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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「異世界失格」 6

 上 田 麗 奈 と 心 中 す る な。……ごめん嘘。再婚は認めないけど心中はOKです。心中映えするので(Do you understand?)。

 戦隊は大失格だけど異世界は失格ですみました。でも戦隊は合格ですが異世界は失格です。何を言ってるか分からない? 俺も分からん。今期はなんか多い気がするけど原作やや既読。もしかしたら我が家に電書が導入されて試し読みつまみ食いし始めた時期にアニメ化が追いついてきたってことなんでしょうかね。ただ、こちらの作品については明確に読む動機があって、それは今作の作者が「こいせか」と同じだということを知ったから。つまり読んだのは確実に「こいせか」のアニメ化よりも後だ。もしかしたら今作のアニメ化も決まってた時期かもしれんが、特に意識せずに読んだ。その結果はまぁ「やっぱ異世界転生ものだな」くらいではあるんだけど、少なくとも木っ端なろうとは違ってちゃんと読めるものになっていたし、やはりこの作者のネタ回しとキャラ作画は好きなんだよね。

 1回読めるとこまで読んだだけなので例によって詳細は覚えてないのだが、他のなろうと違う部分としては主人公がチートを持っていない(うん、持っていない)という要素が挙げられる。まぁ、見ての通り結果的に無茶な能力を持ってはいるのだが、癖があって使いどころは難しいのでチートというのとはちょっと違うし、モチベーションのどこかにちゃんと「心中」が残っており、死を見据えながらもなんだかんだで生きてしまっているという設定の帳尻はあっている。その上で周りのヒロイン勢が勝手にかき回してくれるドタバタ劇はなろう的文脈で見れば案外新鮮だ。ま、どこまで興味が持続するかは分からないが、少なくとも試し読みで進んだところまでは問題なく見られそうである。

 制作の「Atlier Pontdarc」というスタジオや監督の名前にはピンと来なかったが、確認したらなんと「異世界おじさん」を作った座組みらしい。ほな悪くないんちゃう? 「異世界おじさん」はかなり作画にクセとこだわりがあって面白い画面だったが、どうやらあれはスタジオの個性ではなく作品そのものの風合いだったようで、今作はきちんと「こっちの」作風に合わせた作画になっている。トータルで見たら並レベルではあるが、コロナも乗り越えて制作環境が整った今、今度こそスケジュールを守れる完璧な進行で最後まで走り切ってくれることを期待しよう。

 そして当然中の人の話もしておくと、実は「センセー役は神谷浩史」と発表された時点で「どう考えても糸色望やんけ」と思っていたのだが、そこは流石のレジェンド神谷。似たような造形のキャラでもこっちのセンセーはちゃんと死にたがり。あんな胡散臭い「死んだらどうする!」とは一線を画す表現ができている(まぁ、当たり前なんだけどさ)。ちょっとでもネタ被りを心配していたのは杞憂だった。他にもるみるみ・鈴代というやたらハイカロリーなヒロイン勢が脇を固め、ハーレムものとしても盤石の構え。是非とも良い異世界生活になっていただきたい。

 
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○「下の階には澪がいる」 4

 ってことは上の階には唯かムギがいるという理解でよろしいか? え? そこは律じゃないのかって? 律は澪と同じ部屋にいるに決まっとるやろがい!

 すみません酔ってました(アルコール摂取しないマン)。なんか変なテンションになってしまう、どうにもピントの合わせづらいアニメ。その理由はとても簡単で、国産じゃなかったからである。タイトルだけではさっぱりわからん状態で視聴を開始し、「なんかやたらもっさりしてんな」と思っていたらスタッフロールが流れてきて察した次第。ただ、確認したら原作は韓国漫画だって書かれてるんだけど、作中のLINEのメッセージは中国語なんだよな。どういうことなんだろ? その辺を調べてもよく分からなかったんだけど、日本でも配信してる人気のある韓国漫画を、中国でアニメ化して、それを日本語版にローカライズして輸入してると、そういう流れなのかしら? ただ、確認したら制作してるのは韓国のスタジオっぽい。「日本語版製作」のところにbilibiliがクレジットされているので、もしかしたら「韓国のアニメをまずは中国が自国で配信向けにローカライズ」→「それをbilibiliがさらに日本向けにローカライズ」っていう流れだったもんで画面に中国語が映ったのかもしれない。ますます分からん。

 まぁ、そんな不可解な流れの中にある韓国アニメだが、上述した通りにデザインはややもっさり。キャラクターデザインにやや古臭さがあり、アニメとしての全体的な動画の質感なんかものっぺりしているのであまり引っかかりどころがない。まぁ、つい最近まで「アストロノオト」を真剣に制作・発信してた国の人間が言える立場じゃないのだが……なんとなく90年代アニメっぽさがあるのは、韓国国内でもあえて狙ってやっていることなのか、それともふつーにこういうのが韓国ではウケるのか……それはまだサンプルが少なすぎるからよく分からん。少なくともボロボロだった中国アニメ「Re:STARS」に比べれば全体的なクオリティはそこそこ。

 一応の期待として、純粋に日常というか、ファンタジー要素を完全排除した韓国アニメってのはほぼ初めて接するジャンル。前クールの「喧嘩独学」はアニメが日本製だったのでローカライズは極力違和感のないレベルまで寄せていたが、中韓のあれこれに揉まれて出てきた完成形はもはや日本の面影はあるはずもなく、現代人の文化比較にはちょうど良い。今作を見れば平均的な大学生の生活イメージとか、向こうの国でのアイドルの扱いとか、色々と日常レベルで肌に感じることは可能かもしれない。……まぁ、どこまでいってもフィクションなんだから虚しく響くだけかもしれんが……。

 ただ、やっぱり視聴を続けるにはややモチベが不足気味。どうしても違和感がそこかしこで出てしまうだけに、細かい要素で視聴を阻害される体験があまり気持ちよくないのはどうにかならんかしら。多分これはずっと言い続けると思うんだけど、やっぱ人名だけ雑にローカライズして日本名にしちゃってるのがかえって違和感を増大させてるとは思うんだよなぁ。ほんと、謎の風習だよな。下の階にいる子の名前くらいそのまんまでもよかろうに。

 
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○「かつて魔法少女と悪は敵対していた。」 5

 突発的ショート枠。なんか意外なとこから意外なものが飛んできた。

 実はショートアニメってのもちょいちょい視聴はしているのだが、面倒なのでここ最近は新番チェックも含めて感想は書かなくなっていたし、なんなら最初からスルーしてる場合も多かった。そこまで影響力がないやろ、というのもあるが、AT-Xでショート枠をまとめて録画予約する方法がなく、枠全部を観ようとすると毎週録画設定をいじらなきゃいけなくて面倒だってのが一番の原因。1回でも設定し忘れて見逃しちゃうとそこからモチベが一気に下がるしな。

 で、今期は久しぶりにショート枠にも一応1話目の録画設定を入れておいたんだが、今期は30分の分け方が「15分+15分」とそこそこ長い(いつもだと5分5分10分とかになってる)。どっちも録画して確認したら、こっちの作品は思った以上にちゃんとしたアニメになっていたので一応記事立て。ちなみにもう1本は「エグミレガシー」というこれはこれで問題作の枠だったので、来週以降どう処理するかは考える。

 さて、なんでこの15分アニメが引っかかったかといえば、単にアニメとしてちゃんとしていたから。制作はボンズで、タイトルにある通りに魔法少女を扱った作品。1話目では派手さはないが模範的な変身バンクなども披露し、短いながらもきっちり印象に残るスタートとなっている。なんでこんなちゃんとしたアニメがショート枠なんだろうと思って確認したら、原作はすでに完結した漫画作品で全3巻とのこと。あんまり尺を伸ばすようなもんでもなく、あくまで合間に挟む程度の小話としてまとめた方がいいってことなのだろう。まぁ、適材適所で色々と見やすいデザインを考えてくれるのはありがたい。

 「悪の幹部が魔法少女に一目惚れしちゃった」というのはここ最近ではもはや驚くこともない設定。かつての「こいせか」がまんまだし、悪の組織の殺伐としないほんわかコメディという意味では「休日のわるものさん」あたりも近いかも。まぁ、それだけだったら「ふーん」で終わってしまう作品なのだが……なんか、キャストがエラいことになっている。なんと魔法少女役が中原麻衣。令和の時代にこんな中原ムーブメントが拝めるとは思ってなかった。さらにちょっとだけ登場した悪の幹部連中のキャスティングがショート枠とは思えないぐらいにガチガチのガチで、裏で妙な金の流れでもあるんじゃねぇかと訝しんでしまうレベル。これは単なる推測だが、どうやら事前にドラマCDになっていたようで、その時のキャストをまんま継続させたらたまたまこうなってしまったような気がする(ドラマCDは制作コストが安いのでキャストに金を使えるから)。まー、今後のお話で幹部連中が出てくるかはわからないが、とりあえずはメインヒロイン1本でもしばらくは食っていけそうである。

 
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○「真夜中ぱんチ」 6

 前クールに引き続いての「メンバー殴って脱退させられたやつ」のお話だし前クールに引き続いてのヴァンパイアの話でもある。ついでにエンディングは喜多ちゃん。あと今期2本目の「飲んだくれ配信者作品」でもある。なんか情報量が多すぎる。1話でヒロインがゲロ吐く作品は名作の法則(多分反例多いぞ)。

 というわけでやぁみんな! 今期2度目のP.A.WORKS大好きおじさんだよ! このあともう1回登場予定だよ! ただ、「サクナヒメ」に引き続いてあんましこれまでのP.A.っぽさは感じない作品かも。まぁ「よく分からんオリジナルをやる」って方向性だけはイズムを感じるし、「アキバ冥土戦争」と同じ枠だと考えれば辻褄は合うが(そうか?)。確認したら監督の本間修という人は「サクラクエスト」あたりからP.A.作品に参加し始め、「パリピ孔明」で監督を務めていた人。まぁ、手堅いクオリティは保証されてるんじゃないでしょうか。

 ぶっちゃけ、事前の番宣とかを見てたらもっとぶっ飛んだヘンテコ作品が出てくるのかと思ったら、筋運びは案外理知的。いや、わけわからんことやってるのは確かなんだけど、それでも「ヴァンパイアがいました」「仲間と喧嘩別れして追い込まれた配信者がいました」という2局からスタートする物語として、「こういう流れになるんだろう」という部分は割とオーソドックス。古今東西、散々に描き尽くされたヴァンパイアものの1つでしかないという印象。空飛ぶシーンも「よふかしのうた」とかで見てるやつだし。

 あと、試聴しながら「ぶっ飛んだヘンテコ作品」を想像してた原因の1つを思い出したのだが、「オリジナルヴァンパイアアニメ」といえば「ぶらどらぶ」があったのだ。あっちはマジでとんでもねぇ作品だったのでそれくらいのものが飛んでくるつもりで身構えていたというのはあるかもしれない。いや、あんなんが飛んできたらどんな姿勢でも受け止められないんだけどさ。よかった、普通の吸血鬼作品で(そうでもねぇよ)。

 まぁ、別にオーソドックスに感じるのは悪いことではない。今期は2つの「配信者」作品が並び立ったわけで、現代文化の象徴の1つである動画配信というテーマを主軸に据えて、それぞれがどんなネタ運びになるかは注目して見ていこうじゃないか。ちなみに動画繋がりでもう1つ話を追加しておくと、主役(?)のりぶのおつきのロリっこのCV、なんか聞いたことある気がしたのに名前は初めて見るもので、「気のせいだったか?」と思って来歴を確認したら「ずんだもんの中の人」だった。そりゃ聞き覚えあるわ。今期はずんだもんも初音ミクも頑張ってます。

 
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○「エルフさんは痩せられない。」 4

 エルフイヤー(year)は終わらない! 前クールで偏食エルフと嫁エルフが終わり、ついに昨年から続いていたエルフストリームが終わるかと思われたが、次にいでますはデブエルフだ! もう、エルフである意味が!

 実は原作そこそこ既読。毎度お馴染み電書無料だけど1巻だけではなかった気もする。おかげで内容はおよそ知ってる状態での視聴になったわけだが……そうか、そういう方向に舵取りしたか……。一応観てない人のために解説しておくと、アニメ本編は15分程度で終わってしまい、残りの数分はミニキャラが実際にダイエットのための運動をしているのを見て、多分視聴者も一緒にやってみようみたいなおまけコーナーになっている。私の視聴するAT-Xでは一応30分枠の作品となっているが、純粋な尺で見るとトータルで見ても通常のアニメよりも1〜2分短かったようである。

 まぁ、そういう方向でライトな作品に仕上げようというのも1つの判断だろうし、そこまで必死に作り込むような作品じゃないのもわかるが、正直あんまり追いかけたいと思えるようなデザインにはならなかった。元々ネタが狭い上にやや後追いの感があり、多分どうしたってみんなの頭には「ダンベル何キロ持てる?」が出てきてしまうだろうし、それ以前のアニメにも「いっしょにとれーにんぐ」というのがある。「エクササイズアニメ」自体はあまり目新しさはないのだ。そんでアニメ自体もそこまで力が入っているわけではなく、一応乳だの裸だのと色々振り撒いてはいるが(こちとらワンランク上の専門チャンネルやぞ)、残念ながら1ミリもエロくないのでそこは一切魅力につながらない。多分これはデブだから云々じゃなく、デブだろうがなんだろうがキャラ作画にそこまで気合いが入ってないせいである。

 一応、個人的に楽しみだったし、実際に楽しかったのは声優界のずんぐりピンクこと伊藤彩沙がエルフ役を担当してくれている部分。いや、別に本人はデブでもなんでもないしむしろ仕事の関係で運動量は多すぎるくらいの役者なんだが、いい具合に自堕落エルフの性格に声がはまっているのでこれは楽しい。まぁ、彩沙がシャキシャキしてる役はだいたい楽しい。もう、いっそ後半のエクササイズコーナーを彩沙にやらせろ。あと昨今のエルフ役を担当した声優を集めたエルフ座談会とかやって。エルダ・フリーレン・マルシル・妖精弓手らの猛者を前に彩沙(と市ノ瀬加那)がどう立ち回るかが見もの(最後にディードリット役の冬馬由美が登場してみんなひっくり返るオチ)。

 
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○「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」 4

 一声聞いただけで「あ、ハズレ枠の女神だ」ってわかるのいいですよね。おかしいな、御神体とか賢狼だったら当たりっぽいボイスなのに……。ぜってー畜生だって確信が持てる。

 先に正直なことを書いとくと、アニメの品質だけで見れば多分もう1点上げなきゃいけない。制作はセブンアークス。かつてはB級C級アニメの代名詞だったこのスタジオだが、実は「ブルーピリオド」あたりからちょっと様子が変わり、直近でも「魔都精兵のスレイブ」は悪くない出来だった。監督に福田道生を起用し、体制だけで言えば不足無し。そして最近は力を入れているらしいCGを積極的に取り込んだようなモーション作画でもって、動画部分で割とチャレンジングな画作りも見られる。近い感覚だとミルパンセが「蜘蛛ですが」や「いせれべ」を作った時のように、なんか枠にそぐわぬ頑張りを見せてくれている作品である。

 で、そこを認めた上で、純粋に筋立てが嫌い。「何の勇者のなに上がりやねん」と思うような徹底した蔑みスタートの冒頭部分、昔からなろう小説ってのは「卑近な人間のヤな部分を書いたいじめシーンだけやたら真に迫ってる」とはよく言われることで、今作も主人公を貶めることにだけ全力を注いだ第1話は素直に胸糞が悪いものに仕上がっている。

 「嫌な話を描いて嫌な感情が湧くなら、むしろドラマ作りとしては成功じゃないか」と思われるかもしれないし、実際そういう側面もある。それこそ「盾の勇者」も「蜘蛛ですが」も何も知らない状態でこれを見ていたら「うわぁエグいなぁ」くらいの感覚でどこか受け入れる要素もあったのかもしれないが……今更なぁ……テンプレ的ざまぁの助走部分を描かれても、世界を構成するパーツが「そのための配置」でしかないのでさっぱり入ってこない。クソ女神は召喚した異世界人を持ち上げたいのか貶したいのか、飼い慣らしたいのか恭順させたいのか。言動に一貫性がなく、ただ「主人公に都合の悪いことだけを吐き出す」botに成り下がっているし、クラスメイトたちも同様である。もちろん、一番可愛い子だけはそんな流れに逆らって主人公の味方してくれそうなのもお約束。

 そしてなんといってもキツいのは主人公の設定。こんなストレートな邪気眼は久しぶりにみたのでむしろ潔くすらあるのだが……中高生にはこういうのが受けるんでしたかね。僕が子供だったらこの主人公は格好いいと思うかなぁ……思わない気がすんなぁ……。1話を最後まで見ても「逆境にもめげず、頑張れ主人公!」っていう気持ちで終われず「結局チートなんかい!」になるあたり、なんのためにこんな設定積み重ねてるのか分からんもんな。

 一応額面上は「作画面でややプラス」「お話が嫌いだからマイナス」「ステータスオープンしやがったのでさらにマイナス」という感じでお願いします。こっから上げる手段があるとしたら……エロか? エロで乗り切るか?

 
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○「しかのこのこのここしたんたん」 6

 このアニメ、あれだな、鹿が邪魔だな……(本質)。

 谷川俊太郎の詩みたいなタイトルのくせして随分話題になってる今期のダークホースならぬダークディア。どうしても視聴タイミングがずれ込んでしまう私の耳には容赦なく本作についてのあれこれが飛び込んできたのだが、まぁ、ぶっちゃけだいたいは主題歌についてのものだったので気にしないこととする。ちなみに耳に入るも何も主演キャストのTwitterフォローしてんだから当たり前である。

 「なんかオープニングが変らしい」という以外はそこそこ知らん状態で視聴を開始したが、オープニング時点で「これ、太田雅彦だろ」と分かるくらいには太田作品。以前は動画工房とのタッグが鉄板だったが、残念ながらこの座組みは6年前の「うざメイド」以降途絶えてしまっており、今回も制作スタジオはWITである。まぁ、WITも充分高品質なアニメが作れるだろうから別に不満はないのだが……何だかわかんないけどなんかの無駄遣いには違いない。まー、作り手側がみんな楽しそうでなによりである。

 不条理ギャグなので真面目に取り扱うのが難しいのだが、太田さんらしいキャッチーで愛嬌たっぷりの画面構成は純粋に評価し、素直に愉快な作品だとは思う。ただ、これは望みすぎなのかもしれないが、振り切れ作品にしてはややテンポがもたつくところがあり、露骨に間延びするスローモーションのシーンなんかを見てると「ちょっと原作密度が薄いのかしら?」という不安はある。いや、スローのシーンも「ネタ」としてやってはいるんだろうけど、そこはあまり面白味につながらずにダレてる感じにも見えてしまうのよね。そういう演出無しでギチギチに詰め込むほどは高密度の脚本は組めない作品なのかな、というのがなんとなくの印象。となるとここからさらなるぶっ飛び要素は出てきにくいんじゃないかな。個人的には比較的ツッコミ要素が平坦なのもややマイナス。別に咲子が悪いとかではなくて、多分原作からしてその辺はあっさり気味で、掛け合いよりもただひたすらに鹿の子の理不尽さを見せていく作品なのだろう。まぁ、そこは合わせていくしかないからね。

 というわけでギャグとして来週以降も息切れせずに走り切れるかどうかは要注目。個人的には「へぇ、鹿せんべいってこうやって作るんだぁ」が一番の収穫。この作品で舞台が奈良県じゃないのもどうかしてるよな。

 
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○「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」 5

 ラストで飲酒についてのワーニング出るのちょっとおもろい。まぁ、確かに「これを見てストゼロ一気飲みしても大丈夫だと思ったんです!」とかいう脳が沸いてるやつが出てきたらまずいもんな(そんな奴は死ぬべくして死ぬと思う)。

 今期何本目か分からないタイトル出オチ系作品。タイトルの長さからなろうかと思ったらなろうのようでなろうでないパターンで、一応は正規のラノベ(?)という扱いだろうか。まぁ、ここまで極まっちゃったらなろうか否かってあんまり関係ないと思うけど。「VTuberがテーマってことはあんまり理解が及ばないし、多分俺は面白くないタイプの作品なんだろうなぁ」と思って視聴を始めたが、まぁ、あんまりVへの造詣は関係なかった。単なる汚れ佐倉さん作品だったので、なんかそれだけで満足。泥水のような佐倉綾音、僕らの理想像に近いし、現実の佐倉さんもぜひこうなってほしい。その場合のタイトルは「声優ラジオのウラオモテ」になるんですけどね。「声優ラジオの裏・ヨゴレ」とかでもいい。パイセン、見てますか。

 まー中身を見れば「配信切り忘れ」というスタート地点から始まる物語としては意外性はほぼゼロなので「ここからどう展開するんだろう」という期待と不安ばかりが募るが、どっちかというとエロ漫画でよく見た感じのこのシチュエーションでダイレクト下世話コメディを仕立て上げる方向性は間違ってない気もする。結局は「Vの中の人なんて……いる」「もしいるなら、それは僕らと同じようなクソオタクで接しやすい都合のいい女であってほしい」という妄想の塊なので一歩引いて見た時にはドン引きしてしまうようなプロットなのだが、まぁ、それだけオタクから望まれるシチュエーションなのだからどこかに気持ちよさもあるということだ。

 私もここ最近は(ジャンルは偏ってるが)すっかり動画配信者というコンテンツにはハマってしまっているので、今作で描かれたような情景もだいぶ理解できるようになってしまったし、細かいネタを見て面白おかしくこそ感じないが、「あー、あったら面白いかもなー」くらいは思えるようになってきた。多分、どこかで何か1つ小さな歯車は狂うだけであっけなくVの沼にハマる可能性はあるんだよなぁ。幸いにして、私が好むジャンルの配信者は勝手にどんどん顔を出していくもんでVに該当する奴がほとんどいないんだけども(現状、顔出ししてないのってどこぞの平均的VTuberくらいな気がする)。ちなみに「泥酔からの配信切らず」も僕は実際に遭遇してますよ。40過ぎのおっさんだったけど。

 もうちょい真面目にアニメの中身について触れておくと、制作がティーエヌケー、監督の浅岡卓矢という座組は、確認したら「不徳のギルド」と同じなんですよ。……え? なんかそういう専門家の人とかおるん? さらにこの座組み、1つ前の作品は「回復術師のやり直し」だったという……多分、そういう専門スタジオです。突き抜けることを期待しましょう。

 1つ気になるというか、面白いなぁと思ったのは、画面に映るキャラが全員「中の人」を標榜してるくせにガワと同じデザインで描かれているということ。普通、この手のネタをやろうとしたら「中に入ってる冴えない本人」とのギャップをことさらに強調して描写しそうなものだが、本作はあくまで「外見はとにかくVのままで、言動のギャップだけでネタを回す」という選択をしている。これはシンプルな絵面だけをネタにしないというチャレンジの表れでもあるし、ことここに及んですら「中の人などいない!」というVファンのピュアドリームを守っているかのような展開だ。結局、こういうジャンルのファン層はその中に「人」を求めているのか、拒絶しているのか、永遠のテーマである。

 
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○「神之塔-Tower of God- 王子の帰還」 ―

 覚えてないのよォ〜! 人気の韓国漫画のアニメ化。そして「確か……1期は割と面白かった記憶が……」と必死に絞り出そうとするも、残念ながら視聴前に思い出せることは少なく、「確か、なんか早見沙織キャラがエラいことになってた作品で……」が限度だった。おっちゃんの記憶力の低下をバカにしちゃいけないよ。もう随分前の作品じゃないかよォ、と思って調べてみたら……4年前かよ。言うほど昔じゃなかったわ。2020年春作品ということなので、なんとコロナの第1波ど真ん中の時期か。全然そんな印象ないわ。コロナが絡むと時系列バグるんだよなぁ……まぁ、あの時代は世界中が混沌の渦に巻き込まれてたから巣篭もりの娯楽の話なんてあんまり覚えてなくてもしょうがないわな。

 というわけで「なんか面白かった記憶はあるけど覚えてないから視聴再開は絶望的か……」と思って視聴を始めたら、なんか、1期とは別路線から物語が始まったからそこまで大きな問題はなかった。まぁ、1期で主人公たちが登った階層からの話ではあるし、主人公(ヨルという名前だった)はなんか姿形を変えてだいぶ荒んだ姿で復活してるので、その辺に以前の記憶を絡めた展開になるとは思うが、また別軸の主人公を立てて、新たな「塔」の物語として新鮮な物語を展開してくれそう。なるほどこれなら視聴継続というか、もはや新番組として見直してもいいのかもしれないな。

 ただ、やはりこの4年間での変化も大きく、どういう経緯かはしらんがスタジオも含めて制作スタッフは総とっかえ。以前もそこまで作画で評価するような作品でもなかったが、今期バトンを受けたのはあんまり聞いたこともないスタジオで、履歴を調べて見たらどうやら元請は12年ぶりというとんでもねぇ話。過去12年を調べたらずっと劇場版「しまじろう」ばっか作っててちょっとワロタ。まぁ、1話目を観る限りでは取り立てて悪い出来でもなさそうなんだけどさ。あんまり画面の密度で押すような作品にはならないかな。

 もう、こうなってしまったからには流れに身を任せて見守っていくしかない。なんかとんでもないことをやらかしてた気がする早見キャラ(ラヘルという)に再びスポットが当たって地獄絵図になる展開を楽しみに待ちたい。

 
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