忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[613] [614] [615] [616] [617] [618] [619] [620] [621] [622] [623]

○「魔方陣グルグル」 5

 異世界転生……じゃない!! 大丈夫、普通のファンタジーだ!

 いや、これを普通のファンタジーというのも流石にどうかと思うけども。ここだけの話、私、この「魔方陣グルグル」という作品にこれまで触れたことがないんですよね。アニメになってるのも知ってるし、原作がどこでどういう立ち位置で存在しているかも大体知っているわけだが、これまでの人生で何故か触れる機会が無かった。まぁ、考えてみりゃ掲載誌が「ガンガン」の時点で直接触れるチャンスってそんなに多くないし、話題になるにしてもジェネレーションが少しずれればこの手の漫画ってのはもう興味が無くなってしまうもので、触れなくても仕方ないとは思うが。とりあえず、正式なコンタクトはこのアニメ第1話が初ということになる。

 更に裏の事情も書いておくと、視聴前の時点で、アニメの本当とも嘘とも付かぬ話題はいくつか耳に入っていた。大きくまとめると「制作体制で揉めているみたい」とか、「ストーリーが詰め込み過ぎでエラい騒ぎ」とか、その手のヤツである。あんまりそういう話を聞いてからアニメを見るのは良くないとは思うのだが、如何せんネットは見てしまっているので、いかに取捨選択をしようといくらかは見てしまうもので。「一体どんなもんかなぁ」と思って見てみたが……。

 別に、悪くはないんじゃないでしょうかね。確かにオババの台詞なんかを中心に「オカルティックナインかよ」と思うくらいに早口になってるシーンはあるし、あんまり余韻を感じさせようとはしていない作劇になっているのは間違いない。ただ、元の作品を知らない身からすると、ある程度昔の作品で、それも子供向けの分かりやすいギャグなのだったら、多少詰め込んで勢いで押すデザインにしても別にいいんじゃないかと思う。「ヘボット」や「ミルキィホームズ(最盛期)」みたいなことをやれとまでは思わないが、1話目くらいの勢いだったら演出の範囲内じゃないかね。どうせ繊細な伏線がどうとか、複雑な感情の機微がどうとかいう作品ではないのだろうし、限られた話数の中で回さなきゃいけないというのだったら切るとこを思い切り切って展開するというのも「新しいアニメ作品」として1つの選択肢なのではなかろうか。まぁ、そりゃじっくり原作通りの方が嬉しい人間は多いのだろうけども。

 制作はI.G.なのね。デザイン性はイメージ通りのもので、別に劇的な作画枚数を割くような作品でもないのでこんなもんだろう。夕方6時くらいに放送すればいと思うのだが、なんで深夜アニメのシリーズにしようとしたのかは謎。まぁ、これまでのアニメ化とは何か違うことをやりたかったのだろう。中の人たちも割と安定してたし、原作に思い入れが無い身としては、それなりに楽しませてもらおうとは思う。まぁ、これを見て「グルグル知ってるよ」っていうと怒られるとかいう展開もありそうだけどさ。

拍手

PR

○「ようこそ実力至上主義の教室へ」 4

 今期「ボールルームへようこそ」に続くようこそシリーズの第2弾。嘘です。本当は岸誠二とラルケがお送りする、「暗殺教室」に続く教室シリーズの第2弾。嘘です。

 タイトルからしてちょっと敬遠したい匂いが漂っている作品。今期はスマートフォンがどうとかいうかなりの強敵が立ちはだかっているためにこれ以上はマジ勘弁だが、今作もスタート時点ではそこそこの領域である。何故日本のラノベ業界はすーぐに海の上に独自の学校を作りたがるんだろう。フロートにしたら余計なコストがかかるだけだと思うのに、何故かあらゆる施設を詰め込んだ完全独立都市とか作るしな。学園艦にして大洗にでも寄港しとけ。

 さておき、そんな学校に行くところからスタートし、1話目は思いの外ゆっくりした展開。視聴者はタイトル時点で大体想像出来ているオチまで、非常にもったいぶった調子で辿り付く。まぁ、多分1話目の「掴み」として方向性は合ってるんだろうが、流石に驚けって方が無理だよな。まぁ、先生が「ポイントのシステムに何の疑問も持たないクズどもが」って言ってたけど、疑問持ち始めたらまずこんなとこ来ねぇよ。なんでこいつら全員何も知らずにこんなとこに入学してんだよ。まぁ、生徒たちのバックグラウンドについてはまだ明らかになっていない部分もあるだろうから、そのあたりの疑問は後から解決するのかもしれないけども。

 一応の特徴として「クラス全体の連帯責任」というルールがある。なんでそんなシステムにするのかもやっぱり意味が分からないが、流石に今作の特徴部分だと思われるので、その辺は後から説明が有るだろう(多分)。ヤンキーも秀才も無気力主人公も全員一緒くたの教室に押し込め、クラス全員の素行調査で連帯責任。そして1ヶ月目は何も教えずに「地獄」を見てもらう。趣味は悪い展開だが、まぁ、日本のスパルタ教育機関って大なり小なりこういうところあるよね。それを非常に戯画的に描いただけだと思えば、一応納得できなくもないのかな。

 まー、それにしたって1話目でやってることは地味だよな。てっきり「何かのバトルで勝ち上がってポイントを稼げ!」みたいな話になるのかと思ったら、なんと「授業中の居眠りやサボりがチェックされてランクが下がる」という非常にみみっちい制度。これ、来月ポイントを復活させるためには「みんなで真面目に授業を受けましょう」っていう展開になるの? どう考えても面白くないよな。そしてまた先生の授業がつまらなそうなのがすごい。あんな授業、寝ないで聞けって方が無理だろう。そもそも「選ばれた者たちがやってくる謎施設」なのに授業がめっちゃ普通の内容って、本当に意味が分かんない。親は何を思ってここに入学させたんでしょうね。いや、本人たちも受験して入ってきてるんじゃないのか? こんなもん、国に訴えたら一発で業務停止だろうに(まぁ、そういう世界ではないのだろうが)。

 なんかよく分からない設定があまりに多いし、ここから面白くなる展開が全く予想出来ないのだが、逆に言えば予想出来ないというのは期待出来る余地が残っているということでもある。スマホ某に期待する隙間は残されていないが、こっちなら今後何が起こってもおかしくないしな。思いっきり毒気を抜いた「バカテス」みたいなもんだと思えば(だいぶ違う)。

 中の人は、クラスメイト全員にキャストが充てられる「暗殺教室」と同じ仕様なので流石に有名どころも新人も入り交じっている。メインヒロインは鬼頭明里だが、なんかヒロインに魅力が無さそうなのが難点ではあるよな。今のところ巨乳ちゃんも別に可愛くないのだよな……主人公のCVは「月がきれい」の主人公もやっていた千葉翔也。あまりにもオーバーすぎる無気力キャラっぷりは流石にたじろぐが、流石にこれってディレクションがあってやってる仕事なんだろうから(「月がきれい」では普通にしゃべってたわけだからね)、今後の展開次第では今回の恐ろしいまでの圧の無いトーンが効果的に働く部分もあるのかもしれない。さて、鬼が出るか邪が出るかクソが出るか。個人的には「サトリナに口汚く罵ってもらえる作品」というのを拠り所に頑張っていきます(割とある)。

拍手

○「NEW GAME!!(第2期)」 5

 今期のきらら作品枠。前クールはお休みだったので「うらら迷路帳」に続く作品ってことになりますかね。まぁ、2期目なので取り立てて触れるべきポイントもないのだけども。

 基本的には前作から何も変わっていない。動画工房の提供する徹底的に萌え方向に充実した作画、キャラの見せ方。本当にこれに文句を言ったら罰が当たるくらいに恵まれた作画体制である。丸っこいキャラの動かし方は心得たもので、今作の場合はあんまり「漫画的に」なりすぎると一応の「社会人ストーリー」という骨子との齟齬が目立つ恐れがあるのだが、そうした現実と地続きの部分を阻害しない程度に見せてくれる「萌え」の方向性は非常に正しいし、見応えのあるものだ。

 ただまぁ、ぶっちゃけ今作はそれで全てを語り終わってる感があるんだけども。やっぱり描いてる中身がなー。社蓄のデスロードは別にアニメで見たくないんだよなー。女の子がきゃっきゃうふふしてる姿が見たいなら、もっと別な(メンタルに悪影響を及ぼさない)良い作品があるわけで、わざわざ世間の世知辛さをフラッシュバックさせるような真似をせずともよいのだ。今作の場合、なまじ「苦しい現実」にリンクしているために、萌え方向に完全に振り切れず、どこか喉に引っかかった魚の骨みたいな違和感がある。例えば今回の1話目に限っても、ひふみんの成長を描く部分がいくつかあったのだが、面接シーンなどで彼女の欠点が改めて確認されると、「まともな対人コミュニケーションも取れないような人間が就職面接を乗り越えて会社に入ってる時点で激甘だよな……」とか余計なことが気になる。社会の厳しさ、労働の難しさを描かなければ個性が出せない作品のはずなのに、萌え漫画にする手前、どこかで絶対に甘ったるいのである。この「ズレ」が作品独自の強みだと解釈することも出来るだろうが、残念ながら私の場合は「そんなん無くていいのでもっと八神さんがガンガン百合の花を咲かせるシーンを下さい」という感想しか出てこないのである。

 というわけで、個人的には主人公部分はかなりどうでもいいので、後はコウ×りんの夫婦の行く末を見守るだけのアニメです。コウの尻を執拗に追い回す冒頭のカットは良いと思います。以上です。

 

拍手

○「異世界はスマートフォンとともに。」 3

 何かの原液をただひたすら喉奥に流し込まれる感覚……勘弁してください。もう、それはお腹いっぱいのヤツです。

 なんかもう、視聴後に元気に「異世界転生の時間だぁぁぁ!」とかいう雄叫びを上げることすらままならない状態になってしまった。なんだろねこれ。教本か何かじゃないかな。「異世界転生ってのは、こういう要素を書く物語なんだよ」っていうパーツを、とにかく並べている作品。そこには一切のオリジナリティが存在せず、ただひたすら「みんな、異世界転生ってこういうやつだよね?」という確認作業だけが続く。ソシャゲ始めた直後のチュートリアルを延々見せ続けられているような印象だ。そしてチュートリアルならば「さぁ、ここからがこのゲームのオリジナル要素で最も売り出したい要素なんだけど……」ってんでセールスポイントの説明にはいくらか力も入れてくれるもんだろうが、今作にはそうしたセールスポイントが(少なくとも現状では)一切見あたらないため、本当に何の熱も籠もらない状態で淡々と説明が続くのである。なんだこれ、新手の地獄か。

 そして、説明されている「テンプレ」も、適当にその辺に転がっているものを組み合わせたものなので、各々の要素が「断片」でしかなく、1つの世界、1つの作品としてつながってこない。前のシーンと次のシーンの整合性を考える気がまるで無いような、そんな鉄の意志すら感じられる。例えば「何か1つだけお願いをきくよ」と言った神様が、スマホのあれこれを全部面倒見てくれた後で、ついでに身体強化も全部やっちゃったという無茶苦茶。もう、それでいいじゃん。スマホ関係無いじゃん。一応神様の台詞からすると「不注意で殺しちゃったから、次の世界では死なないようにしとくわ」という配慮ということだが、もう、その時点で異世界転生としてはやり過ぎてるレベルだから本当にスマホがどうでもいい。「何で異世界に転生するの?」→「そういうルールです」という説明も全く説明になっていないし、主人公が「冷静」と評されていた部分も、単に作品の齟齬にツッコミを入れずに受け流すだけの操り人形だからそうなっているだけだ。どこの世界に意志無き操り人形に最強の力を与えて振り回すだけの物語を見たい人間がいるものか。

 他にも「文字が読めないのに言葉は通じる」なんていうのも本当に馬鹿にしてるとしか思えない設定。「言葉が通じる」という設定であるなら、それはおそらく神様の力で言語関係をクリアしたからに他ならない。「たまたま日本語と全く同じ言語体系と語彙体系を持つ言語」なんてものが産み出される可能性はゼロなのだ。もし、その条件が満たされたなら文字体系も同じになっていなければおかしい。おかげで「生クリームは通じるけどアイスクリームは誰も分からない」とか、「アイス? 氷のこと?」と尋ねるなど(この世界には英語と日本語のどっちがあるというのだ)、もう何も考えたくないという世界設定の浅薄さがいくらでも出てくるのである。世の中、もうこれで設定が充分っていう状況なんですかね。怖気が走りますわ。

 映像部分は、シナリオの熱の無さをそのまま反映したような淡々としたテイスト。別に作画崩れが云々とかいうものではないが、当然のように魅力に乏しく、ただひたすら「事実」のみを語ることに終始する。チュートリアルだからあいだは適当なアイキャッチでバンバン繋ぐので、1話目から総集編みたいな構成。アニメーションに求められる魅力が何一つ存在していない気がする(女の子のエロすらない)。頑張って魅力を探すと……まれいが中心で諸々のキャストがコーラスに入るっていうエンディングの構成くらいかな……。

 もう、ここまで潔い作品は本当に久しぶり。逆の意味で、オラわくわくしてきた。

拍手

○「天使の3P!」 5

 小学生は最高なのかぁ?! あぁ?! 多分最高なんじゃ〜〜ねぇの?!(画像略)

 タイトルからしてアカンやろと思ってたら、案の定アカン人の作品だった。作者名を見ずとも一発で「あぁ、ロウきゅーぶの人だ……」と分かる内容ですね。これ、原作の挿絵イラストも「ロウきゅーぶ」と同じなんでしょうね。おかげでイメージは完全に被っており、ひょっとしたら同じ世界線の話なのかもしれない。何故か知らないが全然関係無いキャストに「ロウきゅーぶ」関係者が色々と紛れ込んでおり、ゆかちが「妄想の中でしゃべるイラスト」の役だったのがちょっと笑った。流石にメインキャラにキャストをそのまんま流用することは無いが(誰かさんの膝が壊れてしまうため)、きれいに世代交代して新たな小学生が最高になるに違いない。

 とはいえ、バスケットボールとバンド活動では色々と差も出てくる。まず、バスケなら「お兄ちゃんにご指導願う」のも自然な流れだが、小学生のバンド活動ってのはその発端からしてシチュエーションがレアだし、そこに何の関係も無い高校生男子が絡むというセッティングも難しい。そこで今回は、なんと小学生が自らネット上で音楽活動をするPに直談判するというとんでもない方法でファーストコンタクトを形成。これ、確実にエロ漫画(主にコミックLOなど)のヤツだ。確実にアウトのヤツだ。福祉の学校とか行ってるヤツだ。だからさぁ、年端もいかない子供にネット使わせちゃ駄目だって……。

 あやうく警察沙汰になりそうだったのは「ロウきゅーぶ」からの伝統芸。しかし、今回の主人公は前作以上に人畜無害を絵に描いたような引きこもりであり、決して倫理的に問題のある事案には発展しません(ただし、欲情はしてる可能性があります)。あとはもう、健全な目線でただひたすら小学生たちを指導していくだけですよね。今回は3人だけなのでより密接に、じっくりとコミュニケーションが取れるのではないでしょうか。キャラは非常に分かりやすく、臆病・勝ち気・天然のトリオ漫才。まぁ、「ロリっ子のキャラ」ですよね。この人の描くロリっ子って、いわゆる漫画・アニメ的にヒネたところが少ないので別に性的だったり倫理的問題を抱えたりせずに素直に「可愛い」って言えるのが特徴だと思う。今作の場合も、そりゃまぁ、出会い方こそ多少問題はあったものの、その後の小学生女子の対応は非常に素直で、真っ直ぐなものなんだ。余計な悪知恵を働かせたり、こまっしゃくれて反抗してみたり、そういう様子が無いので応援する側も「おっ、小さい子が頑張ってるな(健全)」と言えるのだ。えぇ、本当ですとも。まぁ、どう考えてもアニメ製作してる側はそこに「何らかの意味」を持たせようとしてるとは思いますけどね……。なんで最初の登場シーンでのカット割りが「うなじ」→「膝裏」っていう限定的なカットだったんでしょうね……。その道のプロとかが監修してんのかな。

 とりあえず、今回はスポ根ものの要素も完全に無くしたわけではないが、そこから更に「ガールズバンドもの」という特性も盛り込み、アニメ的なふくらみはより大きくなったと言える。演奏シーンも割と気合いが入っていたし、「こんな小学生おらんやろ」とは思いつつも、「きっとこの子たちはこれまで血の滲むような努力を続けてここまで来たに違いない」という勝手な脳内補完もばっちりだ。いいんですよ、ロリっ子がきっちりドラム叩けても。日本中探せばそういう子だって割とおるやろ。

 今後の展開も「ロウきゅーぶ」に準じたものになるとは思われるが、3人という人数を活かした今後の友情形成に注目だ。なお、中の人はきれいに世代交代に成功しており、3人が3人ともほぼ新人相当である。一応遠藤ゆりかは過去にもちょこちょこ名前は出ていたが、まだ役者としては独り立ちした印象はなかったし。あと、主人公の引きこもり役が「アトムザビギニング」のA106役の人なんだな。男性キャストもしっかり世代交代が進んでるなぁ。

拍手

○「セントールの悩み」 5

 ケンタウルス娘のズボン(?)ってどうやって履くんだろう。ふわってなる素材ならまだいいんだけど、マラソンの時はジャージ履いてるんだよな……どっか特殊なファスナーが付いてるんだろうけど、あれ、履く必要あるのかな……。「モン娘」のセントレアはどうだっただろうと思って確認したら、彼女は基本スカートでした。まぁ、そっちの方が自然かな。

 原作はちょっとだけ読んだことがある。連載始まって間もない頃に「ちょっと気になる」って言ったら知り合いのケモナー(?!)がコミック読ませてくれた。確か3巻くらいまでだったかな。ただ、残念ながら私にそっち方面の特殊性癖は一切無く、そこまで印象に残らなかったのであとは追いかけていない。おかげでもう、1話目を見てもさっぱり思い出せずに完全に初見と同じである。今確認したらコミックが14巻も出ていると知って驚いた。「モン娘」が既刊で12冊らしいので、連載時期もこっちの方が先輩なんやな。

 「モン娘」と違ってエロ要素フィーチャーではなく日常にグッと寄せた作品で、冒頭いきなりキスから始まって「これもエロだったっけ?」って思ったらまさかの百合キスだったからセーフ(何が?)。その後も特に性的な描写もなく、どっちかっていうと今作の方が「モンスター娘のいる日常」である。ただ、「モン娘」と決定的に違うのは、今作にはむしろ「人類がいない」という部分。丁寧な世界観説明があったが、この世界は進化の段階でケモ要素を残した状態で分化した設定になっており、純然たる人類種は「空想の産物」でしかないという。まぁ、主人公の姫を除くとほとんどの連中はちょっと角があったり、ちょっと羽が生えてる程度なので「結局どっちの進化も大してかわらんやんけ」とは思うのだが、少なくとも内部世界においてウマっ娘も別にそこまで特殊な存在ではないということが示されているのは重要だろう。「モン娘」の時に生じた「結局、相違点をあげつらった一種の差別である」という作品への懸念が、今作では生じないのだから。いや、もちろん差分は差分として残っており、作中でも人馬の扱いがデリケートなものであることは語られていたが、少なくとも「差があること」は当然のものとして受け入れられている世界であり、彼女達の存在は前提として機能している。つまり、慌ててウマっ娘用の衣類やらトイレが新設されているわけではないのだ。そのあたりの「ちょっと目立つけど、おかしくはない世界」というのは、「モン娘」とははっきり異なった設定である。

 で、そんな世界で何が起こるのかといえば……マジで何も起こらないな。単なる日常ものだこれ。しかも角も羽も大していじり甲斐がないから、あとはただひたすらウマっ娘にちょっかい出すしかない。まぁ、タイトルからしたらそれで正しいのだろうが……。あとはこの姫が可愛ければ、単なる学園日常ものとして成立しますね。……どうかな、流石にそんな穏当な進み方ではなかろうが……別に悪いところはないね。実際それなりに可愛いし、やっぱり珍しいビジュアルなので見てるだけでも退屈はしない。今にして思えば「モン娘」って下手したら1話で2人くらいのペースで亜人が増えていってたが、あれだとちょっと忙しない感じだったし、これくらいのんびり見せてもらった方が、かえって「異物感」が出て面白いのかもしれない。ちなみに姫の中の人は深川芹亜。メインキャラで声を聴くのはぶっちゃけ「グラスリップ」以来なのだが、流石にだいぶ良くなってましたね。確認したら「グラスリップ」でもう3年前かよ……そりゃ成長もするわな。

 あと、どうでもいい事ではあるのだが、本作の放送前にアバン部分でまさかの「製作スタジオのPRカット」が挟まって驚いた(BS11で視聴時)。確認したらどうやら中国企業のスタジオらしく、今作が初の「日本の原作アニメ」ということで事実上の日本上陸作品らしく、気合いが入っているのかもしれない。実際、本作は日本のアニメーションだと言われても全く違和感の無い出来だった。まぁ、実際にほとんど日本人スタッフでまかなわれてるけども。今後、アニメ業界がどういう変遷を辿るのかも気になるところである。

拍手

○「プリンセス・プリンシパル」 5

 ロンドンの町並みに怪しく暗躍する女の子たち……よし、ミルキィホームズやな。

 ブリティッシュな何か。アニメとしてはそんなに登場するロケーションではないが、このイギリスのどこか怪しげな「霧の街」も、フィクションのモチーフとして人気のある場所だ。ただ……これさ、「東西に分断されたロンドン」って言ってるけど、流石にロンドンは東西に割る意味が無いんじゃなイカ? ドイツ・ベルリンなら大陸内部で東側・西側を分断する場所としての意味があるけど、ロンドンって島国の海寄りの場所、っていうだけでしょ。そこを分けても、西側になるのって「残りのイギリス」だけじゃん。流石にそんなところに壁が出来るような事件は起こらない気がするのだが……いや、イギリス国内だけでの内紛とかならいいんだけどさ。どうも最初のナレーションからすると違う気がするんだよね。その壁、本当に意味あるんか?

 まぁ、とりあえず作品としては「イギリスだけど亡命やらなんやらで壁を挟んだすったもんだがあるんだよ」という舞台設定だけがほしいのだろう。あんまりその前提を考えてもしょうがないのかもしれない。年端もいかぬ女の子たちが切ったはったの大立ち回りをするヨーロッパなお話ということで、どこかシニカルなところも含めると「ガンスリンガー・ガール」あたりが近いだろうか。まぁ、あれよりもだいぶアニメ的なお話に寄ってはいますが。製作スタジオは「フリフラ」や「天メソ」のStudio 3Hz。1話目ではカーチェイスのシーンの町並みの流し方などに相変わらずのこだわりが見て取れる。薄暗く煙った画面にこれだけの彩度で映像が乗せられるのだから、今作も映像部分については心配する必要はなさそうだ。

 そうなると後はお話の中身がどうなるかだが……まぁ、しばらくは様子見かな。スパイアクションということで、比較対象としてパッと浮かぶのは当然「ジョーカーゲーム」あたりになるわけだが、アレと同じように抱えた問題として、スパイの話って裏の裏の裏の裏、という風に突き詰めはじめたらきりがないってこと。第1話も一応「裏のある話」ということで依頼人の設定が作られているのだろうが、二重スパイってあとはいくらでもN重スパイを重ねることが可能で、どこまでいってもそれが真実かどうかが分からなくなってしまう。「ジョーカーゲーム」の場合、結城中佐という圧倒的「力」を誇示することで、最終的には「結城が言ってることが一番正しい」という強引なまとめ方になっていたわけだが、本作ではそのあたりの「真実の傍証」をどこから取り付けることになるのかが、今後のストーリーの説得力を左右する部分になることだろう。まぁ、キャラ萌え方向に走るならそこまで気にする必要は無いのかもしれないが、1話目を見る限りでは、ある程度シナリオ方向でも力を入れる意志はあるみたいなので。

 中の人は若手中心で、初めて見る名前もいくつか確認出来る。メインは毎度申し訳ないが例によってなかなか名前が声と一致しない今村彩夏。結局この子の代表役って何で認識すればいいんだろう……あと、メンバーの1人が影山灯と福嗣君のダブルキャストになってて、電話口で訳の分からない声を出していたのだが……あれはどういうキャラなんだ? 単に変声術の名手とか、そういう認識なのかな。

拍手

○「アクションヒロイン チアフルーツ」 6

 おっ、特撮好きか? よしよし、女の子と戦隊の組み合わせとか、得する要素しかないな!

 ユル〜い作画でスタートした本作、監督に草川啓造、制作にディオメディアという組み合わせは、個人的には頑張ってほしいのにことごとくキツい作品を連発してきたかなり怪しげな布陣。今回も何か怪しげなものが登場するのではないかと気が気でない。実際、キャラ絵のユルさは何となく駄目な匂いを感じさせるものではあるのだが……今作はそのユルさも武器にしているあたりが今までとは何か違う。冒頭、カミダイオーのオープニングで表示されるフォントのこだわりなど、今作はスタート時点ですでに「一級品」ではなく「二次創作品」を意識して作られた代物。見てご覧よ、シリーズ構成には荒川稔久の名前がクレジットされているよ。特撮×荒川さん。もう、何が出てきてもおかしくないな!!

 1話目といえば、戦隊ヒーローに集合がかかる非常に重要なスタート地点。各キャラに魅力が無ければその動機だって適当なものなりがちだが、今作では「妹のために何とかしてヒーローショーを成功させようと頑張るお姉ちゃん(黄色)」と「ご当地ヒロイン好きでとにかく鍛錬を続ける脳筋(赤)」という組み合わせで無闇にアツい展開。たった1人の妹のために一週間でやれるだけのことをやるお姉ちゃんも立派だが、ただ自分が「演じられる」というだけでフルスペックを発揮しちゃう赤の方もなかなかのキャラクターだ。そして、この女子高生2人で組み上げたアクションステージが非常に魅力的なのである。キャラ絵はユルいはずなのに、いざショーの練習になればその動きは僕らの憧れたヒーローそのもの。何だったら原案となっているカミダイオーよりも動きがいいんじゃないか、というレベル。そして、本気で頑張ればその願いはしっかりと子供たちに伝わっていく、というのも特撮スピリットである。

 クライマックス、挫けそうになったお姉ちゃんを妹が奮い立たせるシーンは非常に意味深で、あの時点で、妹ちゃんは「怪人の中にお姉ちゃんが入っている」ことを理解している。普通に考えれば幼い子供なら「お姉ちゃんが段ボールで作った子供だましで自分を裏切った」と考えてもしょうがない展開なのだが、しばらく辛そうにしていた妹が、お姉ちゃんの頑張りを認め、最後には自分の中のヒーローであるはずのカミダイオーではなく、敵対する怪人であるはずの「お姉ちゃん」に声援を送る。その瞬間、ヒーローは画面の向こうの虚構ではなく、立派に現実の英雄として立ち現れるのである。いかにして「子供だまし」を脱却し、現実の希望を届けられる存在となるか。そんなヒーローたちの願いを、この作品は叶えているのだ。

 元々が単独ヒロイン・カミダイオーからスタートしたプロジェクトなので、そのまま赤の子単体でヒーローを続けるのかと思ったが、どうやらここから戦隊が結成される流れのようだ(キャストクレジットにずらりと色の入った名前が並んでいる)。ご当地ヒーローを扱ったアニメってのは実はありそうで無かったジャンルで、思い返しても「TARI TARI」が近いものだったくらいかな(「サムライフラメンコ」はちょっと違うよな)。次回予告で出てきたように(?)、「ご当地アイドル」、ろこどるとしての活動にも近いこのジャンル、アイドルもの+特撮ヒーローものという美味しいとこ取りで、何かヘンテコな化学反応が起こることを期待したい。当然のようにプロデューサー役の中の人が元ヒーローなのはお約束。ろこどるだった人と戦隊だった人が手を組めば、そりゃ何かできそうですよね。

拍手

 エンディング映像にまみかさんの姿が一切無くて泣いた……第14話。もう、あの子は昔の女なのね。今は新しい萌えっ子に生きる時代なのね……。で、誰だあいつ。

 今回はタイトルの「Creator」の部分に徹底的にフィーチャーしたお話になっている。まぁ、端的に言えば地味なお話だ。ロボットでズバーン、魔法でドーンが見たい人たちからすると、今回の地味なおっさんたちがちょっと肩パンなんかをやる程度で小競り合いして、挙げ句オチで汚ねぇタラコ唇のツンデレを見せられるという、誰も得しないお話になっている。かくいう私も「つらい」という感想ばかりが出てくるお話だった。でもまぁ、これはこれで今作のテーマ性がよく出たお話なのは間違いない。

 これまで丁々発止で繰り広げられてきた被造物たちの戦い。大きな戦いは前々回アルタイルが登場したところで一つの山を越えた。アルタイル側は「まだ世界が自分たちを許容していない」という認識を得て戦略的撤退。その隙にチームメテオラはアルタイルを合法的に弱体化させて捕獲するプランを考えついた。つまり、あとはぶっちゃけ頭脳労働の勝負になるということ。被造物の戦いは一旦お預けになり、今度は「神」の戦い、言わばちょっとしたラグナロクなのだ。

 とはいえ、被造物が尊敬したり鬱陶しがったりしている神々も、この世界ではただのパンピー。それよりも偉い会社という「超神」が存在しており、更にそれら企業の上には「国」という「マジ超ゴッド」が存在している。菊地原さんはそんなマジゴッドの一員であり、彼女が「死ね」と言ったら、国民は全員死ぬのである。なんて話だ。国家の横暴を許すな。資本主義バンザイ。いやいや、でも言うこと聞かないと世界がぶっ壊れるらしいからな。官が主導でアニメ製作を始めると一線級の演出家を10人集めるくらい造作もないことらしいよ。その資金は一体どこから出てるんだ。国民の血税か。畜生、血税でアニメとか、いいぞもっとやれ。

 どれだけ世界がやばかろうと、神々には神々の世知辛い生活がある。製作会社・出版社は、すでに何年も前からカレンダーが決まっている事業を複数抱えている状態のはずなのに、そこに突然お上から「オラ、新しいアニメ作れよ。出版社の垣根を越えたコラボイベントと制作体制整えるんだぞ」といわれる。神より恐ろしい締めきりがやってくる。しかも、おそらくこのプロジェクトは仮に時間がたくさんあったとしても非常に難しいプロジェクトだ。原作が小説だけならまだ調整も効くかもしれないが、すでに絵のイメージが固まっている漫画・ラノベ・アニメの場合、それらを1つの世界にまとめてのコラボってのは相当ハードルが高い。どの製作会社のどんな画風に合わせるのか。果たしてどんな筋立てで全ての作品に迷惑をかけない「一次創作」を行うのか。想像するだけで冷や汗もの。業界の人間からしたら、下手な地球滅亡なんかよりもこうして「無茶過ぎる仕事」を押しつけられるアニメの方が恐怖かもしれない。

 しかし、政府主導でプロジェクトはなんとか進んでいく。明日も分からぬ自転車操業ではあろうが、それでも何とかしてくれる制作スタッフがいる世界観は幸せよね。現実でははるかに条件がユルいのにアニメの放送に間に合わない会社が多々あるというのに。多分、先陣を切るのが松原さんだったのは、関係者として事情を把握しているということもあるが、それなりに筆の速さに信頼があったってことなんだろう。他の面々も、ブーブー文句言いながら何とか一つの目標に向かって進み始めています。物書きには物書きなりの、絵描きには絵描きなりの悩みもあるんでしょうが、そのあたりを乗り越えていく成長物語としても、本作は存在しているのかもしれません(どうだろう)。

 そして、関係者が必死に自分たちの戦いを続ける中……なんでお前ずっとそこにいるんだ、という突っ込み待ちなのが颯太である。もう、ここまで問題が膨れあがって大勢の人に共有されたんだから、今更平凡な高校生なんて関わっててもしょうがない。さっさと退場すればいいと思うのだが、何故か未だに関係者面して現場を見に来ている。「こいつ、クリエイター気取りか?」とか思っていたのだが、最後の最後にようやく(本当にようやく)主人公らしいことを思いついた様子。まぁ、今回の「承認力」のシステムを考えると、プロではないパンピーの意見というのも大事になってくるとは思うが……。さて、何を思いついたやら。なんかすでに最終決戦直前みたいな雰囲気になってるけど、まだ14話目ですからね。もうちょっとキャラも増えるみたいですからね。

 それにしても、真鍳ちゃんが一切出ないだけでこんなに平和な作品になるとは……。アルタイル側も、メテオラ側も、真鍳の存在って全く考慮に入れずに作戦を進めているみたいなのだが、絶対に面倒は起こすんだよな。さて、どちらの味方になってくれるのか。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[02/28 とみしの]
[02/18 な]
[02/17 とみしの]
[02/16 NONAME]
[02/11 NONAME]
バーコード