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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 月に一度のゆかりんアワー、「刀語」待望の第2話。2話目になれば少しは雰囲気が変わるかと思ったが、流石にそんな甘っちょろいもんじゃござんせん。相変わらずドラマCDもびっくりの台詞量です。

 2話目ということで、今回は七花ととがめの関係性の変化が1つの見どころとなる。前回ラストできちんと主従の関係を契った2人ではあるが、七花が浮世離れしているため、なかなか「教育」もままならない。主人と一般人の区別も付かぬ七花には、とりあえず色形、臭いや味までを駆使して、必死で差別化を図るとがめ。彼女のあまりに嘘くさい髪の毛を全身に巻きながら丁寧に味わう七花はどう考えても変質者なのだが、絵柄自体が淡泊なのであまりインモラルな雰囲気を醸し出さないのが良いのか悪いのか。キャラクターデザインと演出の方向性から考えて、あまりそっち方向の味は際立たせない作品作りになってはいるんだろうね。もちろん、だから悪いというわけではなく、最後の最後までどこまで本気でどこまで冗談なのか分からない2人の関係性は、端から見ている分には愉快である。今のところとがめの方だけが顔色を赤くしたり青くしたりしているわけだが、いつか七花の方からとがめに意識を向けてくれることがあるのだろうか。

 そして、今回もう1人の主役となったのが、因幡藩主、宇練銀閣。前回登場した刀所持者、蝙蝠がエキセントリックでアクの強い人物だったので(とがめの言葉を借りるならば「七花よりも明らかに目立っていた」ので)今回の敵は流石に喰われるかと思ったのだが、これがなかなか良いキャラクター。対決のテーマ自体が「守るべきもの」というなかなかシリアスなもので、その中できちんと「武士」のひな形を守りつつ、短時間で魅力を発揮できるだけのキャラクターに仕上がっている。七花も普段は飄々として適当なキャラクターなのだが、こういう懐の深いキャラと対峙してきちんと「剣士」としての矜持を見せてくれるだけの器はある。各々のキャラクターの思考プロセスやイデオロギーにブレがないので、対人関係は非常に見やすいものに仕上がった。

 そして、おそらく作者と制作チームが最も気を遣っているであろう、戦闘シーン。なんだかんだ言って月に1冊の本、月に一本のアニメで、戦闘シーンはたったの1度だけ。そこに全てのアイディアと労力をつぎ込まなければ、「戦国絵巻」としてのこの作品は成り立たない。今回は「超高速の居合い」という非常にシンプルな武器を持った相手であるが、多分西尾維新のことだから、「るろうに剣心」などの剣客もので「結局シンプルな技が一番強い」という理念はあったのだろう。噛ませ犬となった白鷺の貴い犠牲もあり、「零閃」と呼称される居合いの存在感はなかなかのもの。流石にラストステージでソニックブーム連射VS上からなら大丈夫じゃね? という対決姿勢はやや拍子抜けの感はあるが(そもそも虚刀流の真髄とか言っておきながら単に飛んだだけってのが釈然としないが)、刀VS徒手空拳のタイマン勝負としての落としどころはこれくらいだろうか。どちらかというとその前の体裁きで居合いを避けるシーンの方が見応えはあったかね。そもそも、出会い頭の零閃を喰らいながら、相手の挙動を見てから動いてとがめを救った七花の動きの方が明らかに速いのであるが。

 とまぁ、今回はバトル要素とそれを見せるシーンがそこそこ多かったので(放送時間を見ていたら、銀閣と出会ったのがちょうど30分目くらい)、前回のような怒濤の会話劇は少なかったのだが、それでも道中の砂漠に座っての長話はやはり凄い。歩いていればまだよかったものを、何故か決め台詞云々のくだりになると、2人は砂漠に座って話を始めてしまう。延々動かぬ背景に、延々変わらない二人の位置。あり得ない構成のはずが、やはり会話の無茶苦茶さを注意が行くのであまり気にならない。卑怯な作品だなぁ。いや、面白いんで文句はないんです。

 さ、今回も当然キャストの話。まず、脇から埋めていくと短いながらも「逆さ言葉」を流暢に使ってみせた白鷺役の羽田野渉。原作を読んでいないので結局彼が何をしゃべっていたのかは分からずじまいなのだが、あの台詞、実はとんでもなく労力を要するもの。次回予告でとがめが「無理に決まっとろーが!」と叫んでいたが、普通の人間は、逆さになって単語、文節が意味を成さなくなった文章など、普通に発話できるはずがない。それをさも「普通の日本語である」かのように普通の抑揚でしゃべり、それが何となく通じてしまいそうになるほど自然に聞こえるというのは、かなり中の人が練習した証拠であろう。しかも彼の出番はここだけだったし……こんなアフレコ、もう2度と無いと思いますよ。

 そして一国の運命を全てその背に受けて座り続けた剣客、宇練銀閣役には、久し振りに名前を見た気がする、宮本充。やっぱり彼の声には色気がある。「気位だよ」という彼の「口から出任せ」に込められた信念の重みを聞け。もっと色んなところで耳にしたい役者さんです。あとは七花役の細谷佳正だが……そりゃ、一ヶ月であんまり変わらないよね。ところどころ棒読みになって気になる部分があるんだよなぁ。七花が唐変木だから救われてる部分はあるけど、今後難度の高い演技を求められた時に大丈夫なんだろうか。

 そして当然、今回もおそらく全力全開、とがめ役の田村ゆかり。やっぱり彼女は何かを持ってますね。ある意味反則ではある。「ちぇりおー!」の説明のくだりで「私は九州にゆかりなどない」みたいなことを言っていたのだが、その台詞を福岡出身のゆかりさんが言うのは高度なギャグだったのだろうか。一瞬だけ油断して飛び出した「もん!」の破壊力がやべぇ。ゆかりんボイスで日本がヤバい。

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 ようやく制作がガイナックスである意味が確認出来た第5話。まぁ、単にガチャガチャの中身の話だけですが……日向マコトのフィギュアってあるんだろうか。出てきても本当に誰も得しない気がするぞ。

 まず、今回のAパートは二重尾行のお話。二重尾行というと個人的には「ハンター×ハンター」なわけですが、今回は桜先輩が割とあっさりしてるのでそこはオチにはなりません。どちらかというと、つっちーの日常が本当に本当に単なる駄目な若者だったのが見どころかもしれない。ゲームやり続けて気付いたら12時っていうのもアウトっぽいが、そのまま(おそらく)寝ないで外出して、子供じみたガチャガチャに無駄金投入。ファミレスでウェイトレスを視姦、その後コンビニでエロ雑誌を立ち読み。そりゃぁ、駄目な大人だ。そして昼過ぎから外出してちょっとファミレスとコンビニに寄っただけで夕方になるという無駄な時間の使い方も凄い。そんなにぶらぶらするくらいなら家でゲーム進めた方がなんぼか生産的だ。夕暮れの公園で黄昏れて「社会人の日曜日なんてこんなものかなぁ」って、絶対に違うと思うぞ。いや、当方毎日がエブリディなんであまりよく分かりませんが。

 それに比べて幼稚園児たちのみなぎっていることと言ったら。まず、我等が柊師匠のコスチュームがどこぞの小学生探偵。サキエルを引き連れたセカンドインパクトは制作会社繋がりでセーフ、魔方陣から手が伸びるイシュヴァール殲滅戦は監督繋がりでセーフなのだが、その蝶ネクタイの人はあまり繋がりが無いですよね。いいんでしょうか。そして、主犯格の杏はというと、勝手な浮気(?)の妄想にやきもきしつつも、つっちーの「男の子」な振る舞いに寛容な姿勢を見せる。ここまで許してもらえるんだったらありがたい恋人じゃないですか。でも、流石にファミレスで一人で行って鑑賞会してる奴は不審者なので取り締まった方がいいと思います。

 残った小梅は尾行中はあまり出番がなかったのだが、代わりにBパートはようやくのお当番回。幼稚園児で初恋ってのはちょっとませ過ぎているような気もするのだが、意外と話には聞く現象だ。小梅が一目惚れしてしまったゆう君は、確かに意識せずに女性を引っかけられるナチュラルボーンすけこましの臭いもする。園内にもファンが多かったりして。そんな小梅のサポートをすべく、スーパー諜報員の柊師匠と、愛の伝道師杏の奇策が冴え渡る。小梅の全身全霊の「抱いてー!」に、つっちーが凍りついたのは分かるんだが、隣で柊師匠も凍りついてましたね。意味が分かってるのか、このエロ園児が! あれ? でも師匠だとあんまりエロい気がしない。ふしぎ!

 今回は当然エンディングも小梅。園児声で歌わなきゃいけないので節もへったくれも無いのだが、MAKOの園児ボイスは何故か自然に受け入れられてしまう。映像も相変わらず良い雰囲気だったし、この作品のクライマックスはいつでもエンディングにある気がするぞ。「キグルミ惑星」を越える回があるかな? 

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 ピカチュウの影響力というのがいかに大きいかが確認出来る第17話。この17話は最速で放送されるサンテレビが何故か1週休んで16話の再放送をするという謎過ぎる対応をしたことで様々な憶測を呼んでいたが、どうやら作中にテロップが出た「ピカチュウフラッシュ」の影響が問題だったようだ。わざわざ先延ばしまでしてどんな対応をするのかと思えば、なんと単にテロップを入れるだけ。そりゃまぁ、いちいち作り替えてられないだろうけど……最初から気をつければいいものを。過去には「ふしぎ星のふたご姫GYU!」で、オープニングの色転換に規定違反があって差し替えたなんて事例もあるけど、今回のは結局放送してしまって良かったんだろうか。

 さておき、クフィーユの記憶が完全にデリートされてしまったお話。終始シリアスムードなのでこれまでとは全然雰囲気が違う上、「記憶がなくなった少女が悪の組織に知らず知らずのうちに籠絡され、最終的に敵の催眠で最愛の人の名前まで抹消してしまう」というコンセプト自体がNTR趣味の人間にはたまらないものとなっている。まぁ、この手の話の場合はどうせ最終的に記憶が戻って無事に帰っちゃうだろうことは分かるから、そこまで盛り上がるものでもないのだが。とにかく純真無垢な状態で敵組織と分け隔て無く接し、様々な感情の吐露を聞かされるクフィーユはなかなか興味深い。

 そして、ついでに明かされるリュビスとサフィルの過去。割とやっつけ気味の悲劇エピソードではあるのだが、脳天気だと思っていたリュビスにも一応辛い過去があったことが分かり、少しずつではあるがGソサエティにも厚みが出てきた。というか、現時点ではGTOの人間よりも敵側の方がよっぽど見ていて興味を引かれる。ガクトエルに対するサフィルやシェイドの姿勢についても気になる部分は多いし、コンビとコンビどうしの関係性も良いバランス。今のところシェイド・トーチ組もリュビス・サフィル組も政府側からの「転び」であり、リトゥーシャ・パウークたちも祖母を思っての意味のある「敵対」。この組織、GTOに倒させてしまって良いものでしょうかね。

 ぶっちゃけ、ここまで進行し続けていたのに14話では一見すると「心配しなくてもいいよ」という落とし方がなされていたクフィーユの記憶障害が一気に進んだのは驚きなのだが、まぁ、あんだけ寒いとこで瀕死になったんだから、それはそれで良しとしようか。ついでに女医の注入した「能力をおさえる薬」の存在もものすごく都合が良くて「その薬を軍事利用しろよ」とか思っちゃうけど、まぁ、そこもいいや。個人的には衝撃のラストシーン、ルージュで鏡に書いたアスクールの文字をあっけなく潰してしまったクフィーユが絶妙な後味の悪さでよろしかったです。ルージュってのは1期のエクレールたちの武器でもあったし、なかなか思わせぶりな道具立てではありますね。

 ただ、細かい部分でも気になったので書いておくと、今回クフィーユの長台詞が多かったわけだが、どうもしゃべる量が多くなると舌っ足らずなところが見え隠れしてしまう。中の人、合田彩はまだまだ新人なので致し方ないところではあるのだが、これまであまり気にならなかっただけに、発声の不備はちょっと勿体なかった。アスクールみたいにテンションで押せない分、ごまかしが効かないのが辛いところだ。まぁ、頑張れ。 

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○「ハートキャッチプリキュア!」 5

 これだけ必死にアニメをフォローしようとしているのに、ここ数年はプリキュアだけは見なかったのですよ。第1シリーズは少し見てたんだけど、途中でモチベーションが保たずにリタイア。そこから全シリーズ見ない方向で来ていたのは、多分テレ東系の番組の方を優先していたためだろう。流石に寝てる時間なので、2本3本と録画するのがめんどくさいんだ。

 で、今回も当然スルーしてたわけだが、なにやら随分面白かったという評判もあったので試しに視聴。……まぁ、面白いとかどうこういうよりも「わぁい! 馬越さんだ!」っていうだけなんですけどね。馬越嘉彦によるキャラクターデザインと、1話はさらに作監も務めており、全編がこれでもかというくらいに馬越テイスト。言い換えると、バトルシーンが「キャシャーン」で日常シーンが「おじゃ魔女」だ。それはつまり、面白いということだ。

 他にも、主人公が赤と青なので某おひさまの国のプリンセス達を連想させたり、変身シーンではハートをアンロックさせる某キャラを連想させたり、個人的には使い魔キャラの声が川田妙子なので更にハモニカ星国の王女様まで連想したり。色んな「朝の子供向け番組」のエッセンスが渾然一体となり、何となく賑やかな空気を作り上げている。1話ということで作画状態が実に素晴らしく、作品の勢いを押し上げる要因になってもいるだろう。総じて見れば、確かに食わず嫌いは良くないなぁ、と思わせるだけの出だしではあった。

 ただまぁ、作画による誘致要因ってのは破綻するのも早かったりするわけで、今後1年の長丁場を視聴し続けるかはまだ微妙。日曜の朝は現在「夢色パティシエール」と「クロスゲーム」の2本立てなので、「クロスゲーム」が終われば素直に見られるようになるとは思うんだけど。 

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 ストーリーとは全く関係ない中の人大爆発妄想で勝手に補完可能な第18話。新井里美&生天目仁美。業界最右翼の珍獣2名のコラボレーションははっきり言って奇跡の領域。そこさえ楽しめれば、ストーリーなんてどうでもいいじゃない。

 まだまだ続く脇道ストーリー、ここまで固法先輩にアンチスキルの鉄装さんなど、「アニメオリジナルで話を進めても原作本編に影響が無いキャラクター」にスポットを当てた話になっていたわけだが、その被害者はついに名前の分からない寮監さんにまで拡大。しかも、シナリオラインは本当にやっつけ仕事のどうでもいい話で、筋運びが陳腐なだけに前回の鉄装さん現実逃避エピソードよりもつまらない。もう、いっそこれだったらストレンジのエピソードをもうちょっと長めにやった方がマシなような気がする。一応黒子暴走回だからそこで客は集められるかもしれないけど……でも、2話で見せてくれたような異常性欲を動機とした暴走じゃないから、なんかキャラがぶれるんだよね。ジャッジメントのくせに「いつもいつも規則規則って……」と愚痴るのはどうかと思うし、いくら御坂の前だからっていない人のことを悪し様に罵る黒子はあんまり見たくないぞ。あと、佐天さんはレベル0な上に学業成績も悪いのか。ボランティア補習を受けなきゃいけないような成績(しかも少人数で)だとすると、本当にこの娘は何のために学園都市にいるのかと切なくなってしまう。

 とまぁ、冷静な目で見ればまったくフォローするポイントのないエピソードなのだが、寮監の中の人がナバであるという1点だけで、勝手に面白ポイントがガンガン出てくるのが声ヲタの邪道視聴。「コヨーテレディオショー」以来の、珍獣2人の饗宴だ。

 ポイントとなるのは、やはり今回のエピソードが結婚話を中心としたコメディタッチの話であるということ。「29歳行けず後家」役を演じる中の人は今年で33歳。数年前から本人が言っていた「子供を産む予定の歳」である。やばい、マジで焦る。今年の目標は「高嶺の花2010」です。もう駄目かも分かりません。

 そしてそんな寮監を揶揄する黒子の中の人は、まさに現在29歳。結婚願望とか……あるんだろうか。よく分からない。「こんな行けず後家とお見合いする方も相当ギャンブラー、罰ゲームの域ですわね」とは、果たして誰に向けた言葉か。いや、もちろんみっこは実に魅力的な女性ですが。そしてそんな2人のごたごたに振り回されるのは、こちらも今年で29歳を迎えます佐藤利奈。2人の暴走に終始ぽかんとしっぱなしで相変わらず主人公らしいところは欠片も無いわけだが、致し方ない。この2人を前にして、まともに仕切れる人間なんているわけがない。あとの若手二人は先輩芸人の生き様を見て今後のことを考えて欲しいです。ちなみに豊崎も伊藤も同い年で現在23歳。仕事に打ち込める余裕のある年齢ですかな。油断してたらあっという間だけどな!

 以上、「声優と結婚適齢期」という議題でお送りした今作、実はそんな中にもワンシーンだけ急にシリアスが入るというちょっとした伏線も。それは「チャイルドエラー」というあり得ない差別用語で囲われた子供達を見ての御坂の回想。たった1カットでも魂の籠もった木山先生の訴えを思い返すと、御坂さんも何か感じ入るところがあるようです。どうやらそのあたりに今後のメインストーリーが絡んでくるのかな。木山先生、早く出所してくださいね。ちなみに木山先生の中の人は、ご家庭があります。当たり前です。 

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 順番的にフィリシアさんの話かと思ったら、全然関係なかった第5話。黒いだのそこが魅力だの言われてたけど、未だに謎が多い人ではあるな。

 今回のミッションは「遠足」と銘打ったスパルタ訓練で、訓練の描写を通じて若手3人の絡み描くほか、「ノーマンズランド」と称される「世界の果て」の存在を伝えるのが主な内容。相変わらず謎がてんこ盛りなのは構わないのだが、なんだかシナリオラインもいまいち伝わらない部分があったのが気になるところだ。

 順に1つずつ見ていくと、まずは冒頭のタケミカヅチにのっての戦闘シミュレーション。5人とも随分真剣に訓練に当たっていたが、そもそもタケミカヅチって動けないんだよね。まぁ、他の戦車でもやることが同じならばあくまでシミュレーターとして使っていると思えないこともないが、ああやって定期的にシミュレーションで段取りを確認しているってことは、現在も何らかの「戦争」をある程度切実なレベルで想定しているということ。例えば何かの拍子で隣国との勢力バランスが崩れて急な抗争が起きるとか、そういうレベルの話のはず。その割には、この1121小隊は随分お気楽に見えるし、そもそも人員が足りない。もちろん、「隣国」ってのが「人間がいないノーマンズランド」なのだから、急な抗争になど巻き込まれるはずもないのだが。

 そして、この「ノーマンズランド」の存在自体も謎だ。公式ページの説明を見ると国境線とは崖を挟んで広がっているらしいのだが、「人がいない」なんて言わずに、開拓すりゃいいような気がするのだが。交通の便は悪かろうが、それなりに文化水準は高そうなこの世界、徒歩で見に行ける距離の広大な土地を野放しにしている理由がよく分からない。「戦争」があったのならまだ国力が回復していないので、まだそんな余裕がないという考え方もあるが、戦争とは関係無しに「ノーマンズランドは入ってはならない土地」みたいな通念があるようにも見える。「旧時代」と呼ばれる文明との関係も気になるところだ。

 そして、今回のミッションの内実も、なんだかぼんやりしている。表面的には単なる行軍訓練で、いじわるな先輩がハードなタスクを背負わせて後輩をいじめていただけのようにも見えるのだが、結局途中で食料とコンパスが無くなったのは誰の仕業だったんだろう。シナリオを見ていると、単にカナタが言ったような野生動物の仕業とも解釈できるし、こっそり付いてきたリオ、もしくは先回りで目的地についていたフィリシアあたりが難度を上げるためにわざと盗んだようにも見える(そもそも野生動物が食料をその場で食い散らかさずに持ち逃げするとは思えない)。ま、普通に考えたら後者が正解だと思うのだが、その正解をフォローするような描写が何もない。リオは山桃採りに夢中だし、フィリシアもゴールについた3人を見て荷物のことを問いただしたり、ペナルティを与えるということもなかった。だったらあの荷物は何だったのかと。リオの猪との対面も特に意味があったようには見えないし、そもそもノエルはコンパス云々以前に監視装置の位置を知っている気がするのだが(冒頭で監視装置がブラックボックスになっていて云々の話をしている)。なんだかすっきりしないストーリーであった。

 一応フォローもいれておくと、シナリオ上のもやもや感とは関係なしに、カナタ、クレハ、ノエルの3人の絡みはなかなか面白い。特にノエルが川遊びに乱入した時の「一応……」って台詞はいかにも彼女らしい。物言わぬ監視装置(これも謎だらけだが)に対して思わず敬礼してしまうクレハも、性根の真面目さがよく分かるし、相変わらず聴力で何でも解決出来る主人公のチートっぷりも堂に入っている。このノリの良さを、何とか本筋と絡めて有効利用して欲しいとは思うんだけど。

 結局、毎回エピソードの合間に「シリアス展開になるの? なるの?!」と思わせておいて結局ならないもやもや感が延々続いている状態。もう気付けば折り返し点も近いんですが、本当にこのシナリオは一つにまとまるんだろうか。期待しつつも、なんだか不安はつのります。 

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 千和の立ち位置に微妙な違和感を覚えてしまう第5話。料理が出来なくて悪戦苦闘するワガママお嬢様なんて千和のホームグラウンドだったはずなのに、気付けば今はそれを見守りつつ料理を教える側の役。確かに最近料理はそこそこ出来るようになってるみたいだしねー、アラサーだしねー。今のあおちゃんは千和のデビュー当時と同じくらいかぁ。

 さておき、これまでしっかりと主従の関係を強めてきた暁とミナの間に、初めて暗い影がさすお話。そして、その間に立って微妙な立ち位置となっているのが、千和演じる由紀である。彼女は暁に対して幼なじみ以上の愛着を持っているのは間違いないのだが、それがミナの登場によって実らない危険性が出てきた。その上で、彼女はミナに対しても優しく接しており、ラジオでしつこく言われてきた通りの「理想的すぎる女性像」であることが伺える。ミナの方もそれは甘んじて受けているし、孤立しがちな学園内において、唯一暁以外に接してくれる由紀に対してはそれなりに心を開いていたようなのだが、指輪を巡る一件のおかげで、一転恋のライバル。さらに暁の立場が気に入らない吸血鬼軍団や、政府とバンドの対立、そしてそれに対するミナの報復措置など、暁は次第に「ヒト」と「吸血鬼」の間、つまり「由紀」と「ミナ」の間で板挟みの状態へ。平気でベッドに転がり込む半裸の幼女姫と、体育倉庫で濡れそぼった裸体で迫る幼なじみ。さぁ、どっちを取る?

 ミナ姫は今回、数学の証明問題をあっさりクリアしつつも調理実習がからきし駄目というギャップを見せつつも(まぁ、味が分からない吸血鬼に料理をやれっていうのが無理な話だが)、政治屋パートでは相変わらずの手練手管。ただ、国の利益を優先させない総理大臣という、ある意味非常にリアリティ溢れた存在が登場したためにこれまで積み上げてきた「政策」にもストップがかかり、ついに「化け物らしい」きつめの手段を採らざるを得なくなった。このあたりの机の上の駆け引きと荒事のバランスってのは、やはり政治家の才覚の1つということか。メイド部隊に出番が出来たのは良かったが、暁の存在を考えると、なかなか苦しいところである。

 今回も作画面では決して褒められたクオリティにはなっていないのだが、強めのシャフト臭のおかげでその省エネっぷりも何となくごまかせる仕上がり。色々とふざけた画面が多く、特に調理実習中の「かき混ぜられたボウルの中の卵視点」というあり得ない構図はなかなか刺激的。他にも最近シャフト作品で多用される画面の押し引き(ズーム)や、無駄に合わせた口元アップのリップシンクなどが多めに使われ、作画枚数の少なさを何とか誤魔化すことになっている。もうどんな作品でも登場する「絶望カット割り」もお約束だ(でも、今回は「カッ、カッ、カッ!」っていう三段割りじゃなくて2発で止まってたな)。構図が決まってるシーンだから流用が楽なんだろうね。

 他にも、シャフト+ストーリーものといういささか不協和音じみた組み合わせのせいでどこかいびつになっている部分がかえってギャグっぽく見える部分もあって、教室のシーンでは机などの背景にはいつも通りのコピー並べが使われているのに、クラスメイトの顔だけはそれなりに描き込まれている。これで「ひだまり」なら単なる影で描かれる部分だし、「絶望先生」なら名前や「生徒」などの文字を書き込んで終わりの部分。流石にそうした省略手法はこの作品のテイストにそぐわないために「普通の作品」のように全員の顔を作っているわけだが、中には明らかに高校生には見えないようなおっさん面の奴もいて笑ってしまった。隅から隅までこの作品のテイストで充溢させるのは結構手間だなぁ。 

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 アイキャッチでのジモッティさんとの夢の共演に何となく心躍る第4話。別にどうでもいいキャラクターなのだが、原作でもやたら存在感があったのは、多分ウメスが普段あんまりリアル系の造形を描かないからだろうね。そういやウメスがここ2話ばかり出演してないな。コミックス5巻の作業で忙しいんだろうか。

 今回は、これまでと異なりAパートBパートが両方とも新年の話で、新入生コンビも出ずっぱり。これまでは小刻みに去年の分の回想エピソードを挟んでいたためにどうしても細切れになっていた印象が強かったが、ようやく「新しいひだまり荘」をゆっくり見られた気がする。まぁ、どうしても1話分のシナリオとしては短いため、要所要所でテンポが悪くなってしまっているのが気になる部分ではあるのだが。せっかくのシャフト作品なんだからあまった尺はおふざけに使えばいいと思うのだが、今作はそうした「余剰パーツ」は本当に少なくて、何故かいちいちキャラクターが歩く描写を間延びさせて埋めるという、あまり感心できない手段で引き延ばしを行っている。もう少しコンテ時点で見直してくれりゃいいのに。

 でもまぁ、今回はオリジナル要素の絡め方などもそれなりに有意味であり、新年エピソードの中では一番楽しめたと思う。アイムホームに出かける原作準拠のエピソードはそのままでその中に自然なオリジナルエピソードを挟み込んであるので、原作では見えにくかった新入生が次第に打ち解ける様子が垣間見える。また、道すがらゆの達に吉野屋先生のことを話して聞かせる乃莉とか、いかにもありそうな普通の会話が何とも「ひだまり」っぽい。また、オリジナルという点で気に入ったのは、新入生にご飯を食べさせるために、ゆのが自室からテーブルを持ってくるワンシーン。これまで原作中では具体的に6人がまとまって食事をするシーンは歓迎会以来描かれていないが(カニチャーハンのエピソードは多分そうなんだろうけど)、どうやって6人が同じ席に着いていたのかをさりげないゆのの気遣いで演出したのは面白い。

 そしてきちんと顔を出している大家さんと、ようやく現れたアニメオリジナル伏線とおぼしきトマトの苗、校長のまねをして相変わらずどつぼにはまる吉野屋先生、さらに本当にどうでもいいことでデレる夏目の極端な様子など、オリジナル要素が浮かないできちんと日常に含まれているのは評価すべき点だろう。だんだんこのテイストにも慣れてきたので、このまま練度を上げていって欲しいもんです。

 そして前回のオープニングに続き、今回はエンディングが「正式版」へ。前作、全前作に比べると具体性が高くて「らしさ」という点では微妙だが、オープニングが4人歌唱だった分、新入生にスポットを当てた爽やかな画面に仕上がっているのは良い。ようやく、これでこのアニメも一応の「完成」かね。

 新入生といえば、流石にここまで来たら「なずな氏の中の人も特に悪い部分は見られないね」ということは書いておかねばならないだろう。むしろ、小見川千明は過去2本の出演作でなんであんな音域の役を回されたのかが謎である。どんなオーディションの応対をしてたんだろう。そして乃莉の中の人は、相変わらず地声の気配が全くしない。これまで何作か見てきたけど、原田ひとみの場合は地声が一番アニメっぽくて現実感に乏しいな、ハラダチャーン。そういえば、ひだまり荘って某ピュアな紳士の社交場とキャストが3人も被ったのか。 

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 オープニング中に入るダイジェストの構成の妙に感心してしまう第5話。これまでも随分すっきりとその回の勘どころをまとめてくれるな、とは思っていたのだが、きちんと既知のエピソードからの引用だけでその回の復習が出来るように構成するってのは、結構神経を使う作業。やっぱりどうしても視点が散漫になってしまう構造を持つだけに、そのあたりには気を遣っているようです。

 今回の語り手は、1話からストーリーに絡み続けている紀田正臣。彼のキャラクターは一貫して「軽い」「適当」というスタイルが貫かれており、濃いぃ面子の集うこの池袋では陳腐なイメージもあったのだが、今回のエピソードで自ら信条を語るに至って、ようやくその内面が見えてきたようである。実際、彼は軽薄だ。嘘みたいな女性観を持っているし、それを臆面もなく体現できる神経の図太さは生来のものであるだろう。しかし、どうやらその裏側に真っ正直な芯が通っているのも事実なようで、今回は親友の帝人に対する接し方に常に神経を払っている様子がよく分かる。どうやら「黄巾族」と呼ばれるカラーギャングとの因縁もあるようだし、薄っぺらいと思っていたキャラクターに少しずつ肉付けされていくのを見守るのはなかなか面白い。

 また、今回のエピソードで紀田を語り手に選んだのは、紀田自身に対する掘り下げもあるだろうが、帝人と園原を加えた3人の青臭い高校生青春視点を描くのに最も適した人材だ、という理由もあるだろう。園原が行方不明になった(元)友人について語るシーンと、それに対して帝人が初めて主人公らしいはっきりと意味のある返答をするシーン。この2つの場面は、はっきり言ってかなり臭い。園原の淡々と自分を語りながら過去を振り返る様子はちょっと現実感に欠ける奇妙な情景であるし、それに対してきっぱりと拒否、提言を行う帝人の態度だって、いかにもお話的で何とも馬鹿馬鹿しいシチュエーション。言い換えれば「ラノベ的厨二臭」がする。しかし、こうしたこっ恥ずかしいシーンであっても、それを見ている紀田が元々飄々として、責任感の薄い態度を一貫して示しているために、何となく飲み込めてしまうくらいのレベルにまで落とし込まれる。一見すると子供じみて見える紀田の態度も、実際は帝人や園原といった「友達」を的確に見守る優れた観察眼と判断力によって成立しているものであると分かるわけだ。原作ままなのか、それともアニメの脚本で考えられた構成なのかは知らないが、この配役はなかなか面白い。

 そして、そんなハイスクールライフ以外にも様々な不思議がまたもあふれ出す池袋の街。セルティは切り裂き魔に出会い、帝人のクラスメイト、矢霧はストーカーに追いかけられた過去を持ちながらも謎の女性と逃避行。「池袋最強」を追い求めるレポーターに、チャットに現れた危険な参入者。そうそう、紀田との思い出を抱えた病院の少女なんてのもいる。臨也はあれだけガミガミ言われたのにまた平気で池袋に来てるのかな。

 前回までは収束気味かと思っていた群像劇が、再び拡散し、ファクターをちりばめる。この緩急の付け方は視聴者としてはありがたい。次はどこに視点が向くのか、池袋はどこから切り取られていくのか。良い感じで次も楽しみです。

 それにしても、首がないのに何でセルティは色っぽく見えるんだろうなぁ。 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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