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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「エグミレガシー」 ―→6

 あらゆる意味でイレギュラー、どう処理したもんかも分からんアニメ世界の異端児。どう評価したもんかさっぱり分からないが、今作を視聴している際の困惑の坩堝は、それ単体で体験として評価してしまえと、そう判断してショート枠にも関わらず点数をつけてしまった。

 全力の予防線を張っておくが、私のこの評価を見て「なんだこれ、そんな不思議な作品があるんだ、ほな見てみるか」とか思って視聴されても一切責任は持てない。基本はギャグなので合う合わないがあるってのは前提だし、これを作品として認めない人もいる可能性はある。さらに認めた上で「いや、別に全然面白くもないが」と思う人もたくさんいるんじゃなかろうか。でも、あたしゃ「なんじゃこりゃ?」と思ってしまったんですよ。ほんで「なんじゃこりゃ?」が12週続いたんですよ。それって、すげぇことじゃない? 理不尽ってのは突然突きつけられるから驚きに繋がるし、面白みも感じられると思うんだけど、だからこそ1クールにわたって理不尽であり続ける脚本って難しいと思うのよ。

 いやぁ、でもどうなんだろうなぁ、いわゆる「セカイ系」の作品になったとは思うし、これがふつーの画で、ふつーの語り口で90分くらいの劇場アニメにでもなってたら「陳腐な作品だなぁ」と思ったかもしれない。今作独特のクソみたいなキャラデザ、アニメを馬鹿にしてるとしか思えないような雑演出。そうしたものと噛み合って不条理が世界の1つとして認められてしまったからこその評価なのかもしれない。ちょっと冷静になればクソつまらん可能性もある。ギャグとしても、例えばヒゲちぎりデビルみたいなしょーもなさが爆発するシーンもあったんだ。でも、今となってはそのダレた感じすら計算づくだった気がしてくる……よくもまぁ、脚本書いた人はこのキャラをぶん投げられてここまでの話を考えたもんだ。「ヤクキメたみたいなキャラデザだし、ヤクキメねぇと書いてらんねぇぜ」とか思ったかもしれん。要所でサスペンスやホラーとしてやたら光ってたのなんだったんだろう。招かれざる客とか、ハチベーとか、最初は「単に中の人にドタバタさせるだけの身内の遊びだろwww」とか思ってたのにいつの間にかどのキャラもキャストをフル活用してんの本当ムカつく。

 まぁ、気になる人は1話目で挫けず、3話目くらいまで見てみてください。その時点で1ミリも心が動かなかったらそっ閉じでいいです。多分、そっちの方が賢いと思います。

 
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 宴の始末、第11話。小鞠の顛末、前回で片がついたとばかり思っていたので、ここまでしっかりと描いてくれたのはびっくり。単なる「恋の終わり」のお話ではなくて、今作が「負けヒロインのお話」なので、恋が終わった後がある意味で本番なのだよな。その辺の制作理念をしっかり見せてもらえたようで、とても素敵なエピソードである。

 本来ならば、今回のお話で話題にすべきは温水の行動の是非であろう。小鞠のことを思えばああいった行動に出るのも理解はできるが、普通のアニメ、もしくは道徳の教科書であれば、なんかこぅ、小鞠が頑張って部長会議で報告できるようになって、「みんな頑張れば出来るんだから無理だと押し付けないで応援して!」みたいな話になりそうなもんだが、今作はそんなお為ごかしで終わらせたりはしない。人間、どんだけ頑張ったって出来ないことは出来ない。頑張れば苦手だって克服できるようになるかもしれないが、そのための時間はまだ足りなかったのだ。小鞠はあの通りの性格なので、コミュ障が一朝一夕で改善するはずもなく、挙句「部長になんてなりたくなかった」とまで言い始める始末。しかし、それが本心なのは間違いない。彼女が部長職を引き継いだのはとにかく元部長とBL先輩に心配して欲しくなかったから。そのために学園祭だって頑張って切り盛りしたし、2人が高校の文芸部に思い残すことなくその後の人生を進んでほしいと思ったがために、無理を承知で部長の重責を背負い込んだ。それが彼女なりの最善策であり、破らなければいけない殻だったのだ。

 しかし人生ってのはそんなに簡単なもんじゃない。「破らなきゃいけない殻」と「破れる殻」は別物。気合と根性で乗り越えられない壁にぶつかってしまった時には、何か別な方法で解決することを考えなければいけないのだ。温水はさも当然のように「自分が代わろうか」という代案を持ち出したわけだが、それだけでは小鞠の現状を半分しか解決してくれない。部長会議はそれで乗り越えられるが、ここで自分が部長職を降りたら、もしかしたら先輩たちを心配させてしまうかもしれない。「出来ない」じゃなく「出来るかもしれない」ところを見て欲しかった。そういう意味では、やはり温水の提案は空気を読んでおらず、不適切なものだったということができる。

 しかし、「出来ないものは出来ない」は真理であり、どれだけ高望みしたところで直近の部長会議を乗り越えられなければ意味がない。また、先輩たちが去ろうが、その記憶が薄れようが、まだまだ長い小鞠の人生は、小鞠の手で切り開く必要がある。だとしたら、今回のことでつまづいて傷を残すことは得策ではない。温水はそこまで考えて小鞠に「一旦降りる」ことを提案した。理詰めでいけば納得できるかもしれないこの提案も、心のすり合わせがうまくいっていない状態では摩擦を大きくするだけ。やはり主人公気質を持たぬ温水と「負け」ヒロインでは状況を打開する力はまだまだ弱そうだ。しかし、そうした不器用で鈍臭いコミュニケーションからしか築けない関係性というのもあるのだろう。この世界における「メイン」ヒロインは、果たして誰なんでしょうね。

 今回も細部まで行き届いた完璧な仕上がりだったが、個人的にはLINEを使ったメッセージを効果的に使った演出ってのはやっぱり好きですね。「よりもい」のLINEとメールの使い方ですっかり打ちのめされ、「音声媒体であるアニメにおける文字情報の活用法」ということを考えさせられたわけだが、今回のLINE劇もかなり面白い部分を突いていたんじゃなかろうか。話すのが苦手な小鞠のキャラを掘り下げる役割もになっていたし、超至近距離での文字対話というのは2人の心の距離の表れとしても興味深い。お互いに声も聞こえる距離でのコミュニケーションなので、時に文字と声が重なって異なる感情を伝えたりするのも面白い。そして最後にはそんな文字での対話がメンバー全員に漏れちゃっていたというおまけ付き。こういうツールのアイディアってのはいかにも「新しい」世界っぽくていいよね。

 今回は圧倒的に小鞠がヒロイン力を発揮したもんで他の連中はガヤにまわっていたが、相変わらず生徒会のお化けみたいな先輩の存在感が尋常じゃなくて笑ってしまう。ほんでチョークスリーパー焼塩、そしてカロリークイーン八奈見。あの量で痩せるのは流石に嘘だろ。チュロスをデフォで2本買う女、アニメの中でもそうそうおらんで。

 
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 なんかここ数ヶ月はかなり劇場頻度が高い期間になってますね。まぁ、いわゆる夏休みの間は封切り作品も増えるってことなんだろうけど。おかげでおんなじ劇場に何度も足を運んでて忍たまコラボの土井先生のワーニングを何度も観てるわ。

 今作について折り返し前に書いておくと「特に不満はないけど、例によって地上波で数話に分けて放送する形でもよかったのでは」くらいの印象です。まー、地上波用に分けると尺の調整が難しかったのかしらね。ちなみに「地上波でも良かったのでは」っていう感想はテレビシリーズ時点で最低限のクオリティが保証されてる作品に対して抱く感想なので、割と恵まれてる作品ってのは事実です。

 

<一応ネタバレ注意だけど、多分あんまり長い感想にはならないです>

 


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「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」 6→5

 なんとまぁ、2クールやって更に2期まで決定しているとは。……よっぽど気合の入ったプロジェクトなのかもしれないが……なんか、作品自体からそうした気合はあんまし感じられなかったのが残念。

 元の作品は好きだったし、総監督名義で高橋丈夫もクレジットされている。名義貸しみたいな状態だったらヤだな、とも不安になったが、割とコンテ作業にも参加してくれており、ちゃんと旧スタッフから関わりがある人間が出てることも分かった。そうしてみれば制作姿勢に文句はないはずなのだが……旧作の方が身が入ったのは単なる思い出補正なのかしら。正直、あんまりそうは思ってないのだけど……。

 こっちに責任がある部分を先に挙げておくと、さすがに「2回目」となると本筋を追う意欲は低下する。何しろ10年越しとはいえ筋立ては知ってるわけで、ドキドキしながら先を見守るなんてことにはならないだろう。前作アニメとは映像化された範囲が違ったり、一応今回だけの見どころもあるにはあるのだが、そこは今度はコミック版が押さえている。途中で放り投げてしまったとはいえ、漫画である程度知ってる状態なのでやっぱり新鮮味には欠ける。いや、そんなこと言ったらキン肉マンなんて細部まで全部知ってて楽しんでるやんけ、と言われるかもしれないが、そこはまぁ、原作への思い入れの差だよね……。「ページやコマ単位まで読み込んでる漫画」と、「数年前に読んだけどあんま覚えてない漫画」では、リメイクを追うにしてもモチベに差が出るのは申し訳なくもしょうがない。

 そうしてこちらの視聴体制に責任があることは認めつつも、やっぱりアニメ自体のクオリティにも難はあったと思う。旧作の映像部分がしっかりしていただけに、現代技術でふわっとリメイクされただけの画面だと、「作品作って魂入れず」みたいな手応えのなさを感じてしまう。実際問題、今作は作画に関しては相当外注でばら撒いてるっぽいし、どこか工業製品じみたそっけなさが出てしまっている。まぁ、単純にCG処理が増えたからそう見えるだけなのかもしれないが……でもキャラの表情のディティールとか、やっぱり力がなかったよね。そういう部分でじっとりと執拗に見せるのが高橋丈夫監督の真骨頂だと思っているので、上っ面だけを流れていくような作劇はご不満である。

 第2期は多分漫画でも読んでないようなところが映像化される可能性が高いためにちょっとは新しい楽しみが出てくることを願っているが……どうなるだろう。でもまだ前作のエーブ編とかもアニメになってないのか……さて、どういう切り口で出てくるものか。

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 ちょいとビターな大団円、最終話! すいも甘いも噛み締めて、ヒーローの明日は続いていく。

 まずもって、最終話らしい素晴らしい作画クオリティだったのが嬉しいですね。元々1枚絵の使い方が印象的な作品だけど、そこにさらに原作のテイストも混ぜ込んだイラストレーションを採用したり、全力で世界を美しく彩ってくれていたことがとにかくありがたい。総括はまた後でやるけど、ほんとに恵まれた作品だった。

 さて、そうはいっても因果はめぐる。前回時点で「そっか、昧も赦されてハッピーエンドやね。ツィベタちゃんの時とは様子が違うけど、それくらいの返礼があってもいいのかな」と思っていたが、残念ながらそこまでムシのいい話は無かった。アマラリルクに加担した時点で昧の罪を全て払拭することは出来ず、自らの手で落とし前をつけたとはいえ、闇に迷った妹は、後の世界を姉たちに託すことしかできなかった。しかし、この悲劇的な結末にもきちんと一抹の希望を残していってくれるのが本作の良いところ。ツィベタちゃんは元々亡くなっていた身でありながら、その想いを改めて娘に託すことができた。そして昧も、本来なら絶望の底で世界を憎みながら果てていくところを、此度の騒動でなんとか引き留めてもらえた。死が救いだなんてことは絶対に思わないが、それでも彼女の道行きに、希望と感謝が残されたことは幸福だったのではなかろうか。

 そしてここに来ていきなりぶっ込んでくる朱鷺丸。なんか今期は鳥類の恩返しが多いな……まぁ、鳥ばっかりが人間に変身して文明作ってたところもあるしな……。かつての昧の優しさが、ここに来て改めて彼女に還る。そうした世界の構造は、どこでも変わらずにあるものだ。もちろんそれは正の感情だけではないのかもしれない。アマラリルクが次にどんな手を打ってくるかはまだ分からない。ラストカットでまた知らん幹部みたいなのが出てきてたのでスティグマの今後の動きも気になりますよね。いったいどれだけのメンバーを蓄えているんだろう。

 そんなアマラリルクより、ついに最大の手がかりとしてクフフさんの身柄が押さえられた。以前は指輪1つだけでもそれなりに分析が進んだわけだが、クフフさんという中核的存在がユニロードとの接触を持ち、いよいよ世界は核心へと迫ることができるのか。ただ、クフフさんの内面が今どうなっているのかもよく分かってないんだよな……彼女はどこまでアマラリルクに心を寄せているのか。すでにスピリッツとの対話でその辺りの精神性は揺らいでいるように見えたが、それでもクフフさんはクフフさん。どこまでもトリックスターな彼女の動向が、今後の世界の有り様を大きく左右する予感。

 そしてここに来て登場したもう1つの要素、それがシャイの先代ヒーローである「シャイン」の存在。なるほど、SHYの前のヒーローがSHINEだったわけか。これまたうまい設定である。そして多分シャインってのはシャイのお姉さんか何かなのよね……闇と光の対立ってのはどこから始まってるものなのかしらね……。

 まぁ、気になることはてんこ盛りながら、ひとまず綺麗な幕引きでありました。改めて、俺たちの戦いはここからだ!

 
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 突然のアイナナ!! 第11話! まぁ、TORYCA繋がりですけどね。流石にいきなりぶっ込んでくるのはいくらなんでも不自然やろがい、と思ったが、あそこに写ってたキャラのCVが夏生と同じなのか。ほなしょうがないかぁ(そんなことないやろ)。

 残り話数も少なくなったけど、前回のドタバタでアトリ周りの問題は全部解決したし、もうイチャイチャするくらいしかやることないやろ、と思ってたら最後にスナック感覚で大問題が浮上。元々「低電圧」だったアトリが日常的に動作不良を起こすようになり、さらには停止まで。俺の前のPCもバッテリーに問題をかかえてたもんで、突然落ちたりするようになってヒヤヒヤしたことがあったっけ。そりゃいくら高性能ヒューマノイドとはいえ、この世界のロボも日常的に肉じゃがやハンバーグから栄養を摂取してエネルギーに変えることはできないようだ(歯磨きまでさせるくせに)。体内に原子炉を内蔵してどら焼きすらエネルギーに変えていたタヌキ型ロボットがいかに優秀だったかがよく分かる話だが、とりあえず現実的なエネルギー問題の解決法は、「定期的にメーカーに出して充電処理をしてください」というものだったらしい。現代の電気自動車だって公共の充電ステーションとかあるんだから、もうちょいサポートしやすい形にはならなかったもんだろうか。まぁ、自動車と違って半年に1回とかならしょうがないかって気にもなるが……アトリのこれまでの駆動期間ってどれくらいだったんだろう。ずっと椎菜を見守ってる時代もバッテリーの補充なしで見守っていたのだとしたら数年単位で稼働できる可能性すらあるが、あの時代は自分から定期的にカプセルインしてたんでしょうかね。

 とにかく電力が足りない。これまで島では電気をめぐるあーだこーだはあったが、所詮子供達の浅知恵にも限界はあり、メーカー専任の充電ポートなど再現できるはずもない。挙句「このまま充電しなかったら一時的メモリに保管してたはずの夏生との記憶まで失われちまうぞ」という、アンドロイドロマンスのお約束がここに来て突然浮上。ラストタスクとはいえ、ちょっと取ってつけた感は否めない感じもするし、このまま来週まで解決せずに悲しいお別れエンドとかになったら「その御涙頂戴はさすがにダメ」って言おうと思ってたんだけど、よかった、ちゃんと解決策はあった。まぁ、あのカプセルとて無限のエネルギー源ではないわけだからこのまま放置したらいつかは底をつく問題ではあるはずだが……まぁ、ばあちゃんの技術力はとんでもないものだったらしいので、しばらくはこれで大丈夫なのだろう(それにしても急速充電すぎる)。そして、電力をもらったついでに余計な記憶までさらにインポート。さて、アトリに託された最後のミッションとは?

 ってなところで次がラストか? 現状、もはや問題は残ってない気がするのだが……何するんでしょうね。流石に海面上昇問題の解決とかは無理やんな?

 
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「真夜中ぱんチ」 6→5

 毎度! P.A.WORKS大好きおじさんだよ! ただ、今期は過去に例を見ないP.A.作品3本同時放送という稀有なシーズンだってのに、あんまり最大火力が出てないことにはちょっと悩んでいるよ。

 というわけで、あんまハネなかった完全オリジナル作品がこちら。まー、P.A.的映像部分に落ち度はないんですよ。キャラデザも立ってるし、作画には減点要素が無い。ただ、いかんせんシナリオがパッとしない。はちゃめちゃ怪物コメディを狙ったのか、P.A.名物「お仕事」アニメの一環として処理するのか。せっかく「吸血鬼」と「動画配信者」という2つの要素をレッツラまざまぜしたおかしみを狙っていたはずなのに、どちら方向にも振り切れた印象がなく、なーんか小利口にまとまってしまった感がある。

 これが1つ前の「アキバ冥土戦争」なら脚本自体もぶっ飛んでて最高にクレイジーでクールな作品だったんですよ。「メイド」と「極道」というハイブリッドが見事に唯一無二のネタに昇華されていて、そこにP.A.にしかなしえないような無駄に真面目な映像を載せることで各方面に不協和音を生み出して際立ちを発揮していた。それに比して今作は割とポップなデザインで万人受けを狙ったせいか、なんかJ.C.STAFF味があるというか、平均点やや上あたりに「置きに来た」ように見えるというか……最初にキャラの配置を説明された時に想像していた救いようの無いはちゃめちゃとは程遠い、「そこそこギャグでそこそこ人情」くらいに収めてしまったのはとても勿体無い。ハナからこれくらいの着地点を狙っていたというならその「安全策」に文句を言うものでもないが、「もっとできたんじゃない?」という印象は絶対に拭えない。

 一応フォロー……というか「乗り切れなかった理由」の掘り下げをしておくと、最大の要因として「配信者」という職種自体がまだモチーフとして完成系が見出せていないというのは大きかったかもしれない。これがアイドルアニメであれば「アイドルがたどり着く頂点」というのはなんとなく作り手側にも視聴者側にもコンセンサスがあり、「すごいライブをすれば盛り上がる」みたいなルートが作りやすい。それに対し、「配信者」は何をやったらすごいのかが分からないし、「面白い配信者」ってのがなんなのかも、人によって認識が大きく異なる部分。そのせいで作中でまさ吉が繰り出す「動画のアイディア」みたいなものがすげぇぼんやりしたものになってしまっているし、どっかで見たような動画を雑多に繰り出しているようにしか見えず、「すごい力を持つ配信者」にはなりえなかった。今のところ「配信者の力」を見せつける基準が「登録者数」と「視聴者数」しかなく、画面上の数字で状況の遷移を伝える以外の方法が無いってのも、画的に、シナリオ的に盛り上がりにくい部分だろう。もしバトル漫画でスカウターに表示される戦闘力の大小だけで次々勝負が決まったら面白いわけないものね。

 もちろん本作もそんなことは分かっているから「非常識で無茶を連発するヴァンパイア」というキャラ設定にして枠組みを壊そうと思っていたのだろうが、結果的に壊れなかった。動画配信者って、結局どこまで行っても無難と万人受けの極致を狙うしかない現状で、そこに際立ったドラマは作りにくいよね……そう言う意味では、VTuberという存在そのもののグロテスクさやミステリアスさを取り扱った「Vでん」の方が将来的な可能性に繋がった作品だったのかもしれない。

 あとはまぁ、結局最後までなんでりぶがそこまで真咲にぞっこんなんだよ、みたいな部分へのエクスキューズが不足してて、キャラだけで観るにも足りない部分が多かったのは単純にマイナス点。今期は「茅野愛衣ボイスの動画配信者」が同時に2人出現するという変なクールになったわけだが、しげゆきと赤ちゃんカエルでどっちのキャラの方がエグいかを比べたらその差は歴然。いや、あの汚ねぇVTuberの方がいいかどうかは分からんが……。かやのんは適当に飲んだくれてる動画を垂れ流してくれればそれでええで。

 
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「しかのこのこのここしたんたん」 6→4

 このアニメ、あれだな、鹿が邪魔だな……(真理)。

 世間的には「オープニング(のイントロ)が公開された時点がピーク」みたいな扱いを受けているアニメだが、すまん、だいたい異論はない。新番チェック時の点数もオープニング効果に引っ張られた感はある。人間はかくもチョロいのである。

 シカし、そっから1話目時点で「なーんかもっさりしてんな」という印象はあったわけで、どこか底が割れてた感はあったのかもしれない。ギャグアニメの難しさを改めて確認させてもらいましたね。基本的にわたしゃ太田雅彦&あおしまたかしのコンビは信頼しているし、それなりに波長は合うと思っている。しかし、本作は既存の創作法から大きくズレたものではなかったはずなのになんか刺さらないものになっている。「可愛い」によせたデザインも作劇も加点要素になってシカるべきだったのだが、やはり常に「もっさり」感が付きまとう。なんだろうね、もう「原作が悪い」っていうことにして逃げちゃダメ? あんまりアニメにして旨みのあるデザインじゃなかったとシカ……いや、もシカしたら単にこの作劇法に飽きたっていうだけなのかもしれんけど。シュール系の笑いって、依って立つところが定まらずにただ野放図にネタをばら撒くだけだと回収のしようがないんだよなぁ。そこまで密度が高いわけでもなく、「数打ちゃ当たる」みたいな対処にもなってなかった気がするのでシカたない。

 でも「可愛い」は維持してたとは思うんだよな。やっぱ鹿がいらなかったとシカ……。いや、だったら「何が要るんだよ」って話だけど。日本国民の「鹿感」に決して消えない変なインパクトだけ残して去っていった歴史上唯一の鹿作品として年表の隅にこっそり残しておけばいいのではなかろうか。

 シカらば。

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VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」 5→5

 おっさんにはついていけない新しい文化を反映するアニメ。……だったのかどうかは良くわかりませんが、少なくとも「絆のアリル」よりかは視聴するモチベは圧倒的に維持できてましたね。「馬鹿だなぁ」という突き抜けたギャグの免罪符を手に入れた時点で、作中のシュワちゃん同様、無敵の人のポジションを手に入れた感はある。

 「Vの話なんてどうせ分からんしおもんないやろ」というおっさんの諦めだか僻みだかよく分からない感情は割と序盤で無くなった。いや、そりゃまどこまでいっても共感とかは無いんだけど、今作は「VTuberを楽しむ方法」とはまた違った部分でVの側面を切り出しており、アニメとして別次元でちゃんと成立してたとは思うのよね。もちろん細かいネタ回しはVへの理解がないとついていけない部分はあるはずなんだけど、そういうならではの「あるある」みたいな部分と、そこまでマニアックでもない番人向けのネタ回しのバランスは悪くなかったと思う。まぁ、下ネタに振る部分とか、ネットミーム前提のパロディとかがてんこ盛りだからどう頑張っても人は選ぶわけだけど……元々Youtuberなんてそんなもんだしな。

 個人的に無視できない要素だったのは制作のティーエヌケーと監督の浅岡卓矢という「不徳のギルド」の座組みで、前作が怪作に仕上がったことを考えれば何か革新的な部分もあるんじゃないかと期待していた。そして、今作においては「Vの存在感とアニメならではの見せ方」という部分できちんと爪痕を残す作劇になっていたと思う。特にVの表層の描き方が一工夫あって面白かったですね。1話目を見た時点で「あれ、Vのガワと中の人ってビジュアル的に変えずに描写するのか」と疑問に思ったが、今作におけるビジュアルってのは全て「認識」の表れであり、時に視聴者が、時に作中のキャラが対象を「VTuberだ」と認識した時にその姿が立ち現れるっていう、きちんと意味のある設定になっている。そしてV以外の人間は全て顔の無いピクトグラムで描かれ、Vとしての存在感が得られた時に鮮やかなキャラクター像を手にいれるという演出はまさに「仮想現実」としてのVの危うさや、自由さを表現したものになっている。晴先輩が声だけではずっとモブだったのに「あれが先輩の中身だったのか!」と気づいたとたんに姿を得る演出とか、してやられたもんね。中心にいるのが「ガワも中の人も同一化してしまったおかげで伝説になった淡雪だった」という設定自体が一種のミスリードになっているのも心憎い。多分、今作の「アニメ化」として出来そうなことは全部実現してくれていたんじゃないだろうか。

 まぁ、アニメ的に色々とみるべき点があったとはいえどこまで行っても内輪ネタだとは思うので、バズることもバズらないことも全てネタ扱いになるという、落とし前のつけ方がよく分からん作品ではあったのだが……ぼかぁ「Vそのものの存在よりはアニメの方がよっぽど受け入れられる」という結論です。単に佐倉×日笠のヨゴレ先輩後輩コンビが楽しかったという話は置いとくとして。汚ねぇAfterglowありがてぇ。またどこかで伝説の佐倉さん泥酔ラジオが見たいなぁ。

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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