最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「黒執事 -寄宿学校編-」 5→5 ラストなんやってん。まぁ、特に説明がないってことはそのうちに作られる続編のチラ見せなのだろうな。告知は無かったけど、わざわざ作ったってことは遠からず次のシリーズも来るってことなんでしょうかね。 前のシリーズなど何1つ覚えてない状態での視聴だったが、相変わらずそれなりに楽しめている不思議。まぁ、極論すれば今作はシエルとセバスチャンの関係性さえ分かってればなんとかなるし、今回は舞台が完全に孤立していたので今までの話の影響がほとんどないから……と思ってたら思いっきりアンダーテイカーが鍵を握ってたもんだからちょっと戸惑いはしましたね。あいつ、こんなゴリゴリにシリアスな展開で絡めるようなキャラだったんだっけ。以前も割と悪いことしてたし、今回も全力で悪役に振り切ってくれてたからお話は見やすくなったけど、「お前、そんなポジションだったか……」という驚きであっという間に終わってしまった。 まぁ、奴が出てきたのは最後の数話なので、シリーズの総括をする上で見るべきはそこまでの学校編の中身。ある程度クローズドな環境下でシエルが正体を伏せつつ隠された真実を暴くというある種のミステリ的な展開でもあるのだが、「身分を隠し、セバスチャンも使えない状態で孤軍奮闘するのかな」と思ったらそんなことは一切なく、いつも通りに執事フル回転のお話。まぁ、そうしないとタイトル詐欺になっちゃうしな。しかし、そうして執事がフル回転して策謀を巡らす一番の盛り上がり(?)が謎球技の優勝のためってのが変な力の抜け方で笑ってしまった。いや、やってる当人たちはものすごく真面目だし、あそこで勝ち切ったことが今回のシエルの最大の功績だったみたいな語られ方だったわけだが……変な展開。その後の真相解明は校長のとこまで乗り込んだらほぼオートで全部片づいちゃったからね。まぁ、対戦相手としては大人たちよりも同じ寮の学生たちとやり合ってる方が刺激が多くて面白くなりそうだという判断なんだろう。実際、たっぷり時間をかけてキャラどうしの関係性を深めて「ここはこういう寮なんだね」みたいな下地を固めた後に彼らの関係性を一気にひっくり返す構図はサプライズもあったし、それなりに爽快であった。設定をあんま覚えてない作品でも、こういうコンパクトなシナリオの中にきちんと「らしさ」を入れてもらえると色々と思い出すことも多くて良いですね。 まぁ、そうは言っても熱心なファンではないので「悪くなかったです」くらいの感想で終わってしまうのは申し訳ないが……今期は「ちゃんと最後まで観られたよ」だけでも一定の評価だと思っていただきたい。相変わらずメイリンは可愛かったです(結論)。 PR 武田綾乃……お前………………第12話……アニメ史に残る1話。その選択は、群盲の目を貫く。 1つ、感想の前に残念な告白があり、ご覧の通り、私は今作をリアタイ視聴できていない。土日がアニメラッシュなので放送順に処理していくとどうしても後日にずれてしまいがちで、本作のように視聴に体力が必要な作品は体調も万全に整えてからでないと視聴が叶わないためだ。そして、どうしようもないタイムラグが故、今回はぶっちゃけ「ネタバレ」を喰らってしまった。厳密には何が起こるかまで知ったわけではないが、そりゃもうTL上が大騒ぎだったわけで、「えっ、なんかあったん?!」と察した状態で視聴する羽目になり、純然たる一撃をノーガードで喰らったわけではない。おかげで視聴時に多少なりとも認知の歪みが生じてしまった感はある。そこはもったいなかった。とはいえとはいえ、覚悟したからとて耐えられる一撃と耐えられない致命打というのがあるわけで……今の世の中、これが出来るのは武田綾乃くらいのもんじゃなかろうか。世間的には「原作者とメディア化が云々」みたいな問題が取り沙汰される気風があるが、こんなもん、余計な心配もなにもない。原作者以外が、こんな選択できるわけがないのだから。 というわけで、先週まで「多少アニメ用にリライトはされてるけど、まぁ俺は原作知ってるし」というので余裕綽々で見ていた私のような層の慢心を粉々に打ち砕く「原作改変」。何が恐ろしいって、ことここに及んでこの展開を見せつけられて、納得以外の感情が出てこないことである。ここまで数クールにわたって見届けてきた「響け!ユーフォニアム」というアニメ作品の最終回前の展開はこれ以外にないとすら思えてしまうことである。これは作者におもねったおべんちゃらでもなんでもない。それくらいに、ここまでの布石は今回の話へ接続されていた。 最大の要因はやはり黒江真由という「ラスボス」そのものにある。もはや書いてしまって問題ないだろうが、原作では全国大会のソリは久美子がオーディションであっさり勝ってもぎ取る。念の為に確認したが、その後は真由とも特に変わることなく平然とコミュニケーションをとっており、その「当然のラスト」を何事もなかったかのように受け入れている。まぁ、原作の場合はあすかイベントが関西大会後なので、田中あすかの霊威でもって黒江を蹴散らしたという展開は特に違和感もないものだったし、それはそれで1つの綺麗な物語だった。 しかし、アニメの場合にはそうはいかない。限られた尺の中、執拗に迫り来る黒江の影。何度も何度も久美子の領域を侵し、奏からは完全に敵認定された「ラスボス」真由。これを打倒しなければ、アニメ世界の「ユーフォ」は完結しない。そしてこの世界において黒江真由を「倒す」方法は何かを考えたら、最後の最後まで久美子がその信念を貫き通し、真由が抱えていた過去の因縁が間違ったものだったと突きつけてやるしかないのだ。久美子が負けたとしても、心から真由を祝福し、彼女の演奏を認める以外にないのだ。 そしてアニメシナリオの巧みな部分は、こうして唯一の「黒江調伏」の選択が、きちんと久美子の未来につながっていること、そしてさらに、トドメの一撃をよりにもよって麗奈に振るわせることで、高坂麗奈の人生までもを、ここで決定的に描き切ったこと。前回のエピソードで、久美子と麗奈は「別れ」を決意した。その別れは長い人生を考えれば大した問題ではなく、お互いの「特別」はこれからの人生でも続いていくと、そう約束した上での生産的な「別れ」だ。そこに不変の友情が約束されたのであれば、高坂麗奈は久美子と道を違え、音楽に全てを捧げなければならない。彼女がどれだけの犠牲を払っても、それだけは曲げぬという信念が、今回のオーディションに刻まれたのである。確かに辛い決断だっただろう。彼女の人生に大きな後悔も残しただろう。しかし、ここで久美子ではなく、「自分」を選べたことこそが、きっとこの先の麗奈の人生を強く後押ししてくれる。ここで「1番」を選べたことが、彼女の人生をより「特別」なものに引っ張り上げる。 オーディションシーンの演出の重ね合わせも実に印象的である。何度もフラッシュバックする2年前の記憶。中世古香織と麗奈の対決、号泣する優子。あの時の痛みが、今の北宇治を作り上げた。あの時と違い、今回のオーディションは実力伯仲。「部内を真っ二つに割る」という意味合いは一見すると全く異なる様相だが、その実、「2番」を選択した者の中には、久美子の音をそうだと分かって選んだ人間が確実に存在している。麗奈は「分からないはずがない」と言った。であれば秀一は間違いなく分かっている。以前「久美子が吹いたらいい」と言っていた緑輝も同様だろう。「1番」に挙手した葉月は分かった上で選んだというよりは、純粋に「良いと思った方」に入れたか。美玲も「1番」を選んだ様子。そして最も苦しんだのは久石奏。彼女は、2年前の吉川優子である。誰がなんと言おうと久美子に吹いてほしいと、そう願って「2番」を選んだ。おそらく麗奈たち同様に久美子の音を間違えるはずもない彼女が挙手の際にあれだけ悩んでしまったのは、おそらく「1番の方がうまい」と理解してしまったからだ。それでもなお2番を選んだ、彼女は優子の再来なのだ。その選択が責められるものではないことを、先人は余計なくらいに示している。 そして、2年前は選ばれる側だった麗奈が最後の決断を下す。久美子は言った。「麗奈に会って私は変わった」と。その麗奈が、ここで2番を選ぶはずがない。その選択が、麗奈の、久美子の未来を決定づけ、そして、ついにあの黒江真由に伝わる。ここまで久美子が頑なに守り抜き、必死で戦ってきた最後の防衛ライン。麗奈の一撃でもって真由を打ち倒し、久美子自身の宣言でもって、全てに片をつけた。これこそが、北宇治吹部のあるべき姿である。その輪の中には、黒江真由が含まれていなければならないのだ。 もちろん、個人レベルではそう簡単に片付けられる問題ではない。久石奏は、身も世もなく泣きじゃくる。自分の不甲斐なさを悔いただろうか。自らの選択を後悔しただろうか。久美子の教育はスパルタだが、彼女の「強さ」に信頼を寄せてもいる。 運命の大吉山、麗奈がみっともなく崩れ落ちる。一番大切な友を想い、それでも曲げられなかった自分を憎み、ただただ泣き続ける。これだけ思われている、そのことだけでも久美子にとっては本望だっただろう。「性格の悪い」黄前久美子は、不器用な親友を誇りに思う。 そしてもちろん、久美子も悔し涙を止めることなどできない。ひと時の迷い、慢心、部長職という激務からの言い訳。おそらくこれまでの1年を思い返せば、後悔などいくらでも出てくるはずだ。すでに下された決定に、取り返す術などない。ただこの感情は、抱えて進むしかないのである。「次の曲」まで。 「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?」 5→4 可愛くはあった。可愛くは。 でもほんとにそれだけ……というと流石に乱暴だろうか。なろうのようでなろうじゃない作品ではあるんだが、なろう系の中では比較的作画状態が良く、特に最後までヒロイン勢のコロコロした可愛らしさは維持されていた作品。ほんで異世界作品のくせして爆発カップルを扱っているというのも一応は特色と言える部分で、(いくらかハーレム要素はありつつも)基本的に主人公にとっての嫁はネフィ1人だけ。延々1クールの間2人のイチャイチャを見せられるだけのお話である。「可愛い画で女の子とイチャイチャする様子を見守るだけ」という状態は、実は悪いもんじゃないのだが……。 そこになろう的ニュアンスが混ざるとやっぱり身が入らんのはなぁ。いや、ザガンはあんまりチート主人公要素を振り翳したりはしないし、自称陰キャなので色々なところで一歩引いた性格ではあるのだが、「身の丈に合わぬ卑屈さ」ってのもなろう主人公のヘイトポイントの1つなわけで……「お前のそのステータスならもうちょいスマートな生き方があるやろがい……」と思ってしまう。その辺のシナリオラインへのどうしようもないヘイトは意固地になってる部分かなぁ、と申し訳なくも思うのだが、もうちょっと別な方法論を開発してくれよ、という気持ちは如何ともし難い。 まぁ、こうして文句ばっかり書いちゃうとダメなアニメだったみたいな印象になってしまうけど、形はどうあれ最後まで付き合ってるという部分は評価してあげたいところ。市ノ瀬ヒロインの持つ安心感はかけがえのないものですからね。 というわけで、劇場作品強化月間もこれにて一旦閉幕でしょうかね(他になんかあったら教えてください)。こちらは偶然こないだ劇場でCMを見てちょっと気になった作品。映像部分が個性的だったし、調べたらそこまで長くなくてサクッと見られる作品っぽかったので、せっかくの機会ということで観に行きました。 折り返し前の一言感想は、なるほど他の劇場作品とは一線を画すオリジナルスタッフと、本筋からは少しズレた「映像制作スタジオ」の手による画面は色々と面白いものがありました。ドラマとしても時間が短い割には言いたいことがまとまっていて、少なくとも「ぼったくられた」というような不満感は無いです。まぁ、劇場で2000円払って観るべきかどうかは個人の裁量によると思いますが……私は半額くらいで観たのでコスパの良い娯楽になったな、という感想。観て損するようなものではないので、新時代の映像技術が気になる人はちょっと観に行ってみたらいいんじゃないでしょうか。
<というわけで以下はネタバレなど注意>
素直におもしれー、第12話。ミステリアニメ(?)観てて解決編でふつーにドキドキしたの、久しぶりかもしんない。多分この昂りは「六花の勇者」最終回以来だわ。 毎回感想を書いていたので、それを遡ることでいかに私が作者の手のひらの上でコロコロされてたかがよく分かります。とても素直な視聴者を務めておりました。いや、わかってたけどねー、そういう展開だよねー、そうだよねー。……ごめんなさい、少なくともサプライズは喰らってます。一応ね、私もミステリ読みの端くれとして読書中は色々と推理というか、邪推しながら読み進めることはあるんですが、ことアニメに関してはそういう回路は意図的にシャットダウンしてるきらいがありますね。1つ例を挙げてみると、一巳かと思われていた謎の侵入者については正直「なんか描写が曖昧なまま進んでるな……」とは思ってたんですよ、ほんとですよ。でもそこはさ、一応「一巳が殺された風の描写」になってたわけで、逆にそこで「あれ、誰が殺されたの?」とか言い始めたらかえって読解力がない奴だと思われるじゃん! だからこう、「まぁそうだよねー、一巳だったって話だよねー」っていう前提で受け止めているわけで。冷静にさ、「でもあれが一巳だったとして、秋殿に行くのは意味わからなくね?」みたいな疑問は一旦飲み込んでるわけさ。そうだよ、私はあえて単純で愚鈍な視聴者を演じているのさ! ……以上、ミステリで真相が見抜けなかった奴の言い訳コーナーです。いやぁ、一応「こうだったら面白いかも」の第7候補くらいには今回の展開も想定してたかもしれないけどもちろん本線では考えてなかったから、「なんか面白い方向に話が転がってる!」って素直に楽しめちゃいましたね。またここまでの進行に比べてさ、今回からきっちり「ミステリの解決編」のフォーマットに則ってるのが妙におかしくて。后選びのふりをしながら真相を推理していく名探偵若宮の一人舞台、このセッティングは格好良くて憧れちまうなぁ。ご丁寧に最後のあせびのターンになるとあせびがろくに実情を把握してなくてぼんやりしてるもんだから、テンプレである犯人側の弁明というか、限定をサポートしてあげるガヤの役をお付きのものが務めてくれるっていう親切設計でね。やっぱ名探偵に「さて」と言われたらみんな様式美を意識しちゃうんだろね。 というわけでどこからどう切り取っても「解決編」な今回。残された3人の姫君を1人ずつ斬っていくというフォーマットになっており、最初の犠牲者(?)は白珠さん。ここまで1年よく耐えたとは思うが、表情を見る限りではすでに限界だったご様子。そこに若宮からのKYコメントがドバドバ浴びせられ、最後の一押しに「子供の作り方知ってる?」というセクハラまがいのブラフまでかまされて即落ち。まぁ、白珠さんはこれ以上の抵抗も無意味だしな……なんだかんだで彼女からしたら最高のハッピーエンドを迎えてるあたり、若宮が冷血漢のくせしてきちんと人の上に立てる器であることを示してるのはそつがない。 続いての対戦相手はススキさん。彼女の場合は最終的に裏は一切なく、ただ若宮とは「この腐った宮中で貴様のような腐った主君が幅を聞かせるのは我慢ならぬ」と直談判。「まず浜木綿についてなんとかせぇ」という主張が出てくるあたりにススキさんの人格が表れている。それに対する若宮の対応も徹底した鬼畜ロールを維持しており、多分ハナからススキさんは一番話が分かるキレものだということを分かった上で煽り散らかしているのだろう。問答の果てに、ススキさんはめでたく私のフェチポイントである「作中でヘアスタイルが変わるヒロイン」の権利を獲得。ミディアムショートでもとてもいい女だった。 さぁ、残す枠はただ1つ、アニメ1話だけ観たら間違いなくメインヒロインだと思われていたあせびさん。でもさ、流石に私もその辺は承知してるから、この展開だと「最後の1人」ってのはやべぇポジションだってのは分かりますよ。ドキドキしながら見守っていたが、終始表情を変えずにぽやぽやしてるあせびを見て「こいつ……」ってなってましたね。そうかぁ、そっちパターンかぁ……すっかりアニメの構造自体にもしてやられてしまいました。 別にあせびさんは何も嘘をついていたわけではないのだろう。彼女には彼女なりの世界があり、その理想の世界の中で、自分がやりたいこと、できることを精一杯やっていただけ。彼女自身の尺度で言えばきっと頑張り屋さんの部類。しかしなんということか、「無知は罪」でございまして……歪んだ宮中の澱の煮凝りみたいな性質だったってことですかね。こんなあせびについて、(ススキさんは信じきってたみたいだが)浜木綿さんはどう見てたんでしょうね。この展開なら、流石に来週出てきてくれるでしょう。彼女の口から、あせびの評価を聞けることを楽しみに待ちたいと思います。 「変人のサラダボウル」 5→6 今期の「ショボいから世間的にあまりウケないだろうけど私は好きでしたね」枠。最近は1クールに1作くらいはこういう作品がある気がしますね。試しに昨年度の履歴を眺めてみたら「カワイスギクライシス」→「自販機」→「でこぼこ魔女」→「ドッグシグナル」みたいな感じである。 以前1回だけ記事を上げたことがあるが、本作の良い点はやはりお話作りそのもの。異世界(から)転生作品ではあるんだけどファンタジーな設定はほんとにネタのための添え物みたいなもんで、そこから引っ張り出せる日常ネタがあまりに雑食で多岐にわたっている。異世界ネタはもちろんだがそれ以外にも探偵ネタ、バンドネタ、ホームレスネタ(?)など取り止めのない世界の広がりが「何を見せられてるんだろう」みたいな気持ちでダラダラと観る温度感にフィットしていたし、案外エグいネタ回しのはずなのに語り口と画のユルさのおかげで意外と重たくならずにすんでいるバランス感はお見事。1つのネタを引っ張る時間も短めなので、もし合わない部分があったとしてもさっさと次に行くから引き摺らない。ネタが短いのでつまみ食いっぽい乱雑さはあるんだけど、このごちゃごちゃ感はむしろ愉快。比較するのもなんだけど、多分「アストロノオト」に最初に期待していたのはこういうごった煮感だったんじゃないかと思う。こんだけぼんやりした先の見えない作劇、かえって1つの作品として執筆し続けるのは難しいんじゃないかとすら思えてくる。多分ジャンプ漫画だったら「スケットダンス」とか、そういう枠に近い存在なんだろうな。 これで画のクオリティが高ければもっと中毒性の高い作品になったかもしれないのになぁ、と思う部分もあるのだが、逆にこんだけショボい作画だったからこそ気楽にみられたのかもしれん。アニメを見るときにはどうしたって「作画が云々」の問題は避けられぬが、こういう形での適材適所があってもいいのかもしれん。いや、原作者が望んだかどうかは知らないけどね。少なくとも岐阜にとっては何かしらのプラスはあったでしょう。多分。岐阜に行ったらホームレス女騎士に会えるよ(風説の流布)。 「この素晴らしい世界に祝福を!3」 ―→6 ほんとに「実家のような安心感」という言葉がしっくりくる作品。振り返ればまだ3期分+劇場版、「爆焔」を加えても4期分なのだから「銀魂」とか「ヒロアカ」とかに比べりゃまだそこまでお馴染みってわけでもないはずなのだが、もうこの空気感が心安らぐものになっている不思議。ほんとに肩肘張らずに、気楽に見られる世界を最初から用意してくれたスタッフ、主に金崎監督に感謝ですね。 例によって毎週なんか書いてたのでこのタイミングでまとめることも特にないのだが、改めて確認したら一応今期から(厳密には「爆焔」から)制作スタジオが変わってたんだっけね。今思い出して「あぁそういえば」くらいの感覚なので作品には一切影響は与えてないのだが、これもスタッフがちゃんと持ち越しで勘どころを全て心得た上で作ってくれているおかげ。一応名義上は金崎さんが監督から「総監督」となり、もしかしたら手を離れてしまうんじゃないかと不安になったが、蓋を開けてみれば半分以上の話数でがっつりコンテやってるし、なんなら脚本まで手をかけて今まで以上に力を注いでくれている。もうすっかりライフワークになってしまっている感があるな。 そうして歴史の重みと愛があればこその作品ではあるが、一応褒めてばかりじゃなくてちくっとしておくと、やはり話数を重ねることによるマンネリ感は否めない。カズマさんのトレードマークでもある「寸止めヘタレハーレム」もこんだけ続けば「どないやねん」感はどうしても漂ってくる部分だし、何度も同じような災難にあっていることから「飽きた」という感覚が芽生える可能性も否定はできない。ただ、幸いにして私はそこまで気にならなかったし、ちゃんと「気にならない」芸風を確立しているからこその長寿作である。すごいよね、カズマを中心としためぐみん・ダクネスの爛れた関係、普通だったらありえないシチュエーションなのに、「まぁ、このすば世界ならしょうがない」ってネタとして納得されてしまうんだから。やはりメイン4人のキャラメイクの勝利である。 というわけで、マンネリ感も一応考慮して加点は留めておくが、僕個人としてはやっぱり好きな作品。まだまだ原作ストックはあるんだろうし、4期も楽しみに待っていよう。金崎さんが無理しないくらいのスケジュールでオナシャス。 今週まではこれで許して! 第21話! っていうか今週こそがこのタイトルじゃんね。「ニャンダフル」は「猫こそ至高」「猫こそが世界」「猫に抗うな」という意味があるらしいよ(悟くん談)。 公式に別立てでチーム名を名乗るってのはプリキュア史上初だよね? ゴウライジャーパターンを採用してまで確たる存在感を見せつけるにゃんチーム。しかしそこにはちゃんと融和の物語もあるのです。犬猿の仲とはいうけど犬猫の仲とは言いませんからね。同時多頭飼いしてるお宅もたくさんあるだろうし、犬猫の仲良し動画とか最高の癒しです。 先に書いとくけど今回は作画省エネ回でもある。常に全力でいてくれよとは思うが、東映的にもここまで濃密なユキまゆ回が続きすぎて流石に1年間走りきる体力を考えるとどうしたって緩急は必要。むしろ今回みたいなネタ回での作画としては正しかったのかもしれん。いや、ユキさんはいつだって本気だからネタ扱いしたら怒られるだろうけども。 というわけで、先週の次回予告時点から正座待機待ったなしのユキちゃん転校エピソード。事前の告知映像などでそのキレキレっぷりは知らされていたが、ユキさんの傍若無人、唯我独尊なスクールライフは期待通りで期待以上。アバンの着席シーンで全部持っていくあたり、ほんとにこの子は最強ガーディアンですよ。何がズルいって、天才美少女がトンチキな行動してるのに、「まぁ、猫だし」というその1点だけで全てが許されてしまうというこの設定。ほんとに考えついた人は天才だよ。私がここまでユキまゆを推すのは百合だからじゃないんです。「猫だから」なんです。いや、百合猫だからなのかもしれないけど。別にユキさんは百合がどうこうとか一切考えず、これまで通りにまゆと接してるだけじゃないですから。うん、やっぱりこの関係は「猫」でいいや。 犬から華麗な転身を遂げたこむぎが人間形態になってからしばらくは(今もだけど)トラブル起こしまくりだったのに対し、ユキが人間との認識の差で問題を起こしたのは最初の着席シーンのみ。その後はクールな判断力で持って「人間はこうするのでしょう」とばかりに正解を連発。犬と猫の知性の差を見せつける(単にこむぎがこむぎなだけという話もある)。いや、でもいくらお利口さんな猫だからとて、これまでずっとおうちで留守番してただけのユキが漢詩をたしなめるのは流石にどうかと思いますけどね。っつうか中学2年生って下手したら俺だって漢詩とかよう分からんかったと思うぞ。多分鏡石の力で動物たちが人間化する際には、「その動物の元の知性を人間スケールに直した時の賢さ」に調整されるということなのだろうが……こむぎとの格差社会に涙が止まらないよ。 でも、そんなおバカなこむぎだからこそ可愛いというのも間違いなく真理だし、おバカでも強いのがプリキュア。今回は濃厚なユキまゆ回を期待して視聴を始めたわけだが、個人的に一番楽しかったのはもしかしたらこむぎのシーンだったかも。特に最初のガルガルのアタックで全員沈みかけた時のこむぎの立ち振る舞いね。「眠くなると逆にテンションが高くなるバカ犬」あるあるでさ、飼い主が寝たいっつってんのに強引に構ってほしくて暴れる犬、ほんと解像度が高い。こむぎの馬鹿可愛さが久しぶりにスマッシュ。 そうして目覚めた後ににゃんチームの正式な合体名乗りが繰り出され、プリキュア初の合同チーム宣言が行われた。その後のバトル展開も犬と猫では分業しながら戦っている様子も描かれており、頭脳労働の猫、肉体労働(?)の犬。まさかのブンブンジャーコラボ(??)というサプライズを見せてくれたが、どっちかというと「タイヤ人間じゃなくてタイヤ犬?!」という驚きよりも「なんか、タイヤこむぎがポプテピピックみてぇだな」という感想が。まぁ、アホ可愛いから結果オーライ。いいよ、どうせ元から設定がぶっ飛んでるんだから、いろんなところでネジ外してこ。 そんなアホみたいなバトル展開とは一線を画すシリアスな内容もちゃんと掘り下げられており、ユキが毒親みたいにひたすらまゆに対して過保護だった理由が新たに語られた。まゆちゃんのコンセントレーションがすごすぎたというエッジの効いたエピソードではあるが、そこできちんといろはが「フレンディ」の特性を発揮し、見事にユキの頑なな心に雪解けを迎えさせた。ユキちゃんがデレてしまうとアホ側にどんどん引っ張られそうでちょっと心配ではあるが、すでに今週時点で割とアホ可愛いところもあったので、犬組と交わることによって生まれる新たな猫組の魅力に期待しよう。 来週はようやくユキまゆの流れが一旦落ち着きそうなので、プリキュア感想強化月間は一旦おしまいかな。すでに巷では「もう追加戦士はないのか? あるとしたら大福さんチームになるのか?!」みたいな議論がなされておりますが、悟の甲斐甲斐しさを見るに、個人的には悟にももうちょい報われてほしいという気持ちはあります。まぁ、大福の変身が見たいかどうかは別にして。今週の「教室でまゆと2人で残ってサポートしてくれる悟」のポジション、好きなんだよなぁ。
「やっぱバンド名をもうちょっと考えてつけとけば……」みたいな思考が止まらぬ、第12話。メンバーは元々名前に思い入れがなかったはずなのに、これに思い入れなきゃいけないのが変なとこで足引っ張ってる感。 兎にも角にもメジャーデビュー達成。結成から事務所所属・デビューまで1年かかっていないというスピード出世の電撃デビュー。そこだけ考えたらとんでもないサクセスストーリーなのだが、すでに一度メジャーに行った状態からドロップアウト経由の桃香、そしてよそでちょいちょいデビューの話もあったという智ルパコンビから見ればそこまで非現実的な話ではないのかもしれない。 とはいえ、やっぱり作品全体を見ればサクサクテンポ。かのRoseliaですらメジャーデビューまで多分リアル時間では4〜5年かかっているのとはエラい違いである。まぁ、あっちも作中の時間だと2年弱くらいではあるんだけど。なるべく長く長く続けていきたいソシャゲ媒体と、1クールでスパッと結論を出すシリーズアニメではその辺の尺の感覚も随分違いますね。……とここまで書いた時点で気になったのだが、このアニメが終わった後ってリアルの方のトゲトゲはどういう活動をしていくんでしょうね。いや、別に単なるリアルバンドとして活動してもいいとは思うんだけど、その場合ってアニメキャラの方のトゲトゲとはどんどん乖離していくことになるよね。今後もアニメキャラとの重ね合わせは一定ラインで保つのか、それともあくまでこのアニメはリアルバンドのデビューのスタートブーストという意味合いがあるだけなのか……まぁ、普通はそうするしかないかぁ。バンドリプロジェクトというある種異様なメディアばっかり追いかけてるもんで、その辺の感覚が良く分からなくなってる。バンドリと違って、こちらの作品は継続的に続編を作るってこともできないだろうしねぇ(出来なくはないかもしれないが、合間の期間を埋めるゲームが存在しないと流石にプロジェクト自体が保たない気がする)。 というわけで、彼女たちのバンド人生はこの短いアニメの中で走り切る必要が出てくる。おかげで以前から期待していたルパの単体お当番回はどうやらなさそうな気配。まー、ありがたいことに短いシーンの中にもメンバー個人個人の見せ場はあるのでそこまで描写不足って感はないんですけどね。 結局、この1クールで描かれるべきは主人公・仁菜の物語であり、そこに付随する桃香の物語だ。今回も当然この2人を中心にお話は回っており、桃香があらためてダイダスと同じステージに立った状態に、過去の因縁を断ち切れるかというチャレンジ。そして一見すると逆境とも取れるこの苦しい芸能界の荒波の中、仁菜という向こう見ずが空気を読まずに突っ走る様子はおっかなくもあるが、雄々しくも見える。最後までちゃんと「ロック」を貫こうとしているあたり、ほんとにこの子ってば主人公気質になったもんである。途中の電車内のシーンで桃香が仁菜に寄りかかってるカットはやりすぎな気もしたけど、まぁ、トータルで見ればもはやバンドの関係性はそうなりつつあるのかもしれない。そこから進む道がたとえ茨の道だったとしても。 脇でわちゃわちゃしているすばるさんが元気なのは相変わらずなので大変結構だが、個人的にはやはり智ルパの細かい表情などにも注目したい。好きポイント1、神社での仁菜の恥ずかしいセリフに露骨に赤面してるのに突っ込めない智。ほんとは「恥ずかしいセリフ禁止!」くらい言ってやりたそうに見えるが、彼女のキャラだとそこまでいけないので黙ってそっぽを向くしかないのである。可愛い。 好きポイント2、今週もやりたい放題・ルパ。やっぱこいつ強キャラ感が1ミリも下がらないのすごいな……今回はダイダスとの対バンを巡ってメンバー内で多数決を行ったわけだが、そこでしれっと仁菜に票を合わせているのがルパ。こいつの場合、絶対に「仁菜に気を遣って彼女に賛同してあげよう」とかじゃないんだよ。純粋に自分のエゴと向き合い、「私はやっていいと思ってますよ」ってんで手を上げているはず。そしてこいつも智たちと同じで業界の厳しさはある程度認識しているわけで、「ダイダスの狙いは分かるし、不利な状況かもしれませんが、それくらいひっくり返せない私たちじゃないです」とか思ってる。さらにさらに、最終的に仁菜が暴走して結局方針がひっくり返るところまで読んでいた可能性がある。なにせ最終的なジャッジの段階で桃香の傍らに寄り添い「決めるのはお前だ」と信頼して任せているように見せかけ、その実あそこで桃香が引っ込むとも思っていない。仁菜が飛び出したこと、神社ですでに仁菜と桃香の関係性が変わっていたことを充分に理解し、最終的に「自分が票を投じた方」に決定が流れるようにコントロールしている。やはり今作のラスボスはルパだと思ってる。いいキャラしてやがる。 追伸:マネージャーの三浦さんの一人称で「三浦は」って出てくるのちょっと好き。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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