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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ヴァンパイア男子寮」 5→5

 ショタなのかそうじゃないのか、ホモなのかノンケなのか、それらは全て観測してみなければ分からない。シュレディンガーのショタ。

 「なかよし」は70周年記念でこんな認識を揺さぶる作品を世に送り出していったいどんな世界を作り出すつもりだったのだろう。常に脳裏に「BL……じゃないッ」っていう危うい認識が去来する不可思議な作品。これ、「なかよし」のメインターゲット層はどういう受け止め方をしてるんでしょうね。いや、ぶっちゃけ「男のふりした女の子のラブストーリー」っていう設定はずっと昔から存在しているから別に取り立てて斬新というわけでもないのだが……こちとら「桜蘭高校ホスト部」以来なので(多分ね)、いちいち市ノ瀬ボイスのヒロインを見て「こんなショタがいるかぁ! いや、いねぇ!」って認識があっち行ったりこっち行ったりして大変でした。きちんと冷静になればごく普通のラブで終わりなんだけど、どこかにBLの風味も残っているというのは、もしかしたら正規のファン層にとっても嬉しいフレーバーのトッピングになっていたのかもしれません。

 まぁ、そうした今作の根本となる設定をごくりと飲み込めば、あとは割と真っ当なお話でしてね。あんまり齧り付いて観たいようなもんでもないけど、少女漫画原作の中ではあんまり抵抗なく毎週見ることができた作品だったとは思いますよ。やっぱヒロインがちゃんと可愛いっていうのが観やすい要因だったのかしらね。こぅ、本人が意図せずに男と女の間を行き来してる状態ってのはかえって「女らしさ」を意識させてくれるという、塩をひとつまみ入れる理論でより可愛く見えたりするから不思議なもの。「惚れてしまうやろがい」は致し方ないところで。すげぇどうでもいい要素なんだけど、個人的にはレンのやつが最後までヒロインのことを「山本」って苗字呼びしてるのが律儀でなんか好きだった。「男でも女でも別にどっちでもいい」っていう覚悟の表れだったんでしょうかね。

 アニメとしてはハッピーエンドで綺麗に終わったけど、これって原作は完結扱いなんでしょうかね。ラストシーンのアレから2期があるとして、ベタベタカップルになっちゃってるからこれ以上の話は作りようがないよなぁ。

 
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「月が導く異世界道中 第二幕」 ―→4

 なんやかんやで最終的には完走できましたね。まぁ、単に「眺めてた」だけで決して「観ていた」わけじゃないんですが。

 1つ前の記事にて「なろう作品が嫌いな理由」について改めて言語化したわけだが、一般論としてそうした意見を述べつつも、やはりレッテル貼りで判断をサボっている部分も間違いなくあるわけで、いくらか内省も必要だとは思っている。そうした視点で考える必要があるのが例えばこの作品である。基本的に、私の嫌いななろう要素は払拭されるものではない。テンプレ感はそのままだし、むしろ昨今のなろう作品の中でも主人公のドヤ感は強めの方なので、合わない要素が強く出ているとすら言える。時期が時期なら、1期目の3話目くらいで切られてもおかしくなかった作品だろう。

 ただ、私の性分のおかげもあり、気づけばトータルで3クールものお付き合いになり、これだけ観ていれば流石に作品の個性は認めざるを得ない。要するに「継続は力なり」ということだが、これだけ続いて世界を掘り下げることになれば、自然とそこには「ならでは」も生まれるということ。今作において注目すべきは主人公のマコトとは別軸で召喚されて苦闘を重ねていた他の勇者の存在や、マコトが冒険者としてはチート放題で無双しているのに、商人としての経営や街づくりに関しては現地人の後塵を拝することも多く、致命的な状況にまで追い詰められたりもする。学園もの、経営もの、そして多重勇者共闘ものとなろう作品に溢れるテイストを全部まるっと取り込んだ節操のないデザインだが、それぞれの要素でちょっとずつ絡み合ってこの世界ができている様子は、なるほど「創ることの怠慢」ではないとは思える程度のものであった。

 そして、こうして評価できるようになったのは、少なからず「長く観たから」ではあると思うのだ。つまり、もしかしたら3話切りだのなんだのと言って十把一絡げで切り捨てたなろう作品にも、もしかしたらちゃんと未来があったのかもしれないと思った次第で……これ、考え始めると結局以前のように「ほな、全作品最後まで観ないと評価できないな!」という泥沼に沈んでしまうことになるんだけども……。

 その可能性があった数多の作品への贖罪も含め、今作の感想として埋葬させていただこう。……え、3期? まじかぁ……。

 
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Unnamed Memory」 6→5

 なんとも不可解な作品だった。どう評価したものかと悩みながら視聴していた様子は中盤まで書き続けた毎回の感想にも表していたが、ずっと「是」と「非」の間で揺れ動いていた天秤の針は、最終的には真ん中あたりで落ち着けるしかなかった。是非もないんです。

 まず評価の定めやすい要素から見ていくと、映像部分については「やや良」としたい。いかにもENGIらしい線の細い繊細な映像は1枚絵でキメる時はとても綺麗。特にメインヒロイン・ティナーシャの表情は可愛かったり美しかったりするシーンも多く、キャラデザとの相性は良かったと思う。ただ、その上で「良かった」と素直に褒められないのは、崩れる時には情けなく崩れてしまったため。1枚絵の崩れは少ないけど、動画としてみた時にほんとにしょうもない画面になってしまうことがしばしばあり、本当に勿体無いものになっていた。普通の作画崩壊アニメってのは原画レベルでボロボロになるものなので、こういう省エネパターンは珍しい気がするな。

 そして、そんな映像で描かれるシナリオラインが、なんともまぁ、飲み込みづらい。ご存知の通り、私は基本的になろう作品が嫌いである。嫌いだった。それが何故かを考えると、なろう作品の傾向としてありがちな「作ることへの怠慢」「描くことの放棄」が許せないためである。なろう作品全体の傾向としてよく取り沙汰される「テンプレ感」というのは、ファンタジーストーリーを描く際に何一つ自分の頭で考えず、創らずにどこかから設定を全部持ってくることを意味する。そうしたコピー&ペーストの成果物を、私は作品とみなしたくないという話。

 そして今作の場合、決して「作ること」を怠けているとは思わない。おそらく描きたいものがきちんとあって、そのために筆を割こうとしている気配もある。おかげで端々に「綺麗な世界」が見えるし、今まで見たこともないものが出てきて意表を突かれもする。序盤からめげずに今作を追いかけられたのは、そうした「作家性の断片」みたいなものをそこかしこに感じていたからだ。

 しかし、それと同時にあまりに分からない部分も多く出てきて次第に受け止めきれなくもなった。まるで一週置きに見せられているかのような不可解な欠落、1回のエピソードの中でも突如訪れる「なんか飛んだ」という感覚。この欠落感がどこから出てくるのかが、判然としない。ここから先は単なる推測なのだが、1つは、結局本当に作家が「描ききれていなかった」という可能性がある。描きたい世界は間違いなく存在しており、それを創ろうとは苦心したが、それに見合う構成力を持たず、世界が捉えきれなかったというパターン。そんな作品がそもそもアニメ化するほど人気をえられるかという疑問はあるが、可能性としては大いにあるだろう。そしてもう1つのパターンは、作品自体はきちんと世界を構築していたが、アニメ化に際してそれが瓦解したというパターン。理由は分からないが、尺の問題とか、純粋に脚本家の腕不足とか、いくらでも考えられるだろう。まぁ、構成の赤尾でこに関しては個人的にそこそこ信頼は置いているので、今作に限って支離滅裂になってしまうとも思っていないのだが。

 どちらが正解かは分からないし、どちらの理由も半々で混ざっている可能性もある。とにかく、アニメのみを観ただけでは、今作のどこに歪みの原因があるのかは捉えきれなかった。そして、最終話までの放送を見て最後にもう1つ、薄い可能性が浮上した。それは「まだ描きたい物語の全容が明らかになっていないために未完成なだけ」というものだ。2期が決まりましたね。最終話の展開もまたまた謎ぶん投げになってしまったため、今作の評価は来年に持ち越されることが決定した。この足下のおぼつかない感覚をもう一度味わされるのかと思うとたまったもんじゃないが、このまま放置されても気持ち悪すぎるし、なんとか来年までは生きて結末を見届けさせてもらいたいとは思う。……それまで今作のディティールを覚えていられればの話だが……。

 
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「死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)」 ―→7

 末長く爆発。思えば遠くへ来たもんだ。

 点数は御祝儀含みですが、足掛け4年、3クールにわたる物語に何1つ不足ない決着をつけてくれたことへの感謝が大きい。こういう渋いシリーズ作品がきっちり完成したというのは世知辛いことの多い現代アニメ業界では素直に喜ばしいことだ。シリーズを通じてスタッフはずっと変わらずにいてくれたし、最初はいかに受け止めたものかとちょい悩んだ3DCGでの作画デザインも、こうして安定感のある制作ベースとして機能するなら万々歳。今となってはこのデザインじゃなきゃ満足できない身体にされてしまっている。当たり前すぎる話だが、何で描くかではなく、どう描くかが鍵なのだ。

 お話としては2期目までで種蒔きが全部終わっていた状態なので、3期目となる今回はただひたすらに収穫を楽しむだけ。どうしようもないくらいに当たり前で、恥ずかしくなるぐらいにベタベタで、一番幸せな幕引きへ一直線。それでいてきちんと活劇あり、ギャグありで毎回きちんと刺激にも満ちたお話。ぶっちゃけ最後(の1話前)のアリスの判断だけは「この期に及んでそりゃねぇだろ!」とは思ったけども、まぁ、1回くらいはちょっとそっぽを向いて見せた方が恋も燃え上がるってもんでね。

 世界中が爆発カップルに溢れかえっている今作でげっぷが収まらない状態でも、まだまだ飲み込めちゃう甘々ラブストーリーにただ悶える。メインカップル以外にもカフとザイン、ウォルターとダレスという高カロリーカップルが同居してる構造、ほんとムカつくのに祝福以外の感情は出てこないんだよな。そこにさらにシャロンとシャーデーまでクソデカ感情を抱えられた日にゃぁ、どこから口をつけていいかもわからんよ。でも、みんなしてちゃんと相手に対して真剣に生きた結果のドラマなのよなぁ。あんなとんでもないことをやらかしたシャーデーが最終的に完全に許されることになるストーリーもすごいよなぁ。ちなみに個人的に今期一推しカップルは次男組だったりします。ダレスの以前の暴れっぷりを考えるとこんだけへなちょこになっちゃったのが愛おしくてしょうがないのよ。

 ちなみにメインキャラ以外だと一番肩入れしてみちゃったのは実はガーベラだったりします。中の人の影響も大きいけどさ、1期の頃から紆余曲折を経て、やっぱみんな愛情を持って他者と接していたということが分かる側面って、ママさん視点が一番大きいと思うのよね。3期で一番の雪解けを果たしたのも彼女だし、最後まで負担がかかって大変なポジションでよく頑張ってくれてたと思う。

 ほんとにみんなして余計なまでに徹底してハピネスを届けくれる作品。生きにくい現代だからこそ、こんな分かりやすいメルヒェンがあっても良いと思うのですよ。

 
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「リンカイ!」 4→4

 点数は変えられないので伝わりにくのだが、悪くないものも拾えた作品。最終的な感想は「つまらない」ではなく「もったいない」の方だったかな。

 はっきりいって、アニメとしての質は低い。1話目でダメダメだと思った競技シーンのショボさは最後の最後まで足を引っ張り、全くレースの緊張感や切迫感が感じられないチャリンコこぎこぎシーンはギャグかと思えるクオリティ。迫真の自転車レースのシーンを描くのが大変なのは分かるが、このテーマで作品を打ち立てたのだから、最低限そこには責任を持って欲しかった。わざわざ女の子だらけの萌え設定にしているのだから、そこで見せずになんの意味があるというのか。同じタイミングで「ウマ娘」という同じ業種(?)のバケモノ作品が公開されてしまったことも、残念な対比がより感じられてかわいそうだった部分である。

 こうしたアニメとしてのダメさは間違いなく批判されるべき部分なのだが、正直、作品の狙い自体はそこまで的外れなものでもなかったとも思っているのだ。「競輪選手を目指し、競輪で成り上がろうとする女の子たちの物語」という「おっさん趣味萌え化作品」の分かりやすいデザインなのでしょーもない要素もたくさんあることはあるのだが、シナリオのベースにはきちんと「競輪アニメなんだからここでしか描けないものを描かなければ」という義務感みたいなものは感じられる。単なる仲良しこよしの女の子イチャイチャストーリーではなく、競輪選手が抱える苦悩とか、競輪に携わる者のあるあるとか、そういう「ならでは」はちゃんと発揮されていた。まぁ、どこまで行っても「公営ギャンブル」という側面がある題材なので萌え的な「非現実」感とは食い合わせの悪い部分もあるのだが、そこから逃げずにきちんと生臭い部分、容赦ない部分にも触れていたのは上述の「責任」を果たした結果だと言える。アニメとして本作単体で何かを追いかけようという気は1ミリも起こらないが、今作を見たおかげでちょっとくらいは「そうかぁ、競輪ってこういう世界なんだねぇ」ということが理解できたし、興味も湧いた。最低限の「競輪応援アニメ」の仕事はこなせていたと思うのだ。「モンキーターン」を読んで競艇選手になろうと思った人間が存在するなら、もしかしたら今作から競輪選手を目指す未来の可能性だってあるかもしれない。……いや、流石に無理かな……。

 なんかこう、今作を糧にして本当に面白い「競技レース」のアニメが作れればいいんだけどな……(「ハイスピードエトワール」を切った奴なりの感想)。

 
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「終末トレインどこへいく?」 6→4

 飲み込みきれなかったねぇ……歳をとると濃い味がキツくはなるわけですが……さて、今作は若者の口にも合うものかどうか……。

 視聴中も色々と考えることが多かったし、この文章を吐き出し始めている今も、どういう結論に着地しようか悩みながら書いている。ほんとにいろんな「たられば」があって、いろんな「かもしれない」がある作品。例えば最終話を見ながら思いついた「たられば」は、「もしこれが2時間くらいのオリジナル劇場アニメだったら」。多分今より評価は上がっていた気がする。今作の概形は、あまりテレビ放送のアニメのデザインでなかった気がする。「電車」というモチーフが表す通りまさに1本のレールの上に乗っており、シナリオはあまりにシンプル。ただそこを飾り立て騒ぎ立てるガジェットがとことんまでウルセェだけである。ひたすらに色の違うノイズを浴びせ続けながら単純な筋を進むだけの構造は、2時間くらいのインスタントな刺激ならば一過性のアトラクションとして受け入れられるものだが、毎週30分という枠で、冷静に受け止めるにはちょいと正気が邪魔をした。

 決して構造そのものに欠陥があったとも思わない。水島努はイカレた作家なのは間違いなかろうが、ヒット作を何本も生み出したクレバーなクリエイターでもある。「ウケるもの」の作り方だって承知しているはずだ。分かりやすいところでは、今作の主軸は「2人の女の子の友情物語」に終始している。この構造がさまざまなヒット作を生み出したことは論を俟たないだろうし、萌えアニメとして掘り下げやすくもなる。ただ、これだけゴテゴテと味の濃すぎるガジェットを特盛にするには、この「屋台骨」は弱すぎた。目の眩むような装飾を前に、たった1つの友情物語はウェイトが軽すぎて、途中からどうでも良くなってしまった。「電車での旅」というデザインそのものが、この「友情物語」と本質的に結びついていなかったのもどこか勿体無い。気が触れた水島テイストの博覧会にするのであれば、メインプロットすらももっと訳のわからないものにして、もうありとあらゆる要素で視聴者を煙に巻く構造の方が割り切れたと思う。どこかに商業的な色気を残してしまったがために、「脱線」することが許されなかった。

 要素の詰め込みも一考の余地はある。最高にクレイジーな世界観を端々に見せてくれたことは評価ポイントだし、こうして隠しきれない作家性が溢れ出す様子を見るのは楽しいものだが、いつも通りの「スケジュールと予算」というあまりに現実的な壁により、表現の幅に限界があった。私は追いかけていないが、放送期間中、監督はTwitterで色々と今作の設定や裏話を披露してくれていたらしい。それはおそらくサービス精神の表れなのだろうが、そんなことをするくらいなら、説明などいらないくらいに全てを作品に表現しきって欲しかった。「やりたかったけどやれなかったこと」「伝わらないかもしれないから補足すること」が盤外から出てくるというのは、少なくとも私個人のアニメ視聴体験としては望ましいものではない。ただまぁ、これは情報の溢れ返った現代においては狭量すぎる見方である可能性もあるので、あくまで好みの範疇の話。世の中には実況なんかを使って他人とコミュニケーションをとりながらアニメを視聴するという楽しみ方が一般的だという考え方もあるようなので、クリエイターの発信する別ソースも合わせて作品世界を作るという体験に見出す価値もあるだろう。ただ、水島努がそれを望んだかと考えると、やや疑問は残る。

 他にも色々と「もしかしたらこれがやりたかったのかな?」みたいな想像は出来るのだが、残念ながらそこまでこの作品に譲歩するだけの余裕が私にはなかった。クリエイターの意思を受け止めて全身全霊でもって今作を解体してくれている酔狂な視聴者も世界のどこかにはいそうな作品。そういう人が1人でもいるなら、監督は報われるのかしら。

 

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「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」 5→5

 とのぴーボイスで救われる命もあるんですよ! 殺伐要素ゼロのこういう作品になんとなく身を任せている時間が心地よくなっているのは老化でしょうか、それとも世相でしょうか。

 というわけで、これだって「半年後に忘れてるかもしれん」くらいのもんではあるが、決して嫌いじゃない作品。以前某奴から変なタレコミがあったけど、別に忖度とかではなくアニメのクオリティは悪くなかったと報告しておくよ。制作スタジオのオクルトノボルは今期2作同時展開だったけど大崩れしなかったのは偉い。まぁ、そこまで負担のでかい作品でもなかったけども、可愛いシーンがちゃんと可愛くかけてたのは純粋にプラス。

 この手の日常作品の場合は「つまらない」という感想を持つのも野暮な場合があり、一番懸念すべきネガティブな感情は「つまらない」よりも「飽きた」である。あんまりけばけばしくしちゃうとせっかくのテイストを殺してしまいかねないし、だからとてぬるま湯のような進行では飽きがきてしまう。どこかに何かワンポイントでもいいから気にさせてくれる要素があればこそ、日常作品でも1クールのお付き合いができるというもの。そういう意味では、今作の「週替わりでもののけ追加」くらいの刺激の置き方はちょうど良かったのかもしれませんな。いや、でも振り返ってみたら異種族は天使2に雪女、吸血鬼、河童が1ずつだから「2週に1体」くらいのペースか。「テンションのおかしい漫画家」も異種族認定するならもう1人追加(ちなみに私が一番好きなのはその漫画家です)。

 そうしてなんとなくもののけ連中のあるあるネタというか、それっぽいネタでちょっとずつ変化を与えつつ、異種間コミュニケーションの摩擦なんかは極力描かずにただ愉快なものとの触れ合いで笑いと癒しに繋げる。こういうのも私の好きな「長屋もの」的テイストはあったのかもしれん。ハーレムものっていうと聞こえは悪いのだが、むしろ今作はヒロインどうしの横のつながりも豊富だったので、「森太郎を中心としたなんかのサークル(オカ研か)もの」という認識も可能かもしれない。このデザインが無難に成立してるってことは、あんまり言語化できないけどもしかしたら森太郎って結構偉い主人公だったのかも。

 そして、それらをまるっとまとめてこの世界を定義づけるのがメインヒロインのとわちゃんだったという結論になるわけで。そしたらほら、やっぱとのぴーボイスが正義ってことでFAじゃないですか? そうでもないですか? あと今期は今作を含めて2作品でメインを務めてくれたおかげでちょっとクセのある声の集貝はなを認識できたというのも1つの収穫かな。アイマスの中に紛れてるとなかなか個体識別が難しいのでなぁ。

 追伸:河童のメイドコンビの「原由実:原奈津子」っていうよくわからん並びは狙ってたんでしょうか。何を?

 

 

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 端正な着地、最終話。何か大きな展開があるというわけではないがゆるゆると日常に収束していくこの感じ、なるほどクラゲアニメ。

 もう1話くらいあるもんだと思ってたのでラスト1話でまとめきれるものかとちょっと心配してたんだけど、きちんと各所にけじめをつけて回ったお話。その割に案外詰め詰めな感じもないし、エピローグっぽい部分にもきちんと時間が割けている。そういう意味ではなかなかうまい最終話になったんじゃなかろうか。諸々の決着をつけた中で唯一不満があるとすれば「流石にメロの扱いはそれでいいのか」っていう部分くらいかな。彼女なりの事情というか、心情があったことはこないだ語られてたから一応納得はしたけど、どう足掻いても人道にもとる行為に及んでいたことは事実なわけで、そいつが全体的に許された雰囲気になって、最後には花音と2人で茶ぁしばけるまでになってるのは流石に甘すぎないかという気もする。こういうマインドって過度に必罰を望むジャパニーズマインドなんでしょうかね。

 しかしまぁ、引っかかったのはそれくらいかな。前回ラストでまひるがぶっ込んだ「フェスの合同開催」という無茶提案。当然雪音は一度それを却下して社会人の厳しさを叩き込もうとしたが、まひるがここにきて我を通し始めたことはクリエイター育成という意味では悪い傾向ではなさそう。案外雪音もそうしてまひるをうまいこと飼い慣らしておくために無茶なオーダーを受けたという側面もあるかもしれない。

 そうして実現したコラボイベント。サンドーがメインであるべきなのに出演順がサンドー→JELEEだったのはどう考えてもおかしいと思うのだが、まぁ、そこは設備の都合とか色々とあるんだろう。久しぶりに客前に出て一度は沈みかけた花音だったが、そこにまさかのメロからの檄が飛び、さらにまひるからも背中を押されたことによって無事に完全復活。ようやく彼女なりの「歌う意味」を見出すことができたという。なんかさ、この花音の物語についても案外ふわふわしてはいるんだよね。「歌う意味を見つけた」って言われてもまひるとの関係がどこまで決定的なものだったかなんてことは必要以上の補強がないわけで、「そうか、そりゃ良かったな」くらいの反応しかできないのだが、ここで「誰か1人のために」みたいな確固たる目標があるわけでもなく、なんとなく周りの人たちの力添えがあって塞ぎ込んだ日常から脱却できたという花音の物語も、これはこれで信憑性がある。ラストシーンでちらっと親父さんが出てきたのも、ほんとにそれくらいの添え物の1つとして父親の存在もあったことを思い出させてくれる程度。

 別にこの「なんかふわっとした感じ」は悪いもんじゃない。花音にとって重要なのはあくまで母娘関係であり、今後も歌い続けていくかどうかは、きっとこれから2人で対話を増やして解決していく問題なのだろう。今はとにかく、「雪音が花音を認めた」という事実がしっかりと伝わることが重要。キーとなったクレジットの名義についてもなかなか気が利いており、そこに並んだJELEEメンバー3人の名前が綺麗な対比を描いている。一番上に来たのがすでに転生を終え、「新しい自分」を受け入れたが故に「竜ヶ崎ノクス」になったキウイ。彼女にとって、もはや渡瀬キウイという「昔の名前」に意味はない。ノクスとしてここに立てたことが彼女の成功の証である。これまでずっとVの皮をかぶってやってきた「グッバイ世界」を、今回は顔出しキウイちゃんがやってくれているのも分かりやすい変化だ。

 対して、まひるは「光月まひる」と「海月ヨル」の連名。1人の女子高生・光月まひるは今回の一件で目標を確固たるものとし、新たな未来に歩き始めた。そしてその一助となり、今後も彼女がずっと付き合っていくであろう名前が「海月ヨル」。JELEEのメンバーとしてはやはりこちらの名前だろうし、花音とのつながりが一番感じられるその名義は、今回のクレジットに欠かすことはできない。

 そして「仮想の名前」と「本名」をまひるがつなぎ、最後の早川花音へと帰着する。かつては娘を「橘ののか」としてしかみていなかった雪音が、彼女の本名を晴れ舞台にクレジットする。ようやく母にその名を呼ばれた娘は母の真意を理解して涙する。まぁ、単にお母ちゃんの方が無茶なフリをして娘を困らせていたというだけの話なのだが……そんな無茶振りに応えた娘を誇らしく思う母親の心情も理解できる部分ではある。そして何より、ようやく1人の人間として立つことができたという花音の誇り。これにて、母娘の物語は決着する。卒業式の校門でも、車に乗り込むでもなく別な方向へと歩き出した花音と、それを見送る雪音。今後もこの母娘はきっとこういう関係でうまいこと続けていくのだろう。

 「ヨルのクラゲ」が描き直され、それはいつしかJELEEのクラゲになる。壁画に刻まれたその威容は相変わらず泳げはしないが、たくさんの人たちの思いを受け止めて、今日もきっと街に佇んでいる。その姿が、きっとまた新しく誰かの元気になれるように。

 
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「ブルーアーカイブ The ANIMATION」 4→3

 一時が万事というか、ここまで1話目視聴時の印象・予断を更新せずに終わった作品というのも珍しい。

 「何かそれっぽいもの」の表層をただひたすらなぞり続けるようなアニメ。「それっぽい」は「ソシャゲっぽい」であり、「現代アニメっぽい」でもあるかもしれない。何か見たことがある要素がガチャガチャと出てくるけどそれらが何一つ説明もないままにストーリー風のものを進めていく。ほんとに「コンテンツ」というものから「中身」を徹底的に取り除いたような、そんな虚無の風格があった。

 プレイヤー数が多いソシャゲとのことなのでゲーム自体にはきっと何かしら人を惹きつける要素はあるのだろうが、それがアニメとして何一つ伝わってこない、こういう現象ってのは過去いくつもあった。個人的には「FGO」の時の感覚が一番近く、主人公キャラの扱いにやたらとかぶる部分もあるのだが、「FGO」の場合はまだ「フェイト世界の理」があることは知っていたし、そこに何かしら理解の及ばない部分があるのは致し方ないという諦めもあった。こちらの作品ももしかしたら同じ状態にあるのかもしれないが、フェイトシリーズと違ってこちとらミリしらである。「何かあるのかもしれないなぁ」と察して寄り添うことすらできず、「説明してくれないならこちらから歩み寄る理由もないわ」と互いにそっぽをむくだけである。

 一応最後まで視聴したのは「人気作なんだったら何かあるかも」という(1話目時点でだいぶ薄かった)期待と、「資本を考えればアニメ映像としてはそれなりのものが出てくるはず」という妥協、あとは最後にホシノのキャラはまだ見られると思えたことくらい(主に中の人が理由)。1つ目の「期待」は綺麗に裏切られたというのが結論であり、映像に関しても、そりゃ悪いもんでもないがどうにもお仕事感が強いというか、「こういうシーンにはこういう画面がありがちですよね!」みたいな「過去の蓄積から適当に引っ張り出したもの」ばかりで何かしら映像的な売りを作ってやろうという意気込みはあまり感じられない。ホシノのキャラも、最終的には意味のわからんシナリオラインの咎を全部押し付けられたような訳のわからんスタンスに置かれてしまったために救いにはならなかった。

 これ、原作ゲームで多少なりともお話が成立しているのだとしたら、それを伝える気がなかったアニメスタッフの責任ということになるわけだが、メディアのシフトによってそこまで大きな陥穽が生まれるものだろうか。もう、アニメ作りの方法論がよく分かんなくなってきた。まぁ、粗製濫造の極まった現代において、こうして何かしらの要素を織り重ねたミルクレープみたいな「作品のような何か」が形作られるのは必然なのかもしれない。「Blue Archive」(憂鬱な保存記録)というタイトルはもしかしたらそういう揶揄なのかしら? 

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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