこいつはオーラが大好きらしい。5マナ2/5というそれなりのステータスにアドバンテージが同梱され、この世界には族霊鎧というナイスサポートまである。実に気の利いた、よいクリーチャーだ。リミテッドなら充分スタメンをはれるだろうから、是非アンテロープ繋がりで「エランドの陰影」をはって、2/9の素敵鹿を堪能していただきたい。 Transcendent Master 卓絶の達人 (1)(W)(W) M クリーチャー・人間、クレリック、アバター 3/3 Lvアップ・(1) <LV 6-11> 6/6 絆魂 <LV 12+> 9/9 絆魂 〜は破壊されない。 神話レベルアッパーにして、最低のレベルアップコストを持つ男。なんだこのありがたみの無さは。そして、必要なレベル数も最大なので別にお得感もない。総じて微妙だよ、このレアども。3マナ3/3バニラは、現在の白ならめちゃ普通。悪くはないけど、わざわざ「イーオスのレインジャー」や「白蘭の騎士」を差し置いて登場するカードではない。そこから6マナつぎ込めば6/6絆魂。悪くはないけど「悪斬の天使」を差し置いて登場するカードではない。さらにさらに6マナをつぎ込めば9/9でダークスティール製の絆魂になるけど、わざわざ「コジレック」じゃなくてこれを選ぶ必要も無い。……何がしたいんだ? そりゃま、早急に除去出来なけりゃ鬱陶しいには違いないが、流石にレベル12になるまでには何とかなる気がするんだが……だってドラクエ3で言ったら魔法使いがルーラ覚えるレベルだよ。ベギラマ目前だよ。もっとやることあるよ、多分。 Umbra Mystic 陰影の神秘家 (2)(W) R クリーチャー・人間、ウィザード 2/2 あなたのコントロールするパーマネントにつけられたオーラは、族霊鎧を持つ。 族霊鎧の専門家。こいつがいれば「広がりゆく海」も「巨身化」も、全部が全部族霊鎧。ほとんどの場合には当然メリットだが、この世界にあるオーラの多くはハナから族霊鎧のカードが多いので、そこまで劇的な効果があるかというとやや微妙。どちらかといえば構築でハイパーオーラデッキを組む人のためのカードだろう。でも、族霊鎧を持つオーラ自体なかなか優秀なので、「コーの精霊の踊り手」を使ったハイパーオーラデッキとかでも最初から陰影シリーズを使えばいいんじゃないかって疑惑もある。何か凄い使い方とかがあるのかねぇ。 Wall of Omens 前兆の壁 (1)(W) U クリーチャー・壁 0/4 防衛 〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。 「花の壁(STH)」のカラーシフトクリーチャー。「花の壁」の強さは今更説明の必要もないので、このカードだって当然強い。緑の「草茂る胸壁」同様、今後の壁世界の重要な牽引役となることはほぼ確実だろう。コントロールデッキではこれまで「クラーケンの幼子」が使われることもしばしばあったわけで、それがわずか1マナ重たくなっただけでアドバンテージに直結するようになったのだから意味が分からない。コントロール志向なので「コーの空漁師」とのかみ合わせはそこまでいいものではなく、「暴走するヌー(10ED)」みたいな再利用エンジンは今のところあまりいい候補がないが、「上天の貿易風」がひょっとしたらその任を担うことになるかもしれない。まぁ、とにかく引けってこった。
スタッフロールのキャスト欄の「ELISA」がなんか気になる第21話。どこかで友情出演してたのかな。全然気付かなかった。よくしらねぇしな。
さておき、前回からスタートしたポルターガイスト編が色々な要素をまぜこぜにして、なおかつアニメの大団円に持っていこうとしているのがよく分かる一本。新キャラへの各々の思い、友情や疑惑などを中心にして、4人のメインヒロインのそれぞれの要素をきちんと浮き彫りに出来るようになっている部分は素直に面白い。特に今回は、黒子がかなり真面目に仕事をしていたので、ふざけた黒子が好きなファンとしても、黙って彼女の仕事ぶりを応援するために姿勢を正してしまう。黒子の脇で独自に情報を調べたり、間を取り持って場を取り繕おうとする御坂さんも、一応年長者としての配慮を見せてくれているのでOKです。まぁ、普通の作品だと主人公の仕事じゃない気がするけど。また、佐天さんは持ち前の明るさで次第に重みを増す空気のフォロー。ただ、彼女のレベル0っぷりがことあるごとに掘り返されるのはちょっと不憫。学園都市で「あなたもさぞ立派な能力者なんでしょうね」って、何も知らない状態で「どちらにお勤めですか?」とか「学校はどこを出られました?」って聞くのと同じくらいデリカシーが無いよな。 そして、今回春上との関わり合いで一番心理が揺れ動いたのが、初春だろう。ただ、残念ながら彼女に対してはあまり感情移入出来ない。今回彼女は友達のことを思って黒子と対立してしまったわけだが、傍目から見て、どう考えても黒子のスタンスの方が正しいのである。もちろん初めて「先輩」らしく振る舞える春上に出会い、自分がかつて黒子や佐天にしてもらったような恩を返したい、という気持ちは分かる。自分だけは春上を信じてやるべきであると。ただ、残念ながらそれはまったく春上のためにもなっていないし、いたずらに危険因子を放置することは、ジャッジメントの理念に反する行為であろう。たとえ疑念を向けられたとしても、黒子たちは「春上が悪意をもって騒動を起こしているのだろう」と詰め寄ったわけでもないし、検査を行うように促したところで彼女に迷惑がかかることもない。ひょっとしたら危険人物としてアンチスキルなどにマークされ、拘留されるなどの不利益は生じるかもしれないが、それでもなお、彼女が知らぬ間に多くの人を傷つけることを望むはずもないのだから、冷静に考えれば、「春上を疑い、全ての疑念を解決すること」が最上の策であることはすぐに分かるはずなのだ。それなのに、初春は些細な私情を最優先させ、何とも幼稚な対応を選択してしまっている。たかだか女子中学生にクレバーになれとは言わないが、レベルアッパー編ではきちんとジャッジメントのつとめを果たすことで意志を貫き通したのだから、今回も訳の分からない癇癪は起こして欲しくなかったのだが。前から不満はちょいちょい書いてきたが、この作品の最大の欠点は、無茶な設定を作った上で、その設定の中で生きるキャラクターたちの心情をまったく追えていないところである。多少のご都合主義には目をつぶるが、中核となる感情の機微が齟齬をきたしていると本当に据わりが悪い。 というわけで、メインストーリーがいまいち乗り切らない話だったのだが、設定上のストーリー進行は良い感じで興味を引かれるものになっている。相変わらずトンデモ科学でトンデモ現象が起こり、それをトンデモ説明で何となく納得させているのは触れる必要もあるまい。簡単に説明すれば、古来より言われているポルターガイストの原因と大差ないしな(ポルターガイストは思春期などの少年少女などのストレスが多く引き起こす怪異だと言われている。ソースは忘れた。なんだっけ?)。また、テレスティーナさんの乗ってるパワードスーツがイチゴシロップをぶっかけたような柄なのも気にしないでいいだろう(一応迷彩柄なんだが、ピンクの迷彩ってどないやねん)。 注目すべきは、やっぱり全ての現象の裏でちらつく木山春生の存在である。とりあえず再登場は確定だろうから、これは期待せずにいられません。さらに、なんと春上が大切にしていたロケットの中には、あの悲劇の最期を遂げたしゅがっ子が(枝先絆理という、相変わらず凄い名前)。しゅが美の再登場もありますか? 初春・枝先、そして婚后さん。軽音部創立まであと1人。ぴかしゃ呼んでこい! 戦争や世界背景を臭わす以前に、何か別な臭いがして仕方ない第8話。本当にこの作品は視聴者の目線をどこに振り回したいのだろうか。 2話目で思わせぶりに登場した電話を巡るエピソード。といっても、電話が鳴るのはラスト2分であり、それまでは延々電話番の様子だけが描かれるという、ある意味実に斬新なストーリーである。確かに、宅配便の受け取りとか何かの通知とか、気になって電話から離れたくない時ってのはやたら回りが気になるもんだけどね。携帯電話がある現代ならまだしも、固定電話が黒電話1本の砦においては、その気がかりっぷりもまた特別。電話に密かな憧れを持っていたカナタならなおさらだ。「電話を受けたことが無い」と言いながらシミュレーションで「じりりりり」って言ってたのは何故かってのは謎なんだけど。やりとりを聞いたことはあるんだろうか? そして、今回の物語の中心となるのは……生理現象。カナタはせっかく軍属になったというのに、一向に敵と戦う気配がありません。これまでのカナタの戦績をまとめると、 1話 VS捜し物○ ラッキーで発見 2話 VS幽霊△ 正体は見破ったが、和解せず痛み分け 3話 VS風邪× 一日寝込む 4話 VSラッパ○ めっちゃ上達する 5話 VS重たい荷物× 試合放棄 6話 VS迷子○ ギリギリ救出 7話 VSフィリシア× なんかはぐらかされる 8話 VS尿意×←New! 多くは語れまい ……なんだこの作品。今回の地味な一部屋のエピソードで、製作側が何を伝えたかったのかさっぱりわからん。単に女の子がもじもじしている姿を延々流すことによる販促運動か? ……だったら微妙に成功だよ! あのままバケツコースだったら確実に別次元になったものを。金元さんもメジャーデビュー作でこんな仕打ちとは大変だ。 とまぁ、この期に及んでシリアスに傾倒しない意固地な部分は置いておくとして、せっかくなので今回もかたくなにシリアス伏線を回収しておこう。まず、なんと言ってもリオ絡みのパート。リオが持っていた楽譜はイリア、つまりこの国の皇女殿下のもの。リオは彼女から直々にラッパを習ったり、譜面を受け継いだりしていることから、どうやらこの国を左右する立場にある(可能性をもった)人物であるらしい。最後の電話の男のこともあるし、3話の母親のエピソードなど、まだまだ謎はてんこ盛りだ。国を救える僻地の兵士って、一体どんな存在なのだろうか。 また、ヘルベチアと隣国との和平交渉は、現在も続いているということが今回会話の中で分かった。前回のエピソードで終戦は4〜5年前程度だと予想されるわけだが、それからズルズルと会議が進んでいないとすると、多少なりともきな臭さは残る。考えてみれば、一体何を契機に戦争が終結したのかもよく分からない。少なくともリオ達の振る舞いからしてヘルベチアは敗戦国扱いではないように見えるし、半端な和平ならすぐに再燃してしまうかもしれないわけだ。いくつも爆弾を抱えてるな、この国は。 最後に本当にどうでもいい話だが、何故か無駄にこだわってしまう「文字」の話。今回、冒頭でカナタが読み上げた「本営直通高度緊急非常事態用指令伝達回線保守確認任務」という文書。フィリシアがその書面をカナタに見せており、視聴者からはその文面は見えなかったのだが、これがもし漢字(イデア文字)で書かれていたなら、漢字は表意文字であるからカナタのように「……カク……ニンニンム?」などと読み上げるはずはない。つまり、あの令状には何らかの表音文字で「ホンエイチョクツウコウドキンキュウヒジョウジタイヨウシレイデンタツカイセンホシュカクニンニンム」と書かれていたはずなのだ。あり得ないくらい読みにくい。そして、それは間違いなく日本語である。……なぁ、この世界の文字はどうなっているんだ? |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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