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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 何故殺した、最終話。あそこで晴風が沈む必要は欠片もなかった気がするのだが……敬礼ポーズで締めたかったのか、はたまた「続編なんてねぇよ」と伝えたかったのか……港湾で接岸してる状態なのにあんなに綺麗に沈むもんですかね? 水深どんだけあるんやろ。

 最終話は流石のドンパチバトル。「ラスボス」武蔵との対決シーンはそりゃもう、これまでの蓄積が活きる最大の見せ場であろう。実際、最後の勝負を決めた接触シーンなんかは他作品では見たこともないような映像になっており、頑張って艦のモデルを3Dでしっかり描き起こした甲斐があったというものだ。同様の戦艦バトルは「アルペジオ」があったが、あちらはトンデモ戦艦ミラクルフォームに変形してしまうために完全なファンタジー。こちらの作品は、「もし武蔵と戦うならどうやって勝つ?」という、「もし熊が襲ってきたら」的な男の子ドリームがあるのだ。ホント、さっさと方向性を定めて、「ちっちゃい晴風でどうやって日本軍が誇る数多の戦艦を打ち倒していくか」っていうバトルものにすれば、今回みたいな盛り上がりが毎回演出できたと思うのだが……それじゃ駄目だったんですかね? 他にもバトルは各所に見応えのある部分もあり、明乃も咄嗟に舵の代用を思いついて実行するなど、「ひらめき型の天才」的な挙動をようやく見せてくれた。最初からこうして「敏腕艦長」っぷりが見えるバトルが演出されていれば「空のストパン」「陸のガルパン」にならぶ「海のハイフリ」になった可能性もあったのだが……。

 確かにバトルシーンは見どころが多かった。だが、やっぱりこの期に及んで今作は謎シーンが多すぎる。せっかくなので最終回まで首尾一貫して文句を書いていこう。まず、結局ブルマーや教官たちにとって晴風ってのがどういう存在だったのかが分からなかった。今回、冒頭部分では「3分でいいから足止めして」と言われていた晴風。そりゃ当然のことだ。実際に武蔵と接触したシーンを観ればそのサイズ差は明らか。とてもじゃないけど正面からぶつかって太刀打ち出来るマッチメイクではないし、それは晴風側も重々分かっている。足止め程度なら何とかなる、ってのが校長の判断だったのだろうが、しかし、ことは言わば「戦争」である。最後に晴風が沈んでいったことからも分かる通り、一歩間違えば多数の人命を犠牲にしたかもしれない状況なのだ。そんな中、たかだが「3分の足止め」程度を依頼するために、幼気な女子生徒たちを数十人単位で死地へ向かわせる判断はどうかしている。3分稼いだからって何が変わるもんでもないだろうに。さらに、その後比叡やらなんやら、主力クラスの艦隊が武蔵に追いついており、やっぱり晴風いらないじゃん、ってなる。「晴風が足止めしたから間に合ったのだ」ってことなんだろうけど、別に武蔵が陸に近づいてから追いついてもそこまで問題無いのでは。いくら武蔵とて、接岸してすぐに壊滅的な被害が出せるわけでもないだろうし、そもそも何で陸に向かってたのかも分からんし。

 さらに加えて、加勢に来た増援部隊が晴風に対して見せた姿勢もひどい。「晴風の援護を!」じゃねぇ、お前らが行くんだよ。なんで満身創痍の晴風に最後の仕事させようとしてるんだよ。とっとと場所入れ替われよ。明乃も明乃で援軍が来たのを見て「これならまだ行ける」とか言って方針変えちゃうしね。下では必死に艦が沈まないように頑張っているクルーたちがいて、ギリギリのところで延命を図っているというのに、「大した戦力でもない」はずの晴風を突撃させるため(おそらく武蔵艦長に会いたいがため)に転身しているのである。みんなして積極的に晴風を沈めたがっているようにしかみえない。

 そして、この転身に至る前のシーンの描写が本当に分からなかったので、ここで細かく記載しておこう。どういうシーンかというと、機関室に浸水が報告され、もうどう頑張っても保たないと思われた後のシーン。「副長が離艦を促す」→「艦橋クルーでも意見が割れる」→「ぽけ〜っとした後、泣き出す明乃」→「なんかちょっと口元が笑ってる」→「副長も笑い返す」→「離艦命令を出す」。このシーン、なんで2人して笑ってたんだ? 命の危機に瀕して笑っちゃうのか、「やっぱり私たち程度じゃ駄目だったね」っていう諦観だったのか。何にせよ、一番緊迫していて笑顔なんか見せるシーンじゃないと思うのだが……誰か納得のいく説明プリーズ。

 まー、最後は一応狙った通りのゴールに入ることが出来たのかな? 陸に上がって喜ぶクルーたちを見ると、本当に明乃艦長は沢山の人たちに迷惑かけてきたな、ってしみじみ思う。まぁ、前にいっぺん陸に上がったときはトイレットペーパーだけ抱えてさっさと乗船しちゃったし、あんまりありがたみ無いんだけどさ……うーむ、消化し終わったはずなのに消化不良だな……。

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「聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテ」 3→2

 最終回は締めたな。いや、別に何もまとまっちゃいないけども……ダガンゾートさん……。

 文句無しで今期トップのアニメだろう、もちろん、下から数えてだ。1話目時点で作画に全くやる気が感じられなかった時点で大体察していたが、そこから映像クオリティが回復することなく、毎度毎度10年前のアニメみたいな見事な画を提供してくれていた。万策尽きて1話単位で作画が崩壊することはままあるが、今時ここまでしょぼい画が毎週コンスタントに提供されるのはなかなか珍しい。元々がソシャゲ由来のゲームなわけで、ソシャゲなんて画のクオリティとかエフェクトでどれだけ見せられるかが勝負だと思うのだが……原作ファンってのはこのアニメでどの程度満足したのでしょうか。

 そんなヘナヘナの画で展開されるストーリーの方はいたって普通なのだが、絶妙に挟み込まれるネタパートがことごとく外すという見事な采配。シリアスにしたいんだろうけどそもそも主人公が全く感情移入出来ないという最初のハードルがあるのだが、何とかそこに目をつぶって世界観に順応しようにも、隙を見てよく分からんギャグも放り込んでくるし、(この絵でも)適宜萌え要素で釣ろうとするし、身の丈に合わない大冒険活劇を見せようとするし。いやぁ、10年前だったらこのくらいのアニメもちらほらあったかもしれないが……せめて映像面だけでもしっかりして欲しかったよなぁ……なんでこの作品にゴーサインが出たのか分からないし、制作陣が何を伝えたかったのかもさっぱり分からない。普段から「オリジナルアニメはその志と、やりたいことが分かる潔さがあれば評価する」という姿勢を取っているのだが、ごめん、このアニメは何がやりたいのか分からなかった。一番納得出来る説明は、「適当に金を溶かすことが目的の税金対策」かな。

 まぁいいですよ、1年間にこれだけの本数のアニメが作られているのだから、ピンからキリまで存在するのは不思議なことじゃない。ほら、シャリシャルーちゃんは最後まで可愛かったし、そこを考えれば加点要素もあるかもしれん。それだけを支えにこの作品を見続けるのは……辛い……。

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「三者三葉」 5→5

 今期OP四天王の一角(残り3つは決めてないのでご自由にお考えください)。毎回そのかっ飛びオープニングを見るだけでも割と満足出来てしまい、その後のお話はあんまり頭に入らないという弊害も。

 今期では「あんハピ」と双璧を成すきらら系日常アニメ。そして、「あんハピ」はあんまり日常要素が上手いこと噛んでなかったのに対し、こちらは正々堂々と「日常アニメ」に振り切っていたのでいつも通りの雰囲気でとても見やすい。これに動画工房が誇る「余計なまでの」動画がくっついてくるわけで、アニメ作品としての完成度は恐ろしく高い。まぁ、そんなに動きのある作品じゃないので結局無駄遣いになってしまうことが多いのであるが……(だから何をやってもいいOPが一番輝くのである)。もちろん、動かないよりも動く方が良いに決まっている。なんとも間違った感じの素敵なリソースの無駄遣い。こうして手をかけ時間をかけることで、フツーでしかない日常系アニメの質が一段二段と上がっていくものなのだ。

 しかしまぁ、そうは言ってもそこまではまり込みはしなかったかな。新番チェックの時も同じこと書いたけど、日常系アニメっていきなりどっぷりはまるのは結構難しいんだ。今期は「静」か「動」かで言ったら完全に「静」である「田中くん」「ふらうぃ」という2作品が完璧なハマリ方を見せたが、いくらか「動」の方に揺れるこちらの作品は、その分作品の焦点が定まりきらず、「まぁ、これくらい」に落ち着いた印象。別段問題があるというわけではないのだが、無理矢理課題をピックアップするなら、メインキャラ3人の絡みにあまり有機的な繋がりが見出せなかったのが難点といえるだろうか。作中でもやんわり触れられていたが、この3人って、普通に考えたら絡む必要が全く無い関係性なんだよ。各々のパーソナリティは全然違うし、「胃袋ブラックホール」「腹黒委員長」「貧乏毎日パンの耳」って、全部特徴としてあげられている次元が異なっているし、互いに引き上げあう関係には無いんだわ。もちろん友情形成してるわけだし、一緒にバイトだってしてる。葉子様を中心にしてちゃんと3人独自のネタ回しが出来ているのだから「関係が無い」ことは絶対にないのだが、3人の問題が基本的に独立独歩なのよね。葉子様絡みのネタだと他の2人が積極的に絡むことは多いが、他の2人の場合、照VS西山、双葉VS辻兄妹などは3人の問題には関わりにくい。もっと直接的に3人をつなぐ分かりやすい関係性があった方が全体としてまとまりがあったんじゃないかと思うんだよね。情報処理部みたいなさ。まぁ、あの3人は完全に運命共同体になっちゃってるけども……ほら、僕が求めてるのって、女の子どうしの行きすぎた友情じゃない?(しらんがな)

 そういう意味では、実は一番気にいってたのは照と西山の関係性だったり。そこは猫も絡んでくるのでとても共感できるというか、素敵な趣味をしていらっしゃるというか。まぁ、3人のキャラはちゃんと立っていたし、誰が1番ってこともないかなぁ。普段の言動がそこまでおかしくない(?)双葉なんて、最初は割とどうでもいいと思ってたんだけど、やっぱりご飯をたくさん食べる女の子は可愛いからな。普通「大食い」ってステータスはキャラのサブステータスとして与えられることはあっても、メインステータスとして最大限にピックアップされることって無いからね。一番娘にしたいキャラは3人の中なら双葉かな。その他、薗部なんかも良いキャラしてるし、やっぱり全体的な構成は悪くない。まだまだ原作ストックはあるんだろうし、人間関係が完全に出来上がった後に続く2期目に期待しておこう(あるかは分からないが)。

 中の人たちは若手が多いので色々と目移りして大変だが、キャラを気に入ったこともあり、双葉役の金澤まいが一番気になるかな。底抜けにあっけらかんとした双葉ボイス好き。最終回のお嬢バージョンとの差もきっちり出てたし、ポジション取りさえしっかり出来れば業界で面白い立ち位置が狙えるかも。声のおかしさでいえば薗部役の桃河りかがトップだが、これまたどういう方向に飛び出せるかは未知数。同じ原作者の作品から飛び立った照井くんのようにスターの座を掴め。いや、照井くんがスターかどうかはしらんが。

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 さて、無事にプレビューの2週目が公開され、定番である「このセットのメカニズム」も明らかになった。一つ目の衝撃、エムラクールを含めて、第1回のレビューを始めましょう。

 

○このセットのメカニズム

 

1.合体(Meld

 実はちょっと前に話題になっていたらしい(私は知り合いから聞いただけだが)「裏面を使って合体カードを作りましょう」のプロジェクト。かの「B.F.M.」にのみ許されていた2枚のカードの夢の共演……それが、両面カードというギミックを使ってついに可能になったのだ。

 ルール化されたとは言っても、今回のセットに収録される合体カードは3組のみ。それぞれに個別ルールとして覚えてしまっても問題無いレベルだ。要は「2枚のカードが揃ったら、どっちも追放して合体状態で場に戻す」ってことだ。ただ、この合体カードは2枚が1枚になるという初めての挙動を見せるために色々とデリケートである。まず、2枚とも自分がオーナーじゃないといけない。相手からパクったギセラと自軍のブルーナでは合体しないし、相手から2枚ともパクッても駄目だ。この制限が設けられた理由は、「オーナーが2人存在する1枚のパーマネント」が存在するとまずいからだろう。「刻印(USG)」を使った時どうなるのか分からなくなるしな。さらにコピーカードなどでごまかすのもNGだ。だって、コピーじゃぁ裏面の合体ギミックが使えないからね。コピートークンなど言語道断だし、例えば「クローン」でコピーしたとしても、合体は完成しない。一応、能力は誘発して追放されるのだが、合体面(裏面)が無いので戻って来られず、2枚とも追放領域に居残りになってしまうという。まぁ、通常の両面カードでもそういう状態は一応あったからね(ジェイスをコピーした「賢いなりすまし(KTK)」は、変身条件を満たすと追放されるが、そのまま戻って来ない)。他にもバウンスされたら2枚とも手札に戻るとか、ライブラリトップに置く場合はオーナーが順番を決めて良いとか、細かいルールはあるが、どれも大体直感で処理出来るものだろう。まぁ、そうならなきゃ実際に印刷されるまでには至らないだろうしね。なにかルールの抜け穴的なバグが見つかる可能性はあるけども。ただ、出来れば3組と言わずもっとたくさんつくって欲しかったところだけどねぇ。あくまでも今回は「試験運用」だとさ。

 

2.現出(Emerge

 以下の能力語である。「Emerge(X) あなたはこの呪文を、クリーチャーを1体生け贄に捧げて現出コストを支払うことで唱えても良い。その場合、現出コストはX点少なくなる。Xは、生け贄に捧げたクリーチャーの点数で見たマナコストである」。まぁ、つまりは汎用性を増した「献身」。献身能力つうても今の若い子は知らないかもしれないが、「神河謀叛」の守護神シリーズで5枚だけ適用されたマイナールールである。献身と違ってインスタントタイミングにはならないし、どう転がしても色マナが軽減出来ないのがポイント。現出コストの支払いはクリーチャーをサクることが前提条件なので、「0体サクってそのまま」ってのは駄目。「コスト0のトークンサクってコスト全額支払い」はOKだ。この能力のポイントは2つ。1つはフレーバー的な側面で、既存のクリーチャーの中から生まれ変わった生命体であるエルドラージが爆誕しちゃいました、という雰囲気が出る。クリーチャーの形をしたレベルアップカードだな。そして、より大事なのはシステム面での貢献。普通に考えると、ゼンディカーを離れてしまった今、再び平然と無色のカードを出すことは憚られるが、こいつらは現出コストのおかげで一応色特性を帯び、各色に配置することが可能。さらに、わざわざ欠色を付けずとも額面上は無色。ごく自然にイニストラードにエルドラージが導入できたわけだ。前後のセットを繋げるために色々と考えるもんですね。まさか、事ここに及んでエルドラージデッキの強化パーツが増えるなんて誰が考えるだろうか。このカードデザインならコストを重くしても平気なので、エルドラージらしいサイズ感を維持出来るのもうま味。旧システムの焼き直しでもここまで付加価値がつけば充分新機軸だ。

 

3,増呪(Escalate

 以下の能力語で与えられる。「Escalate(X) 2つ目以降のモードを選ぶとき、それ1つにつき増呪コストを1回支払う」。まぁ、これは……焼き直しだな。日本語名だともろに「双呪」と被るし。双呪と違うのは、モード選択が3つ以上の場合もあるというところ。モードA、B,Cを持つ呪文なら、Aだけなら単体コストだけでキャスト可能、A&BやA&Cのモードなら増呪コストを1回、そしてA&B&Cのモードなら増呪コスト2回払いが必要になる。もちろんA&A&Aとかは駄目だぞ。まぁ、これも直感的に処理出来る部分か。一応、全てのモードは個別に扱われるため、1枚の呪文ではあるが、全てのモードの対象を同一にしても構わない。

 

 その他再録メカニズムはマッドネスと昂揚があることが発表された。つまり、今後の環境に調査はございません。「異界月」2「イニ影」1のドラフトになるので、各種調査絡みのカードは軒並みパワーダウンだぜ。

 

(以下、個別カード)

 

 

Emrakul, the Promised End 約束された終末、エムラクール (13) M

伝説のクリーチャー・エルドラージ

13/13 飛行 トランプル プロテクション(インスタント)

〜のコストはあなたの墓地にあるカードタイプ1つにつき(1)少なくなる。

あなたが〜を唱えた時、あなたは対象の対戦相手の次のターンの間、そのプレイヤーのコントロールを得る。そのターンの後、そのプレイヤーは追加の1ターンを得る。

 さぁ現れた、無く子も黙る僕らの江村。彼が舞い降りることこそがこの「異界月」の幕開けだ。まぁ、既に前エキスパンションの手掛かりのおかげで彼がやってくることは確定していたので特に驚きはないのだが……。で、そんなお外からの来訪者であるエムラさんは、何とかイニストラード環境にすり合わせようとして疑似昂揚能力を内蔵。墓地のカード種類によって軽くなるので、現時点で最安値を目指すならなんと8点の値引きが可能なので5マナで13/13と恐ろしくフレンドリー。スタンダード環境だと「部族」カードが無いので1マナ高くなるが、それでもプレインズウォーカーを含めて7つのカードタイプを墓地にたたき込めば6マナで手軽に終末が約束される。このコストは結構洒落になっていない。そりゃま、かつてのエムラさんに比べればサイズもイニストラード仕様(13)になったのでちょっと縮んだし、滅殺も無ければ追加ターンも無い(?)。プロテクションの性能もやや衰えてしまっているので「破滅の道」でも「石の宣告」でもコロリと落ちる。しかし、この「プロテクション(インスタント)」の絶妙ないやらしさよ。何しろ、通常の手段で通せば「精神隷属器」が発動するので相手のソーサリー除去は未然に使い潰すことが可能になる。相手からしたらターンを奪われる前に対処したいのに、プロテクションのおかげでどうにも手が出せず、後はエムラさんのなすがまま。一応その後に救済ターンがあるので「土地フルタップで相手ターン」という憂き目をみずに済むが、それでもクソみたいなスペルの無駄打ち、泣きたくなるような無駄死に戦闘など、1ターンの虜囚の後にはボロボロの戦場しか残っていないだろう。まぁ、結局は「約束された終末」なのである。終末が約束されているなら、かつての姿の半分以下にまでコストが下がるこちらの方が実はヤバい可能性すらある。一応の救いは、こうした変則的な除去耐性なので「実物提示教育」や「騙し討ち」の弾としてはイマイチになったこと。まぁ、そういうデッキは今まで通りに旧エムラを使えばいいだけなんだが。

 気になるのは、こいつがセット内容的に完全に浮いてることなんだよな。リミテッドだと単なる「色を問わない重いボム」。昂揚が狙えるデザインの方が有利なので緑や黒がやや使いやすいくらいか。ちなみにフレーバーテキストのフォーマットは既出の2体とおそろい。ウラモグが「A force as voracious as time itself(時間そのもののごとく貪欲な力)」、コジレックが「Avoid as cryptic as reality itself(虚空としか言い様がないその実体)」、そしてエムラさんは「An enigma as vexing as life itself(人生そのもののように厄介な謎)」。やっぱこうしてみるとコジレックの和訳だけちょっとひねてるのが惜しいなぁ。3人揃っての名乗り台詞だと思えば格好良いか(そうか?)。

 

Wretched Gryff 不憫なグリフ (7) C

クリーチャー・エルドラージ・ヒポグリフ

3/4 飛行 現出(5)(U)

あなたが〜を唱えた時、カードを1枚引く。

 現出能力のお目見えとなったカード。既に説明した通り、無色のクリーチャーで7マナと高コスト、つまりエルドラージの典型的デザインでありながら、普通の環境に馴染むように工夫された現出能力の妙味が分かるだろう。普通に7マナで唱えても、5マナ相当のクリーチャー+キャントリップなので計算は合うが、やはりちょっと割高感があるか。しかし1体クリーチャーをサクれば(青限定とはいえ)1マナ軽くなるのだから、そこは素直にフレーバーに従って現出からの登場を狙いたい。青はクリーチャーが貧相なのが残念だが、「隠れたホムンクルス」や「海墓のスカーブ」程度でもこいつが4マナで出せる礎になるなら万々歳ではなかろうか。キャントリップのおかげでサクった分は補填出来てるし、一応青ならゾンビとの絡みで墓地回収も可能。トークンを置いていく「ドルナウの死体あさり」あたりもいい餌対象だし、「縫い翼のスカーブ」だと……得してるんだか損してるんだか。

 

Blessed Alliance (祝福された同盟) (1)(W) U

インスタント

増呪(2)

次のうちから1つかそれ以上を選ぶ。

「対象のプレイヤーは4点のライフを得る」

「最大2体までのクリーチャーをアンタップする」

「対象の対戦相手は攻撃クリーチャーを1体生け贄に捧げる」

 こうしてみるとやっぱり増呪スペルって「命令」サイクルだよな。アンコモンに位置するかなり強力な増呪。基本的には一番下の「天界のほとばしり(ORI)」能力を使っていくことになり、そのときマナに余裕があればアンタップモードを使って更なる追撃を、そして万一6マナあればさらに4ライフもゲット出来る呪文。もちろん、アタッカーが1体なら4マナで除去+ライフゲイン。これだけで充分過ぎる性能だ。様々な使い方が可能なのが増呪の利点であり、基盤となる部分が強ければそれだけ汎用性も上がる。リミテッドなら必須除去。構築の場合、もう少しトークン戦術が下火になればひょっとしたら。一応オジュタイを倒せるのは意味があるかもしれないし。まぁ、攻撃してるオジュタイなら他の方法でも倒せるんだけどさ。

 

Bruna, the Fading Light 消えゆく光、ブルーナ (5)(W)(W) R

伝説のクリーチャー・天使、ホラー

5/7 飛行 警戒 (折れた刃、ギセラと合体する)

〜を唱えた時、対象の、あなたの墓地にある天使か人間・クリーチャー・カードを戦場に戻しても良い。

 悲劇の大天使。ストーリー部分の紹介は他のサイトにでもお任せするが、ざっくりまとめると、天使3姉妹(ホントは4姉妹)のうち、元々呪禁持ちだったシガルダだけがエムラクールの魔力に引っかからずに済み、脳筋のギセラ、穏健派のブルーナはアヴァシンともども狂気にやられてしまっている。そして今回、そんな悲劇の天使姉妹が3種の合体カードの1つに選ばれたわけだ。一応開発チームの解説だと「この天使のイラストからケン・ネーグルが合体カードを作り始めたんだよ」みたいなことも言っている(マローはもっと前から考え続けてたって言ってるんだけどな)。そんな天使の片割れ、ブルーナ。かつての姿では青含みだったが、今回は面倒なので白一色になり、性能も随分シンプルに「大天使(AVR)」のアップグレード。そして合体能力を促進させるために節操なしのリアニ能力を付与。これで、墓地にギセラを置いておけばこいつ1体で半自動変身が可能になった。率先して不幸になっていくスタイルか。単体での性能もそれなりに強力だし、釣り上げる天使は当然アヴァシン様でもいいのだから無理に合体してグロ画像を拝む必要も無いが、やっぱり与えられたからには狙ってみたいところ。エルドラージに影響されたせいで能力は187ではなくキャスト誘発になってしまっているため、コストの踏み倒しは基本的に禁止。素直にコストを払ってギセラと合流しよう。ちなみに、何故かこのコンビだけ、合体カードで互いのレアリティが異なっており、ブルーナはレアなのにギセラは神話になっている。姉妹の中で唯一格差を付けられたブルーナさんカワイソス。おかげでリミテッドでの合体はプチ奇跡。もし登場したらホールインワン賞なみの扱いで。

 

Dawn Gryff 夜明けのグリフ (2)(W) C

クリーチャー・ヒポグリフ

2/2 飛行

 環境を規定するフレンチバニラ。最大の難点は特にコメントが見あたらないところ。あぁ、そうそう、一応イニストラード特産のヘンテコ生物であるグリフはクリーチャータイプがヒポグリフなんですよね。かつて1枚だけカード化されたのは基本セットに出張していた「静翼のグリフ(M15)」でした。ヒポグリフって本当はグリフィンと馬の合いの子のことをいうのだが、グリフはどう見ても白鳥と馬の合いの子。同じクリーチャータイプにまとめてしまっていいものかどうか。そもそも白鳥と馬の交配ってレベル高すぎやろ……。「馬が白鳥を襲う」はどう考えても不可能だろうからその逆なんだろうが、突然空から舞い降りて「オラァ! 尻だせやぁ!」って雌馬にのしかかった白鳥さんサイドにも狂気しか感じない。イニストラードはエムラクールなんか来なくても最初からぶっ壊れた世界だったんじゃないですかね?

 

Gisela, the Broken Blade 折れた刃、ギセラ (2)(W)(W) M

伝説のクリーチャー・天使・ホラー

4/3 飛行 先制攻撃 絆魂

あなたの終了ステップの開始時に、あなたが〜と「消えゆく光、ブルーナ」というカードをコントロールし、それらのオーナーであるなら、これらを追放し、合体した状態で戦場に出す。

Brisela, Voice of Nightmares 悪夢の声、ブリセラ M (無色)

伝説のクリーチャー・エルドラージ、天使

9/10 飛行 先制攻撃 警戒 絆魂

あなたの対戦相手は点数で見たマナコストが3以下の呪文を唱えられない。

 はい、ギセラさん。こちらもブルーナ同様に元々持っていた赤マナを失ってシンプルな性能になっているのだが、よく見れば戦闘性能が「悪斬の天使(M11)」ばりのコワレですね。合体能力なんて香ばしい部分は無視して、単体で無双出来てしまうのでは。これ以上白に余計なもん渡すなよ。結局こんだけダークな世界なのに「アヴァシンの帰還」以上に天使が元気やないか。基本的にスタンドアローンで暴れ回れるデザインだが、万一姉妹が合流したらそりゃエラい騒ぎ。どう見ても「ゲームに勝つ」って書いてあるカードだし。一応、除去されるとカード2枚を失うというリスクはあるが、そもそもブルーナさんが1体リアニしてる時点で損は出ない。そして除去すると簡単に言っても、容赦無い呪文制限能力のおかげでこれを除去る方法なんてほとんど無い。「反射魔道士」すら撃てないしなぁ。ここまで大変身してしまったらもう元の姿に戻るなんてことは絶対ないんだろうけど、シガルダさん、どうやってこんな化け物倒すんでしょうね。イニストラードもミラディンばりの完全バッドエンドやなぁ。

 

Long Road Home 遙かなる旅路 (1)(W) U

インスタント

対象のクリーチャーを追放する。次の終了ステップの開始時に、それに+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で、オーナーのコントロール下で戦場に戻す。

 どう見てもカード名に「さらば友よ」って付け加えたくなる1枚だが、効果は完全に「来世への旅(CHK)」と同じ。違いは秘儀かどうかだけだ。いわゆるブリンクなので様々な応用が可能だが、カウンターがのることを考えたらやっぱり自軍の緊急避難用に構えておきたい。187能力持ちならさらにウハウハなので手っ取り早く「スレイベンの検査官」に撃ってしまってもそこまで問題は無いだろう。また、変身カードはブリンクすれば第1面で戻ってくるので、強引に人狼を人間に戻したり、「氷の中の存在」を再び氷漬けにしたりも。ちなみに合体カードもそれぞれが第1面で戻ってきて、各々のカードにカウンターが乗る(「ハンウィアーの要塞」は土地にカウンターが乗る)。まぁ、その後すぐにまた変身するだろうからカウンターの意味はあんまりないんだけどさ。

 

Thalia, Heretic Cathar (2)(W) R

クリーチャー・人間、兵士

3/2 先制攻撃

あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーと基本でない土地はタップ状態で戦場に出る。

 サリアさんは当然永遠にヒロインなので闇堕ちなんかしない特権的立場。崩れゆくアヴァシン教団をどうしたら良いか悩んで悩んで教団と袂を分かったオドリックさんが「ひとりだけになっちゃった」と劇場版のカチューシャみたいにへこんでいたら、「まだあなたが残っているわ、オドリック」とダージリン様みたいなことを言いながら登場したのがこのサリアさんだ。彼女は既に教団からは離脱し、新たに過去の偉人の加護を受けた「聖トラフト騎士団」を結成していた。白のクリーチャーたちが本当に白っぽく正しいことをしているのは久しぶりに見た気がするな。さておき、クリーチャーとしての性能は相変わらずのヘイトベア(もうベアじゃないが)。かつての「アメジストのとげ(LRW)」能力を失い、代わりに手に入れたのは部分的な「宿命(6ED)」能力。最近だと「威圧する君主(M14)」という似たようなカードがあったが、レジェンドなので当然戦闘性能で勝っているし、土地も縛れるので適用範囲は広い。旧サリアに比べると汎用性が低下したが、それでも下の環境ならば特殊土地の多さからマナを縛る機能はむしろ使いやすくなっている。さらにクリーチャーも縛れるのだから、旧作と比べると逆にビート方向のデッキに刺さるようになったか。後は、この1マナの増加をどう見るかだが……やっぱりちょっとマイナスではあるよな。ギデオンから出るトークンやアヴァシンですらタップ状態で出てくるので、構築ではトークン系に結構効くかもしれないな。

 

Thalia’s Lancers サリアの槍騎兵 (3)(W)(W) R

クリーチャー・人間、騎士

4/4 先制攻撃

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリから伝説のカードを1枚探し、それを公開して手札に加えてもよい。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 ミラクル「緊急時(CHK)」内蔵のサリアサポーター。フレーバーからすると上官のサリアを呼びに行くのが正道なのだろうが、4/4先制が出てきた時点でサリアさんはあんまり求められるお仕事でもないので、大人しくエムラクールやアヴァシンを呼びに行く方が正しい。駄目じゃん、聖トラフト騎士団、全然機能して無いじゃない。……まぁ、きっとどこかの世界線ではオドリックとかと頑張って戦っているよ。チューター能力なので一応レアにはなっているが、カードが揃わないリミテッドでは「そりゃ強いけど地味」っていう程度の能力だし、構築でもわざわざこんな地味なカード使ってチューターする必要もなさそうだし、なんか中途半端なカードである。一応、伝説のカードならクリーチャーでなくてもいいってのがポイントになるのかしら。下の環境でなにか……出来るかなぁ。ちなみに、「イニ影」でサーチ候補になりうる伝説カードは、アヴァシン・オドリック・オリヴィア・シガルダの4体に加え、「タミヨウの日誌」と「ギトラグの怪物」。……「助け呼んできます!」→「巨大蛙登場!」。何 が 起 こ っ た。

 


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12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜」 5→5

 先週の時点で終わっていることに全然気付いてなかった程度の視聴体制ですみません。いや、だって、先週のアレで終わってるとか思わないじゃん。あとAT-Xだと今週「セレクション」っていう形で余剰の1話(再放送)があったから、先週の時点で「終」のマークがついてなかったんだよ。まー、どうせ2期があるらしいから終わってるとも言えないんだろうけどさ。

 というわけで、割と適当に観ていた作品なんですが、そりゃまぁ、真剣に正座してたらそれはそれでまずいじゃない? ねぇ。とりあえずなにか作業するときに流しておいて、加隈亜衣ボイスを楽しむという、そういう次元の作品。いや、でも嫌いだったら切ってる可能性もあるわけで、特に苦もなく観ることが出来たってことは、何かしら得るものはあったってことだろうな。

 このアニメから「得るもの」とか言っちゃうと本当に危ない人な気もするんだが、でも「最近の女子小学生が読んでいるもの」についての知識が得られたのは事実なんだから間違っちゃいない。時代を経てもどの世代がどんなものを読むか、なんてのはなかなか変化するものではなく、「やっぱりこのくらいの世代の女の子はマセガキばっかりだなぁ」としみじみ。でも、不思議なもんだよね。花日や結衣のような女の子サイドのキャラは完全に「子供」として描かれているのに、何故か高尾ら男の子サイドは「なんでこんな奴が小学校におんねん」みたいな大人びたキャラになってるんだ。でも、その回りには典型的な頭の悪い小学生男子もいる。このあたりのキャラの描き方って、どういう実情を反映したものなのか。まぁ、単純に高尾については「理想像」だからそれでいいんですよ。回りの男子連中も「モゥ、本当に男子ってガキよねー」という女子特有の達観みたいなものの表れだ。しかし、主人公キャラがことさらに幼く見えるのは何故なのだろう。

 もう少し上の世代にいって、アニメ化なんかもよくされている「少女漫画」における女子高生とかになると、すごい女傑になったり、非リア、奥手などの「モテない私」を演出したりする。これは前者が自身の変身願望を表し、後者は「冴えない女でも恋が出来る」という願望の表れになる。今作における「子供っぽくて普通の私」も、この仕組みで考えると「冴えない現実の私」の反映なんだろうか。となると、実はこんな恋愛スイーツ脳満開の幸せそうな漫画を読んでいる女子小学生さんたちは、みんな花日ちゃんみたいにピュアッピュアで良い子ばっかりの可能性がありますね! 甲斐甲斐しく男に尽くしちゃうし、彼氏のためならどんな労苦も厭わない献身的な態度を見せてくれますね! なんだ、日本の未来は明るいじゃないか! 頑張れ12歳! ん? でもこうした女の子の献身を受けるためには、高尾みたいな生粋のイケメン体質じゃないと駄目なのか? 小学生レベルで壁ドン対応可じゃないと駄目なのか? ……とりあえず、回りで囃したててうんことかちんことか叫んでる方が楽しそうなので、僕はそっちに回ります。

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「僕のヒーローアカデミア」 5→5

 無難なところで。どうせ2期があるんだからここで一旦評価する意味もあまり無いのだけども。あー、でも2期目がいつかは発表されてないからなぁ。1年とか間が空くと忘れてしまう可能性もあるな。

 期待されたものを期待通りに、という感じのアニメ化。元々ど派手な能力バトルものなので、そりゃアニメにすりゃ映えるだろう。監督の長崎賢司もどの辺が見せ場なのかはもちろん分かっているし、けれん味あふれる迫力の動画モーションなんかはいかにもな作劇。ちゃんと「格好良いヒーロー」が描けていたという意味では全く問題無いアニメ化だ。ただ、いわゆるジャンプ漫画の法則みたいなところがあってですね、原作に追いついちゃまずいからかなり神経質に「追いつかない速度」を守っていたような部分が少々勿体なかった気も。1話1話を見ていけばそこまで間延びした印象もないのだが、どうしたって序盤の構成は1つのエピソードに山場を置きにくくなってしまうし、後半の盛り上がりもちょっと間尺が長くてダレる部分もあった。漫画連載の場合はあくまでジャンプという雑誌の中の1作品であり、多少盛り上がりが足りなくても「雑誌の一部」として問題無く読めるのだが、これ単体で30分のアニメですよ、と言われれば、どうしたってその中に刺激を求めてしまう。そして、多少詰め気味にすればこの作品なら「盛り上がりのラッシュ」みたいな演出方向でも作れただろうと思われるので、その辺がどうしても引っかかってしまうのだ。まぁ、詰め込んだら詰め込んだで、「駆け足スギィ!」って言われて文句が出るんだろうし、多分原作ファンからすればこっちの方向性がありがたいのだろうが。私の場合は「日5の呪い」があるおかげで、どうしても集中力を欠いてしまい、隅々まで観ることが出来なかったことが悔やまれる。

 まぁ、何を言おうとあくまでも「第1部」だしね。原作は現在もジャンプで盛り上がってますし、2期3期と少しずつ続けていって、ジャンプアニメの生命線として頑張って欲しいところです。現時点でジャンプアニメってコレと「ハイキュー」くらいしか押し出せるもんがないからなぁ(ソーマはそこまでのもんじゃないと思ってる)。

 アニメになって嬉しいのは、やっぱりキャラに声がついて動くというところ。完全に個人的な好みですが、やっぱり梅雨ちゃんがいいですね。個人的にはお茶子よりも梅雨ちゃん。「どっから出してんだ」っていうふざけた声が楽しくて、あおちゃんが色々と充実した仕事をしていることがよく分かるのである。あとは石川プロの声がドはまりしてる飯田くんもナイスなキャラになってたし、全然出番無かったけどMt.レディなんかも好き。そして何と言っても峰田ですね。あまりにも予想通りのテンションで最高でした。あかん、イロモノヒーローしか見てないかもしれん。

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「田中くんはいつもけだるげ」 5→7

 馬鹿言っちゃいけねぇ、この番組が終わるはずなんて……終わるなんて……田中ぁ! お前めんどくさくなっただろ!!

 というわけで、今期トップレベルに楽しんでいた作品ですね。「今期最高の作品は?」って聞かれて「田中くんかふらいんぐうぃっち」って答える時点で、もう私はアニメに刺激を求めてないってことなんでしょうかね。いやいや、そういうわけでもない。ちゃんとこのアニメにも刺激はあったんだし。ほら、マッハで画面を横切る宮野さんとか、えっちゃんのスカート借りててるてる状態の宮野さんとか。

 「のんのんびより」に続いて、川面監督はまさかの「こっち方向」での2勝目。絶妙な間の演出、漫画原作の間を埋めながらも、決してうるさい押し出しにならず、絶妙に作風を盛り立てる構成の妙。元々の味が薄い作品だけに、そうした細やかな配慮での味付けが大きな影響を及ぼす。普通に考えたらあまりにダラダラしすぎていて、ともすると画面から注意を逸らしてしまいそうなものなのに、妙な不意打ちがあるせいで油断出来ずに画面に引き寄せられてしまう。画面を見ていれば、溜めて溜めてちょっと出す、という今作のフィールドにどっぷり浸かっていることになり、後は監督の思うつぼ。してやられています。「田中と太田のコンビ芸が中心ではあるものの、回りの女の子がすこぶる可愛い」という今作の魅力を十全に理解し、宮野さんとか、越前さんとか、白石さんとか、莉乃ちゃんとか、あと宮野さんとか、そういうところを全力で描いてくれているのが本当に素晴らしかったです。思えば「あんハピ」だって女の子の愛らしさはちゃんと出ていたわけで、今期もSILVER LINKはよいお仕事をしていたのである。

 中の人については特に言うこともないです。どのヒロインも最高ですし、田中も太田も頑張ったよ。でもまぁ、強いて1人選ぶとしたら誰かなー。みんな良かったから選ぶなんて出来ないけど強いて選ぶとしたらなー。結論:奈津姉ぇは最高の飛び道具。

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 ウルジャンのCM、なんでヒロイン揃い踏みなんだよ、第13話。うるさくてしょうがないわ。全員そろってゴマ蜜団子渡してるし。カオスだ。来月は誰が出てくるんでしょうね。家政婦の虹村さんとかかな。

 インタールードみたいなイメージのエピソード。ジョセフはこの後ほとんど登場しなくなるし、新キャラとして登場した透明な赤ちゃん(一応、静ジョースターって名前になるが、ここでは「透明な赤ちゃん」が名前ってことでいいだろう)も今後ほとんどストーリーには関わってこない。あくまで仗助とジョセフの関係性に一定の結末をもたらすためだけに与えられたお話である。……と思ってたんだけど、改めて一本のシナリオにまとめられると、割と面白いな。ジョセフのキャラが活き活きするとそれだけでだいぶコミカルになるし。元々仗助ってシリーズ屈指のギャグ向き主人公だからツッコミのノリも歯切れが良い。このあたりは荒木先生も色々とテイストで実験的なことをやっていたのかな。この後の未起隆のエピソードなんかも似たようなテンションだし、4部の敵にとぼけたヤツが多いのは、トニオ→今回の話、で「日常回でも充分スタンドの物語は描ける」っていう自信が持てたからなのかも。

 改めて検討すると、今回のお話も謎が多い。最大の謎は赤ん坊がどこからやってきたか、という部分だ。両親は結局分からずじまいだし、あんな辺鄙そうなところに一人うち捨てられていた意味も分からない。一番ありそうなのは、あの厄介なスタンド能力に匙を投げた両親が我が子を捨ててしまったという展開だが、その後SW財団が調査しても両親が見つからなかったってことは、近所にそうした育児放棄があったとも考えにくい。まぁ、逆に考えれば、かなり遠方から赤ん坊を捨てに来たってことになって、地元の人間でなければあんな辺鄙なところに捨ててしまった理由も何となく分かる気はするが。余所者がおいそれと町中に入って「拾ってもらえそうなところ」に捨てるわけにもいかないし、街中と郊外のギリギリの野原に捨てていったのもしょうがないと見るべきか。流石に裸の赤ん坊をそのまま投げ出したとは考えにくいのでそれなりの付属品とか、収納してた箱なんかもあったんだろうけど、それらは全て透明になっちゃった、って事……かな? まぁ、分かりませんけど。

 そしてもう1つ原作で不思議だったのは、大金を叩いてジョセフが買い物をした時に、何故仗助がその事実に全然気付かなかったのか、っていう部分。カートに山盛りの買い物をしてジジイが出てきたならその時に気付いて怒鳴り散らしていそうなものだが、原作にそうした描写はない。今回アニメではそのあたりの繋ぎが(ちょっとだけ)出ており、人の目を気にした仗助が慌ててベビー用品店から逃げ出す様子が確認出来る。よっぽど慌ててたんだね。普段は自分の不良っぽい風体とか回りの目なんて全然気にしないのに……変なところで繊細だな。まぁ、逃げ出した後も特にジジイを怒った様子もなかったので、仗助も案外「どうせベビー用品だし、大したことないだろ」くらいの考えだったのかもしれん。親子揃って適当な金銭感覚だな。ちなみに、この時の13万円はきちんとジョセフが後で補填してくれています。まぁ、この大きな金の出入りが後々また不幸を呼ぶことになるのだが……。

 透明な赤ん坊のスタンド能力は、一切敵意もなければ利己的意識もないものなので、スタンド研究の際には興味深い存在である。自分を守るために発現しながらも自分を傷つけるスタンドというと、近い存在では3部でホリィが産んでしまったイバラのスタンドがある。あれは完全にコントロール不能になってしまっていたが、考えようによってはアクトン・ベイビー(赤ん坊のスタンド)に近い存在といえるかも。あとはチープ・トリックとかも仲間になるのかなぁ。人間でも未熟だとなかなかスタンドが使いこなせないので大変ね。猿や鳥や亀でさえスタンドを操れるというのに……。

 まぁ、そんなわけですったもんだがありながら、最後にはジョセフが父親らしい格好良いところ見せてめでたしめでたし。まー、元々索敵能力に優れるハーミットパープルがあるんだから、念写とか波紋とかで何とかならなかったのかって気もするのだが……もうジジイにそんな器用なスタンドの使いこなしは出来ないんでしょうかね。波紋の鍛錬を続けてれば師匠みたいに若い姿をずっと保てたものを……。時たま思うのは、こうして老衰で思考が鈍っていく間、ジョセフはストレイツォのことをどう思っていたんだろう、ってこと。足腰が不自由になり、色々不便になって、あの男のことを少しは理解出来るようになったのか、それでも人間の摂理に抗うことは認められないと思い続けていたか。まぁ、ジョセフの場合は隣にスージーQっていういい奥さんがいるからなぁ。あのばあさんと生活してたら、なかなかボケる暇なんてないだろ。実際、この後また元気になるみたいだしな。最終的にジョセフはいくつまで生きたんでしょうね。ひ孫の顔を見てから逝ってるはずなんだけど。まー、ひ孫はアメリカでムショにぶっこまれてたけどなぁ。

 さて、次週はいよいよあの漫画家先生が登場。CVが神谷浩史から櫻井孝宏に変更になっているってのはどう転ぶか分からないが、まー、櫻井なら問題無くやってくれることでしょう。そういや、今週わざわざ集英社の人が原稿取りに来てましたね。この時代なら別に郵送でも良い気もするのだが……わざわざ宮城県まで出張ってくる編集さんもお疲れである。しかも自宅じゃなくてその辺のオープンテラスで原稿渡すって……割とセキュリティが杜撰だよな……。

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「キズナイーバー」 6→6

 「迷家」に続いて終了した岡田麿里作品であり、「ルル子」に続いて終わったTRIGGER作品でもある。なかなか他と比べるのが難しいジャンルの作品なので評価も一筋縄ではいかないが、なかなかどうして、個性的な作品になっていたんじゃないでしょうか。

 上で出した2つの要素が、評価軸としては最も使いやすいものではないだろうか。つまり、「シナリオ」の岡田麿里、そして「映像」のTRIGGER(小林寛)。まずは脚本面からだが、「迷家」では色々と馴染みのない部分に切り込んでもやっとした部分を残してしまった岡田麿里だが、こちらはまさにホームグラウンド。「傷と絆の物語」なんて、もう番組放送開始前から「独壇場だぁ!」と思っていたわけだが、案の定、ガンガンに攻めた人間関係が、今作オリジナル要素である「絆システム」でつながれることで思いっきり分かりやすい方向に現れた。痛みを分かち合うというシステムの根幹からスタートし、さらに「心の痛み」に派生、これがすぐに適用されるのではなく、7人が緩やかに繋がる事に成功した中盤以降に現れるあたりが本当にタチの悪い脚本。離れ離れならば互いに心を痛める必要はない。しかしなまじ「つながって」しまったからこそ、そこにどうしようもない心のぶつかり合いが生まれてしまう。一方通行ばかりが繋がり合ういかにもな恋愛模様は、「これ、凪のあすからで見たやつだ!」とか「あの夏で待ってた!」ってなもんで。そのどれもがジワリと痛く、決して単なるドラマのパーツに終わらないだけの「残念さ」と「切実さ」を持っている。一番露骨に現れていたのは当然千鳥であるが、個人的にはニコの立ち位置が一番しんどかったかな。あのキャラでコミュニティに入ってきたのに、まさか恋愛絡みであんな風に苦境に立たされてしまうなんてなぁ。馬鹿野郎には馬鹿野郎の恋愛があるだろうが、今作の場合、7人(のりちゃんもいれれば8人)の中に馬鹿はいても悪人はいないのがね。みんな真摯にお互いを傷つけ、みんな一生懸命お互いを理解しようとするんだ。高校生らしい青臭い感情も多々あり、時にはいくらなんでも臭いだろ、ってな展開もあったかもしれないが、彼らの置かれた「絆」の環境は我々の想像を絶する極限状態だったのだ。多少なりとも精神状態がねじれてしまっても致し方あるまい。

 こうして組まれた「心の絆」の物語。単に「つなぐシステムが出来ました」というだけで終わってもそれはそれで面白い実験場になったとは思うが、流石にそんなほったらかしでは視聴者も納得してくれないってんで、用意されたラスボスは「全ての痛みを受ける者」であるのりちゃんだった。序盤にはなかなか見えなかった「全ての痛みを受ける」のりちゃんと、「一切の痛みを受けない」かっちょんの関係性。少しずつ過去の因縁が紐解かれ、それまで7人が分け合った様々な痛み・苦労が、既にのりちゃんからすれば「とっくの昔に通過したこと」だったという事実が判明する。これにより、歳を同じくしながら、のりちゃんはラスボスとしての権利を得て、最終回までにかっちょんたちと対立することになるわけだ。もちろん、殴る蹴るのバトル展開になるわけではないが、互いの痛み、互いの苦しみについての思いをぶつける青春討論会はそれなりに説得力のあるもので、「傷とはなにか」「絆とはなにか」をまとめあげるデザインとしては無難な仕上がり。やっぱり、こうして肉薄した人間関係に焦点を絞り込むなら、岡田麿里ほどあけすけに、容赦無くまとめ上げてくれる脚本家もなかなかいないだろう。

 そして、こうした「青春ドラマ」はシナリオとしてなかなか面白いものになっているのだが、実はこれ、あんまりアニメ向きじゃない。何しろ「互いの痛みが分かる」なんて設定は映像にしてもそれほど伝わるもんでもないし、互いの主義主張をぶつけ合う真剣十代しゃべり場みたいになったら、映像としてもメリハリがないからだ。そこで登場するのがTRIGGERの無茶な映像技術というわけで、毎度のことながらやんちゃ過ぎる画作りで湿っぽくなりそうな「心の話」を、荒唐無稽なドタバタ劇に変化させている。と言っても、たとえば「キルラキル」みたいに振り切れてしまったら、もう些細な心情なんかどうでもいいじゃねぇか、ってレベルに吹き飛んでしまう恐れもあるわけで、ある程度理知的な部分を残しつつ、それでも「面白味」に繋がるような画のバランスが求められる。それに応えてみせたのが、今作で監督を務めた小林寛だったわけだ。キャラクターデザイン自体も割と個性的で動かすのに神経を使いそうなものだったが、魅力的なキャラ画を破綻無く動かし、「いつも通り」の痛快アクションでバシバシ飛ばしまくる。もちろん締めるところはキッチリ締めて、実にクレバーながらも熱量を落とさない作劇のバランスはお見事。やっぱり、アニメの真骨頂ってのはこうして一見どうってことないようなセッティングでもちゃんとコミカルな動きの見せ方で膨らませられるところにあるのよね。見ていて退屈しない、良いアニメでしたわ。

 終わってみれば、あまりにすっきりと、何事も無かったかのように過ぎてしまったので一抹の物足りなさを覚えてしまう視聴者もいるかもしれないが、それだけすっきりとシナリオ面、そして作品全体の統括が決まっていたということだろう。個人的には文句無しでお気に入りだった牧さんに是非とも幸せになって欲しいもんですね。ラストの由多ちゃんに見せたダイレクトにツンなデレはズル過ぎると思うの。もう、由多ちゃんもデレデレだしやばいんじゃないかな、あのカップル。暗に「ルックスなんかどうでもいいけどあんたが好きなんだよ」って言われちゃった由多ちゃんは、今後どういう風に「牧さんに見合う男」を磨いてくれるんでしょうか。あんなこと言われたら絶対に太らないように気をつけるだろうなー。そして、牧さんとは対照的に悲恋に散ってしまったニコちゃんも意外な方向に成長を遂げたダークホース。どう考えてもノイズにしかならないと思っていたキャラだったのに、気付けば8人の中の中心的ポジションになって実に多くの場面で危機を救ってくれた。その上であんな結末になっちゃうってのもなぁ……丸く収めるためにいっそ日染とくっついちゃえば、って思わないでもないが、それって誰にとっても幸せではないな。隙を見て略奪愛に走るんでしょうか。まぁ、天河もそのうち千鳥の性格に嫌気がさすこともあるかもしれないし……。うーむ、修羅場。

 中の人の話題は……もういいかな。牧さんの中の人は永遠にラブですから。サトリナに散々罵倒されるだけでも本当に幸せな作品でした。そして、ニコちゃんが急成長を遂げたってことは、久野ちゃんもいい仕事が出来たってこと。今期は「ビッグオーダー」とこれで、なかなか新鮮な役どころが回ってきた面白いシーズンだったんじゃないでしょうか。あとはのりちゃん役の山村響かな。これと「あんハピ」を続けて観るとわけ分かんなくなるぞ。

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