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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「黒執事Ⅱ」 5 え〜と……これってつまり、「喰霊-零-」状態と捉えていいんですかね? 前作をろくすっぽ見ていなかったので状況がいまいち把握できていないんですが……こりゃまた、なかなか手の込んだことをしたもんだ。 冒頭、タイトルの通りの「黒い」展開に、「おぉ、今回は結構ダークに攻めてくるじゃないか」と感心した。オープニング映像も実に気合いが入っていて雰囲気が出ていたし、アロイスの発揮する「黒さ」はストレートながらなかなか衝撃的。メイドの目を潰し、親戚の叔父に対しては表面を取り繕った後に罵詈雑言を叩きつけ、さらに金をばらまいてその浅ましさを笑い飛ばす。裏表の激しいショタキャラとして、きっちりキャラ立ちしている良い幕開けである。 そんなアロイスの横に寄り添っている執事のクロードについては、基本的に前作の主人公であるセバスチャンと大きく変わりはない。超人的な能力でもって主の望みを全てかなえてみせる手際は人智を越えているし、眼鏡の着脱やタップダンスなど、実質的には何の意味もない「形」から実際の働きに移る阿漕さは、苦笑いものだが理解はしやすい。「今回の執事は微笑すら浮かべない鉄面皮で、物語になるのかなぁ」といらぬ心配までしてしまった。 しかし、そんなアロイス邸を訪れた謎のマント男(まぁ、声で丸わかりだが)が、全てをぶち壊した。「Ⅱ期はアニメオリジナルキャラを主人公にして新作をやります」というアナウンスに、それに伴った宣伝とPV。ファンはどんな心境でこれまでの広報活動を見守ってきていたのだろう。セバスチャンは、やはり悪魔であり、そんな視聴者達の心構えを打ち砕くことしか頭にないようだ。もう、これで来週以降はアロイスのアの字も出てこないってことですか? そもそもシエルとアロイスの関係性はナニ? もう訳が分かりませんが、「何となくかつがれた」ことだけは理解出来ました。くそう、小野Dめ。 ただまぁ、上記のように、個人的には前半を彩ったアロイスたちの雰囲気の方が好み。前作はダラダラ見ながら次第にフェードしてしまったのだが、その理由は、この作品全体を取り巻くユーモアが全く受け入れられないということである。一応シエルとセバスチャンの2人だけのお話なら見守ることも出来たのかもしれないが、他の使用人とか、回りを取り囲む面々が、微妙にギャグ寄りになっているところがちょっと合わない。今回の話でいうなら、しかつめらしい顔をしたセバスチャンが食事を運ぶキャリアーにのって逃走するというシーンがあったのだが、ああいう「真顔で間抜けなことをするイケメン」という図式があまり面白くないのである。今期も結局前回と同じなのかねぇ。まぁ、原作準拠で行った方がファンは嬉しいとは思うのだけど……「喰霊」の1話のサプライズとは違って、今回は「単に目先を変える」という役割のためだけの不意打ち1話である。労苦に見合った反応が得られればいいんだけどね。 作画は並(カクカクした動きがいくらか見て取れたので、1話としては微妙な方?)、演出は中の上。岡田麿里の手による脚本は信用したいところだが、結局はどこまで行っても腐女子向け。受け入れられるかどうかは、微妙なところだ。せっかく水樹奈々のショタ役を堪能できる作品だと思ってたのに…… PR 後戻りは出来ない、第11話。弥一の過去に肉薄し、思い悩む政之助。悩むのは結構だが、遠慮無く聞きづらいことを聞いてくる空気の読めなさは、既に野暮を通り越して勇気とすら言える代物になっているぞ。 「五葉最後の仕事」として、旗本の息子のかどわかしが行われた。政之助はこれまでなんだかんだ言いながらも五葉を「義賊」であると認識していたわけだが、今回の件については弥一の意図が見えない。訝しがりながらも取引現場についていくと、ターゲットである旗本の息子は身代金の支払いを拒まれ、見捨てられてしまう。 「嫡男ではないから切ってしまえ」という家の意向を知り、五葉の面々はそれぞれ苦い顔になるが、弥一だけは奇妙な反応を見せる。薄汚い真実を人質に叩きつけ、今まで見たこともないような、自嘲的な高笑い。流石の政之助もその裏の意味は感じ取れたようだ。今回のかどわかしは、そんな人質の身の上を知ってのことだったのだろうか。暗い部屋の中で、真実を問いただす政之助。無遠慮な質問はこれまで通りのはずだが、その質問が、遂に弥一の古い傷に触ってしまった。激昂した弥一と、額から血を流しながらも哀れむような目を向ける政之助。ここに来て、コントロールする側とされる側が入れ替わってしまったような状態だ。 弥一を巡る状況は、更に加速する。ついに過去の仲間にその所在を突き止められたのだ。憎き誠之進に襲いかかる過去の仲間、仁。事情は分からないが、政之助は初志を貫くべく、弥一の護衛の任を果たす。過去の「誠之進」が今は「弥一」である。それを知った仁は、きっちり片を付けると残して姿を消した。 弥一の過去、それは、仲間を繭一つ動かさずに切って捨てたというしがらみ。けじめとしては正しい判断かもしれないが、義理で渡世を渡る世界では、その選択は許されるものではない。「誠之進」の血塗られた過去と、現在の「弥一」の歪んだ欲求の現れである「五葉」。最終的に、誰が何を償えば終わるのか。物語は混迷を極めている。 今回はいつもに増して画面が暗い。それもそのはず、毎回毎回重たいエピソードが繰り広げられるこの作品の中でも、中心に居座る弥一の物語なのだ。金の問題や義理の問題など、全てを片付けることが出来た梅や松吉たちが心配する中、弥一の表情は明るくならない。そして、そこに突っ込める人間といえば、政之助くらいのものであった。今回のマサは本当に積極的に、しかもピンポイントで核心ばかりをつく。基本的に鈍くさいのに妙に勘の鋭いところもあり、それを支えている人間性が基本は純なのが質の悪いところ。弥一はこのマサの「魔の手」から逃れることが出来るだろうか。 そして、今回はこの作品にしては珍しく、割と明示的に「動き」をみせた回でもある。もちろん、政之助がブン殴られるシーンとか、弥一が襲われるシーンなんかの具体的な「接触」部分は相変わらず画面には現れないのだが、独り高笑いしたり、政之助をにらみつける弥一は普段の鷹揚な態度とは打って変わって直情的な描写になっている。流石に、そろそろ上っ面で処理出来るレベルを超えているということなのだろう。また、画面上のメリハリも今回意図的にビビッドになっている部分で、顕著だったのは弥一襲撃シーンの闇夜に光る匕首の銀色。本来ならば灯り一つ無い夜道のこと、どれだけ研ぎ澄まされても刃物が反射するはずはないのだが、弥一を襲撃した仁の迷い無き意志がその輝きに現れ、それが画面の上に横たわることで、「弥一が襲われる」ことの大きさが嫌でも感じ取れる。やっぱり、最後の最後はこの作品は「刃物」がものをいう世界だね。 次回は最終回。まさかのネコによる次回予告は腰が砕けたが、弥一は、五葉はどんな末路を迎えるのか。要注目でございます。
「荒川アンダーザブリッジ」 5→4
難しい作品だったとは思う。ロケーションがずっと橋の下なので画面の変化が非常に乏しい上に、会話の中身をネタにする場合が大半なので、キャラクターの動きを見せるでもない。そうした作品をアニメにして画面映えさせるというのは、生半なことではない。だからこそ、この作品はシャフトがアニメ化したともいえるだろう。 しかし、結局根本的な問題は解決していなかった。最初のうちこそエキセントリックなキャラクターの掛け合いを楽しくみられていたのだが、次第にそうした刺激にも慣れてしまう。なまじストーリーものとしての側面を打ち出そうとしてニノとの恋愛模様やリクと親父の対決ストーリーを中軸に据えてみても、それまでの消耗品的な、散逸した笑いの流れとの相性が悪く、どうにもとってつけた感が否めない。最終的には、そうしたちぐはぐな側面ばかりが目についてしまい、いまいち楽しむことが出来なかった。どこかでこの作品について「イカれたキャラクターさえどんどん出してればいいと思ってる」と評価しているのを見たことがあるが、辛辣ではあるが真理だろう。 もちろん「シャフトだから」とか「シャフトなのに」という風に先入観をもって見るのはあまり良くないことだとは思うのだが、企画としての骨子はやはり「シャフトでなければ出来ないスタイル」というものを求められてのものだったと思えてしかたない。そこにこうした「無難な」演出スタイルを見せられると、肩すかしを食らった感じになってしまう。「ひだまり」でも同じような感想を書いたが、あちらは原作がそもそも「空気系4コマ」なので「無難な」スタイルでも食い合わせは悪くなかったが、こちらは勢いで押さなければいけない純正のギャグマンガだろう。となると、毎回笑いを生み出すためには、どうしたって変化は必要だ。にも関わらず、演出段階でそうした変化を否定してしまっているために、少しずつ面白さは消えていくことになってしまった。責めるのは酷な話ではあるが、やはり、期待に応えたとは言い難い。もう少し脚本部分でそのあたりの「慣れによる失速」を計算できていれば、コントロール出来た部分もあると思うのだが。 評価出来る部分というと、まずは山本沙代によるオープニング映像。エンディングもなかなかだが、やはりオープニングのあの独特の雰囲気は特筆すべき部分。大沼心や尾石達也、龍輪直征と、やはりシャフトはこのあたりの仕事には一家言あるらしく、チャレンジングな仕事ぶりが好印象。そして、流石にしつこいからもう触れなくていい気もするキャストの話。「千和とみゆきちさえいれば、世はことも無し」。あ、ニノ役の坂本真綾もいい仕事でした。
○「RAINBOW 二舎六房の七人」 6
よみうりテレビ名物、視聴者泣かせのワンクールずらし放送。「君に届け」が終わったので、次はこの作品が1クールずれてスタートです。もう、新番組でも何でもありません。ただ、どうせこうなるだろうことは予想が出来ていたので、春先に放送が開始されたときにはネット視聴などをせずに待つことにしていた。本放送があるなら先に見ちゃうとモチベーションが下がるからね。 で、1話目をようやく見ることが出来たわけだが、これは実にストイックな作品。原作がそうなってるんだから当たり前だろうが、昨今の風潮である萌えなど欠片もなく、野郎ばかりだからと言って腐った臭いもしない。いや、確かに1話目から野郎共がケツの穴にガラス棒を突っ込まれるんだから見ようによってはものすごいネタではあるのだが、この作品は、そうした茶化した見方を許さないだけの威圧感がある。終始薄暗い中で展開していく、本当にむさ苦しい、男と男の饗宴。この歓迎したくない絵面がきちんと視聴者の目を引き留めておけるのは、それだけの覚悟と、作り込みがあるから。ゆっくりと、だが確実に伝わってくる「房」の雰囲気は、それだけで他作品では得難い独特の空気を提供してくれている。脚本には高屋敷英夫がクレジットされているし、そうそう大きなはずし方はしないはずだ。 あとはこの後のシナリオ次第、といういつもの無責任なまとめ方になってしまうが、何せ「房の」いうタイトルがついているだけに、今後もずっと薄暗くて狭い世界がベースになると思われる。そんな息苦しい世界を舞台にして、視聴者を飽きさせないだけのドラマ作り、画面作りが出来るかどうかの勝負だ。ファーストインプレッションは上々なので、一応楽しみにしたい。 そして、そんな男の花園を彩るのは、声で説得する色男達。まだキャラクターの名前も覚えてないので中の人名義で失礼するが、やはり小山力也と黒田崇矢の持つ空気はすさまじい。他は知らない名前もちらほら見えたが、紅一点(?)の朴璐美ねぇさんとか、トチ狂った看守役の石井康嗣とか、インパクトのある面々が揃っております。そして、個人的に痺れたのはナレーションを務めるめぐ姉さん。林原めぐみは最近ではポケモンとコナン以外では一線を退いているイメージがあるのだが(まぁ、その2作の顔というだけで一線以上だが)、ここでは本役無しのナレーションのみという起用に、実に見事に応えてくれている。重苦しく押さえ込んだ「読み」による昭和の地の底の演出は、この人の持つ「声のパワー」みたいなものを存分に味わわせてくれる。うーん、すっかりベテラン。
最終回? な最終回。まぁ、2期が確定してたみたいだし、ここで無理矢理最後っぽい雰囲気を出すこともないんだろうけどさ。それにしたってやりようがある気がするんだが。
Aパートは、これまで紹介されてこなかった珍奇な荒川住人にスポットをあてる。具体的には美容師のラストサムライと、謎のカップル、ビリー&ジャクリーン。見た目にはこれまでのどのキャラクターたちよりもぶっ飛んでいる面々なのだが(まぁ、村長も凄いが)、結局わずか15分の登場では、なかなか面白さも伝わりにくい。というか、面白いのかどうかもよく分からない。 ラストサムライは容姿のおかしさとそれに反する普通っぽさのギャップを狙っている部分があるんだろうが、それにさらに「やっぱり根本的におかしい」という要素を足し合わせようとするとややこしくなる。結局トータルすると星とかシスターみたいな既存のキャラの対応のおかしさの方に目がいっちゃうしなぁ。まぁ、日本がパラグアイに負けた直後に「サムライブルー」とかいうネタが食い込んじゃったあたりが奇跡的ではある。 かたやビリー達カップルだが、こちらは容姿のおかしさが基本的に全て。会話の内容もおかしいっちゃぁおかしいのだが、それでも散々ここまで奇人変人ばかりを見せられてきたので、ちょっとやそっとじゃ驚きやしない。やっぱり最終話でまとめて登場してきた意味がわからんなぁ。 Bパートは、さらに最終回っぽさが薄れ、子供達を手製の遊園地に連れて行くお話。先にアトラクションの名前を出されてしまうと大体オチも予想出来るという、よく言えば平常運行。悪く言えばマンネリ。今週になってようやく気付いたのだが、鉄人兄弟って「施設に対して異様に怯えている」っていう特徴以外は普通の子供なんだよね。村長のこだわりっぷりと、ぶっ飛んだシスターの「絶叫」観あたりはそれなりに面白かった部分だろうか。結局、遊園地について何も解決を見いだせなかったリクだったが、一体1人で何をしようとしていたのでしょう。 そして、最後のCパートにはよく分からない新キャラ(CV小林ゆう)が登場して,特に何もせず。さらに、宗教の勧誘のようなリクとニノの掛け合いがあってエンド。もう、訳が分かりませんでした。出来ればあの意味の分からないリク&ニノパートはない方がすっきりするんだけどなぁ。 最終回まで結局よく分からないままで終わってしまいました。今週はアバンのリクが荒川の面々に思いを馳せる映像が気合いの入った作画で期待を持ったのだが、結局いつも通りだった。この作品、何だったんでしょうか。
#25 Collateral Massacre
別に新番組でも何でもないのだが、せっかくテレビ放送されたので触れておきたい。「クェイサー」が終わって「来週のこの時間はBLACK LAGOONを放送します」って出たときには「何でこんな半端なタイミングで?」と、てっきり再放送が入るのだとばかり思っていたのだが、なんとOVAが出るのでその宣伝のための先行放送だった。そして映像化されるのはなんとあのロベルタ編である。こいつはすげぇ。サンデーGXなんて読んでなかったから全然知らなかった。 まぁ、正直言うと、「5巻までの内容を2クールでやってるんだから、3巻以上続いたロベルタ編をOVA5本で描ききれるわけないだろうに」とは思う。今回放送された1話目も、冒頭の事件の発端部分がまるで切って詰めたような急転回で、かなりキツキツの内容であることがはっきり分かってしまうのが難点。この作品は台詞回しが独特なので、普通の間尺で掛け合いをやられると何がなんだか分からなくなりがちなのが、尺のきつさに拍車をかけている。そして、個人的にはあそこのラブレス家家訓のシーンは本作屈指の名シーンだと思っているので、もう少しじっくりと、腰を据えて描いて欲しかったもんだけど。まぁ、台詞などは極力そのままになっているみたいだし、製作側の苦労が伺えるので許せる部分ではある。 あとは後半のメイド大活劇シーンですかね。ファビオラの慇懃無礼な態度から、一転しての銃撃戦の大騒動まで、実に賑やかで、何も考えずにぶっ放す、いかにもこの作品らしい見せ場。「散弾片手に大見得を切る少女メイド」っていうおかしな絵面が何故か夜のイエローフラッグに溶け込んでいて、何とも奇妙な説得力があるのは面白い。 その他のシーンでは、相変わらず蒸し暑いロアナプラの空気感がよく出ているのは既存のシリーズ通り。熱帯のむわっと暑い雰囲気の中にも、レヴィとロックの間には日本の湿気を思わせる一筋縄ではいかないドロリとした感情が横たわる。ロックが雪緒の写真を見せるくだりは原作で挿入されていなかったオリジナルのシーンで、アニメ版では日本編との繋がりをロックの心情を形成する一要素として、早くからフィーチャーする方向にあることが分かる。日本編も印象深いエピソードだし、おそらく今回の物語を十全に描くことが出来ないだろうことは予測の範囲内なので、過去のエピソードの「思い」をうまく使って、少ないシーンからロックたちの行動原理を不自然でないように切り出してほしいものである。あと、鷺峰雪緒は大のお気に入りキャラなので、回想でもいいから再登場希望である。「真っ直ぐ生きて不幸に死ぬ」という、桑島法子ボイスの王道を行く女の子なので、「私の選ぶ桑島キャラクターランク」では五指に入るのですよ(残念ながら3本の指には入らない。多分上から夕叢霧香、フレイ・アルスター・魔女メデューサがトップ3)。 まぁ、残りのOVA買うかって言われたらキツいけどね……最後にやっぱりキャストのこと。ほんと、この作品のキャストは端役に到るまで、不思議と「はすっぱハードボイルドもの」の空気が出るんですよ。ベニーとダッチのコンビが一番分かりやすいだろうけど(何せ外画吹き替えのベテランだからね)、他のアニメではめっきり名前を見かけなくなった富沢美智恵や伊倉一恵の声が聞けるのもこの作品ならでは。ファビオラに雪野五月っていう配役もうまい。 そうだ、あとはオープニングの話だ。OVAということで、オープニングは一応描き下ろし。そして、曲はあの「RED FRACTION」のリミックス。うーむ、相変わらず格好いい。このバージョンでフルをつくってどこかに収録してほしいんだが……OVAだけのサントラとかが出るのかなぁ。
「WORKING!!」 5→6
今期最も無難に面白かった「安定枠」。オリジナル回はあったが、基本線は原作からの劇的な改変があるわけでもなく、やるべきことをやって1クールにまとめるという、お手本のような「原作もののアニメ化」である。4コマ漫画だから尺のはかり方などはいうほど楽ではなかったはずなのだが、流石に「スケッチブック」などで培った平池監督の手腕は手慣れたものであった。 個人的には、あのちょっと書き殴った感じの原作のテイストが好きなので、そこの再現度がちょっと気になった部分。決してうまいとは言えないはずなのに勢いはあるあのノリ。アニメにして整った絵になるとあの勢いは損なわれてしまうんじゃないかなぁ、という懸念は有って、実際、画面が綺麗になるとちょっと違うイメージにはなった。ただ、その代わりに動画部分でノリの良さをカバーしており、特に伊波さんが全力で振り切る拳骨のダメージと言ったら実に痛快。他にもプリプリ起こる種島とか、小鳥遊四姉妹の奔放さとか、きちんとアニメの枠を利用した演出が光ったのは純粋にプラスの要素と言えただろう。 原作ではそこまで最優先で押していない(気がする)恋愛要素をメインパートに据えてシメの1話に用意してきたあたりもなかなか気が利いていて、どんどん恋する乙女になっていく伊波さんが可愛らしい。最終話冒頭の、彼女の部屋の定点カメラから捉えたカットなど、なんだかもきゅもきゅしてしまう愛らしさがある。もちろん、先輩も可愛いですよ。 そう、なんだかんだで結局この作品もキャラクターの吹っ切れた個性の勝負。そういう意味では、個人的にMVPをあげたいのは山田だ。登場が遅れたので出番が多いというわけではないのだが、あの独特のテンポと「イラッ」とする感じ、本当に山田はスタッフに愛されていました。 あとはキャストの話になるよね。山田押しということは、やっぱり広橋にお腹いっぱいということ。あー、ウザ可愛い。種島先輩もアスミスにとっては何度目かの「代表役」といえるキャラクターになったろうし、せっかく面白い声の幅があるのになかなか活躍出来ていなかった藤田咲にも、伊波というアピール出来る役が回ってきた。個人的には藤田というと「まなび」の桃葉とか「つよきす」のカニみたいなロリっ子役なんだけど、伊波さんはほんと、普通の可愛い子でしたからね。あとはやっぱり小鳥遊四姉妹かしらね。特に梢姉さんの中の人が御前ってのが……もう、なんかそのまんまじゃねーか。酒キャスって、新しい概念だな。
「Angel Beats!」 6→3
ある意味、今季最大の話題作といえたのが、この作品だろう。1話視聴時点では、多少戸惑いながらもP.A.WORKSの技術力に期待票を投じたのだが、結局最後の最後まで、その期待感は膨らんだり、実ったりすることがなく、不安が失望に、懸念は現実になってしまった。作画スタッフが力を入れている部分があることは分かるのだが、「薄桜鬼」の点数に4を付けたことを考えると、流石にこれはあのレベルには達していない。がっかり感も込めてのこの点数である。 良かった部分を先に挙げておくなら、やはりそれは作画スタッフのがんばり。非常に独特な世界観だったので、現実と空想の境目の微妙なラインを取った「嘘くささ」みたいなものを表現するのは、実は案外難しいバランスだったはず。そこを「それ相応に」満たしてくれたことは、評価出来るポイントだったと思う。と言っても、どうにもキャラクターデザインがそれらの景色に馴染まなかったのも事実で、私が見たかったP.A.クオリティとは言い難い。「true tears」や「CANAAN」で描かれたあの圧倒的な描写力はどこへいってしまったのか。 そして、それ以外の面については、およそ評価に値する部分が見あたらない。総合して一番駄目な点を指摘するならば、それは「まとまりのなさ」とでも言うべき部分だろうか。この作品には様々な「見どころ」が用意されていたと思うのだが、それら全てが有機的に結びつくことなく、個々に散り散りに置かれているだけ。どれだけ親切な視聴者でも「こういう設定で1シリーズやりたいんですけど」という設定のラフを見せられただけでは、アニメを堪能した気分になることは出来ないだろう。確かに「説明」は呆れるくらいにされていたが、視聴者が求めているのは「説明」そのものではなく、それを通じて「伝えること」、「理解させること」である。この作品には、決定的にそれが欠けている。 様々な考察などはおそらく他所様でなされているだろうからあまり細かい部分には触れないが、3話の記事で納得いかなかった岩沢の消失などを皮切りに、ユイの願い、天使という存在、ゆりの目的意識、音無のモチベーションなど、ストーリーの根幹に関わっているキャラクターの心情を全く追うことが出来ない状態では、ディティールを追うことなど出来るはずもない。それぞれに付された「説明」は実に行き当たりばったりなもので、シナリオの全体像など有ってなきがごとしだ。細切れになったエピソードそれぞれでは完結しているのかもしれないが、残念ながらそんな小さなスコープでストーリーを追うことなどあり得ない。 結局、最大の問題点は脚本の甘さということに落ち着くのだろう。世界設定をきっちりと説明しきって厳格なルールに基づいた「ゲーム」としてこの世界を描くのか、それともある程度イレギュラーな感情というファクターを優先して物語を紡ぐのか。その大前提が決まらない状態では大筋も決まらない。「死の悲劇と心残り」という要素をメインツールとして使うはずなのに、序盤では徹底的に「死なないこと」をネタにしたギャグを突っ込むという食い合わせの悪さにも頓着しない。「心残り」と「達成感」という2つの極をキャラクター造形の核とするはずなのに、そうした起点を全く描かずに上っ面だけのキャラクターを重ねていく。ライブシーンを売りとして強調しているのに、作中で全く重要な役割を果たさず、添え物としても不要になる。なんだか、意図的に視聴者を振り回そうという意図があるとしか思えない、「不親切な」セッティングである。個人的には、こうした方向性はどう見てもデメリットしかなかったと思うのだが、ひょっとして私が気付かない部分でなにか決定的な効果をあげていたのだろうか。謎である。 繰り返すが、この作品は個人的には面白さを感じられない作品であった。敢えて楽しかった点といえば、ユイがギャーギャー言ってるあいだのテンションくらい。ユイはキタエリキャラとしても実に良い動きを見せてくれていていい清涼剤になっていたのだが、「あの別れ」のせいで全部台無しになっちゃいました。どこまで考えてキャラクターを描きたかったのか、分からないことこの上なし。 P.A.WORKS.の次作でのリベンジに期待したいです。
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Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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