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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
<黒> さて、そんなタフネス不足の黒なので、白や青で見てきたようなダルさはほとんど無い。何とかダルカラーを突破してライフを削りきるのが第1のプランで、コモンに2枚ある落とし子スペルからの大技を狙うというジャンド戦術が第2のプランとなる。 どちらのプランでも使用に耐える優良コモンには「戦慄の徒食者」がいる。4/1という頭でっかちのステータスに落とし子が2体。何は無くとも無駄になる能力ではないだろう。すぐに死んでしまうので寂しくなる時もあるが、「死者のインプ」を使えば能力を何度でも使い回せるぞ。また、壁を壊して進軍するプランで貴重なのは、パワー1までなら問答無用で破壊できる「バーラ・ゲドの蠍」。これで壁を処分出来れば、「虚身の勇者」あたりでも出番はあるか。黒のレベルアッパーはもう1体、3/3になる「ズーラポートの処罰者」がいるし、案外普通の肉は数をキープしやすい。このあたりを基盤にして、除去でたたみかけるのが黒の勝ち筋になる。 そして、黒をやるからには無視できないのは除去。今回コモンに用意された除去の中で使いやすいのは、帰還を果たした「血の復讐」と、デカブツパワーで特大修正が狙える「絶望の誘導」。前者は言わずもがなのカードで、多少のライフロスはテンポの良さを考えれば仕方ない出費。後者は使用に制限こそあるものの、マイナス修正で除去するので天敵である族霊鎧を無視できるのが大きい。あとは2点ダメージの「最後の口づけ」と、−1をばらまく「減縮」というラインナップ。後者は落とし子戦術を壊滅させるカードだが、一番効くのが黒自身というのが悩みの種。 あとは押さえておくべきは3マナ手札破壊の「思考の消滅」くらいだろうか。デカブツ相手ならエルドラージ1枚でも落とせればかなりプランを崩せる。飛び抜けて優れたカードとは言えないが、万全を期すなら避けて通れない予防策だ。残念ながら黒にはその他チラチラとハズレ気味のコモンが多い。貴重なリソースを見誤らないためにも、「急ぐか、どっしり構えるか」というプランは早めに決めておいた方が良いだろう。 アンコ以上で必須なのは、除去った上に落とし子の「死骸孵化」。また、総じてコストが軽いカードが多い環境なので「コジレックの審問」の破壊力はかなりのもの。黒で最優秀の「除去」だ。その他、攻めのデッキなら純粋に優秀なアタッカーである「ニルカーナの殺し屋」は一歩抜きんでているし、小粋なトリック「悪性の強打」は1マナインスタントとは思えない使い勝手の良さ。前のめりデッキならば2枚3枚集めてしまいたい。決め技はX火力である「過去の受難」だ。待ちの戦術を押すなら「ウラモグの手先」はおかしなスペックだし、「逃亡した虚身」は見た目以上にやりおる奴。 レアは今回割と地味なカードが多いが、やはり「弱者の消耗」は無視できないカードだろう。今後の環境で、これがどのようにシーンに影響を与えるかが楽しみだ。エルドラージ環境を促進させるならば、びっくりどっきり「地獄彫りの悪魔」は気になるカードだし、個人的には「有害な前兆」も何かやってくれそうな空気は感じる。地道に行くなら「カラストリアの血の長、ドラーナ」もなかなか渋い。まぁ、1番強いのは「コジレックの審問」だと思うけどね。
クリーチャー・吸血鬼、騎士 4/4 〜がパワー1以下のクリーチャーをブロックするか、ブロックされた状態になるたび、戦闘終了時に〜を破壊する。 日本語はふりがなを見る限りでは「けつおう」と読むらしいが、そんな日本語は当然のことながら無い。普通に「血の王」でいいような気がするのだが……3マナアンコモンのくせに王を名乗るのもおこがましいな。で、そんな微妙な王様は、3マナ4/4と抜群のステータスを誇るが、なんと落とし子トークンとも相打ちに果てるという心優しきお方。百歩譲ってトークンと相打ちならば許せる部分もあるが、なんと0/5壁とかに止められると一方的に死んでしまうという訳の分からない能力である。流石に生まれてきた環境が悪すぎるなぁ。一応黒には−1/−1を飛ばす「減縮」があるので、そういった細かい除去で苦手とする弱者を潰しつつ進軍するのがいいかもしれない。ブロッカーとしては優秀だし、書かれていない防衛を勝手に書き加えておくという手もあるな。ちなみに、なんでこんな能力になっているのかは、フレーバーテキストを見ると分かるようになっている。「馬鹿共に邪魔されるぐらいなら、自分の頭を刈るわい。」……自害するにももう少し考えようよ。 Bala Ged Scorpion バーラ・ゲドの蠍 (3)(B) C クリーチャー・蠍 2/3 〜が戦場に出たとき、対象のパワー1以下のクリーチャー1体を破壊しても良い。 現在場に出たときに一仕事を終える黒クリーチャーといえば、なんと言っても「心臓刺しの蚊」だろう。7マナと重たいが、それでも制限無しの一発黒除去はリミテッドでは必須で、「不気味な発見」や「上天の貿易風」とのコンビネーションがエグい。で、そんな蚊に続こうというのがこいつ。キッカーがないので流石に制限は付いているが、多くの壁を対象に取れるほか、最悪でも相手の落とし子を1体潰すことが出来るので決して無駄にはならない。4マナ2/3というやっつけ臭いステータスも黒ならばそこそこだろうし、手軽にアドバンテージを狙える中堅どころとして重宝するのではなかろうか。青と組んだ場合にはパワーを1下げる「一瞬の散漫」とは小さな小さなシナジーを構成するので、覚えておくとプチラッキー。 Baneful Omen 有害な前兆 (4)(B)(B)(B) R エンチャント あなたの終了ステップの開始時に、あなたはライブラリのトップを公開しても良い。 そうした場合、各対戦相手はそのカードの点数で見たマナ・コストに等しい値のライフを失う。 置いておくだけで勝手に相手が死んでくれるという夢のようなエンチャント。ご丁寧にエンドステップに起動するので、置いたターンから早速仕事をしてくれるのも気が利いている。勿論そのままでは確実なエンドオブライフを演出するには時間がかかるので、例のごとく「思案」「ハリマーの深み」「ジェイス」といった連中でトップをいじり、速やかに「エムラクール」で15点ぶち込めばいい。いや、「コジレック」2回でも終わるけどさ。ただし、これでめくれたカードは確実に次のターン引くカードになるわけで、あまりクソ重いカードばかり引き続けても色々と大変なので注意は必要。ま、このカード自体が7マナだからあまり心配する必要も無いとは思うが。これだけで勝つデッキも一応作ろうと思えば作れるが、結局勝ち手段が7マナのエンチャントって言う時点で現実味はないんだよね。 Bloodrite Invoker 血儀式の発動者 (2)(B) C クリーチャー・吸血鬼、シャーマン 3/1 (8):対象のプレイヤー1人は3点のライフを失い、あなたは3点のライフを得る。 発動者サイクルの黒。先代発動者である「煙吐く発動者(LGN)」と同じ3/1というのは黒らしいところだが、種族がゾンビから吸血鬼に変わっている。時代だねぇ。そして、発動能力も先代の「最後の喘ぎ(RAV)」から3点ドレインに変更。「最後の喘ぎ」は2マナインスタントだが、3点ドレインは普通に考えると4マナ以上の効果なので、額面上はお得感が増したことになる。ただ、盤面を完全に制圧出来た先代と異なり、こいつはパーマネントに影響を与えないため、インパクトという意味ではちょっと小さくなってしまったかもしれない。まぁ、これだけ馬鹿みたいにマナが出そうな環境で恒久除去装置はまずいからね。放っておくとこれ1体だけで勝てるという部分は相変わらずなので、序盤の捨て身アタッカー兼最終奥義として、やっぱりそれなりのニーズだろう。 Bloodthrone Vampire 血の座の吸血鬼 (1)(B) C クリーチャー・吸血鬼 1/1 クリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 1マナ軽くなった代わりに、ステータスが下がってしまった「吸血鬼の貴族」。2マナ1/1と3マナ2/2のどちらがいいとは一概に言えないが、このクリーチャーはその性質上、あまり早いターンに出ても意味がない(回りに仲間がいないから)。となると、別に1マナくらい重くてもいいから除去耐性を少しでもあげてくれ、というのが正直なところで、「吸血鬼の貴族」と比べても弱いカードと見ていいのではなかろうか。一応この世界にこれが存在している理由としては、落とし子のおかげで容易に増強できそう、という要因が挙げられる。まぁ、そういうデッキは普通にマナ加速してデカブツに繋げればいい気もするが、毎回毎回デッキにデカブツがいるとは限らないし、さらに手札に来ない確率はもっと高い。そうした時のトークン活用術としては、そこそこのものではなかろうか。 Cadaver Imp 死者のインプ (1)(B)(B) C クリーチャー・インプ 1/1 飛行 〜が戦場に出たとき、対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を手札に戻す。 「グレイブディガー」が空を飛ぶとこうなるという参考例。「グレイブディガー」は強いので、このカードも強い。以上。 Consume the Meek 弱者の消耗 (3)(B)(B) R インスタント 点数で見たマナコストが3以下の全てのクリーチャーを破壊する。それらは再生できない。 「選別の太陽(GPT)」が、劇的なパワーアップを経て帰ってきた。単色になり、色拘束が緩くなり、再生を禁止するようになったうえに、なんとこの手の全体除去には珍しいインスタントになったのだ。まぁ、このスタイルだと、「選別の太陽」というよりは全体版の「燻し」だけど。5マナというコストはややネックではあるが、全体除去が弱いはずがない。特にトークンに効果が高い部分は現在の環境でも充分評価に値するので、「猛り狂うベイロス」や「包囲攻撃の司令官」、「トリナクス」「征圧者の誓約」などを相手にすればそれなりの活躍を見せる。「エルズペス」「ガラク」とプレインズウォーカーに一矢報いることが出来るのもポイントが高い。ただまぁ、現在の黒デッキは吸血鬼が主なので、どうしても3マナ以上だけのデッキを組むのは難しい。今後の新しいデッキタイプの軸として期待だ。 Consuming Vapors 消耗の蒸気 (3)(B) R ソーサリー 対象のプレイヤー1人は、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。あなたは、そのクリーチャーのタフネスに等しい値のライフを得る。 反復 反復つきカードは軒並み良カードに見えるのだが、やはりこのカードも強い。効果を見れば単なる「悪魔の布告(10ED)」。ライフが得られるとはいえ、おまけとしては大したものではないので、4マナというコストを考えるとちょっと割に合わないくらい。しかし、対象に不自由せずに、アドバンテージに直結する効果が2回目も発動するとなると訳が違う。黒には案外「2体を除去出来るカード」というのが少なくて、過去には「魂の捕縛(GPT)」が同様の効率で実績を残している。現環境は「悪斬の天使」「ジュワー島のスフィンクス」に代表されるように1点豪華主義のクリーチャーも多いので、サクり強制除去が覿面に刺さる場合も少なくない。黒にとってはガンである「大貂皮鹿」や「白騎士」を処分出来るのも大きい。まぁ、トークン戦術に対しては無力だったり、ミシュランに刺さらなかったりするんだけど…… Contaminated Ground 汚染された地 (1)(B) C エンチャント・オーラ エンチャント(土地) エンチャントされた土地は沼である。 エンチャントされた土地がタップ状態になるたび、そのコントローラーは2点のライフを失う。 土地を沼に染めてしまう効果の方は、前例は無いが最も近いのは「汚染(USG)」。現在「広がりゆく海」が大活躍中であることを考えればこのカードも……ま、カードが引けないのは厳しいけど。そして、後半のダメージ効果の方は、元々青の「地の毒(6ED)」の効果だったが、「溜まる毒(FUT)」で正式に黒に譲渡されたもの。考えてみりゃ、土地を汚染する能力なんてのはいかにも黒っぽいからね。土地を自分色に染める能力も青の得意技だったわけだが、土地絡みの能力は全部黒に移譲されることになるのだろうか。さておき、「地の毒」は最初に見たビギナーが「これだけで勝ってみたいなぁ」と思うけどなかなか勝てないというカードの代表。いくら能力が増えても、流石にこれ単体ではちょっと寂しい。リミテッドレベルでは、今回沼渡りが1枚も無いこともあって、なかなか使われるカードにはなるまい。もちろん構築だって厳しいわけだが、今私の頭の中に「『広がりゆく海』と『見紛う蜃気楼』とこれを全部ぶち込んだ疑似ランデス」っていうアイディアが出てきたんだけど、駄目かな。誰か、レッツチャレンジ。 Corpsehatch 死骸孵化 (3)(B)(B) U ソーサリー 対象の黒でないクリーチャー1対を破壊する。【落とし子トークン】を2体戦場に出す。 「破滅の刃」に落とし子2体。確かに安定した除去能力で落とし子が2体も出てくるのは悪い取引ではないのだが、他の落とし子カードと比べると、3マナ増というのは些か効率が悪い。まぁ、この世界のリミテッドはどうしたってクリーチャー1体にかかるカロリーが高くなるので、問答無用で除去れる黒除去はどんな形でも貴重かもしれない。エルドラージとまではいかずとも、「血の座の吸血鬼」のようなトークンが利用出来るパーツを用意して、何とか(CHK)ブロッカー以外の仕事も与えてやりたいものである。 Curse of Wizardry 魔術の呪い (2)(B)(B) U エンチャント 〜が戦場に出るに際し、色を1つ選ぶ。 いずれかのプレイヤーが選ばれた色の呪文を唱えるたび、そのプレイヤーは1点のライフを失う。 「逆ラッキーチャーム」とでも言うべきエンチャントだが、ラッキーチャームは2マナのアーティファクトだから成立しているわけで、流石にこのコストで、しかも感知するのがキャストした当人だけでは、流石に使い道が無い。それこそこちらがラッキーチャームでもおいてライフゲインしていた方が価値はありそうだ。この効果で4マナって、一体何を目の仇にしているやら……一応、「時の篩」みたいな無限ターンデッキ対策とかになる可能性はなくもないけど、「時の篩」は無色アーティファクトがメインだしなぁ。このカードで特筆すべき点といえば、イラストのおっぱいがでかいことくらいである。 Death Cultist 死の信者 (B) C クリーチャー・人間、ウィザード 1/1 〜を生け贄に捧げる:対象のプレイヤー1人は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。 儚い命に儚い効果を搭載した、死ぬためだけに生まれてきた不幸な奴。ちょっと前ならばタフネス1のクリーチャーと相打ちしながら1点吸うことくらいは出来たのに、今のルールではそれすら出来ない。可哀想で仕方ないが、これでも実は「胆汁小僧(BOK)」よりも能力は高かったりする。まぁ、あの当時は転生があったから何倍も活躍出来たけどね…… Demonic Appetite 悪魔の食欲 (B) C エンチャント・オーラ エンチャント(あなたのコントロールするクリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは+3/+3の修正を受ける。 あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。 「鬼の憑依(BOK)」からトランプルが無くなり、コストが2マナも軽くなった。同じような性質のカードに青の「不安定性突然変異(TSB)」があるが、黒の場合はデメリットもより強烈になるわけだ。一応この世界なりのセールスポイントは、「落とし子がいっぱいでるので維持はしやすいですよね」という部分。本来落とし子はエルドラージに素早くたどり着くためのアイテムであるが、それを利用して、相手のエルドラージよりも早く殴り殺してしまおう、というプランを描くことが出来たり出来なかったり。ただ、相手も落とし子はプレイしているはずなので、これをプレイしても落とし子と落とし子が相打ちになるだけという不毛な結果に終わることもしばしば。せめて飛行や畏怖持ちに付けたい。余談だが、「鬼の憑依」はかつて神河リミテッドで突如相手がこちらのクリーチャーにエンチャントしてきたことがある。「さぁ! クリーチャーをサクりやがれ!」と言われたので「いや、サクるのはエンチャントのコントローラーだが……」と言ったら、そそくさと手札に戻っていった。あの日の思い出。 Drana,Kalastria Bloodchief カラストリアの血の長、ドラーナ (3)(B)(B) R 伝説のクリーチャー・吸血鬼、シャーマン 4/4 飛行 (X)(B)(B):対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−0/−Xの修正を受け、〜はターン終了時まで+X/+0の修正を受ける。 ゲドの「血の長」をしていたのが「カリタス」、そして、「カラストリアの貴人」で一躍トップ集団となったカラストリアを統べているのがこの人。5マナ4/4飛行というステータスは「マラキールの血魔女」と全く同じなので吸血鬼デッキでのポジション争いも易しいものではないが、一応レジェンドにふさわしい能力があるのでデッキのマナカーブの締めとしてはそれなりの候補といえる。出てしまえば細々としたクリーチャーをプチプチ潰しながらガンガン殴れる素敵な暴君。ブロッカーを優先的に除去出来ればダメージ効率はかなりのものだし、恒久的な除去装置はどれだけマナがかかろうと価値あるものだろう。1体だけで完結してくれているので、どんなデッキでも「その機能」だけを見込んで採用しやすい。難点としては、やはりマナ食い虫であるという点と、レジェンドなので複数枚の投入が躊躇われる点、そして、出た瞬間に仕事をしてくれない点。悪斬倒すのに7マナもかかる点。でも、「7マナ払えば悪斬殺して9/4で殴れる吸血鬼」と考えると強い……のか? Essence Feed 本質の給餌 (5)(B) C ソーサリー 対象のプレイヤー1人は、3点のライフを失う。あなたは3点のライフを得て、【落とし子トークン】を3体戦場に出す。 組み合わせりゃいいってもんじゃない気がするカード。「吸魂(ONS)」が2点ドレインで3マナのソーサリーなので、3点ドレインなら4マナくらい? それに落とし子3体をセットにして、合計6マナ。まぁ、コスト的には問題ないんだろうし、マナのステップアップスペルならば問題になるのは単純なコストではなく、ゴールで何マナ必要かという結果。となると、次のターンに10マナにたどり着けるこのカードはそれなりのニーズがあってもおかしくはない。でも……やっぱり相手が6マナ倒してプレイしたのが「3点ドレイン」だとホッとするよね。使わなきゃいけないデッキが登場するものかねぇ。 Gloomhunter 薄暗狩り (2)(B) C クリーチャー・コウモリ 2/1 飛行 日本語名は座布団1枚もの。現在M10に収録されている「ケリノアのコウモリ」の同型再版カードだ。さらに「ケリノアのコウモリ」は「薄暮のインプ(10ED)」の種族変更再版であり、さらにそのインプも「残忍な影(6ED)」の種族変更再版。すげぇな、と思ったら、なんとさらに「嘆きのスピリット(PO2)」なる同型クリーチャーまで存在している。時代とともに名前を変え続け、黒の3マナ2/1フライヤーヒストリーは、誰も望まない発展を遂げるのである。なんだか、これでエルドラージと戦う姿をイメージすると、単身悪魔将軍に突っ込んだジェロニモを思い出して不憫になる。 Guul Draz Assassin グール・ドラズの暗殺者 (B) R クリーチャー・吸血鬼、暗殺者 1/1 Lvアップ・(1)(B) <LV 2-3> 2/2 (B)(T):対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。 <LV 4+> 4/4 (B)(T):対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−4/−4の修正を受ける。 レベルが上がることで殺戮マシーンと化す脅威のレア吸血鬼。キャスティングコストが1マナと軽く、キッカー感覚で最初のレベルアップ2回をクリアすれば、いきなり−2修正を飛ばし放題のあり得ないクリーチャーとなる。そして、更に4マナを費やすことでサイズも倍、あげく修正値も倍。ちょっとおかしなクリーチャーだ。どこかで見たことがあるデザインだと思ったら、どことなく「陰謀団の拷問者(TOR)」に似てるんだな。とにかく、リミテッドならばゲームエンド確実の極悪人。構築でも吸血鬼が強いのでこいつも活躍……は厳しいかな。流石に5マナつぎ込んでからスタートというなら、流石に「アノワン」が使われるはず。あいつの市場価格現在100円なので、結果は推して知るべし。 Hellcarver Demon 地獄彫りの悪魔 (3)(B)(B)(B) M クリーチャー・デーモン 6/6 飛行 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたのコントロールする他のパーマネントを全て生け贄に捧げ、手札を捨てる。あなたのライブラリを上から6枚追放する。あなたは、この方法で取り除かれた土地以外のカードを、好きな数だけマナコストを支払わずに唱えても良い。 悪魔的な才覚が存分に堪能できる、本当に悪魔な悪魔。何もそこまでストイックにならんでも……とはいえ、スタイルを見れば、このクリーチャーが一応この世界のために作られたことが分かる。他のパーマネントや手札がどうなろうとも、「どんな重たいカードでもキャスト出来る」という可能性は、この世界では魅力的だ。うまいことめくれた中に「エムラクール」「コジレック」「ウラモグ」と並んでいれば、こちらは追加の1ターンを得ながら4枚のカードを補充し、さらにパーマネントを1つ破壊してすぐに殴れてパワー43点分のアタックと滅殺によるパーマネント14個サクり強制が発動するわけだ。うわ、すげぇ。そこまでいかずとも、「エムラクール」が1枚めくれればもうワンパンチのチャンスは確実に得られるわけで、他のパーマネントなど無くても充分ゲームに勝つことが出来るだろう。あとは、その6枚にいかにして積むか、そしていかにしてワンパンチをいれるかという勝負である。まぁ、ブロックされたり除去られたりしている間はデメリットも無いので、ひょっとしたら何か面白い動きを見せてくれる可能性はある。「変身」「召喚の罠」デッキに仕込んでおき、素敵な連鎖反応を期待してみるのも乙なものだろう。全てはエルドラージのため。それが彼のジャスティス。 Induce Despair 絶望の誘導 (2)(B) C インスタント 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの手札からクリーチャー・カードを1枚公開する。 対象のクリーチャーは、−X/−Xの修正を受ける。Xは公開されたカードの点数で見たマナコストである。 今回エルドラージ側に与している3色、つまりジャンド3色に与えられたのが、この「手札からチラ見せ」シリーズ。黒は単純に除去が与えられ、今まさに触手に絡め取られようとしている天使のイラストがなかなか想像をかき立てる。確か触手持ちのドローンはエムラクールの血族だったはず。エムラさんたらエロ同人向け! さておき、3マナインスタントならば−3でも充分な修正値。このセッティングならば割と簡単にそれくらいはクリア出来るだろうから、この環境ではトップクラスの除去と見て間違いないだろう。手札にクリーチャーがいないとプレイ出来ないという大きな欠点こそあるものの、引けなかったら運が悪かったと諦めるしかない。是非とも「不死の天使」あたりに撃ち込んで触手プレイを堪能していただきたい。 Inquisition of Kozilek コジレックの審問 (B) U ソーサリー 対象のプレイヤー1人は、手札を公開する。あなたは、その中から土地でない、点数で見たマナコストが3以下のカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーは、そのカードを捨てる。 期待の1マナハンデス。現在のハンデス事情を確認しておくと、1マナ枠にはベテランの「脅迫」が鎮座している他には、あまり使われているという話を聞かない「ぬかるみの代価」がある。どちらも手札確認系のハンデスだが、やはり「脅迫」の持つ安定感の方が圧倒的に支持されているようだ。そして、そんな「脅迫」陣営に挑むのが、この手札版「燻し」とでもいうべきカード。3マナ以下なら何でも選べるというのはどんな環境においても抜群の汎用性を誇り、1マナという軽さも絶妙。「クリーチャーでも土地でもない呪文」が1枚も入ってないデッキというのはあるかもしれないが、流石に「3マナ以下のカード」が1枚もないデッキというのは無いだろうし、ゲーム開始の初手に「3マナ以下のカード」が1枚も無い状態でゴーサインを出すデッキというのはまず存在しないだろう。つまり、1ターン目に確実に刺さるのはこのスペルなのだ。ジャンドを例に挙げても「トリナクス」「荒廃稲妻」「稲妻」「大渦の脈動」「朽ちゆくヒル」と、落としたいカードはてんこ盛り。確実に使えるし、確実に使われることを覚悟する必要があるカードである。もちろん、これで手札を見てから「脅迫」という往復ビンタも充分使える戦略だ。 PR <赤> 赤のコモンクリーチャー数は、意外にも白と同じ11体で結構多い。そして赤の奇妙なところは、コモンクリーチャーの戦術が大きく分けて3つも存在しているという部分である。他の色は基本的に「待つ」「攻める」の2択だったのだが、赤はこれに「壁る」という第3の選択肢が発生する。勿論きれいに3つに分かれるわけではないが、とにかく見ていこう。 まず、まっとうなビート戦術をとるならば、なんと言っても「戦装飾のシャーマン」だ。普通のステータスだが、攻撃時に好きなところに+2のボーナスが入るため、あらゆる戦術とかみ合いやすい柔軟なカード。赤単体でも、パワー2以下にアンブロッカブルを与える「ゴブリンのトンネル掘り」とのシナジーが強烈。「トンネル掘り」は他にも「窯の悪鬼」とのシナジーが手軽に狙えるため、赤の先兵として鍵となるかもしれない。 他方、待ちの戦術というのは当然エルドラージ絡み。その代表格は落とし子3体を引き連れる「エムラクールの孵化者」で、数あるドローンの中でも高効率な部類に入るだろう。当然、待ちの戦術なのだからがっちり防御の「オーガの歩哨」とのかみ合わせは抜群である。 そして、こうした待ちの戦術に変化を与える赤特有のギミック・クリーチャーが、「孔の歩哨」である。なんと壁を並べるだけで勝ててしまう。白の「断固たる盾持ち」や緑の「草茂る胸壁」と組み合わせて、完全砲台デッキを作るのも夢じゃない。赤単体でも、前述の「オーガの歩哨」に加えて「戦闘塁壁」と3体の壁がおり、それなりに現実的なプランであることを予期させる。おそらくは落とし子と絡めて、エルドラージを目しながら、余裕があったら壁砲撃というのが赤なりの「待ち」戦術と言うことになるだろう。 その他スペル部門では、1マナ4点とおかしすぎる「炎の斬りつけ」を筆頭に、変幻自在の「熱光線」、二倍二倍の「よろめきショック」、1点ばらまきブロックすんなの「炎の覆い」と、コモンとは思えないスペックで様々な状況をぶちこわせる。そして待ちの戦術にもきちんとフォローが出来ているのが赤のスペルの凄いところで、手軽な邪魔をしながら落とし子を増やす「産卵の息」に始まり、これを一気に増量する「群れの誕生」もコストあたりのスペックはコモンとは思えない。更に更に、落とし子・ゴブリンのどちらとも絶妙にかみ合う火種である「略奪の爆撃」は、トップクラスのダメージ効率が期待できる恐ろしい砲台。 アンコモンにだってきちんとゲームを作れるカードが多く、クリーチャーで言うならばやはり「硫黄石の魔道士」が怖い。これに「二股の稲妻」「爆発的天啓」と容易にアドバンテージが稼げるカードが2枚加わり、赤の火力は万全の体制だ。個人的には地味ながらもかなり嫌らしそうな「戦いへの欲望」も気になるところ。 レア以上では、トークンを美味しくいただくエルドラージ寄りのカードが増える。突然ヘリオンだらけの世界を実現させる「乱暴者の噴火」、ダメージに変換する「溶口」、一方的なラスゴ「災難の範囲」と、構築レベルで危険な臭いもちらほら。コンボってくださいと言わんばかりの「欠片の双子」なんかは如何だろう。あとは「カルガの竜王」がどこまでいけるかが気になるところかな。現行のジャンドに追加で入りそうなカードは少ないのだが、各種火力はどれもこれも新風を巻き起こしそうである。打倒「コーの火歩き」!
Akoum Borderfoot アクームの岩足 (4)(R)(R) U クリーチャー・巨人、戦士 4/5 〜が戦場に出たとき、〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える。 大きな体に似合わぬ小さな芸。いうなれば「火花魔道士の弟子」がビルドアップした姿だが、6マナもかかるんだったら2点くらい飛ばしてもバチは当たらないんじゃなかろうか。6マナ出る時点で1点飛ばして嬉しいことって……あぁ、落とし子が1体つぶせる。この世界では対象には困らないので悪くない能力なのかも。6マナ4/5も赤という色を考えれば充分なステータスだし、「でかいクリーチャーは欲しいけどエルドラージとかはちょっと……」という穏健派のための1枚。 Battle Rampart 戦闘塁壁 (2)(R) C (マスクスより再録) クリーチャー・壁 1/3 防衛 (T):対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで速攻を得る。 マスクスからの復帰を果たした地味壁。ちなみにマスクスコモンには「タップで色特性を発動する壁」がサイクルを成していた。白はプリベンターの「石膏の壁(MMQ)」で、防御任務と軽減能力がかみ合い、当時のリミテッドでは重宝したブロッカー。後にラヴニカでは「尊い祖霊(RAV)」という同型クリーチャーも登場している。青は問答無用、最強コモンの名をほしいままにした「有刺障壁(MMQ)」。実は青のコモンティムの歴史に幕を閉じるカードだったりする。同様に構築レベルだったのが、基本セットにも再録された緑の「ぶどう棚(8ED)」だ。これら3体はそこそこだったが、手札を捨てさせる黒の「ひずみの壁(MMQ)」は、壁のくせに起動型能力がソーサリータイミングというちぐはぐな部分が災いしてほとんど使われず、かろうじてリミテッドで見かけたのが、この赤の「戦闘塁壁」である。同ブロックのネメシスで「鞭打ち兵長(NEM)」という使いやすい後続が登場するという妙なほされ方をした可哀想なカードだ。完全に上にいるはずの「ぶどう棚」に上位互換クリーチャーが現れたこの世界に、この壁は何を思って帰ってきたのだろうか。まぁ、クリーチャー単体がでかいこの世界だと、相対的に速攻の価値はあがってるけどね。 Battle-Rattle Shaman 戦装飾のシャーマン (3)(R) C クリーチャー・ゴブリン、シャーマン 2/2 あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたは「対象のクリーチャー1体はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける」ことを選んでも良い。 攻撃時限定ではとりあえず4マナ4/2と考えることが出来るので、最低限の性能は埋め合わせている。その上で、こいつならば一番増強したい部分に自分のパワーを「預ける」ことが出来る。トランプラーや回避能力持ちなどがいるならば、毎ターン+2の修正は結構貴重だ。アラーラのリミテッドで賛美戦術が強かったことからも分かるように、マジックはその構造上、「強さを分散させて、いざというときに集中させる」という戦術はかなり有効なのだ。2体並んだ時にはかなり色々と戦術の幅も広がるし、面白い伏兵となりそう。お勧めパートナーはアンブロッカブルを付けられる青の「ひずみの一撃」。 Brimstone Mage 硫黄石の魔道士 (2)(R) U クリーチャー・人間、シャーマン 2/2 Lvアップ・(3)(R) <LV 1-2> 2/3 (T):〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える。 <LV 3+> 2/4 (T):〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に3点のダメージを与える。 出世ティム。ティムは世界を左右する重要な存在なので、起動に至るまでが7マナとかなり重たい仕上がり。2/3というステータスはそれなりのものだが、どうせかわせる除去も大してないし、ティムとしては弱い部類に入るだろう。流石に出しただけで何も出来ないというのは寂しい。まぁ、それでもティムなんだから弱いわけじゃないんだけど。爆発する可能性があるのは、更に8マナを費やした時点。ここまで来るとなんと「稲妻造り士(MOR)」になるので、ようやく「手塩にかけて育てた甲斐があったなぁ」と実感出来る。是非とも育ててあげたいレベルアッパー部門ではトップランクだ。あとは、到達できるくらいの時間的余裕を相手が与えてくれるかどうか。マストで殺さなきゃいけないクリーチャーなのは間違いないので、やっぱり強いんだな。結論→強い。 Brood Birthing 群れの誕生 (1)(R) C ソーサリー あなたが【落とし子トークン】をコントロールしているならば、3体の【落とし子トークン】を戦場に出す。 なかなか面白い制限がついた落とし子量産スペル。2マナでトークン3体というのは、「ドラゴンの餌」すら上回るかなりの高性能。うまく使えばコモンとは思えないスペックである。問題は準備段階だが、この世界ならばそこまで意識せずとも条件を満たすことは可能だろう。準備に時間がかかると2マナといううま味は活かせないかもしれないが、それでも高水準であることにかわりはない。マナ加速スペルとしてみてもかなり優秀なので、赤が絡むエルドラージデッキでは必須のスペルになるのではなかろうか。 Conquering Manticore 征服するマンティコア (4)(R)(R) R クリーチャー・マンティコア 5/5 飛行 〜が戦場に出たとき、ターン終了時まで、いずれかの対戦相手がコントロールする対象のクリーチャー1体をアンタップし、コントロールを得る。それはターン終了時まで速攻を持つ。 187で「反逆の行動」するファッティ。「反逆の行動」が3マナソーサリーなので、それに5/5フライヤーで6マナは実にお得な買い物。リミテッドでプレイすれば相手もゲンナリだ。でも、なんか凄く地味。やっつけ感たっぷりのレア。わざわざクリーチャータイプにマンティコアなんて地味なカテゴリーもって来ちゃってねぇ。ちなみに、現時点で存在しているマンティコア・クリーチャーは3体だけで、「ノコギリ・マンティコア(MIR)」、「真紅のマンティコア(5ED)」、「打ちすえるマンティコア(MMQ)」と、実にどうでもいいラインナップ。こいつらの存在意義ってなんだろう。マジックの場合「マンティコア」と「マスティコア」でカテゴリが違うからややこしいんだよなぁ。似たような現象は「オーガ」と「オーグ」にも確認出来ます。何とかしろよな。 Devastating Summons 壊滅的な召喚 (R) R ソーサリー 〜をプレイするための追加コストとして、土地をX枚生け贄に捧げる。 X/Xで赤の、エレメンタル・クリーチャー・トークンを2体戦場に出す。 「心魂波(10ED)」などの流れを汲む、赤の「後戻り不可能」ギャンブル。この効果でコストが1マナというのが実に嫌らしくて素敵だが、おおよその場合において,自分の土地を全て生け贄に捧げて特大トークンを2体出すことになるだろう。確かに7/7や8/8が2体も登場すれば、かなり勝てる確率は上がる。除去耐性も速攻もないので不安ではあるが、これをプレイしたいくらいに土地がたまっている中盤以降ならば、ある程度相手の手の内は予測できるはずで、ベストのタイミングというのは(デッキ次第では)存在する。軽さを利用して、何か大きなクリーチャーなどと一緒にプレイすれば,突如デカブツ3体が増えるわけで、相手も対処しにくいだろう。もちろん、バウンスや「審判の日」があるデッキに対しては自殺行為以外の何物でもないので、きちんと使えるデッキは見極めないと駄目だが。リミテッドならそれなりの確率でエンドカードになりうるだろう。一応下の環境では「第二の日の出(MRD)」とのシナジーとかがあるんだけど、そこまで頑張りたいようなもんでもないな。 Disaster Radius 災難の範囲 (5)(R)(R) R ソーサリー 〜をプレイするための追加コストとして、あなたの手札からクリーチャー・カードを1枚公開する。 〜は、あなたの対戦相手のコントロールする各クリーチャーにX点のダメージを与える。Xは、公開されたカードの点数で見たマナコストである。 「手札チラ見せ」シリーズの赤は、シリーズトップの重さを誇る全体除去だ。イメージとしては、手札から巨大なエルドラージが暴れ出して敵陣営にゴジラのごときメガ粒子砲を叩きつけるカード。カードイラストでも、ウラモグ様がぺんぺん草も生えなくなった焼け野原で元気に吠えていらっしゃる。コストはともかく「相手だけ全体除去」となれば「疫病風(10ED)」クラスなわけで、単純な比較でも2マナ軽い。手札に手頃なクリーチャーがいないとプレイ出来ないという制限はあるものの、普通の用途だったらパワー4〜5程度でも事足りるだろうし、カードのテイストを重視して「ウラモグ」様を公開すれば、吹き荒れるのは「チャンドラ・ナラー」ばりの10点殺戮劇。まぁ、流石に強いと思う。もちろん、「どれだけ火力がでかくなっても『コーの火歩き』は死なねぇんだよ!」というクレームはあると思うが、それはウラモグ様のせいじゃない。大人しく「全ては塵」でも使ってくれ。 Emrakul’s Hatcher エムラクールの孵化者 (4)(R) C クリーチャー・エルドラージ、ドローン 3/3 〜が戦場に出たとき、【落とし子トークン】を3体戦場に出す。 赤ドローン。緑が4マナ3/3で2体なのでこのくらいでも普通に見えてしまうが、同じように農奴トークン3体を生み出していた「センギアの従臣(TSB)」が4マナ2/2だったわけで、それを考えれば恐ろしい進歩である。エルドラージ繋ぎ役としても実にバランスが良く、これが出た次のターンには確実に8マナが使えることになる。そう、コモンエルドラージである「ウラモグの破壊者」に繋がるのだ。普通の環境ならば5マナはマナカーブの締めの役割を果たすくらいのマナ域だが、この世界ではまだまだ中堅。このくらいの能力のコモンならニーズは充分あるだろう。この手の世界では「エルドラージなんてしらねぇから軽量クリーチャーでさっさとビートしてやるぜ!」みたいなデッキが当然生まれるだろうが、そうした速攻デッキに対しても、トークンのチャンプブロックで時間が稼げるのは大きなセールスポイントだろう。 Explosive Revelation 爆発的天啓 (3)(R)(R) U ソーサリー 土地でないカードが公開されるまで、あなたのライブラリを公開する。〜は、対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に、このカードの点数で見たマナコストに等しい値のダメージを与える。そのカードを手札に加え、残りのカードを任意の順番でライブラリの下に置く。 「うつろう爆発(ONS)」で爆発したカードが、ボトムではなくて手札に入るようになった。これによって単なる不安定火力だったカードが、「うまく使えばアドバンテージを稼げるカード」にパワーアップ。2マナも重くなってしまったが、このくらいの変化は致し方ない部分だろう。無駄に重たいカードも平気で出回る鈍重な世界では、ダメージの期待値も跳ね上がる。また、現環境には「ムル・ダヤの巫女」「ハリマーの深み」「思案」などのライブラリトップが分かるカードも多いので、それらとのシナジーもある程度期待していいだろう。当時は「ドラコ・エクスプロージョン」で16マナの「ドラコ(PLS)」と組み合わせたわけで、ここは是非、15マナの「エムラクール」とのタッグをブロック構築で炸裂させるべきである。 Fissure Vent 地割れの孔 (3)(R)(R) C ソーサリー 以下の2つから、1つまたは2つを選ぶ。「対象のアーティファクト1つを破壊する」「対象の、基本でない土地1つを破壊する」 「破砕」に似た2つの効果が双呪型式になり、うまくいけばアドバンテージが狙えるようになった。ただ、残念ながらこの世界にはノンベーシックランドがほとんどないので、リミテッドではあり得ないくらい重たい「粉砕」としての役割しか果たさない。本当にウィザーズ社はランデスにとどめをさしたくて仕方がないらしい。土地破壊好きは、年々減っていく赤のランデススペルに涙が止まりません。今最強のランデススペルが「広がりゆく海」っていう現状を本当に何とかしてほしい。 Flasme Slash 炎の斬りつけ (R) C ソーサリー 〜は対象のクリーチャー1体に4点のダメージを与える。 クリーチャーインフレが続く中、クリーチャーの質とは切っても切れない関係にある火力のスペックも、ついにここまで来た。なんと、コモンの1マナ火力で制限無しの4点。これまでの世界の常識は「稲妻」があるのでタフネス3と4の間には大きな壁がある、というものだったが、ついにそんな壁までが時代の流れとともに崩れ落ちようとしている。確かに、クリーチャー限定のソーサリーというのは使いづらいものだ。しかし、流石に「掃射(PLS)」が可哀想ではないか。とにかくリミテッドでは盤石の1枚。さて、このスペックでプレイヤーにも飛ばせるようになるのは、何年後のことだろう。 Forked Bolt 二股の稲妻 (R) U ソーサリー 2つ以下のクリーチャーとプレイヤーの組み合わせを対象とし、〜はそれらに2点のダメージを望むように割り振って与える。 ありそうでなかった基本火力。言うなれば「火/氷(APC)」の「火」だけを1マナ軽くしてソーサリーにしたスペル。これが3点まで上がると「弧状の稲妻(USG)」になるわけだ。現在は1マナ火力の基本が「稲妻」になってしまっているのでちょっと見劣りするが、「ショック」と比べれば「分割できないインスタント」か「分割できるソーサリー」かという棲み分けはきれいに出来ている。この環境は大量の0/1ドローンが発生することは確定しているし、モードが多いに越したことはないだろう。アンコモンなのはちょっと納得いかないが、見たらやっぱり引いておけば良いと思う。 Goblin Arsonist ゴブリンの付け火屋 (R) C クリーチャー・ゴブリン、シャーマン 1/1 〜が戦場から墓地に置かれたとき、あなたは「〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える」ことを選んでも良い。 微妙に形を変えた「モグの狂信者(10ED)」。自発的にサクれなくなり、全く融通が利かなくなっているので弱体化したように見えるのだが、実は案外そうでもない。何せ戦闘ルールの変更により、モグファナは弱体化を極めた代表格のクリーチャー。ブロック後にサクっても戦闘ダメージが与えられないモグファナに、誰が振り向いてくれようか。しかし、このカードならばそれも可能なのだ。タフネス2のクリーチャーとの相打ちや、タフネス1のクリーチャー2体を道連れにする戦術など、在りし日のモグファナの雄姿がほんの少しだけ蘇ってくる。1マナクリーチャーとしては充分な選択肢と言えるだろう。積極的に運用したいなら、何かのサクりエンジンと併用するしかない。今回の環境で言ったら「血の座の吸血鬼」あたりかねぇ。 Goblin Tunneler ゴブリンのトンネル掘り (1)(R) C クリーチャー・ゴブリン、ならず者 1/1 (T):対象の、パワー2以下のクリーチャー1体は、このターンブロックされない。 「空民の鏡守り(CHK)」同様の能力を持つゴブリン。2マナ1/1は「ゴブリンの近道抜け」の2/1ステータスになれてしまった身には少し寂しいが、効果はこちらの方が優れているので、致し方ない部分ではある。能力の解決時にパワーが2以下であればいいので、上記の「戦装飾のシャーマン」のパンプ能力との相性がいいし、起動してから装備品で強化してやるなんてギミックも可能。そうでなくとも、数多のブロッカーを乗り越えて2点ずつ刻めるだけでもそれなりのものだろう。決して自分では殴りに行かないのであまり多く集まっても困ってしまうが、1体混ぜておくと、それなりに戦術の幅は広がりそうである。 Grotag Siege-Runnerグロータグの包囲抜け (1)(R) C クリーチャー・ゴブリン、ならず者 2/1 (R)、〜を生け贄に捧げる:対象の、防衛を持つクリーチャー1体を破壊する。〜はそのクリーチャーのコントローラーに2点のダメージを与える。 壁を目の仇にしていた「ゴブリン穴掘り部隊(7ED)」の上位後継機。出したターンに起動できるようになった上に、プレイヤーにおまけのダメージも入るようになった。壁をぶっ壊して更にダメージも入れるのは「倒壊の言葉(MMQ)」でも用いられていたギミックで、赤はそうした先輩たちからも分かる通りに、タフネスの高い壁はあの手この手で対策しようとしていた歴史があるのだ。無駄なタフネスを誇る壁には、火力を注ぎ込むのも面倒。こうしたスマートな対策カードでさっさと薙ぎ払ってしまいたい。一応「護衛の任務」とはプチシナジー。 Heat Ray 熱光線 (X)(R) C (ウルザズ・サーガより再録) インスタント 〜は、対象のクリーチャー1体にX点のダメージを与える。 12年ぶりの復活を果たした古参火力。「猛火(10ED)」をプレイヤーに撃てないようにした代わりにインスタントにしただけの簡単なスペルだが、リミテッドで使う分にはプレイヤーを狙うニーズはそれほど多くない。インスタントで伸縮自在に狙ったクリーチャーを殺せるのだから、こちらの方が圧倒的に汎用性は高いはずだ。コモンでこれと「炎の斬りつけ」が手に入るということで、赤はそれなりの保証を得たことになる。ただ、この世界はマナも出るけどデカブツも出る世界。相手だけが落とし子でマナ加速に成功して5ターン目に8/8とかを出してしまうと、このカードでは対処不可能になってしまうわけだ。どんなデッキでも、常に相手よりも多いマナを生み出せるよう、落とし子をキープする努力は必要なようである。 Hellion Eruption 乱暴者の噴火 (5)(R) R ソーサリー あなたのコントロールする全てのクリーチャーを生け贄に捧げ、生け贄に捧げた数だけ4/4で赤のヘリオン・クリーチャー・トークンを戦場に出す。 全てのクリーチャーを均質なヘリオンへと変化させる謎の儀式。これでドラゴンになるんだったらサルカンが嬉しくて発狂するところなのだが、彼はもう発狂しちゃってるのでそんなことは気にも留めてくれない。とにかくクリーチャーの数が物を言うスペルなので、当然落とし子トークンとの組み合わせが必須。3体もいれば充分なところだろうから、条件はさして厳しくないだろう。リミテッドならば、適当にプレイしても勝てるクラスのスペルである。構築では……「ゴブリンの突撃」とのコンボとか? 無いかな。余談だが、何食わぬ顔して書いてある「ヘリオン」というタイプだが、これがタイプとして独立したのは「火山の乱暴者(PLC)」であるから、実は3年程度の歴史しかない(それまで「Hellion」の名を持つクリーチャーはみなビーストだった)。一応火山地帯にすむミミズみたいな生き物の総称であるが、正直なんなのかよく分からない。 Kargan Dragonlord カルガの竜王 (R)(R) M クリーチャー・人間、戦士 2/2 Lvアップ・(R) <LV 4-7> 4/4 飛行 <LV 8+> 8/8 飛行 トランプル (R):〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。 竜王と言っておきながら、本人は人間である。まぁ、ドラクエの竜王は人間っぽい格好もしてたけど……さておき、普通の熊ボディに、4マナを注ぎ込むと「大気の精霊」にランクアップ。合計6マナ、しかも(R)(R)(R)(R)(R)(R)で「大気の精霊」ってのはどうかと思うが、まぁ、赤だからこれでも悪くはない。そして、更に頑張って4マナを注ぎ込めば、めでたく「ヘルカイトの暴君」クラスに到達することが出来る(でもクリーチャータイプは人間のまま)。……うん、あんまり神話っぽく無いね。普通に「若き群れのドラゴン」とか「ヘルカイトの突撃者」でいいんじゃないかな。当然このクリーチャーのメリットは「分割払いが出来る」ってところなんだけど、分割払いのペイがあるのが6マナ目という時点で、流石に現環境のスピードに追いついているとは言い難い。他のレベルアッパーたちよりも成長の手間がかかる分、こんがり焼かれるタイミングも多くなってしまうのはちょっとフォローしにくい部分か。まぁ、最悪熊と割り切っていれば悪いカードではないのだろうが、せっかくの神話なんだからもう少しはっちゃけてもよかったのに。個人的には「竜使いののけ者」の神話感の方が好きです。 Kiln Fiend 窯の悪鬼 (1)(R) C クリーチャー・エレメンタル、ビースト 1/2 あなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、〜はターン終了時まで+3/+0の修正を受ける。 スペルに反応して成長する、赤には珍しいタイプのクリーチャー。2マナパワー1で何かのトリガーを利用してパワーが増えるというのは、現環境では「板金鎧の土百足」に完全に喧嘩を売っている形。で、百足とこいつでどちらが強いのかという部分だが、流石に百足だろう。このクリーチャーの長所は、土地と違ってスペルならば1ターンに何枚でも、インスタントタイミングでプレイしやすいので、相手の計算を狂わせやすいという部分。もしパワーが4上がる「金床の拳(10ED)」を2連発すれば、それだけでインスタントで+14である。この世界にも「大群の力」という増強スペルがあるし、下手をしたら即死ダメージがあるかも、という緊張感がこのクリーチャーにはある。しかし、百足もフェッチランドのおかげで柔軟なサイズアップが可能であったし、タフネス上昇と先制攻撃という二重の壁に守られていたので、攻撃してもそれなりの安心感があった。残念ながら、こいつはどれだけパワーが上がってもタフネスは2のまま。「栄光の探求者」クラスが平気で相打ちを取れてしまう。また、デッキに含まれる枚数で考えたとき、どう考えても土地の方がインスタント+ソーサリーの数よりも多い。特にリミテッドの場合、こいつをパンプする機会というのは相当限られてしまうだろう。ま、コストを考えればパワー4で1回殴れればそこそこというレベルだが、もし使うなら、それなりの準備をしてサポートはしてやりたいところだ。 <緑> クリーチャー本舗の緑も、白や赤と同じ11体のコモンクリーチャーを擁する。 デカブツが闊歩する世界が来るなら、それは当然マナのプロフェッショナル、緑の出番。今回の緑は、サイズで秀でているのは当然として、これまで以上にマナの生産に重点を置いている。まず、なんと言っても「コジレックの捕食者」。ビートしてよし、マナ加速してよしの二重丸クリーチャー。小型版である「巣の侵略者」と合わせて、2体の落とし子つきクリーチャーがいるのが1つ目のセールスポイント。もちろんこれだけではない。もう1体のトップ候補、がっちりな上に重なるとミラクルが起きる「草茂る胸壁」はコモンには勿体ないほどのハイスペックであるし、「オンドゥの巨人」だってアドバンテージを得ながら確実にエルドラージに歩み寄る一歩。これらがすんなりコモンで集まってしまうのだから、きっと8マナエルドラージくらいならば余裕であろう。 それ以外のクリーチャーは、「踏みつけの仔」や「野心の発動者」が普通にでかいし、多少くせがあるが「オーラのナーリッド」も族霊鎧との組み合わせで容易にデッキコンセプトを固められるキーカードといえるだろう。 そう、緑は壁戦術、落とし子戦術の他にオーラ戦術にも荷担しており、白同様、アンコまでで3枚もの族霊鎧が手に入る。「蛇の陰影」は色々とギミックが狙える面白いカードだ。飛行戦力に手を焼く場合には、「蜘蛛の陰影」「葉の矢」と2枚の対策カードが助けてくれるだろう。どうせ今回はそこまでフライヤーが多いわけでもないし、真正面から壁でぶつかるなら、緑にとっては歓迎すべき環境といえる。 その他、増強スペルの「大群の力」、エンチャント対策に「帰化」と、基本カードは堅実路線。ドロー補助に「古きものの活性」まで与えられ、緑はコモンのハズレ枠が少ない期待のカラーといえる。 アンコモンになると、さらにクリーチャー本筋で他の色との差が顕著になる。3ターン目に4/4で突っ込める「バーラ・ゲドの獣壊し」、落とし子の力を一転突破に転用する「茨噛み付き」、落とし子そのものでゲームを決めに行く「大群守り」など、あの手この手で力押し。サービス特盛りの「ペラッカのワーム」は、この世界では数少ない「エルドラージよりも強いクリーチャー」である。他にも単純明快「猪の陰影」、2回ジャイグロ「餌食の復讐」など、コモンの戦術を力強く後押ししてくれるカードが充実。 レアクラスになると、構築で面白そうなのは例えば象メーカーの「カザンドゥの牙呼び」や、落とし子花こと「目覚めの領域」。そして器用なサポートの「重大な落下」に堅実なアドバンテージの「未知な領域」あたりは要注意。特に後の2枚はこれまで緑がなかなか出来なかった仕事をこなせるだけに、今後の環境に変化を与える可能性が高い。他方、これまでの路線をプッシュするなら「復讐蔦」が怖い。単純にでかい軽い強い。そして個人的に応援したいのは「巨術士」ですかね。あれだけ格好付けてるんだから、何かやってくれなきゃ嘘だ。
Ancient Strrings 古きものの活性 (G) C ソーサリー あなたのライブラリを上から5枚見る。あなたはその中の無色のカードを1枚公開し、手札に加えても良い。その後、残りをあなたのライブラリの一番下に望む順番で置く。 青がインスタントかソーサリーを探していた「深遠の覗き見(CHK)」、そして緑がクリーチャーを探した「自然との融和(10ED)」は、神河で誕生した「5枚から探せるスペル」コンビ。普通こういったライブラリ操作は青の方に与えられるべきスペルのはずだが、今回はエルドラージに与しているのが緑なので、こうして緑に続編が作られた。これまでの環境で言えば、無色のカードは土地とアーティファクトだけ。このスペルは当然その2種も手に入れることは出来る。しかし、やはり最大の見せ場はエルドラージとの組み合わせだ。どうせエルドラージはクソ重たいのでそんなに大量にデッキに入れるわけにもいかず、いざというときにこうしてサーチ出来るスペルを入れることで「水増し」出来るのは非常にありがたい。序盤に引いてもさっさと土地に変換してしまえば後腐れもないし、5枚もめくれば流石に土地は1枚くらい含まれているだろうから、決して無駄にならない点は「深遠の覗き見」などの先輩スペルよりも優れている部分だろう。リミテッドならば手軽な圧縮スペルとして重宝するだろうし、構築でもエルドラージが現実味を帯びるならば充分使われる可能性がある。 Aura Gnarlid オーラのナーリッド (2)(G) C クリーチャー・ビースト 2/2 〜より小さいパワーを持つクリーチャーは、〜をブロックできない。 〜は、戦場にあるオーラ1つにつき+1/+1の修正を受ける。 時たま緑や白に登場する、エンチャント大好きクリーチャー。本家「ヤヴィマヤの女魔術師(10ED)」と違ってエンチャントの中でもオーラにしか反応しないという偏食家ではあるが、その分「乱打するワーム(GPT)」と同じ回避性能が与えられた。緑単色で考えても、「猪の陰影」をはればサイズが6/6となり、おそらく一瞬でゲームを決めてくれることだろう。専用デッキが必要にはなるが、選択肢としては充分アリなクリーチャーだ。普通はこうした単体で完結できないクリーチャーというのは評価が下がる傾向にあるものだが、今回のリミテッド環境はテーマが「防衛」。つまり、ブロッカーのタフネスはこれまでの環境よりも低い傾向にある。そこでこのクリーチャーをちょいちょいと強化してやれば、鬱陶しい壁やトークンをするりと抜けられるというわけだ。こういう環境の整備とちょっとした反発心は、なかなか見事なデザインである。 Awakening Zone 目覚めの領域 (2)(G) U エンチャント あなたのアップキープの開始時に、【落とし子トークン】を1体戦場に出す。 あだ名は当然「落とし子花」。あの魔の時代を生み出した「苦花(MOR)」の落とし子バージョンである。ただ、現在も「ゴブリンの突撃」という似たカードもあり、そこまで劇的な効果を生み出しているというわけでもないので、この手のカードが全て壊れているというわけではない。このカードも3マナというコスト設定に加え、出てくるのがパワー0のトークン。ここから出るトークンだけで勝負に勝つことは出来ないわけで(「勇壮な戦闘(JDG)」でもあれば話は別だが)、「苦花」の悪夢の再来というわけではない。しかし、やはり自動で無限生成されるチャンプブロッカーの強さは疑いようがないし、このトークンはマナソースとしても実に重要な役回り。順調に土地をおければ毎ターン2マナずつマナが伸びていくわけで、流石にマナの専門家の緑はエルドラージに最も近い色といえそうだ。さぁ、レッツ落とし子。 Bear Umbra 熊の陰影 (2)(G)(G) R エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) 族霊鎧 エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受けるとともに、「このクリーチャーが攻撃に参加するたび、あなたがコントロールする全ての土地をアンタップする」を持つ。 セットで登場した「猪の陰影/Boar Umbra」と名前がものすごくややこしいオーラ。仕事が被ってるのに名前が2文字違いって、分かりにくいにもほどがあるわ。で、熊のご加護なので当然+2。4マナもかけて+2だけだと寂しいけど、何故かアタックすると土地がわっふるわっふるするという、あまり熊成分が感じられないオプションがついた。普段の2倍マナが使えるのでありがたいのは間違いない。第1メインでやりたいことやりまくった後でも、殴りさえすればコンバットトリックのためのマナが確保出来るようになるので、起動コストが重たい「シーリアの陽歌い」でも安心だ。まぁ、使ってる人みたことないけど。ただ、結局第1メインと第2メインに使えるマナが増えるだけでマナの総量がアップするわけではないので、このブロック独特のアホコストの支払いに充てられるわけではない。手数で勝負するにも手札はいつかつきるわけで、相当練り込んだデッキでない限りは立った土地も無駄遣いに終わることの方が多そうだ。ミシュラランドが殴りに行きやすくなるので、ひょっとしたら土地単みたいな土地殴りデッキが向いてたりするかもしれない。そして、緑は「マナの座、オムナス」というベストパートナーもいるぞ。熊の着ぐるみをまとった神話レアが見たい人はお勧めだ。装備するときには「キルミンフォーゼ開始!」の一声を忘れずに。 Beastbreaker of Bala Ged バーラ・ゲドの獣壊し (1)(G) U クリーチャー・人間、戦士 2/2 Lvアップ:(2)(G) <LV 1-3> 4/4 <LV 4+> 6/6 トランプル とことん肉弾戦を求めたレベルアッパー。本当に殴るしか能がない人間・戦士ということで、信頼度で言えばホイミンがいない状態のライアンくらいだと思えばいいだろう。2マナで熊として登場させ、遅れて3マナをつぎ込めば4/4。5マナで4/4なのだから、リミテッド基準は満たしている。アンコモンとしては些か物足りないが、デッキに入れるのを躊躇うこともあるまい。また、3ターン目に4/4が殴りに行けるようになるので、基本ガチの殴り合いになるリミテッドなら、このスピードと安定感は無視できないだろう。さらにさらに、もう9マナを頑張って加えると、今度は6/6トランプラーというフィニッシャーに昇格。9マナ払う暇があったらもうちょっと楽させろよ、とは思うが、無いよりあった方がいいオプションなのは間違いない。人間、精進を怠らなければ甲鱗さまとだって戦えるということを、その身で示してやろう。まぁ、甲鱗さまよりも総コスト数で重たくなるわけだがな。 Boar Umbra 猪の陰影 (2)(G) U エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) 族霊鎧 エンチャントされたクリーチャーは、+3/+3の修正を受ける。 猪憑きってことは、草摩家で言うと楽羅です。CVは三石琴乃です。素晴らしいですよね。修正値が+3と大きく、当たり前だが「樫化(M10)」の完全上位互換。そして、このスタイルのオーラの大先輩ともいえる「象の導き(JDG)」とイメージが被る。「樫化」はリミテッドではかなりの破壊力を持つカードなので充分脅威であるし、それが族霊鎧で守られるのだから安定感は半端じゃない。リミテッドでは手軽に相手陣営に切り込めるナイスカード。個人的な不満点は、緑で+3という数字だったらもう「Elephant Umbra/象の陰影」で良かったんじゃないか、ってことくらいだ。白のマンモスと被るからかなぁ。 Bramblesnap 茨噛み付き (1)(G) U クリーチャー・エレメンタル 1/1 トランプル あなたのコントロールするアンタップ状態のクリーチャー1体をタップする:〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。 コストが軽くなり、トランプルを得た代わりにサイズが縮んだ「トーパの苦行者」。「苦行者」の場合は生息している世界に賛美カードが溢れていたために、タイマン勝負のプロとしての登用があったわけだが、このカードはおそらくパワーを持たない落とし子トークン達の存在価値をあげるのが目的だろう。この手のカードは初期ステータスはあまり重要ではなく、続けて「コジレックの捕食者」を出せば、そのまま4/4で殴ることが出来るし、この世界には壁も多くなるであろうから、そうした防戦一方の連中の元気を集めるメイン砲台の役割を務めることが出来るはずだ。「トーパの苦行者」がアラーラ環境で見せた活躍はまだまだ印象に残っているので、こいつもあの先輩を超える活躍が期待できるぞ。 Broodwarden 大群守り (3)(G)(G) U クリーチャー・エルドラージ、ドローン 4/4 あなたのコントロールするエルドラージ・落とし子・クリーチャーは+2/+1の修正を受ける。 落とし子戦術を意外な方向からサポートしてみせる、ドローン業界の知将。それまでマナの種だとしか思われていなかった落とし子たちが突如2/2に変貌して殴りかかってくる様は、深夜のグレムリンもびっくりのギミックである。自身が5マナ4/4とナイスボディを持っていることもあり、リミテッドでは「一応落とし子からエルドラージに繋げるデザインだけど、こいつが出たら出たで試合が早くすむので楽」という、一種の変則勝ちパターンとして重宝しそうだ。上記の「目覚めの領域」などと組み合わせた時のチートっぷりはなかなかのものであるし、2体引けちゃった時の落とし子祭りったら、もう。 Daggerback Basilisk 短刀背のバジリスク (2)(G) C クリーチャー・バジリスク 2/2 接死 Oh, It’s 普通の creature。タフネスに偏らせた「巨大蠍」の方が強い気がしますが、気にしちゃ駄目です。バジリスク1体でもエルドラージと相打ち可能。これ重要。 Gelatinous Genesis 軟体の起源 (X)(X)(G) R ソーサリー X/Xで緑のウーズ・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。 純正バカスペル。なんでウーズが絡むスペルって全部馬鹿っぽくなってしまうんだろうか。制作者は何かウーズに恨みでもあるのかよ。というわけで、「ウーズの庭」の時に作られたウーズ・トークンが無駄にならないように作られたエコロジカルなカードだ。まぁ、今回のセットにもトークンカードがつくんだがな。3マナで1/1が1体出てくるという素晴らしきゴミ性能はマナを増すごとにクオリティが上がっていき、5マナなら2/2が2体。7マナで3/3が3体あたりになると、そこそこのレベルに。この世界なら9マナくらいは割と行けるだろうから、そこまでいけば4/4が4体。まぁ、ゲームは決められるだろう。問題はもう3マナ軽い「猛り狂うベイロス」ならもっと簡単なんじゃないか、ってことだが、この世界は無駄にマナを出したいみたいなので、せっかくだからこのスペルを使ってみようではないか。マルチキッカーと違って指数関数的に効果が上がっていくあたりに、ちょっとした製作チームのこだわりが感じられますな。でも、どうせレアなら(X)(G)(G)(G)くらいのコストでも良かったんじゃないかと思うのですが。駄目ですか、そうですか。 Gigantomancer 巨術士 (7)(G) R クリーチャー・人間、シャーマン 1/1 (1):対象の、あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで7/7となる。 バカ魔術師。8マナ1/1というのは、カウンターを載せたりパワー変動システムを採用しているクリーチャーを除けば、過去には「軽蔑する利己主義者(SCG)」のみが実現させた幻のステータス。この虚弱さは破格だ。しかし、そんなひ弱な坊やは仮の姿。わずか1マナで自身も7/7にビルドアップするし、釣られて回りの取り巻きだって7/7のタフガイに。もう、これをプレイするための落とし子オンリーデッキを組んで、余った落とし子を全部7/7にすればゲームに勝てそうだ。頑張って配下を育て上げていた「ゼンディカーの報復者」たちが馬鹿馬鹿しくてやってられないだろう。人類で最も分かりやすいエルドラージへの対策法を生み出したのは、ひょっとしたらこいつなのかもしれない。いや、マジで構築あるぞ。 Gravity Well 重力の井戸 (1)(G)(G) U 飛行を持つクリーチャーが1体攻撃するたび、それはターン終了時まで飛行を失う。 飛行クリーチャーが飛行を持たないクリーチャーよりも優れた点はなんだ、と問われたら、普通の人は「ブロックされにくいことだ」と答えるだろう。流石にここで「地震で死なないことだ」と言う人間は少ない。では、「攻撃時に飛行を失う飛行クリーチャーとはなんだ」と問われれば、それは確かに「地震で死なないクリーチャーだ」と答えるしかないだろう。もしくは、「単にサイズに恵まれなかった可哀想なクリーチャーだ」と。緑の飛行嫌いは、直接ダメージ系の「ハリケーン」などにも結実しているが、ここにまた新たな1つの答えを見つけたのかもしれない。悪斬? 幸い「聖遺の騎士」はそれよりでかいことの方が普通である。よし、緑ならいける。 Growth Spasm 成長の発作 (2)(G) C ソーサリー あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それをタップ状態で場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。【落とし子トークン】を1体戦場に出す。 「不屈の自然」+落とし子で、合計3マナ。シンプルイズベスト。次のターンに2マナのびてるのでお高いお目当てのスペルにも一足先に到達できます。でも、このスペルに到達するには「不屈の自然」よりも1ターン余計に時間がかかります。……ん〜、微妙な違いだが、ゴールが10マナとか適当なエルドラージだとするなら、序盤の2マナと3マナの差が些細に見えてくるから不思議だ。少しでもカード効率をあげるなら、1枚のカードで2つパーマネントが増えるこちらが強い……気がする? やっぱり「木霊の手の内(CHK)」って強かったよなぁ。 Haze Frog もやの蛙 (3)(G)(G) C クリーチャー・カエル 2/1 瞬速 〜が戦場に出たとき、このターン他のクリーチャーが与える全ての戦闘ダメージを軽減する。 「濃霧」に2/1のカエルをくっつけたら、なんと4マナも重たくなってしまった。普通に考えると「流石にちょっとなぁ」という答えになってしまうが、一応こいつは「他のクリーチャーが与える戦闘ダメージ」というのがミソ。こいつ自身がブロッカーになれば、一応タフネス2までのクリーチャーを一方的に葬ることが出来るのである。まぁ、その可能性があるなら、このコストでもギリギリ。緑が積極的にこれを採用したい理由は少ない気もするが、世の中どんなデッキが登場するか分からない。覚えておけばラッキーな日もあるかもしれないだろう。ちなみに、その昔サクると「濃霧」が発生する「胞子カエル(PCY)」というクリーチャーがいた。何か関係があるんだろうか。 Irresistible Prey 抑え難い餌食 (G) U ソーサリー 対象のクリーチャー1体は、このターン可能ならばブロックされなければならない。カードを1枚引く。 1マナという最小コストで、過去には「ゴブリンの火の悪鬼(RAV)」のみが持っていた微妙なブロック強制能力を付与する。相手にお好みのクリーチャー1体だけがいれば大当たりだが、落とし子トークンが1体でもいれば残念賞。大人しくドローするだけの循環スペルと見て諦めよう。つまり、大半の場合は諦めよう。一応の使い道として、フライヤーどうしの接触を強制させたいシーンではそこそこの信頼感があるのだが、そんな状況がどれくらい頻発するものか。 Jaddi Lifestrider ジャディの生命歩き (4)(G) U クリーチャー・エレメンタル 2/8 〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールするアンタップ状態のクリーチャーを望む数だけタップしても良い。あなたは、この方法でタップされたクリーチャー1体につき2点のライフを得る。 緑が時たまやる、よく分からないライフゲインカードの新作。ライフゲインは白が本職なので緑が頑張ろうとすると「鼓舞の滝(TOR)」やら「豊潤な収穫」やらろくな結果にならないことが多いのだが、このカードはクリーチャーなので、決して悪いカードではない。何しろ5マナ2/8という意味の分からないステータスなのだ。ちょっと前に「不屈の古樹(MOR)」の2/10で爆笑したのに、今度はアンコモンで2/8。馬鹿だねぇ。そして、このデザインならいっそのこと「あなたのコントロールするクリーチャー1体につき2点のライフを得る」でもいいような気がするのに、何故かタップを強要するあたりが分からない。そりゃま、単純にライフを得るだけだと流石にウザすぎるのだが、このタップにどんな物語が込められているのかが分からないので「なんかあの手この手で個性を出そうとしてて必死だな」という感想しか出てこない。そして、実際にプレイされたら本当に本当にウザいのは間違いない。マジ勘弁して。 Joraga Treespeaker ジョラガーの樹語り (G) U クリーチャー・エルフ、ドルイド 1/1 Lvアップ・(1)(G) <LV 1-4> 1/2 (T):あなたのマナ・プールに(G)(G)を加える。 <LV 5+> 1/4 あなたのコントロールするエルフは、「(T):あなたのマナ・プールに(G)(G)を加える」を持つ。 マナクリーチャー業界にも、レベルアップの波が押し寄せている。「緑織りのドルイド」のレベルアップ仕様は、ほぼ確実に先代よりも能力は上だ。まず、先代とほぼ同じ(1)(G)(G)のコストで、(G)(G)を出す1/2のドルイド。この時点で普通に出番はあるはずだが、更に自らの能力を使ってレベルアップを繰り返せば、あのレジェンドだった「せし郎の娘、さ千(CHK)」と同じ能力を手にし、自らも1/4と安定感あるボディに昇格。ここまで来ると、エルドラージだろうが「らせんの円錐(EVE)」だろうが何でも来いのマナ量産体制だ。合計10マナの投資は安い買い物では無かろうが、少なくとも他のレベルアップクリーチャーと違って自分の手で責任を持って大きくなれるというメリットはある。そして、この世界には他にもレベルアップのために大量のマナを求めるクリーチャーがたくさんいるのだ! 起ちあがれ僕らのジョラガー。エルフデッキは、また別の高みを目指すことが出来るだろうか。ちなみに余談だが、このカードの3つ目の能力でマナが出せるようになるのはクリーチャーだけに限られていない。タイプとして「エルフ」を持っていれば、エンチャントだろうがプレインズウォーカーだろうがマナを出せるようになるのだ。まぁ、現在このカテゴリに属するのは「麗しき者の勇気(LRW)」だけなんだけど。 Kazandu Tuskcaller カザンドゥの牙呼び (1)(G) R クリーチャー・人間、シャーマン 1/1 Lvアップ・(1)(G) <LV 2-5> (T):3/3で緑の、象・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 <LV 6+> (T):3/3で緑の、象・クリーチャー・トークンを2体戦場に出す。 レアレベルアッパー。最初の仕事を始められるようになるまでトータルで6マナもかかるのは不自由だが、2度目のレベルアップの時には、擬似的に「(1)(G):トークンを出す」と同じような働きになるので、実際にはそこまで重たいというわけではない。マナいらずで延々象が出てくるという訳の分からない性能は「野生の狩りの達人」に迫るスペックなので、充分エンドカードといえるだろう。ついでにレベル6まで行くとさらなるドリームも見えるようになるが、そんな暇があったら出した象をサポートして勝ちを狙った方が早いような気もする。まぁ、オプションがあるのは素晴らしいことだ。「獣群の呼び声(TSB)」も草葉の陰で喜んでいることだろう。新手のガラクとして、構築レベルも見える人材だ。 Khalni Hydra カルニのハイドラ (G)(G)(G)(G)(G)(G)(G)(G) M クリーチャー・ハイドラ 8/8 トランプル 〜のコストは、あなたのコントロールする緑のクリーチャー1体に付き(G)だけ少なくなる。 コスト欄を記入するときに何度も数を数える必要があるややこしい神話レア。単色マナシンボル8つというのは当然歴代レコードを更新しており、わずか2年で記録を塗り替えられた「尊原初(EVE)」もちょっと悔しそうだ(ちなみに色マナシンボル数のトップは当然「大祖始」)。で、そこまでマナシンボルを並べて何がしたいかというと、単に8/8トランプラー。そりゃま、強いのは強いだろうが、現在「土を踏み付けるもの」や「巨身化」が大活躍しているという話はあまり聞かない。このカードはシンプルな戦略でコストを削減できるようになるというおまけはあるが、仮に緑クリーチャーが4体いても残るコストは(G)(G)(G)(G)なわけで、本当に限られたデッキでの運用しか望めないわけだ。普通の人なら、そんな手間のかかるファッティを採用するよりも、大人しく色を広げて汎用性を追うだろう。つまり、リミテッド以外では用無しと言うことである。一応、無色カードの多い環境ということで単色デッキでの選択肢も大きく広がることにはなるのだが、逆に言えば多色デッキでも同じだけの選択肢が増えているということ。流石に緑単が一世を風靡する世界は見えてきそうもない。 Kozilek’s Predetor コジレックの捕食者 (3)(G) C クリーチャー・エルドラージ、ドローン 3/3 〜が戦場に出たとき、【落とし子トークン】を2体戦場に出す。 緑のコモンドローンは4マナ3/3にトークン2つ。流石に緑はマナレシオに優れているので、特にエルドラージを意識せずとも使いやすいデザイン。この世界の基盤をなす良いクリーチャーである。普通すぎてコメントに困るのが唯一の難点だが、特に言うことが無いのは良いカードの証、ということでどうだろう。強いてネタを探すとするなら、この日本語名だとどうしても「コジレックを捕食する奴」に見えるというのがちょっとした問題。所有格の「の」だからコジレック配下って意味なんだろうけど、日本語の語順だと「アリクイ」とか「マイマイカブリ」みたいに目的語に見えるんだよな。 <その他> 最後は5つの色に分類されないカテゴリを見ていこう。これらのカードはコモンが少ないので、あまりリミテッドのことを考えられないのだが、やはりエルドラージにコモンがあるというのは見過ごせない因子だろう。具体的には「エムラクールの手」と「ウラモグの破壊者」の2体で、前者は落とし子4体からの高速召喚が売りで、後者は充分なステータスと滅殺2を持つ立派なエルドラージ。これらコモンは「いらない人はいらないデカブツ」になる可能性があり、手にしやすいものであろう。特に「破壊者」は、数体の落とし子を犠牲にしたとしても1回殴れば充分元が取れるようになっているので、リミテッドでは気楽に投入できる基本カード。 しかしまぁ、せっかく重たいエルドラージをいれるなら、もうちょっと質のいいカードを選びたいのが人情だろう。どうせ大量には入れられないだろうから、単体のスペックはアンコまで手を伸ばして説得力のあるカードを詰めておきたい。アンコモンで注目なのは、187でアドバンテージを確実に稼げる「コジレックの職工」。また、落とし子を量産する「走り回る侵略」という補助スペルもある。もし万一1引きで「コジレック」「ウラモグ」あたりの伝説が引けてしまった場合、何とかしてマナが出せるよう、このスペルが出てくるのを祈りたい。 さて、それ以外にコモンがあるカードといえば一応アーティファクトがあるのだが、用意されたのはそこまで魅力があるわけではない壁の「補強された防壁」と、マナフィルターの「予言のプリズム」。「防壁」はおそらく赤緑の壁デッキからオファーがかかるカードで、後者はキャントリップでもあるし、集めておけば3色に散っても安心。派手さは無いが、引くには値するカード。あとは「進化する未開地」もコモンだし、何とか3色くらいは狙えると考えていいだろう。 アンコモン以上のアーティファクトでは、「3倍精神石」こと「夢石の面晶体」が強い。エルドラージのお供にしてもいいし、単にドロー装置として置いても仕事は出来るだろう。あとは、各種の単純な増強系装備品。アンコモンでも「団旗の刃」があるし、実は「戦争売りの戦車」も増強出来るだけで充分強い。純粋なクリーチャーパワーは決して高い環境ではないので、このあたりの評価は他の環境よりも割り増しで考えていいはずだ。 そしてレア以上のカードたち。もう3体の神には面倒なので触れないが、その他の神話で気になるのはやはり「狂乱のサルカン」。やってくれるのかどうか微妙だが、勿論リミテッドならゲームエンドの能力だ。エルドラージからは、比較的軽いマナからゲームを決めてくれる「エルドラージの徴兵」がヤバい。オーラは色々と縛りが弱いので、ひょっとしたら構築レベルも見えてしまいそうなカードだ。そして当然「全ては塵」。「ウギンの目」や「エルドラージの寺院」の力を得て、何かものすごいデッキが生み出されるだろうか。 Sarkhan the Mad 狂乱のサルカン (3)(B)(R) M プレインズウォーカー・サルカン 【7】 <0>:あなたのライブラリのトップを公開し、手札に加える。〜は、そのカードの点数で見たマナコストに等しい値のダメージを自身に与える。 <-2>:対象のクリーチャーのコントローラーは、それを生け贄に捧げる。その後、そのプレイヤーは5/5で飛行を持つ、赤のドラゴン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 <-4>:あなたのコントロールする各ドラゴン・クリーチャーは、対象のプレイヤー1人にそのパワーに等しい値のダメージを与える。 公式ストーリー紹介によれば、サルカンさんはどうやらあのニコル様に仕えていたらしい。もう少し早く自分の職場がブラック企業(色的な意味で)だと気付いていればこうした労災まがいの精神障害も免れたかもしれないのに、無理してドラゴン探しにうつつを抜かしていたおかげで、気付けばキチガ○になってしまった。史上初のプラス能力無しのプレインズウォーカーは、ただひたすら破滅に突き進むだけの、ちょっとした消耗エンチャントみたいな扱い。もちろん、神話に属するプレインズウォーカーなので、能力は弱くはない。一番使いやすいのは2番目の能力で、苗木トークンですら大空を舞うドラゴンに変えることが出来る。流石のドラゴンマニアだ。一応、相手に使うことが出来るのもポイントで、「流石に相手の5/5フライヤーは渡したくないだろ」と思うなかれ。世の中には10/10や15/15のエルドラージがいることを忘れちゃいけない。能力の記述のおかげで、有色プロテクションを持つエムラクールも、破壊されないウラモグも殺すことが出来るのはこのおっさんの強み。ひょっとして、今回そういう役回りなんだろうか。そして、自軍にうまいことドラゴンが並んでいれば、3番目の能力も使えるときがくるかもしれない。「若き群れのドラゴン」がいれば8点火力になるわけだし、ひょっとしたら「旧サルカン超必」→「これ」という夢の一人芝居も実現の可能性は無くもない。まぁ、完全にオーバーキルになりますが。そして難しいのは1つ目の宇宙が見えそうな能力。これでダメージをくらうのがプレイヤーなら新手の「闇の腹心(RAV)」になれたのだが、残念ながら消耗するのはサルカン本人。下手したら1回でオジャンなんて情けない事態も起こりうる。まぁ、土地がめくれたら宇宙なのは同じだが……安全かつ確実な仕事を1マナ軽いジェイスが平気でやっていることを考えると、流石に使いやすいとは言い難いだろう。さぁ、ジャンド全盛のこの時代、彼に出番は回ってくるのだろうか。今、突然「エクステンデッドとかで『鏡の精体(LRW)』と組み合わせると格好いい」という電波を受信したのだが、毒電波だったようなのですぐに忘れることにした。 Angelheart Vial 天使心の薬瓶 (5) R アーティファクト あなたがダメージを与えられるたび、〜の上にそれに等しい数の蓄積カウンターを置いてもよい。 (2)(T)、〜の上から蓄積カウンターを4つ取り除く:あなたは2点のライフを得て、カードを1枚引く。 微妙な優しさがムズかゆくなるような、何とも中途半端なアーティファクト。このもやっとした微妙なサポートは、そんなに似てないけど「病み上がりの介護(ONS)」なんて微妙なカードを思い出してみたり。もちろん、レアのシンボルを持つカードなので、効果自体は弱いわけではない。くらったダメージは(ある程度時間はかかるかもしれないが)半分を無かったことに出来るし、その副産物として幾ばくかのカードを得ることも出来る。長期戦を見越してじりじりとライフを削ろうとする相手にとっては、なかなか鬱陶しいカードである。が、回復にはマナが必要になるし、何より設置に5マナというコストが問題だ。5マナで、プレイした時点で何もしてくれないカードをプレイするというのは抵抗があるし、その時点ではどんなデッキが相手でもそれなりのダメージはくらっているだろう。残りライフが10点の段階でこれをプレイしても、引けるカードは多くても3枚程度と見ていいだろうから、そこまで劇的な防衛手段とは言えない。ましてこの世界にはワンパンチで8点とか10点とか持っていくようなアホが大挙する世界。こんな悠長な方法で延命措置を講じている余裕はない。頑張ってもリミテッドの微妙レアがいいところかと。 Dreamstone Hedron 夢石の面晶体 (6) U アーティファクト (T):あなたのマナ・プールに(3)を加える。 (3)(T)、〜を生け贄に捧げる:カードを3枚引く。 大胆に3倍になった「精神石(10ED)」。マナコストも3倍なら出せるマナも3倍。起動コストも3倍で、引ける枚数も3倍だ。もう、「赤い彗星の精神石」とかいう名前にすればよかったのに。ただ、その効果はといえば、もちろん単純に3倍というわけにはいかない。「無色マナでマナ加速するためのカードが6マナて!」というのが普通の反応ではあるのだが、この世界ではそれが普通に使えそうなのが恐ろしいところ。これで9マナ、もしくは土地を置いて10マナにまで到達すれば、一気にエルドラージが手中。6マナというのはそこまで非現実的なコストではないので、軽量ドローンなどを駆使してさっさと落とし子をこれに変えて「保管」しておくというのはありだろう。確実にこの世界の真髄へと導いてくれる重要なカードである。ただまぁ、マナを出す目的だけなら、選択権があって汎用性が段違いの「永遠溢れの杯」の方が強いのは自明。このカードの利点は、さらに無色の「集中(8ED)」として機能するのであらゆるシーンで無駄にならないという点だ。構築デッキなら「彗星の嵐」を導入するなどして「いつマナソースが来ても無駄にはならない」構成を心がけることは出来るが、リミテッドではそうもいかない。必死でマナをのばしても、たった1枚のデカブツを出してしまえば用済みって事態は多いだろうし、そもそも「マナ出してる場合じゃねぇ!」っていう展開も頻出する。そんなときに、とにかく目先のアドバンテージを取れるという設計は実に魅力的だ。夢を見る人も現実を見る人も、押さえておいて損のないカードである。 Enatu Golem エナートゥのゴーレム (6) C アーティファクトクリーチャー・ゴーレム 3/5 〜が戦場から墓地におかれたとき、あなたは4点のライフを得る。 墓地におちてライフに変わるアーティファクトクリーチャーというとどうしても「ボトルのノーム(10ED)」をイメージしてしまうが、実はこのクリーチャーはあの愛くるしいカードの流れではない。なぜなら、サクって回復という設定でないので、能動的にライフを獲得できないからだ。実際には、このクリーチャーの先祖は、誰も覚えていないカードだろう「潜むエイノデット(5DN)」である。「エイノデット」が1マナ重たくなったかわりに、タフネスと得られるライフが増えたのだ。……まぁ、だからどうしたって話ですけどね。リミテッドでも特に魅力を感じない、穴埋め感満載の地味カードである。ちなみに、「潜むエイノデット」にも先輩カードがいるということを今回調べていて初めて知った。「オニュレット(4ED)」といって、更に1回り小さいアーティファクトクリーチャーである。ふーん、と思ったでしょう。俺もそうだ。そして、この話には続きがある。「潜むエイノデット/Anodet Lurker」は、「Darker Onulet」のアナグラムであるという情報がwikiに書いてあったのだ。ということは、この、日本語名がどう見ても「江夏のゴーレム」にしか見えない名前も、何かあるに違いない。「Enatu Golem」→「Mega Onulet」。!!! ……流石である。 Hedron Mtrix 面晶体のマトリックス (4) R アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは+X/+Xの修正を受ける。Xは、そのクリーチャーの点数で見たマナコストである。 装備・(4) ダイナミック装備品。だれもが当然思うことだが、「エムラクール」が装備するとなんと脅威の30/30が誕生する。まぁ、だからなんだと言われてもどうしようもないのだが。3マナで装備出来る「ヴァルショクの戦具(MRD)」が+3なので、出来れば4マナ以上のクリーチャーに装備させてやりたいアイテム。「軽蔑する利己主義者(SCG)」に装備させるっていうネタを思いついたんだけど、誰かやってみてくれ。まぁ、このコストなんだからそれなりに働いてもらわないとね。リミテッドの場合、「卓越の印章」が大活躍しちゃったりするので、このカードだって充分強い。構築レベルの話とか始めると鬼が笑い出しそうなので略。 Keening Stone 号泣の石 (6) R アーティファクト (5)(T):対象のプレイヤーは、自分のライブラリを上からX枚自分の墓地に置く。Xは、そのプレイヤーの墓地の枚数である。 スーパー大ざっぱ仕様の新型石臼。キャスト6マナにプレイ5マナと半端無い重さであるが、それに見合うくらいの効果はある。こんな重たいものを設置したのだから相手の墓地はそれなりの枚数だろう。仮に5枚だとすると、1回目の起動が5枚、そこから倍々ゲームになるのであと3回も起動すれば確実にゲームが終わる。ここまで回数が少ないミルカードはなかなか無いだろう。あぁ、「つぶやきの塔(MRD)」とか「華麗なる簪(BOK)」とかあったけどね……どうせミルなんてものは大した回数起動しない方がいいわけだから、多少重くても効果が大きい方が……って、んなわけない。カウンターやフォグを構えて堪えるタイプのライブラリ破壊デッキでこのコストをどうやって捻出しろと。普通に「書庫の罠」でいいわ。そして、このブロックには問答無用でライブラリを修復してしまう悪夢のようなエルドラージが登場しちまった……相手のデッキに1枚でも奴らが入っていれば、もうライブラリ破壊デッキは勝ち手段がないのだ。ミルスキーには地獄のような世界である。 Ogre’s Cleaver オーガの列断剣 (2) U アーティファクト・装備品 装備しているクリーチャーは+5/+0の修正を受ける。 装備・(5) 大ざっぱ装備品。+5の修正というのは「カルドラの剣(MRD)」や「龍の牙、辰正(CHK)」といったレジェンドクラスの値だし、構築でも猛威を振るった「大薙刀(SOK)」でもパワーは+3である。「極楽鳥」につけてもゲームが終わる値なのだから、少しくらい装備コストが重いことくらい目をつぶろうじゃないか。……重いなぁ。パワー2以下のクリーチャーがアンブロッカブルになる「ゴブリンのトンネル掘り」とのシナジーがヤバめ。 Pennon Blade 団旗の刃 (3) U アーティファクト・装備品 装備しているクリーチャーは、あなたがコントロールするクリーチャー1体につき+1/+1の修正を受ける。 装備・(4) これまた随分重たい装備品だ。効果は緑に収録された「大群の力」と同じで、名前からすると「旗印」に近いのかもしれない。自身をカウントするので最低でも+1,落とし子だらけならば「卓越の印章」すら凌駕する修正値もあり得る。壁を並べてフライヤーでビートする青なんかにはもってこいのカードだ。キャスティングコスト・装備コストが「マナ力の鎚鉾」なみに重たいので、それを見越して充分ペイ出来るデッキで使う必要はあるが、アンコモンなのでリミテッドならそれなりに使われるカードになりそうだ。全軍結集、エルドラージに立ち向かえ! ……エルドラージに立ち向かうのが大量の落とし子トークンだとなんか矛盾するよな。 Prophetic Prism 予言のプリズム (2) C アーティファクト 〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。 (1)(T):あなたのマナ・プールに、好きな色のマナを1点加える。 名前が「五元のプリズム(5DN)」にものすごく似ているが、実際は単にキャントリップがついた「マナの大鉢」である。「マナの大鉢」だってそれなりに重宝したカードなのだから、1マナ重たくなってカードが引けるなら、こちらの方がより利用価値は高い。2マナキャントリップのアーティファクトというだけで、「エーテリウムの彫刻家」が美味しそうにこちらを見ていますわ。ただ、この世界のリミテッドでこうしたマナフィルターがどの程度の価値を持つかはまだ不明。現時点ではそこまで色の広がる世界ではなさそうなので、窮屈な3色構成などになった場合には必須カードであろう。 Reinforced Bulwark 補強された防壁 (3) C アーティファクトクリーチャー・壁 0/4 防衛 (T):このターン、あなたに与えられるダメージを1点軽減する。 アーティファクト製の「尊い祖霊(RAV)」だが、無色になった見返りとして、クリーチャーへのダメージを軽減できなくなってしまった。この変更はかなり痛いのだが、とりあえずリミテッドでは「何色でも使える壁」としてのニーズは間違いなくあるだろう。今のところ有力なのは、「断固たる盾持ち」を擁する白や、「草茂る胸壁」「孔の歩哨」がいるので壁を増やしたい赤緑あたりか。パワー3までのクリーチャーを受け止めてさらにもう1体を軽減できるのだから、名前の通りに防壁としてはそれなりだ。 Runed Sevitor ルーンの苦役者 (2) U アーティファクトクリーチャー・構築物 2/2 〜が戦場から墓地に置かれたとき、各プレイヤーはカードを1枚引く。 一応デメリットが存在していないのに熊ボディを実現させた無色アーティファクトクリーチャー。この条件をクリアしたカードは過去に存在していない。お互いカードを引くことを積極的にメリットに変換するのはちょっと難しいが、まぁ、別に損もしてないんだからいい気もする。でも、別に積極的に使う理由もない気がする。エキスパンション間違えて半年早く出てきちゃったアーティファクト祭りの人でしょうかねぇ。「栄光の探求者」が何しに帰ってきたのかが本当に分からない。 Sphinx-Bone Wand スフィンクスの骨の杖 (7) R アーティファクト あなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、〜の上に蓄積カウンターを1つ置いてもよい。その後、〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に、蓄積カウンターの数に等しい値のダメージを与える。 全てのインスタントとソーサリーがダメージソースとなり、しかもそれが徐々に威力を増していくという、何とも不思議な置物。設置後は何の手間もかけずに付加効果があるのだから当然強いのだが、7マナというコストは考えなければいけないところだろう。これを設置した後でも継続的にスペルをキャスト出来るようなデッキというのは流石に限られてしまう。最も単純なアイディアは、やはり「紅蓮術士の昇天」のようなスペルてんこ盛りデッキへの投入「昇天」に追加で入れてもいいし、とにかく「思案」や「俗世の相談」を連打するだけでゲームに勝てるようになるのは同じ。ただ、やっぱり「昇天」は2マナだから成立している部分があるわけで。7マナというコストを逆に利用してやるなら、「残酷な根本原理」との組み合わせという手もある。これを設置した後に「根本原理」をプレイすれば、きっと手札には追加のスペルも補充されることだろう。まぁ、「根本原理」撃てるならそのまま勝てよ、という意見の方が多そうではあるが。意外なところでは、「ヴァラクート」のような土地を高速で増やすデッキでの採用も面白いかもしれない。これならコストの重さは緩和されるし、あの手のデッキも「砕土」「不屈の自然」「探検」など、スペルの比率が高い。ヴァラクート・ワンドという新しいデッキが生まれないだろうか。……面白そうだな、やってみようか。 Warmonger’s Chariot 戦争売りの戦車 (2) U アーティファクト・装備品 装備しているクリーチャーは、+2/+2の修正を受ける。 装備しているクリーチャーが防衛を持っている限り、それは防衛を持たないかのように攻撃出来る。 装備・(3) このテーマならきっとあるに違いないと思われていた、壁が攻撃出来るようになるカード。ただ、期待されていた「ローリング・ストーンズ(8ED)」効果ではなくあくまで「動く壁(6ED)」どまりなので、防衛デッキで劇的な大反逆を展開するまでには至らないのが惜しいところ。まぁ、今回はそんなにパワーを持つ壁も多くないからいいんだけど。白の「魂縛りの守護者」や赤の「怒りの雨雲」と組み合わせると結構な存在感がある。ぶっちゃけ、普通に+2してくれる「ヴァルショクの鉄球(9ED)」としてのニーズだけでも充分だと思うけどね。余談だが、カード名になっている「戦争売り(MMQ)」は、世界でも5体しか存在しない「モンガー」をタイプとして持つクリーチャーで、このカードとは何の関係もない。さらに余談だが、イラストを見ても、何がどうなって壁が攻撃出来るようになる装置なのかがさっぱり分からない。 Eldrazi Temple エルドラージの寺院 R 土地 (T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。 (T):あなたのマナ・プールに(2)を加える。このマナは、無色のエルドラージ呪文を唱えるか、無色のエルドラージの能力の起動するときのみ使用できる。 エルドラージ限定で倍速になる無色土地。4枚置けば「ウラモグの破壊者」に手が届くわけで、確かに破格だ。コンセプトとしては「邪神の寺院(SCG)」に似ていて、あちらは出ただけでマナを出さないことすらあるという制限があったが、当時の白コンなどでは案外使われた実績を持つ。やっぱり、複数のマナが出る土地は弱くないと言うことだ。あとは、無色マナしか出ない部分をどうにかすること。いくら無色呪文があるからといって、色マナがいらないわけじゃない。こればかり入れすぎるとホントに色マナで悩むことが多くなるだろうから、バランスは大切に。まぁ、現時点ではアラーラ土地だのフェッチだのミシュラランドだの、色マナサポートに困るとは思えないけどね。ここらで一体、「ゴブリンの廃墟飛ばし」が怖い。 Evolving Wilds 進化する未開地 C 土地 (T)、〜を生け贄に捧げる:あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。 「広漠なる変幻地」の同型再版。何故「変幻地」が現役の今、名前を変えて収録する必要があるのかは謎。「変幻地」は、上陸全盛の現在は構築レベルでもしばしば見かける名脇役なので、このカードだって当然重宝するだろう。これで一応ボロスのような対抗色2色のデッキは、やろうと思えば20枚ものフェッチをぶち込むことが可能になった。まぁ、やらないけど。 「キディ・ガーランドKIDDY GiRL-AND」 5→3 散々各話レビューで書ききっているので大してまとめることもないのだが、やっぱりこの作品は残念である。改めて考えると「前作がそこまで肩入れするほど面白いもんなのか」と言うのも定かでないのだが、それでもやっぱり、思い出が駄目にされるとしょんぼりしてしまうのは致し方ないことだ。 画面の説得力に関しては、シーズンを通じてそれなりのクオリティは維持していた。一応「萌え作品」にもカウントされるものであろうから、キャラ画が崩れてしまっては話にならない。そういう意味では、一応毎話毎話アスクールやディアは可愛らしいままだったし、例えば5話の細田直人回なんかは素晴らしかった。佐藤順一回とかもあって、実に贅沢なラインナップ。そういう「個々のクリエイターの実力を見せつけられる」媒体としては良い働きをしている。ただ、それだってやはり一過性のものでしかないので、全体的な出来不出来を評価する意味ではプラスにはなり得ない。シリーズ通しての画面作りというなら、むしろ艦隊戦闘のショボさや、その他アクションシーンの淡泊さ、無意味さを嘆く部分の方が多かったように思う。 そして、最大の問題はやはりシリーズ構成だろう。一応「SF能力者バトルもの」だったはずなので広げようと思えばどこまでも物語は大きくなったはずだが(そして実際に「逆襲のシャア」をやったんだから大きくはなっているのだが)、この白けっぷりはフォローの余地がない。トリクシー・トロワジェインの無駄死にっぷりとかはたまらないものがあるし、ラストバトルのアスクールの覚醒だって、特に理由も見いだせず、誰が強者で、誰が選ばれし者かも分からないままなので驚きもなくて違和感だけが残る。別に前代未聞のびっくりストーリーを用意しろというわけではないのだから、普通に理解出来て、普通に感情移入しやすいレベルの物語構築が出来なかったものか。 そして、最大の不満点は「どうでもいいメタネタの挿入」。ニコ動ネタに中の人ネタなど、もちろんそれだけでやれば受けるフィールドもあるのだろうが、完全にこの作品にとってはノイズにしかならない。前作にはそうした要素は全く無かったわけで、わざわざ新しく導入する意味が分からない。序盤に客層を引き込むための阿漕な道具立てとして使うだけならまだ許せる部分もあるが、この作品の場合、最も大切な最終話の締めに至るまで、この求められていないネタ要素を入れてきた。この構成は、流石に理解出来ない。一番笑えた部分は何かと聞かれれば、間違いなくDr.モローのアイキャッチだろう。もう、そこだけに特化してくれれば彼の業績も引き立ったものを。 個々の要素を見れば高水準な部分もあっただけに、本当に勿体ない作品。何が悲しいって、「2作目」がこれじゃ、1作目に戻って視聴しようという新規層が全く期待できないということ。アールヴたちも浮かばれねぇよな。一応、最後にお約束のフォローをいれておくと、メインをはった新人声優達は、手放しで褒められるレベルではないが、割と頑張ってました。内田彩と合田彩、そして高橋夢波。惜しくも衝撃の代表作というわけにはいかなかったが、今後はこの業界で生き残ることが出来るだろうか。ちょっと注目。 「テガミバチ」 4→4 何となく2クール見続けてしまった作品。結果だけを先に書くなら、可もなく不可もなく。おそらく与えられた原作を忠実に再現したものなのだろう。原作未読の人間からすると、「まぁ、悪くはないかな」と。 取り立ててピックアップすべきポイントも見いだしにくいのだが、一番印象的だったのは、やはりその画面の色調である。「夜が明けることのない星」とされるアンバーグラウンドは常に空が闇に覆われており、光の差さない地面も青を基調として寒色で染められる。更に主人公ラグ達のユニフォームも青が基調なので、油断するとすぐに画面の色調が落ち込んでしまう。そうした独特の画面効果をあまりデメリットとして出さずに、むしろそこに動くニッチのようなイレギュラーな動きを強調するための道具として使っている部分もあり、気遣いが感じられる部分は面白かった。 また、ラグの持ち技である赤針のエフェクトも見どころの1つで、表出した記憶が、アンバーグラウンドに降る雪とオーバーラップして舞い飛ぶシーンはなかなか面白い使われ方をしていた。回想が多重に絡むとややこしい状態になってしまうのは問題だが、それでもなるべく視聴者が混乱を来さないように、分かりやすい構成になっていたのはありがたい。 とまぁ、様々な画面構成については見るべき点も少なくなかったが、今のところ、どうしても話が地味だ。もちろん、原作もこの「地味だけどいい話」っぷりが持ち味なのだろうが、流石に筋立てが陳腐なものが多くて、のめり込んで涙を流せるかというと、どうもそこまでの説得力は無い。また、2期が決定しているとはいえ、最終回が完全に尻切れトンボの状態で終わってしまったのは、些か配慮に欠けていると言わざるを得ないだろう。2期に対する興味が最大限に惹かれる幕引きではあるのだが、1つの作品の締めとしては「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドというのはやはりいただけない。2クールもやったのだから、もう少し「一応終わり」っぽい終わらせ方もあったのではなかろうか。 ……まぁ、2期が始まったら多分そちらも観るとは思うんだけどね。個人的には、やっぱりニッチ(とステーキ)が素直に可愛らしかったです。藤村歩は、本当に便利な役者である。 「のだめカンタービレ フィナーレ」 5→5 まぁ、こんなものではないかと。特に手放しで褒めるような作品ではないのだが、見ていて全く不満が出ない、そんな仕上がり。多分、原作もこんな感じなのだろう。 多少予想外だったのは、のだめと千秋の関係が「一応ゴールに」というくらいのところで幕引きとなった点。勿論決着を付けてくれないと終わらないだろう、とは思っていたのだが、最終話の決定的な千秋の「返答」にしても、割とあっさり描かれていてラブロマンスとしての重みはそこまで目立ったものではない。特に千秋は今作では(今作でも?)終始鬱々としており、恋愛を楽しんでいる様子も現れなければ、ゴールを迎えたことによる達成感もそこまで感じられない。もう少しあけすけに2人の関係を描くのかと思っていただけに、その部分だけが少し意外ではあった。ただ、のだめや千秋というキャラクターのことを考えれば、このくらいの決着が一番いい塩梅なのかもしれません。 その代わり、他のキャラクターたちは割と落ち着くところに落ち着いている。ターニャ達の関係も意外ではあるのだが、今回はのだめ達よりも回りの人間たちの関係性の方が詳しく描かれていたような気すらするので、すっと受け入れられるエンディングになっている。ルイの話なんかも同様。また、音楽関係の成長物語としてもあまり嘘くさくならず、無難なレベルでの「ハッピーエンド」といえるので、そのさじ加減には素直に感心した。少女マンガなんて少年漫画に負けず劣らずファンタジーで都合のいい空想ばかりのストーリーだという勝手な先入観があったのだが、割と地に足がついたシナリオラインだったので、拍子抜けではあったが妙に納得出来る。こういうバランスが、世間的に受けている理由なのかもしれません。 そして、アニメとしての全体的な出来だが、今期は人間関係を追う比重が過去2作に比べても高く、あまり演奏シーンでの独自の技術が見られなかったのは少し残念。ただ、それは過去2作で充分良いものを見せられたおかげで慣れてしまったが故に起こる贅沢な注文という気もする。今回だって、シュトレーゼマンがタクトを振るシーンなんかは、「へぇ、指揮者って本当にこんな風に見えて、こんな風に音を変えるんだ」っていうのが何となく分かったシーンとかもあり、独特のこだわりはちゃんと確認出来たしね。 ま、正直言うとそこまで熱心に見ていた作品ではなかったのでコメントも大したことは書けないのだが、結論を切り出すと「やっぱり川澄綾子は凄いよな」ってことでいいんじゃないでしょうか。そして伊藤静に大原さやか、佐藤利奈。やっぱり音楽アニメなんだから耳で観るに限るよね! 何かがあるわけじゃないし、何もないけど別にいい、最終話。こんなにフッと終わってしまう作品ってのも珍しいなぁ。 Aパートは若干季節がずれてしまったクリスマスのお話。といってもクリスマスイベントでがやがやと何かをするわけではなく、大半を杏の夢の中で描くというもの。桜先輩そっくりに成長した杏の肢体はなかなかのものだが、この作品は残念ながらそういうところを見るもんじゃない。不安定な夢の世界でつっちーと巡り会うが、その中で杏が気付くことは、ちょっと切ない現実との違い。まぁ、今まで気にしてなかったのに今更かよ、という気もするのだが、何はともあれ現実を理解することは成長の過程である。幼稚園児ながら、なかなか大きな一歩を踏み出すことが出来たみたいだ。何とも不思議な読後感の話ではあるが、さらっとこういう話をやってくれるのが良くも悪くもこの作品の味である。しつこいから大人柊師匠のすばらしさとかについては書かなくてもいいですかね。あ、でも、「大人になってもその声なんだ!」っていうのはちょっと面白かった。美人さんめ。 Bパートは、打って変わってつっちーが中心。桜先輩の現在があるのも、実はつっちーが頑張ったからですよ、というちょっといい話を中心に、そんなつっちーの「自業自得」が、杏によって更に自らの恋路に介入してくるという実に訓話的なシナリオになっている。結果は当然のヘタレつっちーではあるのだが、何はともあれやってみようとしたこと自体が大きな進歩。杏との三角関係(?)も、師匠が恐れているようにややこしい形にはなっているが、世間的には杏→つっちーの矢印は省略できるので、これは三角関係ではなくて「ちょっとうまい具合につっちーが成長した」というだけのエピソードである。号泣しながらつっちーを励ます杏は可愛かったけど、流石にそこからつっちーに恋心は芽生えませんよね。そこを冷静に見ると、この作品は成立しなくなるんですけどね。 エンディングは誰になるかと思っていたら、桜先輩と杏の親子デュエットで締め。この作品の主人公が誰かっていうのがいまいち決めかねていた案件なのだが、この締めではこの親子ってことになってしまうよな。つっちーは、あくまで脇役でした。あー、「キディガーランド」→「のだめ」→「はなまる」と続いた謎の日野聡アワーがこれにて閉幕。お疲れ様でした。 最後の最後で稔が美味しいとこ全部持っていくはずだったのに、持っていくのに失敗してるようにしか見えない最終話。最後の最後ってことでそれなりの盛り上がりを見せているが、さて…… 「銀河爆弾」を地球に落下させるガクトエル。もう、ノーヴルズだろうが一般人だろうが、とにかく全部殺しちゃおうという破滅思考は完全に狂人の域。流石のトーチもこれにはついていけず、何とか抗ってみようと声を上げる。相棒の最後の抵抗にようやく考えを改めたシェイドもこれに追従しようとするが、ガクトエルの粛清によりあっさり玉砕。ほんと、この2人は何しに出てきたやら。もう少しいい役回りを与えられると思ったんだけど……バックグラウンドも薄かったし、シャドウワーカーの中でも一番どうでもいい扱いでした。一応シェイドは最後の置き土産にガクトエルの視力を封じていったが、もう、いまさらあいつのスペックが下がったところで事態に大きな影響は無いよな。 そして最後の最後までガクトエルと添い遂げる意向のサフィルと対峙するのは、かつてのパートナー、リュビス。……と思いきや、リュビスがゴーサインを出したところでクフィーユの手で一蹴。おい、扱いが悪すぎる。そりゃまぁ、この手の配置だと誰か1人くらい完全悪役で惨めな最後を迎えるキャラは必要なんだが、それにしたってもうちょっと暴れさせてやれよ。断末魔すらあげず、ガクトエルにも注目されず、流れだけでの最期。理不尽だなぁ。リトゥーシャとパウークは、まぁ、そこそこの扱いかな。ただ、あの演説のどこに説得力があるかは分からないんだけどさ。ノーヴルズって馬鹿ばっかだな。 そして、「宇宙は滅ぶ」って言われてるのに無駄にあがくGTOの面々。空間の凍結解除でかつてのメンバーが復活し、なんとヴァイオラ・シザーリオコンビと、デクストラ・シニストラコンビが登場。ヴァイオラだけは台詞までありました(そりゃ、シザーリオに台詞があるはずはないけど)。デクストラは……しゃべれないよなぁ。 「もう宇宙は滅びるしかない」っていう展開なんだけど、アスクールが優しかったおかげで末期のガクトエルに最後の希望を与えることに成功し、その見返りとしてパートナーとの共鳴完成。なんと1人で爆弾の落下を止めるという無双の活躍。そこにクフィーユまで追加して、2件のパートナーを繋ぐ浮気性の主人公が世界を救いました。めでたしめでたし。 ……ん、まぁ、今回は割と盛り上がったのでいいんですけど、これって完全に「逆襲のシャア」だよね。シャアとガクトエルでは器が違う気もするけど、目的意識は大体一緒。重力に魂を引かれた愚かな地球人にアクシズならぬ爆弾を叩きつけ、キャスバルならぬローゼンブルグ家の復讐戦。トゥイードゥルダムが「伊達じゃない!」なんて台詞も叫んでたし……クェスはサフィルだったんだなぁ。身を挺して人民を救ってぶっ飛んだリュビスはギラドーガか……やってみる価値ありまっせ! じゃん! まぁ、劣化「逆シャア」として見ればそこそこの展開だったと思ったんだけど、最後に何の脈略もなく稔が出てきたトコで思い切り腰砕け。しかも渾身の決め台詞が中の人ネタって……ほんと、きれいにハズすよなぁ。脚本書いた人は、このオチで誰が喜ぶと思ったんだろうか。 最後のエンドロールのところでエクレールたちの後日談が描かれたのがせめてもの救い。エクリュミコンビは新主人公たちの仲良くやれるといいですね。結局局長とゾマは何もしないまま終わったしなぁ。なんだかなぁ…… |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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